JP5400683B2 - ボールペンリフィル及びボールペン - Google Patents

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Description

本発明は、インク収容管内部に加圧ガスを充填したボールペンリフィル及びこれを利用したボールペンに関する。
従来、ボールペンリフィルのインク収容管内部に加圧ガスを充填封入したボールペンが提供されてきた。このようなボールペンでは加圧ガスの内圧に耐える必要上、金属製のインク収容管が採用されていた。しかし、インク残量が外部から視認できるように、透明又は半透明の樹脂製のインク収容管を用いた加圧式ボールペンも提供されている。このようなインク収容管に用いられる樹脂は、充填される加圧ガスをできるだけ透過しないことが望まれる。そのようなガス透過性が極めて低い樹脂としてはたとえばエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(以下、「EVOH」と略す。)がある。ところが、EVOHはガス透過性の観点からは優れた材質ではあるものの、湿気には弱いという性質がある。そこでインク収容管にEVOHを用いる際には、さらにその外側を、たとえばポリプロピレンのような湿気を通しにくい樹脂製の管で被覆することも行われていた。
しかしこのような多層構造のインク収容管は部品点数が増え製造コストも嵩むため、より単純化した構造のものが望まれていた。そこで、湿気に強く、かつ、EVOHには及ばないもののガス透過性も比較的低い樹脂(たとえばポリブチレンテレフタレート(以下、「PBT」と略す。)、ポリエチレンナフタレート等(以下、「PEN」と略す。))のみでインク収容管を構成するものも提供されるようになっている。
ところで、加圧ガスを封入したインク収容管では、インク残量が少なくなっていくにつれて、ガスがインク収容管内で占める体積が大きくなってくる。そうなると加圧ガスの内圧は低下し、ガスがインクを筆記先端方向へ加圧する力が弱くなる。それによって、筆記先端を上向きにした場合に、インクが後端方向へ逆流しやすくなってしまう。
このインクの逆流を防止するために、特許文献1記載の発明のように、インク収容管の中でインクが位置する先端側の部分の内径を後端側よりも小さくして表面張力を高くすることが行われていた。
また、逆流を防止するボールペンリフィルとしては特許文献2に開示のものも存在する。このボールペンリフィルにおいては、インクを収容する前半の小径部分のチューブ内面が複数の放射状のリブ形状となっており、これにより内周面の表面張力を高めている。ところが、インクが減少すると、インクがチューブ内面のリブの間の溝に残ってしまう。よって、インク残量の確認が困難となるとともに外観も損なうこととなってしまう。
特開2004−174940号公報 特開平8−72466号公報
特許文献1及び2に記載の従来の加圧ボールペンのように、インクを収容するインク収容管の筆記先端側の内径を小さくした場合は、その先端側の部分の剛性が後端側の部分に比べ弱いため変形しやすく、筆記の際にユーザーに不安定感を生じさせてしまう。さらに、インクが減るとその分だけインク収容部に加圧ガスが及ぶことになるが、その分、ガスの体積に対する内壁との接触面積が増加するため、透過するガス量が増えてしまうことになる。
そこで、ガス透過性を減じるためには、内径の小さい前半部分を肉厚にし、外径を後半部分と同様にする、ということが考えられる。しかしその場合、射出成型時に肉厚部分への樹脂充填が均一に行かず、部分的に管壁が薄くなる部分が生じることで設計通りに成型されにくく、製品としての均質性を担保しにくいという問題点がある。
そこで本発明は、加圧ボールペンのボールペンリフィルにおいて、逆流防止のためにインク収容管の内径を細くした部分において、インク消費に伴うガス透過性の向上を防止しつつ、剛性も確保し、さらに製品としての均質性を保ち得るようなボールペンリフィルの提供を課題とする。
上記の課題に鑑み、本発明のうちの第1の発明は、インク11を収容するとともに加圧ガスが封入されるインク収容管20と、前記インク収容管20の先端に装着されるボールペンチップ30とを備えたボールペンリフィル10であって、
前記インク収容管20は、先端側に位置し前記インク11が充填されるインク充填部21と、後端側に位置し前記加圧ガスが封入される加圧ガス充填部22とから成るとともに、
前記インク充填部21の内径は前記加圧ガス充填部22の内径より小さく、
前記インク充填部21の管壁は厚肉部24と、該厚肉部24より肉薄の薄肉部25とで構成されていることを特徴とする。
なお、本発明においては、ボールペンリフィル10の筆記先端側、すなわちボールペンチップ30が位置する側を先端と称し、その反対側を後端と称する。
