JP5246445B2 - 車両の出力制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両の出力制御装置に係り、内燃機関において要求トルクに対し出力トルクの適正化を図る技術に関する。
例えば内燃機関(エンジン)の搭載された車両では、ドライバ(操作者)がステップ状のアクセル操作をした場合、吸入空気圧(例えば、インテークマニフォールド圧)と大気圧との圧力比(吸入空気圧/大気圧)が所定値(例えば、0.5283)以下の吸入空気の流速が音速となる所謂臨界域において筒内への吸入空気量が一次遅れの挙動を示すことが知られている。従って、アクセル操作に対してスロットルバルブを独立して制御可能な吸気システム(例えば、ドライブ・バイ・ワイヤ(DBW)システム)では、一般に、アクセル操作に対応した値を一次遅れ処理することにより筒内への吸入空気量を推定し、この吸入空気量の推定値に即して例えば目標トルクの指標を求め、当該指標に基づきスロットルバルブを適正な開度に調節して所望の出力トルクを得るようにしている。
一方、スロットルバルブの開度が全開に近く、圧力比が所定値を越えるような所謂非臨界域となるような状況下においては、ドライバがステップ状のアクセル操作をした場合、吸入空気量が必ずしも一次遅れの挙動を示さないことも知られており、このような圧力比が所定値を越えるような非臨界域では、上記のような一次遅れ処理を行わないようにし、或いは臨界域の一次遅れ処理とは異なる別の演算処理を行うようにしている。例えば、演算処理の一例として特定の式を用いて新気量を精度よく予測可能とした技術が公知である(特許文献1参照)。
特許第4120524号公報
しかしながら、上記の如く圧力比が所定値を越える非臨界域のときに一次遅れ処理を行わないようにすると、車両走行中は殆ど筒内への吸入空気量を正確に把握できないことになり、また臨界域のときと非臨界域のときとで異なる処理を行うようにすると、二つの処理を圧力比に応じて使い分けなければならず煩わしく、特に非臨界域においては圧力比に応じて吸入空気の流速が大きく変化するために簡単な演算式で表すことが困難であり、上記の如く別の演算処理で吸入空気量を推定しようとしても演算処理が複雑になるという問題がある。
そこで、例えば非臨界域においては、実験等に基づきアクセル操作に応じてスロットルバルブの開度ひいては筒内への吸入空気量をキャリブレーションにより合わせ込むことも考えられるが、このようにすると、キャリブレーションに手間がかかるとともに、合わせ込んだデータをマップ等に構成して全てメモリに記憶しておかなければならず、メモリ容量の増大や演算処理速度の低下に繋がり好ましいことではない。
このようなことから、アクセル操作の大きさ(アクセル開度)やアクセル操作の操作速度(アクセル開速度)により異なる筒内への吸入空気量及びその吸入空気量の変化の挙動を簡単な構成で模擬してスロットルバルブの開度ひいては筒内への吸入空気量を調節することが求められている。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、アクセル操作状態に拘わらず簡単な構成にして筒内への吸入空気量を精度よく推定でき、内燃機関の出力トルクを適正に制御可能な車両の出力制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の車両の出力制御装置は、内燃機関が搭載される車両の出力制御装置であって、前記車両に具備されたアクセルの操作度合を検出するアクセル操作度合検出手段と、該アクセル操作度合に基づき基本要求トルクを算出する基本要求トルク算出手段と、前記基本要求トルク算出手段により今回算出した今回の基本要求トルクを実現する前記内燃機関の吸入空気の流速と前回算出した前回の基本要求トルクを実現する前記内燃機関の吸入空気の流速との比を流速比として求める流速比算出手段と、前記今回の基本要求トルクを該流速比で補正して補正基本要求トルクを求める基本要求トルク補正手段と、該補正基本要求トルクに基づき要求トルクを算出する要求トルク算出手段と、該要求トルクに基づき前記内燃機関の運転パラメータを制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項2の車両の出力制御装置では、請求項1において、吸入空気圧を検出する吸気圧検出手段を有し、前記流速比算出手段は、前記吸気圧検出手段により検出される吸入空気圧から求めた流速を用いて前記流速比を算出することを特徴とする。
