JP2010060970A - ラインヘッド、ラインヘッド用レンズアレイおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金型の表面で液体状の光硬化性樹脂をはじいてしまい、レンズを形成するための金型の凹部に満たされた液体状の光硬化性樹脂の部分に気泡が入ってしまう。そのため、光硬化性樹脂が硬化して形成されたレンズ内に気泡が入ってしまうという課題がある。
【解決手段】第1の方向に凹部が形成されたレンズアレイの型としての第4世代ニッケル型360と基板としてのレンズ基板431と光硬化性樹脂JSとを封入した密閉容器902内を減圧する減圧工程と、第4世代ニッケル型360とレンズ基板431とによって光硬化性樹脂JSを挟むようにして光硬化性樹脂JSに圧力をかける圧力工程と、光硬化性樹脂JSに紫外線を照射することにより光硬化性樹脂JSを硬化させてレンズアレイ430a,430bを形成する硬化工程と、レンズアレイ430a,430bを第4世代ニッケル型360から離す離型工程と、を含む。
【選択図】図13
【解決手段】第1の方向に凹部が形成されたレンズアレイの型としての第4世代ニッケル型360と基板としてのレンズ基板431と光硬化性樹脂JSとを封入した密閉容器902内を減圧する減圧工程と、第4世代ニッケル型360とレンズ基板431とによって光硬化性樹脂JSを挟むようにして光硬化性樹脂JSに圧力をかける圧力工程と、光硬化性樹脂JSに紫外線を照射することにより光硬化性樹脂JSを硬化させてレンズアレイ430a,430bを形成する硬化工程と、レンズアレイ430a,430bを第4世代ニッケル型360から離す離型工程と、を含む。
【選択図】図13
Description
本発明は、潜像担持体の被走査面に対して光を走査するラインヘッド、レンズアレイおよびその製造方法に関する。
潜像担持体である感光体の被走査面に対して光を走査して潜像を形成するラインヘッドは、画像形成装置である電子写真式プリンタの光源として使用されている。
ラインヘッドとしての光プリンタヘッドは、複数の発光素子グループが載置されたヘッド基板と発光素子グループに対応したレンズ部を有するレンズアレイとを備えている。ヘッド基板とレンズアレイの熱膨張係数が異なると、熱が印加されたとき、発光素子グループと対応するレンズ部との間に位置ずれを生じ、感光体の被走査面に鮮明で正確な潜像を形成するのが難しい。ヘッド基板としては、ガラス基板が多く用いられている。
ラインヘッドとしての光プリンタヘッドは、複数の発光素子グループが載置されたヘッド基板と発光素子グループに対応したレンズ部を有するレンズアレイとを備えている。ヘッド基板とレンズアレイの熱膨張係数が異なると、熱が印加されたとき、発光素子グループと対応するレンズ部との間に位置ずれを生じ、感光体の被走査面に鮮明で正確な潜像を形成するのが難しい。ヘッド基板としては、ガラス基板が多く用いられている。
ラインヘッドであるLEDアレイ、ラインヘッドレンズアレイであるマイクロレンズアレイおよびその型の製造方法として、ガラスのレンズ基板上に樹脂レンズ部を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、フォトリソグラフィーと電鋳により型を形成し、光硬化性樹脂を用いてガラス基板上にレンズ部を形成する。
マイクロレンズアレイおよびその製造方法として、マイクロレンズを形成した樹脂膜をガラスまたは透光性樹脂からなる基板部に接合する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、切削により加工された原型から電鋳により金型を作り、光硬化性樹脂を用いてガラス基板上にレンズ部を形成する。
マイクロレンズアレイに形成されたレンズ部の形成時に光硬化性樹脂が収縮し形状が変化して面精度が劣化する。そこで、収縮率が小さい光硬化性樹脂を用いることにより形状の変化を小さくして面精度の劣化を抑制する。しかし、収縮率が小さい光硬化性樹脂を用いると、光硬化性樹脂が金型から離れる離型性が低下してしまう。
マイクロレンズアレイおよびその製造方法として、マイクロレンズを形成した樹脂膜をガラスまたは透光性樹脂からなる基板部に接合する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、切削により加工された原型から電鋳により金型を作り、光硬化性樹脂を用いてガラス基板上にレンズ部を形成する。
マイクロレンズアレイに形成されたレンズ部の形成時に光硬化性樹脂が収縮し形状が変化して面精度が劣化する。そこで、収縮率が小さい光硬化性樹脂を用いることにより形状の変化を小さくして面精度の劣化を抑制する。しかし、収縮率が小さい光硬化性樹脂を用いると、光硬化性樹脂が金型から離れる離型性が低下してしまう。
そこで、金型に撥水処理を行って、離型性の低下を抑制する。しかしながら、撥水処理を行うと、金型の表面で液体状の光硬化性樹脂をはじいてしまい、レンズ部を形成するための金型の凹部に満たされた液体状の光硬化性樹脂の部分に気泡が入ってしまう。そのため、光硬化性樹脂が硬化して形成されたレンズ部内に気泡が入ってしまうという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]第1の方向に凹部が形成されたレンズアレイの型と基板と光硬化性樹脂とを封入した密閉容器内を減圧する減圧工程と、前記レンズアレイの型と前記基板とによって前記光硬化性樹脂を挟むようにして前記光硬化性樹脂に圧力をかける圧力工程と、前記光硬化性樹脂に紫外線を照射することにより前記光硬化性樹脂を硬化させて前記レンズアレイを形成する硬化工程と、前記レンズアレイを前記レンズアレイの型から離す離型工程と、を含むことを特徴とするレンズアレイの製造方法。
この適用例によれば、減圧工程では、第1の方向に凹部が形成されたレンズアレイの型と基板と光硬化性樹脂とを封入した密閉容器内を減圧する。これにより、光硬化性樹脂内に気泡が入ることを抑制できる。従って、光硬化性樹脂が硬化することによって形成されるレンズ内に気泡が入ることを抑制できる。
[適用例2]前記凹部は撥水処理されている上記記載のレンズアレイの製造方法。
