JP4618699B2 - ボールペンリフィール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールペンリフィール、更に詳しくは、インク貯蔵管の内部に加圧ガスを充填し、この加圧ガスの圧力によりインクをチップ方向へ押し出すようにした、いわゆる加圧式のボールペンリフィールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ボールペンリフィールには、種々のものが提供されている。
例えば、インク貯蔵管と、このインク貯蔵管の一方側に固定したチップと、インク貯蔵管の反チップ側に設けた尾栓とを備え、インク貯蔵管のチップ側にインクを充填するとともに、インク貯蔵管の反チップ側には加圧ガスを充填し、この加圧ガスの圧力によりインクをチップ方向へ押し出すようにした、いわゆる加圧式のボールペンリフィールが提供されている。
【0003】
このような加圧式のボールペンリフィールは、加圧ガスがインクを常にチップ方向へ押圧するので、チップを上向きにした状態でも筆記可能となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インク貯蔵管の内径を比較的細く形成しておけば、インク貯蔵管の内部で毛細管力が働きやすくなるため、チップを上向きにした状態でも、インク貯蔵管の内部に充填したインクは、反チップ方向へ流れ出しにくくなる。
ただ、上述したような加圧式のボールペンリフィールでは、インク貯蔵管の内部に、インクと加圧ガスとの双方を充填する必要があるため、インク貯蔵管の内径を比較的細く形成すると、加圧ガスの充填スペースを比較的小さくするか、インクの充填量を比較的少なくするか、又はインク貯蔵管の長さを比較的長く形成しなければならないこととなる。
【0005】
しかし、加圧ガスの充填スペースを比較的小さくすると、インクを最後まで使い切る前に加圧ガスの圧力が大気圧にまで低下し、これにより、インクを最後まで使い切れなくなってしまうおそれがある。また、加圧ガスの充填スペースを比較的小さくしつつも、インクを最後まで使い切れるようにするためには、加圧ガスの圧力を比較的高めに設定する必要があるが、そうすると、今度はチップの先端からインクが漏れ出してしまうおそれがある。
【0006】
また、インクの充填量を比較的少なくすると、「筆記距離」が比較的短くなってしまうこととなる。
また、インク貯蔵管の長さを比較的長く形成すると、ボールペンリフィールの全長が比較的長くなってしまうところ、ボールペンリフィールの長さには一定の制限があるため、インク貯蔵管の長さをむやみに長く形成することもできない。
【0007】
このため、上述したような加圧式のボールペンリフィールでは、インク貯蔵管の内径を比較的太く形成することが行われる。
しかし、インク貯蔵管の内径を太く形成すると、インク貯蔵管の内部で毛細管力が働きにくくなるため、今度はインク貯蔵管の内部に充填したインクが反チップ方向へ流れ出しやすくなってしまう。
【0008】
このため、加圧式のボールペンリフィールでは、インク貯蔵管の内径を比較的太く形成するとともに、インクと加圧ガスとの間に、インクの減少に伴って移動するフロートを設け、このフロートにより、インクが反チップ方向へ流れ出さないようにしている。
ただ、インクと加圧ガスとの間にフロートを設けても、インク貯蔵管の内径に対してフロートの外径が小さすぎると、インク貯蔵管とフロートとの間の間隙から、インクが反チップ方向へ流れ出してしまうおそれがある。
【0009】
一方、インク貯蔵管の内径に対してフロートの外径が大きすぎると、インクの減少に伴うフロートの移動が円滑に行われなくなってしまうおそれがある。すなわち、加圧式のボールペンリフィールでは、「インクの反チップ方向へ流れ出し」を防止することは、きわめて困難なのである。
(第1の発明)
そこで、本発明のうち第1の発明は、フロートの外径をインク貯蔵管の内径に対して所定範囲内に形成することにより、「インクの反チップ方向への流れ出し」を防止しつつも、インクの減少に伴うフロートの移動が円滑に行われるようにしたボールペンリフィールを提供することを目的とする。
(第2の発明)
また、本発明のうち第2の発明は、第1の発明の目的に加えて、インクの粘度を所定範囲内に調製することにより、「インクの反チップ方向への流れ出し」をより確実に防止できるようにしたボールペンリフィールを提供することを目的とする。
(第3の発明)
更に、本発明のうち第3の発明は、第1又は第2の発明の目的に加えて、インクに構造粘性付与剤を添加することにより、「インクの反チップ方向への流れ出し」をより確実に防止できるようにしたボールペンリフィールを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、フロートの外径をインク貯蔵管の内径に対して所定範囲内に形成することにより、「インクの反チップ方向への流れ出し」を防止しつつも、インクの減少に伴うフロートの円滑な移動を確保できることを見い出し、以下の発明を完成するに至った。
(第1の発明)
すなわち、本発明のうち第1の発明は、インク貯蔵管(30)と、このインク貯蔵管(30)の一方側に固定したチップ(20)と、インク貯蔵管(30)の反チップ(20)側に設けた尾栓(40)とを備え、前記インク貯蔵管(30)のチップ(20)側には、インク(80)が充填され、前記インク貯蔵管(30)の反チップ(20)側には、加圧ガス(90)が充填され、前記加圧ガス(90)の圧力により、インク(80)をチップ(20)方向へ押し出すようにしたボールペンリフィール(10)であって、前記インク貯蔵管(30)の内部であって、インク(80)と加圧ガス(90)との間には、インク(80)の減少に伴って一定範囲を移動するフロート(100)が設けられ、前記フロート(100)の外径をφC、前記インク貯蔵管(30)の内径のうち、フロート(100)の移動範囲の内径をφD、としたときに、
0.0005≦(φD−φC)/φC≦0.043
を満たすように形成したことを特徴とする。
【0011】
ここで、「インク貯蔵管(30)と、このインク貯蔵管(30)の一方側に固定したチップ(20)と、インク貯蔵管(30)の反チップ(20)側に設けた尾栓(40)とを備え、前記インク貯蔵管(30)のチップ(20)側には、インク(80)が充填され、前記インク貯蔵管(30)の反チップ(20)側には、加圧ガス(90)が充填され、前記加圧ガス(90)の圧力により、インク(80)をチップ(20)方向へ押し出すようにしたボールペンリフィール(10)」とは、いわゆる加圧式のボールペンリフィール(10)をいう。
【0012】
また、「インク貯蔵管(30)」は、例えば、円筒状に形成することができる。
また、インク貯蔵管(30)は、筒状に形成されればよく、したがって、例えば、一方側から他方側へ向けて径を段階的に小さくするように形成してもよい。
具体的には、例えば、円筒状の大径部(31)と、この大径部(31)の一方側に連設した、大径部(31)よりも径が小さい円筒状の中径部(32)と、この中径部(32)の反大径部(31)側に連設した、中径部(32)よりも径が小さい円筒状の小径部(33)とを有するように、インク貯蔵管(30)を形成してもよい。
【0013】
また、インク貯蔵管(30)は、例えば、ステンレス又は真鍮などの金属材料を用いて、プレス加工によって一体的に形成することができる。
また、インク貯蔵管(30)は、金属材料を用いて形成される場合に限られず、例えば、プラスチック材料を用いて、押し出し成形や射出成形などによって形成してもよい。
【0014】
また、インク貯蔵管(30)は、一体的に形成される場合に限られず、例えば、インク(80)を貯蔵するためのインク貯蔵部と、このインク貯蔵部とチップ(20)とを連結するための継手部とを別々に形成し、これらを繋ぎ合わせることによって形成してもよい。
また、「尾栓(40)」は、インク貯蔵管(30)の内部に充填した加圧ガス(90)が外部に漏れ出さないようにするためのものである。
【0015】
また、尾栓(40)は、例えば、インク貯蔵管(30)の反チップ(20)側の端部近辺に圧入することにより、インク貯蔵管(30)の反チップ(20)側に設けることができる。
また、尾栓(40)は、例えば、インク貯蔵管(30)の反チップ(20)側の端部近辺に螺合させることにより、インク貯蔵管(30)の反チップ(20)側に設けてもよい。
【0016】
また、尾栓(40)は、例えば、金属製の留め具(41)と、この留め具(41)のチップ(20)側に設けたゴム製のシール部材(42)とによって構成することができる。そして、金属製の留め具(41)により、耐圧性の向上を図るとともに、ゴム製のシール部材(42)により、気密性の向上を図ることができる。
また、尾栓(40)は、例えば、金属材料を用いて円柱状に形成してもよい。そして、インク貯蔵管(30)の反チップ(20)側の端部近辺に圧入した際には、例えば、尾栓(40)の外周面とインク貯蔵管(30)の内周面との間の間隙に充填剤を注入することにより、気密性の向上を図ることができる。
【0017】
また、「フロート(100)」は、インク貯蔵管(30)の内部に充填したインク(80)が反チップ(20)方向へ向けて流れ出さないようにするためのものである。
また、フロート(100)は、インク貯蔵管(30)の内部であって、インク(80)と加圧ガス(90)との間に設けられ、インク(80)の減少に伴って一定範囲を移動可能に形成される。
【0018】
また、インク貯蔵管(30)が円筒状に形成されれば、フロート(100)は、例えば、円柱状に形成することができる。
また、インク貯蔵管(30)が六角筒状に形成されれば、フロート(100)は、例えば、六角柱状に形成することができる。
また、インク貯蔵管(30)が、円筒状の大径部(31)と、この大径部(31)の一方側に連設した、大径部(31)よりも径が小さい円筒状の中径部(32)と、この中径部(32)の反大径部(31)側に連設した、中径部(32)よりも径が小さい円筒状の小径部(33)とを有するように形成されれば、フロート(100)は、例えば、円柱状に形成して、大径部(31)の内部に設けることができる。また、この場合、例えば、大径部(31)の内部を、フロート(100)の移動範囲とすることができる。
