JP5257303B2 - 方向性結合器 - Google Patents

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この発明は、結合線路を用いた方向性結合器に関する。
従来の結合線路を用いた方向性結合器は、2つの信号線導体を近接させて構成される結合線路の一部を交差させることにより、信号を出力させる2つの出力端子の取り出し方向を同一方向とし、外部回路との接続性を向上させている(例えば、特許文献1参照)。また、結合線路の交差部近傍に、交差部の信号線間容量による反射係数を打ち消し合い、接続部で反射係数が広帯域にわたって小さくなる接続構造を設けることにより、特性の改善を図っている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−148240(図7、8頁〜9頁) 特開2007−43547(図1、4頁〜5頁)
特許文献1に記載の方向性結合器では、2つの出力端子の取り出し方向を同一方向にするために必要不可欠な交差部に発生する信号線間容量により、高い周波数において性能が劣化するという問題があった。特許文献2に記載の方向性結合器では、信号線間に発生する容量低減のため、空気層の配置や、低誘電率誘電体を挿入した構成が示されているが、方向性結合器の構造が複雑化し、通常の単一誘電体基板で構成することが困難であるという問題があった。また、交差部近傍にオープンスタブを設けて信号線導体と地導体との間の静電容量を増加させる構造が示されているものの、交差部近傍に設けたオープンスタブのみでは効果が小さく、十分な特性の改善を行うには前述の空気層の配置や低誘電率誘電体の挿入が必要となり、構造の複雑化は避けられないという問題があった。
この発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、簡素な構造で交差部等に発生する信号線間容量による特性劣化を改善し、高い周波数においても良好な特性を有する方向性結合器を得ることを目的とする。
この発明に係る方向性結合器は、2つの信号線導体と、2つの信号線導体に対応する接地導体と、2つの信号線導体の一部を近接配置して形成され、信号線導体間の単位面積当たりの静電容量を他の部分と比べ大きくした静電容量増大部と、静電容量増大部から少なくとも使用周波数帯高域における約1/4波長離れた2つの信号線導体の1または複数の部分に近接または接続して設けられ、2つの信号線導体のうち少なくとも一方の信号線導体と接地導体との間に発生する静電容量を増加させ、静電容量増大部により生じる反射波を低減する静電容量増加素子とを備えるものである。
この発明に係る方向性結合器によれば、信号間容量による特性劣化を改善し、高い周波数帯においても良好な特性を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る方向性結合器の構造を示す上面図及び断面図である。 方向性結合器に関する等価回路を示す回路図である。 反射係数の位置を模式的に示したスミスチャートである。 3次元電磁界シミュレーションによる計算結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係る方向性結合器の構造を示す上面図及び断面図である。 本発明の実施の形態3に係る方向性結合器の構造を示す上面図及び断面図である。 本発明の実施の形態4に係る方向性結合器の構造を示す上面図及び断面図である。 本発明の実施の形態5に係る方向性結合器の構造を示す上面図及び断面図である。 本発明の実施の形態6に係る方向性結合器の構造を示す上面図及び断面図である。 本発明の実施の形態7に係る方向性結合器の構造を示す上面図及び断面図である。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る方向性結合器の構造を示す図であり、図1(a)は上面透視図、図1(b)は図1(a)におけるA1−A1’面についての断面図、図1(c)は図1(a)におけるB1−B1’面についての断面図である。
