JP5252423B2 - 眼科装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検眼を被検者の左右の眼の間で切り替えて検眼を行う眼科装置に関する。
従来、被検者の検眼を行う眼科装置(例えば、オートレフや眼圧計等)において、被検眼を左右の眼の間で切り替えるための機構として、検者の手動操作によって装置全体を左右に移動させる手動型の移動機構や、被検眼の検眼を行う検眼光学系が内蔵された検眼部を電動駆動によって左右に平行移動させる電動型の移動機構(特許文献1、参照)が知られている。
しかしながら、左右の被検眼の眼幅(瞳孔間の距離)は、成人で58〜72、最大で80mmであり、これにアライメントのための移動幅を加えると、眼科装置又はその検眼部の眼幅方向(左右の被検眼の眼幅方向)の必要移動量は100mm程度となる。よって、被検眼を被検者の左右の眼の間で切り替えて検眼を行う眼科装置は装置本体やその占有範囲が眼幅方向に大型化してしまっていた。
そこで、特許文献2では、被検眼に検眼光束を投光する投光光学系と被検眼で反射された検眼光束を受光する受光光学系とを有する検眼ユニットを備える眼科装置において、被検眼からの検眼光束を偏向し、偏向された検眼光束をさらに前記受光光学系の光軸方向に偏向することにより被検眼からの検眼光束を前記受光光学系へと導く導光ユニットと、被検眼の左右の眼の間における切り替えに応じて前記導光ユニットを前記受光光学系の光軸を中心に回転させる回転手段とを、備えたものが提案されている。
特開平9−215661号公報 特開2007−244457号公報
特許文献2に記載の眼科装置では、被検眼を被検者の左右の眼で切り替える毎に、導光ユニットを受光光学系の光軸を中心に回転することとなるが、導光ユニットが受光光学系の光軸を中心に回転することによって、相互に絶妙な位置関係で配置されている光学系の構成部品に多少の狂いでも生じると検査精度の低下に繋がる虞がある。また、導光ユニットが受光光学系の光軸を中心に回転することによって、受光光学系の光軸が移動することから、アライメントが煩雑となる。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、コンパクト且つ単純な構成で、被検眼を被検者の左右眼で切り替えることのできる眼科装置を提供することを目的とする。
本発明の眼科装置は、被検眼の正面方向から前眼部を観察する前眼部観察光学系、前記被検眼に検眼光を投射する照明光学系、及び前記被検眼で反射された前記検眼光を受光する撮影光学系を一体的に具備する光学系ユニットと、前記光学系ユニットの全体を揺動させることにより前記前眼部観察光学系の視野を左右に移動させる揺動機構とを、備え、前記揺動機構は、前記光学系ユニットの全体を揺動させることにより前記前眼部観察光学系の視野を左右の被検眼へ向けて移動させるように構成されている。なお、ここで「被検眼の正面方向」とは、被検眼の眼軸方向をいい、前眼部観察光学系の視野が移動する「左右」とは、被検者の左右の眼(左右の被検眼)の眼幅方向をいう。
上記構成の眼科装置では、前眼部観察光学系の視野を左右に移動させる際に光学系ユニットが揺動することから、光学系ユニットを左右に平行移動させることにより前眼部観察光学系の視野を同じ量だけ移動させる場合と比較して、光学系ユニットが必要とする左右方向の移動量が小さくなる。よって、眼科装置の大型化を回避することができる。また、光学系ユニットに含まれる前眼部観察光学系、照明光学系及び観察光学系が一体的に揺動するので、光学系に狂いが生じず、且つ、光学系を揺動させるための構成が単純である。
さらに、上記構成の眼科装置では、前眼部観察光学系の視野を被検者の左右の眼の間で切り替える(即ち、被検眼を被検者の左右の眼の間で切り替える)際に、光学系ユニットを揺動させるので、光学系ユニットを左右に平行移動させる場合と比較して、光学系ユニットが必要とする左右方向の移動量が小さくなる。よって、眼科装置の大型化を回避することができる。また、前眼部観察光学系の視野を被検者の左右の眼の間で切り替えたのち、前眼部観察光学系の光軸に被検眼を固視させる場合に、前眼部観察光学系の光軸が被検眼の眼軸よりも被検者の内側へ傾くことにより、前眼部観察光学系の光軸方向が被検眼の視線方向と近くなり、より自然な固視を促すことができる。
前記眼科装置において、前記前眼部観察光学系の光軸は、前記前眼部観察光学系の視野を左又は右の被検眼へ向けて移動した後の状態で、被検眼の眼軸に対して内側へ5〜7°の傾きを有することが望ましい。ここで、「内側」とは、被検者から見た内側、即ち、被検者の左右の眼の間側をいう。これにより、被検眼の視軸は眼軸に対して一般に内側へ5〜7°の傾きを有していることから、被検眼により一層自然な固視を促すことができる。
また、前記眼科装置において、前記揺動機構は、前記前眼部観察光学系の光軸上に、その揺動中心を有していることがよい。これにより、前眼部観察光学系の視野を左右に所望の角度だけ移動させるために光学系ユニットを揺動させる構造、即ち、揺動機構の構造が単純となる。
この場合、前記眼科装置において、前記揺動機構は、前記前眼部観察光学系の光軸上であって前記前眼部観察光学系の対物レンズに対して被検眼と反対側に、その揺動中心を有していることが望ましい。このように、揺動中心が被検眼から離れるほど光学系ユニットの揺動角に対する前眼部観察光学系の視野の移動量が大きくなるので、効率的に前眼部観察光学系の視野を移動させることができる。
