JPH09315082A - ボールペン - Google Patents

ボールペン

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Publication number
JPH09315082A
JPH09315082A JP8160437A JP16043796A JPH09315082A JP H09315082 A JPH09315082 A JP H09315082A JP 8160437 A JP8160437 A JP 8160437A JP 16043796 A JP16043796 A JP 16043796A JP H09315082 A JPH09315082 A JP H09315082A
Authority
JP
Japan
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ink
tip
ball
follower
writing
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP8160437A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Kobayashi
小林  清一
Hiroyuki Muto
広行 武藤
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP8160437A priority Critical patent/JPH09315082A/ja
Publication of JPH09315082A publication Critical patent/JPH09315082A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 初筆時において充分搭載したフォロアが終筆
時には殆どインキ後端に存在しないという問題が解消さ
れ、少ないフォロアでその分インキを多く搭載可能とす
る。 【構成】 先端ボールを抱持するチップと、チップ後方
にインキ収容部を有し、該インキ収容部内に筆記に伴う
先端ボールの回転で粘性が低下して流出される、所謂剪
断減粘性を有した水性ボールペンインキ又は低粘度の油
性インキが充填され、更にインキの後端に筆記に伴うイ
ンキの消耗に追随して移動するグリース状の半透明不乾
性物から成るフォロアが充填されて成るボールペンに於
いて、前記フォロアと略同等の比重を有し、前端にイン
キ収容部の内周との間に適宜隙間を有する鍔部とその後
方に縮形部と更にその後方に前記鍔部と同様に鍔部が形
成された樹脂製のフォロア棒がフォロア内に浸漬されて
成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的大形のインキ収
容部内に低粘度のインキが充填されたインキの逆流防止
機構付きのボールペンに関する。又、複式筆記具に搭載
される、剪断減粘性を有する水性、或いは低粘度の油性
ールペンインキが充填されてなるボールペンのリフィー
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】同出願人は実公平4ー52067号でボ
ールを遊嵌した弁室を設けたボールペンのインキの逆流
防止機構を開示している。此のものは、樹脂製の口プラ
(先軸部)にボール弁を遊嵌する弁室内にボール弁を抜
出不能とする突条を所要数設けて、筆記時には突条と突
条との間に形成される隙間を連通してチップにインキが
流動されるように成されている。又、粘性の低いインキ
又は筆記時の先端ボールの回転で粘性が低下してインキ
が流出される剪断減粘性を有したインキを使用したボー
ルペンが知られている。
【0003】一般に粘性の低いインキ又は剪断減粘性を
有したインキを使用したボールペンは、インキの流出量
が多く(筆記濃度を上げるため)インキ収容部を太くし
