JP2011043097A - 車両用エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキブースタの作動状況に拠らずエンジン挙動を安定化させることが出来るようにする。
【解決手段】 燃料噴射手段23を有し車両10に用いられるエンジン12と、車両10に設けられたブレーキ装置35と、吸気通路31に接続され吸気通路31内の負圧によりブレーキ装置35の動作をアシストするブレーキブースタ32と、ブースタ圧PBBの変化量ΔPBBを演算するブースタ圧変化量演算手段52と、ブースタ圧変化量ΔPBBに基づきブレーキブースタ32の作動に起因するエンジン12のトルクの外乱量ΔTQを演算するトルク外乱量演算手段54,68と、トルク外乱量ΔTQを加味してエンジン12の目標トルクTQtを設定する目標トルク設定手段55,70,91とを備えて構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用エンジンの制御装置に関するものである。
従来より、ブレーキペダルの踏み込みに応じ、エンジンの吸気系で生じた負圧を利用して、制動力を高めるブレーキブースタが知られている。一般的に、このようなブレーキブースタは真空式と呼ばれるものである。
しかしながら、この真空式ブレーキブースタでは、エンジンの吸気系における負圧を利用しているが故に、制動力を発生させる毎に、エンジン吸気量を変化させてしまうという課題がある。
つまり、ブレーキブースタから吸気系へ不規則的に流入する空気により、吸気は突発的にリーン化またはリッチ化してしまうのである。
なお、このような外乱が生じた際における燃料噴射量の制御に関する技術を示す文献としては、例えば、以下の特許文献1が挙げられる。
この特許文献1の技術においては、ブレーキペダルの踏み込み速度が所定の判定値を超えると、アイドル・スピード・コントロールバルブ(ISCバルブ)のフィードバック制御をキャンセルするようになっている。さらに、この特許文献1の技術においては、ISCバルブのフィードバック制御がキャンセルされた後、ブレーキペダルの踏み込み速度が所定の判定値未満である状態がある程度の期間継続した場合には、ISCバルブのフィードバック制御を復帰させるようになっている。
特開2002−106396号公報
しかしながら、この特許文献1の技術では、ISCバルブのフィードバック制御をキャンセルしている間は、エンジン負荷が変化した際にエンジン回転速度が上昇または低下してしまい、エンジンの運転が不安定になり、状況によってはエンジンがストールする場合もある。
つまり、車両ユーザによる高いニーズを満たすためには、エンジンの挙動をより安定化することが求められている。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、ブレーキブースタの作動状況に拠らずエンジン挙動を安定化させることが出来る、車両用エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両用エンジンの制御装置(請求項1)は、燃料噴射手段を有し車両に用いられるエンジンと、該車両に設けられたブレーキ装置と、該エンジンの吸気通路に接続され該吸気通路内の負圧により該ブレーキ装置の動作をアシストするブレーキブースタと、該ブレーキブースタ内における圧力であるブースタ圧の変化量を演算するブースタ圧変化量演算手段と、該ブースタ圧変化量演算手段によって演算された該ブースタ圧変化量に基づき該ブレーキブースタの作動に起因する該エンジンのトルクの外乱量を演算するトルク外乱量演算手段と、該トルク外乱量演算手段により演算された該トルク外乱量を加味して該エンジンの目標トルクを設定する目標トルク設定手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明の車両用エンジンの制御装置(請求項2)は、請求項1記載の内容において、該エンジンに求められる出力トルクである要求トルクに基づいて、該エンジンの充填効率の基本値である基本充填効率を演算する基本充填効率演算手段をさらに備え、該トルク外乱量演算手段は、該ブースタ圧変化量演算手段によって演算された該ブースタ圧変化量に基づき該エンジンの充填効率の変化量を該トルク外乱量を示す指標として演算し、該目標トルク設定手段は、該基本充填効率演算手段によって演算された該基本充填効率と、該トルク外乱量演算手段によって演算された該充填効率変化量とに基づき目標充填効率を該エンジンの該目標トルクを示す指標として演算することを特徴としている。
