JP5247385B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、コアの量を減らすことができ、かつ放熱性に優れたリアクトルに関する。
従来から、電気自動車やハイブリッド車などの車両用のインバータ等に用いられるリアクトルが知られている。このリアクトルは、エポキシ樹脂等に磁性体の粉末(鉄粉)を分散させた磁性粉末混合樹脂からなるコアを備え、このコアの中にコイルと中芯部材とが埋設された構造を有している。
コイルは銅線からなり、中芯部材はアルミニウム等の熱伝導率に優れた金属から構成されている。コイルに電流を流すとコイルおよびコアが発熱するが、この熱は中芯部材に伝わるため、効率よく放熱できる。
特開2008−198981号公報
しかしながら、上記コアは製造コストが高いという問題がある。一般に、製造コストは中芯部材(アルミニウム)<コイル(銅)<コア(鉄粉+エポキシ樹脂)の関係がある。そのため、コアの使用量をなるべく少なくしたいという要求がある。
また、放熱性は、コア(鉄粉+エポキシ樹脂)<中芯部材(アルミニウム)<コイル(銅)の関係があるので、放熱性を向上させるという観点からも、コアの使用量を減少させることが好ましい。
なお、リアクトルは所定のインダクタンスを確保する必要があるので、改良を行うにあたり、インダクタンスが所定値以下とならないように工夫する必要がある。
本発明はかかる従来の問題に鑑みてなされたもので、コアの使用量を減少でき、かつ放熱性を向上できるとともに、インダクタンスの低下を防止できるリアクトルを提供することを課題とする。
第1の発明は、絶縁性樹脂の中に磁性体の粉末が分散した磁性粉末混合樹脂からなるコアと、
上記コアに埋設され、通電により磁束が発生する筒状のコイルと、
上記コイルの中心に配置され、該コイルの軸線方向を向く柱状に形成された金属製の中芯部材と、
を備え、上記軸線方向において、上記コイルの両端面は、上記中芯部材の一方の端部と他方の端部との間に各々位置し、
上記中芯部材の軸線方向における中央部と上記一方の端部との間の部分と、該中央部と上記他方の端部との間の部分との、少なくとも一方の部分には、先端に向かうほど外径が拡径する拡径部が形成されており、
上記コイルの軸線を含む断面において、上記拡径部の表面は円弧状にされており、該円弧状に形成された上記拡径部の半径をrとし、その円弧の中心と上記コアの上面との最短距離をaとし、上記軸線に垂直な方向における上記円弧の中心と上記中芯部材との距離をbとし、上記コアの底面と上記上面との最短距離をhとし、上記中芯部材の上記中央部と上記コイルとの最短距離をTとし、上記コイルの内径をdとした場合、T≦h/2であり、かつ、0.2T<a≦T、0.2T<b≦T、T≦r≦d/2を満たし、
上記円弧の中心は、上記コイルの両端面をそれぞれ含む平面の間であって、かつ、上記コイルの内周面の内側に位置していることを特徴とするリアクトルにある(請求項1)。
次に、第1の発明の作用効果につき説明する。
本発明では、拡径部の大きさを大きくできるため、この拡径部の分だけ、コアの量を減らすことが可能となる。これにより、コストの高いコアの使用量を減らすことができ、製造コストを低減することが可能となる。
また、中芯部材はアルミニウム等の金属で構成されているので、樹脂を含むコアよりも熱伝導率が高い。そのため、上述のように拡径部を大きく形成することにより、中芯部材とコアとの接触面積を増やすことができ、コアやコイルから発生する熱の放熱効率を高めることが可能になる。
また、拡径部が上記形状をしていると、インダクタンスの低下を防止することも可能である。すなわち、インダクタンスは、磁束が通過するコアの断面のうち、最も断面積が小さい箇所の影響を受けやすい。拡径部を上記形状とすることにより、磁束が通過するコアの断面の面積が、拡径部とコイルとの間で最小とならず、他の部分が最小となる。そのため、インダクタンスの低下を防止できる。