この適用例によれば、撥水処理されたレンズアレイの型の凹部の表面によって、光硬化性樹脂をはじいたときに、光硬化性樹脂内に気泡が入ることを抑制できる。従って、凹部が撥水処理されたレンズアレイの型を用いてレンズアレイを形成しても、光硬化性樹脂が硬化することによって形成されるレンズ部内に気泡が入ることを抑制できる。
この適用例によれば、撥水処理されたレンズアレイの型の凹部の表面によって、光硬化性樹脂をはじいたときに、光硬化性樹脂内に気泡が入ることを抑制できる。従って、凹部が撥水処理されたレンズアレイの型を用いてレンズアレイを形成しても、光硬化性樹脂が硬化することによって形成されるレンズ部内に気泡が入ることを抑制できる。
[適用例3]前記凹部は2次元状に配置されている上記記載のレンズアレイの製造方法。
この適用例によるレンズアレイの型で形成された、2次元状に配置されたレンズ部を有するレンズアレイにおいて、レンズ部内に気泡が入ることを抑制できる。
[適用例4]前記光硬化性樹脂の収縮率は3%以下である上記記載のレンズアレイの製造方法。
この適用例によるレンズアレイの型で形成されたレンズアレイに設けられたレンズの面精度が低下することを抑制できる。
[適用例5]前記圧力工程における前記レンズアレイの型と前記基板との距離は、前記凹部の最深部と前記基板との距離の4分の1から2分の1の距離の範囲である上記記載のレンズアレイの製造方法。
この適用例によるレンズアレイの型で形成されたレンズアレイに設けられたレンズの面精度が低下することを抑制できる。
[適用例6]上記記載のレンズアレイの製造方法で形成されたことを特徴とするレンズアレイ。
この適用例によれば、前述の効果を達成できるレンズアレイが得られる。
[適用例7]基板上にレンズ部を有する樹脂層が形成され、レンズ部が形成されていない位置の前記樹脂層の厚さが、レンズ部の頂点が形成されている位置の前記樹脂層の厚さの4分の1から2分の1の厚さの範囲であることを特徴とするレンズアレイ。
この適用例によれば、レンズアレイに設けられたレンズの面精度が低下することを抑制できる。
[適用例8]上記記載のレンズアレイと、前記レンズアレイで結像される光を発光する発光素子が設けられたヘッド基板と、を備えたことを特徴とするラインヘッド。
この適用例によれば、前述の効果を達成できるラインヘッドが得られる。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
(実施形態)
図1は画像形成装置1の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置1の電気的構成を示す図である。この装置は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。この画像形成装置1では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリなどを有するメインコントローラMCに与えられると、このメインコントローラMCはエンジンコントローラECに制御信号などを与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラHCに与える。また、このヘッドコントローラHCは、メインコントローラMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメータ値とに基づき各色のラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部EGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
この実施形態にかかる画像形成装置1が有するハウジング本体3内には、電源回路基板、メインコントローラMC、エンジンコントローラECおよびヘッドコントローラHCを内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット7、転写ベルトユニット8および給紙ユニット11もハウジング本体3内に配設されている。また、図1においてハウジング本体3内右側には、2次転写ユニット12、定着ユニット13、シート案内部材15が配設されている。なお、給紙ユニット11は、ハウジング本体3に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット11および転写ベルトユニット8については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
画像形成ユニット7は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンタ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備えている。また、各画像形成ステーションY,M,C,Kには、それぞれの色のトナー像がその表面に形成される感光体ドラム21が設けられている。各感光体ドラム21はそれぞれ専用の駆動モータに接続され回転方向D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより感光体ドラム21の表面が副走査方向に搬送されることとなる。また、感光体ドラム21の周囲には、回転方向に沿って帯電部23、ラインヘッド29、現像部25および感光体クリーナ27が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作及びトナー現像動作が実行される。したがって、カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーションY,M,C,Kで形成されたトナー像を転写ベルトユニット8が有する転写ベルト81に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、モノクロモード実行時は、画像形成ステーションKで形成されたトナー像のみを用いてモノクロ画像を形成する。なお、図1において、画像形成ユニット7の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号をつけて、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。