てインキの搭載量を多くしている。又、インキの粘度は
油性ボールペンのインキに比べて小さいのでインキ収容
部に対する流動抵抗は小さい。従って、インキの自重や
衝撃によりインキ漏れ(インキ収容管の後端にインキが
逆流する)が生じやすい。その為に、通常はインキの後
端に筆記時のインキの消耗に追随して移動するが、イン
キの自重や衝撃に対してインキの逆流を抑制するグリー
ス状のフォロアが、又、必要によりフォロア棒がフォロ
ア内に遊挿されて設けられている。しかしながら、フォ
ロアを設けても上向き筆記をした時にはチップのボール
背面のインキが無くなると、インキのヘッドが直に加わ
る為に顕著な逆流が生じて手や衣服を汚す危険がある。
又、インキの粘度が低く流出量が多いが故に、チップ側
を下向きにした場合に先端ボールとチップ抱持部の隙間
が生じるとインキが滲みでる(直流)問題が存在する。
【0004】一般に、ボールペン等の複数の筆記体を搭
載して、軸先から選択的にその筆記先端部を出没可能と
した複式筆記具が知られている。又、複式筆記具の筆記
先端部の出没機構としては、ノック式のもの、筆記具の
軸筒側面から貫出したスライダーを交互に摺動させるス
ライダー式のもの、傾斜面を備えたカム筒を回転させて
行うカム式のもの等種々知られている。
【0005】又、剪断減粘性を有する水性(中粘度の水
性と呼んでいる)、低粘度の油性ボールペンはインキ収
容管が太くなるために通常の太さの複式筆記具に搭載し
た場合、筆記体間の自由度がなく突出する筆記体の先端
部が軸筒の先端孔にスムーズに求心されず、作動が阻害
されて筆記先端部の出没が不可となる。従って、作動を
可能とするために軸筒が極端に太くなって、携帯性、使
い勝手が悪くなる欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、粘性
の低いインキ又は筆記時のボールの回転で粘性が低下し
てインキが流出される剪断減粘性を有したインキを使用
したボールペンであって上向き筆記や衝撃によって生じ
るインキの逆流とチップ側を下向きに置いた時の直流を
防止して、ボールペンの軸筒内や手、衣服の汚損を防止
可能とし、又、上向き筆記、衝撃が加わった時の先端ボ
ール背面の空気巻き込みに伴うインキ切れで起きる筆記
掠れの防止可能とするボールペンに於いて、筆記に伴う
インキの消耗に追随してインキ後端に位置されたグリー
ス状のフォロアが前進するが、インキ収容部の内壁にフ
ォロアが残留される傾向が強く、初筆時において充分搭
載したフォロアが終筆時には殆どインキ後端に存在しな
い現象が起きる。尚、そのような現象見込んでフォロア
の搭載量を増加することも考えられるが、その場合イン
キ搭載量が少なくなり所定の筆記寿命が達成できない問
題がある。又、インキ収容部を大きくすることも考えら
れるが本願の目的に合わない。本願は極力少ないフォロ
ア量(長さ)でインキ量(長さ)を多くすることを目的
とする。又本願は、携帯性、使い勝手性の良い複式筆記
具用のボールペンリフィールを提供可能とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
本発明のボールペンは、先端ボールを抱持するチップ
と、チップ後方にインキ収容部を有し、該インキ収容部
内に筆記に伴う先端ボールの回転で粘性が低下して流出
される、所謂剪断減粘性を有した水性ボールペンインキ
又は低粘度の油性インキが充填され、更にインキの後端
に筆記に伴うインキの消耗に追随して移動するグリース
状の半透明不乾性物から成るフォロアが充填されて成る
ボールペンに於いて、前記フォロアと略同等の比重を有
し、前端にインキ収容部の内周との間に適宜隙間を有す
る鍔部とその後方に縮形部と更にその後方に前記鍔部と
同様に鍔部が形成された樹脂製のフォロア棒がフォロア
内に浸漬されて成る。
【0008】又、チップ内孔にスプリングが内挿されて
スプリングがチップ後端より抜出不能に設けられ、スプ
リングの先方でチップ先端部に回転自在に抱持された先