すなわち、インク収容管20は、内径の小さいインク充填部21と、これより内径の大きい加圧ガス充填部22とから構成される。なお、インク充填部21のすべての領域に亘ってインク11が充填されているとは限らず、その後端付近にはインク11が充填されていない箇所があることもある。その場合、そのインク充填部21においてインク11が充填されていない箇所には当然、加圧ガスが存在することになる。
そしてこのインク充填部21に、厚肉部24と、これより肉薄の薄肉部25とが設けられている。このように、厚肉部24がある分だけ全体としてのガス透過性を低減させることができる。その結果、加圧状態を保持する期間をより長くすることができる。また、薄肉部25を設けることで、射出成形時に厚肉部24の箇所に均一に樹脂を充填することが可能となる。
ここで、厚肉部24と薄肉部25とは、各々軸心に対して放射状に交互に配置されていることとしてもよいし、また、前後方向に対して交互に配置されていることとしてもよい。
インク収容管20の材質は、ガス透過性の低さと湿気への耐性との兼ね合いからPBT又はPENが望ましい。さらに、厚肉部24は、インク収容管20のうちのインク充填部21のうち、ボールペンチップ30の後端部より後方位置から前記加圧ガス充填部22の先端位置までにわたって設けられていることが望ましい。こうすることで、インク充填部21のほぼ全域にわたって厚肉部24が存在することになる。
ボールペンチップ30としては、ごく一般的な油性ボールペン用ボールペンチップ30が使用される。このボールペンチップ30は、インク収容管20の先端に直接装着されるものであってもよく、また、継手を介してインク収容管20の先端に装着されるものであってもよい。
インク11については、着色剤、溶剤、構造粘性付与剤、樹脂、添加剤などを適宜配合することによって調製されている。
着色剤としては、従来から油性ボールペン用インクに用いられてきた染料又は顔料の多くを用いることができる。
具体的には、たとえば、バリファーストカラー(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、ニグロシンEX(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、アイゼンスピロン染料、アイゼンSOT染料、スピロンバイオレットC−RH、スピロンイエローC−2GH(以上商品名、保土谷化学工業株式会社製)などの染料を着色剤として用いることができる。
また、たとえば、酸化チタン、カーボンブラック、カーボンブラックMA−100(商品名、三菱化学株式会社製)、金属粉などの無機系顔料を着色剤として用いることもできる。
また、たとえば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などの有機系顔料を着色剤として用いることもできる。
なお、上述した染料又は顔料は、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
溶剤としては、従来から油性ボールペン用インクに用いられてきた有機溶剤の多くを用いることができる。
具体的には、たとえば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、テトラリン、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を溶剤として用いることができる。
なお、これらの有機溶剤は、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
インク11の粘度を上昇させるとともに、インク11に構造粘性を付与するために構造粘性付与剤を添加してもよい。
この構造粘性付与剤を添加されたインク11は、低剪断速度下では比較的高い粘度を示すものの、高剪断速度下では比較的低い粘度を示す。
ここで、非筆記時におけるボールペンチップ30の先端近辺では、インク11は、低剪断速度下におかれることとなる。このため、この構造粘性付与剤を添加されたインク11は、非筆記時におけるボールペンチップ30の先端近辺では、比較的高い粘度を示し、これにより、ボールペンチップ30の先端からのインク11の漏れ出しを防止している。
一方、筆記時におけるボールペンチップ30の先端近辺では、インク11は、高剪断速度下におかれることとなる。このため、この構造粘性付与剤を添加されたインク11は、筆記時におけるボールペンチップ30の先端近辺では、比較的低い粘度を示し、これにより、なめらかに筆記できるのである。
具体的には、たとえば、カーボンブラック(具体的には、たとえば、カーボンブラックMA−100(商品名、三菱化学株式会社製))や微粒子シリカ(具体的には、たとえば、アエロジル380(商品名、日本アエロジル株式会社製))などの無機微粒子を構造粘性付与剤として用いることができる。
なお、これらの無機微粒子は、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
インク11の粘度を上昇させたり、あるいは構造粘性付与剤をインク11中に分散させたりするために、樹脂を添加してもよい。