帯電部23は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラを備えている。この帯電ローラは帯電位置で感光体ドラム21の表面と当接して従動回転するように構成されており、感光体ドラム21の回転動作に伴って感光体ドラム21に対して従動方向に周速で従動回転する。また、この帯電ローラは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電部23と感光体ドラム21が当接する帯電位置で感光体ドラム21の表面を帯電させる。
ラインヘッド29は、感光体ドラム21の軸方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に配列された複数の発光素子を備えるとともに、感光体ドラム21から離間配置されている。そして、これらの発光素子から、帯電部23により帯電された感光体ドラム21の表面に対して光を照射して該表面に潜像を形成する。なお、この実施形態では、各色のラインヘッド29を制御するためにヘッドコントローラHCが設けられ、メインコントローラMCからのビデオデータVDと、エンジンコントローラECからの信号とに基づき各ラインヘッド29を制御している。すなわち、この実施形態では、画像形成指令に含まれる画像データがメインコントローラMCの画像処理部51に入力される。そして、該画像データに対して種々の画像処理が施されて各色のビデオデータVDが作成されるとともに、該ビデオデータVDがメイン側通信モジュール52を介してヘッドコントローラHCに与えられる。また、ヘッドコントローラHCでは、ビデオデータVDはヘッド側通信モジュール53を介してヘッド制御モジュール54に与えられる。このヘッド制御モジュール54には、上記したように潜像形成に関連するパラメータ値を示す信号と垂直同期信号VsyncがエンジンコントローラECから与えられている。そして、これらの信号およびビデオデータVDなどに基づきヘッドコントローラHCは各色のラインヘッド29に対して素子駆動を制御するための信号を作成し、各ラインヘッド29に出力する。こうすることで、各ラインヘッド29において発光素子の作動が適切に制御されて画像形成指令に対応する潜像が形成される。
そして、この実施形態においては、各画像形成ステーションY,M,C,Kの感光体ドラム21、帯電部23、現像部25および感光体クリーナ27を感光体カートリッジとしてユニット化している。また、各感光体カートリッジには、該感光体カートリッジに関する情報を記憶するための不揮発性メモリがそれぞれ設けられている。そして、エンジンコントローラECと各感光体カートリッジとの間で無線通信が行われる。こうすることで、各感光体カートリッジに関する情報がエンジンコントローラECに伝達されるとともに、各メモリ内の情報が更新記憶される。
現像部25は、その表面にトナーが担持する現像ローラ251を有する。そして、現像ローラ251と電気的に接続された現像バイアス発生部(図示省略)から現像ローラ251に印加される現像バイアスによって、現像ローラ251と感光体ドラム21とが当接する現像位置において、帯電トナーが現像ローラ251から感光体ドラム21に移動してラインヘッド29により形成された静電潜像が顕在化される。
このように上記現像位置において顕在化されたトナー像は、感光体ドラム21の回転方向D21に搬送された後、後に詳述する転写ベルト81と各感光体ドラム21が当接する1次転写位置TR1において転写ベルト81に1次転写される。
また、この実施形態では、感光体ドラム21の回転方向D21の1次転写位置TR1の下流側で且つ帯電部23の上流側に、感光体ドラム21の表面に当接して感光体クリーナ27が設けられている。この感光体クリーナ27は、感光体ドラム21の表面に当接することで1次転写後に感光体ドラム21の表面に残留するトナーをクリーニング除去する。
転写ベルトユニット8は、駆動ローラ82と、駆動ローラ82の左側に配設される従動ローラ83(ブレード対向ローラ)と、これらのローラに張架され図示矢印D81の方向(搬送方向)へ循環駆動される転写ベルト81とを備えている。また、転写ベルトユニット8は、転写ベルト81の内側に、感光体カートリッジ装着時において各画像形成ステーションY,M,C,Kが有する感光体ドラム21各々に対して一対一で対向配置される、4個の1次転写ローラ85Y,85M,85C,85Kを備えている。これらの1次転写ローラ85は、それぞれ1次転写バイアス発生部(図示省略)と電気的に接続される。そして、後に詳述するように、カラーモード実行時は、図1に示すように全ての1次転写ローラ85Y,85M,85C,85Kを画像形成ステーションY,M,C,K側に位置決めすることで、転写ベルト81を画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれが有する感光体ドラム21に押し遣り当接させて、各感光体ドラム21と転写ベルト81との間に1次転写位置TR1を形成する。そして、適当なタイミングで上記1次転写バイアス発生部から1次転写ローラ85に1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、それぞれに対応する1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してカラー画像を形成する。
一方、モノクロモード実行時は、4個の1次転写ローラ85のうち、カラー1次転写ローラ85Y,85M,85Cをそれぞれが対向する画像形成ステーションY,M,Cから離間させるとともにモノクロ1次転写ローラ85Kのみを画像形成ステーションKに当接させることで、モノクロ画像形成ステーションKのみを転写ベルト81に当接させる。その結果、モノクロ1次転写ローラ85Kと画像形成ステーションKとの間にのみ1次転写位置TR1が形成される。そして、適当なタイミングで1次転写バイアス発生部からモノクロ1次転写ローラ85Kに1次転写バイアスを印加することで、感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してモノクロ画像を形成する。
さらに、転写ベルトユニット8は、モノクロ1次転写ローラ85Kの下流側で且つ駆動ローラ82の上流側に配設された下流ガイドローラ86を備える。また、この下流ガイドローラ86は、モノクロ1次転写ローラ85Kが画像形成ステーションKの感光体ドラム21に当接して形成する1次転写位置TR1での1次転写ローラ85Kと感光体ドラム21との共通内接線上において、転写ベルト81に当接するように構成されている。