請求項3の車両の出力制御装置では、請求項1または2において、前記要求トルク、前記基本要求トルク及び前記補正基本要求トルクは、これらトルクにそれぞれ対応した図示平均有効圧を各指標として含むことを特徴とする。
請求項4の車両の出力制御装置では、請求項1または2において、前記要求トルク、前記基本要求トルク及び前記補正基本要求トルクは、これらトルクにそれぞれ対応した充填効率を各指標として含むことを特徴とする。
請求項5の車両の出力制御装置では、請求項1または2において、前記要求トルク、前記基本要求トルク及び前記補正基本要求トルクは、これらトルクにそれぞれ対応した体積効率を各指標として含むことを特徴とする。
請求項6の車両の出力制御装置では、請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記要求トルク算出手段は、算出された要求トルクが前記基本要求トルクより大きいときには、該基本要求トルクでクリップして前記要求トルクとすることを特徴とする。
本発明の請求項1の車両の出力制御装置によれば、基本要求トルク算出手段により今回算出した今回の基本要求トルクを実現する内燃機関の吸入空気の流速と前回算出した前回の基本要求トルクを実現する内燃機関の吸入空気の流速との比を流速比として求め、この流速比を用いることで、圧力比(吸入空気圧/大気圧)が所定値(例えば、0.5283)以下の所謂臨界域、あるいは、所定値を超えるような所謂非臨界域のいずれであっても、一つの一次遅れ処理によって良好に要求トルクを求め、簡単な構成にして目標吸気流量を現実に即して精度よく推定でき、内燃機関の運転パラメータひいては出力トルクを適正に制御することができる。
請求項2の車両の出力制御装置によれば、吸入空気圧を用いることで、各流速ひいては流速比を容易に求めることができる。
請求項3の車両の出力制御装置によれば、要求トルク、基本要求トルク及び補正基本要求トルクにそれぞれ対応した図示平均有効圧を各指標として使用するので、内燃機関の出力トルクとの相関性の高い図示平均有効圧を用いて容易に目標吸気流量を現実に即して精度よく推定でき、内燃機関の運転パラメータひいては出力トルクを適正に制御することができる。
請求項4の車両の出力制御装置によれば、要求トルク、基本要求トルク及び補正基本要求トルクにそれぞれ対応した充填効率を各指標として使用するので、内燃機関の出力トルクとの相関性の高い充填効率を用いて容易に目標吸気流量を現実に即して精度よく推定でき、内燃機関の運転パラメータひいては出力トルクを適正に制御することができる。
請求項5の車両の出力制御装置によれば、要求トルク、基本要求トルク及び補正基本要求トルクにそれぞれ対応した体積効率を各指標として使用するので、内燃機関の出力トルクとの相関性の高い体積効率を用いて容易に目標吸気流量を現実に即して精度よく推定でき、内燃機関の運転パラメータひいては出力トルクを適正に制御することができる。
請求項6の車両の出力制御装置によれば、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでエンジンを加速させるような場合には、基本要求トルクに比べて要求トルクの方が大きな値となることがあり得るが、このような場合であっても、要求トルクを確実に収束値である基本要求トルク以下に抑えるようにでき、過剰な出力トルクの発生を抑制することができる。
本発明に係る車両の出力制御装置の全体構成を示す制御ブロック図である。 本発明の車両の出力制御装置の要求Piaの算出手順を示す制御ブロック図である。 圧力比と流速との関係を示す図である。 要求Pias(一点鎖線)と適正化された要求Pias(破線)と一次遅れ処理した要求Piaひいては目標吸気流量Qt(実線)の時間変化をそれぞれ臨界域(a)と非臨界域(b)とについて示す図である。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係る車両の出力制御装置は、エンジン(内燃機関)の搭載された車両の出力制御装置であって、エンジンとして例えばガソリンエンジンが採用され、出力制御装置として例えばドライブ・バイ・ワイヤ(DBW)と呼ばれる吸気システムを備えて構成されている。
このDBWと呼ばれる吸気システムは、アクセルペダルの操作情報等に応じて電子コントロールユニットにより電子制御スロットルバルブの開度を独立して制御するように構成されている。
図1は、電子コントロールユニット(ECU)10において周期的に実行される本発明に係る車両の出力制御装置の全体構成を示す制御ブロック図である。
