JP5253792B2 - 乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置 - Google Patents

乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置 Download PDF

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Description

この発明は踏段鎖が異常に伸びた、又は破断したことを検出する乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置に関する。
以下、従来の乗客コンベアの踏段鎖破断検出装置について、図面を参照しつつ説明する。
図10は例えば、特許文献1に記載された従来の踏段鎖破断検出装置を備えるエスカレータの模式図、図11は例えば、特許文献1に記載された従来の踏段鎖破断検出装置の拡大図である。
図10及び図11において、乗客コンベアとしてのエスカレータ1は、乗り口から降り口に至るように架設されたトラス78と、トラス78内部の上階側端部78a(上部トラスエンド78a)付近に配設された上鎖車73と、トラス78内部の下階側端部78b(下部トラスエンド78b)付近に配設された下鎖車74と、駆動機75の出力を上鎖車73に伝達する駆動鎖76と、無端状をなし、上鎖車73と下鎖車74とに巻き掛けられて駆動機75の出力が駆動鎖76を介して伝達されて回転駆動する上鎖車73により循環移動する踏段鎖72と、踏段鎖72に連結された多数の踏段71と、駆動機75の制御など、エスカレータ1の運転全般を制御するエスカレータ制御盤70と、従来の踏段鎖破断検出装置80と、を備えている。
そして、従来の踏段鎖破断検出装置80は、引っ張り軸2、ブラケット3、コイルばね5、ダブルナット7、バネ座8、検出器81及び作動片87a,87bを有している。引っ張り軸2は、その一端が下鎖車74に連結されて、他端が下部トラスエンド78bに向かって上鎖車73から離反する方向に延設されている。
また、ブラケット3は、断面L字状に形成され、L字の一辺3aがトラス78の床部78cにボルト・ナットにより固定されている。そして、ブラケット3の断面L字の他辺を構成するバネ取付辺3bが、床部78cから引っ張り軸2の軸方向に垂直に突出している。このとき、引っ張り軸2がバネ取付辺3bを遊嵌状態に貫通している。また、引っ張り軸2の他端側には、ねじ山が形成されている。
さらに、バネ座8が、バネ取付辺3bの下部トラスエンド78b側に所定の距離をあけて配置され、引っ張り軸2が遊嵌状態にバネ座8を貫通している。
そして、ダブルナット7の一端面がバネ座8の下部トラスエンド78b側の壁面に接触するように、引っ張り軸2に螺着されている。
さらに、コイルばね5が、引っ張り軸2に外嵌状態に装着されて、バネ取付辺3bとバネ座8との間に縮設されている。このとき、コイルばね5の弾性力は、バネ座8を介してダブルナット7を下部トラスエンド78b側に押圧するように働いている。即ち、コイルばね5は、下鎖車74が引っ張り軸2を介して上鎖車73から離反する方向に付勢している。これにより、踏段鎖72のたるみが除かれている。
また、一対のナット86a,86bがバネ座8の下部トラスエンド78b側に螺着されている。そして、作動片87aが、一対のナット86a,86bによって挟持されて引っ張り軸2に固定されている。
さらに、一対のナット86c,86dが一対のナット86a,86bの下部トラスエンド78b側に螺着されている。そして、作動片87bが、一対のナット86c,86dによって挟持されて引っ張り軸2に固定されている。このとき、作動片87a,87bは引っ張り軸2の軸方向に所定の間隔を有し、また、作動片87a,87bの上端は引っ張り軸2の上方で所定の高さ位置に配置されている。
そして、検出器81は、踏段鎖72が初期状態から規定量を超えて伸びたことに起因して作動片87aが引っ張り軸2の軸方向に所定量を超えて引っ張り軸2とともに移動したときに、作動片87aに作用されて作動するように配設されている。そして、検出器81が作動すると同時に、踏段鎖72の走行が停止されるようになっていた。以下、踏段鎖72の伸びに起因した引っ張り軸2の軸方向への作動片87aの移動量を単に作動片87aの移動量とする。
特開2004−10325号公報
特許文献1には、踏段鎖72の走行を停止させるべき作動片87aの所定の移動量について詳細には記載されていない。しかしながら、従来の踏段鎖破断検出装置80のように、踏段鎖72が規定量を超えて初期状態から伸びたときに、踏段鎖72の走行を停止させるような装置においては、20mmにも満たない踏段鎖72の初期状態からの伸び量に対して踏段鎖72の走行を停止させているものも多い。
従来の踏段鎖破断検出装置80において、20mmにも満たない踏段鎖72の初期状態からの伸び量に対して踏段鎖72の走行を停止させようとした場合、作動片87aは、その初期位置からの移動量が10mmにも満たない所定量を超えたときに、検出器81を作動させるように配設する必要がある。
また、検出器81が作動しない状態で稼働していた従来の踏段鎖破断検出装置80を備えるエレベータ1において、定期的に行われる保守点検時、作業員が作動片87aの初期位置からの移動量の確認作業を行うことは容易に想到される。そして、作業員は、作動片87aが初期位置に対してある値(調整目安量)を超えて移動していることを確認すると、踏段鎖72の不必要な走行停止を防止するため、踏段鎖72の張力を再調整したり、検出器81や作動片87a,87bの配置位置を再調整したりする作業を行う必要がある。このとき、調整目安量は、僅か数mmの値となるため、作動片87aが調整目安量を超えて移動していることは作業員にとって確認しづらく、作業員は、作動片87aが調整目安量を超えて移動していたことを見落としてしまう場合があった。