端ボールの後端を押圧して、先端ボールがチップのボー
ル抱持部の内縁に密接されてインキの流出が阻止される
ように構成されて成る。又、チップの後端に弁室が設け
られ、弁室内にボール弁が遊嵌されてチップ上向きでボ
ール弁が弁室後端に設けられたボール受け座に密接して
インキの逆流が阻止され、チップ下向きでボール弁とチ
ップ後端と間に形成される隙間よりインキがチップ内孔
に疎通可能に構成されて成る。
【0009】又、インキ収容部は異形断面を有した非変
形のものであって、チップとインキ収容部を接続する部
位に軸長方向に対する横方向に容易に変移可能と成る屈
曲可能部が設けられ、フォロア棒の外周形状がインキ収
容部の内周形状と略相似形に設けられて成る。
【0010】
【実施例】図1は本発明の実施例1を示している。実施
例1のボールペンはチップ11、先軸5、軸筒1、尾栓
19で外観上構成され、筆記具の最終形態としては先軸
部位を被嵌するキャップ(図示せず)を具備する。軸筒
1は樹脂成形品(通常は透明樹脂)で、先端に内孔4が
形成され、内孔4の後端にはテーパー状又は球面状のボ
ール受け座2aとボール受け座2aの後方にインキ収容
部と連通して第1の導孔3が形成された座部2が設けら
れている。又、座部2の後端に所要箇所に第1の導孔3
に連通する切溝2cが形成された突部2bが設けられて
いる。
【0011】先軸5は先方に先細テーパー状の外周部を
有し、後方に軸部7を一体に有した樹脂成形品で形成さ
れている。又、軸部7後端に開口した内孔前方の周壁に
所要数のリブ9が設けられ、リブとリブとの間には隙間
(溝)が形成されている。又、リブ9が周設された内孔
前端には適宜細径の第2の導孔8が形成されている。
又、上記軸筒1先端の内孔4に先軸5後方の軸部7が圧
着されて相互間に弁室18が形成される。尚、その際に
弁室18内にはボール弁10が遊嵌される。
【0012】一方、チップ11はインキ流入可能なチャ
ンネルを有した座に先端ボール12が略当接した状態で
先端ボール12が回転自在に抱持されるようカシメられ
ている。又、チップ内孔13にスプリング16が内挿さ
れチップ後方の軸部14の後端が適宜カシメられてスプ
リング16の後端が抜出不能に設けられている。又、ス
プリング16の先方には直立状の棒軸部17が形成さ
れ、当該棒軸部17の先端が先端ボール12の後端に押
圧状に当接している。尚、先端ボール12はその押圧で
チップ11のボール抱持部(カシメ等で形成)の内縁に
密接状態と成される。又、チップ11は前記先軸5先端
の内孔6に圧着される。
【0013】以上により、チップ側が下向きの時に前記
ボール弁10が前記リブ9の後端に当接して、インキが
第1の導孔3、弁室18、第2の導孔8を通じてチップ
内孔13に流入し先端ボール12の後端まで導通する。
【0014】又、軸筒1は前記第1の導孔3の後方に延
設されたインキ収容部を有しており、インキ収容部内に
は粘性の低いインキ又は静的には高い粘性を有し、筆記
時のボールの回転で粘性が低下してインキが流出可能と
なる剪断減粘性を有したインキ21が充填され、インキ
21の後端にインキの消耗と共にインキ面に接触して追
随して移動可能なグリース状のフォロア22が充填され
る。又、フォロア22内に樹脂製のフォロア棒23が遊
挿される。フォロア棒23はフォロア22と略同等の比
重を有し、前端にインキ収容部の内周径との間に適宜隙
間を形成する外周部を有する鍔部23aとその後方に縮
形部23bと更にその後方に前記鍔部23aよりやや大
径でインキ収容部の内周径に対し小隙間を形成する鍔部
23cが形成されて成り、当該フォロア棒23はフォロ
ア22内に浸漬される。又、軸筒1の後端には外気と連
通する通気孔20を有した尾栓19が圧着される。
【0015】図2乃至図5は本発明の実施例2であり、
複式筆記具に搭載されるボールペンのリフィールを示し
ている。そのインキ収容管のインキ収容部は比較的大き
