JP5251975B2 - トナー、現像剤、トナーの製造方法 - Google Patents

トナー、現像剤、トナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に使用されるトナーに関し、特に、従来よりも低い温度で画像を定着するいわゆる低温定着対応のトナーに関する。
電子写真方式の画像形成方法では、一般に、以下の様な工程を経てプリント物の作製が行われる。先ず、感光体上に露光光が照射されて感光体上に潜像が形成され、その後、感光体上にトナーが供給されて潜像を現像することによりトナー画像が形成される。次に、感光体上のトナー画像を紙等の転写材に転写し、転写した画像に熱や圧力等を加えることによりトナー画像を定着することによりプリント物が作製される。そして、トナー画像を転写後の感光体上に残留するトナーはクリーニング装置によって除去され、次の画像形成が行える様になる。
近年、消費電力の低減化や高速のプリント作製を実現させるため、従来よりも低い温度でトナー画像を定着するいわゆる低温定着の技術が注目されている。トナーの定着温度を低くするには、トナーを構成する結着樹脂のガラス転移温度及び軟化点を低くし、かつ温度に対しシャープな溶融・固化挙動を示す樹脂を用いる必要がある。そして、この様なガラス転移温度や軟化点の低い樹脂を用いてトナーの設計が検討され、従来よりも低い温度でトナー画像を転写材上に定着させることが可能になった(たとえば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、ガラス転移温度及び軟化点の低い結着樹脂を用いて作製した低温定着対応のトナーは、熱的ストレスや機械的ストレスによる影響を受け易い性質を有していた。具体的には、トナーを経時保管したとき、環境条件によってはトナー同士が固着するブロッキングと呼ばれる現象を発生して安定した保管性能が得られないことがあった。また、多量のプリント作製を行って定着直後のプリント物を排紙トレイに重ね置きしたり、プリント物を多数枚重ねて保存したとき、温度や重ねたプリント物の荷重の影響で、画像同士あるいは画像と白紙が接着するタッキングと呼ばれる現象が発生した。
この様に、低温定着対応のトナーには、安定した保管性能や、画像形成時及び画像形成後に熱的あるいは機械的ストレスを受けてもタッキングを起こすことのない安定性が求められていた。
特開2001−42564号公報 特開2004−163612号公報
本発明は、従来よりも低い温度でトナー画像の定着が行え、かつ、未使用のトナーを経時で保管してもブロッキングが発生せず、定着後のトナー画像がタッキングを起こさない熱的、機械的ストレスに優れた低温定着トナーを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題が以下に記載のいずれかの構成により解消されることを見出した。すなわち、
請求項1に記載の発明は、
『少なくとも結着樹脂、着色剤、及び、ワックスを含有してなるトナーであって、
水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有するものであることを特徴とするトナー。』というものである。
請求項2に記載の発明は、
『前記脂肪族アルコールは、炭素原子数が10以上40以下のものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。』というものである。
請求項3に記載の発明は、
『前記脂肪族アルコールが、前記水酸基を有する脂肪酸エステルワックスに対して3モル%以上80モル%以下含有されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。』というものである。
請求項4に記載の発明は、
『請求項1〜3の何れか1項に記載のトナーを含有してなることを特徴とする現像剤。』というものである。
請求項5に記載の発明は、
『少なくとも結着樹脂、着色剤、及び、ワックスを含有してなるトナーの製造方法であって、
少なくとも、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有した重合性単量体を重合して前記結着樹脂を構成する樹脂粒子を形成する工程と、前記樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させる工程と、を経て前記トナーを作製することを特徴とするトナーの製造方法。』というものである。
請求項6に記載の発明は、
『少なくとも結着樹脂、着色剤、及び、ワックスを含有してなるトナーの製造方法であって、
少なくとも、重合性単量体を重合して形成された前記結着樹脂を構成する樹脂粒子と、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールの混合物粒子と、着色剤粒子とを凝集、融着させる工程を経て前記トナーを作製することを特徴とするトナーの製造方法。』というものである。
本発明により、従来よりも低い温度でトナー画像の定着が行え、かつ、未使用のトナーを経時で保管してもブロッキングが発生せず、定着後のトナー画像がタッキングを起こさない熱的、機械的ストレスに優れた低温定着トナーを提供できる様になった。
本発明に係るトナーが使用可能なモノクロタイプの画像形成装置の一例である。 本発明に係るトナーが使用可能なタンデム型のカラー画像形成装置の一例である。 本発明に係るトナーが使用可能なカラー画像形成装置の他の一例である。
本発明者は、トナー中に水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有させることにより、未使用状態で長期間保管してもブロッキングを起こさず、定着後のトナー画像がタッキングを起こさない熱的、機械的ストレスに優れた低温定着対応のトナーが得られることを見出した。前記構成により本発明の効果を発現する様になった理由は、おそらく、脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールの作用により、定着時の加熱に対してのみ結着樹脂は流動性を発現し、それ以外のときは流動性が抑制される様になったためと考えられる。
つまり、トナー粒子中に結着樹脂分子と脂肪酸エステルワックス分子及び脂肪族アルコール分子とが共存する状態が形成されることにより、これら分子間に水素結合等による相互作用が適度に働いて、トナーの融点が上昇するものと考えられる。本発明では、脂肪酸エステルワックス分子上に水酸基が存在し、かつ、脂肪族アルコールの水酸基の存在により、分子間で強固な水素結合を形成し易い環境が実現されているものと考えられる。
その結果、保管中の未使用トナーや定着後のトナー画像の様に、大きな熱を受けることのない状態におかれては結着樹脂の流動性が抑制され、ブロッキングやタッキングの発生が回避されるものと考えられる。一方、定着時には大きな熱を受けることにより結着樹脂の流動性が瞬時に発現されて低温定着が実現されるとともに、熱源がなくなったらすぐに強固な水素結合の作用でトナーが固化し易くなっていると考えられる。
この様に、本発明では、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールの存在により、低温で容易に流動性を発現する結着樹脂に対しても熱特性と流動性を適度に制御できる様になったものと考えられる。また、上記構成により定着時の加熱に対し低い溶融粘度が発現され、定着後はトナー画像表面で比較的緩やかな水素結合等による架橋構造の形成によりトナー自体に弾性が付与されてトナー画像の強度が向上するものと考えることもできる。
以下、本発明について詳細に説明する。
前述した様に、本発明者は、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び、ワックスを含有し、水酸基を有する脂肪族エステルワックスと脂肪族アルコールを含有してなるトナーを見出すことにより、本発明の効果が発現されることを見出した。
本発明に係るトナーに含有される水酸基を有する脂肪族エステルワックスについて説明する。本発明で使用される水酸基を有する脂肪族エステルワックスは、その構造中に少なくとも1つの水酸基を結合してなる化合物で、公知の合成法により得られるものである。具体的には、水酸基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールとの脱水縮合反応がその代表的なものである。