作動片87aが調整目安量を超えて移動していることを作業員が見落としてしまうと、作業員は実施すべきであった踏段鎖72の張力の再調整や、検出器81や作動片87a,87bの配置位置の再調整を行わずに保守点検を終了してしまう。この場合、検出器81と作動片87aとの間の距離が、本来保守点検で調整されていたはずの検出片81と作動片87aとの間の距離に対して短くなる。
即ち、保守点検終了直後においては、作動片87aは、保守点検終了時の位置(初期位置)から所定量を超えて移動した場合に検出器81を作動させて踏段鎖72の走行を停止させる位置に本来は配置されているべきである。しかし、作動片87aが調整目安量を超えて移動していたことが作業員に見落とされ、保守点検時に実施すべきであった踏段鎖72の張力の再調整、及び踏段鎖72の張力の再調整がなされていない場合、保守点検終了直後において、作動片87aは、保守点検終了直後の位置からの移動量が所定量に達する前に検出器81を作動させて踏段鎖72の走行を停止させる位置に配置されたままとなる。
これにより、次回の保守点検までの間に、本来は回避することが可能であった踏段鎖72の伸びに起因する不要な走行停止が発生することにより、定期的な保守点検に加えて、臨時の保守作業を行う手間が追加されるという問題がある。
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、定期的に行われる保守点検時に踏段鎖の張力などの再調整時期が到来していることを容易に確認できる乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置を得ることを目的とする。
この発明は、複数の踏段がトラスの乗り口側と降り口側とに設置された一対の鎖車に掛け渡された無端状の踏段鎖に連結され、引っ張り軸がその一端を一対の鎖車の一方の鎖車に連結されて他方の鎖車から離反する方向に延設され、コイルばねが引っ張り軸を介して一方の鎖車を他方の鎖車から離反する方向に付勢するように配設され、駆動機が他方の鎖車を回転駆動することにより踏段鎖を循環移動させるように構成され、踏段鎖の伸びに伴って軸方向に移動する引っ張り軸の移動量が第1移動量以上となったときに踏段鎖の異常伸びを検出する乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置であって、出没自在に配設されたプランジャ、プランジャの押し込み量が第1距離以上で開成するb接点、およびプランジャの押し込み量が第1距離より小さい第2距離以上で閉成するa接点を有する検出器と、軸方向が引っ張り軸の軸方向に直交する作動軸に同軸に固着された作動歯車と、作動歯車に歯合し、かつ引っ張り軸の移動に連動して引っ張り軸の軸方向に移動可能に配設され、引っ張り軸2の軸方向の移動力を作動歯車に伝達して作動歯車を作動軸周りに回動させる作動腕と、作動軸に固着され、引っ張り軸の移動に連動して作動軸周りに回動する板カムと、b接点の開成信号が入力されると踏段鎖の異常伸びを報知し、a接点の閉成信号が入力されると踏段鎖の張力の調整時期が到来したことを報知する監視制御盤と、を備え、板カムは、作動歯車の外径より径方向外方に位置する外周面からなるカム面を有し、カム面は、引っ張り軸の移動量が第1移動量以上となったときに、プランジャの押し込み量が第1距離以上となるようにプランジャを押圧し、引っ張り軸の移動量が第1移動量より小さい第2移動量以上となったときに、プランジャの押し込み量が第2距離以上となるようにプランジャを押圧する面形状に形成されている。
この発明によれば、保守点検時に踏段鎖の張力の再調整時期が到来したか否かが、踏段鎖の伸びに伴って軸方向に移動する引っ張り軸の移動量に対して移動量が拡大されるカム面の所定部位とリミットスイッチのプランジャとの位置関係により判断することが可能となるので、保守点検時に踏段鎖の張力の再調整時期が到来をしていることを見落とすことが防止できる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
図1はこの発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置の拡大図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は図1のA部拡大図、図4はこの発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置のリミットスイッチにおけるa接点及びb接点の動作を説明するための断面図であり、図4の(a)はa接点が閉成し、b接点が開成した状態を示し、図4の(b)はa接点及びb接点が共に閉成した状態を示し、図4の(c)はa接点が開成し、b接点が閉成した状態を示している。図5はこの発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置のリミットスイッチにおけるa接点及びb接点の状態を示す図、図6はこの発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置のシステム構成図、図7はこの発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置による踏段鎖の伸び検出動作を説明する図であり、板カムが初期位置から第2角度回動した状態を示している。図8はこの発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置による踏段鎖の伸び検出動作を説明する図であり、板カムが初期位置から第1角度回動した状態を示している。図9はこの発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置の保守点検において、引っ張り軸の移動量の確認方法を説明する図である。
