JP2003170694A - 水性ボールペン - Google Patents
水性ボールペンInfo
- Publication number
- JP2003170694A JP2003170694A JP2001369425A JP2001369425A JP2003170694A JP 2003170694 A JP2003170694 A JP 2003170694A JP 2001369425 A JP2001369425 A JP 2001369425A JP 2001369425 A JP2001369425 A JP 2001369425A JP 2003170694 A JP2003170694 A JP 2003170694A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ball
- ink
- tip
- sec
- ballpoint pen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Pens And Brushes (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Abstract
くく、安定したインク流出性を有する水性ボールペンを
提供すること。 【解決手段】 前記インクは、摂氏25度における剪断速
度38.4sec-1の粘度が20mPa・sec以上600mPa・sec以下、
かつ剪断速度384sec-1の粘度が10mPa・sec以上120mPa・
sec以下の水性インクであり、前記先端ボールは、表面
の算術平均粗さ(Ra)が、0.005μm以上0.030μm以下とし
た。
Description
を収容した水性ボールペンに関するものである。
剪断減粘性を付与したインクを用いていない場合には、
非筆記時にペン先からのインクのボタ落ちが生じない適
当な粘度値で設計すると、筆記時に筆記描線の線割れ、
ボテカスレが発生しやすくなり、また、筆記時の性能を
重視した粘度値で設計すると、非筆記時にインクのボタ
落ちが発生しやすくなる等、バランスのとれた品質を維
持させるのに困難であった。
ルを搭載するものに顕著である。また、一般的なボール
ペンでは、筆記部である先端ボールの周辺には、筆記に
必要なインクが流れ出るための間隙が適宜設けられてい
る。従って、その間隙からインクが蒸発したり、輸送中
の振動・落下によるインクの洩れ出しや、長期放置によ
るインクの空気酸化劣化や、空気が入り込む事により、
筆記時のカスレが発生することがある。また、店頭で長
期間、ペン立てに筆記部を軸方向上向きに保存すること
で、インクが筆記部と逆方向に落ちてしまうインクドロ
ップなどの事後がしばしば見られる。
ールペンチップ内に先端ボールを押圧するようにスプリ
ングを内蔵するチップ、いわゆるスプリングチップが考
案されている(特開平8−20184号など)が、スプ
リングがボールを押しているため、ボールの回転を阻害
し、インクの流出性を損なう傾向があった。また、ボー
ルについてみると、表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.005
μm以下のボールでは、ボールと紙面との摩擦抵抗が少
ないため、ボールが紙面上を滑り、回転せず、線切れが
生じる傾向があった。
記載の発明は、上記した従来の技術の有する問題点を解
決すべくなされたものであり、筆記感を損なうことな
く、線切れがおこりにくく、安定したインク流出性を有
する水性ボールペンを提供することを目的とするもので
ある。
ボールのボール径が大きい場合であっても、上記目的を
達成することができる水性ボールペンを提供しようとす
るものである。 (請求項3)請求項3記載の発明は、スプリングチップ
を用いたボールペンであっても、上記目的を達成するこ
とができる水性ボールペンを提供しようとするものであ
る。
め、本発明は、以下のように構成されている。なお、符
号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本
発明の技術的範囲を限定するものではない。 (請求項1)請求項1記載の発明は、先端ボール40と、
この先端ボール40を回転自在に抱持したホルダー50から
なるボールペンチップ10と、継ぎ手20を介して前記ボー
ルペンチップ10の反先端ボール40側連結され、内部にイ
ンク60を収容したインク収容管30とを少なくとも有する
水性ボールペンにおいて、前記インク60は、摂氏25度に
おける剪断速度38.4sec-1の粘度が20mPa・sec以上600mP
a・sec以下、かつ剪断速度384sec-1の粘度が10mPa・sec
以上120mPa・sec以下の水性インクであり、前記先端ボ
ール40は、表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.005μm以上0.