さらに、本発明の眼科装置は、前記眼科装置において、前記揺動機構により前記光学系ユニットとともに動き、且つ、前記前眼部観察光学系の光軸と前記被検眼とを位置合わせするように前記光学系ユニットを移動させる移動機構を、更に備えるものである。
上記構成によれば、移動機構が光学系ユニットとともに動くので、揺動機構にて光学系ユニットを揺動させて前眼部観察光学系の視野を被検者の左眼又は右眼(被検眼)に合わせたのち、移動機構にて被検眼を被検眼位置にアライメントし合焦を行えば、光学系ユニットの揺動によってアライメント及び合焦動作の駆動軸と前眼部観察光学系の光軸との相互関係が変化しないので、アライメント及び合焦動作時の計測が安定し高い精度を維持することができる。
本発明は、以下に示すような効果を奏する。
本発明に係る眼科装置では、前眼部観察光学系の視野を左右に移動させる際に光学系ユニットが揺動することから、光学系ユニットを左右に平行移動させることにより前眼部観察光学系の視野を同じ量だけ移動させる場合と比較して、光学系ユニットが必要とする左右方向の移動量が小さくなる。よって、眼科装置の大型化を回避することができる。また、光学系ユニットに含まれる前眼部観察光学系、照明光学系及び観察光学系が一体的に揺動するので、光学系に狂いが生じず、且つ、光学系を揺動させるための構成が単純である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複説明を省略する。なお、以下において本発明に係る眼科装置の特徴的な構造を、角膜内皮細胞撮影装置に適用させて説明するが、本発明に係る眼科装置は、角膜内皮細胞撮影装置に限定されるものではなく、例えば、眼屈折測定機器(レフラクトメーター)、眼圧測定機器(トノメーター)などの被検眼を被検者の左右眼で切り替えて検査する眼科装置に広く適用させることができる。
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る角膜内皮細胞撮影装置100について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の構成を示す機能ブロック図、図2は撮影装置本体の外観斜視図、図3は撮影装置本体内部の概略構成を示す側面図、図4は角膜内皮細胞撮影装置の撮影系の光路図である。
図1に示すように、角膜内皮細胞撮影装置100は、被検眼1の前眼部2を撮影するための撮影装置本体103と、撮影装置本体103で得られた像の画像処理を行うパーソナルコンピュータ102とを備えている。図2に示すように、撮影装置本体103の外表面はカバー91で覆われている。このカバー91は、額当て92、撮影窓93、及び顎台94等が設けられて、被検者の左右の眼を所定位置に固定する被検眼固定具として機能する。この被検眼固定具には、被検者の左右の眼がその位置に固定されるように想定された左眼位置と右眼位置とが設計されている。また、図3に示すように、撮影装置本体103のカバー91の内部には、光学系ユニット101、Y軸駆動機構39、X軸駆動機構38とZ軸駆動機構44、及び揺動機構51が、上から順に積層状に配置されている。
以下、角膜内皮細胞撮影装置100について、光学系統と、制御系統と、画像処理系統と、揺動系統とに分けて、詳細に説明する。
〔光学系統〕
まず、光学系統について説明する。図1に示すように、角膜内皮細胞撮影装置100は、筐体106と、この筐体106の内部に構築された光学系3とから成る光学系ユニット101を備えている。以下、光学系3について詳細に説明する。
図4に示すように、光学系3は、大概して、被検眼の正面方向から前眼部を観察する前眼部観察光学系49と、被検眼に検眼光を投射する照明光学系47と、被検眼で反射された前記検眼光を受光する撮影光学系48とを備えている。
まず前眼部観察光学系49について説明する。前眼部観察光学系49は、想定された被検眼位置4aを通る前眼部観察光学系光軸4を有している。前眼部観察光学系光軸4は、光学系3の検査軸(基本となる光軸)であり、被検眼位置4aにある被検眼1に投影されたアライメント指標光の反射光がプルキンエ像をつくるための対物レンズ75の光軸に相当する。この前眼部観察光学系光軸4の被検眼位置4aにおいて、前眼部観察光学系光軸4と、照明光学系47の照明系光軸10と、撮影光学系48の撮影光学系光軸18とが交叉している。以下、前眼部観察光学系光軸4と略直交する方向(図4の紙面に略垂直な方向)をX方向とし、前眼部観察光学系光軸4及びX方向と略直交する方向(図4の紙面の略上下方向)をY方向とし、前眼部観察光学系光軸4と略平行な方向をZ方向とする。
前眼部観察光学系光軸4上には、被検眼位置4a側から順に、ハーフミラー73、可視光カットフィルタ74、前眼部撮影レンズ75、赤外透過可視光反射ミラー7、及びテレビカメラ8の受光面84が設けられている。ここで、テレビカメラ8としてCCDカメラが採用されている。さらに、被検眼1の近傍において、前眼部観察光学系光軸4を挾む所定位置に、照明光学系47及び撮影光学系48の各光軸10,18の外方から前眼部2を照明するように、赤外線発光ダイオード83,83が配置されている。これらの赤外線発光ダイオード83,83は、前眼部像撮影の際に点灯するようになっている。かかる構成により、赤外線発光ダイオード83,83から発された赤外光は、前眼部2で反射して前眼部観察光学系光軸4を進み、前眼部撮影レンズ75によりテレビカメラ8の受光面84に結像する。このようにして得られた前眼部像により、前眼部観察光学系光軸4の視野に撮影部位が示される。