駆動ローラ82は、転写ベルト81を図示矢印D81の方向に循環駆動するとともに、2次転写ローラ121のバックアップローラを兼ねている。駆動ローラ82の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1000kΩ・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する2次転写バイアス発生部から2次転写ローラ121を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ82に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、駆動ローラ82と2次転写ローラ121との当接部分(2次転写位置TR2)へのシートが進入する際の衝撃が転写ベルト81に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
給紙ユニット11は、シートを積層保持可能である給紙カセット77と、給紙カセット77からシートを一枚ずつ給紙するピックアップローラ79とを有する給紙部を備えている。ピックアップローラ79により給紙部から給紙されたシートは、レジストローラ対80において給紙タイミングが調整された後、シート案内部材15に沿って2次転写位置TR2に給紙される。
2次転写ローラ121は、転写ベルト81に対して離当接自在に設けられ、2次転写ローラ駆動機構(図示省略)により離当接駆動される。定着ユニット13は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ131と、この加熱ローラ131を押圧付勢する加圧部132とを有している。そして、その表面に画像が2次転写されたシートは、シート案内部材15により、加熱ローラ131と加圧部132の加圧ベルト1323とで形成するニップ部に案内され、該ニップ部において所定の温度で画像が熱定着される。加圧部132は、2つのローラ1321,1322と、これらに張架される加圧ベルト1323とで構成されている。そして、2つのローラ1321,1322により張られた加圧ベルト1323を加熱ローラ131の周面に押し付けることで、加熱ローラ131と加圧ベルト1323とで形成するニップ部が広くとれるように構成されている。また、こうして定着処理を受けたシートはハウジング本体3の上面部に設けられた排紙トレイ4に搬送される。
また、この装置では、ブレード対向ローラ83に対向してクリーナ部71が配設されている。クリーナ部71は、クリーナブレード711と廃トナーボックス713とを有する。クリーナブレード711は、その先端部を転写ベルト81を介してブレード対向ローラ83に当接することで、2次転写後に転写ベルト81に残留するトナーや紙粉等の異物を除去する。そして、このように除去された異物は、廃トナーボックス713に回収される。また、クリーナブレード711及び廃トナーボックス713は、ブレード対向ローラ83と一体的に構成されている。したがって、次に説明するようにブレード対向ローラ83が移動する場合は、ブレード対向ローラ83と一緒にクリーナブレード711及び廃トナーボックス713も移動することとなる。
以下に、本実施形態におけるラインヘッド29を図に基づいて詳しく説明する。
図3は、本実施形態にかかるラインヘッド29の概略斜視図である。また、図4は、ラインヘッド29を副走査方向YYに切断した断面図である。
図3において、ラインヘッド29は、主走査方向XXに配列された発光素子グループ410を備えている。発光素子グループ410は、複数の発光素子411を備えている。これらの発光素子411から、図4に示したように、帯電部23により帯電された感光体2Yの被走査面である表面200に対して光が照射され、表面200に静電潜像が形成される。
図3は、本実施形態にかかるラインヘッド29の概略斜視図である。また、図4は、ラインヘッド29を副走査方向YYに切断した断面図である。
図3において、ラインヘッド29は、主走査方向XXに配列された発光素子グループ410を備えている。発光素子グループ410は、複数の発光素子411を備えている。これらの発光素子411から、図4に示したように、帯電部23により帯電された感光体2Yの被走査面である表面200に対して光が照射され、表面200に静電潜像が形成される。
図3において、ラインヘッド29は、主走査方向XXを長手方向である第1の方向XXとするケース420を備えるとともに、かかるケース420の両端には、位置決めピン421とねじ挿入孔422が設けられている。かかる位置決めピン421を、図示しない感光体カバーに穿設された位置決め孔に嵌め込むことで、ラインヘッド29が、図4に示した感光体2Yに対して位置決めされている。感光体カバーは、感光体2Yを覆うとともに感光体2Yに対して位置決めされている。また、ねじ挿入孔422を介して固定ねじを感光体カバーのねじ孔(図示省略)にねじ込んで固定することで、ラインヘッド29が感光体2Yに対して位置決め固定されている。
図3および図4において、ケース420は、感光体2Yの表面200に対向する位置に、結像レンズが配列された2つのレンズアレイ430a,430bを重なるように保持するとともに、その内部に、レンズアレイ430a,430bに近い順番で、遮光部材440および基板としてのヘッド基板450を備えている。
ヘッド基板450は透明なガラス基板である。ヘッド基板450のうら面452(ヘッド基板450が有する2つの面のうち遮光部材440に対向するおもて面451とは逆側の面)には、複数の発光素子グループ410が設けられている。複数の発光素子グループ410は、ヘッド基板450のうら面452に、図3に示すように、主走査方向XXおよび副走査方向YYに互いに所定間隔だけ離れて2次元的に、並べて配置されている。ここで、発光素子グループ410は、図3中の円で囲んだ部分に示すように、複数の発光素子411を2次元的に配列することによって構成されている。