なお、上記従来技術と同一部分または相当部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図1〜図3において、乗客コンベアとしてのエスカレータ1の踏段鎖異常検出装置9は、引っ張り軸2、ブラケット3、コイルばね5、ダブルナット7、バネ座8、検出器としてのリミットスイッチ10、作動腕27、ナット29a,29b、移動量変換機構30、及び監視制御盤50を有している。
まず、リミットスイッチ10の詳細構成について説明する。
図4において、リミットスイッチ10は、ケース11、補強部材13、プランジャ14、摺接片15、常開式のa接点19、常閉式のb接点20、付勢ばね21、a接点接続端子22、b接点接続端子23、及び共通接点接続端子24を有している。
ケース11は、中空の直方体状に形成されている。
また、プランジャ14は、断面円の軸部14a及びプランジャローラ14bで構成され、プランジャローラ14bが軸部14aの一端に連結されている。そして、軸部14aは、ケース11の壁を遊嵌状態に挿通しており、その他端側がケース11内部に配置されている。
また、補強部材13が、ケース11の外方に延在する軸部14aの中間部位を外嵌状態に覆うようにケース11に固定され、軸部14aは、その長さ方向にスライド移動可能に補強部材13に支持されている。これにより、プランジャ14はケース11に出没自在となっている。
摺接片15は、導電性部材により直方体状に形成され、長手方向を軸部14aの長さ方向に一致させて軸部14aの他端に連結されている。このとき、摺接片15の長手方向に垂直な一端面の中央部が軸部14aの他端に連結されている。
a接点19は第1導電片16と共通導電片18とで構成され、b接点20は第2導電片17と共通導電片18とで構成されている。
第1導電片16及び第2導電片17は軸部14aの長さ方向に所定の距離をあけてケース11内に配置されている。このとき、第2導電片17が、プランジャ14のケース11への挿通部位側に配置されている。さらに、共通導電片18は軸部14aの軸心を含む直線を挟んで第1導電片16及び第2導電片17と対向するように配置されている。なお、図示しないが、第1導電片16、第2導電片17及び共通導電片18はケース11の内壁に支持固定されている。
また、第1ストッパ18a及び第2ストッパ18bのそれぞれが、共通導電片18の軸部14aの長さ方向の両端のそれぞれから、第1導電片16及び第2導電片17側に向かって突出するように形成されている。そして、摺接片15は、第1ストッパ18aと第2ストッパ18bとの間を、第1導電片16及び第2導電片17の少なくとも一方と共通導電片18とに摺接しながら往復移動することが可能になっている。
さらに、付勢ばね21が、その弾性力が摺接片15を軸部14aのケース11への挿通部側に押圧する方向に働くように、摺接片15の長手方向に垂直な他端面とケース11の内壁との間に縮設されている。
これにより、初期状態では、摺接片15は図4の(c)に示されるように、付勢ばね21の弾性力によりプランジャ14のケース11への挿通部側にプランジャ14とともに移動して、第2ストッパ18bに当接した状態で安定保持されている。このときのプランジャ14の位置を初期位置とする。
そして、a接点19における第1導電片16と共通導電片18との摺接片15を介した導通状態、及びb接点20における第2導電片17と共通導電片18との摺接片15を介した導通状態は、初期位置からのプランジャ14の変位量(押し込み量)に応じて変化するようになっている。
初期位置からのプランジャ14の押し込み量が第1距離以上であるときは、図4の(a)に示されるように、摺接片15は第2導電片17から離反した状態で、第1導電片16及び共通導電片18に接するようになっている。即ち、b接点20は開成され、a接点19は閉成された状態となる。
そして、初期位置からのプランジャ14の押し込み量が、第1距離より小さな第2距離以上第1距離未満であるときは、図4の(b)に示されるように、摺接片15は第1導電片16、第2導電片17及び共通導電片18のそれぞれに接するようになっている。即ち、a接点19及びb接点20が共に閉成された状態となる。
また、初期位置からのプランジャ14の押し込み量が、0以上第2距離未満である場合、図4の(c)に示されるように、摺接片15は、第1導電片16から離反した状態で、第2導電片17及び共通導電片18に接するようになっている。即ち、b接点20は閉成され、a接点19は開成された状態となる。
ここでは、リミットスイッチ10は、第1距離及び第2距離をそれぞれd1及びd2としたとき、d1=2.5mm、及びd2=1mmとなるものが用いられている。
そして、プランジャ14のa接点19及びb接点20の状態と、第1距離d1及び第2距離d2との間の関係をまとめると、図5に示されるように、初期位置からのプランジャ14の押し込み量が0mm以上1mm未満のときは、a接点19及びb接点20はそれぞれ開成及び閉成状態となり、初期位置からのプランジャ14の押し込み量が1mm以上2.5mm未満のときは、a接点19及びb接点20は共に閉成状態となり、初期位置からのプランジャ14の押し込み量が2.5mm以上のときは、a接点19及びb接点20はそれぞれ閉成及び開成状態となる。
また、a接点接続端子22、b接点接続端子23、及び共通接点接続端子24のそれぞれが、ケース11の外部に露出するように配設されている。
そして、a接点接続端子22、b接点接続端子23、及び共通接点接続端子24のそれぞれと第1導電片16、第2導電片17及び共通導電片18のそれぞれとの間は、電気配線などを用いて電気的に接続されている。
次いで、作動腕27の詳細について説明する。