な異形断面を有した非変形のものであって、異形断面を
形成する辺と辺を接続する隅部が通常はエッジとなる。
例えば、複式筆記具で2種のリフィールを搭載したもの
はインキ収容部の断面が略D形状のものとなり、3種の
リフィールを搭載したものは円形を3分割した略扇状の
ものとなる。又、筆記に伴うインキの消耗に追随してイ
ンキ後端に位置されたグリース状のフォロアが前進する
が、前記インキ収容部の隅部がエッジの場合には隅部と
の接触部においてインキ、特にフォロアが残留される傾
向が強く、初筆時において充分搭載したフォロアが終筆
時には殆どインキ後端に存在しない現象が起きることが
判明した。(尚、隅部に適宜アールを設けることで前記
現象が軽減される知見も得ている。)又、そのような現
象見込んでフォロアの搭載量を増加することも考えられ
るが、その場合インキ搭載量が少なくなり所定の筆記寿
命が達成できない問題がある。
【0016】実施例2であるボールペンのリフィール1
に於いて、チップ42は、インキ流入可能なチャンネル
42aを有した座に先端ボール43が略当接した状態
で、先端ボール43が回転自在に抱持されるようカシメ
られている。又、チップ内孔部42cにスプリング45
が内挿され、スプリング45後端の捲線部45aが抜出
不能となるようにチップの軸部44の後端を適宜カシメ
ている。(カシメ部44a)又、先端ボール43がチッ
プのボール抱持部42bの内面に密接することは筆記先
端の乾燥、インキの直流防止に対し極めて重要であっ
て、そのために先端ボール43を抱持するチップ内面の
表面粗さ、カシメによる密接精度を改善する為に内面の
研削仕上げ、カシメ精度を上げる為の二次的な塑性加工
が配慮される。又、先端ボールとの密接面に表面処理な
どが配慮される。
【0017】又、スプリング45の先方は直立状の棒軸
部46となり、当該棒軸部46の先端が先端ボール43
の後端に押圧状態で当接する。尚、先端ボール43はそ
の押圧によってチップ42のボール抱持部42b(カシ
メなどで形成)の内縁に密接状態となる。
【0018】又、先継ぎ手32は先端にチップ42の軸
部44を圧着する前軸部32aと後軸部32bが形成さ
れている。又、後継ぎ手33は前筒部33aと、その後
方に細径のインキ流通管36がその外周軸方向に複数箇
所の薄肉円板状のフィン34を備えて屈曲可能部33b
として形成され、更に後方に鍔部37を有して後軸部3
3cが形成されて成る。以上で、先継ぎ手32の後軸部
32bが後継ぎ手33の前筒部33aの内孔に密嵌状に
固着され、後継ぎ手33の後軸部33cがインキ収容管
48の先端孔に密嵌状に固着される。尚、図3に示すよ
うにインキ流通管36をリブ35状に成せば、一方向の
み容易に屈曲可能とすることができ、筆記先端部の必要
以上のぐらつきを防止することができる。又、屈曲可能
部33bによりチップ42が複式筆記具の軸筒先端口に
求心されてスムーズに出没可能となる。
【0019】又、上記先継ぎ手32の内孔部後方にはボ
ール弁47を遊嵌して弁室38が設けられ、弁室38の
後方にはテーパー状又は球面状のボール受け座39と導
孔40が軸心に対して適宜偏心して設けられている。
又、弁室38の内壁の一側には軸方向にインキが流れる
ように溝38aを設けている。この弁室38内に遊嵌し
ているボール弁47は、チップ42を下向きにした状態
では、チップの軸部44の後端に偏った状態に接してチ
ップ内孔部42cへのインキ流路を形成し、インキ収容
管48のインキは導孔40を通り前記溝38a、インキ
流路をなどを通じてチップ内孔部42cに流入する。逆
に上向きの状態ではボール弁47がボール受け座39に
密接してインキの逆流を防止する機能が得られる。
【0020】又、インキ収容管48内にはボールペンの
インキ49が充填され、更に、このインキ49の後端に
インキの消耗と共にインキ面に接触して追随して移動可
能なグリース状の半透明不乾性物から成るフォロア50
が充填される。又、落下やノック衝撃等による変形を防