030μm以下であることを特徴とする水性ボールペンであ
る。
ンク収容管30からなるレフィールを軸筒に挿着した水性
ボールペンである。前記ボールペンチップ10は、先端ボ
ール40及び先端ボール40を回転自在に抱持した略円筒形
のホルダー50から成り、ホルダー50の中心部はインク60
が通るためのインク孔56となっている。前記先端ボール
40は、ホルダー50の一端に形成されたボールハウス51内
に収納され、カシメ部55によりボールハウス51から飛び
出さない構造とすることができる。このホルダー50を、
継ぎ手20を介してインク収容管30と結合せしめ、いわゆ
るボールペンレフィールを形成する。
性インクは、擬塑性水溶性インク、いわゆる水性ゲルイ
ンクであり、その粘度は、摂氏25度における剪断速度3
8.4sec-1の粘度が20mPa・sec以上600mPa・sec以下、か
つ剪断速度384sec-1の粘度が10mPa・sec以上120mPa・se
c以下となっている。擬塑性インクは、静止状態におい
ては非流動性を示すものの、剪断力が加えられると流動
性を示すものであり、非筆記時には粘性を増加し、筆記
時には粘性を減じさせることにより、線割れ、ボテカス
レ、ボタ落ちを防止するのに有効である。しかし、静止
状態でのインク粘度が低いとに非筆記時ボタ落ちが発生
し、剪断力が加えられたときのインク粘度が高いと、筆
記時に線割れ、ボテカスレを発生する。そこで、両者の
バランスを考慮したインク粘度とするために、上記のよ
うにインク粘度を限定したものである。
ル40の算術平均粗さ(Ra)を、0.005μm以上0.030μm以下
に形成してある。先端ボール40と紙面との間に適度な摩
擦抵抗を得るためには、Ra値が0.005μm以上あることが
必要である。しかし、Ra値が大きすぎる場合には、先端
ボール40と紙面との摩擦抵抗が大きくなり、ゴツゴツし
て筆記感が損なわれる。そこで、Ra値の上限を0.030μm
に限定したものである。
先端ボール40の直径が0.7mm以上であることを特徴とす
る請求項1記載の水性ボールペンである。ボール径が0.
7mm以上の先端ボール40を搭載するボールペンは、ボー
ルが回転するのにより大きな紙面との摩擦力が必要なた
め、先端ボール40の滑りによるインクの流出不良が顕著
に現れやすい。しかし、インク粘度及び先端ボール40の
Ra値を前記請求項1記載の内容に限定することにより、
ボール径が0.7mm以上の先端ボール40を搭載するボール
ペンであっても、書き味良く、線割れ、ボテカスレ、ボ
タ落ちのないものとすることができる。
ボールペンチップ10のホルダー50内に、前記先端ボール
40を外側に押圧するスプリング部材80を内蔵してなる請
求項1又は2記載の水性ボールペンである。本発明は、
いわゆるスプリングチップを用いた水性ボールペンであ
る。
ルバネを用いることができる。その一端にストレート部
81を設けて前記ホルダー50のインク孔56内に遊嵌させ、
ストレート部81の先端で、インク孔56内側から軸方向外
側に向かって先端ボール40を押圧する構造とすることが
できる。このようにして、非筆記時におけるペン先から
のインク60のボタ落ちを防止しようとするものである。
ボールペンは、スプリングがボールを押圧しているた
め、ボールが回転しづらく、紙滑りと同様インクの流出
不良をおこしやすい。しかし、インク粘度及び先端ボー
ル40のRa値を前記請求項1記載の内容に限定することに
より、スプリングチップを搭載するボールペン、さらに
はスプリングチップを搭載すると共にボール径が0.7mm
以上の先端ボール40を搭載するボールペンであっても、
書き味良く、線割れ、ボテカスレ、ボタ落ちのないもの
とすることができる。
ンの実施の形態を、図面に基づき説明する。 (第一の実施の形態) (図面の説明)図1及び図2は、本発明の第一の実施の
形態を表す図である。図1は水性ボールペンのボールペ
ンレフィールを示す図、図2はボールペンチップ10の拡
大図を示す。
ルペンは、図1に示すレフィール1を、特に図示しない
が、軸筒に挿入しチップの先端ボール40側を軸筒端部よ
り突出させて口金で固定してなるものである。そして、
前記レフィール1は、ボールペンチップ10と、このボー
ルペンチップ10に継ぎ手20を介して固定されるインク60
を収容したインク収容管30から構成されている。
10は、図2に示すように、先端ボール40と、先端ボール
40を保持するためのホルダー50とを備えている。また、
前記ホルダー50は、先端ボール40を収納するためのボー
ルハウス51、ボールハウス51に収納した先端ボール40が
外部に飛び出さないようにするためのカシメ部55、及び
先端ボール40にインク60を供給するためのインク孔56を
少なくとも備えている。
にインク60を塗布するためのものである。この先端ボー
ル40は、超硬合金、ステンレス、焼入鋼、又はセラミッ
クなどを用いて球形に形成されている。そして、本実施
の形態においては、その直径は0.7mm以上に形成されて
いる。
摩擦抵抗を生ぜしめる表面粗さを有するように形成され