図1及び図2において、作動腕27は、軸固定辺27a及び軸固定辺27aの一端から垂直に延出する動力伝達辺27bを有する断面L字状に形成されている。軸固定辺27aはブラケット3から下鎖車74側に所定距離だけ離間した引っ張り軸2の部位に一対のナット29a,29bにより固定されて、引っ張り軸2の上方に突出している。
また、動力伝達辺27bは、軸固定辺27aの上端から下部トラスエンド78bに向けて引っ張り軸2の軸方向に沿って水平に延在している。これにより、作動腕27は、引っ張り軸2の移動に連動して引っ張り軸2の軸方向に移動可能となっている。なお、引っ張り軸2の移動量は踏段鎖72の伸び量に対して一義的に決まる。即ち、引っ張り軸2は、コイルばね5により下部トラスエンド78b側に引っ張られているので、踏段鎖72が伸びたときには、その伸び量に応じてコイルばね5の引っ張り方向に所定量だけスライド移動する。また、歯部28が、動力伝達辺27bの先端から軸固定辺27aの一端に向かって所定のピッチの凹凸を有するように動力伝達辺27bの上面に形成されている。
また、図1〜図3において、移動量変換機構30は、歯車機構31、板カム35、取付部材41、及び一対の軸受42a,42bを有している。
取付部材41は、平板状に形成されている。また、歯車機構31は、作動軸としての歯車軸32、及び作動歯車33を有している。
そして、歯車軸32の一端が、取付部材41の両面にそれぞれ固定された一対の軸受け42a,42bに挿通され、他端が取付部材41の主面から突出するように軸受け42a,42bに回転自在に支持されている。また、作動歯車33は、歯車軸32に同軸に固定されて歯車軸32の回転に連動して回転される。なお、作動歯車33のピッチ円は、図3に示されるように半径r1のものが用いられている。
また、板カム35は、円盤状に形成され、歯車軸32の軸方向に作動歯車33と位置をずらして歯車軸32に固定されている。これにより、板カム35は、作動歯車33の回動に連動して歯車軸32の軸周りに回動する。そして、歯車軸32の軸心と板カム35の外縁部との間の距離、即ち、歯車軸32の軸心と板カム35の外周面を形成するカム面36までの距離は、作動歯車33のピッチ円の半径r1より大きなものとなっている。つまり、カム面36の作動歯車33の径方向に関する位置は、作動歯車33の外周面より径方向外方にある。
そして、初期位置調整部37が、図3に示されるように、カム面36の所定の部位に歯車軸32の軸心との距離がL1となるように形成されている。そして、内部が塗りつぶされた三角形の調整マーカ43が、その頂点が初期位置調整部37を指すように板カム35の一面に印刷されている。
また、第1作動部38が、板カム35の回動方向の一方に初期位置調整部37から第1角度θ1ずれたカム面36の部位に、歯車軸32の軸心との距離がL1より大きなL2となるように形成されている。
さらに、第2作動部39が、板カム35の回動方向に関し、第1作動部38と初期位置調整部37の間で、初期位置調整部37から第2角度θ2ずれたカム面36の部位に、歯車軸32の軸心との距離がL1より大きくL2より小さなL3となるように形成されている。
また、詳細は後述の内部が塗りつぶされた三角形の判定マーカ45が、回動方向に関し、調整マーカ43と第2作動部39との間で、初期位置調整部37から第2角度θ2より小さい所定の角度ずれたカム面36の部位を指すように板カム35の一面に印刷されている。
そして、初期位置調整部37と第1作動部38との間のカム面36の形状は、初期位置調整部37から第2作動部39に至る手前の立上基部40までは、歯車軸32の軸心を中心とする半径L1の円筒外周面の一部で構成され、さらに、立上基部40と第2作動部39との間は、歯車軸32の軸心との距離がL1からL3まで一方向に急峻に増加する曲面で構成され、第2作動部39と第1作動部38との間は、歯車軸32との距離がL3からL2に一方向に漸次増加するなだらかな曲面で構成されている。
そして、上記のように構成された移動量変換機構30の取付部材41は、詳細には図示しないが、一端がトラス78に固定された固定アーム46の他端に固定されている。
このとき、移動量変換機構30は、歯車軸32の軸方向が引っ張り軸2の軸方向に垂直な方向、かつ水平方向に一致するように、かつ、作動歯車33の下端側の部位に動力伝達辺27bの上面に形成された歯部28が歯合(噛合)するように配設されている。
これにより、作動歯車33は、引っ張り軸2の移動に連動して移動する作動腕27の移動力によって、引っ張り軸2の移動量に応じた角度だけ歯車軸32の軸周りに回動する。
また、板カム35の初期位置は、その回動方向の位置に関し、引っ張り軸2が初期位置にあるときに、初期位置調整部37が歯車軸32の軸心の鉛直上方に位置するように配置されている。
そして、上述のリミットスイッチ10は、初期位置にあるプランジャ14の先端(プランジャローラ14bの先端)が、図3に示されるように、初期位置にある板カム35の初期位置調整部37との間に所定に隙間h1をあけて相対し、かつ、プランジャ14の移動方向(ケース11からの出没方向)が、初期位置調整部37と作動歯車33の軸心とを結ぶ線分の長さ方向に、即ち、鉛直方向に一致するように調整されている。これにより、初期位置にあるリミットスイッチ10のプランジャ14の先端と歯車軸32の軸心との間の距離は(L1+h1)となっている。
次いで、距離L2、L3、第1角度θ1、第2角度θ2、及び距離(L1+h1)の決定方法について述べる。
まず、第1移動量を、踏段鎖72の所定の張力が保てなくなり、踏段鎖72の走行に支障が生じる手前の踏段鎖72の伸び量に対応する引っ張り軸2の移動量として適宜設定すする。即ち、第1移動量は、緊急に踏段鎖72の張力の再調整が必要となる踏段鎖72の異常な伸び量に対応する引っ張り軸2の初期位置からの移動量として適宜設定される。