ヘッド基板450は透明なガラス基板である。ヘッド基板450のうら面452(ヘッド基板450が有する2つの面のうち遮光部材440に対向するおもて面451とは逆側の面)には、複数の発光素子グループ410が設けられている。複数の発光素子グループ410は、ヘッド基板450のうら面452に、図3に示すように、主走査方向XXおよび副走査方向YYに互いに所定間隔だけ離れて2次元的に、並べて配置されている。ここで、発光素子グループ410は、図3中の円で囲んだ部分に示すように、複数の発光素子411を2次元的に配列することによって構成されている。
本実施形態では、発光素子として有機ELを用いる。つまり、本実施形態では、ヘッド基板450のうら面452に有機ELを発光素子411として配置している。そして、複数の発光素子411のそれぞれから感光体2Yの方向に射出される光は、ヘッド基板450を介して遮光部材440へ向かう。
発光素子はLEDであってもよい。この場合、基板はガラス基板でなくてもよく、LEDは、おもて面451に設けることができる。
発光素子はLEDであってもよい。この場合、基板はガラス基板でなくてもよく、LEDは、おもて面451に設けることができる。
図3および図4において、遮光部材440は、複数の発光素子グループ410に対して一対一で対応する複数の導光孔4410を備えている。
発光素子グループ410に属する発光素子411から射出された光は、発光素子グループ410に一対一で対応する導光孔4410によって、一対のレンズアレイ430a,430bに導かれる。そして、導光孔4410を通過した光は、二点鎖線で示すように、レンズアレイ430a,430bにより、感光体2Yの表面200にスポットとして結像されることとなる。
発光素子グループ410に属する発光素子411から射出された光は、発光素子グループ410に一対一で対応する導光孔4410によって、一対のレンズアレイ430a,430bに導かれる。そして、導光孔4410を通過した光は、二点鎖線で示すように、レンズアレイ430a,430bにより、感光体2Yの表面200にスポットとして結像されることとなる。
図4に示すように、裏蓋470が、固定器具460によって、ヘッド基板450を介してケース420に押圧されている。固定器具460は、裏蓋470をケース420側に押圧する弾性力を有するとともに、かかる弾性力により裏蓋470を押圧することで、ケース420の内部から光が漏れないように、および、ケース420の外部から光が侵入しないように密閉している。なお、固定器具460は、図3に示すケース420の主走査方向XXに複数箇所設けられている。また、発光素子グループ410は、封止部材480により覆われている。
図5に、レンズアレイ430aの斜視図を、図6に、レンズアレイ430aの主走査方向XXの部分断面図を示した。レンズアレイ430aの構成は、レンズアレイ430bの構成と同じである。
図6において、レンズアレイ430aは、ベース基板としてのレンズ基板431とレンズ層432とを備えている。
なお、図3、図4のレンズアレイ430a,430bの固定は、図6のレンズ基板431を固定することによって行われている。また、レンズ層432がヘッド基板450側に配置され、レンズ基板431が、感光体2Y側に配置されている。
図6において、レンズ層432は、複数のレンズ部433を備えている。これらのレンズ部433は、以下のように配置されている。
図6において、レンズアレイ430aは、ベース基板としてのレンズ基板431とレンズ層432とを備えている。
なお、図3、図4のレンズアレイ430a,430bの固定は、図6のレンズ基板431を固定することによって行われている。また、レンズ層432がヘッド基板450側に配置され、レンズ基板431が、感光体2Y側に配置されている。
図6において、レンズ層432は、複数のレンズ部433を備えている。これらのレンズ部433は、以下のように配置されている。
図4において、レンズアレイ430a,430bにそれぞれ設けられた図6のレンズ部433は一対をなし、相互に図中一点鎖線で示した光軸を共通にする。また、これら一対のレンズ部433は、図3に示した複数の発光素子グループ410に一対一で対向して配置されている。
各発光素子411から射出された光は、二点鎖線で示すようにレンズ部433によって感光体2Yの表面200上に結像する。
各発光素子411から射出された光は、二点鎖線で示すようにレンズ部433によって感光体2Yの表面200上に結像する。
以下に、レンズアレイ430a,430bの製造方法について述べる。図8には、レンズアレイ430a,430bの製造方法を表す断面図を示した。図8の工程間を結ぶ矢印は、矢印の始点における原盤を矢印の終点においても同じ原盤を用いることを示す。
図8(a)において、基板300に凹型の面Q0を自由曲面加工機によって形成することによって原盤310を得る。自由曲面加工機としては、5軸同時制御のものを用いることができる。
原盤310の第1の方向XXの長さは、レンズアレイ430の長さの1/3〜1/4の長さとするのが好ましい。例えば、レンズアレイ430の長さが300mmである場合、100mm程度の長さとする。
原盤310の材質としては、鉄、ステンレス、銅、ニッケル等を用いることができる。加工バイトにダイアモンドを用いる場合、原盤310と炭素が反応しないものが好ましく、例えば、ニッケル、無酸素銅が好ましい。また、例えば鉄等の基材にニッケル、無酸素銅をコーティングしたものであってもよい。この場合、ニッケル等の部分を加工する。
図9(a)〜(d)は、アライメントマークを形成する方法について説明する図である。図9(a)の原盤310の凹型の面Q0の周辺における平面に、図に示すようなアライメントマークZ1を自由曲面加工機によって形成する。
図8(b)は、原盤310から第1世代ニッケル型320を形成する工程を示す。図8(b)において、原盤310から電鋳によりニッケルの層を形成し、凸型の面T1を有する第1世代ニッケル型320を形成する。この電鋳により、図9(b)の第1世代ニッケル型320には、原盤310のアライメントマークZ1が転写されてアライメントマークZ2が形成される。
