JP5246529B2 - 銅系金属粉 - Google Patents

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Description

本発明は、粉末冶金材料として、また、導体回路形成などの焼成用導電ペースト材料として、好適に用いられる銅系金属粉(銅粉及び銅合金粉)に関するものである。
周知の通り、銅粉や銅合金粉等の銅系金属粉の製造方法として、電解法や化学還元法あるいはアトマイズ法などが知られている。そして、特に、アトマイズ法は生産性に優れ、且つ、合金粉の製造が容易であることに加え、噴霧媒体の圧力や流量を調節することで比較的容易に粒度を調整することができることから、銅系金属粉の製造にはアトマイズ法が汎用されている。
一方、基質を構成する合金粉末がCu-Al合金粉、Cu粉及びAl粉より選ばれる1種の粉末もしくは2種以上からなる混合粉末にPを0.5mass%以上含む合金粉を1種以上添加して焼結する焼結アルミニウム青銅合金の製造方法が提案され(特許文献1参照)、フッ化アルミニウムにフッ化カルシウム及びフッ化マグネシウムから選択される少なくとも1種類を1〜70重量%混合してなるアルミニウム含有銅系合金粉のための焼結助剤が提案されている(特許文献2参照)。
特開平2−173224号公報 特開2003−49206号公報
前記アトマイズ法によって銅系金属粉を製造をする場合には、原材料を溶解する際に用いた脱酸剤が不純物元素として銅系金属粉中に残留することが知られており、溶解坩堝や原材料からも種々の不純物元素が混入することも知られており、これら不純物元素は当該銅系金属粉を焼成した場合の焼結不良による焼結体強度低下の原因のひとつになっていると考えられているが、焼結体強度と銅系金属粉末中に含まれる不純物の種類及びその含有量との関係については未だ充分解明されていない。
なお、不純物元素がAl(アルミニウム)である場合の対策としては、特許文献1記載の焼結アルミニウム青銅合金の製造方法ではP(リン)が添加されており、特許文献2記載の焼結助剤では、フッ化物系フラックスが添加されているが、不純物元素がAl以外のものである場合にこのような物質を添加すれば反って機械的特性の劣化を招いてしまうという問題点があった。
そこで、本発明者等は、銅系金属粉を焼結したときの焼結体強度に悪影響を及ぼす不純物元素の種類及びその含有量を規定することで焼結不良による焼結体強度の低下を可及的に防止し、安定した品質の焼結製品の生産が可能になる銅系金属粉を得ることを技術的課題として、その具現化をはかるべく研究・実験を重ねた結果、前記製造時に残留・混入する種々の不純物元素の中には極めて酸化されやすい元素が多く、このような不純物元素が多量に含まれている場合には、通常の焼結雰囲気中(例えば、水素を含む露点−30℃程度の焼結雰囲気)で銅系金属粉末の粒子表面に当該不純物元素の酸化皮膜を形成して焼結が阻害されることは知られているが、本発明者等は、当該不純物元素が銅系金属粉中に極めて微量(1000ppm以下)含まれる場合においても、前記通常の焼結雰囲気中で焼結すれば当該不純物元素が内部酸化されて銅系金属粉の焼結が著しく阻害されるという現象を見出した結果、前記技術的課題を達成したものである。
なお、極めて微量の不純物元素の内部酸化により銅系金属粉の焼結が著しく阻害される理由については明らかではないが、本発明者等は、一般に焼結現象が固相拡散に起因していること、さらにはそのような固相拡散は結晶格子内の空孔子の拡散によって起こっていることを勘案すると、極めて微量の不純物元素の内部酸化によって生成した微細な酸化物粒子は結晶格子内でエネルギー的に高い状態にある種々の欠陥部、特に空孔の拡散経路となる転位の部分に優先的に析出して固着し、空孔の拡散が抑制されるために焼結が阻害されるものと推察している。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって解決できる。
即ち、本発明に係る銅系金属のアトマイズ粉は、当該銅系金属の結晶格子内部に含まれる不純物元素の900℃以下の温度域における最も低級な凝縮相酸化物の標準生成自由エネルギー(単位は「kJ/mol-O又はkcal/mol-O」)(以下、「ΔG MOx」ともいう。)が当該温度域と同一の温度域における亜鉛(Zn)の固相酸化物の標準生成自由エネルギーよりも低い元素であり、当該不純物元素の総含有量が400ppm以下(但し0は含まない)である銅または銅合金からなる銅系金属のアトマイズ粉であり、当該銅系金属のアトマイズ粉の焼結時における前記不純物元素の内部酸化物の生成を抑制したものである。
本発明によれば、焼結時における前記不純物元素の内部酸化物の生成を抑制して焼結不良による焼結体強度の低下を可及的に防止できるから、粉末冶金の材料粉として良好に適用することができ、また、焼結不良による回路抵抗の上昇や回路基板からの脱落等の様々な欠陥が解消できるから、導体回路形成などの焼結用導電ペーストの材料粉として極めて良好に適用することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る銅系金属のアトマイズ粉は、当該銅系金属の結晶格子内部に含まれている不純物元素のうち、900℃以下の温度域において最も低級な凝縮相(固相及び液相)酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZn(亜鉛)の固相酸化物のΔG MOxよりも低い元素の総含有量を400ppm以下(但し0は含まない)に抑えたものである。