また、第2移動量を、第1移動量より小さな値で、例えば、引っ張り軸2の移動量が、第2移動量に踏段鎖72が走行中の引っ張り軸2の自身の軸方向への揺動による移動量を加算した量となったときに、第1移動量を超えず、かつ、第1移動量から規定の値以内となるように適宜設定されている。つまり、第2移動量は、緊急を要しないまでも、早期に踏段鎖72の張力の再調整が必要となる踏段鎖72の伸び量に対応する引っ張り軸2の初期位置からの移動量として適宜設定される。
次いで、引っ張り軸2が第1移動量だけ移動するのに連動して、第1作動部38が板カム35の回動方向へ移動したときの移動量(以降、第1回動移動量とする)を、第1移動量にたいして所望の定数α倍した値に設定する。
即ち、第1回動移動量をe、第1移動量をM1とすると、e=α×M1で表される。
なお、定数αは、作動歯車33のピッチ円の半径r1と、距離L2との比により決定される。即ち、α=L2/r1を満足するので、距離L2は、L2=(e/M1)×r1を満足するように決定される。
また、第1角度θ1は、第1作動部38が初期位置から第1回動移動量eだけ移動したときの板カム35の回動角度となるように設定する。即ち、第1角度θ1は、θ1=e/(2×π×L2)×360[°]=M1/(2×π×r1)×360[°]を満足させるように決定される。
ここで、上述したように、リミットスイッチ10は、a接点19を閉成させるためのプランジャ14の押し込み量である距離がd2(=1[mm])であり、b接点20を開成させるためのプランジャ14の押し込み量である距離がd1(=2.5mm)であるものが用いられている。
そして、距離L3は、距離L2と距離(d1−d2)との差をとった値に設定する。即ち、距離L3は、L3=L2−(d1−d2)[mm]を満足するように決定される。
また、第2角度θ2は、引っ張り軸2が第2移動量だけ移動したときに連動して回動した板カム35の回動角度として設定する。
第1角度θ1と第2角度θ2の比は、第1移動量M1と第2移動量M2の比に一致するので、第2角度θ2は、θ2=θ1×M2/M1を満足するように設定される。
また、板カム35が第2角度θ2だけ回動したときの第2作動部39の回動方向への移動量(以降、第2回動移動量とする)をfとすると、第2回動移動量fは、f=2×π×L3×θ2/360[°]を満足する値に自動的に決まる。
そして、距離(L1+h1)は、板カム35が第1角度θ1だけ回動したときに、第1作動部38が、プランジャ14を第1距離d1だけ押し上げてb接点20を開成するように決定する。
このとき、距離L1及び隙間h1のそれぞれは、一義的に決まるものではないが、第1作動部38及び歯車軸32の軸心との間の距離L2と、プランジャ14の先端及び歯車軸32の軸心との距離(L1+h1)との差が第1距離d1となるようにリミットスイッチ10を配置させる必要がある。
ここで、リミットスイッチ10は、板カム35が初期位置にあるときに、調整マーカ43が指し示す初期位置調整部37を基準位置として、初期位置調整部から隙間h1をあけて配置される。つまり、リミットスイッチ10は、プランジャ14の先端と初期位置調整部37との間の隙間h1を管理して配置されるので、隙間h1はリミットスイッチ10を配置させやすい寸法に適宜設定すればよい。
これに応じて距離L1は、L1=L2−h1−d1[mm]を満足するように決定される。
板カム35とリミットスイッチ10とが上記の位置関係にある場合、板カム35のカム面36の面形状は、引っ張り軸2の移動量が第2移動量M2以上となったときに、リミットスイッチ10のプランジャ14の押し込み量が第2距離d2以上となるように押圧し、引っ張り軸2の移動量が第1移動量M1以上となったときに、リミットスイッチ10のプランジャ14の押し込み量が第1距離以上となるようにプランジャ14を押圧する形状となる。
そして、この実施の形態では、作動歯車33はピッチ円の半径r1は6[mm]のものが用いられ、また、上述のようにリミットスイッチ10は、第1距離d1及び第2距離d2がそれぞれ、2.5mm及び1mmのものが用いられている。そして、定数α、第1移動量M1、第2移動量M2、及び隙間h1がそれぞれ3、8[mm]、5[mm]及び2[mm]に設定されている。このとき、第1回動移動量e、距離L1、距離L2、距離L3、第1角度θ1、第2角度θ2、及び第2回動移動量fは、24[mm]、13.5[mm]、18[mm]、16.5[mm]、約76[°]、約48[°]、及び約13.8mmに決定される。
即ち、図5に示されるように、引っ張り軸2が第1移動量M1(8[mm])だけ移動すると、板カム35が第1角度θ1(76[°])回動して第1作動部38が第1回動移動量e(24[mm])だけ回動方向に移動し、プランジャ14は第1距離d1(2.5[mm])だけ第1作動部38に押し込まれてb接点20が開成するようになっている。
つまり、リミットスイッチ10は、引っ張り軸2を第1移動量M1以上移動させるのに対応する踏段鎖72の異常な伸びをb接点20が開成したことをもって検出するようになっている。
また、引っ張り軸2が第2移動量M2(5[mm])だけ移動すると、板カム35が第2角度θ2(48[°])回動して第2作動部39が回動方向に第2回動移動量f(13.8mm)だけ移動し、プランジャ14が第2距離d2(1[mm])だけ第2作動部39に押し込まれてa接点19が閉成されるようになっている。
次いで、監視制御盤50の詳細構成について図6を参照しつつ説明する。
監視制御盤50は、演算制御手段としてのCPU51、外部から入力される各種信号に基づいて、CPU51に所定の演算制御を行わせるためのプログラムが書き込まれたROM52、及びCPU51が行う各種演算のワーキングエリアに用いられるRAM53などを有している。
次いで、踏段鎖異常検出装置9を備えるエスカレータ1のシステム構成について図6を参照しつつ説明する。