図1に示すように、実施の形態1に係る方向性結合器の構造は、誘電体基板10の下面には接地導体11が、誘電体基板10の上面には接地導体12がそれぞれ誘電体基板10の内層に設けられた主信号線導体21および副信号線導体31と対向して形成されている。また、主信号線導体21および副信号線導体31が電磁的に結合するように近接して配置され、主信号線導体21と副信号線導体31により結合線路を構成している。ここで、主信号線導体21および副信号線導体31の長さは、設計中心周波数においておよそ1/4波長の奇数倍に設定することが望ましく、ここでは設計中心周波数において1/4波長としている。なお、設計中心周波数は使用周波数帯内の周波数としている。主信号線導体22は接続部51において主信号線導体21の端部(第1の端部)と、主信号線導体23は接続部50において主信号線導体21のもう一方の端部(第2の端部)とそれぞれ接続され、主信号線導体22は端子P1に、主信号線導体23は端子P4にそれぞれ接続されている。同様に、副信号線導体32は接続部50において副信号線導体31の端部(第3の端部)と、副信号線導体33は接続部51において副信号線導体31のもう一方の端部(第4の端部)とそれぞれ接続され、副信号線導体32は端子P2に、副信号線導体33は端子P3にそれぞれ接続されている。また、接続部51に静電容量増加素子である柱状導体41が主信号線導体22および副信号線導体33と間に静電容量が生じるように近接して設けられており、柱状導体41は接地導体11および接地導体12と電気的接続を有している。
図1に示した方向性結合器では、端子P1に入力された信号は、端子P3および端子P4に出力され、端子P2はアイソレーション端子となるため僅かな電力しか出力されない。外部回路との接続性を向上させる目的で、図1に示すように端子P3と端子P4の出力方向を揃えるには、接続部50において信号線が交差する領域を設ける必要があり、主信号線導体23と副信号線導体32との間に生じる信号線間容量が、主信号線導体22と副信号線導体33との間に生じる信号線間容量と比べ大きくなる。
次に等価回路を用いながら動作について説明する。図2(a)は図1に示した方向性結合器に関する等価回路を示す。図2(b)は図2(a)における奇モード励振時の等価回路、図2(c)は図2(a)における偶モード励振時の等価回路を示す。
図1に示す主信号線導体21と副信号線導体31は図2(a)における信号線モデル121と信号線モデル131で表され、信号線モデル121と信号線モデル131により結合線路を構成する。図2(a)の等価回路では、図1における接続部50に生じる信号線導体間容量をCs1、接続部50に生じる信号線−接地導体間容量をCg1、接続部51に生じる信号線導体間容量をCs2、接続部51に生じる信号線−接地導体間容量をCg1、接続部51に生じる信号線−柱状導体間容量をCg2とした。ここで、前述のように、接続部50近傍において信号線間が交差する領域が生じるため、接続部50に生じる信号線導体間容量が接続部51に生じる信号線導体間容量と比べ大きくなり、Cs1>Cs2となる。また、各端子の終端インピーダンスはZcとして示した。
図2(a)の回路に対し奇モード励振を行ったときの等価回路は図2(b)で、偶モード励振を行ったときの等価回路は図2(c)でそれぞれ表せる。図2(b)において信号線モデル141で構成される伝送線路の特性インピーダンスはZo、図2(c)において信号線モデル151で構成される伝送線路の特性インピーダンスはZeとした。ここで、結合線路が終端インピーダンスZcと整合する条件はZc=√(Zo・Ze)であり、ZoとZeの相乗平均がZcに等しくなるときである。また、通常の結合線路ではZo<Zeとなり、上記の条件からZo<Zc<Zeとなる。図2(b)では、信号線モデル141の両端に、容量142および容量143が付加されている。また、図2(c)では、信号線モデル151の両端に、容量152および容量153が付加されている。
図2(b)における透過係数をTo、反射係数をΓo、図2(c)における透過係数をTe、反射係数をΓeとした。ここで、図2(a)の端子P1における反射特性は(Γe+Γo)/2、端子P1と端子P2間のアイソレーション特性は(Te−To)/2で表現される。このため、反射特性を改善するためには、ΓeとΓoの振幅を等振幅に、ΓeとΓoの位相を逆相に近い状態にすることが必要である。同様に、アイソレーション特性を改善するためには、TeとToの振幅を等振幅に、TeとToの位相を同相に近い状態にすることが必要である。