水酸基を有する脂肪族カルボン酸は、一般に脂肪族ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸あるいはヒドロキシ酸とも呼ばれるもので、本発明に使用される脂肪族エステルワックスを作製する水酸基を有する脂肪族カルボン酸には以下のものがある。すなわち、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、カテキン酸、乳酸、リシノール酸、イソクエン酸、メバロン酸、シキミ酸、タルトロン酸、ヒドロキシ酪酸、シトラマル酸、ロイシン酸、パントイン酸等がある。これらの中でも、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸が特に好ましいものである。
また、本発明に使用される脂肪族エステルワックスを形成する脂肪族アルコールとしては、炭素原子数が10〜40のものが好ましく、より好ましくは12〜30の脂肪族アルコールが用いられる。なお、脂肪族アルコールの炭化水素構造の部位は直鎖構造のものでも、分岐構造を有するものでもよい。
脂肪族アルコールには、たとえば、以下のものがある。すなわち、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、ヘンエイコサノール、ドコサノール、トリコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノール等がある。これら脂肪族アルコールの中でも、ドコサノール、オクタデカノールが用いられた脂肪族カルボン酸が特に好ましいものである。
また、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスを含有する天然ワックスを使用することも可能で、たとえば、カルナバワックス、ライスワックス等の天然ワックスがある。さらに、上記水酸基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールを合成したものの他に、セリル−ω−ヒドロキシセロテート、セリル−ω−ヒドロキシメリセート、ミリシル−ω−ヒドロキシメリセート等の合成ワックスを使用することもできる。
これら水酸基を有する脂肪酸エステルワックスの融点は、40〜120℃で、好ましくは50〜110℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が上記範囲内にあることにより、上記ワックスがトナーの耐熱保管性や低温定着性を発現する上で寄与するものと見られる。
次に、本発明に係るトナーに前述した水酸基を有する脂肪酸エステルワックスとともに含有される脂肪族アルコールについて説明する。
本発明に係るトナーに使用される脂肪族アルコールには、前述した水酸基を有する脂肪酸エステルワックスのアルコール成分と同じ構造あるいは構造が類似の脂肪族アルコールを用いることが好ましい。具体的には、炭素原子数が10〜40のものが好ましく、より好ましくは12〜30の脂肪族アルコールが用いられる。なお、脂肪族アルコールの炭化水素構造の部位は直鎖構造のものでも、分岐構造を有するものでもよい。
本発明に係るトナーに使用可能な脂肪族アルコールの具体例としては、たとえば、以下のものがある。すなわち、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、ヘンエイコサノール、ドコサノール、トリコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノール等がある。この様に、本発明に係るトナーに使用される脂肪族アルコールには、前述した水酸基を有する脂肪酸エステルワックスのアルコール成分と同じ構造あるいは構造が類似の脂肪族アルコールを用いることが好ましい。また、前記脂肪族アルコールの中でも、ドコサノール、オクタデカノールが特に好ましく用いられる。
前記脂肪族アルコールのトナー中への添加量は、水酸基を有するエステルワックスに対して3モル%〜80モル%とすることが好ましく、10モル%〜70モル%がより好ましいものである。
本発明に係るトナーは、トナー粒子中に水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有するものであるが、公知の方法によりこれら化合物をトナー粒子中に含有させることができる。具体的には、たとえば、結着樹脂の原料である重合性単量体の液中に水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを添加しておき、これを重合反応することにより前記化合物を含有する樹脂粒子を形成する。そして、形成した樹脂粒子を着色剤粒子とともに凝集、融着することによりこれら化合物を含有してなるトナーを作製することができる。
また、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールの混合物をこれら化合物の溶融温度以上に加熱しておき、同様に加熱した界面活性剤水溶液に添加して、超音波や高速撹拌などの分散方法により微粒子化しておく。この混合物の微粒子を樹脂粒子や着色剤粒子とともに凝集、融着することにより、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有してなるトナーを作製することができる。
また、本発明に係るトナーにおける水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールの含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
また、本発明に係るトナーは、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールとともに、以下に示す公知のワックスを併用することも可能である。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックス等
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等
これらワックスのトナー中への添加方法としては、たとえば、前述した水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有させるときに用いた方法が挙げられる。具体的には、結着樹脂を形成する重合性単量体溶液中に溶解させる方法がある。また、溶融温度以上にワックスを加熱しておき、同様に加熱した界面活性剤水溶液に添加して、超音波や高速撹拌などの分散方法により微粒子化しておく。この微粒子を樹脂粒子や着色剤粒子とともに凝集させて凝集粒子を融着させる方法もある。
本発明に係るトナーについて、さらに説明する。本発明に係るトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有し、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有するものである。そして、前記構成により、未使用状態で長期間保管してもブロッキングを起こさず、定着後のトナー画像がタッキングを起こさない熱的、機械的ストレスに優れた低温定着対応のトナーの提供を可能にしている。
本発明に係るトナーは、前述した「水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有する」構成に加え、ガラス転移温度が60℃〜70℃の結着樹脂を用いることが好ましい。結着樹脂のガラス転移温度は、たとえば、「DSC−7示差走査カロリメータ(パーキンエルマ社製)」や「TAC7/DX熱分析コントローラ(パーキンエルマ社製)」を用いて測定することができる。測定手順としては、先ず、結着樹脂4.5mg〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤し、これをアルミニウム製パン(KIT No.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用する。測定条件は、測定温度−30℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分、Heat−Cool−Heatの温度制御で行い、その2nd Heatにおけるデータに基づいて解析を行う。
ガラス転移温度は、第1吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移温度として示す。
また、本発明に係るトナーは、体積基準メディアン径(D50v)が3〜20μmであることが好ましく、5〜12μmがより好ましい。トナーの体積基準メディアン径(D50v径)は、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用のコンピュータシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、「マルチサイザー3」のアパチャー径は50μmのものを使用する。
次に、本発明に係るトナーの製造方法について説明する。