ここで、a又はbがTより大きくなると、拡径部とコイルとの間隔が狭くなることがあり、磁束が通過するコアの断面積を、拡径部とコイルとの間で充分に確保することができない場合がある。そのため、インダクタンスが低下することがある。また、a又はbが0.2Tより小さくなると、拡径部が小さくなり、コスト削減効果と放熱効果を十分に得られないという問題が生じる。
また、rがTより小さくなった場合は、拡径部とコイルとの間隔が狭くなることがあり、磁束が通過するコアの断面積を、拡径部とコイルとの間で充分に確保することができない場合がある。そのため、インダクタンスが低下することがある。rがd/2より大きくなった場合は、拡径部が小さくなり、コスト削減効果と放熱効果を十分に得られないという問題が生じる。
また、第2の発明は、絶縁性樹脂の中に磁性体の粉末が分散した磁性粉末混合樹脂からなるコアと、
上記コアに埋設され、通電により磁束が発生する筒状のコイルと、
上記コイルの中心に配置され、該コイルの軸線方向を向く柱状に形成された金属製の中芯部材と、
を備え、上記軸線方向において、上記コイルの両端面は、上記中芯部材の一方の端部と他方の端部との間に各々位置し、
上記中芯部材の軸線方向における中央部と上記一方の端部との間の部分と、該中央部と上記他方の端部との間の部分との、少なくとも一方の部分には、先端に向かうほど外径が拡径する拡径部が形成されており、
上記コイルの軸線を含む断面において、上記拡径部の表面は円弧状にされており、円弧状に形成された上記拡径部の半径をrとし、該円弧の中心と上記コアの上面との最短距離をaとし、上記軸線に垂直な方向における上記円弧の中心と上記中芯部材との距離をbとし、上記コアの底面と上記上面との最短距離をhとし、上記中芯部材の上記中央部と上記コイルとの最短距離をTとし、上記コイルの内径をdとした場合、T>h/2であり、かつ、0.1h<a≦h/2、0.2T<b≦T、T≦r≦d/2を満たし、
上記円弧の中心は、上記コイルの両端面をそれぞれ含む平面の間であって、かつ、上記コイルの内周面の内側に位置していることを特徴とするリアクトルにある(請求項2)。
次に、第2の発明の作用効果につき説明する。
本発明においても、上記第1の発明と同様の効果を奏する。本発明では、リアクトルの形状がT>h/2である場合にも適用できるという点で、第1の発明と異なる。
ここで、aがh/2より大きくなった場合、またはbがTより大きくなった場合は、拡径部とコイルとの間隔が狭くなることがあり、磁束が通過するコアの断面積を、拡径部とコイルとの間で充分に確保することができない場合がある。そのため、インダクタンスが低下することがある。また、aが0.1hより小さい場合、またはbが0.2Tより小さい場合は、拡径部が小さくなり、コスト削減効果と放熱効果を十分に得られないという問題が生じる。
また、rがTより小さくなった場合は、拡径部とコイルとの間隔が狭くなることがあり、磁束が通過するコアの断面積を、拡径部とコイルとの間で充分に確保することができない場合がある。そのため、インダクタンスが低下することがある。rがd/2より大きくなった場合は、拡径部が小さくなり、コスト削減効果と放熱効果を十分に得られないという問題が生じる。
また、第3の発明は、絶縁性樹脂の中に磁性体の粉末が分散した磁性粉末混合樹脂からなるコアと、
上記コアに埋設され、通電により磁束が発生する筒状のコイルと、
上記コイルの中心に配置され、該コイルの軸線方向を向く柱状に形成された金属製の中芯部材と、
を備え、上記軸線方向において、上記コイルの両端面は、上記中芯部材の一方の端部と他方の端部との間に各々位置し、
上記中芯部材の軸線方向における中央部と上記一方の端部との間の部分と、該中央部と上記他方の端部との間の部分との、少なくとも一方の部分には、先端に向かうほど外径が拡径する拡径部が形成されており、
上記コイルの軸線を含む断面にて、上記拡径部は、その表面が直線となるように形成されていることを特徴とするリアクトルにある。
次に、第3の発明の作用効果につき説明する。