リミットスイッチ10のb接点接続端子23及び共通接点接続端子24が、駆動機75への通電経路にシリーズに組み込まれている。このとき、共通接点接続端子24が図示しない電源の高圧側端子57aに接続されている。さらに、駆動機75の電源入出力端子(図示せず)のそれぞれが、b接点接続端子23と電源の低圧側端子57bとに接続されている。
前述したように、a接点接続端子22、b接点接続端子23、及び共通接点接続端子24は第1導電片16、第2導電片17、及び共通導電片18のそれぞれに電気的に接続されている。そして、摺接片15が、共通導電片18と第1導電片16及び第2導電片17の少なくとも一方との間を電気的に接続するようになっている。
さらに、a接点接続端子22及びb接点接続端子23は、監視制御盤50に電気配線55a,55bを用いて接続されている。このとき、電気配線55a,55bのそれぞれは、高抵抗56a,56bのそれぞれを介して接地されている。そして、監視制御盤50のCPU51はa接点接続端子22及びb接点接続端子23の電圧を読み取り可能になっている。また、監視制御盤50は、エスカレータ1の管理者が駐在する情報センタ58に通信ケーブルなどで接続されている。
そして、a接点接続端子22及びb接点接続端子23の出力電圧は、a接点19及びb接点20の状態が切り替るときに接地電圧から所定の値の電圧に、又は所定の値の電圧から接地電圧に切り替る。これをもとに、監視制御盤50のCPU51はそれぞれの接点が閉成状態にあるか開成状態にあるかを判断し、a接点19及びb接点20の状態に応じた報知を情報センタ58に行うようになっている。
なお、b接点20が開成されたときに監視制御盤50に入力される接地電圧をb接点20の開成信号、a接点19が閉成されたときに監視制御盤50に入力される所定の値の電圧をa接点19の閉成信号とする。
次いで、踏段鎖異常検出装置9を備えるエスカレータ1の全体動作について説明する。
エスカレータ1の運行により、踏段鎖72に経年的な伸びが発生すると、引っ張り軸2が図1中、自身の長さ方向の下部トラスエンド78b側に移動する。これにより、下鎖車74が、下部トラスエンド78b側に移動され、踏段鎖72に付与される所定の張力が確保される。このとき、引っ張り軸2の移動に連動して作動腕27が移動し、作動腕27の引っ張り軸2の軸方向への移動力が作動歯車33に伝達され、作動歯車33は、図3に示された初期位置から時計回りに回動する。
そして、引っ張り軸2の移動量が、第2移動量M2に達する手前で板カム35の回動角度が第2角度θ2に近づき、立上基部40及び第2作動部39の間のカム面36の所定部位とプランジャローラ14bとが当接する。そして、この状態から引っ張り軸2がさらに移動するとプランジャ14の先端がカム面36に押し上げられ、引っ張り軸2の移動量が第2移動量M2に達したところで、図7に示されるように、板カム35の回動角度が第2角度θ2に達し、プランジャ14が第2作動部39の部位に押し上げられる。このとき、プランジャ14の押し込み量が第2距離d2に達し、a接点19が閉成する。
そして、a接点19の閉成信号が監視制御盤50に入力され、CPU51は、早期対処警告信号を情報センタ58に発信し、踏段鎖72の張力の調整時期が既に到来していることをエスカレータ1の管理者に報知するようになっている。これにより、エスカレータ1の管理者は、引っ張り軸2の移動量が、緊急に張力の再調整が必要となる踏段鎖72の異常伸びに対応する引っ張り軸2の第1移動量M1に近づいたことを認識する。この場合、エスカレータ1の管理者は、定期的な保守点検の実施時期が到来したか否かに拘わらず、保守作業員を派遣し、踏段鎖72に適切な張力を与えるようにコイルばね5の収縮量を再調整するとともに、作動腕27、及びリミットスイッチ10の位置を再調整するなどの対応をとらせる。
また、何等かの原因で急激に踏段鎖72が伸びたり、踏段鎖72が破断したりして、初期位置からの引っ張り軸2の移動量が第1移動量M1となり、図8に示されるように、板カム35が初期位置に対し角度θ1回動すると、即ち、第1作動部38の初期位置からの移動量が第1回動移動量eに達するとプランジャローラ14bが第1作動部38によって押し上げられる。このとき、プランジャ14の押し込み量が第1距離d1に達し、b接点20が開成するとともに、駆動機75への通電が遮断されて踏段鎖72の走行が強制的に停止される。そして、b接点20の開成信号が監視制御盤50に入力されてCPU51はb接点20が開成したと判断し、引っ張り軸2を第1移動量M1以上移動させる踏段鎖72の異常伸びが発生したことを報知する緊急対処警告信号を情報センタ58に送信するようになっている。
また、図9に示されるように、引っ張り軸2の移動量が第2移動量M2未満であり、a接点が閉成されずに踏段鎖72が通常の走行をしていたエスカレータ1の定期的な保守点検において、踏段鎖異常検出装置9を点検する場合について説明する。
作業員は、引っ張り軸2が初期位置に対してある値(調整目安量)を超えて移動しているか否かを判断する。調整目安量は踏段鎖72の伸びが、踏段鎖72の張力の再調整時期が到来したか否かを判断するための基準であり、一義的に決定されるものではない。
ここで、保守点検期間の間に伸びると予想される踏段鎖72の伸び量は、経験的に既知である。そして、調整目安量は、引っ張り軸2が、保守点検期間の間に伸びると予想される踏段鎖72の伸び量に対応する引っ張り軸2の伸び量に調整目安量を加算した量だけ移動しても第2移動量M2に至らない値で適宜設定されている。
そして、作業員は、引っ張り軸2が初期位置に対して調整目安量を超えて移動していることを確認すると、踏段鎖72の張力を再調整したり、リミットスイッチ10や作動腕27の配置位置を再調整したりする作業を行う。また、作業員は引っ張り軸2の移動量が、調整目安量未満であることを確認すると、次の保守点検工程にとりかかる。
この発明の効果を明確にするため、引っ張り軸2の移動量が調整目安量以上移動したか否かの確認作業を、従来の踏段鎖破断検出装置80の場合と比較して述べる。