さらに、前眼部観察光学系光軸4の側方の所定位置に、アライメント指標光として近赤外光を発光する近赤外線発光ダイオード76と、固視標光として可視光を発光する可視光線発光ダイオード77とが、それぞれの光軸が前眼部観察光学系光軸4と同軸となるように配置されている。可視光線発光ダイオード77が発する可視光は、近赤外光反射可視光透過ミラー80を通過し、近赤外光と同じくミラー81、集光レンズ82、ハーフミラー73を経て、光軸4を進行し、前眼部2に固視標光として投影される。この固視標光(固視灯)を被検眼1が固視することにより、被検眼1の視軸が前眼部観察光学系光軸4に合わせられる。
一方、近赤外線発光ダイオード76が発する近赤外光は、集光レンズ78、ミラー79、近赤外光反射可視光透過ミラー80、ミラー81、及び集光レンズ82を通って平行光となり、ハーフミラー73の反射面で反射され、前眼部観察光学系光軸4上を進行し、アライメント指標光として前眼部2に投影される。このアライメント指標光の前眼部2での反射光は前眼部観察光学系光軸4上を進行して、テレビカメラ8の受光面84に結像する。これにより得られたアライメント指標光の反射光による像(プルキンエ像)は前眼部2を所定位置に位置合わせするために利用される。
続いて、照明光学系47について説明する。照明光学系47は、前眼部2を被検眼1の視軸に対して斜方向から所定角度で照射する照明系光軸10を有する。照明光学系47は、撮影光学系48のフォーカシング時に前眼部2の照明光源として用いる照明ランプ54と、角膜内皮細胞の拡大写真撮影時に用いるストロボ放電管13とを備えている。ストロボ放電管13は照明系光軸10上の所定位置に設けられ、また、照明ランプ54は照明系光軸10上の赤外反射可視光透過ミラー61を介して照明系光軸10と略直交方向の光軸58上に設けられている。
照明系光軸10上には、ストロボ放電管13側から順に、ストロボ放電管13、集光レンズ59、撮影用スリット絞り60、赤外反射可視光透過ミラー61、及び投影レンズ63が設けられている。撮影用スリット絞り60は、広い視野で撮影できるようにするために所定の稍広巾のスリットを有している。かかる構成により、ストロボ放電管13から出た光は、集光レンズ59で集光されて、撮影用スリット絞り60を通過してスリット状光となり、赤外線反射・可視光透過の赤外反射可視光透過ミラー61を透過して、さらに、投影レンズ63を通過して、可視光のみが前眼部2に照射される。
一方、照明ランプ54から赤外反射可視光透過ミラー61までの光軸58には、照明ランプ54側から、照明ランプ54、集光レンズ55、可視光カットフィルタ56、及び検出用スリット絞り57が設けられている。検出用スリット絞り57は、後述する合焦検知用受光素子30の前面のスリット絞り67に対応した狭い所定巾のスリットを有している。かかる構成により、照明ランプ54から出た光は、集光レンズ55で集光され、可視光カットフィルタ56及び検出用スリット絞り57を通過し、赤外線反射・可視光透過の赤外反射可視光透過ミラー61で反射して照明系光軸10上を進み、さらに、投影レンズ63で集光されて、赤外光のみが前眼部2に照射される。
続いて、撮影光学系48について説明する。撮影光学系48は、照明光学系47の照明系光軸10と、前眼部観察光学系光軸4を挟んで反対側に配置された撮影光学系光軸18を有する。この撮影光学系光軸18は、被検眼位置4aと合焦検知用受光素子30とを結ぶ第一部分18aと、第一部分18a上に設けられた赤外透過可視光反射ミラー66から前眼部観察光学系光軸4上の赤外透過可視光反射ミラー7までの第二部分18bと、前眼部観察光学系光軸4上の赤外透過可視光反射ミラー7とテレビカメラ8の受光面84までの第三部分18cとで構成されて、途中で二度偏向している。
撮影光学系光軸18の第一部分18a上には、被検眼位置4a側から順に、対物レンズ65、第一部分18aに対して所定角度で交叉するように設けられた赤外透過可視光反射ミラー66が配置されている。さらに、第一部分18aを延長した位置に、前眼部2の反射像の長手方向に長いスリット絞り67、及び合焦検知用受光素子30が配置されている。このスリット絞り67は対物レンズ65の結像位置に設けられ、合焦検知用受光素子30は、光学系3の移動に伴ってその前面を移動する角膜内皮反射光(又は角膜上皮反射光)を検知する。
また、撮影光学系光軸18の第二部分18b上には、赤外透過可視光反射ミラー66側から順に、視野絞り69、拡大レンズ70、及び赤外透過可視光反射ミラー7が設けられている。
上記構成の撮影光学系48では、前眼部2に照射された可視光(拡大撮影用スリット状可視光)の反射光による像光束は、撮影光学系光軸18を進み、対物レンズ65を通過し、赤外透過可視光反射ミラー66で反射され、赤外透過可視光反射ミラー66で反射した像光線は第二部分18b上の中間結像部分に位置する視野絞り69及び拡大レンズ70を通って、赤外透過可視光反射ミラー7で反射されて、前眼部観察光学系光軸4上に設けられたテレビカメラ8の受光面84に入射する。このようにして、撮影光学系48では、角膜内皮細胞像が拡大されるので、角膜内皮細胞像を観察並びに拡大写真撮影することができる。