図8(c)は、第1世代ニッケル型320から第2世代ニッケル型330を形成する工程を示す。図8(c)において、第1世代ニッケル型320から電鋳によりニッケルの層を形成し、凹型の面Q1を備えた第2世代ニッケル型330を形成する。この電鋳により、図9(c)の第2世代ニッケル型330には、第1世代ニッケル型320のアライメントマークZ2が転写されてアライメントマークZ3が形成される。本実施形態では、一個の第1世代ニッケル型320から3個の第2世代ニッケル型330を形成する。
図8(d)は、第2世代ニッケル型330の第1の方向XXにおける外周を切断する工程を示す。図8(d)において、3個の第2世代ニッケル型330の破線に示す外周をワイヤー放電によって、それぞれ切断する。図9(d)は、1個の第2世代ニッケル型330の外周をワイヤー放電によって切断して形成した1個の原盤330aを示す。同様に、残りの2個の第2世代ニッケル型330の外周をワイヤー放電によってそれぞれ切断して原盤330b、原盤330cを得る。原盤330a,330b,330cは、凹型の面Q1を有する。
本実施形態では、外周を切断したが、第1の方向XXにおける両端を切断してもよい。また、図8(d)の原盤330aは、原盤330b側すなわち図面右側のみを切断し、原盤330cは、原盤330b側すなわち図面左側のみを切断してもよい。
図8(e)は、原盤330a,330b,330cをガラス基板500上に並べる工程を示す。図8(e)において、ガラス基板500上で原盤330a,330b,330cを第1の方向XXに並べる。原盤330a,330b,330cの凹型の面Q1側がガラス基板500と向き合うように並べる。並べる前に、予め、原盤330a,330b,330cの凹型の面Q1が形成されている側の面における平面に、紫外線が照射されると接着力がなくなる接着剤を塗布しておく。
図8(e)において、次に、紫外線が照射されると硬化する光硬化性樹脂を、隣接する原盤330a,330bとの隙間SK1、原盤330b,330cとの隙間SK1に充填する。
図8(f)は、原盤330a,330b,330cを用いて原盤340を形成する工程を示す。図8(f)において、原盤330a,330b,330cの凹型の面Q1が形成されていない側に、接着剤を塗布して基板600を接着する。基板600は、後述する電鋳による熱からの影響を少なくするため、線膨張係数が小さいステンレスが望ましい。
図10(a)は、図8(f)において、ガラス基板500上に並ぶ原盤330a,330b,330cを示す図で、図8(f)の図面下側から見た図である。図10(a)に示すように、隣接する原盤330a,330bおよび隣接する原盤330b,330cとの隙間SK1をそれぞれ設けるようにして、ガラス基板500上に原盤330a,330b,330cを第1の方向XXに並べる。
ガラス基板500には、アライメントマークAMが形成されている。例えば、CCDカメラを用いて、アライメントマークAM付近を撮像し、原盤330a,330b,330cのそれぞれに形成されたアライメントマークZ3の位置と、ガラス基板500に形成されたアライメントマークAMとの位置が一致するように、ガラス基板500上に原盤330a,330b,330cを並べる。このガラス基板500上の原盤330a,330b,330cの位置を合わせる工程は、基板600と原盤330a,330b,330cとの間に塗布した接着剤が硬化しないうちに行う。
図8(f)において、ガラス基板500側から紫外線を照射すると、ガラス基板500と原盤330a,330b,330cを接着していた接着剤の接着力がなくなるので、ガラス基板500を原盤330a,330b,330cから取り外すことができる。また、照射された紫外線により、隙間SK1に充填された太い実線に示す樹脂が硬化する。
このようにして、基板600に固定され、図8(f)の太い実線に示す樹脂によって一体となった原盤330a,330b,330cとによって構成される原盤340を形成する。
図8(g)は、原盤340から第3世代ニッケル型350を形成する工程を示す。図8(g)において、原盤340から電鋳によりニッケルの層を形成し、凸型の面T2を有する第3世代ニッケル型350を形成する。
図8(h)は、第3世代ニッケル型350からレンズアレイ430a,430bを形成するための型を形成する工程を示す。図8(h)において、第3世代ニッケル型350から電鋳によりニッケルの層を形成し、凹型の面である凹部Q2を備えた第4世代ニッケル型360を形成する。第4世代ニッケル型360は、図8(i)において、レンズを形成する凸型の面を有するレンズ部433を備えたレンズアレイ430a,430bを射出成型によって形成するためのレンズアレイの型となる。
図8(e)の隙間SK1に充填された光硬化性樹脂が収縮した場合には、電鋳により、原盤340から形成した第3世代ニッケル型350には、凸状の筋(不図示)が形成される。
図10(b)は、第4世代ニッケル型360を示す図である。図の破線Lに示す範囲は、原盤340が転写された範囲を示す。電鋳により、凸状の筋を有する第3世代ニッケル型350から形成した型としての第4世代ニッケル型360には、凹状の筋SJ1が形成される。
図8(i)は、レンズアレイの型としての第4世代ニッケル型360からレンズアレイ430a(430b)を形成する工程を示す。図10(c)は、レンズアレイ430a(430b)を示す図である。図8(i)において、電鋳により、第4世代ニッケル型360から凸型の面を有するレンズ部433を備えたレンズアレイ430a(430b)を形成する。
電鋳により、図10(b)の第4世代ニッケル型360から形成した図10(c)のレンズアレイ430a(430b)には、凸状の筋SJ2とアライメントマークZ5が転写されて形成される。
次に、本実施形態で用いるレンズアレイの成型装置について説明する。図11は、レンズアレイの成型装置の概略図である。レンズアレイの成型装置900には、ロータリーポンプなどの真空ポンプ(不図示)が備えられ、密閉容器902には、真空ポンプからの配管(不図示)が接続されており、真空ポンプによって密閉容器902内の気体が排気されて、密閉容器902内を減圧することができる。
上プレス可動部保持部901は、上プレス可動部903を保持する。上プレス可動部903の図面下部には、型保持部904が備えられ、型保持部904の図面下部にはレンズアレイの型としての第4世代ニッケル型360が備えられる。