具体的には、たとえば、ケトン樹脂(具体的には、たとえば、ハイラック#111(商品名、日立化成株式会社製))、フェノール樹脂、マレイン樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ロジン樹脂、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、クロマン−インデン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン(具体的には、たとえば、ポリビニルピロリドンK−90(商品名、ISP社製))、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合物、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などの樹脂を、インク11の粘度を上昇させたり、あるいは構造粘性付与剤をインク11中に分散させるための樹脂として用いることができる。
なお、これらの樹脂は、それぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
添加剤としては、従来から油性ボールペン用インクに用いられてきた増粘剤、曳糸性付与剤、界面活性剤、分散剤、潤滑剤、発色剤、防菌剤などを用いることができる。
具体的には、たとえば、潤滑剤及び発色剤としてのオレイン酸、増粘剤及び分散剤としてのハイラック#111(商品名、日立化成株式会社製)、増粘剤、分散剤及び曳糸性付与剤としてのポリビニルピロリドンK−90(商品名、ISP社製)などを添加剤として用いることができる。
インク11は、上述した各成分を混合撹拌等することによって製造される。
具体的には、インク11は、顔料分散段階、アエロジル分散段階、染料溶解段階、混合段階、ろ過段階などを経て製造される。
顔料分散段階は、顔料を溶剤などに分散させる段階である。
この顔料分散段階では、まず、ハイラック#111(樹脂)、オレイン酸(添加剤)、ベンジルアルコール(溶剤)、フェノキシエタノール(溶剤)などを60℃程度に加熱しながら混合し、ここにカーボンブラックMA−100(顔料)を加えて、ニーダー、プラネタリーミキサー、ロールなどを用いて撹拌する。
アエロジル分散段階は、アエロジルを溶剤などに分散させる段階である。
このアエロジル分散段階では、まず、ハイラック#111(樹脂)、ポリビニルピロリドンK−90(樹脂)、ベンジルアルコール(溶剤)、フェノキシエタノール(溶剤)などを60℃程度に加熱しながら混合し、ここにアエロジル380(構造粘性付与剤)を加えて、ニーダー、プラネタリーミキサー、ロールなどを用いて撹拌する。
染料溶解段階は、染料を溶剤などに溶解させる段階である。
この染料溶解段階では、ニグロシンEX(染料)、スピロンバイオレットC−RH(染料)、スピロンイエローC−2GH(染料)、ベンジルアルコール(溶剤)、フェノキシエタノール(溶剤)、オレイン酸(添加剤)などを60℃程度に加熱しながら撹拌して、これらを溶解させている。
混合段階は、上記各段階で得られたものを混合させる段階である。
この混合段階では、顔料分散段階によって得られたものと、アエロジル分散段階によって得られたものと、染料溶解段階によって得られたものとを60℃程度に加熱しながら約1時間撹拌して、これらを溶解及び混合させている。
ろ過段階は、混合段階で得られたものをろ過する段階である。
このろ過段階により、インク11の夾雑物を除去する。
インク11は、25℃における粘度が、10,000mPa・s以上60,000mPa・s以下となるように調製される。
そして、25℃におけるインク11の粘度を10,000mPa・s以上60,000mPa・s以下に調製することにより、ボールペンチップ30の先端からインク11が漏れ出さないようにしつつも、書き味がなめらかになるようにしている。
なお、25℃におけるインク11の粘度が10,000mPa・s未満では、ボールペンチップ30の先端からインク11が漏れ出してしまうおそれがある。
一方、25℃におけるインク11の粘度が60,000mPa・s超では、書き味が重くなってしまう。
もちろん、インク11の粘度が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
加圧ガスは、インク収容管20の内部に充填されているインク11をボールペンチップの30方向へ押し出すためのものであって、インク収容管20の後端側に充填される。
加圧ガスは、ボールペンリフィル10の組立て時における圧力が、絶対気圧で0.15MPa以上0.4MPa以下となるように設定される。
そして、ボールペンリフィル10の組立て時における加圧ガスの圧力を、絶対気圧で0.15MPa以上0.4MPa以下に設定することにより、筆記先端のクリアランスからのインク11の漏れ出し、及びボールペンチップ30からのボールの飛び出しを防止しつつ、インク11のかすれの発生を防止し、更には、インク11を最後まで使い切ることができるようにしている。