ることにより、筆記時にボールハウス51内で回転し、イ
ンク孔56よりインク60を引き込んで紙面にインク60を塗
布できるものである。もし、表面の算術平均粗さ(Ra)
が、0.005μm未満であると、先端ボール40と紙面の摩擦
抵抗が不十分となり、筆記時に先端ボール40が滑り、回
転しないため、紙面にインク60が塗布されず、線切れを
生じやすくなる。
には、先端ボール40と紙面との摩擦抵抗が大きすぎ、筆
記時にゴツゴツし、なめらかな筆記感が失われる。さら
に、従って、先端ボール40は、その算術平均粗さ(Ra)
が、0.005μm以上0.030μm以下になるよう形成されてい
る。なお、算術平均粗さ(Ra)とは、触針式表面粗さ測定
器(Ranc TaylorHobson社製の機種名:From-Talysurf-S1F
-50)により測定された粗さ曲線から、その平均線の方向
に基準長さLだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線
から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値
である。
ール40を保持するためのものであり、一端が先細の円錐
形に形成され、他端側に段部を有する略円筒形の部材で
ある。そして、ホルダー50は、先端ボール40を収納する
ためのボールハウス51、ボールハウス51に収納した先端
ボール40が外部に飛び出さないようにするためのカシメ
部55、及び先端ボール40にインク60を供給するためのイ
ンク孔56とを有している。
ルダー50の一端に設けられた先端ボール40を収納するた
めの空間であり、円筒状の側壁52と、インク孔56側を頂
点側とする円錐状の底面部53とを有している。そして、
この底面部53には、先端ボール40の曲率とほぼ同一の曲
率を有する凹球面状のボール受け座54が形成されてい
る。
のボールハウス51側の一端を円錐形に形成したものであ
り、先端ボール40がボールハウス51から飛び出さないよ
うにするためのものである。このカシメ部55は、ボール
ハウス51に先端ボール40を収納した後に、ホルダー50の
端部に圧延加工を施すことによって形成し、ホルダー50
端部の内径が先端ボール40の直径よりも小さくなるよう
に形成されている。さらに、先端ボール40とカシメ部55
の内径との間には、微少な間隙が設けられている。
ウス51から外部に突出させつつ、このカシメ部55によ
り、ホルダー50の先端に回転自在に抱持される。そし
て、筆記時には、先端ボール40が回転することにより、
先端ボール40に付着したインク60が筆記面に転写され、
描線が描かれるのである。このさい、前述した微少な間
隙がインク60の通路となるものである。
ハウス51の底面部53からホルダー50の他端にわたり貫通
する孔であり、ボールハウス51に収納した先端ボール40
にインク60を供給するためのものである。また、このイ
ンク孔56のボールハウス51側内周面には、インク孔56の
中心から放射状に設けられたインク溝57が形成されてい
る。このインク溝57が存在することにより、インク孔56
からボールハウス51にインク60が十分に供給可能となる
ものである。
チップ10とインク収容管30を連結させるためのものであ
る。すなわち、継ぎ手20は、一方に前記ホルダー50の反
先端ボール40側を圧入固着し、他方はインク収容管30の
一端内周に嵌着される略円筒状の部材であり、ほぼ中央
にはインク60の逆流防止のためのボール弁90が遊嵌され
ている。
リプロピレン等の合成樹脂よりなるチューブ状の部材で
あり、内部にインクを収容するためのものである。図示
するように、このインク収容管30の一端には前記継ぎ手
20が嵌入されており、内部にはインク60が充填されてい
る。そして、継ぎ手20の軸方向対向側には、インク60の
揮発防止及び流れだし防止のためのフォロア70が充填さ
れている。
用するインク60は、摂氏25度における剪断速度38.4sec
-1の粘度が20〜600mPa・sec、かつ剪断速度384sec-1の
粘度が10〜120mPa・secの擬塑性水性インク、好ましく
は、摂氏25度における剪断速度38.4sec-1の粘度が50〜3
50mPa・sec、かつ剪断速度384sec-1の粘度が15〜80mPa
・secの擬塑性水性インクである。
用いることで、筆記描線の線割れ(筆記描線が複数本に
分かれてしまう現象)やボテ(インクが固まってしまう
現象)、ペン先からのインクのボタ落ちによる描線の滲
みや不鮮明感を防止することができるものである。すな
わち、剪断速度38.4sec-1の粘度が600mPa・secを超え、
又は剪断速度384sec-1の粘度が120mPa・secを超える
と、筆記描線の線割れ、ボテも発生しやすくなる。ま
た、剪断速度38.4sec-1の粘度が20mPa・sec未満、又は
剪断速度384sec- 1の粘度が10mPa・sec未満だと、ペン先
からのインクのボタ落ちが発生しやすく、筆記描線も非
常に滲みやすく、不鮮明になるからである。