図3は図2(b)および図2(c)の各点における設計中心周波数における入力インピーダンス即ち反射係数の位置を模式的に示したスミスチャートであり、図3(a)におけるA点、B点、C点は、図2(b)に示すA点、B点、C点から左側を見た入力インピーダンスに相当し、図3(b)におけるD点、E点、F点は、図2(c)に示すD点、E点、F点から左側を見た入力インピーダンスに相当する。
図2(b)において容量142は接続部50付近に生じる比較的大きい容量Cs1を含むため、図2(b)のA点から左側を見た入力インピーダンスには位相遅れが発生し、スミスチャート原点から図3(a)のA点に移動する。次に、図2(b)のB点から左側を見た入力インピーダンスは、信号線モデル141がZcに比べて低い特性インピーダンスであり、線路長は設計中心周波数で1/4波長となるため、図3(a)のB点に移動する。最後に、図2(b)のC点から左側を見た入力インピーダンス即ちΓoは、容量143の影響を受けるが、図3(a)のB点はZcに比べ低いインピーダンスの位置にあるため、容量143の影響は無視でき、図3(a)のB点と図3(a)のC点はほぼ同じ位置となる。つまり、反射係数Γoの位相は理想状態180度からΔoだけ変動する。
一方、図2(c)に示すD点から左側を見た入力インピーダンスは、容量152の影響を受けるが、通常Cg1はCs1に比べて小さいので、図3(b)のD点は原点付近となる。次に、図2(c)のE点から左側を見た入力インピーダンスは、信号線モデル151がZcに比べて高い特性インピーダンスであり、線路長は設計中心周波数で1/4波長となるため、図3(b)のE点に移動する。最後に、図2(c)のF点から左側を見た入力インピーダンス即ちΓeは、図3(b)のE点がZcに比べ高いインピーダンスの位置にあるため、容量153の影響を受け、図3(b)のF点の位置に移動する。つまり、反射係数Γeの位相は理想状態0度からΔeだけ変動する。
端子P1における反射特性を改善するには、上記ΔoとΔeが等しくなる方向へ近づける必要がある。容量Cg2はΔoにほとんど影響せず、Δeにのみ作用するため、反射特性改善は容量Cg2の増加により実現可能である。つまり、図1における柱状導体41と主信号線導体21、主信号線導体22、副信号線導体31、副信号線導体33との距離を近づけることにより容量Cg2が増加し、反射特性の改善が可能である。
次にアイソレーション特性について説明する。図2(b)においてCg2=0とおいた時、透過係数Toの位相は、Cg1、Cs2が無視できると仮定した場合、信号線モデル141による位相遅れおよび比較的大きい容量Cs1を含む容量142による位相遅れの和で表現される。一方、図2(c)においてCg2=0とおいた時、透過係数Teの位相は、Cg1が無視できると仮定した場合、信号線モデル151による位相遅れで表現される。つまり、Cg2=0の時、透過係数Toの位相は透過係数Teの位相に比べて遅れている。ここでCg2をゼロから増加させると、透過係数Toの位相および透過係数Teの位相はそれぞれ遅れる方向に変動するが、信号線モデル151の特性インピーダンスが信号線モデル141の特性インピーダンスに比べて高いため、透過係数Teの位相遅れ量が透過係数Toの位相遅れ量に比べ大きくなり、結果として、透過係数Toの位相と透過係数Teの位相は同相に近付くことになる。この結果、容量Cg2の増加つまり図1における柱状導体41と主信号線導体21、主信号線導体22、副信号線導体31、副信号線導体33との距離を近づけることにより、端子P1と端子P2間のアイソレーション特性の改善が可能である。