本発明に係るトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び、ワックスを含有してなるもので、その製造方法は特に限定されるものではなく、従来のトナー製造方法により作製することができる。たとえば、混練、粉砕、分級工程を経てトナーを作製するいわゆる粉砕法によるトナー製造方法や、重合性単量体を重合させ、同時に、形状や大きさを制御しながら粒子形成を行ういわゆる重合法によるトナー製造方法により作製が可能である。
その中でも、重合法によるトナー製造方法は、作製されたトナー(いわゆる重合トナーと呼ばれる)が、均一な粒度分布や形状分布、シャープな帯電分布等の特性が得られ易いことから、好ましいものである。特に、本発明は、従来よりも低い温度でトナー画像の定着が行え、定着後はタッキングを起こさないトナー画像が得られ、未使用状態で経時保管してもブロッキングを発生しない、熱的、機械的ストレスに優れたトナーを提供するものである。低温定着性と熱安定性の2つの機能を有するトナーとして、コアシェル構造型のトナーがあるが、重合法によるトナー製造方法はこの様な機能分離型のトナーを作製する上でも好ましいものである。
重合法によるトナー製造方法は、懸濁重合、乳化重合等の重合反応を行って樹脂粒子を形成する工程を経てトナー粒子を作製するものである。本発明に係るトナーは、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有するものであるが、重合工程中でこれら化合物を公知の方法で添加することにより、本発明に係るトナーを作製することができる。そして、これら重合法の中でも乳化重合により樹脂粒子を作製し、前記樹脂粒子を凝集、融着させる工程を経てトナー粒子を作製する乳化会合法によるトナー製造方法が特に好ましい。
以下に、本発明に係るトナーの作製方法の一例である乳化会合法によるトナー作製方法について説明する。乳化会合法によるトナー作製は以下の様な工程を経て行われる。
(1)樹脂粒子分散液の作製工程
(2)着色剤粒子分散液の作製工程
(3)樹脂粒子等の凝集・融着工程
(4)熟成工程
(5)冷却工程
(6)洗浄工程
(7)乾燥工程
(8)外添剤処理工程
以下、各工程について説明する。
(1)樹脂粒子分散液の作製工程
この工程は樹脂粒子を形成する重合性単量体を水系媒体中に投入して重合を行うことにより100nm程度の大きさの樹脂粒子を形成する工程である。なお、本発明では水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを存在下で重合性単量体の重合を行うことにより、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有した樹脂粒子を作製することができる。
ここで、「水系媒体」という言葉が用いられているが、本発明でいう「水系媒体」とは、水50〜100質量%と水溶性有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体のことをいう。水溶性の有機溶剤には、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン等の公知のものがある。
(2)着色剤粒子分散液の作製工程
前述した手順により、水系媒体中に着色剤を分散させて、着色剤粒子分散液を作製する工程である。特に、本発明では、数平均1次粒径が30nm〜200nmの着色剤を用いて着色剤粒子分散液を作製するものである。そして、当該着色剤粒子分散液を用いてトナーを作製することにより、トナー粒子中における着色剤の数平均粒径が数平均1次粒径の1.1倍〜2.5倍になるものである。
(3)樹脂粒子の凝集・融着工程
この工程は、水系媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて粒子を形成し、凝集により形成した粒子を融着させてトナーの母体粒子、すなわち、外添処理をする前のトナーの母体となる粒子(以下、着色粒子ともいう)を作製する工程である。つまり、この工程は、本発明でいう「樹脂粒子を凝集させる工程」に該当するものである。
この工程では、樹脂粒子や着色剤粒子等が存在する水系媒体中に、塩化マグネシウム等に代表されるアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等の凝集剤を添加することによりこれら粒子を凝集させる。次いで、水系媒体中を前記樹脂粒子のガラス転移温度以上で、かつ、前記混合物の融解ピーク温度以上に加熱することにより凝集を進行させると同時に凝集させた樹脂粒子同士を融着させている。さらに、凝集を進行させて粒子が目標の粒径になった時に、食塩等の塩を添加して凝集を停止させ、着色粒子を形成するものである。
この工程では、前述の樹脂粒子分散液の作製工程で作製した水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有する樹脂粒子を用いることにより、本発明に係るトナーの母体粒子となる着色粒子を作製することができる。また、前述の着色剤粒子分散液の作製と同様の手順で水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールの混合物粒子分散液を作製し、前記混合物粒子を樹脂粒子、着色剤粒子とともに凝集、融着させて着色粒子を作製することもできる。
また、コアシェル構造のトナーを作製する場合、最初にコア用の樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させてコア粒子を形成した後、引き続き、シェル用樹脂粒子を投入してコア粒子表面に凝集、融着させる。この様に、凝集・融着を2段階で行うことによりコアシェル構造の着色粒子を作製することもできる。
(4)熟成工程
この工程は、上記凝集・融着工程に引き続き、反応系を加熱処理することにより着色粒子の形状を所望の平均円形度になるまで熟成するいわゆる形状制御工程とも呼ばれる工程である。熟成工程では、前述の凝集・融着工程で形成された着色粒子を構成する結着樹脂のガラス転移温度以上に加熱することにより、着色粒子の形状制御が行える。
(5)冷却工程
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/分の冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(6)洗浄工程
この工程は、上記工程で所定温度まで冷却された着色粒子分散液から着色粒子を固液分離する工程と、固液分離されたウェット状態の着色粒子表面より界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去する洗浄工程からなる。
生産工程では、固液分離された着色粒子は、通常、トナーケーキと呼ばれるケーキ状の集合物の形態をとり、洗浄処理はトナーケーキを解砕して行う。また、洗浄処理は、ろ液の電気伝導度がたとえば10μS/cm程度になるまで水で洗浄する。固液分離方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用する減圧ろ過法、フィルタプレス等を使用するろ過法等があり、本発明では特に限定されるものではない。
(7)乾燥工程
この工程は、洗浄処理された着色粒子を乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機等を使用することが好ましい。
また、乾燥された着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。なお、乾燥処理された着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサ、コーヒーミル、フードプロセッサ等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(8)外添剤処理工程
この工程は、乾燥処理した着色粒子に外添剤や滑剤を添加して画像形成に供することが可能なトナー粒子にする工程である。なお、前記乾燥工程を経た着色粒子をそのままトナー粒子として使用するケースもあるが、外添剤を添加することによりトナーの帯電性や流動性、クリーニング性を向上させることができる。これら外添剤には、公知の無機微粒子や有機微粒子、脂肪族金属塩を使用することができ、その添加量はトナー全体に対して0.1〜10.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤は種々のものを組み合わせて添加することができる。なお、外添剤を添加する際に使用する混合装置としては、たとえば、タービュラミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機、コーヒーミル等の公知の機械式の混合装置がある。