60は、成分として、粘度調整剤、着色剤、水溶性液体媒
体、界面活性剤、その他の添加剤を含有する。 (粘度調整剤)粘度調整剤は、水性インクの粘度を調整
するためのものであり、例えば、ポリアクリル酸、ポリ
メタクリル酸のアルカリ塩やアクリル酸またはメタクリ
ル酸含有供重合体のアルカリ塩、スチレンとマレイン酸
の供重合体のアルカリ塩、酢酸ビニルとクロトン酸の供
重合体のアルカリ塩、変性ポリビニルアルコールを含有
するビニルアルコール、メチルビニルエーテルと、マレ
イン酸の供重合体、酸化ポリアルキレンの誘導体、メチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロースのナトリウム酸、アラビアガム、セ
ラックのアルカリ塩、酸化ポリエチレン、アルギン酸ナ
トリウム、トラガントガム、グァーガム、カラヤガムな
どが挙げられる。
くは分散するすべての顔料、酸化チタンおよび従来公知
の無機系および有機系顔料、樹脂エマルションを染料で
着色した疑似顔料、白色系プラスチック顔料すべてが使
用可能である。その具体例としては、染料としては、エ
オシン、フロキシン、ウォーターイエロー#6−C、ア
シッドレッド、ウォーターブルー#105、ブリリアン
トブルーFCF、ニグロシンNB等の酸性染料や、ダイ
レクトブラック154、ダイレクトスカイブルー5B、
バイオレットBB等の直接染料や、ローダミン、メチル
バイオレット等の塩基性染料を挙げることができる。
ラック、金属粉などか挙げられる。有機系顔料として
は、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートア
ゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔
料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レー
キ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などが挙げられる。具体
的には、カーボンブラック、チタンブラック、亜鉛華、
べんがら、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、酸化鉄
黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムイエ
ロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデートオレ
ンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、
ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸
バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺青、
マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉等の無
機顔料、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブル
ー15、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー
27、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド2
2、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド4
8、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド5
3、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド8
1、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド14
6、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントイエロー
1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロ
ー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエ
ロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイ
エロー34、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメント
イエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメン
トイエロー95、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグ
メントイエロー167、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.
ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントバイオレット
1、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバ
イオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピ
グメントバイオレット50、C.I.ピグメントグリーン7等
が挙げられる。
度により適宜増減するが、インク全量に対して0.1〜40
質量%が好ましい。 (水溶性液体媒体)水溶性液体媒体は、書き味の向上、
経時安定性向上のために配合するものである。水溶性液
体媒体としては、プロピレングリコールやグリセリン、
ポリエチレングリコールなどの多価アルコール類、グリ
セリンのアルレンオキサイド付加物およびトリメチロー
ルプロパンのアルレンオキサイド付加物からなる群、お
よびこれらの混合物などが使用できる。
調整、書き味向上のために配合するものである。界面活
性剤としては、ポリオキシエチレンヨウリルエーテルな
どポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンもしくは
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンの誘導体、テ
トラグリセリルジステアレートなどグリセリンジグリセ
リンもしくはポリグリセリンま誘導体、ソルビタンモノ
オレートなど糖類の誘導体、パーフルオロアルキル燐酸
エステルなどフッ素化アルキル基を有する界面活性剤、
ジメチルポリシロキサンのポリエチレングリコール付加
物などのポリエーテル変性シリコーン、硬化ヒマシ油、
燐酸エステル型活性剤、フッ素系界面活性剤、カリセッ
ケンなどの潤油および潤滑剤などが使用できる。
は、顔料の分散剤として、スチレンマレイン酸のアンモ
ニウム塩、スチレンアクリル酸のアンモニウム塩などの
水溶性高分子など揮発抑制物質として、マルチトールを
主成分とする還元糖、ソルビトールを主成分とする還元
糖、還元オリゴ糖、還元マルトオリゴ糖、還元デキスト
リン、還元マルトデキストリン、α−サイクロデキスト
リン、β−サイクロデキストリン、マルトシルサイクロ
デキストリンなどが使用できる。
ル・サポニン類等、pH調整剤としては、水酸化カリウ
ム、リン酸カリウム、アミノメチルプロパノール類等、
防腐剤としては、ナトリウムオマジン、1−2ベンゾイ
ソチアゾリン等を必要に応じて使用することができる。
ところで、本発明の水性ボールペン用インク60の製造法
は、上記成分を必要に応じて加熱溶解、混合撹拌、ろ過
などを行うことにより、容易に得ることができる。ま
た、製造に際しては、他の水性ボールペンインクと製造
法と比べて特に注意すべき事はなく、撹拌温度、ろ過方
法など水性ボールペンインクの製造に用いるものとして
常識的な範囲であれば、何ら問題はない。
二の実施の形態を表す図であり、ボールペンチップ10の
拡大図を示すものである。第二の実施の形態は、ボール
ペンチップ10にスプリング部材80を内蔵した、いわゆる
スプリングチップとしたものである。 (ボールペンチップ10)ボールペンチップ10は、図3に
示すように、先端ボール40と、先端ボール40を保持する
ためのホルダー50とを備えている。また、前記ホルダー
50は、先端ボール40を収納するためのボールハウス51、
ボールハウス51に収納した先端ボール40が外部に飛び出
さないようにするためのカシメ部55、先端ボール40にイ
ンク60を供給するためのインク孔56、及び前記先端ボー
ル40をホルダー50の軸方向外側に押圧するスプリング部
材80とを少なくとも備えている。
第一の実施の形態と同様であるので、ここでは説明を省
略する。 (ホルダー50)前記ホルダー50は、先端ボール40を保持
するためのものであり、一端が先細の円錐形に形成さ
れ、他端側に段部を有する略円筒形の部材である。
納するためのボールハウス51、ボールハウス51に収納し
た先端ボール40が外部に飛び出さないようにするための
カシメ部55、先端ボール40にインク60を供給するための
インク孔56、及び前記先端ボール40をホルダー50の軸方
向外側に押圧するスプリング部材80とを有している。 (ボールハウス51)ボールハウス51は、ホルダー50の一
端に設けられた先端ボール40を収納するための空間であ
り、円筒状の側壁52と、インク孔56側を頂点側とする円
錐状の底面部53とを有している。そして、この底面部53