【0019】
また、フロート(100)は、例えば、ポリプロピレン(PP)などの合成樹脂を用いて、射出成形によって一体的に形成することができる。
更に、本発明に係るボールペンリフィール(10)は、フロート(100)の外径をφC、インク貯蔵管(30)の内径のうち、フロート(100)の移動範囲の内径をφD、としたときに、
0.0005≦(φD−φC)/φC≦0.043
を満たすように形成されている。
【0020】
そして、本発明に係るボールペンリフィール(10)は、φCとφDとの関係につき上記式を満たすように形成することにより、フロート(100)とインク貯蔵管(30)との間に所定の間隙を設け、これにより、インク(80)の減少に伴うフロート(100)の移動が円滑に行われるようにするとともに、フロート(100)とインク貯蔵管(30)との間の間隙から加圧ガス(90)側へインク(80)が流れ出しにくくなるようにしているのである。
【0021】
なお、0.0005>(φD−φC)/φCとなるように形成すると、フロート(100)とインク貯蔵管(30)との間の間隙が狭すぎて、インク(80)の減少に伴うフロート(100)の移動が円滑に行われなくなってしまうおそれがあるのである。
また、(φD−φC)/φC>0.043となるように形成すると、フロート(100)とインク貯蔵管(30)との間の間隙が広すぎて、フロート(100)とインク貯蔵管(30)との間の間隙からインク(80)が加圧ガス(90)側へ流れ出してしまうおそれがあるのである。
(第2の発明)
また、本発明のうち第2の発明は、第1の発明の構成に加えて、インク(80)は、25℃における粘度が、10,000mPa・s以上50,000mPa・s以下となるように調製されていることを特徴とする。
【0022】
このように、本発明に係るボールペンリフィール(10)は、25℃におけるインク(80)の粘度を10,000mPa・s以上50,000mPa・s以下に調製することにより、フロート(100)とインク貯蔵管(30)との間の間隙から加圧ガス(90)側へインク(80)がより一層流れ出しにくくなるようにしているのである。
【0023】
なお、25℃におけるインク(80)の粘度が10,000mPa・s未満では、フロート(100)とインク貯蔵管(30)との間の間隙から加圧ガス(90)側へのインク(80)の流れ出しを確実に防止できなくなってしまうおそれがあるのである。
一方、25℃におけるインク(80)の粘度が50,000mPa・s超では、「書き味」が重くなってしまうおそれがあるのである。
【0024】
勿論、インク(80)の粘度が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
(第3の発明)
また、本発明のうち第3の発明は、第1又は第2の発明の構成に加えて、インク(80)は、構造粘性付与剤を含有することを特徴とする。
【0025】
ここで、「構造粘性付与剤」は、インク(80)の粘度を上昇させるとともに、インク(80)に構造粘性を付与するためのものである。
また、構造粘性付与剤としては、例えば、カーボンブラック(具体的には、例えば、三菱化学株式会社製のカーボンブラックMA−100(商品名))や微粒子シリカ(具体的には、例えば、日本アエロジル株式会社製のアエロジル380(商品名))などを用いることができる。
【0026】
そして、本発明に係るボールペンリフィール(10)は、インク(80)に構造粘性付与剤を添加することにより、インク(80)の粘度を上昇させるとともに、インク(80)に構造粘性を付与して、フロート(100)とインク貯蔵管(30)との間の間隙から加圧ガス(90)側へインク(80)がより一層流れ出しにくくなるようにしているのである。
【0027】
勿論、インク(80)に構造粘性付与剤を添加しなくても、使用することは可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に係るボールペンリフィールの実施の形態を、図示例と共に説明する。
図1は、本実施の形態に係るボールペンリフィール10の側面断面図、図2は、図1のA部拡大図、図3は、図1のB部拡大図、図4は、チップ20の要部断面図、図5は、フロート100の斜視図である。
【0029】
本実施の形態に係るボールペンリフィール10は、チップ20と、このチップ20に固定したインク貯蔵管30と、このインク貯蔵管30の反チップ20側に設けた尾栓40とを備えている。
前記チップ20は、ボール50と、このボール50を保持するためのホルダー60とを備え、また、前記ホルダー60は、ボール50を収納するためのボールハウス61と、ボール50にインク80を供給するためのインク誘導孔62と、ボール50にインク80が十分に供給されるようにするための複数のインク溝63と、ボールハウス61に収納したボール50が外部に飛び出さないようにするためのカシメ部64とを有している。
【0030】
また、前記インク貯蔵管30は、ほぼ円筒状に形成され、そのチップ20側にはインク80が充填され、その反チップ20側には加圧ガス90が充填されている。また、インク貯蔵管30の内部であって、インク80と加圧ガス90との間には、インク80の減少に伴って一定範囲を移動するフロート100が設けられている。
また、前記尾栓40は、インク貯蔵管30の反チップ20側の端部近辺に圧入され、インク貯蔵管30の反チップ20側に充填した加圧ガス90が外部に漏れないようにしている。
【0031】
以下、更に、本実施の形態に係るボールペンリフィール10について詳述する。
(チップ20)
前記チップ20は、ボール50と、このボール50を保持するためのホルダー60とを備えている。
(ボール50)
前記ボール50は、筆記面にインク80を塗布するためのものである。
【0032】
このボール50は、超硬合金、ステンレス、焼入鋼、又はセラミックなどを用いて形成されている。
また、このボール50は、球状に形成され、その表面粗さRaを、0.010μm以上0.080μm以下に形成されている。
そして、ボール50の表面粗さRaを0.010μm以上0.080μm以下にすることにより、ボール50と筆記面との間の摩擦抵抗を大きくし、これにより、筆記面上でのボール50の滑りを低減させて、「かすれ」を起こしにくくするとともに、筆記開始時におけるかすれにくさである「初筆性」を向上させているのである。
【0033】
なお、ボール50の表面粗さRaを0.010μm未満にすると、ボール50と筆記面との間の摩擦抵抗を十分に大きくすることができず、これにより、筆記面上でボール50が滑りやすくなってしまうので、「かすれ」を十分に抑えることができなくなってしまったり、あるいは「初筆性」が低下してしまったりするのである。
【0034】
また、ボール50の表面粗さRaを0.080μm超にすると、ボール受け座72が磨耗しやすくなり、これにより、使用開始から比較的早い時期に「書き味」が低下してしまったり、あるいは「筆記距離」が短くなってしまったりするのである。
勿論、ボール50の表面粗さRaが上記範囲外であっても、使用することは可能である。
(ホルダー60)
前記ホルダー60は、ボール50を保持するためのものである。
【0035】
このホルダー60は、ステンレス、洋白、真鍮、又は黄銅などの金属製の線材を用いて形成されている。
また、このホルダー60は、ボール50を収納するためのボールハウス61と、ボールハウス61に収納したボール50にインク80を供給するためのインク誘導孔62と、ボールハウス61に収納したボール50にインク80が十分に供給されるようにするための複数のインク溝63と、ボールハウス61に収納したボール50が外部に飛び出さないようにするためのカシメ部64とを有している。
【0036】
更に、このホルダー60は、カシメ部64側から反カシメ部64側へ向けて外径を次第に大きくする円錐状のテーパー部66と、このテーパー部66の反カシメ部64側に連続して設けた円筒状の胴体部67と、この胴体部67の反テーパー部66側に連続して設けた、胴体部67よりも径が小さい円筒状の固定部68と、胴体部67と固定部68との間に設けた、階段状の外向き段部69とを有している。
【0037】
以下、更に、このホルダー60の各部について詳述する。
(ボールハウス61)
前記ボールハウス61は、ボール50を収納するためのものである。
このボールハウス61は、ホルダー60の一方側の端部近辺に設けられている。
また、このボールハウス61は、円筒状の側面部70と、インク誘導孔62側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の底面部71とを有している。
【0038】
また、このボールハウス61は、線材の一方側から他方側へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成されている。
また、前記底面部71は、インク誘導孔62の開口部の周囲に、ボール50の曲率とほぼ同一の曲率を有する凹球面状のボール受け座72を有している。
また、このボール受け座72は、ボールハウス61にボール50を収納した後に、ハンマーでボール50をインク誘導孔62側へ向けて押圧することによって形成されている。
【0039】
また、前記側面部70は、その内径を、ボール50の直径の101%以上111%以下に形成されている。
すなわち、ボール50の直径をφA、側面部70の内径をφBとしたときに、
1.01≦φB/φA≦1.11(式1)
を満たすように形成されているのである。
【0040】
そして、側面部70の内径をボール50の直径の101%以上111%以下に形成することにより、ボール50と側面部70との間に十分なインク80通路を確保し、これにより、「かすれ」を起こしにくくするとともに、「初筆性」を向上させているのである。
なお、側面部70の内径をボール50の直径の101%未満に形成すると、ボール50と側面部70との間に十分なインク80通路を確保することができず、これにより、「かすれ」を起こしやすくなってしまったり、あるいは「初筆性」が低下してしまったりするのである。
【0041】
