JP5251975B2 - トナー、現像剤、トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明は、
『少なくとも結着樹脂、着色剤、及び、ワックスを含有してなるトナーであって、
水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有するものであることを特徴とするトナー。』というものである。
『前記脂肪族アルコールは、炭素原子数が10以上40以下のものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。』というものである。
『前記脂肪族アルコールが、前記水酸基を有する脂肪酸エステルワックスに対して3モル%以上80モル%以下含有されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。』というものである。
『請求項1〜3の何れか1項に記載のトナーを含有してなることを特徴とする現像剤。』というものである。
『少なくとも結着樹脂、着色剤、及び、ワックスを含有してなるトナーの製造方法であって、
少なくとも、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有した重合性単量体を重合して前記結着樹脂を構成する樹脂粒子を形成する工程と、前記樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させる工程と、を経て前記トナーを作製することを特徴とするトナーの製造方法。』というものである。
『少なくとも結着樹脂、着色剤、及び、ワックスを含有してなるトナーの製造方法であって、
少なくとも、重合性単量体を重合して形成された前記結着樹脂を構成する樹脂粒子と、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールの混合物粒子と、着色剤粒子とを凝集、融着させる工程を経て前記トナーを作製することを特徴とするトナーの製造方法。』というものである。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックス等
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等
これらワックスのトナー中への添加方法としては、たとえば、前述した水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有させるときに用いた方法が挙げられる。具体的には、結着樹脂を形成する重合性単量体溶液中に溶解させる方法がある。また、溶融温度以上にワックスを加熱しておき、同様に加熱した界面活性剤水溶液に添加して、超音波や高速撹拌などの分散方法により微粒子化しておく。この微粒子を樹脂粒子や着色剤粒子とともに凝集させて凝集粒子を融着させる方法もある。
(2)着色剤粒子分散液の作製工程
(3)樹脂粒子等の凝集・融着工程
(4)熟成工程
(5)冷却工程
(6)洗浄工程
(7)乾燥工程
(8)外添剤処理工程
以下、各工程について説明する。
この工程は樹脂粒子を形成する重合性単量体を水系媒体中に投入して重合を行うことにより100nm程度の大きさの樹脂粒子を形成する工程である。なお、本発明では水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを存在下で重合性単量体の重合を行うことにより、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有した樹脂粒子を作製することができる。
前述した手順により、水系媒体中に着色剤を分散させて、着色剤粒子分散液を作製する工程である。特に、本発明では、数平均1次粒径が30nm〜200nmの着色剤を用いて着色剤粒子分散液を作製するものである。そして、当該着色剤粒子分散液を用いてトナーを作製することにより、トナー粒子中における着色剤の数平均粒径が数平均1次粒径の1.1倍〜2.5倍になるものである。
この工程は、水系媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて粒子を形成し、凝集により形成した粒子を融着させてトナーの母体粒子、すなわち、外添処理をする前のトナーの母体となる粒子(以下、着色粒子ともいう)を作製する工程である。つまり、この工程は、本発明でいう「樹脂粒子を凝集させる工程」に該当するものである。
この工程は、上記凝集・融着工程に引き続き、反応系を加熱処理することにより着色粒子の形状を所望の平均円形度になるまで熟成するいわゆる形状制御工程とも呼ばれる工程である。熟成工程では、前述の凝集・融着工程で形成された着色粒子を構成する結着樹脂のガラス転移温度以上に加熱することにより、着色粒子の形状制御が行える。
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/分の冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
この工程は、上記工程で所定温度まで冷却された着色粒子分散液から着色粒子を固液分離する工程と、固液分離されたウェット状態の着色粒子表面より界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去する洗浄工程からなる。
この工程は、洗浄処理された着色粒子を乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機等を使用することが好ましい。
この工程は、乾燥処理した着色粒子に外添剤や滑剤を添加して画像形成に供することが可能なトナー粒子にする工程である。なお、前記乾燥工程を経た着色粒子をそのままトナー粒子として使用するケースもあるが、外添剤を添加することによりトナーの帯電性や流動性、クリーニング性を向上させることができる。これら外添剤には、公知の無機微粒子や有機微粒子、脂肪族金属塩を使用することができ、その添加量はトナー全体に対して0.1〜10.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤は種々のものを組み合わせて添加することができる。なお、外添剤を添加する際に使用する混合装置としては、たとえば、タービュラミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機、コーヒーミル等の公知の機械式の混合装置がある。