以上の工程を経て、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有してなる本発明に係るトナーを作製することができる。なお、本発明に係るトナーを上記乳化会合法で作製する場合に使用可能な重合開始剤、分散安定剤、界面活性剤については後述する。
次に、本発明に係るトナーを構成する結着樹脂に併用可能な樹脂材料や着色剤等について、具体例を挙げて説明する。
本発明に係るトナーに使用される結着樹脂は、特に限定されるものではなく、たとえば、ビニル系樹脂等の公知の樹脂を用いることができる。
以下に、ビニル系樹脂を形成することが可能なビニル系の重合性単量体の具体例を示す。
(1)スチレンあるいはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等。
また、本発明に係るトナーに使用可能な樹脂を構成するビニル系の重合性単量体には、以下に示すカルボキシル基やスルホン酸基、リン酸基の様なイオン性解離基を有するものも使用できる。
先ず、カルボキシル基を有するものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等がある。また、スルホン酸基を有するものとしては、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等があり、リン酸基を有するものとしてはアシドホスホオキシエチルメタクリレート等がある。
また、以下に示す多官能性ビニル類を使用することにより、架橋構造の樹脂を作製することも可能である。以下に、多官能性ビニル類の具体例を示す。
エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等。
また、本発明に係るトナーに使用可能な着色剤としては公知のものが挙げられる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、たとえば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も使用することができる。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同6、同7、同15、同16、同48:1、同53:1、同57:1、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同149、同150、同163、同166、同170、同177、同178、同184、同202、同206、同207、同209、同222、同238、同269等がある。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー12、同14、同15、同17、同74、同83、同93、同94、同138、同155、同162、同180、同185等がある。
さらに、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー2、同3、同15、同15:2、同15:3、同15:4、同16、同17、同60、同62、同66、C.I.ピグメントグリーン7等がある。
また、染料としては、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同33、同44、同56、同61、同77、同79、同80、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等がある。
これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用することも可能である。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲で、これらの混合物も用いることができる。数平均1次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
着色剤の添加方法としては、樹脂微粒子を凝集剤の添加にて凝集させる段階で添加し重合体を着色する。なお、着色剤は表面をカップリング剤等で処理して使用することも可能である。
次に、本発明に係るトナーは、その製造工程で外部添加剤(=外添剤)として数平均一次粒径が4〜800nmの無機微粒子や有機微粒子等の粒子を添加してトナー作製することが可能である。外添剤の添加により、トナーの流動性や帯電性が改良され、また、クリーニング性の向上等が実現される。外添剤の種類は特に限定されるものではなく、たとえば、以下に例示する無機微粒子や有機微粒子、及び、滑剤がある。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することが可能で、たとえば、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましい。また、必要に応じてこれらの無機微粒子を疎水化処理したものも使用することができる。
シリカ微粒子の具体例としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等がある。
チタニア微粒子としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等がある。
アルミナ微粒子としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等がある。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
また、クリーニング性や転写性をさらに向上させるために滑剤を使用することも可能で、たとえば、以下の様な高級脂肪酸の金属塩がある。すなわち、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩がある。
これら外添剤や滑剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。
次に、本発明に係るトナーを乳化会合法で作製する場合に使用される重合開始剤、分散安定剤、界面活性剤等について説明する。
先ず、本発明に係るトナーを構成する結着樹脂をビニル系重合性単量体を用いて形成する場合、公知の油溶性あるいは水溶性の重合開始剤を使用することができる。油溶性の重合開始剤としては、具体的には、以下に示すアゾ系またはジアゾ系重合開始剤や過酸化物系重合開始剤がある。すなわち、
(1)アゾ系またはジアゾ系重合開始剤
2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等
(2)過酸化物系重合開始剤
ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジン等
また、乳化重合法で樹脂粒子を形成する場合は水溶性ラジカル重合開始剤が使用可能である。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等がある。
また、樹脂粒子の分子量調整のために、公知の連鎖移動剤を用いることもできる。具体的には、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素、α−メチルスチレンダイマー等がある。
本発明では、水系媒体中に分散させた重合性単量体を重合したり、水系媒体中に分散させた樹脂粒子等を凝集、融着してトナーを作製するので、これらトナー材料を水系媒体中に安定して分散させておく分散安定剤を使用することが好ましい。分散安定剤としては、たとえば、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等のものがある。また、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等、一般に界面活性剤として使用されるものも分散安定剤として使用できる。
また、水系媒体中で重合性単量体を用いて重合を行なう場合、界面活性剤を使用して前記重合性単量体の油滴を水系媒体中に均一に分散させる必要がある。このとき、使用可能な界面活性剤は、特に限定されるものではないが、たとえば、以下に示すイオン性界面活性剤が好ましいものとして使用できる。イオン性界面活性剤には、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、脂肪酸塩等があり、スルホン酸塩には、たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等がある。
また、硫酸エステル塩には、たとえば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等があり、脂肪酸塩には、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等がある。