一方、前眼部2に照射された赤外光(合焦検出用スリット状赤外光)の反射光による像光束は、撮影光学系光軸18を進み、対物レンズ65、赤外透過可視光反射ミラー66、スリット絞り67を通過して、合焦検知用受光素子30で検出される。ここで、照明ランプ54の発する光は検出用スリット絞り57により幅が狭められており、さらに、スリット絞り67によりスリット状の内皮反射光と近接する上皮反射光と分離されることから、合焦検知用受光素子30では、位置精度良く確実に角膜内皮反射光を検出して装置の合焦位置(撮影適合位置)を検出することができる。
〔制御系統〕
次に、制御系統について説明する。図1に示すように、角膜内皮細胞撮影装置100は、被検眼1に被検眼位置4aを位置合わせするように光学系ユニット101を動かす移動機構を備えている。この移動機構は、X軸駆動機構38、Y軸駆動機構39、及びZ軸駆動機構44を備え、主に、アライメントと合焦の際に動作する。また、角膜内皮細胞撮影装置100は、光学系ユニット101のXY方向位置制御を行うために、テレビカメラ8、画像信号入出力制御回路31、XY方向位置検出回路34、及びXY方向位置制御回路36を備えている。
テレビカメラ8は、受光した像光を画像信号に変換し、これを画像信号入出力制御回路31に入力する。画像信号入出力制御回路31は、この画像信号をXY方向位置検出回路34に入力する。XY方向位置検出回路34は、Z軸を原点とするX−Y平面上における前眼部観察光学系光軸4の位置と、被検眼1に向けて投射されたアライメント指標光(平行光)によりできたプルキンエ像(点像)の位置とを検出し、これをXY方向位置制御回路36及びZ方向位置制御回路37に入力する。XY方向位置制御回路36は、このX方向及びY方向の偏差に基づいて、光学系ユニット101をそれぞれX方向及びY方向に駆動するX軸駆動機構38及びY軸駆動機構39を制御する。
また、角膜内皮細胞撮影装置100は、光学系ユニット101のZ方向位置制御を行うために、光学系ユニット101のZ方向における移動量を検出するZ方向移動量検出器43、Z方向位置制御回路37、合焦検知用受光素子30、及びスリット光反射検出回路41を備えている。
Z方向移動量検出器43はその検出値をZ方向位置制御回路37に入力する。さらに、合焦検知用受光素子30はその受光量をスリット光反射検出回路41に入力する。スリット光反射検出回路41は、合焦検知用受光素子30の受光量に基づいて光学系3の合焦を検出し、この合焦検出信号をZ方向位置制御回路37及びストロボ発光制御回路42に入力する。Z方向位置制御回路37は、上述の入力された信号等に基づいて、光学系ユニット101をZ方向に駆動するZ軸駆動機構44を制御する。また、ストロボ発光制御回路42は、入力される合焦検出信号に基づいてストロボ放電管13の発光を制御する。
〔画像処理系統〕
次に、画像処理系統について説明する。角膜内皮細胞撮影装置100は、テレビカメラ8からの画像信号を処理するために、画像信号入出力制御回路31、フレームメモリ32、及びパーソナルコンピュータ102を備えている。画像信号入出力制御回路31は入力される画像信号の1フレーム分の画像をフレームメモリ32に書き込んで保存する。そして、この保存した画像をパーソナルコンピュータ102に入力する。
パーソナルコンピュータ102は、CPU等で構成される演算部(図示略)とハードディスク等の主メモリで構成される記憶部(図示略)とを備えている。記憶部には角膜内皮細胞画像の解析プログラムが格納されている。演算部は入力される画像について、この解析プログラムを実行することにより、角膜内皮細胞画像を解析する。
〔揺動系統〕
次に、揺動系統について説明する。角膜内皮細胞撮影装置100は、被検眼を被検者の左右の眼で切り替える際に前眼部観察光学系49の視野を左右へ移動させるために、揺動機構51と、揺動制御回路52と、左右眼切換入力器53とを備えている。ここで、「前眼部観察光学系49の視野」とは、テレビカメラ8による前眼部2の撮像領域をいう。また、前眼部観察光学系49の視野が移動する「左右」とは、被検者の左右の眼(左右の被検眼)の眼幅方向をいう。
揺動機構51は、光学系ユニット101、つまり、光学系3全体を一体的に揺動させることによって、前眼部観察光学系49の視野を被検者の左眼から右眼へ(又はその逆へ)移動させる機構である。ここで、光学系ユニット101、即ち、光学系3は一体的に動くことから、光学系ユニット101の揺動により光学系3の相互の位置関係が変化しないので光学系3に狂いが生じ難く、また、揺動機構51の構造が単純となる。なお、前眼部観察光学系49の視野を被検者の左眼又は右眼に合わせることは、前眼部観察光学系49の視野に検査対象である被検者の左眼又は右眼の前眼部2が入った状態となることを意味している。
上述のように前眼部観察光学系49の視野が被検者の左眼から右眼へ(又はその逆へ)移動すると、光学系3の検査軸(ここでは、前眼部観察光学系光軸4)は、左眼位置にある被検者の左眼を臨む位置から右眼位置にある被検者の右眼を臨む位置へ(又はその逆へ)揺動する。ここで、「臨む」とは、検査軸が被検対象である被検者の左眼又は右眼の前眼部2又はその周囲を通り、前眼部2の前に検査軸がある状態をいう。
左右眼切換入力器53は、光学系ユニット101の状態を、基準姿勢、基準姿勢から左へ揺動した左検眼姿勢(前眼部観察光学系49の視野に被検者の左眼が入っている状態)、及び基準姿勢から右へ揺動した右検眼姿勢(前眼部観察光学系49の視野に被検者の右眼が入っている状態)のいずれかに切り替えるための指令を揺動制御回路52へ入力する入力手段である。これに加え、左右眼切換入力器53に、光学系ユニット101を左右へ所望の角度だけ揺動させる指令を揺動制御回路52へ入力するように構成してもよい。そして、左右眼切換入力器53からの切換指令を受けた揺動制御回路52は、指令内容に応じて揺動機構51を動作させる。