上記効果を確認するため行った3次元電磁界シミュレーションによる計算結果を示す。図4は図1に示すようなストリップ線路型結合線路を構成した時の計算例であり、図4(a)は反射特性、図4(b)はアイソレーション特性計算結果について示している。ここで、誘電体基板の比誘電率は3.4、全層厚1.3mm、信号線配置層間隔0.1mmとした。図4において、横軸は規格化周波数、縦軸は振幅を示しており、反射特性210および反射特性211は図1に示す端子P1からの反射特性、アイソレーション特性220およびアイソレーション特性221は図1に示す端子P1と端子P2のアイソレーション特性を示している。また、図4内の点線で示した反射特性210およびアイソレーション特性220は、図1における柱状導体41が無い場合の計算結果を、図4内の実線で示した反射特性211およびアイソレーション特性221は、図1における柱状導体41を配置した場合の計算結果をそれぞれ示している。図4の結果より、反射特性、アイソレーション特性はいずれも柱状導体41配置により振幅レベルが小さくなっており、特性改善を確認することができる。
以上のように、実施の形態1に係る方向性結合器によれば、2つの信号線導体の交差部に生じる信号線間容量を、交差部とは異なる部位に柱状導体41を設けて、接続部51に生じる信号線−柱状導体間容量を増加させることにより、交差部に生じる信号線間容量により劣化する特性を改善でき、反射特性およびアイソレーション特性を改善することができる。また、基板内に空気層を設けたり、低誘電率の誘電体を挿入したりする必要がないため構造が簡素となり、単一の誘電体基板を用いて製造することができるようになる。
本例では、誘電体基板10の下層および上層に接地導体11および接地導体12が形成されたストリップ線路型結合線路について示したが、接地導体11または接地導体12が無い埋め込み型マイクロストリップ線路形式を用いても良い。また、主信号線導体21、22、23の一部または全てが誘電体基板10の表層に配置されても良く、副信号線導体31、32、33の一部または全てが誘電体基板10の表層に配置されても良い。さらに、本例では図1(a)に示すように、結合線路部における主信号線導体21と副信号線導体31は互いに重なっていない例について説明したが、これに限ったものではなく、主信号線導体21と副信号線導体31の一部が重なる結合線路を用いても良い。
本例では、主信号線導体21、22、23と副信号線導体31、32、33は異なる層に形成されている例について示したが、同一層に配置しても良く、接続部50の交差はエアブリッジ、ワイヤ、別の層に配置された導体パターンと層間接続用導体で構成しても良い。この時、線路形式はストリップ線路、埋め込み型マイクロストリップ線路、マイクロストリップ線路いずれの形式を採用しても良い。また、本例では主信号線導体21および副信号線導体31が直線状導体である場合について示したが、主信号線導体21および副信号線導体31がインピーダンスステップを有する場合やテーパ状に線路幅が変化する場合においても同様の効果が得られる。
本例では、柱状導体41が接地導体11および接地導体12双方と電気的接続を有する場合について説明したが、主信号線導体21、22および副信号線導体31、33と柱状導体41との間に容量を発生させれば効果が得られるため、柱状導体41は少なくとも1つの接地導体と接続していれば良く、柱状導体41が接地導体11とのみ電気的に接続される構成、柱状導体41が接地導体12とのみ電気的に接続される構成との何れを採用しても良い。また、柱状導体41は複数個配置しても良い。さらに、図1に示した方向性結合器を複数従属接続しても良く、2つの方向性結合器を連結したタンデム型構成を採用しても良い。
実施の形態2
図5は、本発明の実施の形態2に係る方向性結合器の構造を示す図であり、図5(a)は上面透視図、図5(b)は図5(a)におけるA1−A1’面についての断面図、図5(c)は図5(a)におけるB1−B1’面についての断面図である。
図5に示した方向性結合器の構造は、図1に示した方向性結合器の構造と比べ、静電容量増加素子として柱状導体41および柱状導体41と電気的接続を有する導体パターン42を用いている点が異なる。その他の構造については、前述の実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
