JP5252108B1 - 露光装置、画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】筐体の成形時に筐体に生じる反りに起因する露光装置の露光不良を抑制する露光装置、及び画像形成装置を得る。
【解決手段】突起82においては、液晶ポリマーを構成している分子は、ドラム軸方向に対してレンズ軸方向に傾斜する方向に沿って配列されている。突起88においては、液晶ポリマーを構成している分子が、ドラム軸方向に対してレンズ軸方向に傾斜する方向に沿って配列される。このため、筐体58には、軸直交方向から見て、一方側に凸となるように反る力と、他方側に凸となるように反る力とが作用する。このため、一方の力が他方の力を弱めるため、筐体58が軸直交方向から見て反るのが抑制される。そして、筐体58の反りに起因するプリントヘッド20の露光不良が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光装置及び画像形成装置に関する。
特許文献1に記載の露光装置は、レンズアレイ(光学部材)と、発光素子が実装された基板と、レンズアレイ及び基板が取り付けられる筐体と、を備えている。
特開2012−051250号公報
本発明の課題は、筐体の成形時に筐体に生じる反りに起因する露光装置の露光不良を抑制することである。
本発明の請求項1に係る露光装置は、発光素子が実装される基板と、 該発光素子からの光を結像させる光学部材と、 成形の際には一方向に液晶ポリマーが流れることで形成されると共に液晶ポリマーを構成している分子が一方向に沿って配列することで形成される本体部と、該本体部から突出して該基板を固定すると共に液晶ポリマーを構成している分子が該一方向に対して前記光学部材の光軸方向に傾斜する方向に沿って配列することで形成される第一突出部と、該本体部から該第一突出部とは反対方向に突出して該光学部材を固定すると共に液晶ポリマーを構成している分子が該一方向に対して前記光学部材の光軸方向に傾斜する方向に沿って配列することで形成される第二突出部と、を備える筐体と、を備え、前記第一突出部における前記一方向とは直交する方向の幅寸法と、前記第二突出部における前記一方向とは直交する方向の幅寸法は同等とされており、これらの幅寸法が、前記本体部における前記一方向とは直交する方向の幅寸法よりも小さくされることで前記筐体の反りが抑制されることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、像保持体と、該像保持体を露光して静電潜像を形成する請求項1に記載の露光装置と、該露光装置が形成した該像保持体の静電潜像を現像する現像装置と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項1の露光装置によれば、成形の際には成形用のランナーから液晶ポリマーが直接流れ込むことで第二突出部が形成されるものと比して、筐体の成形時に筐体に生じる反りに起因する露光装置の露光不良を抑制することができる。
本発明の請求項2の露光装置によれば、成形の際には複数のゲートから多方向に液晶ポリマーが流れることで本体部が形成される場合と比して、筐体の成形時に筐体に生じる変形に起因する露光装置の露光不良を抑制することができる。
本発明の請求項3の露光装置によれば、液晶ポリマーを構成している分子が一方向に沿って配列することで第二突出部が形成される場合と比して、筐体の成形時に筐体に生じる反りに起因する露光装置の露光不良を抑制することができる。
本発明の請求項4の画像形成装置によれば、請求項1〜3の何れか1項に記載の露光装置を備えていない場合と比して、露光装置の反りに起因する出力画像の品質劣化を抑制することができる。
(A)(B)本実施形態に係るプリントヘッドの筐体及びプリントヘッドを示し、ドラム軸方向に対して直交する方向に切断した断面図である。 (A)(B)本実施形態に係るプリントヘッドの筐体及びプリントヘッドを示し、軸直交方向に対して直交する方向に切断した断面図である。 本実施形態に係るプリントヘッドの筐体において、成形の際の樹脂流れ方向を説明するのにもちいた樹脂流れ図である。 本実施形態に係るプリントヘッドを示した拡大平面図である。 本実施形態に係るプリントヘッドを示した分解斜視図である。 本実施形態に係る画像形成装置を示した分解斜視図である。 (A)(B)(C)本実施形態に係るプリントヘッドの筐体に対して比較形態に係る筐体の断面図、樹脂流れ図、及び側面図である。