同図に示すように、ECU10の入力側には車両のドライバによるアクセルペダルのアクセル操作度合を検出するアクセルポジションセンサ(アクセル操作度合検出手段)20、電子制御スロットルバルブ70の開度を検出するスロットルポジションセンサ30、吸入空気流量を検出するエアフローセンサ40、エンジンのクランク角ひいてはエンジン回転速度Neを検出するクランク角センサ50等のセンサ類の他、例えば無断変速機(CVT)や車両姿勢制御システム等のエンジンに対する各種の外部システム要素60の信号線、さらには吸入空気圧(例えば、インテークマニフォールド圧)を検出する吸気圧センサ(吸気圧検出手段、図示せず)が電気的に接続されており、出力側には電子制御スロットルバルブ70が電気的に接続されている。
そして、同図に示すように、ECU10には、アクセルポジションセンサ20からの信号やクランク角センサ50により検出されたエンジン回転速度Neに基づき要求トルクの指標としての図示平均有効圧Piをアクセル要求Pi(要求Pia)(要求トルク)として算出するアクセル要求Pi算出ブロックB10、外部システム要素60からの外部負荷要求に基づく図示平均有効圧Piを外部要求Pi(要求Pio)として算出する外部要求Pi算出ブロックB12、アクセル要求Piと外部要求Piとに基づき目標トルクの指標としての図示平均有効圧Piの目標値(目標Pi)を算出する目標Pi算出ブロックB14、目標Piに基づき充填効率の目標値(目標Ec)を算出する目標Ec算出ブロックB16、目標Ecに基づき電子制御スロットルバルブ70を通過する吸入空気流量の目標値(目標吸気流量Qt)を算出する目標吸気流量Qt算出ブロックB18、目標吸気流量Qtに基づき電子制御スロットルバルブ70の開度の目標値(目標スロットルバルブ開度)を算出し電子制御スロットルバルブ70に出力信号を供給する目標スロットルバルブ開度算出ブロックB20、スロットルポジションセンサ30からの電子制御スロットルバルブ70の開度情報に基づき電子制御スロットルバルブ70の開度を調整するスロットルバルブ開度調整ブロックB22、エアフローセンサ40からの情報に基づき上記調整した電子制御スロットルバルブ70の開度での実際の吸入空気流量(実吸気流量Qr)を算出する実吸気流量Qr算出ブロックB24、実吸気流量Qrに基づき実際の充填効率(実Ec)を算出する実Ec算出ブロックB26、実Ecに基づき実際の図示平均有効圧Pi(実Pi)を算出する実Pi算出ブロックB28、エンジンがアイドル運転状態にあるとき、実Piに基づきクランク角センサ50により検出されたエンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度となるようにエンジン回転速度フィードバック制御(Ne−F/B)を併せて行いながら電子制御スロットルバルブ70のフィードバック制御を行うF/B制御ブロックB30が含まれ、同制御ブロック図に従ってエンジンの運転パラメータを制御する制御プログラムが構成されている(制御手段)。
即ち、本発明に係る車両の出力制御装置では、ECU10は図1の制御ブロック図による制御を周期的に実施することでエンジンの出力トルクを基調とする所謂トルクベース制御を行うようにしており、要求トルクの指標から目標トルクの指標を求め、この目標トルクの指標に基づいて電子制御スロットルバルブ70を適正な開度に調節し、エンジンにおいて所望の出力トルクを得るように図っている。これにより、電子制御スロットルバルブ70を目標トルクの指標に基づいて的確に制御でき、エンジンにおいて所望の出力トルクを確実に得ることが可能である。
ところで、アクセル要求Pi算出ブロックB10では、上記の如くアクセルポジションセンサ20からのアクセル要求信号に基づき要求Piaを算出するが、詳しくは、上述したように吸入空気量は実際には一次遅れの挙動を示すことから、吸入空気量に相関する要求Piaについて一次遅れ処理を行う。
図2を参照すると本発明の車両の出力制御装置のアクセル要求Pi算出ブロックB10における要求Piaの算出手順が制御ブロック図で示されており、以下、同図に基づき本発明に係る要求Piaの算出手順について詳細に説明する。
アクセルポジションセンサ20からのアクセル要求信号やクランク角センサ50により検出されたエンジン回転速度Neは要求負荷率算出ブロックB110に供給され、要求負荷率算出ブロックB110において要求負荷率が算出される。要求負荷率はアクセル要求信号とエンジン回転速度Neに基づいてエンジンがアイドル運転状態の負荷を0%として最大トルクを発生可能な負荷を100%として補間される値であり、予めアクセル要求信号とエンジン回転速度Neとをパラメータとする要求負荷率マップとして設定されている。そして、このように算出された要求負荷率に基づき、下記式(1)から要求Piaの瞬時値(要求Pias)(基本要求トルク)が求められる(基本要求トルク算出手段)。