前記不純物元素は、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOxよりも低い元素である。
ΔG MOxの比較基準となるZnの沸点は903℃であり、この温度を超えるとZnのΔG MOxの温度勾配が不連続的に大きくなって平衡酸素圧が急激に高くなり、この温度域で凝縮相を形成したままのZn以外のほとんどの元素との間におけるΔG MOxの比較に意味をなさなくなるので、指標となるΔG MOxは900℃以下の温度域である。
900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOxよりも低い元素としては、例えば、Cr、V、Si、Ti、Al、Se、Mg、Li、Ce等をあげることができる。逆に、Znを含め、最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOxより高い元素、例えば、Ag、Bi、Ni、Co、Fe、Sn、In、P等は前記通常の焼結雰囲気中では内部酸化を起こし難く、不純物として混入した場合でも焼結体強度を低下させることはない。
従って、銅系金属粉の合金元素は、Znを含め、最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOxと同等もしくはそれよりも高い元素に限られ、さらに、含有量は最大でも50mass%を超えてはならない。
また、前記不純物元素の総含有量は400ppm以下である。
なお、最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるSiの最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOxと同等もしくはそれより低い不純物元素がひとつ以上含まれる場合には不純物元素の総含有量を200ppm以下に抑えることが望ましい。
次に、本発明に係る銅系金属粉の製造方法について説明する。
原材料中にCr、V、Si、Ti、Al、Se、Mg、Li、Ce等の不純物元素が混入している可能性が高い場合には、先ず、原材料を溶解炉に装入後、大気中で溶解して不純物元素を酸化物スラグとして溶湯面上に浮上させ、これをすくい上げて除去した後、次に大量に木炭を投入して脱酸を行い、溶湯中の酸素量が1000ppm以下になったところでPを投入して仕上げ脱酸を行う。
溶湯中のPの残留量は300ppmを超えないことが望ましい。これを超えると、特に純銅粉の場合には導電率の低下が著しく、またPそのものも比較的酸化し易いため、銅合金粉の場合も含めて焼結性のばらつきの原因になる。
また、仕上げ脱酸終了後は溶湯の酸化を避けるためにできるだけすばやくアトマイズ操作に移ることが望ましい。
一方、原材料中に前記不純物元素が含まれる可能性が低い場合、即ち、高純度の地金を用いる場合には、最初から大量の木炭とともに原材料を溶解し、最後にPで仕上げ脱酸を行うと良い。この場合もP残留量は前記と同様の理由により300ppm以下に抑えることが望ましく、また仕上げ脱酸の後は速やかにアトマイズ操作に移ることが望ましい。
仕上げ脱酸としてPの代わりに、従来から銅及び銅合金鋳物の製造の際に用いられてきたMg、Se、Ce、Li等の前記不純物元素と同じ元素を用いる場合には、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるSiの最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOxより高いときには溶湯中の残留量が400ppm以下になるように、また、前記ΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるSiの最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOxと同等もしくは低いときには溶湯中の残留量が200ppm以下になるように添加量を調整する。
本実施の形態では、900℃以下の温度域における最も低級な凝縮相酸化物の標準生成自由エネルギー(単位は「kJ/mol-O又はkcal/mol-O」)が当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物の標準生成自由エネルギーよりも低い不純物元素を含み、当該不純物元素の総含有量を400ppm以下(但し0は含まない)として銅系金属粉を焼結したときの焼結体強度に悪影響を及ぼす不純物元素の種類及びその含有量を規定したので、焼結不良による焼結体強度の低下を可及的に防止し、安定した品質の焼結製品を生産することができる。
実施例1.