本発明の実施形態に係る露光装置及び画像形成装置の一例について図1〜図7に従って説明する。なお、図中に示す矢印UPは鉛直方向上方を示す。
(全体構成)
図6に示されるように、画像形成装置10の装置本体10Aには、転写ユニット32を構成すると共に、複数のローラ12に張架され、モータ(図示省略)の駆動により矢印A方向に搬送される無端ベルト状の中間転写体ベルト14が設けられている。
この画像形成装置10は、カラー画像の形成に対応しており、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応するトナー画像を形成する画像形成ユニット28Y、28M、28C、28Kが、中間転写体ベルト14の長手方向に沿って配置され、装置本体10Aに脱着可能に支持されている。
なお、各色に設けられた部材については、符号の末尾に各々の色を示すアルファベット(Y/M/C/K)を付与して示すが、特に色を区別せずに説明する場合は、この末尾のアルファベットを省略して説明する。
〔画像形成ユニット〕
画像形成ユニット28は、図示しないモータ及びギアからなる駆動手段によって時計方向へ回転する像保持体の一例としての感光体ドラム16を備えている。さらに、感光体ドラム16の周面には、感光体ドラム16の表面を所定の電位に一様に帯電させる帯電ローラ18が配置されている。詳細には、帯電ローラ18は、導電性のローラであり、その周面が感光体ドラム16の周面に接触しており、帯電ローラ18の軸線方向と感光体ドラム16の軸線方向とが平行となるように配置されている。
また、感光体ドラム16の回転方向において帯電ローラ18よりも下流側の周面には、感光体ドラム16上に光を照射して静電潜像を形成する露光装置の一例としてのLEDプリントヘッド20(以下単に「プリントヘッド20」と記載する)が感光体ドラム16の軸方向に延びている。このプリントヘッド20は、画像データに応じて光ビームを感光体ドラム16に照射することにより、感光体ドラム16上に静電潜像を形成するようになっている。なお、プリントヘッド20については詳細を後述する。
さらに、各感光体ドラム16の回転方向においてプリントヘッド20よりも下流側の周面には、感光体ドラム16上に形成された静電潜像を所定色(イエロー/マゼンタ/シアン/ブラック)のトナーによって現像してトナー画像を形成させる現像装置の一例としての現像器22が配置されている。
現像器22は、感光体ドラム16に近接して配置され、回転可能に設けられた円筒状の現像ローラ24を有している。現像ローラ24には、現像バイアスが印加され、現像器22内に装填されたトナーが現像ローラ24に付着するようになっている。さらに、現像ローラ24の回転により、現像ローラ24に付着したトナーが感光体ドラム16の表面に搬送され、感光体ドラム16上に形成された静電潜像がドナー画像として現像されるようになっている。
また、感光体ドラム16の回転方向において後述する転写ローラ30よりも下流側の周面には、感光体ドラム16上の残留トナーを回収するクリーニングブレード26が配置されている。クリーニングブレード26は、一辺が感光体ドラム16と接触するように配設されており、転写ローラ30によって中間転写体ベルト14に転写されずに感光体ドラム16上に残留したトナーや、転写時に感光体ドラム16上に付着してしまった他の色のトナー等を削ぎとって回収するようになっている。
〔転写ユニット〕
各感光体ドラム16の回転方向において現像器22よりも下流側の周面には、転写ユニット32を構成する転写ローラ30が、中間転写体ベルト14を挟んで感光体ドラム16の反対側に配置されている。
転写ローラ30は、所定の電位に帯電されて反時計方向に回転して中間転写体ベルト14を所定の速度で搬送し、中間転写体ベルト14を感光体ドラム16に押し付ける。これにより、転写ローラ30が、感光体ドラム16上のトナー画像を中間転写体ベルト14上に転写させるようになっている。
ここで、各画像形成ユニット28により形成された互いに異なる色のトナー画像は、中間転写体ベルト14のベルト面上に、互いに重なり合うように転写される。これにより、中間転写体ベルト14上にカラーのトナー画像が形成される。なお、本実施形態では、このようにして4色のトナー画像が重ねて転写されたトナー画像を「最終トナー画像」と称する。