には、先端ボール40の曲率とほぼ同一の曲率を有する凹
球面状のボール受け座54が形成されている。
ス51側の一端を円錐形に形成したものであり、先端ボー
ル40がボールハウス51から飛び出さないようにするため
のものである。
ボール40を収納した後に、ホルダー50の端部に圧延加工
を施すことによって形成し、ホルダー50端部の内径が先
端ボール40の直径よりも小さくなるように形成されてい
る。さらに、先端ボール40とカシメ部55の内径との間に
は、微少な間隙が設けられている。先端ボール40は、そ
の一部を前記ボールハウス51から外部に突出させつつ、
このカシメ部55により、ホルダー50の先端に回転自在に
抱持される。そして、筆記時には、先端ボール40が回転
することにより、先端ボール40に付着したインク60が筆
記面に転写され、描線が描かれるのである。このさい、
前述した微少な間隙がインク60の通路となるものであ
る。
ハウス51の底面部53からホルダー50の他端にわたり貫通
する孔であり、ボールハウス51に収納した先端ボール40
にインク60を供給するためのものである。インク孔56
は、ボールハウス51側から反ボールハウス51側にかけて
徐々に孔径を広げるように形成されており、反ボールハ
ウス51側の端部内周面には、インク孔56中心に向かう突
部であるスプリング抑え58が形成されている。
内周面には、インク孔56の中心から放射状に設けられた
インク溝57が形成されている。このインク溝57が存在す
ることにより、インク孔56からボールハウス51にインク
60が十分に供給可能となるものである。なお、前記イン
ク溝57は、図3に示すように、ホルダー50の底面部53か
らインク孔56に貫通しないような構成となっている。こ
れは後述するスプリング部材80のストレート部81が溝の
凹部に引っかかり、先端ボール40に届かないというトラ
ブルを防ぐためである。
は、前記インク孔56に内蔵された、ストレート部81を有
する圧縮コイルバネである。そして、このスプリング部
材80は、前記ストレート部81の先端面が先端ボール40に
当接し、ストレート部81の対向側のバネ端部は、前記ス
プリング抑え58に係止され、インク孔56内に遊閉された
状態となっている。
グ部材80は、そのバネ力により、先端ボール40を常時ボ
ールハウス51から外側に押圧しており、先端ボール40は
カシメ部55に当接している。従って、先端ボール40を下
向きにしてボールペンを立てておいても、ボールハウス
51内のインク60が先端ボール40とカシメ部55内周の間隙
から漏れ出すことがない。
筆圧でボールハウス51内に押し戻されるとともに紙面と
の摩擦抵抗により回転し、ボールハウス51内のインク60
が先端ボール40とカシメ部55内周の間隙を通って、紙面
に転写されるものである。 (インク収容管30及びインク60)インク収容管30及びイ
ンク60の構成は、第一の実施の形態と同様であるので、
ここでは説明を省略する。
らに詳細に説明するが、本発明はこれに制約されるもの
ではない。 (水性ボールペンの評価) (1)ボタ落ち性とインク流出安定性 剪断速度38.4sec-1のインク粘度を表1に示すような値
とした水性インクを収容したレフィールを、当社で市販
しているボールペンの軸筒に挿着し、この水性ボールペ
ンについて、次の要領で試験及び評価を行った。また、
先端ボール40のボール径は0.7mm、表面の算術平均粗さ
(Ra)は0.0083μmのボールを使用した。
メ部55の間隙からインクが漏れ出す程度のことである。
インク粘度を各仕様にした水性ボールペンを、ペン先を
下向きにして温度摂氏25度、湿度65%の恒温槽に一時間
放置した後、ボタ落ちの程度を次の基準で評価した。
ール40に供給される程度、インクが先端ボール40により
紙面に塗布される程度のことである。
を、ISO規格に準拠した筆記用紙に、筆記試験機にて
下記条件で終筆まで「らせん筆記」し、100mごとの筆
記流量の推移と表洗浄体を評価した。 ○:流量が安定しており、カスレや濃度ムラが発生しな
い △:やや流量に乱れが生じ、カスレや濃度ムラが認めら
れる ×:流量に乱れが生じ、カスレや濃度ムラがはっきりと
認められる
たないと、ボタ落ちが発生する。一方、インク粘度が60
0mPa・secを超えると、インク流量の乱れが生じる。従
って、ボタ落ちせず、インクを安定して流出させるため
には、インク粘度を20mPa・sec以上600mPa・sec以下に
することが望ましいという結論に達した。なお、上記実