通常の誘電体基板では、導体パターン42と主信号線導体21、22および副信号線導体31、33との間隔は、柱状導体41と主信号線導体21、22および副信号線導体31、33との間隔に比べて小さくできるため、図2に示した容量Cg2の値を大きくすることが可能である。従って、接続部50付近に発生する信号線間容量による性能劣化をさらに低減することが可能となる。
以上のように、実施の形態2に係る方向性結合器によれば、実施の形態1と同様の効果が得られ、さらに、実施の形態1に係る方向性結合器より信号線−設置導体間容量Cg2を大きくすることができるため、実施の形態1に係る方向性結合器より反射特性およびアイソレーション特性を改善することができる。
本例では、導体パターン42は副信号線導体33および主信号線導体22と同一層の計2箇所に配置した例を示したが、これに限ったものではなく、1箇所、あるいは3箇所以上配置しても良い。また、柱状導体41は接地導体11または接地導体12の少なくともどちらか一方と電気的に接続していれば良く、柱状導体41を複数配置しても良い。さらに、本例では主信号線導体21および副信号線導体31が直線状導体である場合について示したが、主信号線導体21および副信号線導体31がインピーダンスステップを有する場合やテーパ状に線路幅が変化する場合においても同様の効果が得られる。
実施の形態3
図6は、本発明の実施の形態3に係る方向性結合器の構造を示す図であり、図6(a)は上面透視図、図6(b)は図6(a)におけるA1−A1’面についての断面図、図6(c)は図6(a)におけるB1−B1’面についての断面図である。
図6に示した方向性結合器の構造は、図1に示した方向性結合器の構造と比べて、静電容量増加素子として柱状導体41および柱状導体41と電気的接続を有する導体パターン43を用いている点が異なる。その他の構造については、前述の実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
図6において、導体パターン43は、主信号線導体21、22および副信号線導体31、33と別の層に形成されており、導体パターン43と主信号線導体21、22および副信号線導体31、33は対向する面を形成しているため、図2に示した容量Cg2の値を大きくすることが可能である。従って、接続部50付近に発生する信号線間容量による性能劣化をさらに低減することが可能となる。
以上のように、実施の形態3に係る方向性結合器によれば、実施の形態1と同様の効果が得られ、さらに、実施の形態1に係る方向性結合器より信号線−設置導体間容量Cg2を大きくすることができるため、実施の形態1に係る方向性結合器より反射特性およびアイソレーション特性を改善することができる。
本例では、導体パターン43を2箇所に配置した例を示したがこれに限ったものではない。また、柱状導体41は接地導体11または接地導体12の少なくともどちらか一方と電気的に接続していれば良く、柱状導体41を複数配置しても良い。さらに、本例では主信号線導体21および副信号線導体31が直線状導体である場合について示したが、主信号線導体21および副信号線導体31がインピーダンスステップを有する場合やテーパ状に線路幅が変化する場合においても同様の効果が得られる。
実施の形態4
図7は、本発明の実施の形態4に係る方向性結合器の構造を示す図であり、図7(a)は上面透視図、図7(b)は図7(a)におけるA1−A1’面についての断面図、図7(c)は図7(a)におけるB1−B1’面についての断面図である。
図7に示した方向性結合器の構造は、図1に示した方向性結合器の構造と比べ、静電容量増加素子として柱状導体41の代わりに、接続部51近傍に、主信号線導体22と接続されるオープンスタブ24および、副信号線導体33と接続されるオープンスタブ34を用いた構造である点で異なる。その他の構造については、前述の実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
図7において、オープンスタブ24は接地導体11および接地導体12との間に容量を形成し、同様に、オープンスタブ34は接地導体11および接地導体12との間に容量を形成する。このため、オープンスタブ24、オープンスタブ34により、図2に示した容量Cg2を発生させることができるため、接続部50付近に発生する信号線間容量による性能劣化を低減することが可能となる。