また、側面部70の内径をボール50の直径の111%超に形成すると、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまったり、あるいはボール50がボールハウス61から飛び出してしまうおそれがあるのである。
勿論、ボール50の直径に対する側面部70の内径が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
(インク誘導孔62)
前記インク誘導孔62は、ボールハウス61に収納したボール50にインク80を供給するためのものである。
【0042】
このインク誘導孔62は、ホルダー60の反ボールハウス61側の端部からボールハウス61まで貫通している。
また、このインク誘導孔62は、線材の反ボールハウス61側の端部からボールハウス61側へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成されている。
(インク溝63)
前記インク溝63は、ボールハウス61に収納したボール50にインク80が十分に供給されるようにするためのものである。
【0043】
このインク溝63は、インク誘導孔62のボールハウス61側の内周面に、インク誘導孔62の中心からみて放射状に設けられている。
また、このインク溝63は、線材のボールハウス61側から反ボールハウス61側へ向けて、ブローチ加工を施すことによって形成されている。
(カシメ部64)
前記カシメ部64は、ボールハウス61に収納したボール50が外部に飛び出さないようにするためのものである。
【0044】
このカシメ部64は、ホルダー60のボールハウス61側の端部に設けられている。
また、このカシメ部64は、円錐状に形成され、その最小径部33分の内径を、ボール50の直径よりも小さく形成されている。
また、このカシメ部64は、ボールハウス61にボール50を収納した後に、線材のボールハウス61側の端部に圧延加工を施すことによって形成されている。
【0045】
そして、このカシメ部64により、ボール50は、その一部をボールハウス61から突出させつつ、ホルダー60の先端に回転自在に保持されることとなっている。
更に、ボール50とカシメ部64との間には、クリアランス65と呼ばれる微小な間隙が設けられ、このクリアランス65が、筆記時におけるインク80の通路となっている。
【0046】
そして、ボール50の回転に伴って、ボール50の表面に付着したインク80が筆記面に転写されることにより、筆記面に描線が描かれるのである。
(インク貯蔵管30)
前記インク貯蔵管30は、ほぼ円筒状に形成され、そのチップ20側にはインク80が充填され、その反チップ20側には加圧ガス90が充填されている。また、インク貯蔵管30の内部であって、インク80と加圧ガス90との間には、インク80の減少に伴って一定範囲を移動するフロート100が設けられている。
【0047】
具体的には、このインク貯蔵管30は、ステンレス又は真鍮などの金属材料を用いて、プレス加工によって一体的に形成されている。
また、このインク貯蔵管30は、円筒状の大径部31と、この大径部31の一方側に連設した、大径部31よりも径が小さい円筒状の中径部32と、この中径部32の反大径部31側に連設した、中径部32よりも径が小さい円筒状の小径部33とを有している。
【0048】
更に、このインク貯蔵管30は、大径部31と中径部32との間に設けた、階段状の内向き段部34と、中径部32と小径部33との間に設けた、円錐状の絞り部35とを有している。
前記大径部31は、加圧ガス90及びインク80を充填するための部分である。
すなわち、大径部31の反中径部32側には、加圧ガス90が充填され、大径部31の中径部32側には、中径部32を経て小径部33に至るまで、インク80が充填されている。
【0049】
また、大径部31の反中径部32側の端部近辺には、大径部31に充填した加圧ガス90が外部に漏れないようにするための尾栓40が圧入されている。
また、大径部31の反中径部32側の端部には、尾栓40を圧入した後に縮径部が形成され、この縮径部により、大径部31に圧入した尾栓40が加圧ガス90の圧力によって外部に飛び出さないようにしている。
【0050】
また、大径部31の内部であって、インク80と加圧ガス90との間には、インク80の減少に伴って移動するフロート100が設けられている。そして、このフロート100により、大径部31の中径部32側に充填したインク80が反チップ20方向へ流れ出さないようにしている。
すなわち、大径部31の内径は比較的大きく形成されているため、大径部31の内部では毛細管力が働きにくい。このため、大径部31に充填されたインク80は、反チップ20方向へ流れ出しやすいのである。そこで、大径部31の内部であって、インク80と加圧ガス90との間に、ほぼ円柱状に形成したフロート100を設けることにより、大径部31に充填されたインク80が反チップ20方向へ流れ出さないようにしているのである。
【0051】
更に、大径部31の内部に設けたフロート100は、インク80の減少に伴って中径部32方向へ移動し、大径部31と中径部32との間に設けた内向き段部34に当接すると、その中径部32方向への移動を停止する。
また、前記内向き段部34は、大径部31と中径部32とを繋ぐための部分であって、階段状に形成されている。
【0052】
また、前記中径部32は、インク80を充填するための部分であって、大径部31よりも径が小さい円筒状に形成されている。
なお、中径部32の内径は比較的小さく形成されているため、中径部32の内部では毛細管力が働きやすい。このため、中径部32の内部においては、加圧ガス90とインク80との間にフロート100を設けなくても、インク80が大径部31方向へ流れ出しにくいのである。
【0053】
また、前記絞り部35は、中径部32と小径部33とを繋ぐための部分であって、円錐状に形成されている。
また、前記小径部33は、チップ20を固定するための部分であって、中径部32よりも径が小さい円筒状に形成されている。
また、この小径部33は、その内径を、チップ20の固定部68の外径よりもわずかに小さく形成されている。
【0054】
そして、この小径部33にホルダー60の固定部68を圧入することにより、チップ20をインク貯蔵管30の一方側に固定しているのである。
更に、この小径部33にホルダー60の固定部68を圧入する際には、小径部33の反中径部32側の端部とホルダー60の外向き段部69とが当接しないようにし、これにより、小径部33の変形を防止して、気密性の向上を図っている。
【0055】
また、この小径部33は、ホルダー60の固定部68を圧入される前に焼鈍され、これにより、ホルダー60の固定部68が圧入されることによる応力腐食割れを防止している。
また、この小径部33は、焼鈍により、その硬度をビッカース硬度でHv50以上Hv400以下にすることが好ましく、特に、ビッカース硬度でHv100以上Hv200以下にすることが好ましい。
【0056】
そして、小径部33の硬度を上記範囲内に設定することにより、ホルダー60の固定部68を小径部33に圧入しやすくすることができるとともに、高荷重で筆記しても小径部33が破損しにくくすることができ、更には、加圧ガス90の圧力でチップ20がインク貯蔵管30から抜けにくくすることができるのである。
なお、小径部33の硬度をビッカース硬度でHv50未満にすると、高荷重で筆記した際に小径部33が破損してしまったり、あるいは加圧ガス90の圧力でチップ20がインク貯蔵管30から抜けてしまうおそれがあるのである。
【0057】
一方、小径部33の硬度をビッカース硬度でHv400超にすると、ホルダー60の固定部68を小径部33に圧入しにくくなってしまうのである。
勿論、小径部33の硬度が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
なお、インク貯蔵管30は、インク80と反応して変形したり、クラック(破損)したり、あるいは膨潤したりすることなく、かつ、気密性や耐圧性などに優れた材料を用いて形成されればよく、したがって、ステンレスや真鍮などの金属材料を用いて、プレス加工によって一体的に形成される場合に限られるものではない。
【0058】
具体的には、例えば、プラスチック材料を用いて、押し出し成形や射出成形などによってインク貯蔵管30を形成してもよい。
また、インク貯蔵管30は、一体的に形成される場合に限られるものではない。
具体的には、例えば、インク80を貯蔵するためのインク貯蔵部と、このインク貯蔵部とチップ20とを連結するための継手部とを別々に形成し、これらを繋ぎ合わせることによってインク貯蔵管30を形成してもよい。
(インク80)
前記インク80は、着色剤、溶剤、構造粘性付与剤、樹脂、添加剤などを適宜配合することによって調製されている。
(着色剤)
着色剤としては、従来から油性ボールペン用インクに用いられてきた染料又は顔料の多くを用いることができる。
【0059】
具体的には、例えば、バリファーストカラー(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、ニグロシンEX(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、アイゼンスピロン染料、アイゼンSOT染料(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、スピロンバイオレットC−RH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、スピロンイエローC−2GH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)などの染料を着色剤として用いることができる。
【0060】
また、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、カーボンブラックMA−100(商品名、三菱化学株式会社製)、金属粉などの無機系顔料を着色剤として用いることもできる。
また、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などの有機系顔料を着色剤として用いることもできる。
【0061】