本発明では、拡径部は、コイルの軸線を含む断面にて、その表面が直線となるように形成されている。このようにすると、中芯部材の加工性が向上するという効果がある。すなわち、中芯部材は、型を用いて形成するのであるが、拡径部が上記形状をしていると、型を外しやすいというメリットがある。
なお、上記コアの表面または上記中芯部材の上記中央部と、上記コイルとを繋ぐ直線を該コイルの軸線周りに一周した軌跡からなるコア断面のうち、断面積が最小となる部分よりも、上記拡径部と上記コイルとを繋ぐ直線を上記軸線周りに一周した軌跡からなるコア断面のうち、断面積が最小となる部分の方が、該断面積が大きくなるように、上記拡径部の外面形状が定められていることが好ましい。
このようにすると、磁束が通過するコアの断面の断面積が、拡径部とコイルとの間で最小にならず、他の部分が最小になる。そのため、拡径部を大きく形成しても、それによってインダクタンスが低下するという不具合を防止できる。
以上のごとく、本発明によると、コアの使用量を減少でき、かつ放熱性を向上できるとともに、インダクタンスの低下を防止できるリアクトルを提供することができる。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記本発明(請求項1又は2)において、上記コアを収納する金属製のコアケースを備え、上記中芯部材は上記コアケースの底面に接続されており、上記中芯部材と前記コアケースとの接続側にのみ上記拡径部が形成されていることが好ましい(請求項)。
この場合には、中芯部材の加工性が向上するという効果がある。また、本発明はコアケースを備える。このコアケースは金属製なので熱伝導性に優れている。本発明は、中芯部材の、コアケースとの接続側にのみ拡径部が形成されている。そのため、拡径部とコアケースとの接触面積を大きくすることができる。これにより、コアおよびコイルから発生した熱が中芯部材を通じて効率よくコアケースに伝達することができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかるリアクトルにつき、図1〜図2を用いて説明する。
図1、図2に示すごとく、本例のリアクトル1は、絶縁性樹脂の中に磁性体の粉末が分散した磁性粉末混合樹脂からなるコア3を備える。また、通電により磁束Φが発生する筒状のコイル2がコア3に埋設されている。また、コイル2の中心に配置され、コイル2の軸線方向を向く柱状に形成された金属製の中芯部材4を備える。
そして、軸線方向において、コイル2の両端面21,22は、中芯部材4の一方の端部42と他方の端部43との間に各々位置している。また、中芯部材4の軸線方向における中央部41と一方の端部42との間の部分と、中央部41と他方の端部43との間の部分との、少なくとも一方の部分には、先端に向かうほど外径が拡径する拡径部5が形成されている。
また、コイル2の軸線8を含む断面において、拡径部5の表面は円弧状にされており、円弧状に形成された拡径部5の半径をrとし、その円弧の中心Aとコア3の上面31との最短距離をaとし、軸線に垂直な方向における円弧の中心Aと中芯部材4との距離をbとし、コア3の底面32と上面31との最短距離をhとし、中芯部材4の中央部41とコイル2との最短距離をTとし、上記コイルの内径をdとした場合、T≦h/2であり、かつ、0.2T<a≦T、0.2T<b≦T、T≦r≦d/2を満たしている。
上記磁性粉末混合樹脂は、エポキシ樹脂に鉄粉を分散させたものである。また、コイル2は銅線を巻き回して構成されている。さらに、コア3はコアケース6に収納されており、コアケース6とコア3との間にウレタン等からなる放熱樹脂7が介在している。コイル2に電流を流すとコイル2が振動する場合があるが、放熱樹脂7によりこの振動を吸収することができる。