本実施の形態において、光学系ユニット101は、光学系3の検査軸である前眼部観察光学系光軸4上を通り且つY方向を軸方向とする揺動軸50を中心と揺動するように構成されている。このように、揺動機構51は、光学系3の検査軸である前眼部観察光学系光軸4上に揺動中心を有するので、光学系ユニット101を基準姿勢から左右に揺動させる構成とすれば、光学系ユニット101を左右に所望の角度だけ揺動させるための揺動機構51が簡易となり、角膜内皮細胞撮影装置100の構成が簡易となる。
そして、光学系ユニット101の揺動中心は、検査軸である前眼部観察光学系光軸4上において、対物レンズ75を介して被検眼1(被検眼位置4a)と反対側、即ち、テレビカメラ8側に位置していることが望ましい。このように、揺動中心が(被検眼位置4a)から離れるほど光学系ユニット101の揺動角に対する前眼部観察光学系49の視野の移動量が大きくなるので、効率的に前眼部観察光学系49の視野を移動させることができる。
さらに、光学系ユニット101は、揺動軸50を中心として検査軸を含むX−Z平面内で揺動するように構成されていることが望ましい。これにより、光学系ユニット101内に相対位置固定に設けられた検査軸(前眼部観察光学系光軸4)は左右の被検眼の眼幅方向に揺動し、前眼部観察光学系49の視野は左右に移動する。よって、前眼部観察光学系49の視野を被検者の左右眼の間で最短距離で移動させることができ、光学系ユニット101の揺動幅が最も小さくて済み、揺動に必要な時間や動力を抑えることができる。
また、本実施の形態において、揺動機構51上には、光学系ユニット101、Y軸駆動機構39、X軸駆動機構38、及びZ軸駆動機構44が積層状に設けられている。従って、揺動機構51を動作させることにより、光学系ユニット101と移動機構(Y軸駆動機構39、X軸駆動機構38、及びZ軸駆動機構44)とが共に(一体となって)動くこととなる。移動機構が光学系ユニット101とともに動くので、揺動機構51にて光学系ユニット101を揺動させて前眼部観察光学系49の視野を被検者の左眼又は右眼(被検眼)に合わせたのち、移動機構にて被検眼1を被検眼位置4aにアライメントし合焦を行えば、光学系ユニット101の揺動によってアライメント及び合焦動作の駆動軸(X軸、Y軸、及びZ軸)と前眼部観察光学系光軸4との相互関係が変化しないので、アライメント及び合焦動作時の計測が安定し高い精度を維持することができる。
但し、揺動機構51、光学系ユニット101、及び移動機構の位置関係は上記に限定されるものではない。例えば、図5(a)に示すように、光学系ユニット101、X軸駆動機構38とZ軸駆動機構44、Y軸駆動機構39、及び揺動機構51を上から順に配置することができる。また、例えば、図5(b)に示すように、光学系ユニット101、揺動機構51、Y軸駆動機構39、及びX軸駆動機構38とZ軸駆動機構44を上から順に配置することができる。この場合、揺動機構51を動作させることにより、光学系ユニット101は移動機構から独立して動く。或いは、例えば、図5(c)に示すように、光学系ユニット101、X軸駆動機構38とZ軸駆動機構44、揺動機構51、及びY軸駆動機構39を上から順に配置することができる。この場合、揺動機構51を動作させることにより、光学系ユニット101、X軸駆動機構38、及びZ軸駆動機構44が一体となって動くこととなる。
ここで、揺動機構51の具体的構成の一例について説明する。図6は揺動機構の構成を示す図、図7(a)は揺動機構が左検眼姿勢にある状態を示す図、図7(b)は揺動機構が右検眼姿勢にある状態を示す図である。
図6に示すように、揺動機構51は、上下に略平行に設けられた基板20と揺動板21とを備えている。揺動板21にはXYZ基板22が固定され、このXYZ基板22上には、Y軸駆動機構39、X軸駆動機構38、及びZ軸駆動機構44から成る移動機構(図示略)が構築される。基板20には、揺動軸50の軸受26が設けられており、この軸受26に回動自在に枢支された揺動軸50には、揺動板21が嵌入されている。また、基板20には、駆動軸19の軸受28が設けられており、この軸受28に回動自在に枢支された駆動軸19には、基板20の下方において従動プーリ24が固定され、基板20の上方において駆動板19aが固定されている。そして、揺動板21には長孔状のガイド孔21aが穿設されており、このガイド孔21aに駆動板19aに凸設された駆動ピン19bが遊挿されている。
さらに、基板20と揺動板21との間には、基板20に揺動板21を相対移動可能に支持させるための、支持機構27が設けられている。支持機構27は、基板20に固定された直線状のレール27aと、レール27aに摺動自在に支持されるように揺動板21に取り付けられたスライダ27bとにより構成されている。スライダ27bは、揺動板21に設けられた長孔21cに遊挿されたピン27cにより揺動板21の下面に取り付けられている。