これに対して、中間転写体ベルト14の搬送方向において各色の感光体ドラム16よりも下流側には、対向する2つのローラ34A、34Bを含んで構成される転写装置34が配置されている。そして、画像形成装置10の底部に設けられた用紙トレイ36から取り出されて、このローラ34A、34Bの間に搬送されてきたシート部材Pに、中間転写体ベルト14上に形成された最終トナー画像が転写されるようになっている。
一方、中間転写体ベルト14の搬送方向において転写装置34よりも下流側には、転写装置34によってシート部材Pに転写されずに中間転写体ベルト14上に残留したトナーを回収するクリーナ42が設けられている。クリーナ42には、中間転写体ベルト14に接するようにブレード44が備えられており、残留したトナーを擦り取ることによって回収するようになっている。
〔定着ユニット〕
また、最終トナー画像が転写されたシート部材Pの搬送経路には、定着ユニット38が設けられている。そして、定着ユニット38は、加熱ローラ40Aと加圧ローラ40Bとを含んで構成される定着装置40を備えている。定着装置40に搬送されたシート部材Pは、加熱ローラ40Aと加圧ローラ40Bとによって挟持搬送されることにより、シート部材P上のトナーが、溶融すると共にシート部材Pに圧着されてシート部材Pに定着されるようになっている。
(全体構成の作用)
この画像形成装置10では、次のようにして画像が形成される。
先ず、帯電ローラ18が、感光体ドラム16の表面を予定の帯電部電位で一様にマイナス帯電する。さらに、帯電された感光体ドラム16上の画像部分が予定の露光部電位になるようにプリントヘッド20で露光を行ない感光体ドラム16上に静電潜像が形成される。
そして、回転する感光体ドラム16上の静電潜像が現像器22に備えられた現像ローラ24を通過すると、現像剤のトナーが静電潜像へ付着し、静電潜像はトナー画像として可視化される。
可視化された各色のトナー画像は、転写ローラ30の静電気力で中間転写体ベルト14へ順次転写され、中間転写体ベルト14上にカラーの最終トナー画像が形成される。
この最終トナー画像は転写装置34に設けられたローラ34A、34Bの間に送り込まれる。そして、この最終トナー画像は、用紙トレイ36から取り出されてローラ34A、34Bの間に搬送されてきたシート部材Pに転写される。
さらに、シート部材Pへ転写されたトナー画像は定着装置40でシート部材Pに定着され、シート部材Pは装置外へ排出される。
(要部構成)
次に、プリントヘッド20について説明する。
プリントヘッド20は、一方向に延びて長尺形状とされている。そして、プリントヘッド20は、装置本体10Aに取り付けられた状態で、感光体ドラム16(図6参照)の回転軸方向(各図に示す矢印D方向:以下単に「ドラム軸方向」と記載する)に沿って延びるように配置されている。
そして、プリントヘッド20は、図5に示されるように、発光素子の一例としての発光ダイオードアレイ62(LEDアレイ)が実装される基板の一例としてのプリント配線基板52を備えている。さらに、プリントヘッド20は、この発光ダイオードアレイ62の発光点(LED)が発光した光が透過する円柱状のロッドレンズ54が複数形成された光学部材の一例としてのレンズアレイ56と、プリント配線基板52及びレンズアレイ56を固定する筐体58と、を備えている。
なお、以下の説明で方向を記載する場合は、プリントヘッド20が装置本体10Aに取り付けられた状態での方向を記載する。
〔プリント配線基板〕
プリント配線基板52は、ドラム軸方向に延びている。そして、プリント配線基板52の一方の面には、図1(B)、図5に示されるように、複数(例えば、128個)の発光ダイオード(LED)が直線状に設けられた発光ダイオードアレイ62が千鳥状に複数実装されている。これに対して、プリント配線基板52の他方の面には、発光ダイオードアレイ62を制御する電子部品64が実装されている。
〔レンズアレイ〕
レンズアレイ56は、ドラム軸方向に延びる直方体形状とされ、このレンズアレイ56には、発光ダイオードアレイ62の発光点から出射された光が透過する複数個のロッドレンズ54が千鳥状に配置されている。これにより、発光ダイオードアレイ62の発光点から出射されてロッドレンズ54を透過した光は、感光体ドラム16(対象物の一例)に結像するようになっている。
〔筐体〕