従来の踏段鎖破断検出装置80では、図11に示されるように、引っ張り軸2の移動に連動して移動する作動片87aと、例えば、作動部87aが検出器81に作用する部位(以下、単に検出器81とする)との間の距離Cを確認することにより、引っ張り軸2が調整目安量以上移動したかどうかを判断していた。
つまり、例えば、引っ張り軸2が第1移動量M1(8[mm])だけ移動したときに、作動片87aが検出器81を動作させるような場合、初期位置における検出器81と作動片87aの位置関係は引っ張り軸2の軸方向に8mmだけ離間された関係となっている。作動片87aの移動量は、引っ張り軸2の移動量と同じであるので、引っ張り軸2の移動量が調整目安量以上となったか否かの確認作業は、作動片87aと検出器81との間の距離Cが8mmから調整目安量(2mm)以上短くなったかどうかを確認する作業となる。引っ張り軸2が調整目安量2mm移動したときの作動片87aの移動幅がたった2mmであるため、作動片87aと検出器81との間の位置関係の変動は大変確認しづらい。
一方、本願では、初期位置調整部37の移動量は、引っ張り軸2の移動量に対し、L1/r1(約2.3)倍に拡大されている。即ち、調整マーカ43が指し示すカム面36の部位の移動量が引っ張り軸2の移動量に対して約2.3倍に拡大される。
つまり、引っ張り軸2が調整目安量2mmだけ移動したときには、調整マーカ43は4.6mmだけ移動する。即ち、引っ張り軸2の移動量が調整目安量以上移動したか否かの確認は、リミットスイッチ10と相対するカム面36の部位と板カム35の調整マーカ43が指し示すカム面36の部位との間が4.6mm以上離れているか否かを確認すればよい。つまり、引っ張り軸2の移動量が調整目安量以上となったか否かの確認は、引っ張り軸2が調整目安量2mm移動したときの調整マーカ43の移動幅が4.6mm以上か否かを確認すればよい。このとき、調整マーカ43とリミットスイッチ10のプランジャ14の先端との間の位置関係は調整マーカ43の移動幅が引っ張り軸2の移動量に対して拡大されたので確認しやすく、引っ張り軸2が調整目安量2mm移動したことを見落とすことが防止される。
上記の確認は、以下のようにすれば、さらに、容易に行うことができる。
即ち、前述の判定マーカ45は、板カム35の回動方向に初期位置調整部37から4.6mm離れたカム面36を指し示すように板カム35の一面に予め印刷しておく。
この場合、作業員は、板カム35の回動方向のプランジャ14の先端位置が、図9に示されるように、判定マーカ45に指し示されたカム面36の部位より第2作動部39側の領域に配置されていれば、引っ張り軸2の移動量が調整目安量以上となったと判断できる。逆に、作業員は、板カム35の回動方向のプランジャ14の先端位置が、判定マーカ45に指し示されたカム面36の部位より初期位置調整部37側に配置されていれば引っ張り軸2の移動量が調整目安量未満であると判断できる。
このように、引っ張り軸の移動量に対して移動量が拡大されるカム面の所定部位(調整マーカ43又は判定マーカ45)とリミットスイッチ10のプランジャ14の先端との間の位置関係がわかりやすくなるので、引っ張り軸2の移動量が調整目安量に達したか否かの確認作業は、目視でも確認しやすくなる。即ち、定期的な保守点検時に踏段鎖72の張力などの再調整時期が到来したことを容易に確認できる。このため、保守点検では、踏段鎖72の張力の再調整時期が到来していた場合には、踏段鎖72の張力の再調整等は確実に実施される。従って、踏段鎖72が初期の異常な伸びを有するまま保守点検を終了することが無くなり、次回の定期的な保守点検までに、引っ張り軸2が調整目安量以上移動したことを見落としたことによって、a接点19を不要に動作させることが回避される。これにより、不要なa接点19の動作による臨時の保守作業を行う手間が省ける。
また、本願では、b接点20の開成による踏段鎖72の走行停止だけでなく、a接点19が閉成されると監視制御盤50が、早期対処警告信号を情報センタ58に送信するようになっている。つまり、監視制御盤50は、エスカレータ1の管理者に踏段鎖72の張力の調整時期が既に到来していることを報知し、踏段鎖72の再調整を促すようになっている。
以下、a接点19が閉成したときに、監視制御盤50に早期対処警告信号を情報センタ58に通報させる効果について説明する。
踏段鎖異常検出装置9は、初期位置からの引っ張り軸2の移動量が第2移動量に達してa接点19が閉成すると、監視制御盤50が情報センタ58に早期対処警告信号を送信し、また、初期位置からの引っ張り軸2の移動量が第1移動量M1に達すると、b接点20が動作して駆動機75への通電が遮断され、踏段鎖72の走行を強制的に停止するともに、監視制御盤50が情報センタ58に緊急対処警告信号を送信する構成となっている。
これにより、定期的に行われる保守点検の間に、引っ張り軸2の移動量が第2移動量M2に達した場合、エスカレータ1の管理者は、早期に対処が必要な踏段鎖72の伸びが発生したことを認識することができ、踏段鎖72の伸びをタイムリーに再調整できる。従って、万一、保守点検時に引っ張り軸2が調整目安量以上移動していたことを見落としていた場合でも、引っ張り軸2の移動量が第1移動量M1に達して踏段鎖72の走行が不測に停止されることを最大限に防止することができる。
なお、上記実施の形態では、乗客コンベアとしてのエスカレータ1に適用するものとして説明しているが、本発明は、動く歩道などの乗客コンベアに対しても適用できる。
また、検出器として、a接点19及びb接点20を有するリミットスイッチ10を用いるものとして説明したが、検出器はリミットスイッチ10を用いるものに限定されず、a接点を備えておらず、b接点20と同様の機能を有する検出器が用いられているものでもよい。