なお、ボールペンリフィル10の組立て時における加圧ガスの圧力が、絶対気圧で0.15MPa未満では、インク11のかすれが発生してしまうおそれがあり、また、インク11を最後まで使い切ることができなくなってしまうおそれもある。
一方、ボールペンリフィル10の組立て時における加圧ガスの圧力が、絶対気圧で0.4MPa超では、筆記先端のクリアランスからインク11が漏れ出してしまったり、ボールペンチップ30からボールが飛び出してしまうおそれもある。
もちろん、ボールペンリフィル10の組立て時における加圧ガスの圧力が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
加圧ガスは、特にアルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガスであれば、インク11の変質を防ぐことができるので望ましいが、圧縮された気体(たとえば圧縮乾燥空気)であれば使用することは可能である。
以上のボールペンリフィル10を軸筒51の内部に収容したボールペン50は、長きにわたって加圧ガスの内圧が低くなるのが抑えられるため、インクの流量も確保でき安定した書き味が持続することとなる。
本発明は上記のように構成されているので、加圧ボールペンのボールペンリフィルにおいて、逆流防止のためにインク収容管の内径を細くした部分において、インク消費に伴うガス透過性の向上を防止しつつ、剛性も確保し、さらに製品としての均質性を保ち得るようなボールペンリフィルを提供することが可能となる。
本発明の一の実施の形態に係るボールペンリフィルの(A)正面図、(B)正面断面図、(C)前方斜視図及び(D)後方斜視図である。ただし(B)においては充填されるインクを省略している。 本発明の一の実施の形態に係るボールペンリフィルの正面断面図である。 本発明の一の実施の形態に係るボールペンリフィルに使用されるインク収容管の(A)正面図、(B)底面図、(C)平面図、(D)前方斜視図及び(E)後方斜視図並びに(A)の正面図における(F)F−F断面図、(G)G−G断面図及び(H)H−H断面図である。 本発明の一の実施の形態に係るボールペンリフィルを装着したボールペンを一部断面図で示す。 本発明の他の実施の形態に係るボールペンリフィルに使用されるインク収容管の(A)正面図、(B)正面断面図、(C)前方斜視図及び(D)後方斜視図である。
本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の一の実施の形態に係るボールペンリフィル10は、図1に示すように、中空な管状のインク収容管20と、その先端に装着される金属製のボールペンチップ30と、その尾端に装着される樹脂製の尾栓40と、図1では省略したインク11(図2参照)とで構成される。
インク収容管20は、内径の小さい前半部分のインク充填部21と、内径の大きい後半部分の加圧ガス充填部22とに分けられる(図1(B))。このインク充填部21においてボールペンチップ30が装着される位置よりやや後方位置から、加圧ガス充填部22にまで至る外側面には、軸方向に沿った複数本のリブ23が軸心に対して放射状に等配されている(図1(A)、(C)、(D))。この実施の形態ではリブ23は8本設けられている。このリブ23を考慮したインク充填部21の外径は加圧ガス充填部22の外径と等しくなっている。また、インク充填部21においてリブ23が設けられていない先端付近の部分の外径はリブ23が設けられている部分に比べ小さく形成されている。
インク11は、図2に示すように、インク収容管20のうち内径の小さいインク充填部21に充填される。充填されるインク11は特に限定されるものではないが、粘度の低い油性ボールペン用のインクが望ましい。加圧ガスは内径の大きい加圧ガス充填部22に充填され、インク11の消費に伴ってインク充填部21へも拡散していくことになる。なお、ボールペンリフィル10の製造の時点において、インク充填部21のすべての領域においてインク11が充填されているわけではなく、図に示すように後端部分の若干の領域にはインク11が存在しない部位もあり得る。この部位には当然、加圧ガス充填部22に充填されるガスの一部が拡散して存在している。
図3に改めてインク収容管20の全体図及び断面図を示す。先端方向から見た底面図(図3(B))及び各断面図(図3(F)、(G))からも明らかなように、インク充填部21の外周にはリブ23が8本設けられている。そして、リブ23が設けられている箇所は肉厚となっておりこの部分が厚肉部24となっている。一方、リブ23とリブ23との間の部分は厚肉部24より肉薄となっておりこの部分が薄肉部25となっている(図3(F)、(G))。インク充填部21と加圧ガス充填部22の境界部分の外径はほぼ同一で滑らかに連続することとなっている(図3(A)、(H))。