止するために必要に応じてフォロア50内にフォロアと
略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒51が浸漬さ
れる。又、インキ収容管48の後端には尾栓52が固着
されていて、該尾栓後端の軸部53が複式筆記具の筆記
体出没機構部と連動する連結部の挿入孔に嵌挿され、挿
入孔に設けた係止部に軸部53に設けた係止溝53aが
着脱可能に係止してボールペンのリフィール1が複式筆
記具に取付けられる。
【0021】又、尾栓52にはインキ収容管48の内部
と外気を連通する通気溝52aが設けられている。尚、
上記インキ収容管48は一例として透明ポリプロピレン
樹脂成形品等が使用される。又、インキ収容管48をク
リアドレン性に優れた材質で選定する。又、インキ収容
管48は比較的大きな断面積を有した非変形のものであ
って、実施例では、複式筆記具に2本のボールペンのリ
フィールを無駄なく嵌挿する略D形の断面形状を成して
いる。又、フォロア棒51の外周形状はインキ収容管4
8の内周形状と略相似形を成しており、上述した実施例
1のフォロア棒23と同様に前端に鍔部51a、中間に
縮径部51b、後端に鍔部51cが形成されている。
尚、インキ収容管48の内周と鍔部51a、51cの間
の隙間関係は実施例1と同様である。
【0022】図6は実施例3であるボールペンのリフィ
ール61を示すもので、後継ぎ手63とインキ収容管6
2を一体の樹脂成形品で形成したものである。それ以外
は実施例2と同じである。
【0023】図7及び図8は実施例4であるボールペン
のリフィール71を示すもので、継ぎ手73、屈曲可能
部74、インキ収容管72を一体の樹脂成形品で形成し
たもので、基本的には実施例2と同じである。
【0024】その他、図7の継ぎ手73と屈曲可能部7
4を一体で形成し、更に屈曲可能部74の後方に後軸部
を一体に形成して、別体のインキ収容管と固着するよう
に成すことも可能である。(図示せず)尚、上記の実施
例は組み立て、仕様都合で選択される。実施例2はイン
キ収容部の長さを変えるのに都合がよい。実施例3はイ
ンキの色表示を必要とする場合に都合がよい。実施例4
はコスト低減に都合が良い。
【0025】
【作用】先ず、図1はチップ11を上向きにした状態を
示しており、その時ボール弁10が弁室18のボール受
け座2aに密接して第1の導孔3を密閉するので、上向
き筆記で先端ボール12背面のインキがなくなってもイ
ンキが逆流しない。従って、チップ11を下向きにした
時にインキが即流出可能となり、筆記で掠れが防止され
る。(因みにボール弁を有しない構造では、上向き筆記
でインキのヘッドが逆流方向に作用するのでチップ内に
空気を巻き込み、下向き筆記で即インキが追随せず掠れ
が生じる。又、上向き筆記の繰り返しで空気の巻き込み
が徐々に累積される)
【0026】又、チップ11を下向きにした筆記前の状
態では、ボール弁10が弁室内のリブ9の前端に当接状
態となり、第1の導孔3が開放される。インキ収容部か
ら第1の導孔3を経て弁室18に入ったインキ21はリ
ブとリブとの間に形成された溝を通じてチップ内孔13
に流入し、先端ボール12の後端まで導通される。尚、
この状態ではスプリング16の棒軸部17の押圧で先端
ボール12がチップ抱持部の内縁に密接されるのでイン
キ21の直流が防止される。又、筆圧により先端ボール
12が微小に後退するので隙間を生じてインキが流出可
能となり、筆記により先端ボール12の回転でインキが
流出されて筆記が可能となる。
【0027】尚、先端ボール12の背面にはチャンネル
(チップ内孔に向かって貫通したインキ流入溝を複数箇
所に有した先端ボールの受け座)がありチャンネルの中
心孔にはスプリング16の棒軸部17が貫通する。又、
チップ内のインキはインキ流入溝及び中心孔と棒軸部1
7との間の隙間を通じて先端ボール12背面に誘導され
る。
【0028】又、先端ボール12は常時チップ抱持部の