なお、上述した染料又は顔料は、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
また、着色剤の含有量は、インク80の全量に対して10重量%以上60重量%以下が好ましい。着色剤の含有量がインク80の全量に対して10重量%未満では、描線の色が薄く見えてしまい、一方、着色剤の含有量がインク80の全量に対して60重量%超では、インク80が経時的に不安定になってしまうからである。
(溶剤)
溶剤としては、従来から油性ボールペン用インクに用いられてきた有機溶剤の多くを用いることができる。
【0062】
具体的には、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、テトラリン、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を溶剤として用いることができる。
【0063】
なお、これらの有機溶剤は、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
また、溶剤の含有量は、インク80の全量に対して20重量%以上80重量%以下が好ましい。溶剤の含有量がインク80の全量に対して20重量%未満では、溶解力が不足して高粘度となってしまい、一方、溶剤の含有量がインク80の全量に対して80重量%超では、粘度が十分に高くならないからである。
(構造粘性付与剤)
構造粘性付与剤は、インク80の粘度を上昇させるとともに、インク80に構造粘性を付与するためのものである。
【0064】
この構造粘性付与剤を添加されたインク80は、低剪断速度下では比較的高い粘度を示すものの、高剪断速度下では比較的低い粘度を示す。
ここで、非筆記時におけるチップ20の先端近辺では、インク80は、低剪断速度下におかれることとなる。このため、この構造粘性付与剤を添加されたインク80は、非筆記時におけるチップ20の先端近辺では、比較的高い粘度を示し、これにより、チップ20の先端からのインク80の漏れ出しを防止している。
【0065】
一方、筆記時におけるチップ20の先端近辺では、インク80は、高剪断速度下におかれることとなる。このため、この構造粘性付与剤を添加されたインク80は、筆記時におけるチップ20の先端近辺では、比較的低い粘度を示し、これにより、なめらかに筆記できるのである。
具体的には、例えば、カーボンブラック(具体的には、例えば、三菱化学株式会社製のカーボンブラックMA−100(商品名))や微粒子シリカ(具体的には、例えば、日本アエロジル株式会社製のアエロジル380(商品名))などの無機微粒子を構造粘性付与剤として用いることができる。
【0066】
なお、これらの無機微粒子は、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
また、構造粘性付与剤の含有量は、インク80の全量に対して1重量%以上20重量%以下が好ましく、特にインク80の全量に対して5重量%以上15重量%以下が好ましい。
【0067】
そして、構造粘性付与剤の含有量を上記範囲内に設定することにより、チップ20の先端からのインク80の漏れ出しを防止しつつ、しかも、なめらかに筆記できるようにすることができるのである。
なお、構造粘性付与剤の含有量がインク80の全量に対して1重量%未満では、インク80の構造粘性を十分に高めることができず、これにより、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのである。
【0068】
一方、構造粘性付与剤の含有量がインク80の全量に対して20重量%超では、インク80の構造粘性が高すぎてしまい、これにより、書き味が重くなってしまうのである。
勿論、インク80に構造粘性付与剤を添加しなくても、使用することは可能である。
(樹脂)
樹脂は、インク80の粘度を上昇させたり、あるいは構造粘性付与剤をインク80中に分散させたりするためのものである。
【0069】
具体的には、例えば、ケトン樹脂(具体的には、例えば、日立化成株式会社製のハイラック#111(商品名))、フェノール樹脂、マレイン樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ロジン樹脂、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、クロマン−インデン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン(具体的には、例えば、ISP社製のポリビニルピロリドンK−90(商品名))、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合物、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などの樹脂を、インク80の粘度を上昇させたり、あるいは構造粘性付与剤をインク80中に分散させるための樹脂として用いることができる。
【0070】
なお、これらの樹脂は、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
また、樹脂の含有量は、インク80の全量に対して5重量%以上80重量%以下が好ましく、特にインク80の全量に対して25重量%以上70重量%以下が好ましい。
【0071】
そして、樹脂の含有量を上記範囲内に設定することにより、チップ20の先端からのインク80の漏れ出しを防止しつつ、しかも、なめらかに筆記できるようにすることができるのである。
なお、樹脂の含有量がインク80の全量に対して5重量%未満では、インク80の粘度を十分に上昇させることができず、これにより、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのである。
【0072】
また、樹脂の含有量がインク80の全量に対して5重量%未満では、インク80の粘度を十分に上昇させることができないために、構造粘性付与剤としての無機微粒子がインク80中に分散せずに沈降してしまう。そうすると、インク80に構造粘性を付与することができなくなってしまい、これによっても、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのであるのである。
【0073】
一方、樹脂の含有量がインク80の全量に対して80%超では、インク80の粘度が高すぎてしまい、これにより、書き味が重くなってしまうのである。
(添加剤)
添加剤としては、従来から油性ボールペン用インクに用いられてきた増粘剤、曳糸性付与剤、界面活性剤、分散剤、潤滑剤、発色剤、防菌剤などを用いることができる。
【0074】
具体的には、例えば、潤滑剤及び発色剤としてのオレイン酸、増粘剤及び分散剤としてのハイラック#111(商品名、日立化成株式会社製)、増粘剤、分散剤及び曳糸性付与剤としてのポリビニルピロリドンK−90(商品名、ISP社製)などを添加剤として用いることができる。
(インク80の製造方法)
このインク80は、上述した各成分を混合撹拌等することによって製造されている。
【0075】
具体的には、このインク80は、顔料分散段階、アエロジル分散段階、染料溶解段階、混合段階、ろ過段階などを経て製造されている。
顔料分散段階は、顔料を溶剤などに分散させる段階である。
この顔料分散段階では、まず、ハイラック#111(樹脂)、オレイン酸(添加剤)、ベンジルアルコール(溶剤)、フェノキシエタノール(溶剤)などを60℃程度に加熱しながら混合し、ここにカーボンブラックMA−100(顔料)を加えて、ニーダー、プラネタリーミキサー、ロールなどを用いて撹拌する。
【0076】
アエロジル分散段階は、アエロジルを溶剤などに分散させる段階である。
このアエロジル分散段階では、まず、ハイラック#111(樹脂)、ポリビニルピロリドンK−90(樹脂)、ベンジルアルコール(溶剤)、フェノキシエタノール(溶剤)などを60℃程度に加熱しながら混合し、ここにアエロジル380(構造粘性付与剤)を加えて、ニーダー、プラネタリーミキサー、ロールなどを用いて撹拌する。
【0077】
染料溶解段階は、染料を溶剤などに溶解させる段階である。
この染料溶解段階では、ニグロシンEX(染料)、スピロンバイオレットC−RH(染料)、スピロンイエローC−2GH(染料)、ベンジルアルコール(溶剤)、フェノキシエタノール(溶剤)、オレイン酸(添加剤)などを60℃程度に加熱しながら撹拌して、これらを溶解させている。
【0078】
混合段階は、上記各段階で得られたものを混合させる段階である。
この混合段階では、顔料分散段階によって得られたものと、アエロジル分散段階によって得られたものと、染料溶解段階によって得られたものとを60℃程度に加熱しながら約1時間撹拌して、これらを溶解及び混合させている。
ろ過段階は、混合段階で得られたものをろ過する段階である。
【0079】
このろ過段階により、インク80の夾雑物を除去する。
(インク80の粘度)
このインク80は、25℃における粘度が、10,000mPa・s以上50,000mPa・s以下となるように調製されている。
そして、25℃におけるインク80の粘度を10,000mPa・s以上50,000mPa・s以下に調製することにより、チップ20の先端からインク80が漏れ出さないようにしつつも、書き味がなめらかになるようにしているのである。
【0080】
なお、25℃におけるインク80の粘度が10,000mPa・s未満では、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのである。
一方、25℃におけるインク80の粘度が50,000mPa・s超では、書き味が重くなってしまうのである。
勿論、インク80の粘度が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
(加圧ガス90)
前記加圧ガス90は、インク貯蔵管30の内部に充填されているインク80をチップ20方向へ押し出すためのものであって、インク貯蔵管30の大径部31内部の反中径部32側に充填されている。
(加圧ガス90の圧力)
この加圧ガス90は、ボールペンリフィール10組立て時における圧力が、絶対気圧で0.15MPa以上0.4MPa以下となるように設定されている。
【0081】