以上のように、実施の形態4に係る方向性結合器によれば、実施の形態1に係る方向性結合器と同様の効果を得ることができ、さらに、柱状導体を設ける必要がないため容易に製造できるという効果が得られる。
本例では、オープンスタブ24、オープンスタブ34を1箇所ずつ配置した例を示したがこれに限ったものではなく、複数配置しても良い。また、本例ではオープンスタブ24、オープンスタブ34をそれぞれ主信号線導体22および副信号線導体33に接続した構造について示したが、オープンスタブ24およびオープンスタブ34を主信号線導体21および副信号線導体31に接続しても良い。さらに、本例では主信号線導体21および副信号線導体31が直線状導体である場合について示したが、主信号線導体21および副信号線導体31がインピーダンスステップを有する場合やテーパ状に線路幅が変化する場合においても同様の効果が得られる。
実施の形態5
図8は、本発明の実施の形態5に係る方向性結合器の構造を示す図であり、図8(a)は上面透視図、図8(b)は図8(a)におけるA1−A1’面についての断面図、図8(c)は図8(a)におけるB1−B1’面についての断面図である。
図8に示した方向性結合器では、図1に示した方向性結合器の構造と比べ、柱状導体41の代わりに、接続部51近傍の信号の伝搬方向を変化させる曲げ部61a、曲げ部62aが、接続部50近傍の曲げ部61b、曲げ部62bに比べて面積を広くした構造により、接続部51に生じる信号線−接地導体間容量を増加させている点で異なる。その他の構造については、前述の実施の形態1に係る方向性結合器と同様であり、その説明を省略する。
図8において、曲げ部61a、曲げ部62aは、曲げ部61b、曲げ部62bに比べて接地導体11および接地導体12との対向面積が広くなるため、曲げ部61aと接地導体11および接地導体12との間に容量を形成し、同様に、曲げ部62aと接地導体11および接地導体12との間に容量を形成する。このため、図2に示した容量Cg2を発生させることができるため、接続部50付近に発生する信号線間容量による性能劣化を低減することが可能となる。
以上のように、実施の形態5に係る方向性結合器によれば、実施の形態1に係る方向性結合器と同様の効果を得ることができ、さらに、柱状導体を設ける必要がないため容易に製造できるという効果が得られる。
本例では、曲げ部61a、曲げ部62a、曲げ部61b、曲げ部62bの形状が、外側が円弧状、内側が直角状の曲げ部についての例を示したが、形状は任意の形状で良く、直線状、多角形状、円弧状、またはいずれかを組み合わせた形状を採用しても良い。
実施の形態6
図9は、本発明の実施の形態6に係る方向性結合器の構造を示す図であり、図9(a)は上面透視図、図9(b)は図9(a)におけるA1−A1’面についての断面図、図9(c)は図9(a)におけるB1−B1’面についての断面図である。
図9に示した方向性結合器の構造は、図1に示した方向性結合器の構造において、主信号線導体21が主信号線導体21aおよび主信号線導体21bに分割され、副信号線導体31が副信号線導体31aおよび副信号線導体31bに分割され、主信号線導体21aと副信号線導体31aによる結合線路および主信号線導体21bと副信号線導体31bによる結合線路による2段構成となっている。また、接続部52では、主信号線導体21aと主信号線導体21bが、副信号線導体31aと副信号線導体31bがそれぞれ接続されており、接続部52近傍には静電容量増加素子として柱状導体41が形成されている。その他の構造については、前述の実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
図9において、主信号線導体21a、主信号線導体21b、副信号線導体31a、副信号線導体31bはそれぞれ設計中心周波数でおよそ1/4波長の奇数倍に設定することが望ましく、実施の形態1における説明と同様に、柱状導体41と主信号線導体21a、主信号線導体21b、副信号線導体31a、副信号線導体31bとの間に発生させる容量により、接続部50付近に発生する信号線間容量による性能劣化を低減することが可能となる。