内縁に密接しているので先端部位の乾燥で筆記掠れが防
止される。又、先端ボール12とボール弁10の共同作
用で上向き筆記や衝撃が加わっても空気の巻き込みが緩
和されるので筆記掠れが防止される。尚、インキの直流
及び逆流はスプリング16による先端ボール12への押
圧で果たされるが、前記チップ抱持部の加工バラツキに
よる先端ボール12との密接不完全状態や、チップ抱持
部と先端ボール12との隙間に固形物が付着した場合の
密接不完全状態を補足して、インキの大きなヘッドを支
えてインキの逆流を確実に防止することと、空気巻き込
みの緩和(掠れ防止)をするようスプリング16と共同
する。
【0029】又、上記のようにチップ内孔13にスプリ
ング16を設けない場合に於いても、ボール弁10の外
径をチップ後端の軸部14の外径(略1.8mm)より
大きく設けることでボール弁の作動が敏速となりインキ
の逆流が防止される。又、弁室の前後に第1及び第2の
導孔3、8を適宜細径に設けることでインキの直流や上
向き筆記、衝撃に対するチップ内の空気巻き込みが緩和
されて筆記掠れが防止可能となる。
【0030】ところで、筆記に伴うインキの消耗に追随
してフォロア22とフォロア棒23が一体に前進する。
その際、鍔部23c後端のフォロアがインキ収容部の内
周に一部付着して残される。その分鍔部23c前方の縮
形部23bに位置するフォロアが鍔部23cの外周とイ
ンキ収容部の内周との間の隙間を通じて補充される。
尚、隙間が小さいので付着して残るフォロアの量は僅か
である。従って、フォロア量(長さ方向)を少なくする
ことが可能となる。図9は従来のボールペンを示してお
り、フォロア棒81は単純な棒状体となっている。この
場合、フォロア棒81の外周とインキ収容部の内周との
間の隙間は適宜大きさに設けられており、フォロア及び
フォロア棒の前進でインキ収容部の内周に付着して残る
フォロア量は多くなる。その分インキ21の後端とフォ
ロア棒81の前端との間のフォロア80を多く取る必要
がある。尚、フォロア棒81の全長に渡り隙間を小さく
取るとその間のフォロアの流動抵抗が増加し、又、フォ
ロア棒が傾いてインキ収容部の内周に接触したりしてフ
ォロアの前進に対しフォロア棒が取り残される問題を生
じる。
【0031】尚、上記は実施例1について説明したが実
施例2から4についても基本的には同じである。複式筆
記具に搭載されるボールペンのリフィールの軸長は設計
都合上短くなるので極力インキ搭載量を多くして筆記寿
命を長くしたい点で重要となる。
【0032】
【発明の効果】本発明のボールペンの構成及び作用は以
上の如くであり、粘性の低い油性インキ又は剪断減粘性
を有した水性インキを充填したボールペンに於いて、初
筆時において充分搭載したフォロアが終筆時には殆どイ
ンキ後端に存在しないという問題が解消され、少ないフ
ォロアでその分インキを多く搭載することが可能とな
る。従って、インキの逆流や下向きに置かれた時に直流
が防止され、軸筒内や手や衣服等を汚す事故がなく、上
向き筆記や衝撃後にインキが即追随して筆記掠れが防止
され、又、複数のボールペンのリフィールを軸筒内に搭
載して、軸筒先端から夫々の筆記体の筆記先端部を選択
的に出没可能とする、携帯性、使い勝手性、筆記寿命を
満足した複式筆記具用のボールペンのリフィールが提供
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1であるボールペンの縦断面図
で、チップが上向きの状態を示している。
【図2】本発明の実施例2であるボールペンの縦断面図
で、チップが上向きの状態を示している。
【図3】図2に於けるA−A断面図である。
【図4】図2に於けるB−B矢視断面図である。
【図5】図2の前方要部拡大の断面図である。
【図6】本発明の実施例3であるボールペンの縦断面図
で、チップが上向きの状態を示している。
【図7】本発明の実施例4であるボールペンの縦断面図