本例では、コア3の表面または中芯部材4の中央部41と、コイル2とを繋ぐ直線をコイル2の軸線周りに一周した軌跡からなるコア断面のうち、断面積が最小となる部分(図1のEの部分を一周した断面)よりも、拡径部5とコイル2とを繋ぐ直線を軸線周りに一周した軌跡からなるコア断面のうち、断面積が最小となる部分(図1のDの部分を一周した断面)の方が、断面積が大きくなるように、拡径部5の外面形状が定められている。
例えば図1に示すごとく、コイル2の上面21とコア3の上面31との間隔をT1とし、コイル2の内面と中央部41との間隔をT2とし、コイル2の内径をdとした場合、図1のBにおけるコア断面の面積S1と、Cにおけるコア断面の面積S2は以下の式で表すことができる。
S1=π×d×T1
S2=(π×d/4)−(π×(d−T2)/4)
このようにして、コイル2の周りにおける、コア断面の面積が最も小さい箇所を調べる。図1では、Eの部分における面積が最も小さい。Eにおけるコア断面の面積をS3とする。そして、拡径部5とコイル2との間隔が最も狭い箇所Dにおけるコア断面の面積をS4とすると、S3<S4となっている。
次に、本例のリアクトルの作用効果について説明する。
本例のリアクトル1は、図1、図2に示すごとく、拡径部5の大きさを大きくできるため、この拡径部5の分だけ、コア3の量を減らすことが可能となる。これにより、コストの高いコア3の使用量を減らすことができ、製造コストを低減することが可能となる。
また、中芯部材4はアルミニウム等の金属で構成されているので、樹脂を含むコア3よりも熱伝導率が高い。そのため、拡径部5を大きく形成することにより、中芯部材4とコア3との接触面積を増やすことができ、コア3やコイル2から発生する熱の放熱効率を高めることが可能になる。
また、拡径部5が上記形状をしていると、インダクタンスの低下を防止することも可能である。すなわち、インダクタンスは、磁束Φが通過するコア3の断面のうち、最も断面積が小さい箇所の影響を受けやすい。
真空の透磁率をμとし、コア3の比透磁率をμとし、コアの断面積をSとし、コイル2の巻数をNとし、磁路の長さをlとした場合、リアクトル1のインダクタンスLは、
L=μ×μ×S×N/l
と表すことができる。すなわちインダクタンスLは、コア3の断面積が最も小さい箇所の面積に比例する。本例では、拡径部5を大きく形成するにあたり、拡径部5とコイル2との間におけるコア3の断面積が最小にならないように工夫している。
つまり、拡径部5を上記形状とすることにより、磁束Φが通過するコア3の断面の面積が、拡径部5とコイル2との間で最小とならず、他の部分が最小となる。例えば、図1のDで断面積が最小とならず、他の部分、例えばEで最小となる。そのため、拡径部5を大きくしたことによりインダクタンスが低下するという問題を防止できる。
なお、a又はbがTより大きくなると、円弧の中心Aが例えば図6に示す位置に存在するため、拡径部5とコイル2との間隔D1が狭くなることがあり、磁束Φが通過するコア3の断面積を、拡径部5とコイル2との間で充分に確保することができない場合がある。そのため、インダクタンスが低下することがある。
また、a又はbが0.2Tより小さくなると、円弧の中心Aが例えば図7に示す位置に存在するため、拡径部5が小さくなり、コスト削減効果と放熱効果を十分に得られないという問題が生じる。
また、rがTより小さくなった場合は、aとbが上記条件を満たしていたとしても、拡径部5が例えば図8に示す形状になることがある。そのため、拡径部5とコイル2との間隔D1が狭くなり、磁束Φが通過するコア3の断面積を、拡径部5とコイル2との間で充分に確保することができない場合がある。そのため、インダクタンスが低下することがある。また、rがd/2より大きくなった場合は、aとbが上記条件を満たしていたとしても、拡径部5が例えば図9に示すように小さくなる場合がある。そのため、コスト削減効果と放熱効果を十分に得られないという問題が生じる。
以上のごとく、本例によると、コア3の使用量を減少でき、かつ放熱性を向上できるとともに、インダクタンスLの低下を防止できるリアクトル1を提供することができる。
(実施例2)