インク収容管20は、PBT又はPENのような、ガス透過性が比較的低く湿気にも強い樹脂の射出成形により形成される。ここで、リブ23が設けられていることにより、インク充填部21の外周部分における樹脂の充填が十分に行われる。また、この厚肉部24の部分の樹脂の厚みによって、インク充填部21全体として、リブ23を設けない場合に比べガス透過性が飛躍的に低下することとなる。以上の成形における利点とガス透過性の観点から、リブ23の本数は上述のように8本が望ましいこととなっている。ちなみにリブ23の本数がこれより多いと薄肉部25の占める面積比が小さくなるため成形不良を起こしやすい。一方、リブ23の本数がこれより少ないと、逆に薄肉部25の占める面積比が大きくなり、ガス透過性を低くすることができなくなってしまう。
本実施の形態に係るボールペンリフィル10は、以下のようにして製造される。まず、図3に示すインク収容管20の先端孔26(図3(B)、(D)参照)へ、ボールペンチップ30の後端部分を圧入固定する(図1(B)参照)。次に、インク収容管20の後端孔27(図3(C)、(E)参照)から、インク充填部21へインク11を充填する。インク11は、ボールペンチップ30の内部からインク充填部21のほぼ全域を満たす(図2参照)。その後、インク収容管20の後端孔27に尾栓40を仮止めして、尾栓40と後端孔27との間に間隙を確保した状態のまま、これを加圧ガス(乾燥空気又は窒素ガス)で満たされた高圧室中(絶対気圧0.3MPa)へ移し、その中で尾栓40を圧入固定し、さらに尾栓40とインク収容管20とを超音波又は高温にて溶着固定し、加圧ガスが密閉される。
上記のようなボールペンリフィル10を軸筒51に装着すると、図4に示すようなボールペン50となる。なお、本図では軸筒51のみを断面で示し、その内部に収納されるボールペンリフィル10を可視化して示している。この軸筒51の後端部分にはクリップ52が設けられている。また軸筒51の前半部分の表面にはラバー製のグリップ部材53が設けられている。さらに、軸筒51の後端からはノックボタン54が突出している。このノックボタン54の操作によって、ボールペンリフィル10の後端に接続するノック機構55が作動し、ボールペンチップ30の先端が軸筒51の先端から出没することとなっている。
なお、図5に示す他の実施の形態では、インク収容管20のインク充填部21の外周において、複数個の環状のフランジ28が前後方向に連なっている(図5(A))。図5(B)に示すように、このフランジ28が設けられている部分が厚肉部24となっている。そしてその間の、フランジ28が設けられていない部分が薄肉部25となっている。すなわち、この実施の形態においては、厚肉部24と薄肉部25とが前後方向に交互に連なっていることとなっている。この実施の形態に係るインク収容管20も先述の図3に示す実施の形態と同様に、インク収容管20の先端孔26(図5(C))へボールペンチップ30(図1(C)参照)が装着されるとともに、後端孔27(図5(D))には尾栓40(図1(D)参照)が装着される。このような他の実施の形態によっても、前記図1〜図3記載の軸方向に沿ったリブ23を設ける場合と同様に、厚肉部24の存在による加圧ガス透過阻止効果が期待できる。
本発明は、加圧ボールペンのボールペンリフィルとして利用可能である。
10 ボールペンリフィル 11 インク
20 インク収容管 21 インク充填部 22 加圧ガス充填部
23 リブ 24 厚肉部 25 薄肉部
26 先端孔 27 後端孔 28 フランジ
30 ボールペンチップ
40 尾栓
50 ボールペン 51 軸筒 52 クリップ
53 グリップ部材 54 ノックボタン 55 ノック機構

Claims (5)

  1. インクを収容するとともに加圧ガスが封入されるインク収容管と、前記インク収容管の先端に装着されるボールペンチップとを備えたボールペンリフィルであって、
    前記インク収容管は、先端側に位置し前記インクが充填されるインク充填部と、後端側に位置し前記加圧ガスが封入される加圧ガス充填部とから成るとともに、
    前記インク充填部の内径は前記加圧ガス充填部の内径より小さく、
    前記インク充填部の管壁は厚肉部と、該厚肉部より肉薄の薄肉部とで構成されていることを特徴とするボールペンリフィル。
  2. 前記厚肉部と前記薄肉部とは各々軸心に対して放射状に交互に配置されていることを特徴とする請求項1記載のボールペンリフィル。
  3. 前記厚肉部と前記薄肉部とは前後方向に対して交互に配置されていることを特徴とする請求項1記載のボールペンリフィル。
  4. 前記厚肉部は、前記ボールペンチップの後端部より後方位置から前記加圧ガス充填部の先端位置までにわたって設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のボールペンリフィル。
  5. 請求項1、2、3又は4記載のボールペンリフィルを軸筒の内部に収容したことを特徴とするボールペン。
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