そして、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力を、絶対気圧で0.15MPa以上0.4MPa以下に設定することにより、チップ20の先端からインク80が漏れ出さないようにしつつも、インク80を最後まで使い切ることができるようにしているのである。
なお、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力が、絶対気圧で0.15MPa未満では、インク80を最後まで使い切れなくなってしまうおそれがあるのである。
【0082】
一方、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力が、絶対気圧で0.4MPa超では、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのである。
勿論、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
(加圧ガス90の収納体積)
また、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の収納体積は、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80の収納体積の2倍以上5倍以下に設定されている。
【0083】
すなわち、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80の収納体積をVA、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の収納体積をVBとしたときに、
VA×2≦VB≦VA×5(式2)
を満たすように形成されているのである。
【0084】
そして、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の収納体積を、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80の収納体積の2倍以上5倍以下に形成することにより、インク80の充填量をできるだけ多くしつつも、加圧ガス90の圧力をできるだけ低く抑えるようにしているのである。
すなわち、インク貯蔵管30の容積は一定であるので、インク80の充填量を多くすれば、その分加圧ガス90の充填スペースが小さくなる。逆に、インク80の充填量を少なくすれば、その分加圧ガス90の充填スペースが大きくなる。
【0085】
ここで、インク80の充填量を多くしても、インク80を最後まで使い切れるようにするためには、その分加圧ガス90の圧力を高くしなければならないことになる。そうすると、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのである。
一方、加圧ガス90の圧力を低く抑えつつも、インク80を最後まで使い切れるようにするためには、その分インク80の充填量を少なくしなければならないことになる。
【0086】
そこで、インク80の充填量をできるだけ多くしつつも、加圧ガス90の圧力をできるだけ低く抑えるためには、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の収納体積を、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80の収納体積の2倍以上5倍以下に形成することが好ましいのである。
なお、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の収納体積が、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80の収納体積の2倍未満では、インク80を最後まで使い切れるようにしようとすると、加圧ガス90の圧力を比較的高くしなければならないことから、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのである。
【0087】
一方、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の収納体積が、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80の収納体積の5倍超では、加圧ガス90の圧力を比較的低く抑えても、インク80を最後まで使い切れるようにすることはできるが、その分インク80の充填量が少なくなってしまうのである。
勿論、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80と加圧ガス90との収納体積比が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
(加圧ガス90の組成)
また、この加圧ガス90は、反応しにくいガスの割合が、加圧ガス90全体の85%以上となるように調製されている。
【0088】
ここで、反応しにくいガスとしては、例えば、窒素(N2)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)などのガスを用いることができる。
また、上述したガスは、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0089】
ただ、窒素(N2)は、取り扱いが容易で安全性が高く、しかもコストが安いので、反応しにくいガスとしては、特に窒素(N2)を用いることが好ましい。
すなわち、反応しにくいガスの主体を窒素(N2)によって構成することにより、ボールペンリフィール10の組立てや取り扱いをより一層容易にすることができるのである。
【0090】
そして、反応しにくいガスの割合を加圧ガス90全体の85%以上にすることにより、インク80が変質しにくくなるようにすることができ、更には、加圧ガス90の圧力が低下しにくくなるようにすることができるのである。
すなわち、酸素(O2)などのガスは、インク80の各成分と反応しやすい。そして、酸素(O2)などのガスがインク80の各成分と反応すると、インク80が変質してしまうのである。また、酸素(O2)などのガスがインク80の各成分と反応すると、インク80が変質してしまうだけでなく、加圧ガス90中から酸素(O2)などのガスが減ってしまう。このため、酸素(O2)などの反応しやすいガスが減った分だけ、加圧ガス90の圧力が低下してしまうのである。
【0091】
そこで、インク80が変質しにくくなるようにするとともに、加圧ガス90の圧力が低下しにくくなるようにするためには、反応しにくいガスの割合を加圧ガス90全体の85%以上にすることが好ましく、特に反応しにくいガスの割合を加圧ガス90全体の90%以上にすることが好ましいのである。
なお、反応しにくいガスの割合が加圧ガス90全体の85%未満では、酸素(O2)などのガスがインク80の各成分と反応しやすくなってしまうことから、インク80が変質しやすくなってしまい、更には、加圧ガス90の圧力が低下しやすくなってしまうのである。更に、加圧ガス90の圧力の低下が大きいと、場合によっては、インク80を最後まで使い切ることができなくなってしまうのである。
【0092】
勿論、加圧ガス90中の反応しにくいガスの割合が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
(フロート100)
前記フロート100は、前述したように、インク貯蔵管30の大径部31に充填したインク80が反チップ20方向へ流れ出さないようにするためのものである。
【0093】
具体的には、このフロート100は、ほぼ円柱状に形成され、その一方側の底面には、側面まで貫通する空気溝101が設けられ、他方側の底面には、刳り貫き部102が設けられている。
また、このフロート100は、ポリプロピレン(PP)などの合成樹脂を用いて、射出成形によって一体的に形成されている。
【0094】
そして、このフロート100は、空気溝101が設けられている底面をインク80側へ向けるとともに、刳り貫き部102が設けられている底面を加圧ガス90側へ向けるようにして、インク貯蔵管30の大径部31の内部に設けられている。
また、前記空気溝101は、フロート100が内向き段部34に当接した際に、中径部32の大径部31側の開口部を塞がないようにするためのものである。
【0095】
すなわち、このフロート100は、インク80の減少に伴って、大径部31の内部を中径部32方向へ移動し、内向き段部34に当接すると、その中径部32方向への移動を停止する。このとき、フロート100のインク80側の底面が、中径部32の大径部31側の開口部を塞いでしまうおそれがある。そこで、中径部32の大径部31側の開口部を塞がないようにするために、フロート100のインク80側の底面に、フロート100の側面まで貫通する空気溝101を設けているのである。
【0096】
また、前記刳り貫き部102は、フロート100がインク80中に沈まないようにするためのものである。
すなわち、このフロート100は、ポリプロピレン(PP)などの合成樹脂を用いて形成されているため、インク80中に沈んでしまうおそれがある。そこで、フロート100の加圧ガス90側の底面に刳り貫き部102を設けることにより、見かけの比重を小さくして、フロート100がインク80中に沈まないようにしているのである。
【0097】
更に、このフロート100は、フロート100の外径をφC、インク貯蔵管30の大径部31の内径をφDとしたときに、
0.0005≦(φD−φC)/φC≦0.043(式3)
を満たすように形成されている。
そして、上記式3を満たすようにフロート100を形成することにより、フロート100とインク貯蔵管30との間に所定の間隙を設け、これにより、インク80の減少に伴うフロート100の移動が円滑に行われるようにするとともに、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出さないようにしているのである。
【0098】
なお、0.0005>(φD−φC)/φCとなるようにフロート100を形成すると、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙が狭すぎて、インク80の減少に伴うフロート100の移動が円滑に行われなくなってしまうおそれがあるのである。