で、チップが上向きの状態を示している。
【図8】図7の前方要部拡大の断面図である。
【図9】従来例のボールペンを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 軸筒 2 座部 2a ボール受け座 2b 突部 2c 切溝 3 第1の導孔 4 内孔 5 先軸 6 内孔 7 軸部 8 第2の導孔 9 リブ 10 ボール弁 11 チップ 12 先端ボール 13 チップ内孔 14 軸部 15 カシメ部 16 スプリング 17 棒軸部 18 弁室 19 尾栓 20 通気孔 21 インキ 22 フォロア 23 フォロア棒 23a 鍔部 23b 縮形部 23c 鍔部 31 ボールペンのリフィール 32 先継ぎ手 32a 前軸部 32b 後軸部 33 後継ぎ手 33a 前筒部 33b 屈曲可能部 33c 後軸部 34 フィン 35 リブ 36 インキ流通管 36a インキ流通孔 37 鍔部 38 弁室 38a 溝 39 ボール受け座 40 導孔 41 内孔部 42 チップ 42a チャンネル 42b ボール抱持部 42c チップ内孔部 43 先端ボール 44 軸部 44a カシメ部 45 スプリング 45a 捲線部 46 棒軸部 47 ボール弁 48 インキ収容管 49 インキ 50 フォロア 51 フォロア棒 51a 鍔部 51b 縮形部 51c 鍔部 52 尾栓 52a 通気溝 53 軸部 53a 係止溝 61 ボールペンのリフィール 62 インキ収容管 63 後継ぎ手 63a 前筒部 63b 屈曲可能部 71 ボールペンのリフィール 72 インキ収容管 73 継ぎ手 74 屈曲可能部 75 弁室 80 フォロア 81 フォロア棒

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端ボールを抱持するチップと、チップ
    後方にインキ収容部を有し、該インキ収容部内に筆記に
    伴う先端ボールの回転で粘性が低下して流出される、所
    謂剪断減粘性を有した水性ボールペンインキ又は低粘度
    の油性インキが充填され、更にインキの後端に筆記に伴
    うインキの消耗に追随して移動するグリース状の半透明
    不乾性物から成るフォロアが充填されて成るボールペン
    に於いて、前記フォロアと略同等の比重を有し、前端に
    インキ収容部の内周との間に適宜隙間を有する鍔部とそ
    の後方に縮形部と更にその後方に前記鍔部と同様に鍔部
    が形成された樹脂製のフォロア棒がフォロア内に浸漬さ
    れて成るボールペン。
  2. 【請求項2】 チップ内孔にスプリングが内挿されてス
    プリングがチップ後端より抜出不能に設けられ、スプリ
    ングの先方でチップ先端部に回転自在に抱持された先端
    ボールの後端を押圧して、先端ボールがチップのボール
    抱持部の内縁に密接されてインキの流出が阻止されるよ
    うに構成されたことを特徴とする上記請求項1記載のボ
    ールペン。
  3. 【請求項3】 チップの後端に弁室が設けられ、弁室内
    にボール弁が遊嵌されてチップ上向きでボール弁が弁室
    後端に設けられたボール受け座に密接してインキの逆流
    が阻止され、チップ下向きでボール弁とチップ後端と間
    に形成される隙間よりインキがチップ内孔に疎通可能に
    構成されたことを特徴とする上記請求項1記載のボール
    ペン。
  4. 【請求項4】 インキ収容部は異形断面を有した非変形
    のものであって、チップとインキ収容部を接続する部位
    に軸長方向に対する横方向に容易に変移可能と成る屈曲
    可能部が設けられ、フォロア棒の外周形状がインキ収容
    部の内周形状と略相似形に設けられたことを特徴とする
    上記請求項1記載のボールペン。
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