(最大Pi−アイドル目標Pi)×要求負荷率+アイドル目標Pi …(1)
ここに、最大Piは予め設定された図示平均有効圧Piの最大値であり、アイドル目標Piは予め設定されたアイドル運転状態での図示平均有効圧Piの目標値である。
エンジン回転速度Neと上記の如く求められた要求Piasは今回要求流速算出ブロックB112に供給され、今回要求流速算出ブロックB112において要求Piasに対応した吸入空気の流速、即ち今回要求流速が算出される。今回要求流速は予め要求Piasとエンジン回転速度Neとをパラメータとする要求流速マップとして設定されている。
なお、要求Piasは、今回要求流速算出ブロックB112に供給される際、気圧補正ブロックB116において気圧補正される。即ち、要求流速マップは標準気圧で設定されていることから、標高に応じて変化する気圧(BPkPa )(環境パラメータ)を標準気圧(101.3kPa)で除した値(BP/101.3)で要求Piasを除し、要求Piasを要求流速マップに適合するように補正する。
一方、エンジン回転速度Neは、前回の演算周期において算出され、ECU10に記憶された要求Piasである要求Piasfとともに前回要求流速算出ブロックB114にも供給され、前回要求流速算出ブロックB114において要求Piasfに対応した吸入空気の流速、即ち前回要求流速が算出される。前回要求流速は、上記今回要求流速と同様、予め要求Piasfとエンジン回転速度Neとをパラメータとする要求流速マップとして設定されている。この場合、今回要求流速と前回要求流速とで要求流速マップを共通とし、要求流速マップを単一の要求流速マップで構成してもよい。
この場合にも、上記要求Piasと同様、要求流速マップは標準気圧で設定されていることから、要求Piasfを要求流速マップに適合するように気圧補正する。
このように今回要求流速と前回要求流速とが算出されたら、前回要求流速を今回要求流速で除して今回要求流速と前回要求流速との比(前回要求流速/今回要求流速)、即ち流速比が容易に求められる(流速比算出手段)。
なお、ここでは要求Piasに対応した吸入空気の今回要求流速と要求Piasfに対応した吸入空気の前回要求流速との比から流速比を求めるようにしているが、前回の演算周期に吸気圧センサにより検出される吸入空気圧と今回の演算周期に吸気圧センサにより検出される吸入空気圧とに基づいてそれぞれ要求流速を求めるようにしてもよく、この場合には、前回の演算周期に吸気圧センサにより検出される吸入空気圧を、前回の演算周期での要求Piasfに対応した吸入空気の前回要求流速に、今回の演算周期に吸気圧センサにより検出される吸入空気圧を、今回の演算周期での要求Piasに対応した吸入空気の今回要求流速に置き換え、流速比を求めてもよい。以上より容易に要求流速を求め、これらの比から容易に流速比を求めることができる。
そして、このように求められた流速比は、比較ブロックB118において値1.0より大きいか否かが判別される。流速比が値1.0より大きい場合には、求めた流速比がそのまま採用されて要求Piasに乗算され、一方、流速比が値1.0を越えない場合には、値1.0が要求Piasに乗算される(基本要求トルク補正手段)。
このように前回要求流速を今回要求流速で除して流速比を求め、この流速比が値1.0より大きい場合には流速比を要求Piasに乗算するようにすると、要求Piasが流速比に応じてより大きな値に補正されることになり、要求Piasが適正化される。
上述したように電子制御スロットルバルブ70の開度が全開に近く圧力比(吸入空気圧/大気圧)が所定値(例えば、0.5283)を越えるような所謂非臨界域となるような状況下においては、吸入空気の流速は、図3の圧力比と流速との関係に示すように、本来電子制御スロットルバルブ70の開度が大きくなるほど遅くなる。ところが、ドライバがアクセルペダルをステップ状に大きく操作(臨界域から非臨界域となるよう操作)すると、吸入空気の流速が速い側から遅い側に変化する変化初期において、吸入空気の流入が無く吸入空気圧の変化も無いため、吸入空気の流速が速いまま電子制御スロットルバルブ70の開度が大きくなり、吸入空気の慣性力も影響して実際には電子制御スロットルバルブ70を通る吸入空気の吸気流量がオーバシュートすることとなる。従って、要求Piasをこのオーバシュートした電子制御スロットルバルブ70を通る吸入空気の吸気流量に即した値に適正化するようにできる。