筐体58は、ドラム軸方向に延び、液晶ポリマーを材料として射出成形によって形成されている。さらに、ドラム軸方向に対して交差する筐体58の断面は、図1(A)に示されるように、筐体58の重心Gを通って、ロッドレンズ54の光軸方向(各図に示す矢印E方向:以下単に「レンズ軸方向」と記載する)に延びる線Jに対して、対称とされている。
また、筐体58は、図1(A)(B)に示されるように、プリント配線基板52を固定する基板固定部72と、レンズアレイ56を固定するレンズ固定部74と、レンズ軸方向において基板固定部72とレンズ固定部74との間に配置される本体部70と、を備えている。
そして、筐体58にレンズアレイ56及びプリント配線基板52が固定された状態で、図1(B)に示されるように、レンズアレイ56のロッドレンズ54と、プリント配線基板52の一方の面に実装された発光ダイオードアレイ62とが、レンズ軸方向で対向するようになっている。
[本体部]
本体部70は、図1(A)、図5に示されるように、ドラム軸方向に延び、ドラム軸方向に対して交差する本体部70の断面は、レンズ固定部74側が基板固定部72側に対して幅狭とされた台形形状とされている。
さらに、本体部70には、図1(A)(B)に示されるように、発光ダイオードアレイ62からロッドレンズ54に向けて出射された光が通過すると共にドラム軸方向に長い貫通孔76が形成されている。
また、本体部70において、貫通孔76における基板固定部72側の開口縁76Aを囲むように形成された端面70Aは、プリント配線基板52の外周側の板面と接触するようになっている。
さらに、本体部70のドラム軸方向の一端側は、射出成形によって筐体58を形成する際に図示しない金型の空洞部分(キャビティ)に溶融した樹脂材料(液晶ポリマー)が流れ込むゲート部78とされている。
この構成において、射出成形の際には、溶融された液晶ポリマーは、ランナー84及びゲートを通過して、本体部70を形成するための金型の空洞部分100(図3参照)にドラム軸方向(一方向の一例)に沿って流れ込むようになっている(図3の矢印参照)。
[基板固定部]
基板固定部72は、ドラム軸方向に延びる枠体とされ、基板固定部72には、プリント配線基板52が配置されると共に貫通孔76と繋がる空洞部72A(図1(A)、図2(A)参照)が形成されている。この空洞部72Aは、ドラム軸方向及びレンズ軸方向に対して直交する直交方向(各図に示す矢印F方向:以下単に「軸直交方向」と記載する)と、レンズ軸方向とから後述する突起80及び突起82によって囲まれることで形成されている。
詳細には、基板固定部72は、図2(A)に示されるように、本体部70のドラム軸方向の両端部側からレンズ軸方向(図中下方向)に夫々突出する突起80を備えている(図2では片側だけを示す)。さらに、基板固定部72は、図1(A)に示されるように、本体部70の軸直交方向の両端部側からレンズ軸方向(図中下方向)に夫々突出する第一突出部の一例としての突起82を備えている。そして、夫々の突起82のドラム軸方向の両端部は、夫々の突起80(図2参照)の軸直交方向の両端部と連結されている。
また、この突起82における軸直交方向の幅寸法(図中H寸法)は、突起82の基端側の本体部70における軸直交方向の幅寸法(図中J寸法)より小さくされている。そして、この突起82と、本体部70との段差が、前述した端面70Aとされている。
この構成において、射出成形の際には、本体部70を形成するための金型の空洞部分100にドラム軸方向に沿って流れ込んだ液晶ポリマーが、突起82を形成するための金型の空洞部分102(図3参照)に流れ込むようになっている(図3の矢印参照)。
[レンズ固定部]
レンズ固定部74は、ドラム軸方向に延びる枠体とされ、レンズ固定部74には、レンズ軸方向が開放されると共にレンズアレイ56が配置される溝部74Aが形成されている。
詳細には、レンズ固定部74は、図2(A)に示されるように、本体部70のドラム軸方向の両端部側からレンズ軸方向(図中上方向)に夫々突出する突起86を備えている(図2では片側だけを記載する)。さらに、レンズ固定部74は、図1(A)に示されるように、溝部74Aを形成するように本体部70からレンズ軸方向(図中上方向)に夫々突出する第二突出部の一例としての突起88を備えている。そして、夫々の突起88のドラム軸方向の両端部は、夫々の突起86(図2参照)の軸直交方向の両端部と連結されている。
また、この突起88における軸直交方向の幅寸法(図中K寸法)は、突起88の基端側の本体部70における軸直交方向の幅寸法(図中L寸法)より小さくされている。なお、本実施形態では、K寸法と前述したH寸法とは同等とされている。