高周波アルミナルツボ炉にSiを600ppm含んだ銅スクラップ地金を装入し、大気中1300℃で溶解した。その後、溶湯表面を多量の木炭で覆い、溶湯酸素量が500ppm以下になるまで保持した後、リン銅(Cu-15mass%P)を添加して仕上げ脱酸を行い、その後、速やかに溶湯径6mm、水圧300kg/cm、水量300l/minで水アトマイズを行った。得られた粉末を100mesh通過の篩別をして銅粉1を作製した。
前記銅粉1に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはSiのみであった。次に、ICP(ICP発光分光分析法−以下、同じ−)によるSiの定量分析を行ったところ、<10ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、220ppmであった。
前記銅粉1を外形20mm、内径12mm、高さ約10mm、密度6.5g/cmで金型成形後、(N−10vol%H)雰囲気中(露点−30℃)で800℃、20min焼結した。得られた焼結体の圧環強度(JISZ 2507 焼結含油軸受の圧環強さ試験方法によって測定−以下、同じ−)を表1に示す。
実施例2.
実施例1と同様にして銅スクラップ地金を溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にMnを400ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅粉2を作製した。
前記銅粉2に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはMnのみであった。次に、ICPによる、SiとMnとの定量分析を行ったところ、各々<10ppmと320ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、190ppmであった。
前記銅粉2を実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
実施例3.
実施例1と同様にして銅スクラップ地金を溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にSiを450ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅粉3を作製した。
前記銅粉3に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはSiのみであった。次に、ICPによるSiの定量分析を行ったところ、330ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、170ppmであった。
前記銅粉3を実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
実施例4.
実施例1と同様にして銅スクラップ地金を溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にSiを200ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅粉4を作製した。
前記銅粉4に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはSiのみであった。次に、ICPによるSiの定量分析を行ったところ、120ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、210ppmであった。
前記銅粉4を実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
実施例5.
実施例1と同様にして銅スクラップ地金を溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にAlを450ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅粉5を作製した。
前記銅粉5に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはAlのみであった。次に、ICPによる、AlとSiとの定量分析を行ったところ、各々280ppmと<10ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、170ppmであった。
前記銅粉5を実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
実施例6.
実施例1と同様にして銅スクラップ地金を溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にAlを250ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅粉6を作製した。
前記銅粉6に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはAlのみであった。次に、ICPによる、AlとSiとの定量分析を行ったところ、各々130ppmと<10ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、190ppmであった。
前記銅粉6を実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
実施例7.
実施例1と同様にして銅スクラップ地金を溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にMgを250ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅粉7を作製した。
前記銅粉7に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはMgのみであった。次に、ICPによる、MgとSiとの定量分析を行ったところ、各々100ppmと<10ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、230ppmであった。
前記銅粉7を実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
実施例8.
実施例1と同様にして銅スクラップ地金を溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にAlとSiとを各々200ppmづつ添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅粉8を作製した。
前記銅粉8に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはAl及びSiのみであった。次に、ICPによる、AlとSiとの定量分析を行ったところ、各々70ppmと90ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、200ppmであった。
前記銅粉8を実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
実施例9.
高周波アルミナルツボ炉に電気銅地金と電解ニッケル地金とを3:1の質量比で装入し、大気中1400℃で溶解した。その後、溶湯表面を多量の木炭で覆い、溶湯酸素量が500ppm以下になるまで保持した後、リン銅を添加して仕上げ脱酸を行い、その後、速やかに溶湯径6mm、水圧300kg/cm、水量300l/minで水アトマイズを行った。得られた粉末を100mesh通過の篩別をして銅合金粉1を作製した。
前記銅合金粉1に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはSiのみであった。次に、ICPによるSiの定量分析を行ったところ、<10ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、220ppmであった。
前記銅合金粉1を外形20mm、内径12mm、高さ約10mm、密度6.5g/cmで金型成形後、(N−10vol%H)雰囲気中(露点−30℃)で850℃、20min焼結した。得られた焼結体の圧環強度を表1に示す。
実施例10.
実施例9と同様にして電気銅地金と電解ニッケル地金とを溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にSiを300ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅合金粉2を作製した。
前記銅合金粉2に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されのはSiのみであった。次に、ICPによるSiの定量分析を行ったところ、220ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、210ppmであった。
前記銅合金粉2を実施例9と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
実施例11.
高周波アルミナルツボ炉に電気銅地金と高純度錫地金とを9:1の質量比で装入し、溶湯表面を多量の木炭で覆いながら1200℃で溶解し、リン銅を添加して仕上げ脱酸を行った後、Siを300ppm添加した。その後、速やかに溶湯径6mm、水圧300kg/cm、水量300l/minで水アトマイズを行った。得られた粉末を100mesh通過の篩別をして銅合金粉3を作製した。
前記銅合金粉3に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはSiのみであった。次に、ICPによるSiの定量分析を行ったところ、240ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、170ppmであった。
前記銅合金粉3を外形20mm、内径12mm、高さ約10mm、密度6.5g/cmで金型成形後、(N−10vol%H)雰囲気中(露点−30℃)で750℃、20min焼結した。得られた焼結体の圧環強度を表1に示す。
実施例12.