一方、圧力比が所定値未満であるような所謂臨界域となるような状況下では、図3に示すように吸入空気の流速は音速のまま変化することがなく、基本的に電子制御スロットルバルブ70を通る吸入空気がオーバシュートすることはなく流速比は値1.0であり、要求Piasには値1.0が乗算され、要求Piasはそのままの値で適正化される。
流速比に基づいて要求Piasが適正化されたら、一次遅れ処理ブロックB120において、適正化された要求Pias(補正基本要求トルク)に一次遅れ処理を施すことで要求Piaを求める(要求トルク算出手段)。具体的には、下記一次遅れ式(2)に基づき演算を行う。
k×a+(1−k)×b …(2)
ここに、kは適宜設定された一次遅れフィルタ係数であり、aは目標出力としての要求Piaの前回値であり、bは入力としての上記適正化された要求Piasと要求Piasを条件に応じて切り替える。
例えばドライバがアクセルペダルを踏み込んでエンジンを加速させるような場合、即ちアクセル要求信号が小側から大側に変化する場合には、要求Piasに比べて一次遅れ処理した要求Piaの方が大きな値となることがあり、一次遅れ処理ブロックB120に移行する前に、要求Piasと一次遅れ処理した要求Piaとの大小を比較し、上記式(2)の入力bを切り替える。即ち、図2に示すように、一次遅れ処理した要求Piaが要求Pias以下である場合(要求Pia≦要求Pias)には、適正化された要求Piasが一次遅れ処理ブロックB120において一次遅れ処理される一方、一次遅れ処理した要求Piaが要求Piasよりも大きい場合には、元の要求Piasが一次遅れ処理ブロックB120において入力され、一次遅れ処理される。
このように、流速比によって要求Piasを現実に即して適正化し、この適正化された要求Piasを一次遅れ処理して要求Piaを求めることにより、従来は臨界域と非臨界域とで別の演算処理を行って推定し或いはキャリブレーションを行って求めていた目標吸気流量Qtを、臨界域と非臨界域とで分けることなく一つの一次遅れ式(2)によって現実に即して適正に推定することが可能である。
また、ここでは、上述したように例えばドライバがアクセルペダルを踏み込んでエンジンを加速させるような場合、即ちアクセル要求信号が小側から大側に変化する場合には、要求Piasに比べて一次遅れ処理した要求Piaの方が大きな値となることがあるため、比較ブロックB122においても要求Piasと一次遅れ処理した要求Piaとの大小が比較される。一次遅れ処理した要求Piaが要求Pias以下(要求Pia≦要求Pias)の場合には、そのまま一次遅れ処理した要求Piaが最終的に要求Piaとして出力される一方、一次遅れ処理した要求Piaが要求Piasより大きい場合には、要求Piaは要求Piasにクリップされ、要求Piasが最終的に要求Piaとして出力される。
ここで、図4を参照すると、例えばドライバがアイドル運転状態からエンジンを加速させるべくアクセルペダルをステップ状に操作した場合のアクセル要求信号に基づく要求Pias(一点鎖線)と適正化された要求Pias(破線)と上記一次遅れ処理した要求Piaひいては目標吸気流量Qt(実線)の時間変化が、臨界域での場合(a)と非臨界域での場合(b)とに分けて示されているが、同図に示すように、臨界域では、従来同様に要求Piaひいては目標吸気流量Qtは現実の実吸気流量Qrに即して徐々に増加して要求Piasに収束し、非臨界域では、要求Piaひいては目標吸気流量Qtは、やはり現実の実吸気流量Qrに即して略要求Piasを保持するように変化しつつ要求Piasに収束することとなる。
このように、本発明に係る車両の出力制御装置によれば、アクセル操作状態に拘わらず、圧力比(吸入空気圧/大気圧)が所定値(例えば、0.5283)以下の所謂臨界域であっても所定値を超えるような所謂非臨界域であっても、一つの一次遅れ式によって良好に要求Piaを求め、簡単な構成にして目標吸気流量Qtを現実に即して精度よく推定でき、エンジンの運転パラメータひいては出力トルクを適正に制御することができる。
また、一次遅れ処理した要求Piaが要求Piasより大きい場合には、最終的に要求Piaを要求Piasでクリップするようにしているので、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでエンジンを加速させるような場合であっても、要求Piaを確実に収束値である要求Pias以下に抑えるようにでき、過剰な出力トルクの発生を抑制することができる。