以上のように、実施の形態6に係る方向性結合器によれば、実施の形態1で述べた効果と同様な効果を得ることができ、さらに、ステップ間の結合度を比較的自由に制御できるため特性の広帯域化が実現できるという効果が得られる。
本例では、結合線路を2段構成にした形状について説明したが、3段以上の多段構成を用いてしても良い。
実施の形態7
図10は、本発明の実施の形態7に係る方向性結合器の構造を示す図であり、図10(a)は上面透視図、図10(b)は図10(a)におけるA1−A1’面についての断面図、図10(c)は図10(a)におけるB1−B1’面についての断面図である。
図10に示した方向性結合器の構造は、図1に示した方向性結合器の構造と比べ、主信号線導体21および副信号線導体31の線路幅が接続部50から接続部51にかけて連続的に変化するテーパ結合線路を構成している点で異なる。また、静電容量増加素子として柱状導体41が形成されており、接続部50と接続部51の間に位置し、接続部50から距離L1の位置に配置されている。ここで、後述の通り、距離L1は使用周波数帯高域においておよそ1/4波長に設定することが望ましい。その他の構造については、前述の実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
図10に示すテーパ結合線路は、方向性結合器の広帯域化が可能であり、一般に主信号線導体21および副信号線導体31の線路長は使用中心周波数において1/4波長より長い。ここで、距離L1を設計中心周波数においておよそ1/4波長に選ぶと、実施の形態1で説明したように、使用中心周波数近傍において、接続部50付近に発生する信号線間容量による性能劣化を低減することが可能となる。また、接続部50付近に発生する信号線間容量は周波数が高くなるにつれて大きくなるため、距離L1を使用中心周波数より高い周波数においておよそ1/4波長に選ぶことにより、使用周波数帯高域において、接続部50付近に発生する信号線間容量による性能劣化を低減することが可能となる。
以上のように、実施の形態7に係る方向性結合器によれば、実施の形態1に係る方向性結合器と同様の効果を得ることができ、さらに、特性の広帯域化が実現できるという効果が得られる。
10 誘電体基板、11,12 接地導体、21〜23 主信号線導体、24 オープンスタブ、31〜33 副信号線導体、34 オープンスタブ、41 柱状導体、42,43 導体パターン、50〜52 接続部、61a,61b,62a,62b 曲げ部、121,131 信号線モデル、210 反射特性解析結果(柱状導体がない場合)、211 反射特性解析結果(柱状導体を配置した場合)、220 アイソレーション特性解析結果(柱状導体がない場合)、221 アイソレーション特性解析結果(柱状導体を配置した場合)、P1〜P4 端子。

Claims (9)

  1. 2つの信号線導体と、
    前記2つの信号線導体に対応する接地導体と、
    前記2つの信号線導体の一部を近接配置して形成され、信号線導体間の単位面積当たりの静電容量を他の部分と比べ大きくした静電容量増大部と、
    前記静電容量増大部から少なくとも使用周波数帯高域における約1/4波長離れた前記2つの信号線導体の1または複数の部分に近接または接続して設けられ、前記2つの信号線導体のうち少なくとも一方の信号線導体と前記接地導体との間に発生する静電容量を増加させ、前記静電容量増大部により生じる反射波を低減する静電容量増加素子と、
    を備えたことを特徴とする方向性結合器。
  2. 第1の端部および第2の端部を有する第1の主信号線導体と、
    前記第1の主信号線導体と電磁的に結合するように近接して配置され、前記第1の端部に近接する第3の端部と前記第2の端部に近接する第4の端部とを有する第1の副信号線導体と、
    前記第1の主信号線導体および前記第1の副信号線導体に対向するように配置された接地導体と、
    前記第1の端部に接続された第2の主信号線導体と、
    前記第3の端部に接続され、一部が前記第2の主信号線導体に近接された第2の副信号線導体と、
    前記第2の端部に接続された第3の主信号線導体と、