この構成において、射出成形の際には、本体部70を形成するための金型の空洞部分100にドラム軸方向に沿って流れ込んだ液晶ポリマーが、突起88を形成するための金型の空洞部分104(図3参照)に流れ込むようになっている(図3の矢印参照)。
一方、筐体58に取り付けられたレンズアレイ56のドラム軸方向の端部と、突起86とは、図2(B)、図4に示されるように、ドラム軸方向において離間しており、離間部位92が形成される(図2、図4においては片側だけを示す)。この離間部位92は、レンズ軸方向から見て、ドラム軸方向に延びる矩形状とされている。そして、筐体58とレンズアレイ56との隙間を封止する封止材94を塗布する際に用いられるノズル(図示省略)の先端部が、この離間部位92に挿入されるようになっている。なお、封止材94の塗布位置については、後述する要部構成の作用と共に説明する。
(要部構成の作用)
次に、筐体58に、レンズアレイ56及びプリント配線基板52を取り付ける工程(取付作業)、及び射出成形によって筐体58が形成される工程(成形作業)について説明する。なお、取付作業を説明した後に、成形作業について説明する。
[取付作業]
先ず、レンズアレイ56が一対の突起88に挟まれるように、筐体58に対してレンズアレイ56をレンズ軸方向に移動させる(図1、図2参照)。そして、レンズアレイ56が突起88に挟まれた状態で、図示せぬ固定部材を用いてレンズアレイ56を突起88に固定する(レンズ取付工程)。
次に、封止材94を塗布するためのノズル(図示省略)の先端部を一方の離間部位92に挿入し、封止材94をノズルから吐出させる。これにより、レンズアレイ56の一方の端部と筐体58とが封止される。封止材94の吐出が安定してから、ノズルの先端部をレンズアレイ56の側面と一方の突起88との境界に沿って他方の離間部位92に向けて移動させる。これにより、封止材94が塗布されたレンズアレイ56の側面と一方の突起88との間が封止される。
また、他方の離間部位92に到達したノズルから吐出する封止材94により、レンズアレイ56の他方の端部と筐体58とが封止される。さらに、ノズルの先端部をレンズアレイ56の側面と他方の突起88との境界に沿って一方の離間部位92に向けて移動させる。これにより、封止材94が塗布されたレンズアレイ56の側面と他方の突起88との間が封止される。このように、レンズアレイ56の全周と筐体58とが封止材94によって封止される(封止工程1)。
次に、プリント配線基板52の外周側の板面と端面70Aとが接触するように、筐体58に対してプリント配線基板52をレンズ軸方向に移動させる(図1(B)、図2(B)参照)。プリント配線基板52と端面70Aとが接触した状態で、図示せぬ固定部材を用いてプリント配線基板52を突起82に固定する(基板取付工程)。
次に、封止材94を塗布するためのノズル(図示省略)の先端部を移動させて筐体58とプリント配線基板52に跨って封止材94を塗布する(封止工程2)。
このように、レンズアレイ56及びプリント配線基板52が筐体58に取り付けられる。 [成形作業]
筐体58を射出成形にて形成する際には、溶融された液晶ポリマーが、ランナー84及びゲート部78(図2(A)参照)を通過して、図3に示されるように、本体部70を形成するための金型の空洞部分100にドラム軸方向に沿って流れ込む(図中矢印参照)。これにより、空洞部分100に充填された液晶ポリマーを構成している分子は、ドラム軸方向に沿って配列する(分子配向)。
さらに、ドラム軸方向に沿って空洞部分100に流れ込んだ液晶ポリマーが、突起82を形成するための金型の空洞部分102に流れ込む(図中矢印参照)。これにより、空洞部分102に充填された液晶ポリマーを構成している分子は、ドラム軸方向に対してレンズ軸方向に傾斜する方向に沿って配列する(分子配向)。
同様に、ドラム軸方向に沿って空洞部分100に流れ込んだ液晶ポリマーが、突起88を形成するための金型の空洞部分104に流れ込む(図中矢印参照)。これにより、空洞部分104に充填された液晶ポリマーを構成している分子は、ドラム軸方向に対してレンズ軸方向に傾斜する方向に沿って配列する(分子配向)。
さらに、空洞部分100に流れ込んだ液晶ポリマーが、突起80及び突起86を形成するための金型の空洞部分(図示省略)に流れ込み充填される。