一方、(φD−φC)/φC>0.043となるようにフロート100を形成すると、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙が広すぎて、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出してしまうおそれがあるのである。
【0099】
また、フロート100は、インク80と反応して変形したり、クラック(破損)したり、あるいは膨潤したりしない材料を用いて形成されればよく、したがって、ポリプロピレン(PP)などの合成樹脂を用いて形成される場合に限られるものではない。
【0100】
(尾栓40)
前記尾栓40は、インク貯蔵管30の内部に充填された加圧ガス90が外部に漏れ出さないようにするためのものである。
【0101】
この尾栓40は、金属製の留め具41と、この留め具41の一方側に設けたゴム製のシール部材42とを備え、このシール部材42をチップ20側へ向けるようにして、インク貯蔵管30の反チップ20側の端部近辺に圧入されている。
そして、この尾栓40は、ゴム製のシール部材42により、気密性の向上を図るとともに、金属製の留め具41により、耐圧性の向上を図っているのである。
【0102】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳しく説明する。
(ボールペンリフィール10の評価1)
下記の表1に、実施例1−1から実施例1−24まで及び比較例1−1から比較例1−31までの各ボールペンリフィール10の構成と、これらのボールペンリフィール10の「初筆性」、「筆記距離」及び「ボール50の飛び出し」についての評価をそれぞれ示す。
【0103】
ここで、実施例1−1から実施例1−24まで及び比較例1−1から比較例1−31までに示す各ボールペンリフィール10は、「ボール50の表面粗さ(Ra)」及び「ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合(φB/φA)」が、それぞれ異なるように形成したものである。
また、実施例1−1から実施例1−24まで及び比較例1−1から比較例1−31までに示す各ボールペンリフィール10は、ボール50の材質を超硬合金とし、ホルダー60の材質をステンレスとし、ボール50の直径を0.7mmとし、下記の組成のインク80を用い、25℃におけるインク80の粘度を30,000mPa・sとし、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力を絶対気圧で0.3MPaとした。
【0104】
また、インク80の組成は、
ベンジルアルコール(溶剤):37.4重量%
フェノキシエタノール(溶剤):1.5重量%
オレイン酸(添加剤):8.0重量%
ニグロシンEX(着色剤):22.5重量%
スピロンバイオレットC−RH(着色剤):9.0重量%
スピロンイエローC−2GH(着色剤):6.0重量%
カーボンブラックMA−100(着色剤・構造粘性付与剤):8.0重量%
ハイラック#111(樹脂):5.4重量%
ポリビニルピロリドンK−90(樹脂):0.8重量%
アエロジル380(構造粘性付与剤):1.4重量%
とした。
【0105】
また、「初筆性」の試験は、
まず、手書きにて筆記可能であることを確認し、
手書きが終了してから1時間経過後又は1日経過後に、
ISO規格14145−1に準拠した自動筆記試験機を用い、
筆記速度:4.5m/min
筆記角度:90°
筆記負荷:1.96N
の条件で行った。
【0106】
また、「初筆性」の評価は、
5本のボールペンリフィール10について行った上記試験の結果の平均値を採り、
(イ)筆記試験開始から描線の記録が円滑に行われるまでの距離が2mm以内であった → 評価「A」
(ロ)筆記試験開始から描線の記録が円滑に行われるまでの距離が5mm以内であった → 評価「B」
(ハ)筆記試験開始から描線の記録が円滑に行われるまでの距離が10mm以内であった → 評価「C」
(ニ)筆記試験開始から描線の記録が円滑に行われるまでの距離が10mm以上であった → 評価「D」
とした。
【0107】
また、「筆記距離」の試験は、
まず、手書きにて筆記可能であることを確認し、その後に、
ISO規格14145−1に準拠した自動筆記試験機を用い、
筆記速度:4.5m/min
筆記角度:60°
筆記負荷:1.96N
の条件で筆記不能になるまで行った。
【0108】
また、「筆記距離」の評価は、
10本のボールペンリフィール10について行った上記試験の結果の平均値を採り、
(イ)インク80が完全になくなるまで筆記可能であった → 評価「A」
(ロ)充填量の1/4未満のインク80を残して筆記不能となった → 評価「B」
(ハ)充填量の1/4以上のインク80を残して筆記不能となった → 評価「C」
とした。
【0109】
また、「ボール50の飛び出し」の試験は、
ボールペンリフィール10を、
気温:150℃
湿度:30%
に設定した恒温槽内に100時間投入することによって行った。
【0110】
また、「ボール50の飛び出し」の評価は、
100本のボールペンリフィール10について上記試験を行い、
(イ)ボールハウス61からボール50が飛び出してしまったものが1本もなかった→ 評価「○」
(ロ)ボールハウス61からボール50が飛び出してしまったものが1本以上あった→ 評価「×」
とした。
【0111】
なお、表1中、「Ra」は「ボール50の表面粗さRa(単位:μm)」を、「φB/φA」は「ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合」を、「初筆性(1h)」は「手書きが終了してから1時間経過後の初筆性の評価」を、「初筆性(1d)」は「手書きが終了してから1日経過後の初筆性の評価」を、「筆記距離」は「筆記距離の評価」を、「飛び出し」は「ボール50の飛び出しの評価」を、それぞれ示す。
【0112】
【表1】
【0113】
このように、実施例1−1から実施例1−24までの各ボールペンリフィール10は、「初筆性」に優れ、また、「筆記距離」も十分長く、しかも、ボールハウス61からボール50が飛び出してしまうこともなかった。
すなわち、実施例1−1から実施例1−24までに示すようにボールペンリフィール10を形成すれば、「初筆性」に優れ、また、「筆記距離」も十分長く、しかも、ボールハウス61からボール50が飛び出しにくいボールペンリフィール10とすることができるのである。
【0114】
一方、比較例1−1から比較例1−31までの各ボールペンリフィール10は、「初筆性」に劣るか、「筆記距離」が短いか、又はボールハウス61からボール50が飛び出しやすいかのいずれか1以上の欠点を有していた。
すなわち、比較例1−1から比較例1−31までに示すようにボールペンリフィール10を形成すると、「初筆性」に劣るか、「筆記距離」が短いか、又はボールハウス61からボール50が飛び出しやすいかのいずれか1以上の欠点を有するボールペンリフィール10となってしまうのである。
【0115】
更に、「ボール50の表面粗さRa」の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも、ボール50の表面粗さRaを0.010μm以上0.080μm以下にすれば、筆記面上でボール50が滑りにくく、かつ、ボール受け座72が磨耗しにくくなり、これにより、「かすれ」を起こしにくくなり、また、「初筆性」に優れ、しかも、「筆記距離」も十分に長くなることが確認された。
【0116】
また、「ボール50の表面粗さRa」を0.010μm未満にすると、筆記面上でボール50が滑りやすくなってしまうことから、「かすれ」を起こしやすくなり、また、「初筆性」に劣ってしまうことが確認された。
また、「ボール50の表面粗さRa」を0.080μm超にすると、ボール受け座72が磨耗しやすくなってしまうことから、「筆記距離」が短くなってしまうことが確認された。
【0117】
また、「ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合(φB/φA)」の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも、ボールハウス61の側面部70の内径をボール50の直径の101%以上111%以下に形成すれば、すなわち、1.01≦φB/φA≦1.11(式1)を満たすように形成すれば、ボール50と側面部70との間に十分なインク80通路を確保することができ、これにより、「かすれ」を起こしにくくなり、また、「初筆性」に優れ、しかも、ボールハウス61からボール50が飛び出しにくくなることが確認された。
【0118】
また、ボールハウス61の側面部70の内径をボール50の直径の101%未満に形成すると、すなわち、1.01>φB/φAに形成すると、ボール50と側面部70との間に十分なインク80通路を確保することができなくなってしまうことから、「かすれ」を起こしやすくなり、また、「初筆性」に劣ってしまうことが確認された。
【0119】
また、ボールハウス61の側面部70の内径を、ボール50の直径の111%超に形成すると、すなわち、φB/φA>1.11に形成すると、ボール50がボールハウス61から飛び出しやすくなってしまうことが確認された。
なお、この試験は、インク80の組成、インク80の粘度、及び加圧ガス90の圧力などを変えて行ったが、前述した結果と同様の傾向が見られた。
(ボールペンリフィール10の評価2)
下記の表2に、実施例2−1から実施例2−3まで及び比較例2−1から比較例2−3までの各ボールペンリフィール10の構成と、これらのボールペンリフィール10の「インク80の漏れ出し」及び「書き味」についての評価をそれぞれ示す。
【0120】
ここで、実施例2−1から実施例2−3まで及び比較例2−1から比較例2−3までに示す各ボールペンリフィール10は、「インク80の組成」及び「インク80の粘度」が、それぞれ異なるように形成したものである。