本例は、リアクトル1の形状を変えた例である。本例のリアクトル1は、図3に示すごとく、T>h/2となっている。
また、コイル2の軸線を含む断面において、拡径部5の表面は円弧状にされており、円弧状に形成された拡径部5の半径をrとし、円弧の中心とコア3の上面との最短距離をaとし、軸線に垂直な方向における円弧の中心と中芯部材4との距離をbとし、コア3の底面と上面との最短距離をhとし、中芯部材4の中央部41とコイル2との最短距離をTとし、上記コイルの内径をdとした場合、T>h/2であり、かつ、0.1h<a≦h/2、0.2T<b≦T、T≦r≦d/2を満たしている。
その他、実施例1と同様の構成を有する。
次に、本例のリアクトル1の作用効果について説明する。
本例は、リアクトル1の形状がT>h/2である場合にも適用できるという点で、実施例1と異なる。コイル2は、コア3の上面31と底面32との中間に位置している。
本例は、実施例1と同様に、拡径部5を大きく形成しているので、コア3の使用量を減らすことができ、低コストのリアクトル1となる。また、拡径部5とコア3との接触面積が大きいので、放熱効果が高い。
上記a,b,cの臨界的意義を説明する。aがh/2より大きくなった場合、またはbがTより大きくなった場合は、拡径部5とコイル2との間隔が狭くなることがあり、磁束Φが通過するコア3の断面積を、拡径部5とコイル2との間で充分に確保することができない場合がある。そのため、インダクタンスが低下することがある。また、aが0.1hより小さい場合、またはbが0.2Tより小さい場合は、拡径部5が小さくなり、コスト削減効果と放熱効果を十分に得られないという問題が生じる。
また、rがTより小さくなった場合は、拡径部5とコイル2との間隔が狭くなることがあり、磁束Φが通過するコア3の断面積を、拡径部5とコイル2との間で充分に確保することができない場合がある。そのため、インダクタンスが低下することがある。rがd/2より大きくなった場合は、拡径部5が小さくなり、コスト削減効果と放熱効果を十分に得られないという問題が生じる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
参考例
本例は、拡径部5の形状を変えた例である。図4に示すごとく、本例のリアクトル1は、コイル2の軸線を含む断面にて、拡径部5が、その表面が直線となるように形成されている。
その他、実施例1と同様の構成を有する。
参考例の作用効果につき説明する。
本例では、図4に示すごとく、拡径部5は、コイル2の軸線を含む断面にて、その表面が直線となるように形成されている。このようにすると、中芯部材4の加工性が向上するという効果がある。すなわち、中芯部材4は、型を用いて形成するのであるが、拡径部5が上記形状をしていると、型を外しやすいというメリットがある。
なお、コア3の表面または中芯部材4の中央部41と、コイル2とを繋ぐ直線をコイル2の軸線周りに一周した軌跡からなるコア断面のうち、断面積が最小となる部分よりも、拡径部5とコイル2とを繋ぐ直線を軸線周りに一周した軌跡からなるコア断面のうち、断面積が最小となる部分の方が、断面積が大きくなるように、拡径部5の外面形状が定められていることが好ましい。
このようにすると、磁束Φが通過するコア3の断面の断面積が、拡径部5とコイル2との間で最小にならず、他の部分が最小になる。そのため、インダクタンスが低下するという不具合を防止できる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例
本例は、拡径部5の形状を変えた例である。図5に示すごとく、本例では、コア3を収納する金属製のコアケース6を備え、中芯部材4はコアケース6の底面に接続されており、中芯部材4と前記コアケース6との接続側にのみ拡径部5が形成されている。