そして、金型に液晶ポリマーが充填された後、液晶ポリマーが冷却され、溶融した液晶ポリマーが固化する。さらに、金型から充填され固化した液晶ポリマー(筐体58)を脱型することで、筐体58が得られる。 ここで、通常、筐体58を脱型する際に、筐体58には、成形収縮(金型から筐体58を取り出し、室温まで冷却する際に筐体58に生じる収縮)が生じる。この成形収縮により、従来は、筐体58が、軸直交方向から見て反っていた。
しかし、本発明においては、以下のようにして反りを抑制している。
つまり、前述したように、本体部70においては、液晶ポリマーを構成している分子は、ドラム軸方向に沿って配列されている(図3参照)。このため、本体部70におけるドラム軸方向の収縮量は、分子がレンズ軸方向に沿って配列されている場合と比して、小さい。
一方、突起82においては、液晶ポリマーを構成している分子は、ドラム軸方向に対してレンズ軸方向に傾斜する方向に沿って配列されている(図3参照)。このため、突起82におけるドラム軸方向の収縮量は、分子がドラム軸方向に沿って配列されている場合と比して、大きい。このため、筐体58には、軸直交方向から見て一方側(図3の上側)に凸となるように反る力が生じる。
これに対して、突起88においては、液晶ポリマーを構成している分子は、突起82と同様に、ドラム軸方向に対してレンズ軸方向に傾斜する方向に沿って配列されている(図3参照)。このため、突起88におけるドラム軸方向の収縮量は、分子がドラム軸方向に沿って配列されている場合と比して、大きい。このため、筐体58には、軸直交方向から見て他方側(図3の下側)に凸となるように反る力が作用する。
このように、筐体58には、軸直交方向から見て、一方側に凸となるように反る力と、他方側に凸となるように反る力とが作用する。このため、一方の力が他方の力を弱め、筐体58が軸直交方向から見て反るのが抑制される。
なお、分子が配列される方向(配向方向)については、成形後の部材を薄くスライスして、偏光顕微鏡、透過型電子顕微鏡等でスライスした部材を見ることで確認することができる。
ここで、本実施形態に対する比較形態に係る筐体200について説明する。図7(A)には、筐体200の断面が示され、図7(B)には、筐体200を成形する際の金型内の樹脂(液晶ポリマー)の流れが示され、図7(C)には、筐体200の成形後の形状が誇張して示されている。
レンズアレイ56を固定する突起202における軸直交方向の幅寸法(図中N寸法)は、図7(A)に示されるように、突起202の基端側の本体部204における軸直交方向の幅寸法(図中P寸法)に対して少しだけ小さくされている。つまり、寸法Nの寸法Pに対する比率は、図1に示す寸法Kの寸法Lに対する比率より大きくなっている。なお、筐体200の他の形状については、本実施形態に係る筐体58と同様の形状とされている。
筐体200を成形する際には、溶融された液晶ポリマーが、ランナー84及びゲート(図2(A)参照)を通過して、図7(B)に示されるように、本体部204を形成するための金型の空洞部分220にドラム軸方向に沿って流れ込む(図中矢印参照)。これにより、空洞部分220に充填された液晶ポリマーを構成している分子は、ドラム軸方向に沿って配列する。
同様に、溶融された液晶ポリマーは、突起202を形成するための金型の空洞部分222にドラム軸方向に沿って流れ込む(図中矢印参照)。これにより、空洞部分222に充填された液晶ポリマーを構成している分子は、ドラム軸方向に沿って配列する。これは、突起202のN寸法が、本体部204のP寸法に対して小さくされる度合いが少ないためである(図7(A)参照)。
また、前述したのと同様に、ドラム軸方向に沿って空洞部分220に流れ込んだ液晶ポリマーが、突起82を形成するための金型の空洞部分102に流れ込む(図中矢印参照)。これにより、空洞部分102に充填された液晶ポリマーを構成している分子は、ドラム軸方向に対してレンズ軸方向に傾斜する方向に沿って配列する。
前述したように、突起82におけるドラム軸方向の収縮量は、分子がドラム軸方向に沿って配列されている場合と比して、大きい。このため、筐体200には、軸直交方向から見て一方側(図中上側)に凸となるように反る力が作用する。しかし、突起202においては、液晶ポリマーを構成している分子は、ドラム軸方向に沿って配列されている(図7(B)参照)。このため、筐体200が一方側に凸となるように反る力を抑制する力が生じず、図7(C)に示されるように、筐体200は、軸直交方向から見て、一方側が凸となるように反ってしまう。