    前記第4の端部に接続され、前記第3の主信号線導体と交差する交差部を有する第3の副信号線導体と、
    前記第2の主信号線導体または前記第2の副信号線導体の少なくとも一方に近接または接続され、前記第2の主信号線導体と前記接地導体との間に生じる静電容量、または、前記第2の副信号線導体と前記接地導体との間に生じる静電容量のうち少なくとも一方の静電容量を増加させる静電容量増加素子と、
    を備えたことを特徴とする方向性結合器。
  3. 第1の端部および第2の端部を有する第1の主信号線導体と、
    前記第1の主信号線導体と電磁的に結合するように近接して配置され、前記第1の端部と近接する第3の端部と前記第2の端部と近接する第4の端部とを有する第1の副信号線導体と、
    前記第1の主信号線導体および前記第1の副信号線導体に対向するように配置された接地導体と、
    前記第1の端部に接続された第2の主信号線導体と、
    前記第3の端部に接続され、一部が前記第2の主信号線導体と近接された第2の副信号線導体と、
    前記第2の端部に接続された第3の主信号線導体と、
    前記第4の端部に接続され、前記第3の主信号線導体と交差する交差部を有する第3の副信号線導体と、
    前記第1の主信号線導体および前記第1の副信号線導体の1または複数の部分であって、前記交差部から少なくとも設計周波数帯高域における1/4波長離れた部分に近接または接続され、前記第1の主信号線導体と接地導体との間に生じる静電容量、または、前記第1の副信号線導体と接地導体との間に生じる静電容量のうち少なくとも一方の静電容量を増加させる静電容量増加素子と
    を備えたことを特徴とする方向性結合器。
  4. 前記第1の主信号線導体、または、前記第1の副信号線導体の少なくともいずれか一方が、インピーダンスステップを有し、前記静電容量増加素子が前記インピーダンスステップ部近傍に配置されたことを特徴とする請求項3記載の方向性結合器。
  5. 前記第1の主信号線導体もしくは前記第1の副信号線導体の少なくともいずれか一方が、特性インピーダンスが連続的に変化する信号線導体であることを特徴とする請求項3に記載の方向性結合器。
  6. 前記静電容量増加素子は、
    前記接地導体と電気的に接続された柱状導体を備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の方向性結合器。
  7. 前記静電容量増加素子は、
    前記柱状導体と電気的に接続された面状導体を備えることを特徴とする請求項6に記載の方向性結合器。
  8. 前記静電容量増加素子は、
    スタブ状導体を備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の方向性結合器。
  9. 第1の端部および第2の端部を有する第1の主信号線導体と、
    前記第1の主信号線導体と電磁的に結合するように近接して配置され、前記第1の端部と近接する第3の端部と前記第2の端部と近接する第4の端部とを有する第1の副信号線導体と、
    前記第1の主信号線導体および前記第1の副信号線導体に対向するように配置された接地導体と、
    前記第1の端部に接続された第2の主信号線導体と、
    前記第3の端部に接続され、一部が前記第2の主信号線導体と近接された第2の副信号線導体と、
    前記第2の端部に接続された第3の主信号線導体と、
    前記第4の端部に接続され、前記第3の主信号線導体と交差する交差部を有する第3の副信号線導体とを備え、
    前記第2の主信号線導体、前記第3の主信号線導体、前記第2の副信号線導体、および、前記第3の副信号線導体は曲げ部を有し、前記第3の主信号線導体の曲げ部と前記接地導体との対向面積に比べて、前記第2の主信号線導体の曲げ部と前記接地導体との対向面積が大きくなるように構成されたこと、または、前記第3の副信号線導体の曲げ部と前記接地導体との対向面積に比べて、前記第2の副信号線導体の曲げ部と前記接地導体との対向面積が大きくなるように構成されたことを特徴とする方向性結合器。
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