実施例1と同様にして銅スクラップ地金を溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にZnを1000ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅粉9を作製した。
前記銅粉9に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはZnのみであった。次に、ICPによる、ZnとSiとの定量分析を行ったところ、各々890ppmと<10ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、180ppmであった。
前記銅粉9を実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
実施例13.
実施例1と同様にして銅スクラップ地金を溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にFeを1000ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅粉10を作製した。
前記銅粉10に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはFeのみであった。次に、ICPによる、FeとSiとの定量分析を行ったところ、各々960ppmと<10ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、200ppmであった。
前記銅粉10を実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
比較例.
実施例1と同様にして銅スクラップ地金を溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にMnを1000ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅粉11を作製した。
前記銅粉11に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはMnのみであった。次に、ICPによる、MnとSiとの定量分析を行ったところ、各々940ppmと<10ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、210ppmであった。
前記銅粉11を実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
比較例
実施例1と同様にして銅スクラップ地金を溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にSiを1000ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅粉12を作製した。
前記銅粉12に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはSiのみであった。次に、ICPによるSiの定量分析を行ったところ、870ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、180ppmであった。
前記銅粉12を実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
比較例
実施例1と同様にして銅スクラップ地金を溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にAlを700ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅粉13を作製した。
前記銅粉13に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはAlのみであった。次に、ICPによる、AlとSiとの定量分析を行ったところ、各々570ppmと<10ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、190ppmであった。
前記銅粉13を実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
比較例
実施例1と同様にして銅スクラップ地金を溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にMgを700ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅粉14を作製した。
前記銅粉14に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはMgのみであった。次に、ICPによる、MgとSiとの定量分析を行ったところ、各々530ppmと<10ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、210ppmであった。
前記銅粉14を実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
比較例
実施例9と同様にして電気銅地金と電解ニッケル地金とを溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にSiを800ppm添加した。その後、実施例1と同様にして水アトマイズを行って100mesh通過の銅合金粉4を作製した。
前記銅合金粉4に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはSiのみであった。次に、ICPによるSiの定量分析を行ったところ、690ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、210ppmであった。
前記銅合金粉4を実施例9と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
比較例
実施例11と同様にして電気銅地金と高純度地金とを溶解し、Pで仕上げ脱酸を行った後、この溶湯中にSiを800ppm添加した。その後、実施例1と同じ手順で水アトマイズを行って100mesh通過の銅合金粉5を作製した。
前記銅合金粉5に対して蛍光X線による定性分析を行ったところ、900℃以下の温度域で最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOx当該温度域と同一の温度域におけるZnの固相酸化物のΔG MOx より低い元素で検出されたのはSiのみであった。次に、ICPによるSiの定量分析を行ったところ、670ppmであった。同様にPの定量分析を行ったところ、190ppmであった。
前記銅合金粉5を実施例9と同様にして成形、焼結して得た焼結体の圧環強度を表1に示す。
Figure 0005246529
表1において、ΔG MOxは800℃の値であり、Znの800℃におけるΔG MOxは-480kJ/mol-Oである。
表1により、900℃以下の温度域でのΔG MOxが亜鉛のΔG MOxよりも低い不純物元素の含有量が400ppmを超える銅粉及び銅合金粉の焼結体の圧環強さは、不純物元素の含有量が400ppm以下の銅粉及び銅合金粉の焼結体の圧環強さに比べて著しく劣ることを確認した。
また、900℃以下の温度域でのΔG MOxが亜鉛のΔG MOxと同等もしくはそれより高い不純物元素については含有量が400ppmを超えても焼結体強度の劣化はみられなかった。

Claims (1)

  1. 900℃以下の温度域における最も低級な凝縮相酸化物の標準生成自由エネルギーが当該温度域と同一の温度域における亜鉛の固相酸化物の標準生成自由エネルギーよりも低い不純物元素を結晶格子内部に含み、且つ、当該不純物元素の総含有量が400ppm以下(但し0は含まない)である銅または銅合金からなる銅系金属のアトマイズ粉であり、当該銅系金属のアトマイズ粉の焼結時における前記不純物元素の内部酸化物の生成を抑制したことを特徴とする銅または銅合金からなる銅系金属のアトマイズ粉。
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