この筐体200との比較でも分かるように、本実施形態に係る筐体58の突起88においては、液晶ポリマーを構成している分子が、ドラム軸方向に対してレンズ軸方向に傾斜する方向に沿って配列される。このため、前述したように、筐体58には、軸直交方向から見て、一方側に凸となるように反る力と、他方側に凸となるように反る力とが作用する。このため、本実施形態に係る筐体58では、一方の力が他方の力を弱め、筐体58が軸直交方向から見て反るのが抑制される。
また、筐体58の成形の際に筐体58が反ってしまうのが抑制されるため、筐体58の成形の際(成形時)に筐体58に生じる反りに起因するプリントヘッド20の露光不良が抑制され、露光品質が向上する。
また、本体部70は、成形の際にはドラム軸方向に液晶ポリマーが流れることで形成される。このため、成形の際には複数のゲートから多方向に液晶ポリマーが流れることで本体部が形成される場合と比して、本体部70の成形収縮が起因して、筐体58が変形するのが抑制される。
また、筐体58の成形の際に筐体58が変形してしまうが抑制されるため、筐体58の成形の際(成形時)の変形に起因するプリントヘッド20の露光不良が抑制される。
また、プリントヘッド20の露光不良が抑制されることで、プリントヘッド20の露光不良に起因する画像形成装置10の出力画像の品質劣化が抑制される。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。
例えば、上記実施形態では、レンズアレイ56を筐体58に取り付けた後に、プリント配線基板52を筐体58に取り付けたが、この逆の順番でもよく、また、レンズアレイ56及びプリント配線基板52を同時に筐体58に取り付けてもよい。
また、上記実施形態では、レンズアレイ56を筐体58に取り付け(レンズ取付工程)、レンズアレイ56と筐体58に跨って封止材94を塗布して封止し(封止工程1)、その後、プリント配線基板52を筐体58に取り付け(基板取付工程)、プリント配線基板52と筐体58に跨って封止材94を塗布して封止する(封止工程2)もの、つまり、レンズ取付工程→封止工程1→基板取付工程→封止工程2を示した。しかし、(1)レンズ取付工程→基板取付工程→封止工程1→封止工程2であっても良く、(2)レンズ取付工程→基板取付工程→封止工程2→封止工程1であっても良い。さらに、上記(1)および(2)において、レンズ取付工程と基板取付工程の順序が逆であっても良い。
10 画像形成装置
16 感光体ドラム(像保持体の一例)
20 プリントヘッド(露光装置の一例)
22 現像器(現像装置の一例)
52 プリント配線基板(基板の一例)
56 レンズアレイ(光学部材の一例)
58 筐体
62 発光ダイオードアレイ(発光素子の一例)
70 本体部
82 突起(第一突出部の一例)
88 突起(第二突出部の一例)

































Claims (2)

  1. 発光素子が実装される基板と、
    該発光素子からの光を結像させる光学部材と、
    成形の際には一方向に液晶ポリマーが流れることで形成されると共に液晶ポリマーを構成している分子が一方向に沿って配列することで形成される本体部と、該本体部から突出して該基板を固定すると共に液晶ポリマーを構成している分子が該一方向に対して前記光学部材の光軸方向に傾斜する方向に沿って配列することで形成される第一突出部と、該本体部から該第一突出部とは反対方向に突出して該光学部材を固定すると共に液晶ポリマーを構成している分子が該一方向に対して前記光学部材の光軸方向に傾斜する方向に沿って配列することで形成される第二突出部と、を備える筐体と、
    を備え
    前記第一突出部における前記一方向とは直交する方向の幅寸法と、前記第二突出部における前記一方向とは直交する方向の幅寸法は同等とされており、これらの幅寸法が、前記本体部における前記一方向とは直交する方向の幅寸法よりも小さくされることで前記筐体の反りが抑制される露光装置。
  2. 像保持体と、
    該像保持体を露光して静電潜像を形成する請求項1に記載の露光装置と、
    該露光装置が形成した該像保持体の静電潜像を現像する現像装置と、
    を備える画像形成装置。
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