(1)スチレンあるいはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等。
(1)アゾ系またはジアゾ系重合開始剤
2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等
(2)過酸化物系重合開始剤
ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジン等
また、乳化重合法で樹脂粒子を形成する場合は水溶性ラジカル重合開始剤が使用可能である。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等がある。
(1)電子写真感光体表面に潜像を形成する潜像形成工程
(2)電子写真感光体表面に形成された静電潜像を現像剤担持体に担持させた現像剤で現像してトナー画像を形成する現像工程
(3)トナー画像を転写体表面に転写する転写工程
(4)転写体表面に転写させたトナー画像を熱定着する定着工程。
(1)「脂肪酸エステルワックス1〜4」の合成
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入管を備えた反応容器に、クエン酸155部、ドコサノール790部、酸触媒としてメタンスルホン酸を投入し、窒素気流下で温度を120℃にして反応水を留去しながら3時間反応処理を行った。その後、水酸化ナトリウム水溶液と過酸化水素水を添加した後、ろ過を行って「脂肪酸エステルワックス1」を合成した。
前記「脂肪酸エステルワックス1」の合成で、クエン酸155部に代えてベヘン酸490部を用い、ドコサノールの添加量を470部に変更した。また、反応温度を220℃、反応時間を15時間にした。他は同様の条件で処理を行うことにより「脂肪酸エステルワックス5」を合成した。また、前記「脂肪酸エステルワックス5」の合成で、ベヘン酸の添加量を851部に変更し、ドコサノール470部に代えてペンタエリスリトール85部を用いた他は同様の手順で「脂肪酸エステルワックス6」を合成した。
2−1.「トナー1」の作製
下記手順により、コアシェル構造を有する「トナー1」の母体粒子となる「着色粒子1」を作製した。
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解、撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に、C.I.ピグメントブルー15:3を25質量部徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8(エムテクニック社製)」を用いて分散処理を行って、「着色剤粒子分散液C」を調製した。
サンプル比重 1.05 (球状粒子換算)
溶媒屈折率 1.33
溶媒粘度 0.797(30℃)、1.002(20℃)
0点調整 測定セルにイオン交換水を投入し調製した。
「脂肪酸エステルワックス1」を21質量部、「ドコサノール」2.5質量部の混合物を調製した後、前記「着色剤粒子分散液C」の調製と同様の手順により「脂肪酸エステルワックス1及びドコサノール混合物粒子分散液D」を調製した。具体的には、前記「C.I.ピグメントブルー15:3」に代えて前記混合物25質量部を前記界面活性剤水溶液中に徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8(エムテクニック社製)」を用いて分散処理を行って調製した。前記「脂肪酸エステルワックス1及びドコサノール混合物粒子分散液D」中の「粒子D」は体積基準メディアン径が98nmであった。なお、体積基準メディアン径は上記測定条件下で得られたものである。
下記に示す第1段重合、第2段重合及び第3段重合を経て多層構造を有する「コア部用樹脂粒子1」を作製した。
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に下記(構造式1)に示すアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部とともに投入し、界面活性剤水溶液を調製した。
上記界面活性剤水溶液中に、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃に昇温させた後、下記化合物よりなる単量体混合液を1時間かけて反応容器中に滴下した。
n−ブチルアクリレート 200質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
上記単量体混合液を滴下後、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行って「樹脂粒子分散液A1」を作製した。第1段重合で作製した「樹脂粒子分散液A1」中の「樹脂粒子A1」の重量平均分子量は16,500だった。
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に下記化合物からなる単量体混合液を投入した。続いて、前述の「脂肪族エステルワックス1」を84質量部と炭素原子数が22の脂肪族アルコールである「ドコサノール」を9.8質量部添加して84℃に加温して溶解させた。この様にして単量体溶液を調製した。なお、前記「ドコサノール」の添加量は、前記「脂肪酸エステルワックス1」に対して39.9モル%となるものである。
n−ブチルアクリレート 123.7質量部
メタクリル酸 24.5質量部
n−オクチルメルカプタン 3.48質量部