基板20の側方には、モータ23が設けられている。このモータ23は、例えば、出力軸23aを所定角度回動させるパルスモータ、或いは、直流モータ等で構成することができる。モータ23の出力軸23aには駆動プーリ23bが固定され、この駆動プーリ23bと従動プーリ24との間には無端状の伝動ベルト25が巻回されている。かかる構成により、モータ23の出力軸23aが正転又は逆転すると、駆動プーリ23bの回動が伝動ベルト25を介して従動プーリ24に伝達され、駆動軸19が回動する。駆動軸19が正方向又は逆方向に回動すると、これに伴って、駆動ピン19bが駆動軸19を中心として正方向又は逆方向に回動する。駆動ピン19bは揺動板21のガイド孔21aに嵌っていることから、駆動ピン19bに揺動板21が連動し、揺動板21が揺動軸50を中心として回動する(図7(a),(b))。そして、揺動板21の回動角度は、揺動板21に設けられた被検出部21bと、被検出部21bを検出するセンサ29とにより検出される。本実施の形態においては、揺動板21に形成された一対の被検出部21b,21bと、これらの被検出部21b,21bに対応する一対のセンサ29,29とが設けられ、二つのセンサ29,29で検出される被検出部21b,21bの数又はその変化で揺動板21の回動角度を検出するように構成されている。
なお、本実施の形態では、角膜内皮細胞撮影装置100に、揺動機構51、揺動制御回路52、及び左右眼切換入力器53を備えて光学系ユニット101を自動的に動かす自動式としているが、例えば、光学系ユニット101にハンドルを備えて検査者が手動で光学系ユニット101を直接的に動かす手動式であってもよい。
〔角膜内皮細胞撮影装置100の角膜内皮撮影動作〕
次に、以上のように構成された角膜内皮細胞撮影装置100の角膜内皮撮影動作の概要を説明する。
被検者の顎が顎台94に載せられ、被検者の額が額当て92に当接させられることによって、被検者の左右眼の位置が被検眼固定具(顎台94と額当て92)により定まる右眼位置と左眼位置にそれぞれ固定される。この状態で、角膜内皮細胞撮影装置100は角膜内皮撮影動作を開始する。まず、左右眼切換入力器53にて被検眼1が被検者の左右眼のいずれか一方に設定されると、揺動機構51により光学系ユニット101が基準姿勢から右検眼姿勢又は左検眼姿勢へ動かされて、前眼部観察光学系49の視野が被検者の左右眼のうち左右眼切換入力器53にて設定された眼に対応する方に合わせられる。このとき、前眼部観察光学系光軸4は、右眼位置又は左眼位置に臨んでいる。
次に、可視光線発光ダイオード77から固視標光が発される。被検眼1がこの固視標光を固視することにより、被検眼1の視軸が固視灯方向に固定される。
続いて、近赤外線発光ダイオード76から近赤外光(アライメント指標光)が発され、赤外線発光ダイオード83,83から赤外光が発される。この近赤外光及び赤外光の被検眼1での反射光は、テレビカメラ8で受光され、これが画像信号として画像信号入出力制御回路31を介してXY方向位置検出回路34に入力される。そして、XY方向位置制御回路36は、XY方向位置検出回路34で検出されたアライメント指標光の反射光の光点のX方向及びY方向の偏差に基づいて、X軸駆動機構38及びY軸駆動機構39を制御し、X−Y平面上においてアライメント指標光の反射光の光点が前眼部観察光学系光軸4上に位置するように、光学系ユニット101をX方向及びY方向に移動させる。これにより、前眼部観察光学系光軸4が被検眼1の視軸と一致する。
一方、Z方向位置制御回路37は、アライメント指標光の反射光の光点のX方向及びY方向の偏差に基づいて、光点が所定範囲内に入ると、Z方向移動量検出器43からの入力に基づくフィードバック制御によってZ軸駆動機構44を制御して、光学系ユニット101をZ方向に移動(前進)させる。このとき、照明ランプ54からの赤外光が被検眼1に照射されている。光学系ユニット101のZ方向への前進により、やがて被検眼1の角膜内皮が被検眼位置4aに位置すると、被検眼1の角膜内皮からの反射光を合焦検知用受光素子30が検知する。すると、スリット光反射検出回路41は合焦を検知して、この合焦検知信号をZ方向位置制御回路37及びストロボ発光制御回路42に入力する。この合焦検知信号を受けたZ方向位置制御回路37は、光学系ユニット101の前進を停止する。これにより、合焦が行われ、被検眼位置4aが被検眼1の角膜内皮に位置合わせされる。
ここで、ストロボ発光制御回路42は、ストロボ放電管13を発光させる。すると、ストロボ放電管13からの可視光が前眼部2に入射し、この反射光がテレビカメラ8に受光され、画像信号に変換されて、画像信号入出力制御回路31に入力され、フレームメモリ32に書き込まれて保存される。これにより、被検眼1の角膜内皮細胞画像が撮像される。そして、この角膜内皮細胞画像が画像信号入出力制御回路31によってパーソナルコンピュータ102に入力されてその記憶部に取り込まれ、さらに、その演算部によって、取り込まれた角膜内皮細胞画像が読み出されてその解析が行われる。
〔角膜内皮撮影動作時の光学系ユニット101の動き〕
ここで、角膜内皮撮影動作時の光学系ユニット101の動きについて説明する。図8は基準姿勢にある光学系ユニットの平面図、図9は右検眼姿勢にある光学系ユニットの平面図、図10は右検眼姿勢にあるアライメント後の光学系ユニットの平面図、図11は左検眼姿勢にある光学系ユニットの平面図、図12は光学系ユニットが揺動する場合と平行移動する場合との光学系ユニットの必要移動量を比較する図、図13は眼の構造を示す平面断面図である。
図8に示すように、基準姿勢にある光学系ユニット101は、平面視において撮影装置本体103の略中央(ここでは、右眼位置と左眼位置との中間)を検査軸105が通るように配置されている。ここで「検査軸105」とは、光学系3の基準となる光軸であり、本実施の形態では、前眼部観察光学系光軸4のことである。