また、ノニオン性界面活性剤を使用することも可能で、具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等がある。
本発明に係るトナーは、キャリアとトナーより構成される二成分現像剤として、あるいは、トナーのみから構成される非磁性一成分現像剤として使用することができる。
本発明に係るトナーを二成分現像剤として使用する場合、たとえば、後述するタンデム方式の画像形成装置を用いることにより、高速でフルカラープリントを作製することが可能である。二成分現像剤として使用する際に用いられる磁性粒子であるキャリアは、たとえば、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を使用することが可能である。これらの中ではフェライト粒子が好ましい。
キャリアの体積基準粒径は15〜100μmのものが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。また、飽和磁化値は20〜80emu/gが好ましい。この様な粒径と飽和磁化値を有するキャリアを用いることにより、画像形成時に現像スリーブ上に柔らかな磁気ブラシが形成され、鮮鋭性に優れたトナー画像を形成することができる。なお、上記体積平均粒径と飽和磁化値は公知の測定装置により測定が可能である。具体的には、体積基準粒径は湿式分散器を備えたレーザー回折式粒度分析装置「HELOS(シンパテック(株)製)」により、飽和磁化は「直流磁化特性自動記録装置3257−35(横河電気株式会社製)」により測定が可能である。
二成分現像剤は、トナーとキャリアを公知の方法で混合することにより得られる。トナーのキャリアに対する混合量は、2〜10質量%が好ましい。また、混合装置は特に限定されるものではなく、たとえば、ナウターミキサ、Wコーン及びV型混合機等を用いることができる。
また、キャリアを使用せずに画像形成を行う非磁性一成分現像剤として使用する場合、画像形成時にトナーは帯電部材や現像ローラ面に摺擦、押圧して帯電が行われる。非磁性一成分現像方式による画像形成は、現像装置の構造を簡略化できるので、画像形成装置全体をコンパクト化できるメリットがある。したがって、前述したトナーを非磁性一成分現像剤として使用することにより、コンパクトなカラープリンタによるフルカラープリント作成が行え、スペース的に制限がある作業環境で色再現性に優れたフルカラープリント作成を可能にする。
次に、本発明に係るトナーを用いる画像形成方法について説明する。本発明に係るトナーを用いる画像形成方法は、前述した「少なくとも結着樹脂、着色剤、及び、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有するトナー」を用い、少なくとも下記工程を経ることにより転写紙上にトナー画像を形成してプリント作製を行うものである。
(1)電子写真感光体表面に潜像を形成する潜像形成工程
(2)電子写真感光体表面に形成された静電潜像を現像剤担持体に担持させた現像剤で現像してトナー画像を形成する現像工程
(3)トナー画像を転写体表面に転写する転写工程
(4)転写体表面に転写させたトナー画像を熱定着する定着工程。
図1は、本発明に係るトナーによるプリント作製が可能なモノクロタイプの画像形成装置の一例である。図1に示す画像形成装置は、デジタル方式の画像形成装置で、画像読取部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送部Dより構成される。
画像読取部Aの上部には、原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられている。自動原稿送り手段では、原稿載置台11上に原稿を載置し、載置した原稿は搬送ローラ12により1枚ずつ分離、搬送されて、読取位置13aで画像の読取りが行われる。読取りを終えた原稿は搬送ローラ12により原稿排紙トレイ14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に原稿を置いて読取りを行う場合、原稿画像は走査光学系を構成する照明ランプと複数のミラーより構成される複数のミラーユニット15、16により読取られる。
画像読取部Aで読取られた画像は、投影レンズ17を通して撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像した光学像は、順次電気信号(輝度信号)に変換された後A/D変換され、画像処理部Bで濃度変換やフィルタ処理等の処理が施されて画像データとして一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cは、像担持体であるドラム状の電子写真感光体1を有する。感光体1の外周に感光体1を帯電させる帯電手段2、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段4、転写手段5、クリーニング手段6、光除電手段であるPCL(プレチャージランプ)8が各々動作順に配置されている。また、現像手段4の下流側に感光体1上に形成されるパッチ画像の反射濃度を測定する濃度検出手段222が設けられている。感光体1は図示の時計方向に駆動回転する。
感光体1は帯電手段2により一様帯電がなされた後、像露光手段3により画像処理部Bのメモリからの画像信号に基づいて像露光される。像露光手段3が感光体1に対してAoの位置で像露光を行うことにより感光体1表面に静電潜像が形成される。
次に、感光体1上に形成された静電潜像は現像手段4により現像され、感光体1表面にトナー像が形成される。
転写紙搬送部Dは、異なるサイズの転写紙Pを収納する給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)を有し、また、手差給紙を行うための手差給紙ユニット42を側方に有し、これら給紙ユニットより適切な転写紙Pが選択される。転写紙Pは案内ローラ43により搬送路40に沿って搬送され、レジストローラ44により傾きと偏りが修正される。レジストローラ44により修正された転写紙Pは、再び搬送路40に沿って搬送され、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内される。感光体1上のトナー画像は、転写位置Boで転写極24と分離極25により転写紙Pに転写され、転写紙Pは感光体21面より分離し、転写手段5より定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52を有し、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52の間に通過させて、加熱、加圧を行いトナー画像を定着する。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は、転写紙Pの片面に画像形成を行う説明であるが、両面に画像形成を行う場合は排紙切換部材170、転写紙案内部177の作動により、転写紙Pは破線矢印方向に搬送される。さらに、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送されてスイッチバック搬送されて転写紙P後端部が先端部になって両面プリント用給紙ユニット130を搬送する。そして、両面プリント用給紙ユニット130の搬送ガイド131、給紙ローラ132の作動により転写紙Pは搬送路40を再度搬送され、前述した手順により転写紙Pの裏面にもトナー画像を形成することができる。
上記画像形成装置では、感光体、現像手段、クリーニング手段等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体構成のものとしてユニット化し、ユニット単位で装置本体に自在に着脱できる構成にすることもできる。また、帯電手段、像露光手段、現像手段、転写または分離手段、及び、クリーニング手段を感光体と一体化したプロセスカートリッジとし、装置本体に自在に着脱できる単一ユニットにすることもできる。
また、本発明に係るトナーは、たとえば、プリント速度が400mm/sec(A4用紙に換算して85枚/分の出力性能)レベルの高速の画像形成装置に使用することも可能である。この様な高速の画像形成装置としては、たとえば、一度に数千枚レベルのプリント物をオンデマンドに作成することが可能なPOD(プリントオンデマンド)対応のプリンタ等がある。