上プレス可動部保持部901は、矢印に示す図面上下方向に移動することができる。上プレス可動部保持部901の移動に伴って、上プレス可動部903、型保持部904、第4世代ニッケル型360は図面上下方向に移動する。上プレス可動部保持部901が図面上下方向に移動しても、Oリングなどのシール部材(不図示)によって、密閉容器902内の密閉性を保持することができる。
密閉容器902の図面下部には、下プレス台906が備えられ、下プレス台906は、たとえば石英ガラスなどの光を透過する透光性部材905を保持する。透光性部材905の図面下側には、紫外線を照射する紫外線照射ランプ907が備えられる。
図12(a)は、レンズアレイの型としての第4世代ニッケル型360がレンズ基板431に接触していない図である。第4世代ニッケル型360の図面下部には、凹部Q2が形成されている面から図面上下方向に突起した突起部361が形成されている。図12(b)は、第4世代ニッケル型360がレンズ基板431に接触している図である。図11の上プレス可動部保持部901が、図面下側に移動し、第4世代ニッケル型360の突起部361の図面上下方向における下端がレンズ基板431に接触すると、第4世代ニッケル型360とレンズ基板431との間に、距離D1に示す隙間が形成される。
図12(a)の距離D2は、凹部Q2における最深部P1とレンズアレイの型360の図面下方向における突起部361の下端との距離を示す。また、距離D2は、図12(b)の第4世代ニッケル型360がレンズ基板431に接触しているとき、凹部Q2における最深部P1と、レンズ基板431との距離となる。
隙間の距離D1は、距離D2の4分の1から2分の1であることが望ましい。たとえば、距離D2が0.2mmであるとき、隙間の距離D1は0.05mmから0.1mmである。あるいは、距離D2が0.5mmであるとき、隙間の距離D1は0.125mmから0.25mmである。隙間の距離D1が、距離D2の2分の1を越えると、図面上下方向の収縮量が大きくなってレンズ部433の面精度が低下してしまう場合がある。
次に、本実施形態の製造工程について説明する。本実施形態における図10(b)のレンズアレイの型としての第4世代ニッケル型360の凹部Q2側の面は、撥水処理されている。
図7は、本実施形態における工程のフローを示す図である。図13(a)は、減圧工程を説明する図である。図7の減圧工程のステップ1(S1)では、密閉容器902内を真空ポンプによって減圧させる。密閉容器902は密閉性が確保され、また、真空ポンプによる排気を続けることによって密閉容器902内が減圧状態に保持される。上プレス可動部保持部901は、図に示すように、図面上側の位置にある。レンズ基板431を透光性部材905の上に置き、光硬化性樹脂JSをレンズ基板431の型360側の面全体に置く。
図13(b)は、圧力工程と硬化工程とを説明する図である。図7の圧力工程のステップ2(S2)では、上プレス可動部保持部901を、図面下側に移動させ、第4世代ニッケル型360と透光性部材905の上に置かれたレンズ基板431とによって光硬化性樹脂JSを挟むようにして、光硬化性樹脂JSに圧力を加える。
圧力工程のステップ2(S2)では、図12(b)を用いて説明したように、レンズアレイの型としての第4世代ニッケル型360と基板としてのレンズ基板431との間に生じた隙間の距離D1は、凹部Q2の最深部P1とレンズ基板431との距離D2の4分の1から2分の1の距離の範囲である。
図7の硬化工程のステップ3(S3)では、図13の透光性部材905の図面下側に置かれた紫外線照射ランプ907から紫外線を照射させる。照射された紫外線は、透光性部材905を通り、第4世代ニッケル型360とレンズ基板431とによって挟まれた光硬化性樹脂JSに照射され、光硬化性樹脂JSが硬化する。
紫外線によって硬化するときの光硬化性樹脂JSの収縮率は3%以下であることが望ましい。
図13(c)は、離型工程を説明する図である。図7の離型工程のステップ4(S4)では、上プレス可動部保持部901を図面上側に移動させることにより、光硬化性樹脂JSが硬化して形成されたレンズアレイ430a(430b)と第4世代ニッケル型360とを離す。
図14は、第4世代ニッケル型360とレンズ基板431とによって挟まれた光硬化性樹脂JSが、流れる様子を説明する図である。前述したように、突起部361がレンズ基板431に当たることにより型360とレンズ基板431との間には距離D1に示す隙間が生じる。これにより、密閉容器902内が減圧状態に保持されていると、第4世代ニッケル型360の凹部Q2における空間VCに光硬化性樹脂JSが流れる。そのため、光硬化性樹脂JS内に気泡が発生することを抑制できる。
図15(a)は、レンズアレイ430a(430b)のレンズ部433が形成されている面から見た図である。図15(b)は、図15(a)の1点鎖線におけるレンズアレイ430a(430b)の断面図である。基板としてのレンズ基板431上に光硬化性樹脂からなる樹脂層であるレンズ層432が形成されている。
図15の厚さD4は、レンズ層432におけるレンズ部433の頂点が形成されている位置における光硬化性樹脂からなる樹脂層の厚さを示し、厚さD3は、レンズ層432におけるレンズ部433が形成されていない位置における光硬化性樹脂からなる樹脂層の厚さを示す。厚さD3は、厚さD4の4分の1から2分の1であることが望ましい。たとえば、厚さD4が0.2mmであるとき、厚さD3は0.05mmから0.1mmである。あるいは、厚さD4が0.5mmであるとき、厚さD3は0.125mmから0.25mmである。厚さD3が、厚さD4の2分の1を越えると、図面上下方向の収縮量が大きくなってレンズ部433の面精度が低下してしまう場合がある。
(比較例)
図16は、本実施形態との比較例の製造方法によって形成されたレンズアレイ430a(430b)の断面図である。比較例におけるレンズアレイ430a(430b)の製造方法は、本実施形態における撥水処理工程、圧力工程、硬化工程、離型工程を含み、減圧工程を含まない。比較例の製造方法では、撥水処理した第4世代ニッケル型360の表面で光硬化性樹脂がはじかれてしまうので、レンズアレイ430a(430b)のレンズ層432におけるレンズ部433に気泡KHが発生してしまう場合がある。