基準姿勢にある光学系ユニット101の検査軸105と、揺動軸50の軸芯の延長線とが交叉する位置に、光学系ユニット101の揺動中心50gが設定されている。従って、光学系ユニット101は検査軸105を含む平面で揺動することとなる。ここで、揺動軸50はY軸と略平行であるので、光学系ユニット101は揺動中心50gを中心としてX−Z平面上を揺動する。
揺動機構51は、この揺動中心50gを中心として、光学系ユニット101を基準姿勢から左右にθずつ回動(揺動)させるように構成されている。揺動機構51は光学系ユニット101を基準姿勢(図8)から揺動中心50gを中心として右にθだけ回動させて、前眼部観察光学系49の視野を被検者の右眼に合わせる(図9)。なお、光学系ユニット101が基準姿勢から揺動中心50gを中心として右にθだけ回動した状態で前眼部観察光学系49の視野に右眼位置にある被検眼が入っていない場合は、光学系ユニット101をさらに左右に適宜揺動させることによって、前眼部観察光学系49の視野に右眼位置にある被検眼が入るように調整する。なお、この操作は揺動機構51ではなく移動機構(例えば、X軸駆動機構38)を用いて行っても良い。この状態で、前眼部観察光学系49の視野に右眼位置にある被検眼が入り、この被検眼は検査軸105に臨んでいるが、被検眼位置4aとアライメント及び合焦していない。続いて、移動機構にて被検眼位置4aを右眼位置にある被検眼にアライメント及び合焦させる(図10)。これにより、右眼位置にある被検眼を検査軸105が通った状態となる。
このとき、検査軸105は被検眼の眼軸に対して被検者の内側に傾いている。なお、被検者の左右の眼の自然な視線(視軸)は一般に平行ではなく、それぞれ約6度内側に向いているといわれており、左右の眼福を65mmと仮定すれば、両眼で約300mm先の一点を見ている関係となる。眼軸とは、角膜と水晶の中心を通る線であり、視軸とは、視線である。従って、検査時に、固視標光(固視灯)などにより被検眼の視線を誘導して検査軸と視線(視軸)との関係を保持するが、検査軸105が被検眼の眼軸に対して被検者の内側に傾いていることによって、被検眼により自然な固視を促すことができる。
被検者の右眼の検眼を終えたあと、光学系ユニット101は一旦、右検眼姿勢(図9)に戻る。そして、被検眼を被検者の左眼に切り替えるときには、揺動機構51にて、揺動中心50gを中心として光学系ユニット101を左に2θだけ回動させて、前眼部観察光学系49の視野を被検者の左眼に合わせる(図11)。なお、光学系ユニット101が右眼検眼姿勢から揺動中心50gを中心として左に2θだけ回動した状態で前眼部観察光学系49の視野に左眼位置にある被検眼が入っていない場合は、光学系ユニット101をさらに左右に適宜揺動させることによって、前眼部観察光学系49の視野に左眼位置にある被検眼が入るように調整する。このとき、前眼部観察光学系49の視野に左眼位置にある被検眼が入り、この被検眼は検査軸105に臨んでいるが、被検眼位置4aとアライメント及び合焦していない。そして、移動機構にて左眼位置にある被検眼に被検眼位置4aをアライメント及び合焦させる。これにより、左眼位置にある被検眼を検査軸105が通った状態となる。
このとき、検査軸105は被検眼の眼軸に対して被検者の内側に傾いている。ところで、被検者の左右の眼は通常連動して移動する。従って、被検者の右眼(被検眼)を検査軸105に固視させた状態で、被検眼を被検者の右眼から左眼に切り替えると、被検者の左眼の視線は殆ど動かす必要がない。よって、被検眼の固視が容易となる。
ところで、図13に示すように、一般に、人間の眼の眼軸と視軸のなす角はα角と呼ばれており、α角はおおよそ5〜7°の範囲であると言われている。このことから、前眼部観察光学系49の視野を左又は右の被検眼へ向けて移動した後の状態で、前眼部観察光学系光軸4が被検眼の眼軸に対して5〜7°の傾きを有していることが望ましい。これにより、被検眼を固視標光の方向へ固視させる場合に、固視標光の方向、即ち、検査軸105(前眼部観察光学系光軸4)と被検眼の視線方向とが合致し、より自然に被検眼を固視標光に向けて固視させることができる。
なお、前眼部観察光学系49の視野を被検者の左眼又は右眼に合わせた状態で前眼部観察光学系光軸4が被検眼の眼軸に対して5〜7°傾くようにするために、光学系ユニット101が基準姿勢(図8)から右検眼姿勢(図9)又は左検眼姿勢(図11)への揺動(回動)角度θは、被検者の眼幅、被検眼位置4aから揺動中心50gまでの距離、前眼部観察光学系49の視野の大きさ等により適宜定めることが望ましい。例えば、前眼部観察光学系49の被検眼位置4aでの実視野幅が20mmで、被検眼位置4aが揺動中心50gから280mmの位置である場合、揺動角度θを6.5°で切り換えると、眼幅が53.8〜73.8mmの範囲にある被検眼を前眼部観察光学系49の視野に入れることが可能となる。このように設計すれば、標準眼幅58〜72mmの成人のみならず、標準眼幅54mmの6歳児まで、十分に対応することができる。
上述の通り、本発明に係る眼科装置(角膜内皮細胞撮影装置100)では、被検眼を被検者の左右の眼で切り替える際に、光学系ユニット101を一体的に揺動させることにより、前眼部観察光学系49の視野を被検者の右眼が入る位置から左眼が入る位置へ(又はその逆へ)移動させる。このとき、光学系の検査軸105は、右眼位置を臨む位置から左眼位置を臨む位置へ(又はその逆へ)揺動する。なお、本発明に係る眼科装置は、被検眼1付近の一点を中心として光学系ユニット101を揺動操作するような装置(例えば、スリットランプや眼底カメラなど)とは、前眼部観察光学系49の視野を移動させる点で大きく異なる。
