JP5247846B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
誘導加熱調理器として、誤操作や異常発生時にメッセージを音声で報知し、使用者に注意を促すようにするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、かかる誘導加熱調理器では、本体上面に調理鍋を載置するためのトッププレートを配置し、トッププレート下側に調理鍋の温度を検知するための鍋底サーミスタにより、トッププレートを介して調理鍋温度を検知し、かかる温度に基づいて制御回路が調理鍋の加熱制御を行うことも提案されている。
通常誘導加熱調理器では、加熱制御の正確性及び安全制御を実現するために、調理鍋の大きさや油量等の判定(以下「鍋判別」という)し、鍋判別の結果に基づいて加熱手段の出力を制御するようにしている。この鍋判別は、加熱手段作動時に温度測定手段により測定される温度変化を参照して行なわれている。
また、報知され、聞けた音声が加熱開始停止程度なら問題はないが、自動調理時の注意や高温警報などについては、聞けたとしても、それに対する対応はすぐには分からないことが多い。そのため、家庭内に片付けてある取扱説明書を取り出して、読み内容を確認する必要があり、大変面倒であった。
そのため、鍋判定で調理鍋の大きさや油量等が判定できない。特に、油量が少ない場合に、加熱手段を高出力で作動させると、油温が急上昇し、異常加熱を起こす虞れがある。
本体上面に配置され、調理鍋が載置可能なトッププレートと、
前記トッププレート下側に配置された加熱コイルを含み、前記加熱コイルで発生させた磁束で前記調理鍋を誘導加熱し前記調理鍋内の被加熱物を加熱する加熱手段と、
前記調理鍋内の被加熱物の設定温度が操作入力可能な操作手段と、
前記トッププレート下側に配置され、前記トッププレートを介して前記調理鍋の温度を測定する温度測定手段と、
前記温度測定手段により測定された温度によって、前記加熱手段の出力を制御する制御手段と、
を具え、
前記温度制御手段は、前記加熱コイル上の略中心に配置された中央サーミスタを有しており、
前記制御手段は、
前記中央サーミスタの測定温度と前記操作手段で入力した設定温度とを比較し、前記設定温度まで前記調理鍋の被加熱物を加熱する場合に、
前記中央サーミスタの測定温度が、前記設定温度よりも低い安定温度Jで前記加熱手段の加熱及び停止を繰り返した保温動作を所定時間行い、前記保温動作中に前記安定温度Jを跨いだ温度の昇降があったことを確認すると前記保温動作を終了し、前記中央サーミスタの測定温度が前記設定温度になるまで前記加熱手段を作動させるようにした。
天板枠(14)の後端には、本体(12)の内部の温度上昇を防止するための吸気口と排気口が形成されており、これらを繋ぐ流路内には、強制換気のためのファンが配置されている。吸気口及び排気口は、パンチング孔を穿孔したカバー(18)(19)で覆われている。
トッププレート(16)の前部中央には、誘導加熱調理器(10)の動作状態等を表示する表示部(28)が形成されている。
さらに、記憶部(42)には、各プログラムにおける望ましい油量、水量、加熱手段の運転開始、停止、中断及び/又は異常検知等の情報を音声出力するためのデータと、操作部(25)の操作ボタン(26)の操作内容を音声出力するためのデータ及び操作内容に関する詳細な説明を音声出力するためのデータと、異常検知時のなど警報内容を音声出力するためのデータ及び警報内容に関する対処方法を音声出力するためのデータとを記憶している。これら情報を以下「音声情報」という。
図3は、本発明の第1実施例を示すフローチャート図である。
本実施例では、使用者が、操作部(25)や操作ボタン(23)(26)等を操作したとき、加熱手段(35)(36)等が運転を開始した後、停止、中断、異常が発生した場合などに、制御手段(40)は、対応した音声情報があれば、表示部(46)のLEDを点灯させて、使用者に音声情報があることを報知し、音声案内ボタン(27)を操作することにより、対応する音声情報を再生可能としたものである。
制御手段(40)は、サーミスタ(50)(51)や、その他のセンサ(図示せず)からの入力信号から、加熱手段(35)(36)等が正常に作動しているか否かを検知する異常検知手段を兼ねている。
かかるステップ1からステップ5では、例えば揚げ物加熱を行うのに、操作手段で児童調理モードを設定したとき、音声報知手段(48)から「揚げ物運転を開始します。」と報知するとともに、表示部(46)を点灯する。使用者は、表示部(46)を見て音声案内ボタン(27)を操作すると、「標準の油量は500gから900gです。」と詳細な説明の音声報知を行うよう動作することである。
図4は、自動調理プログラムにおける揚げ物プログラムのフローチャート図である。
調理鍋に油を投入して、揚げ物を行なう場合、油量を正しく判別することが必要となる。