この場合には、中芯部材4の加工性が向上するという効果がある。また、コアケース6は金属製なので熱伝導性に優れている。本例では、中芯部材4の、コアケース6との接続側にのみ拡径部5が形成されている。そのため、拡径部5とコアケース6との接触面積を大きくすることができる。これにより、コア3およびコイル2から発生した熱が中芯部材4を通じて効率よくコアケース6に伝達することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
実施例1における、リアクトルの断面図。 図1の要部拡大図。 実施例2における、リアクトルの断面図。 参考例における、リアクトルの断面図。 実施例における、リアクトルの断面図。 aまたはbがTより大きい場合の比較例 aまたはbが0.2Tより小さい場合の比較例。 rがTより小さい場合の比較例。 rがd/2より大きい場合の比較例。
符号の説明
1 リアクトル
2 コイル
3 コア
4 中芯部材
41 中央部
5 拡径部
6 コアケース

Claims (3)

  1. 絶縁性樹脂の中に磁性体の粉末が分散した磁性粉末混合樹脂からなるコアと、
    上記コアに埋設され、通電により磁束が発生する筒状のコイルと、
    上記コイルの中心に配置され、該コイルの軸線方向を向く柱状に形成された金属製の中芯部材と、
    を備え、上記軸線方向において、上記コイルの両端面は、上記中芯部材の一方の端部と他方の端部との間に各々位置し、
    上記中芯部材の軸線方向における中央部と上記一方の端部との間の部分と、該中央部と上記他方の端部との間の部分との、少なくとも一方の部分には、先端に向かうほど外径が拡径する拡径部が形成されており、
    上記コイルの軸線を含む断面において、上記拡径部の表面は円弧状にされており、該円弧状に形成された上記拡径部の半径をrとし、その円弧の中心と上記コアの上面との最短距離をaとし、上記軸線に垂直な方向における上記円弧の中心と上記中芯部材との距離をbとし、上記コアの底面と上記上面との最短距離をhとし、上記中芯部材の上記中央部と上記コイルとの最短距離をTとし、上記コイルの内径をdとした場合、T≦h/2であり、かつ、0.2T<a≦T、0.2T<b≦T、T≦r≦d/2を満たし、
    上記円弧の中心は、上記コイルの両端面をそれぞれ含む平面の間であって、かつ、上記コイルの内周面の内側に位置していることを特徴とするリアクトル。
  2. 絶縁性樹脂の中に磁性体の粉末が分散した磁性粉末混合樹脂からなるコアと、
    上記コアに埋設され、通電により磁束が発生する筒状のコイルと、
    上記コイルの中心に配置され、該コイルの軸線方向を向く柱状に形成された金属製の中芯部材と、
    を備え、上記軸線方向において、上記コイルの両端面は、上記中芯部材の一方の端部と他方の端部との間に各々位置し、
    上記中芯部材の軸線方向における中央部と上記一方の端部との間の部分と、該中央部と上記他方の端部との間の部分との、少なくとも一方の部分には、先端に向かうほど外径が拡径する拡径部が形成されており、
    上記コイルの軸線を含む断面において、上記拡径部の表面は円弧状にされており、円弧状に形成された上記拡径部の半径をrとし、該円弧の中心と上記コアの上面との最短距離をaとし、上記軸線に垂直な方向における上記円弧の中心と上記中芯部材との距離をbとし、上記コアの底面と上記上面との最短距離をhとし、上記中芯部材の上記中央部と上記コイルとの最短距離をTとし、上記コイルの内径をdとした場合、T>h/2であり、かつ、0.1h<a≦h/2、0.2T<b≦T、T≦r≦d/2を満たし、
    上記円弧の中心は、上記コイルの両端面をそれぞれ含む平面の間であって、かつ、上記コイルの内周面の内側に位置していることを特徴とするリアクトル。
  3. 請求項1又は請求項2において、上記コアを収納する金属製のコアケースを備え、上記中芯部材は上記コアケースの底面に接続されており、上記中芯部材と前記コアケースとの接続側にのみ上記拡径部が形成されていることを特徴とするリアクトル。
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