このように、光学系ユニット101を揺動させることで前眼部観察光学系49の視野を左右に移動させる構成とすることで、光学系ユニット101を左右に直線的に移動させる場合と比較して、撮影装置本体103をコンパクトに構成することができる。図12は光学系ユニットが揺動する場合と平行移動する場合との光学系ユニットの必要移動量を比較する図である。被検眼を被検者の左右の眼で切り替えるために、図12(a)に示すように、光学系ユニット101を揺動させる場合は、揺動による前眼部観察光学系光軸4の対物レンズの移動幅は左眼位置から右眼位置までの距離(眼幅)よりも小さいのに対し、図12(b)に示すように、光学系ユニット101を平行移動させる場合は、前眼部観察光学系光軸4の対物レンズの移動幅は左眼位置から右眼位置までの距離(眼幅)と等しい。よって、揺動する光学系ユニット101の必要移動量W1と、平行移動する光学系ユニット101の必要移動量W2とを比較すると、明らかに、後者が大きい。
特に、角膜の鏡面反射を検出する光学系を持つ装置では、被検眼の斜め前方より被検眼に向けて指標光等の投射を行い、角膜によるその反射光を反対側の斜め前方より受光するような構成となっているのが一般的である。このように斜めに開いた光学系は、被検眼の瞼を迂回する目的から、上下方向よりも左右方向に展開された構成とすることが一般的である。この結果、被検眼側に向かって装置の左右幅が窄まるような構造(例えば図8に示すような形状を有する筐体106)が採用されることが多く、光学系ユニット101を揺動させる構成とすることは、検眼装置全体の占める横幅(被検者の眼福方向の大きさ)を小型化させるためにより優位となる。
本発明に係る眼科装置は、例えば、角膜内皮細胞撮影装置、眼屈折測定機器(レフラクトメーター)、眼圧測定機器(トノメーター)などの左右眼を検査する眼科装置に広く適用させることができる。
本発明の実施の形態に係る角膜内皮細胞撮影装置の構成を示す機能ブロック図である。 撮影装置本体の外観斜視図である。 撮影装置本体内部の概略構成を示す側面図である。 角膜内皮細胞撮影装置の撮影系の光路図である。 光学系ユニットとXYZ軸駆動機構と揺動機構の位置関係の変形例を示す図である。 揺動機構の構成を示す図である。 (a)揺動機構が左検眼姿勢にある状態を示す図、(b)揺動機構が右検眼姿勢にある状態を示す図である。 基準姿勢にある光学系ユニットの平面図である。 右検眼姿勢にある光学系ユニットの平面図である。 右検眼姿勢にあるアライメント後の光学系ユニットの平面図である。 左検眼姿勢にある光学系ユニットの平面図である。 光学系ユニットが揺動する場合と平行移動する場合との光学系ユニットの必要移動量を比較する図である。 眼の構造を示す平面断面図である。
符号の説明
100 角膜内皮細胞撮影装置(眼科装置)
101 光学系ユニット
102 パーソナルコンピュータ
103 撮影装置本体
105 検査軸
106 筐体
1 被検眼
2 前眼部
3 光学系
4 前眼部観察光学系光軸
4a 被検眼位置
7 赤外透過可視光反射ミラー
8 テレビカメラ
10 照明系光軸
13 ストロボ放電管
18 撮影光学系光軸
30 合焦検知用受光素子
38 X軸駆動機構
39 Y軸駆動機構
44 Z軸駆動機構
47 照明光学系
48 撮影光学系
49 前眼部観察光学系
50 揺動軸
50g 揺動中心
51 揺動機構
52 揺動制御回路
53 左右眼切換入力器
54 照明ランプ
76 近赤外線発光ダイオード
77 可視光線発光ダイオード
83 赤外線発光ダイオード
84 受光面
91 カバー

Claims (5)

  1. 被検眼の正面方向から前眼部を観察する前眼部観察光学系、前記被検眼に検眼光を投射する照明光学系、及び前記被検眼で反射された前記検眼光を受光する撮影光学系を一体的に具備する光学系ユニットと、
    前記光学系ユニットの全体を揺動させることにより前記前眼部観察光学系の視野を左右に移動させる揺動機構とを、備え
    前記揺動機構は、前記光学系ユニットの全体を揺動させることにより前記前眼部観察光学系の視野を左右の被検眼へ向けて移動させるように構成されている、眼科装置。
  2. 前記前眼部観察光学系の光軸は、前記前眼部観察光学系の視野を左又は右の被検眼へ向けて移動した後の状態で、被検眼の眼軸に対して内側へ5〜7°の傾きを有する、
    請求項に記載の眼科装置。
  3. 前記揺動機構は、前記前眼部観察光学系の光軸上に、その揺動中心を有する、
    請求項1または2に記載の眼科装置。
  4. 前記揺動機構は、前記前眼部観察光学系の光軸上であって前記前眼部観察光学系の対物レンズに対して被検眼と反対側に、その揺動中心を有する、
    請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の眼科装置。
  5. 前記揺動機構により前記光学系ユニットとともに動き、且つ、前記前眼部観察光学系の光軸と前記被検眼とを位置合わせするように前記光学系ユニットを移動させる移動機構を、更に備える、
    請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の眼科装置。
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