これは、調理鍋の温度はトッププレート(16)を介して中央サーミスタ(50)や横サーミスタ(51)で温度測定を行うため、調理鍋の温度がサーミスタに伝わるまでタイムラグがある。また、油は水に比べて比熱が小さいので温度が上昇しやすい。よって、加熱する油が少量の場合、サーミスタで測定した温度より実際の油の温度が高くなることがあり、最悪の場合油が発火する恐れがあるからである。
しかしながら、先の加熱調理の後、トッププレート(16)が熱くなっていると、油を入れた調理鍋の温度が低いにもかかわらず、中央サーミスタ(50)の測定温度はトッププレート(16)の温度を測定し高くなる。
一方、制御手段(40)は、調理鍋の油量を中央サーミスタ(50)の温度上昇で油量を判別、すなわち、温度上昇値が小さければ油量が多く温度上昇値が多ければ油量が少ないと判別する。しかし、トッププレート(16)が高温であると、油を入れた調理鍋の温度が測定できず、中央サーミスタ(50)の温度上昇が小さいと、油量が多いと判別するから、油温を適温に制御できず、場合によっては油温の異常加熱を起こすことがある。
そこで、中央サーミスタ(50)だけでなく、加熱コイルで発生する磁界の強くなる部分に配置された横サーミスタ(51)を利用して、安全検知を行ない、油温を異常加熱しないようにする。
その結果、横サーミスタ(51)の温度Tyが、中央サーミスタ(50)の温度Tcよりも温度b(例えば10℃)以上高ければ(ステップ25)、横サーミスタ(51)を使用した安全検知が可能と判断し、ステップ27に進む。一方、横サーミスタ(51)が正しく温度検知できないと判断した場合には、出力を下げた状態(例えば1000W)で運転(ステップ26)し、ステップ24に戻る。
ステップ32にて、中央サーミスタ(50)の測定温度Tcが設定温度となっていない場合には、高出力(例えば1600W)で加熱を行ない、ステップ27に戻る。
図5は、自動調理プログラムにおける揚げ物プログラムの異なる実施例を示すフローチャート図である。
上記第2実施例と同様、調理鍋に油を投入して、揚げ物を行なう場合、油量を正しく判別することが必要となる。
しかしながら、先に加熱調理を行なっていると、トッププレート(16)が熱くなっているから、中央サーミスタ(50)の測定温度は高くなる。このとき、油を入れた調理鍋をトッププレート(16)に載置すると、中央サーミスタ(50)の測定温度Tcと、油温との間に測定誤差が生ずる。
この状態で加熱を行なうと、第2実施例と同様な問題を生じる。すなわち、トッププレート(16)の熱が調理鍋及び油に伝わり、中央サーミスタ(50)により測定される温度Tcも下がるため、制御手段(40)は、油量が多いと判断し、高出力で加熱手段を制御するから、場合によっては油温の異常加熱を起こすことがある。
そこで、本実施例では、調理鍋の実際の油温と、中央サーミスタ(50)の測定温度Tcを、設定温度Tgよりも低い温度(第1安定温度J、第2安定温度M)で近づける安定制御を行ない、油の異常加熱を防止する。
そこで、以下の制御を行なう。
中央サーミスタ(50)の測定温度Tcが、設定温度Tgよりも所定温度i低い温度以上に到達すると(ステップ45)、第1安定制御(ステップ48〜ステップ53)を行なう。
上記ステップを所定時間(例えば30秒)繰り返すことにより、中央サーミスタ(50)の測定温度Tcと油温とを近づけることができる。
所定時間経過後、第1安定温度Jを跨いだ温度の昇降を、加熱手段の運転(ステップ51)、停止(ステップ49)により確認すると、第1安定制御は終了し、次のステップ54に移行する(ステップ53)。
斯かるステップ47からステップ52は、本発明の安定温度Jで加熱手段の加熱及び停止を繰り返した保温動作に相当する。
中央サーミスタ(50)の測定温度Tcが、設定温度Tgよりも所定温度l低い温度以上に到達すると(ステップ55)、本発明の保温動作となる第2安定制御(ステップ58〜ステップ63)を行なう。
上記ステップを所定時間(例えば30秒)繰り返すことにより、中央サーミスタ(50)の測定温度Tcと油温とを近づけることができる。
所定時間経過後、第2安定温度Mを跨いだ温度の昇降を、加熱手段の運転(ステップ61)、停止(ステップ59)により確認すると、第2安定制御は終了し、次のステップ64に移行する(ステップ63)。
なお、上記では、保温動作となる安定制御は2回行なっているが、安定制御は1回だけでもよく、また、3回以上としてもよい。
本実施例は、上記第2実施例及び第3実施例のステップ23及びステップ43における低温スタート制御に関するものである。
加熱手段(35)(36)では、図7に示すように加熱コイルはドーナツ状に配置されており、中心の加熱コイルのない位置に中央サーミスタ(50)が配置され、横サーミスタ(51)は、加熱コイル上に配置される。
実際の油温と、中央サーミスタ(50)の測定温度Tc、横サーミスタ(51)の測定温度Tyを比較すると、図8に示すように、横サーミスタ(51)の測定温度Tyは、実際の油温よりも高いことがわかる。なお、図8は、油量900gの鉄鍋を加熱したときの両サーミスタ(50)(51)の温度Tc、Tyと油温の実測値との関係を示している。