一方、前記アニオン界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を調製して80℃に加熱した。この界面活性剤水溶液中に前記「樹脂粒子A1」を32.8質量部(固形分換算)添加し、さらに、前記「脂肪酸エステルワックス1」と「ドコサノール」を含有する単量体溶液を添加した。その後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エムテクニック社製)」で30分間混合分散処理を行い、分散粒子径が340nmの乳化粒子を含有する乳化粒子分散液を調製した。
上記第2段重合で得られた「樹脂粒子分散液A2」に、過硫酸カリウム3.19質量部をイオン交換水130質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、下記化合物からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
n−ブチルアクリレート 83.4質量部
n−オクチルメルカプタン 4.16質量部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌を行って重合(第3段重合)を行い、重合終了後、28℃に冷却して「コア部用樹脂粒子分散液1」を作製した。第3段重合で作製した「コア部用樹脂粒子分散液1」中の「コア部用樹脂粒子1」の重量平均分子量は26,800であった。
前記「コア部用樹脂粒子1」の作製における第1段重合で使用された単量体混合液を以下のものに変更した以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行って「シェル用樹脂粒子1」を作製した。
n−ブチルアクリレート 33質量部
メタクリル酸 8質量部
n−オクチルメルカプタン 4.5質量部
(5)「トナー1」の作製
下記の手順により、トナーの母体粒子である「着色粒子1」を作製した。
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、
コア部用樹脂粒子1 420質量部(固形分換算)
イオン交換水 900質量部
着色剤粒子1 200質量部(固形分換算)
を投入、撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを10に調整した。
次に、上記液を65℃にして「シェル用樹脂粒子1」を210質量部(固形分換算)添加し、さらに、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した後、70℃まで昇温させて1時間にわたり撹拌を行った。この様にして、「コア部1」の表面に「シェル用樹脂粒子1」を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行ってシェルを形成した。
作製した「着色粒子1」に下記外添剤を添加して、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)にて外添処理を行うことにより「トナー1」を作製した。
0.6質量部
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径24nm)
0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件の下で行った。
(1)「トナー2〜5」の作製
前記「トナー1」の作製で前記「コア部用樹脂粒子1」の作製における第2段重合で使用した「脂肪酸エステルワックス1」及び「ドコサノール」の添加量を表2に示す様に変更した他は同様の手順で「トナー2〜5」を作製した。
前記「トナー1」の作製で前記「コア部用樹脂粒子1」の作製における第2段重合で使用した「ドコサノール」9.8質量部に代えて、表2に示す様に、アルコール化合物の種類と添加量を変更した他は同様の手順で「トナー6〜12」を作製した。なお、「トナー10」を作製する際に用いたアルコール化合物(※)は下記に示す構造の炭素原子数40の脂肪族アルコールである。また、「トナー12」を作製する際に用いたアルコール化合物(※※)は下記に示す構造の炭素原子数42の脂肪族アルコールである。
前記「トナー1」の作製における第2段重合で使用した「脂肪酸エステルワックス1」84.0質量部に代えて、表2に示す様に、脂肪酸エステル化合物の種類と添加量を変更した他は同様の手順で「トナー13〜21」を作製した。また、前記「トナー1」の作製における第2段重合で、「ドコサノール」を添加せず、「脂肪酸エステルワックス1」を90.0質量部に添加するものに変更した他は同様の手順で「トナー22」を作製した。
前記「トナー1」を作製する際の第2段重合で「脂肪族エステルワックス1」と「ドコサノール」を添加しないで樹脂粒子分散液の作製を行った他は同様の手順により、で樹脂粒子分散液を作製し、「コア部用樹脂粒子分散液2」を作製した。
コア部用樹脂粒子2 420質量部(固形分換算)
イオン交換水 900質量部
着色剤粒子C 200質量部(固形分換算)
脂肪酸エステルワックス1及びドコサノール混合物粒子D
200質量部(固形分換算)
を投入、撹拌した他は同様の手順で「トナー23」を作製した。上記手順で作製した「トナー23」では、「脂肪酸エステルワックス1」及び「ドコサノール」の含有量を前記「トナー1」と同量になる様にした。
上記手順で作製した「トナー1〜23」について下記評価を行った。ここで、本発明の構成を有する「トナー1〜15、23」を「実施例1〜16」、本発明の構成を満たしていない「トナー16〜22」を「比較例1〜7」とした。
トナーの耐熱保管性を以下の手順で評価した。先ず、前記各トナー0.5gをそれぞれ内径21mmの10mlガラス瓶に取り、蓋を閉めてタップデンサー「KYT−2000(セイシン企業社製)」で600回振とうした後、蓋を取り、温度57℃、湿度35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、前記トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に解砕しない様に載せ、「パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)」にセットし、押さえバー、ノブナットで固定した。