さらに、今回要求流速算出ブロックB112及び前回要求流速算出ブロックB114においてそれぞれ要求Pias、要求Piasfに基づき流速比を求めるに当たり、気圧補正ブロックB116でこれら要求Pias及び要求Piasfの気圧補正を行うようにするので、今回要求流速算出ブロックB112や前回要求流速算出ブロックB114において複数のマップを必要とせずそれぞれ単一の要求流速マップに基づいて今回要求流速や前回要求流速を求めることができる。これにより、より簡単な構成にして目標吸気流量Qtを精度よく推定できる。
特に、今回要求流速と前回要求流速とで要求流速マップを共通にすれば、単一の要求流速マップのみに基づいて要求流速を求めて流速比を算出するようにでき、より一層簡単な構成にして目標吸気流量Qtを精度よく推定できる。
以上で本発明に係る車両の出力制御装置の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、図示平均有効圧Piに基づいて、要求トルクの指標としての要求Pia、基本要求トルクの指標としての要求Piasや要求Piasf及び補正基本要求トルクとしての適正化された要求Piasをそれぞれ求め、これらを使用するようにしているが、図示平均有効圧Piの場合と同様に、エンジンの実吸気流量と体積効率ひいては充填効率Ecとは相関性が高いことから、図示平均有効圧Piに代えて体積効率または充填効率Ecを要求トルク、基本要求トルク及び補正基本要求トルクの指標に用いるようにしてもよく、この場合であっても上記同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、要求Pias及び要求Piasfについて気圧補正を行うようにしているが、気圧補正に限られず、吸入空気温度やエンジンの冷却水温度等のエンジンの出力トルクに関係する環境パラメータに基づいて要求Piasや要求Piasfを補正するようにしてもよい。
10 電子コントロールユニット(ECU)
20 アクセルポジションセンサ
30 スロットルポジションセンサ
40 エアフローセンサ
50 クランク角センサ
70 電子制御スロットルバルブ
B10 アクセル要求Pi算出ブロック
B18 目標吸気流量Qt算出ブロック
B110 要求負荷率算出ブロック
B112 今回要求流速算出ブロック
B114 前回要求流速算出ブロック
B116 気圧補正ブロック
B118 比較ブロック
B120 一次遅れ処理ブロック
B122 比較ブロック

Claims (6)

  1. 内燃機関が搭載される車両の出力制御装置であって、
    前記車両に具備されたアクセルの操作度合を検出するアクセル操作度合検出手段と、
    該アクセル操作度合に基づき基本要求トルクを算出する基本要求トルク算出手段と、
    前記基本要求トルク算出手段により今回算出した今回の基本要求トルクを実現する前記内燃機関の吸入空気の流速と前回算出した前回の基本要求トルクを実現する前記内燃機関の吸入空気の流速との比を流速比として求める流速比算出手段と、
    前記今回の基本要求トルクを該流速比で補正して補正基本要求トルクを求める基本要求トルク補正手段と、
    該補正基本要求トルクに基づき要求トルクを算出する要求トルク算出手段と、
    該要求トルクに基づき前記内燃機関の運転パラメータを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両の出力制御装置。
  2. 吸入空気圧を検出する吸気圧検出手段を有し、
    前記流速比算出手段は、前記吸気圧検出手段により検出される吸入空気圧から求めた流速を用いて前記流速比を算出することを特徴とする、請求項1記載の車両の出力制御装置。
  3. 前記要求トルク、前記基本要求トルク及び前記補正基本要求トルクは、これらトルクにそれぞれ対応した図示平均有効圧を各指標として含むことを特徴とする、請求項1または2記載の車両の出力制御装置。
  4. 前記要求トルク、前記基本要求トルク及び前記補正基本要求トルクは、これらトルクにそれぞれ対応した充填効率を各指標として含むことを特徴とする、請求項1または2記載の車両の出力制御装置。
  5. 前記要求トルク、前記基本要求トルク及び前記補正基本要求トルクは、これらトルクにそれぞれ対応した体積効率を各指標として含むことを特徴とする、請求項1または2記載の車両の出力制御装置。
  6. 前記要求トルク算出手段は、
    算出された要求トルクが前記基本要求トルクより大きいときには、該基本要求トルクでクリップして前記要求トルクとすることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか記載の車両の出力制御装置。
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