図8のとおり、横サーミスタ(51)の測定温度Tyを利用して、油温を精度よく制御することは困難であることがわかる。
鍋判別マップには、上記のように、調理鍋の底形状、材質、油量、油温を、得られた鍋判別データΔV0及びΔV1から決定するものであり、得られた鍋判別データΔV0とΔV1から、中央サーミスタ(50)と横サーミスタ(51)により測定される温度の検知精度を判断し、実際の油温となる制御温度Twを、中央サーミスタ(50)の測定温度Tcと横サーミスタ(51)の測定温度Tyから算出するものである。
制御手段(40)は、鍋判別マップに従い、調理鍋の底形状、材質、油量、油温を取得し、後述するとおり、上記数式により両サーミスタ(50)(51)に基づく制御温度Twを算出する(ステップ84)。
ステップ83において、横サーミスタ(51)の測定温度Tyが、中央サーミスタ(50)の測定温度Tcよりも所定温度g(例えば10℃)高い温度に到達していなければ、調理鍋がトッププレート(16)に正しく載置されておらず、横サーミスタ(51)が正常に温度測定できないと判断し、中央サーミスタ(50)の測定温度Tcのみで温度測定を行ない、中央サーミスタ(50)の測定温度Tcが設定温度Tgに到達すると、加熱を終了して、適温報知する(ステップ86)。
本実施例は、ロースタ部(33)の内部のトレー(61)を引き出す構造に関するものである。
図11及び図12に示すように、ロースタ部(33)は、調理庫(60)の内部側面には上下にガイド(71)(72)を有したコ字状のレール(70)が形成されている。
上側のガイド(71)の開口側上端は、上向きに屈曲しており、後述するトレー(61)のローラ(66)をスムーズに案内することができる。
また、トレー(61)の凹部には、図17に示すように、下向きに脚(63)が突設された焼き網(62)が載置される。
また、トレー(61)の上部周縁には、外向きに広がる鍔(64)が形成されている。鍔(64)は、レール(70)やローラ(74)、次で説明するローラ(66)等の摺動部分に調理物が飛散したり、油が飛散することを防止すると共に、トレー(61)の出し入れの際に下面がローラ(74)と当たる。
このように、トレー(61)を調理庫(60)に収納する際に、トレー(61)の底面と調理庫(60)の底面が接触せず、また、トレー(61)とレール(70)は、ローラ(66)(74)によって、摺動抵抗が小さく、殆んど摩擦抵抗もないから、トレー(61)の出し入れの際に金属の擦れる不快音も発生することはない。
また、トレー(61)を単に前側に引いても、トレー(61)のローラ(66)がガイド(71)(72)間に残った状態で停止するから、誤ってトレー(61)が調理庫(60)から脱落してしまうことがない。
上記第1実施例乃至第5実施例において、一実施例として誘導加熱調理器を説明したが、本発明はこれに限らず、フィッシュロースタや電気加熱調理器や電気オーブンなど加熱調理器全般に適用可能である。
また、本発明は、調理鍋の油量に拘わらず、油の異常加熱を防止することのできる誘導加熱調理器として有用である。
(16) トッププレート
(20) 操作手段
(25) 操作部
(30) 加熱部
(35) 加熱手段
(40) 制御手段
(42) 記憶部
(60) 調理庫
(61) トレー
Claims (2)
- 本体上面に配置され、調理鍋が載置可能なトッププレートと、
前記トッププレート下側に配置された加熱コイルを含み、前記加熱コイルで発生させた磁束で前記調理鍋を誘導加熱し前記調理鍋内の被加熱物を加熱する加熱手段と、
前記調理鍋内の被加熱物の設定温度が操作入力可能な操作手段と、
前記トッププレート下側に配置され、前記トッププレートを介して前記調理鍋の温度を測定する温度測定手段と、
前記温度測定手段により測定された温度によって、前記加熱手段の出力を制御する制御手段と、
を具え、
前記温度制御手段は、前記加熱コイル上の略中心に配置された中央サーミスタを有しており、
前記制御手段は、
前記中央サーミスタの測定温度と前記操作手段で入力した設定温度とを比較し、前記設定温度まで前記調理鍋の被加熱物を加熱する場合に、
前記中央サーミスタの測定温度が、前記設定温度よりも低い安定温度Jで前記加熱手段の加熱及び停止を繰り返した保温動作を所定時間行い、前記保温動作中に前記安定温度Jを跨いだ温度の昇降があったことを確認すると前記保温動作を終了し、前記中央サーミスタの測定温度が前記設定温度になるまで前記加熱手段を作動させるようにしたことを特徴とする加熱調理器。 - 前記制御手段は、前記安定温度Jでの前記保温動作後、前記安定温度Jよりも高く前記設定温度よりも低い安定温度Mで再び前記加熱手段の加熱及び停止を繰り返した保温動作を行い、
その後に前記中央サーミスタの測定温度が前記設定温度になるまで前記加熱手段を作動させるようにした請求項1に記載の加熱調理器。
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