また、実施例2−1から実施例2−3まで及び比較例2−1から比較例2−3までに示す各ボールペンリフィール10は、ボール50の材質を超硬合金とし、ホルダー60の材質をステンレスとし、ボール50の直径を0.7mmとし、ボール50の表面粗さRaを0.036μmとし、ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合(φB/φA)を1.014とし、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力を絶対気圧で0.3MPaとした。
【0121】
また、インク80の粘度測定は、
E型粘度計にてレギュラーコーンを用い、
回転数:1.0〜2.5回転/分
温度:25℃
の条件で行った。
【0122】
また、「インク80の漏れ出し」の試験は、
インク貯蔵管30に充填する加圧ガス90の圧力を0.3MPaまで上げたときに、チップ20の先端からインク80が漏れ出すか否かを観察することにより行った。
また、「インク80の漏れ出し」の評価は、
(イ)チップ20の先端からのインク80の漏れ出しがなかった → 評価「○」
(ロ)チップ20の先端から漏れ出して、チップ20の先端にインク80の滴ができ、そのインク80の滴の直径が1mm未満であった → 評価「△」
(ハ)チップ20の先端から漏れ出して、チップ20の先端にインク80の滴ができ、そのインク80の滴の直径が1mm以上であった → 評価「×」
とした。
【0123】
また、「書き味」の試験は、
手書きにて筆記することにより行った。
また、「書き味」の評価は、
(イ)書き味がなめらかであった → 評価「○」
(ロ)書き味がやや重かった → 評価「△」
(ハ)書き味が重かった → 評価「×」
とした。
【0124】
なお、表2中、「BA」は「ベンジルアルコール(溶剤)」を、「PG」は「フェノキシエタノール(溶剤)」を、「オレイン酸」は「オレイン酸(添加剤)」を、「EX」は「ニグロシンEX(着色剤)」を、「C−RH」は「スピロンバイオレットC−RH(着色剤)」を、「C−2GH」は「スピロンイエローC−2GH(着色剤)」を、「MA−100」は「カーボンブラックMA−100(着色剤・構造粘性付与剤)」を、「#111」は「ハイラック#111(樹脂)」を、「PVP」は「ポリビニルピロリドンK−90(樹脂)」を、「アエロジル」は「アエロジル380(構造粘性付与剤)」を、「粘度」は「25℃における粘度(単位:mPa・s)」を、「漏れ出し」は「インク80の漏れ出しの評価」を、「書き味」は「書き味の評価」を、それぞれ示す。
【0125】
【表2】
【0126】
このように、実施例2−1から実施例2−3までの各ボールペンリフィール10は、「インク80の漏れ出し」がなく、しかも、「書き味」がなめらかであった。
すなわち、実施例2−1から実施例2−3までに示すようにボールペンリフィール10を形成すれば、「インク80の漏れ出し」がなく、しかも、「書き味」がなめらかなボールペンリフィール10とすることができるのである。
【0127】
一方、比較例2−1から比較例2−3までの各ボールペンリフィール10は、「インク80の漏れ出し」があるか、又は「書き味」がなめらかではないかのいずれか1以上の欠点を有していた。
すなわち、比較例2−1から比較例2−3までに示すようにボールペンリフィール10を形成すると、「インク80の漏れ出し」があるか、又は「書き味」がなめらかではないかのいずれか1以上の欠点を有するボールペンリフィール10となってしまうのである。
【0128】
更に、インク80の粘度の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも、25℃におけるインク80の粘度を10,000mPa・s以上50,000mPa・s以下にすれば、「インク80の漏れ出し」がなく、しかも、「書き味」がなめらかになることが確認された。
また、25℃におけるインク80の粘度を10,000mPa・s未満にすると、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうことが確認された。
【0129】
また、25℃におけるインク80の粘度を50,000mPa・s超にすると、「書き味」が重くなってしまうことが確認された。
また、25℃におけるインク80の粘度を10,000mPa・s以上50,000以下にしても、インク80に構造粘性付与剤を添加しないと、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうことが確認された。
(ボールペンリフィール10の評価3)
下記の表3に、実施例3−1、実施例3−2、比較例3−1、及び比較例3−2の各ボールペンリフィール10の構成と、これらのボールペンリフィール10の「インク80の漏れ出し」及び「筆記距離」についての評価をそれぞれ示す。
【0130】
ここで、実施例3−1、実施例3−2、比較例3−1、及び比較例3−2に示す各ボールペンリフィール10は、「加圧ガス90の圧力」が、それぞれ異なるように形成したものである。
また、実施例3−1、実施例3−2、比較例3−1、及び比較例3−2に示す各ボールペンリフィール10は、ボール50の材質を超硬合金とし、ホルダー60の材質をステンレスとし、ボール50の直径を0.7mmとし、ボール50の表面粗さRaを0.036μmとし、ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合(φB/φA)を1.014とし、ボールペンリフィール10の評価1で示したインク80を用い、25℃におけるインク80の粘度を30,000mPa・sとした。
【0131】
また、「インク80の漏れ出し」の試験は、
直径5〜6cmの円を5周筆記した後に、25℃の環境下に1分間放置し、チップ20の先端からインク80が漏れ出すか否かを観察することにより行った。
また、「インク80の漏れ出し」の評価は、
(イ)チップ20の先端からのインク80の漏れ出しがなかった → 評価「○」
(ロ)チップ20の先端から漏れ出して、チップ20の先端にインク80の滴ができ、そのインク80の滴の直径が1mm未満であった → 評価「△」
(ハ)チップ20の先端から漏れ出して、チップ20の先端にインク80の滴ができ、そのインク80の滴の直径が1mm以上であった → 評価「×」
とした。
【0132】
また、「筆記距離」の試験は、
まず、手書きにて筆記可能であることを確認し、その後に、
ISO規格14145−1に準拠した自動筆記試験機を用い、
筆記速度:4.5m/min
筆記角度:60°
筆記負荷:1.96N
の条件で筆記不能になるまで行った。
【0133】
また、「筆記距離」の評価は、
10本のボールペンリフィール10について行った上記試験の結果の平均値を採り、
(イ)筆記不能になるまでの距離が600m以上であった → 評価「○」
(ロ)筆記不能になるまでの距離が400m以上600m未満であった → 評価「△」
(ハ)筆記不能になるまでの距離が400m未満であった → 評価「×」
【0134】
【表3】
【0135】
このように、実施例3−1及び実施例3−2の各ボールペンリフィール10は、「インク80の漏れ出し」がなく、しかも、「筆記距離」が十分に長かった。
すなわち、実施例3−1及び実施例3−2に示すようにボールペンリフィール10を形成すれば、「インク80の漏れ出し」がなく、しかも、「筆記距離」が十分に長いボールペンリフィール10とすることができるのである。
【0136】
一方、比較例3−1及び比較例3−2の各ボールペンリフィール10は、「インク80の漏れ出し」があるか、又は「筆記距離」が短くなってしまうかのいずれか1以上の欠点を有していた。
すなわち、比較例3−1及び比較例3−2に示すようにボールペンリフィール10を形成すると、「インク80の漏れ出し」があるか、又は「筆記距離」が短くなってしまうかのいずれか1以上の欠点を有するボールペンリフィール10となってしまうのである。
【0137】
更に、「加圧ガス90の圧力」の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも、加圧ガス90の圧力を絶対圧力で0.15MPa以上0.40MPa以下にすれば、「インク80の漏れ出し」がなく、しかも、「筆記距離」が十分に長くなることが確認された。
また、加圧ガス90の圧力を絶対圧力で0.15MPa未満にすると、インク80を最後まで使い切れなくなってしまい、「筆記距離」が短くなってしまうことが確認された。
【0138】
また、加圧ガス90の圧力を絶対圧力で0.40MPa超にすると、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうことが確認された。
(ボールペンリフィール10の評価4)
下記の表4に、実施例4−1、実施例4−2、比較例4−1、及び比較例4−2の各ボールペンリフィール10の構成と、これらのボールペンリフィール10の「筆記距離」についての評価をそれぞれ示す。
【0139】
ここで、実施例4−1、実施例4−2、比較例4−1、及び比較例4−2に示す各ボールペンリフィール10は、「加圧ガス90中の反応しにくいガスの割合」が、それぞれ異なるように形成したものである。
また、実施例4−1、実施例4−2、比較例4−1、及び比較例4−2に示す各ボールペンリフィール10は、反応しにくいガスとして窒素(N2)を用いた。
【0140】
また、実施例4−1、実施例4−2、比較例4−1、及び比較例4−2に示す各ボールペンリフィール10は、ボール50の材質を超硬合金とし、ホルダー60の材質をステンレスとし、ボール50の直径を0.7mmとし、ボール50の表面粗さRaを0.036μmとし、ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合(φB/φA)を1.014とし、ボールペンリフィール10の評価1で示したインク80を用い、25℃におけるインク80の粘度を30,000mPa・sとし、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力を絶対気圧で0.3MPaとした。
【0141】
また、「筆記距離」の試験は、
組立て後1年間、50℃の環境下に保管し、その後に、