図16は、本実施形態との比較例の製造方法によって形成されたレンズアレイ430a(430b)の断面図である。比較例におけるレンズアレイ430a(430b)の製造方法は、本実施形態における撥水処理工程、圧力工程、硬化工程、離型工程を含み、減圧工程を含まない。比較例の製造方法では、撥水処理した第4世代ニッケル型360の表面で光硬化性樹脂がはじかれてしまうので、レンズアレイ430a(430b)のレンズ層432におけるレンズ部433に気泡KHが発生してしまう場合がある。
以上、本実施形態で説明したレンズアレイ430a,430bを形成するため型の製造方法は、第1の方向XXに凹部Q2が形成されたレンズアレイの型としての第4世代ニッケル型360と基板としてのレンズ基板431と光硬化性樹脂JSとを封入した密閉容器902内を減圧する減圧工程S1と、第4世代ニッケル型360とレンズ基板431とによって光硬化性樹脂JSを挟むようにして光硬化性樹脂JSに圧力をかける圧力工程S2と、光硬化性樹脂JSに紫外線を照射することにより光硬化性樹脂JSを硬化させてレンズアレイ430a,430bを形成する硬化工程S3と、レンズアレイ430a,430bを第4世代ニッケル型360から離す離型工程S4と、を含む。
このようにすれば、減圧工程S1では、第1の方向XXに凹部Q2が形成された第4世代ニッケル型360とレンズ基板431と光硬化性樹脂JSとを封入した密閉容器902内を減圧する。これにより、光硬化性樹脂JS内に気泡が入ることを抑制できる。従って、光硬化性樹脂JSが硬化することによって形成されるレンズ部433内に気泡が入ることを抑制できる。
また、本実施形態では、レンズアレイの型として第4世代ニッケル型360に形成された凹部Q2は撥水処理されている。本実施形態で説明した減圧工程S1を実施することにより、撥水処理された第4世代ニッケル型360の表面によって、光硬化性樹脂JSをはじいたときに、光硬化性樹脂JS内に気泡KHが入ることを抑制できる。従って、撥水処理された第4世代ニッケル型360を用いてレンズアレイ430a,430bを形成しても、光硬化性樹脂JSが硬化することによって形成されるレンズ部433内に気泡KHが入ることを抑制できる。
また、紫外線によって硬化するときの光硬化性樹脂JSの収縮率は3%以下であることが望ましい。これにより、レンズアレイ430a,430bに設けられたレンズ部433の面精度が低下することを抑制できる。
また、前述したように、圧力工程S2では、型としての第4世代ニッケル型360とレンズ基板431との間に形成される隙間の距離D1は、凹部Q2の最深部P1とレンズ基板431との距離D2の4分の1から2分の1の距離の範囲である。
従って、型としての第4世代ニッケル型360で形成されたレンズアレイ430a,430bにおいて、図15の基板としてのレンズ基板431上にレンズ部433を有する樹脂層が形成され、レンズ部433が形成されていない位置の樹脂層の厚さD3が、レンズ部433の頂点が形成されている位置の樹脂層の厚さD4の4分の1から2分の1の厚さの範囲である。
これにより、レンズアレイ430a,430bに設けられたレンズ部433の面精度が低下することを抑制できる。
また、本実施形態では、カラー画像形成装置に適用されているが、適用対象はこれに限定されるものではなく、いわゆる単色画像を形成するモノクロ画像形成装置に対しても適用することができる。
さらに、乾式のトナーだけでなく、トナー粒子を不揮発性液体キャリアに分散させた液体トナーを用いた画像形成装置に対しても適用することができる。
29…ラインヘッド、360…レンズアレイの型としての第4世代ニッケル型、410…発光素子グループ、430a,430b…レンズアレイ、431…基板としてのレンズ基板、433…レンズ部、450…ヘッド基板、902…密閉容器、D1…レンズアレイの型とレンズ基板との隙間の距離、D2…凹部の最深部とレンズ基板との距離、D3…レンズ部が形成されていない位置の樹脂層の厚さ、D4…レンズ部の頂点が形成されている位置の樹脂層の厚さ、Q2…凹部、S1…減圧工程、S2…圧力工程、S3…硬化工程、S4…離型工程、JS…光硬化性樹脂、XX…第1の方向。
Claims (8)
- 第1の方向に凹部が形成されたレンズアレイの型と基板と光硬化性樹脂とを封入した密閉容器内を減圧する減圧工程と、
前記レンズアレイの型と前記基板とによって前記光硬化性樹脂を挟むようにして前記光硬化性樹脂に圧力をかける圧力工程と、
前記光硬化性樹脂に紫外線を照射することにより前記光硬化性樹脂を硬化させて前記レンズアレイを形成する硬化工程と、
前記レンズアレイを前記レンズアレイの型から離す離型工程と、を含むことを特徴とするレンズアレイの製造方法。 - 前記凹部は撥水処理されている請求項1に記載のレンズアレイの製造方法。
- 前記凹部は2次元状に配置されている請求項1または請求項2に記載のレンズアレイの製造方法。
- 前記光硬化性樹脂の収縮率は3%以下である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレンズアレイの製造方法。
- 前記圧力工程における前記レンズアレイの型と前記基板との距離は、前記凹部の最深部と前記基板との距離の4分の1から2分の1の距離の範囲である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のレンズアレイの製造方法。
- 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のレンズアレイの製造方法で形成されたことを特徴とするレンズアレイ。
- 基板上にレンズ部を有する樹脂層が形成され、レンズ部が形成されていない位置の前記樹脂層の厚さが、レンズ部の頂点が形成されている位置の前記樹脂層の厚さの4分の1から2分の1の厚さの範囲であることを特徴とするレンズアレイ。
- 請求項6または請求項7に記載のレンズアレイと、
前記レンズアレイで結像される光を発光する発光素子が設けられたヘッド基板と、を備えたことを特徴とするラインヘッド。
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2008
- 2008-09-05 JP JP2008227982A patent/JP2010060970A/ja not_active Withdrawn
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