図2は、本発明に係るトナーを用いてカラー画像を形成する画像形成装置の一例を示す概略図である。図2中、1Y、1M、1C、1Bkは感光体、4Y、4M、4C、4Bkは現像装置、5Y、5M、5C、5Bkは1次転写手段としての1次転写ロール、5Aは2次転写手段としての2次転写ロール、6Y、6M、6C、6Bkはクリーニング装置、7は中間転写体ユニット、50は熱ロール式定着装置、70は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置50とを有する。画像形成装置の上部には、原稿画像読取装置Aが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ロール5Y、クリーニング手段6Yを有する。
また、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ロール5M、クリーニング手段6Mを有する。また、さらに別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ロール5C、クリーニング手段6Cを有する。また、更に他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Bk、感光体1Bkの周囲に配置された帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、1次転写手段としての1次転写ロール5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、1次転写ロール5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ロール22A、22B、22C、22D、レジストロール23を経て、2次転写手段としての2次転写ロール5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、熱ロール式定着装置50により定着処理され、排紙ロール25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ロール5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ロール5Bkは常時、感光体1Bkに圧接している。他の1次転写ロール5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ロール5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われるときにのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
この様に感光体1Y、1M、1C、1Bk上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、定着装置50で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Bkは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
次に、図3も図2と同様、カラー画像形成装置の構成断面図であるが、図2の画像形成装置とは異なる形態のものである。図3の画像形成装置は、有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢印方向で示す反時計方向に所定の周速度で回転駆動する。感光体1は回転しながら、帯電手段2により所定の極性・電位に一様帯電処理され、次いで、不図示の像露光手段3により画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、静電潜像がイエロー(Y)の現像手段4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時、第2〜第4の現像手段であるマゼンタ、シアン、ブラックの各現像手段4M、4C、4Bkは作動オフになっており感光体1に作用せず、第1色目のイエロートナー画像は第2〜第4の現像手段からの影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色の黒(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、たとえば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段50へ搬送され加熱定着される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記文中「部」は「質量部」を表すものである。
1.「脂肪酸エステルワックス1〜6」の合成
(1)「脂肪酸エステルワックス1〜4」の合成
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入管を備えた反応容器に、クエン酸155部、ドコサノール790部、酸触媒としてメタンスルホン酸を投入し、窒素気流下で温度を120℃にして反応水を留去しながら3時間反応処理を行った。その後、水酸化ナトリウム水溶液と過酸化水素水を添加した後、ろ過を行って「脂肪酸エステルワックス1」を合成した。
前記「脂肪酸エステルワックス1」の合成で、クエン酸の添加量を180部に変更し、かつ、ドコサノール790部に代えてオクタデカノール760部を用いた他は同様の手順で「脂肪酸エステルワックス2」を作製した。また、前記「脂肪酸エステルワックス1」の合成で、クエン酸155部に代えて酒石酸175部を用い、かつ、ドコサノールの添加量を762部に変更した他は同様の手順で「脂肪酸エステルワックス3」を作製した。さらに、前記「脂肪酸エステルワックス1」の合成で、クエン酸155部に代えてリンゴ酸160部を用い、かつ、ドコサノールの添加量を779部に変更した他は同様の手順で「脂肪酸エステルワックス4」を作製した。
(2)「脂肪酸エステルワックス5、6」の合成
前記「脂肪酸エステルワックス1」の合成で、クエン酸155部に代えてベヘン酸490部を用い、ドコサノールの添加量を470部に変更した。また、反応温度を220℃、反応時間を15時間にした。他は同様の条件で処理を行うことにより「脂肪酸エステルワックス5」を合成した。また、前記「脂肪酸エステルワックス5」の合成で、ベヘン酸の添加量を851部に変更し、ドコサノール470部に代えてペンタエリスリトール85部を用いた他は同様の手順で「脂肪酸エステルワックス6」を合成した。
上記「脂肪酸エステルワックス1〜6」の合成で用いたカルボン酸とアルコールの化合物名を表1に示す。
2.「トナー1〜23」の作製
2−1.「トナー1」の作製
下記手順により、コアシェル構造を有する「トナー1」の母体粒子となる「着色粒子1」を作製した。
(1)「着色剤粒子分散液C」の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解、撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に、C.I.ピグメントブルー15:3を25質量部徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8(エムテクニック社製)」を用いて分散処理を行って、「着色剤粒子分散液C」を調製した。
「着色剤粒子分散液C」中の「着色剤粒子C」は、体積基準メディアン径が98nmであった。なお、体積基準メディアン径は、「MICROTRAC UPA−150(HONEYWELL社製)」を用い、下記測定条件下で測定したものである。
サンプル屈折率 1.59
サンプル比重 1.05 (球状粒子換算)
溶媒屈折率 1.33
溶媒粘度 0.797(30℃)、1.002(20℃)
0点調整 測定セルにイオン交換水を投入し調製した。
(2)「脂肪酸エステルワックス1及びドコサノール混合物粒子分散液D」の調製
「脂肪酸エステルワックス1」を21質量部、「ドコサノール」2.5質量部の混合物を調製した後、前記「着色剤粒子分散液C」の調製と同様の手順により「脂肪酸エステルワックス1及びドコサノール混合物粒子分散液D」を調製した。具体的には、前記「C.I.ピグメントブルー15:3」に代えて前記混合物25質量部を前記界面活性剤水溶液中に徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8(エムテクニック社製)」を用いて分散処理を行って調製した。前記「脂肪酸エステルワックス1及びドコサノール混合物粒子分散液D」中の「粒子D」は体積基準メディアン径が98nmであった。なお、体積基準メディアン径は上記測定条件下で得られたものである。
(3)「コア部用樹脂粒子1」の作製
下記に示す第1段重合、第2段重合及び第3段重合を経て多層構造を有する「コア部用樹脂粒子1」を作製した。
(a)第1段重合
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に下記(構造式1)に示すアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部とともに投入し、界面活性剤水溶液を調製した。