験を、いわゆるスプリングチップを用いて行った結果、
粘度20mPa・secのボタ落ち性の評価は、○となることが
確認された。
な値とした先端ボール40を用いたボールペンチップを、
当社で市販しているインク管に固着してレフィールと成
し軸筒に挿着し、この水性ボールペンについて、次の要
領で試験及び評価を行った。また、剪断速度38.4sec-1
のインク粘度が200mPa・secであるインクを使用した。
て、筆記用紙に「らせん筆記」し、書き味を次の基準で
評価した。 ○:滑らかで安定した書き味 ×:ゴツゴツした硬い書き味
に準ずる。
ク流出安定性ともに良好な結果が得られた。しかし、比
較例1において、Ra値を0.005μm以下にすると、インク
流出安定性に欠けるものとなる。すなわち、先端ボール
40と紙面との摩擦抵抗が少なく、ボールが回転しないこ
とによる滑り現象が起き、カスレや濃度ムラが発生した
ものである。
030μmを超えるものとすると、先端ボール40と紙面との
摩擦抵抗が大きくなり、筆記感が損なわれる事が分かっ
た。従って、書き味が良く、インクを安定して流出させ
るためには、Ra値を0.005μm以上0.030μm以下にするこ
とが望ましいという結論に達した。以上のように、前記
(1)及び(2)の実験結果より、非筆記時にボタ落ちせず、
筆記時には書き味良くインク流出安定性に優れた水性ボ
ールペンを提供するためには、摂氏25度における剪断速
度38.4sec-1の粘度を20mPa・sec以上600mPa・sec以下と
し、先端ボール40の表面の算術平均粗さ(Ra)は、0.005
μm以上0.030μm以下とすることが望ましいものであ
る。
を奏する。すなわち、請求項1記載の発明によれば、筆
記感を損なうことなく、線切れがおこりにくく、安定し
たインク流出性を有する水性ボールペンを提供すること
ができる。
目的を達成することができる先端ボール径が0.7mm以上
の水性ボールペンを提供することができる。そして、請
求項3記載の発明によれば、上記目的を達成することが
できるスプリングチップを用いた水性ボールペンを提供
することができる。
ルペンのレフィール1を示す断面図である。
ンチップ10を示す断面図である。
ンチップ10を示す断面図である。
ス 52 側壁 53 底面部 54 ボール受け座 55 カシメ部 56 インク孔 57 インク溝 58 スプリング抑え 60 インク 70 フォロア 80 スプリング部材 81 ストレート
部 90 ボール弁
Claims (3)
- 【請求項1】 先端ボールと、この先端ボールを回転自
在に抱持したホルダーからなるボールペンチップと、 継ぎ手を介して前記ボールペンチップの反先端ボール側
に連結され、内部にインクを収容したインク収容管とか
らなる水性ボールペンにおいて、 前記インクは、 摂氏25度における剪断速度38.4sec-1の粘度が20mPa・se
c以上600mPa・sec以下、かつ剪断速度384sec-1の粘度が
10mPa・sec以上120mPa・sec以下の水性インクであり、 前記先端ボールは、表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.005
μm以上0.030μm以下であることを特徴とする水性ボー
ルペン。 - 【請求項2】 前記先端ボールの直径が0.7mm以上であ
ることを特徴とする請求項1記載の水性ボールペン。 - 【請求項3】 前記ボールペンチップのホルダー内に、
前記先端ボールを外側に押圧するスプリング部材を内蔵
してなる請求項1又は2記載の水性ボールペン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001369425A JP2003170694A (ja) | 2001-12-04 | 2001-12-04 | 水性ボールペン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001369425A JP2003170694A (ja) | 2001-12-04 | 2001-12-04 | 水性ボールペン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003170694A true JP2003170694A (ja) | 2003-06-17 |
Family