また、a接点19及びb接点20を有するリミットスイッチは、図2に示されるリミットスイッチ10の構成に限定されるものではなく、初期位置からのプランジャ14の押し込み量が第2距離d2以上になるとa接点19が閉成し、初期位置からのプランジャ14の押し込み量が第1距離d1以上になるとb接点20が開成するように構成されていればよい。
また、引っ張り軸2が、その一端を上下一対の鎖車のうちの下鎖車74に連結されて上鎖車73から離反する方向に延設され、コイルばね5が引っ張り軸2を介して下鎖車74を上鎖車73から離反する方向に付勢するように配設されるものとして説明したが、引っ張り軸2は上鎖車73に連結されて下鎖車74から離反する方向に延設され、コイルばね5が引っ張り軸2を介して上鎖車73を下鎖車74から離反する方向に付勢するように配設されているものでもよい。
また、作動腕27は断面L字状に形成されるものとして説明したが、引っ張り軸2の移動に連動して作動歯車33を回動させるように配設されていれば、形状は限定されない。
また、歯車軸32は、その軸方向を引っ張り軸2の軸方向に直交、かつ、鉛直方向に一致させて配設されるものとして説明したが、歯車軸32は、その軸方向が引っ張り軸2の軸方向に一致するように配設されていればよい。
また、板カム35の初期位置は、引っ張り軸2が初期位置にあるときに、初期位置調整部37が歯車軸32の軸心の鉛直上方に位置するように配置されるものとして説明したが、初期位置調整部37の位置は、歯車軸32の軸心の鉛直上方に位置させるものに限定されない。この場合、リミットスイッチ10の初期位置調整部37の位置に対応させて配置させればよい。
この発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置の拡大図である。 図1のII−II矢視断面図である。 図1のA部拡大図である。 この発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置のリミットスイッチにおけるa接点及びb接点の動作を説明するための断面図である。 この発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置のリミットスイッチにおけるa接点及びb接点の状態を示す図である。 この発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置のシステム構成図である。 この発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置による踏段鎖の伸び検出動作を説明する図である。 この発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置による踏段鎖の伸び検出動作を説明する図である。 この発明に係る乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置の保守点検において、引っ張り軸の移動量の確認方法を説明する図である。 従来の踏段鎖破断検出装置を備えるエスカレータの模式図である。 従来の踏段鎖破断検出装置の拡大図である。
符号の説明
1 エスカレータ(乗客コンベア)、2 引っ張り軸、5 コイルばね、9 踏段鎖異常検出装置、10 リミットスイッチ(検出器)、14 プランジャ、19 a接点、20 b接点、27 作動腕、32 歯車軸(作動軸)、33 作動歯車、35 板カム、50 監視制御盤、71 踏段、72 踏段鎖、73 上鎖車(鎖車)、74 下鎖車(鎖車)、75 駆動機、78 トラス。

Claims (1)

  1. 複数の踏段がトラスの乗り口側と降り口側とに設置された一対の鎖車に掛け渡された無端状の踏段鎖に連結され、引っ張り軸がその一端を上記一対の鎖車の一方の鎖車に連結されて他方の鎖車から離反する方向に延設され、コイルばねが上記引っ張り軸を介して上記一方の鎖車を上記他方の鎖車から離反する方向に付勢するように配設され、駆動機が上記他方の鎖車を回転駆動することにより上記踏段鎖を循環移動させるように構成され、上記踏段鎖の伸びに伴って軸方向に移動する引っ張り軸の移動量が第1移動量以上となったときに上記踏段鎖の異常伸びを検出する乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置であって、
    出没自在に配設されたプランジャ、該プランジャの押し込み量が第1距離以上で開成するb接点、および該プランジャの押し込み量が上記第1距離より小さい第2距離以上で閉成するa接点を有する検出器と、
    軸方向が上記引っ張り軸の軸方向に直交する作動軸に同軸に固着された作動歯車と、
    上記作動歯車に歯合し、かつ上記引っ張り軸の移動に連動して上記引っ張り軸の軸方向に移動可能に配設され、該引っ張り軸の軸方向の移動力を該作動歯車に伝達して該作動歯車を上記作動軸周りに回動させる作動腕と、
    上記作動軸に固着され、上記引っ張り軸の移動に連動して上記作動軸周りに回動する板カムと、
    上記b接点の開成信号が入力されると上記踏段鎖の異常伸びを報知し、上記a接点の閉成信号が入力されると踏段鎖の張力の調整時期が到来したことを報知する監視制御盤と、を備え、
    上記板カムは、上記作動歯車の外径より径方向外方に位置する外周面からなるカム面を有し、該カム面は、上記引っ張り軸の移動量が上記第1移動量以上となったときに、上記プランジャの押し込み量が上記第1距離以上となるように上記プランジャを押圧し、上記引っ張り軸の移動量が上記第1移動量より小さい第2移動量以上となったときに、上記プランジャの押し込み量が上記第2距離以上となるように上記プランジャを押圧する面形状に形成されていることを特徴とする乗客コンベアの踏段鎖異常検出装置。
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