(構造式1) C1021(OCHCHSONa
上記界面活性剤水溶液中に、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃に昇温させた後、下記化合物よりなる単量体混合液を1時間かけて反応容器中に滴下した。
スチレン 532質量部
n−ブチルアクリレート 200質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
上記単量体混合液を滴下後、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行って「樹脂粒子分散液A1」を作製した。第1段重合で作製した「樹脂粒子分散液A1」中の「樹脂粒子A1」の重量平均分子量は16,500だった。
(b)第2段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に下記化合物からなる単量体混合液を投入した。続いて、前述の「脂肪族エステルワックス1」を84質量部と炭素原子数が22の脂肪族アルコールである「ドコサノール」を9.8質量部添加して84℃に加温して溶解させた。この様にして単量体溶液を調製した。なお、前記「ドコサノール」の添加量は、前記「脂肪酸エステルワックス1」に対して39.9モル%となるものである。
スチレン 233質量部
n−ブチルアクリレート 123.7質量部
メタクリル酸 24.5質量部
n−オクチルメルカプタン 3.48質量部
一方、前記アニオン界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を調製して80℃に加熱した。この界面活性剤水溶液中に前記「樹脂粒子A1」を32.8質量部(固形分換算)添加し、さらに、前記「脂肪酸エステルワックス1」と「ドコサノール」を含有する単量体溶液を添加した。その後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エムテクニック社製)」で30分間混合分散処理を行い、分散粒子径が340nmの乳化粒子を含有する乳化粒子分散液を調製した。
次いで、前記乳化粒子分散液に過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱撹拌を行って重合(第2段重合)を行い、「樹脂粒子分散液A2」を作製した。第2段重合で作製した「樹脂粒子分散液A2」中の「樹脂粒子A2」の重量平均分子量は23,000だった。
(c)第3段重合
上記第2段重合で得られた「樹脂粒子分散液A2」に、過硫酸カリウム3.19質量部をイオン交換水130質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、下記化合物からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 173質量部
n−ブチルアクリレート 83.4質量部
n−オクチルメルカプタン 4.16質量部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌を行って重合(第3段重合)を行い、重合終了後、28℃に冷却して「コア部用樹脂粒子分散液1」を作製した。第3段重合で作製した「コア部用樹脂粒子分散液1」中の「コア部用樹脂粒子1」の重量平均分子量は26,800であった。
(4)「シェル用樹脂粒子」の作製
前記「コア部用樹脂粒子1」の作製における第1段重合で使用された単量体混合液を以下のものに変更した以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行って「シェル用樹脂粒子1」を作製した。
スチレン 119質量部
n−ブチルアクリレート 33質量部
メタクリル酸 8質量部
n−オクチルメルカプタン 4.5質量部
(5)「トナー1」の作製
下記の手順により、トナーの母体粒子である「着色粒子1」を作製した。
(a)コア部の形成
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、
コア部用樹脂粒子1 420質量部(固形分換算)
イオン交換水 900質量部
着色剤粒子1 200質量部(固形分換算)
を投入、撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を撹拌の下で30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温させ、上記粒子の会合を行った。この状態で「マルチサイザ3(ベックマンコールター社製)」により会合粒子の粒径を測定し、会合粒子の体積基準メディアン径が5.5μmになった時、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加して会合を停止させた。
会合停止後、さらに、熟成処理として液温を70℃にして1時間にわたり加熱撹拌を行うことにより融着を継続させて「コア部1」を作製した。
「コア部1」の平均円形度を「FPIA2100(シスメックス社製)」で測定したところ、0.92だった。
(b)シェルの形成
次に、上記液を65℃にして「シェル用樹脂粒子1」を210質量部(固形分換算)添加し、さらに、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した後、70℃まで昇温させて1時間にわたり撹拌を行った。この様にして、「コア部1」の表面に「シェル用樹脂粒子1」を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行ってシェルを形成した。
この後、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加してシェル形成を停止した。さらに、8℃/分の速度で30℃に冷却して生成した着色粒子をろ過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェルを有する「着色粒子1」を作製した。
(c)外添処理
作製した「着色粒子1」に下記外添剤を添加して、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)にて外添処理を行うことにより「トナー1」を作製した。
ヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均一次粒径12nm)
0.6質量部
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径24nm)
0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件の下で行った。
2−2.「トナー2〜23」の作製
(1)「トナー2〜5」の作製
前記「トナー1」の作製で前記「コア部用樹脂粒子1」の作製における第2段重合で使用した「脂肪酸エステルワックス1」及び「ドコサノール」の添加量を表2に示す様に変更した他は同様の手順で「トナー2〜5」を作製した。
(2)「トナー6〜12」の作製
前記「トナー1」の作製で前記「コア部用樹脂粒子1」の作製における第2段重合で使用した「ドコサノール」9.8質量部に代えて、表2に示す様に、アルコール化合物の種類と添加量を変更した他は同様の手順で「トナー6〜12」を作製した。なお、「トナー10」を作製する際に用いたアルコール化合物(※)は下記に示す構造の炭素原子数40の脂肪族アルコールである。また、「トナー12」を作製する際に用いたアルコール化合物(※※)は下記に示す構造の炭素原子数42の脂肪族アルコールである。
(3)「トナー13〜22」の作製
前記「トナー1」の作製における第2段重合で使用した「脂肪酸エステルワックス1」84.0質量部に代えて、表2に示す様に、脂肪酸エステル化合物の種類と添加量を変更した他は同様の手順で「トナー13〜21」を作製した。また、前記「トナー1」の作製における第2段重合で、「ドコサノール」を添加せず、「脂肪酸エステルワックス1」を90.0質量部に添加するものに変更した他は同様の手順で「トナー22」を作製した。
(4)「トナー23」の作製
前記「トナー1」を作製する際の第2段重合で「脂肪族エステルワックス1」と「ドコサノール」を添加しないで樹脂粒子分散液の作製を行った他は同様の手順により、で樹脂粒子分散液を作製し、「コア部用樹脂粒子分散液2」を作製した。
次に、「トナー1」の作製における「コア部の形成」で、撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、
コア部用樹脂粒子2 420質量部(固形分換算)
イオン交換水 900質量部
着色剤粒子C 200質量部(固形分換算)