ISO規格14145−1に準拠した自動筆記試験機を用い、
筆記速度:4.5m/min
筆記角度:60°
筆記負荷:1.96N
の条件で筆記不能になるまで行った。
【0142】
また、「筆記距離」の評価は、
10本のボールペンリフィール10について行った上記試験の結果の平均値を採り、
(イ)筆記不能になるまでの距離が600m以上であった → 評価「○」
(ロ)筆記不能になるまでの距離が400m以上600m未満であった → 評価「△」
(ハ)筆記不能になるまでの距離が400m未満であった → 評価「×」
【0143】
【表4】
【0144】
このように、実施例4−1及び実施例4−2の各ボールペンリフィール10は、「筆記距離」が十分に長かった。
すなわち、実施例4−1及び実施例4−2に示すようにボールペンリフィール10を形成すれば、加圧ガス90中の酸素(O2)などのガスがインク80の各成分と反応することによる加圧ガス90の圧力低下を抑えることができ、これにより、「筆記距離」が十分に長いボールペンリフィール10とすることができるのである。
【0145】
一方、比較例4−1及び比較例4−2の各ボールペンリフィール10は、「筆記距離」が短くなってしまった。
すなわち、比較例4−1及び比較例4−2に示すようにボールペンリフィール10を形成すると、加圧ガス90中の酸素(O2)などのガスがインク80の各成分と反応することにより、加圧ガス90の圧力が低下してしまい、これにより、「筆記距離」が短いボールペンリフィール10となってしまうのである。
【0146】
また、窒素(N2)以外の反応しにくいガスについても、上述した実験と同様の実験を行ったところ、上述した評価と同様の評価が得られた。
更に、「加圧ガス90中の反応しにくいガスの割合」の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも、加圧ガス90中の反応しにくいガスの割合を85%以上にすれば、加圧ガス90中の酸素(O2)などのガスがインク80の各成分と反応することによる加圧ガス90の圧力低下を十分に抑えることができ、これにより、「筆記距離」が十分に長くなることが確認された。
【0147】
また、加圧ガス90中の反応しにくいガスの割合を85%未満にすると、加圧ガス90中の酸素(O2)などのガスがインク80の各成分と反応することにより、加圧ガス90の圧力が低下してしまい、これにより、「筆記距離」が短くなってしまうことが確認された。
(ボールペンリフィール10の評価5)
下記の表5に、実施例5−1、実施例5−2、比較例5−1、及び比較例5−2の各ボールペンリフィール10の構成と、これらのボールペンリフィール10の「インク80の流れ出し」についての評価をそれぞれ示す。
【0148】
ここで、実施例5−1、実施例5−2、比較例5−1、及び比較例5−2に示す各ボールペンリフィール10は、「フロート100の外径をφC、インク貯蔵管30の大径部31の内径をφDとしたときにおける、(φD−φC)/φCの値」が、それぞれ異なるように形成したものである。
また、実施例5−1、実施例5−2、比較例5−1、及び比較例5−2に示す各ボールペンリフィール10は、ボール50の材質を超硬合金とし、ホルダー60の材質をステンレスとし、ボール50の直径を0.7mmとし、ボール50の表面粗さRaを0.036μmとし、ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合(φB/φA)を1.014とし、フロート100の材質をポリプロピレン(PP)とし、ボールペンリフィール10の評価1で示したインク80を用い、25℃におけるインク80の粘度を30,000mPa・sとし、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力を絶対気圧で0.3MPaとした。
【0149】
また、「インク80の流れ出し」の試験は、
ISO規格14145−1に準拠した自動筆記試験機を用い、
筆記速度:4.5m/min
筆記角度:60°
筆記負荷:1.96N
の条件で200m筆記した後、
チップ20を上向きにした状態で、25℃の環境下に3日間保管し、その後、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しているか否かを観察した。
【0150】
また、「インク80の流れ出し」の評価は、
10本のボールペンリフィール10について上記試験を行い、
(イ)フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しているものが1本もなかった → 評価「○」
(ロ)フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しているものが1本以上あった → 評価「×」
とした。
【0151】
【表5】
【0152】
このように、実施例5−1及び実施例5−2の各ボールペンリフィール10は、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出すことがなかった。
すなわち、実施例5−1及び実施例5−2に示すようにボールペンリフィール10を形成すれば、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出さないボールペンリフィール10とすることができるのである。
【0153】
一方、比較例5−1及び比較例5−2の各ボールペンリフィール10は、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しやすいという欠点を有していた。
すなわち、比較例5−1及び比較例5−2に示すようにボールペンリフィール10を形成すると、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しやすいボールペンリフィール10となってしまうのである。
【0154】
更に、「(φD−φC)/φCの値」の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも、0.0005≦(φD−φC)/φC≦0.043(式3)となるように形成すれば、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しにくくなることが確認された。
また、0.0005>(φD−φC)/φCとなるように形成すると、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙が狭すぎて、インク80の減少に伴うフロート100の移動が円滑に行われなくなってしまうことが確認された。
【0155】
一方、(φD−φC)/φC>0.043となるように形成すると、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しやすくなってしまうことが確認された。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではない。
【0156】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明によれば、フロートとインク貯蔵管との間の間隙から加圧ガス側へインクが流れ出しにくく、しかも、インクの減少に伴うフロートの移動が円滑に行われるボールペンリフィールを提供することができるのである。
【0157】
また、第2の発明によれば、フロートとインク貯蔵管との間の間隙から加圧ガス側へインクがより一層流れ出しにくいボールペンリフィールを提供することができるのである。
更に、第3の発明によれば、フロートとインク貯蔵管との間の間隙から加圧ガス側へインクがより一層流れ出しにくいボールペンリフィールを提供することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るボールペンリフィールの側面断面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】図1のB部拡大図。
【図4】チップの要部断面図。
【図5】フロートの斜視図。
【符号の説明】
10 ボールペンリフィール 20 チップ
30 インク貯蔵管 31 大径部
32 中径部 33 小径部
34 内向き段部 35 絞り部
40 尾栓 41 留め具
42 シール部材 50 ボール
60 ホルダー 61 ボールハウス
62 インク誘導孔 63 インク溝
64 カシメ部 65 クリアランス
66 テーパー部 67 胴体部
68 固定部 69 外向き段部
70 側面部 71 底面部
72 ボール受け座 80 インク
90 加圧ガス 100 フロート
101 空気溝 102 刳り貫き部
φA ボールの直径 φB 側面部の内径
φC フロートの外径 φD 大径部の内径
Claims (3)
- インク貯蔵管と、このインク貯蔵管の一方側に固定したチップと、インク貯蔵管の反チップ側に設けた尾栓とを備え、
前記インク貯蔵管のチップ側には、インクが充填され、
前記インク貯蔵管の反チップ側には、加圧ガスが充填され、
前記加圧ガスの圧力により、インクをチップ方向へ押し出すようにしたボールペンリフィールであって、
前記インク貯蔵管の内部であって、インクと加圧ガスとの間には、インクの減少に伴って一定範囲を移動するフロートが設けられ、
前記フロートはほぼ円柱状に形成され、そのインク側の面には、その両側面を貫通する空気溝が設けられ、その加圧ガス側の面には、刳り貫き部が設けられ、
前記フロートの外径をφC、
前記インク貯蔵管の内径のうち、フロートの移動範囲の内径をφD、
としたときに、
0.0005≦(φD−φC)/φC≦0.043
を満たすように形成したことを特徴とするボールペンリフィール。 - インクは、25℃における粘度が、10,000mPa・s以上50,000mPa・s以下となるように調製されていることを特徴とする請求項1記載のボールペンリフィール。
- インクは、構造粘性付与剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のボールペンリフィール。
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