ID=19178821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001369425A Pending JP2003170694A (ja) | 2001-12-04 | 2001-12-04 | 水性ボールペン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003170694A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006193688A (ja) * | 2005-01-17 | 2006-07-27 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 水性ボールペン用インキ組成物及び水性ボールペン |
-
2001
- 2001-12-04 JP JP2001369425A patent/JP2003170694A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006193688A (ja) * | 2005-01-17 | 2006-07-27 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 水性ボールペン用インキ組成物及び水性ボールペン |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5808104B2 (ja) | ボールペン及びボールペン用ペン先チップ | |
TW490401B (en) | Retractable type ballpoint pen | |
JP2007216640A (ja) | 塗布具用チップ、並びに、塗布具 | |
JP4318245B2 (ja) | ボールペンチップ、このボールペンチップを利用したボールペン及びこのボールペンチップの製造方法 | |
JP4402895B2 (ja) | 水性ボールペン用インキとこれを用いた水性ボールペン | |
JP2003170694A (ja) | 水性ボールペン | |
JP2004291632A (ja) | 水性ボールペン | |
JP5258430B2 (ja) | ボールペン | |
JP2002264580A (ja) | 水性ボールペン | |
JP4706371B2 (ja) | ボールペンチップ | |
JP2007000272A (ja) | 再分散可能なボールペン | |
JP4219193B2 (ja) | 水性ボールペン | |
JP4471276B2 (ja) | 塗布具用チップ、塗布具用チップの製造方法、塗布具 | |
JP5083938B2 (ja) | ボールペン | |
JP6494432B2 (ja) | ノック式ボールペン | |
JP4267886B2 (ja) | 塗布具用チップ、塗布具及び塗布具用チップの製造方法 | |
JP2006096015A (ja) | ボールペンチップ及びこれを使用したボールペン | |
JP6928154B2 (ja) | ノック式ボールペン | |
JPH08134392A (ja) | 低粘度油性ボールペンインキおよび低粘度油性ボールペン | |
JP2555677Y2 (ja) | ボールペン | |
JPH08282177A (ja) | 低粘度水性ボールペン | |
JP2004209936A (ja) | ボールペン | |
JP2006035692A (ja) | ボールペンチップ | |
JP2004268278A (ja) | ボールペン | |
JP2004160986A (ja) | ボールペン |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041130 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070117 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070125 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070320 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070823 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071019 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080327 |