脂肪酸エステルワックス1及びドコサノール混合物粒子D
200質量部(固形分換算)
を投入、撹拌した他は同様の手順で「トナー23」を作製した。上記手順で作製した「トナー23」では、「脂肪酸エステルワックス1」及び「ドコサノール」の含有量を前記「トナー1」と同量になる様にした。
以上の手順により作製した「トナー1〜23」の構成を表2に示す。なお、表中の「アルコール比率(モル%)」は、トナー中への脂肪族アルコールの添加量を脂肪酸エステルワックスに対する比率で表したものである。
3.評価実験
上記手順で作製した「トナー1〜23」について下記評価を行った。ここで、本発明の構成を有する「トナー1〜15、23」を「実施例1〜16」、本発明の構成を満たしていない「トナー16〜22」を「比較例1〜7」とした。
3−1.評価その1(トナーの耐熱保管性評価)
トナーの耐熱保管性を以下の手順で評価した。先ず、前記各トナー0.5gをそれぞれ内径21mmの10mlガラス瓶に取り、蓋を閉めてタップデンサー「KYT−2000(セイシン企業社製)」で600回振とうした後、蓋を取り、温度57℃、湿度35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、前記トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に解砕しない様に載せ、「パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)」にセットし、押さえバー、ノブナットで固定した。
前記「パウダーテスター」を送り幅1mmの振動強度に調節して10秒間振動を加えた。その後、篩上に残存するトナー量を測定し、残存トナーの比率を算出することによりトナー凝集率(質量%)を求めて、これを耐熱保管性の評価とした。
トナー凝集率は、下記式により算出されるもので、
トナー凝集率(質量%)
=〔(篩上の残存トナー質量(g))/0.5(g)〕×100
耐熱保管性の評価は以下の基準に基づいて行った。すなわち、
◎:トナー行収率が15質量%未満(耐熱保管性が極めて良好)
○:トナー凝集率が15質量%以上20質量%以下(耐熱保管性が良好)
×:トナー凝集率が20質量%を超える(トナーの耐熱保管性が悪く使用不可)
上記基準のうち、◎と○を合格とした。
3−2.評価その2(画質性能の評価)
(1)「現像剤1〜23」の調製
前記「トナー1〜23」の各々に、スチレンアクリル樹脂を被覆した体積平均粒径35μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が8%の「現像剤1〜23」を調製した。
(2)評価実験
前記「現像剤1〜23」を、市販のデジタル複写機「bizhub PRO C500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」の定着装置を改造した評価機に搭載して、タッキング性能と定着性能を評価した。
〈タッキング性能評価〉
タッキングの評価は、上記「現像剤1〜23」を用いて上記デジタル複写機改造機より出力した未定着の画像2枚を、定着温度が150℃の外部定着装置により定着した。定着を行った2枚の画像は、画像部と非画像部及び画像部同士が重なり合う様に向かい合わせに重ね、重ねた部分に対し80g/cmの荷重が加わる様に錘を載せた。この状態で温度60℃、湿度50%RHの恒温恒湿槽内に3日間放置した。放置後、重ねた2枚の定着画像の重ね合わせた部分について画像不良の発生の有無を以下の基準に基づいて評価した。すなわち、
優良:トナーの移行に起因する画像不良の発生がなく、また、重ねた画像を離す際に軽微な貼り付きも見られず、全く問題なしと評価したもの
良好:重ねた画像を離す際にジッピング音がするが、トナーの移行に起因する画像不良の発生がなく、問題なしと評価したもの
実用可:重ねた画像を離したとき、双方の画像に光沢ムラの発生がみられたが、画像不良の発生がほとんどみられないと評価したもの
不良:重ねた画像を離すと、非画像部に画像転写の発生がみられ、接触画像間でトナーの移行による剥離も認められたもので、実用上使用不可と評価したもの
上記基準のうち、「優良」、「良好」、「実用可」を合格とした。
〈定着性能評価〉
前記デジタル複写機改造機を用い、転写紙上にトナー付着量が11mg/cmとなる条件で現像を行ってトナー画像を形成した。トナー画像を形成した転写紙を温度20℃、湿度50%RHの環境下で定着ヒートローラの温度を120℃〜210℃の範囲で5℃刻みで変化させて定着処理を行った。
その後、定着処理を行った転写紙を折り機を用いて画像部を折り曲げ、折り曲げた部位に0.35MPaの空気を吹きつけた後、折り曲げた部位の画像の状況を下記評価基準に基づいて評価した。評価は下記に示す5段階のランクで、ランク3となる定着温度を下限定着温度とした。下限定着温度が150℃以下のものを合格とした。すなわち、
ランク5:折れ目が全くなし
ランク4:一部折れ目にしたがって若干の剥離がみられるが問題なし
ランク3:折れ目にしたがって細い線状剥離がみられるが実用上問題なし
ランク2:折れ目にしたがって太い剥離が認められ実用上問題あり
ランク1:画像上に大きな剥離が発生している。
以上の結果を表3に示す。
表3に示す様に、本発明の構成を有する「実施例1〜16」では、いずれも耐熱保管性、タッキング性能、定着性能が基準を満たす結果となり、本発明の効果を奏するものであることが確認された。一方、本発明の構成を満たしていない「比較例1〜7」では、耐熱保管性、タッキング性能、定着性能の少なくとも1つが基準を満たさず、本発明の効果を発現できないことが確認された。
1(1Y、1M、1C、1Bk) 感光体
2 帯電手段
3 像露光手段
4(4Y、4M、4C、4Bk) 現像装置(現像手段)
5(5Y、5M、5C、5Bk) 1次転写手段(1次転写ローラ)
6(6Y、6M、6C、6Bk) クリーニング装置(クリーニング手段)
10(10Y、10M、10C、10Bk)、C 画像形成部
50 定着手段
70 (無端ベルト状)中間転写体
A 画像読取部
B 画像処理部
D 転写紙搬送部
P 転写材(転写紙、記録部材)

Claims (6)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含有してなるトナーであって、
    水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有するもの(ただし、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を含有するものを除く)であることを特徴とするトナー。
  2. 前記脂肪族アルコールは、炭素原子数が10以上40以下のものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記脂肪族アルコールが、前記水酸基を有する脂肪酸エステルワックスに対して3モル%以上80モル%以下含有されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のトナーを含有してなることを特徴とする現像剤。
  5. 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び、ワックスを含有してなるトナーの製造方法であって、
    少なくとも、
    水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有した重合性単量体(ただし、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を含有するものを除く)を重合して前記結着樹脂を構成する樹脂粒子を形成する工程と、
    前記樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させる工程と、を経て前記トナーを作製することを特徴とするトナーの製造方法。
  6. 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び、ワックスを含有してなるトナーの製造方法であって、
    少なくとも、
    重合性単量体を重合して形成された前記結着樹脂を構成する樹脂粒子と、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールの混合物粒子(ただし、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を含有するものを除く)と、着色剤粒子とを凝集、融着させる工程を経て前記トナーを作製することを特徴とするトナーの製造方法。
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