トナー凝集率(質量%)
=〔(篩上の残存トナー質量(g))/0.5(g)〕×100
耐熱保管性の評価は以下の基準に基づいて行った。すなわち、
◎:トナー行収率が15質量%未満(耐熱保管性が極めて良好)
○:トナー凝集率が15質量%以上20質量%以下(耐熱保管性が良好)
×:トナー凝集率が20質量%を超える(トナーの耐熱保管性が悪く使用不可)
上記基準のうち、◎と○を合格とした。
(1)「現像剤1〜23」の調製
前記「トナー1〜23」の各々に、スチレンアクリル樹脂を被覆した体積平均粒径35μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が8%の「現像剤1〜23」を調製した。
前記「現像剤1〜23」を、市販のデジタル複写機「bizhub PRO C500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」の定着装置を改造した評価機に搭載して、タッキング性能と定着性能を評価した。
タッキングの評価は、上記「現像剤1〜23」を用いて上記デジタル複写機改造機より出力した未定着の画像2枚を、定着温度が150℃の外部定着装置により定着した。定着を行った2枚の画像は、画像部と非画像部及び画像部同士が重なり合う様に向かい合わせに重ね、重ねた部分に対し80g/cm2の荷重が加わる様に錘を載せた。この状態で温度60℃、湿度50%RHの恒温恒湿槽内に3日間放置した。放置後、重ねた2枚の定着画像の重ね合わせた部分について画像不良の発生の有無を以下の基準に基づいて評価した。すなわち、
優良:トナーの移行に起因する画像不良の発生がなく、また、重ねた画像を離す際に軽微な貼り付きも見られず、全く問題なしと評価したもの
良好:重ねた画像を離す際にジッピング音がするが、トナーの移行に起因する画像不良の発生がなく、問題なしと評価したもの
実用可:重ねた画像を離したとき、双方の画像に光沢ムラの発生がみられたが、画像不良の発生がほとんどみられないと評価したもの
不良:重ねた画像を離すと、非画像部に画像転写の発生がみられ、接触画像間でトナーの移行による剥離も認められたもので、実用上使用不可と評価したもの
上記基準のうち、「優良」、「良好」、「実用可」を合格とした。
前記デジタル複写機改造機を用い、転写紙上にトナー付着量が11mg/cm2となる条件で現像を行ってトナー画像を形成した。トナー画像を形成した転写紙を温度20℃、湿度50%RHの環境下で定着ヒートローラの温度を120℃〜210℃の範囲で5℃刻みで変化させて定着処理を行った。
ランク5:折れ目が全くなし
ランク4:一部折れ目にしたがって若干の剥離がみられるが問題なし
ランク3:折れ目にしたがって細い線状剥離がみられるが実用上問題なし
ランク2:折れ目にしたがって太い剥離が認められ実用上問題あり
ランク1:画像上に大きな剥離が発生している。
2 帯電手段
3 像露光手段
4(4Y、4M、4C、4Bk) 現像装置(現像手段)
5(5Y、5M、5C、5Bk) 1次転写手段(1次転写ローラ)
6(6Y、6M、6C、6Bk) クリーニング装置(クリーニング手段)
10(10Y、10M、10C、10Bk)、C 画像形成部
50 定着手段
70 (無端ベルト状)中間転写体
A 画像読取部
B 画像処理部
D 転写紙搬送部
P 転写材(転写紙、記録部材)
Claims (6)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含有してなるトナーであって、
水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有するもの(ただし、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を含有するものを除く)であることを特徴とするトナー。 - 前記脂肪族アルコールは、炭素原子数が10以上40以下のものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記脂肪族アルコールが、前記水酸基を有する脂肪酸エステルワックスに対して3モル%以上80モル%以下含有されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のトナーを含有してなることを特徴とする現像剤。
- 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び、ワックスを含有してなるトナーの製造方法であって、
少なくとも、
水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールを含有した重合性単量体(ただし、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を含有するものを除く)を重合して前記結着樹脂を構成する樹脂粒子を形成する工程と、
前記樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させる工程と、を経て前記トナーを作製することを特徴とするトナーの製造方法。 - 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び、ワックスを含有してなるトナーの製造方法であって、
少なくとも、
重合性単量体を重合して形成された前記結着樹脂を構成する樹脂粒子と、水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールの混合物粒子(ただし、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を含有するものを除く)と、着色剤粒子とを凝集、融着させる工程を経て前記トナーを作製することを特徴とするトナーの製造方法。
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