JP5201043B2 - リアクトル - Google Patents
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Description
該リアクトルにおいては、コイルに通電することによって生じる磁束がコア内に形成される。磁束は、コイルの巻回周方向に直交すると共に、コイルの内側と外側とを連続的に繋ぐように環状に形成される。
一方、この部分の磁気飽和を緩和しようとすると、リアクトルの小型化が困難となる。
上記コイルは、巻回中心軸を含む平面による断面が、二つの略台形状の台形断面となり、該各台形断面は、コイル内側の内側辺がコイル外側の外側辺よりも短く、
上記巻回中心軸の方向を上下方向としたとき、上記内側辺の上端は上記外側辺の上端よりも下方に位置し、上記内側辺の下端は上記外側辺の下端よりも上方に位置しており、
上記コイルは、長手方向に直交する断面の形状が長手方向において一定である上記導体線を巻回すると共に巻回軸方向に積層することにより形成されており、該導体線は、長手方向に直交する断面の形状が一端から他端にかけて厚みが徐々に変化する形状であって、厚みの小さい側を内側にして巻回されていることを特徴とするリアクトルにある(請求項1)。
また、本明細書において、上下方向は、実際の鉛直方向に関わらず、上記巻回中心軸方向を意味するものとする。
また、上記巻回中心軸は、巻回軸方向から見た上記コイルの形状が円形である場合には、その円の中心を通る直線に一致し、円形以外の場合には、その形状の幾何学的重心を通る直線に一致するものとする。
この場合には、コイルの全周にわたって、本発明による磁気飽和緩和の効果を発揮することができる。
これにより、上記コイルの断面を容易に上記台形断面に形成することができる。すなわち、導体線における厚みの大きい側を外側に、厚みの小さい側を内側にして、導体線を巻回しながら上下方向に積層していくことによって、コイルの断面を台形断面にすることができる。
この場合には、上記コイルの上方及び下方において、磁気飽和を同様に緩和することができる。これにより、リアクトルの一層の小型化を実現することができる。
本発明の実施例にかかるリアクトルにつき、図1〜図6を用いて説明する。
本例のリアクトル1は、図1に示すごとく、導体線21を環状に巻回してなり通電によって磁束を発生するコイル2と、該コイル2の周囲に充填された磁性粉末混合樹脂からなるコア3と、コイル2及びコア3を収容するケース4とからなる。
そして、上記巻回中心軸Cの方向を上下方向としたとき、内側辺221の上端223は外側辺222の上端224よりも下方に位置し、内側辺221の下端225は外側辺222の下端226よりも上方に位置する。
また、図1(A)、図2に示すごとく、上記台形断面22は、上下対称形状である。
コイル2は、ケース4内におけるコア3に対して、上下方向の中央に配置されている。そして、巻回中心軸Cの方向の一方に、ケース4が開口している。このケース4の開口面に配されるコア3の表面をコア上面31とし、その反対側の面であってケース4の底部41に接触する面をコア下面32とする。コイル2の台形断面22の内側辺221の上端223とコア上面31との距離は、内側辺221の下端225とコア下面31との距離と同等であり、この距離をHaとする。また、コイル2の台形断面22の外側辺222の上端224とコア上面31との距離は、外側辺222の下端226とコア下面32との距離と同等であり、この距離をHbとする。
なお、このような導体線21は、例えば、異型引き抜き、プレス成形、ローラー成形等によって得ることができる。
ケース4は、例えば、アルミニウム又はその合金によって構成することができる。
また、上記コイル2は絶縁被膜によって被覆することもできる。この場合、上述してきたコイル2の形状や寸法は、絶縁被膜を合わせた状態での形状や寸法を意味する。
図1(A)、図2に示すごとく、上記コイル2は、巻回中心軸Cを含む平面による断面が、二つの略台形状の台形断面22となり、該各台形断面22は、コイル2内側の内側辺221がコイル2外側の外側辺222よりも短い。そして、巻回中心軸Cの方向を上下方向としたとき、内側辺221の上端223は外側辺222の上端224よりも下方に位置し、内側辺221の下端225は外側辺222の下端226よりも上方に位置する。そのため、コイル2の巻回周方向に直交すると共にコイル2の内側と外側とを連続的に繋ぐように環状に形成される磁束φの磁路断面積は、内側辺221の上端223の上部や下端225の下部においても、充分に確保することができる。
それゆえ、コイル9における内側辺921の上端923の上部や下端925の下部における磁路断面積は、Hc×Faに略一致する(図7、図3参照)。一方、コイル9における外側辺922の上端924の上部や下端926の下部における磁路断面積は、Hc×Fbに略一致する。そして、FaはFbよりも小さい。
したがって、コイル9における内側辺921の上端923の上部や下端925の下部における磁路断面積(≒Hc×Fa)は、確実にコイル9における外側辺922の上端924の上部や下端926の下部における磁路断面積(≒Hc×Fb)よりも小さくなる。
本例は、図8に示すごとく、断面円形状の導体線21を用いてコイル2を構成した例である。
すなわち、巻回中心軸Cを含む平面による断面が、二つの略台形状の台形断面22(図1参照)となるように、導体線21を巻回積層して、コイル2を形成してある。
その他は、実施例1と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏することができる。
2 コイル
21 導体線
22 台形断面
221 内側辺
222 外側辺
223 (内側辺の)上端
224 (外側辺の)上端
225 (内側辺の)下端
226 (外側辺の)下端
3 コア
4 ケース
Claims (3)
- 導体線を環状に巻回してなり通電によって磁束を発生するコイルと、該コイルの周囲に充填された磁性粉末混合樹脂からなるコアと、上記コイル及び上記コアを収容するケースとからなるリアクトルであって、
上記コイルは、巻回中心軸を含む平面による断面が、二つの略台形状の台形断面となり、該各台形断面は、コイル内側の内側辺がコイル外側の外側辺よりも短く、
上記巻回中心軸の方向を上下方向としたとき、上記内側辺の上端は上記外側辺の上端よりも下方に位置し、上記内側辺の下端は上記外側辺の下端よりも上方に位置しており、
上記コイルは、長手方向に直交する断面の形状が長手方向において一定である上記導体線を巻回すると共に巻回軸方向に積層することにより形成されており、該導体線は、長手方向に直交する断面の形状が一端から他端にかけて厚みが徐々に変化する形状であって、厚みの小さい側を内側にして巻回されていることを特徴とするリアクトル。 - 請求項1において、上記コイルは、上記巻回中心軸方向から見た平面形状が円形であることを特徴とするリアクトル。
- 請求項1又は2において、上記台形断面は、上下対称形状であることを特徴とするリアクトル。
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