上記目的を達成するため、本発明の車両用エンジンの制御装置(請求項3)は、請求項2記載の内容において、該エンジンの吸気流量を調整するスロットルバルブと、該目標トルク設定手段によって演算された該目標充填効率に基づいて該エンジンの目標吸気量を演算する目標吸気量演算手段と、該目標吸気量演算手段により演算された該目標吸気量に基づいて該スロットルバルブの目標開度を設定する目標開度設定手段とを備えることを特徴としている。
上記目的を達成するため、本発明の車両用エンジンの制御装置(請求項4)は、請求項1記載の内容において、該エンジンの吸気流量を検出する吸気流量検出手段と、該エンジンの回転速度を演算するエンジン回転速度演算手段と、該ブースタ圧変化量演算手段によって演算された該ブースタ圧変化量に基づき該エンジンの充填効率の変化量を演算する充填効率変化量演算手段と、該吸気流量検出手段によって検出された該吸気流量に基づいて、該エンジンの充填効率の基本値である基本充填効率を演算する基本充填効率演算手段と、該基本充填効率演算手段によって演算された該基本充填効率と、該充填効率変化量演算手段によって演算された該充填効率変化量とに基づき該エンジンの実充填効率を演算する実充填効率演算手段と、該エンジン回転速度演算手段によって演算された該エンジン回転速度と該実充填効率演算手段によって演算された該実充填効率とに基づいて該エンジンの実トルクを演算する実トルク演算手段と、該エンジン回転速度演算手段によって演算された該エンジン回転速度と該基本充填効率演算手段によって演算された該基本充填効率とに基づいて該エンジンの基本トルクを演算する基本トルク演算手段とを備え、該トルク外乱量演算手段は、該実トルク演算手段によって演算された該実トルクと該基本トルク演算手段によって演算された該基本トルクとの偏差量を該トルク外乱量として演算することを特徴としている。
上記目的を達成するため、本発明の車両用エンジンの制御装置(請求項5)は、請求項4記載の内容において、該目標トルク設定手段は、該エンジンに求められる出力トルクである要求トルクと該トルク外乱量演算手段により演算された該トルク外乱量とに基づいて該目標トルクを設定することを特徴としている。
上記目的を達成するため、本発明の車両用エンジンの制御装置(請求項6)は、請求項4記載の内容において、該エンジンに設けられた点火プラグと、該エンジン回転速度演算手段により演算されたエンジン回転速度と該基本充填効率演算手段によって演算された該基本充填効率とに基づき該点火プラグの基本点火時期を演算する基本点火時期演算手段と該実充填効率演算手段により演算された該実充填効率と該トルク外乱量演算手段によって演算された該トルク外乱量とに基づき該点火プラグの点火時期の補正量を演算する点火時期補正量演算手段とを備え、該目標トルク設定手段は、該基本点火時期演算手段によって演算された該基本点火時期と該点火時期補正量演算手段によって演算された該点火時期補正量とに基づき目標点火時期を該エンジンの該目標トルクを示す指標として演算することを特徴としている。
本発明の車両用エンジンの制御装置によれば、ブレーキブースタの作動状況に拠らず、エンジン挙動を安定化させることが出来る。(請求項1)
また、エンジンの充填効率を、エンジンのトルクを示す指標として用いることが出来る。(請求項2)
また、スロットルバルブの目標開度を設定することで、エンジンのトルクを直接的に制御し、素早くエンジン挙動を安定させることが出来る。(請求項3)
また、実充填効率およびエンジン回転速度に基づいて得られた実トルクと、基本充填効率およびエンジン回転速度に基づいて得られた基本トルクとの偏差量を、トルク外乱量として得ることが出来る。(請求項4)
また、トルク外乱量を加味してエンジンの目標トルクを設定することで、より高い精度でエンジンを制御することが出来る。(請求項5)
また、エンジンのトルクを制御するパラメータとして、点火時期を用いることで、エンジンのトルク制御を素早く且つ正確に行なうことが出来る。(請求項6)
本発明の第1実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の全体構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の第1〜第3実施形態に係る車両用エンジンの制御装置で用いられるブレーキブースタの構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の動作を示す模式的なフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の全体構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の第2および第3実施形態に係る車両用エンジンの制御装置で用いられるトルクマップを示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の動作を示す模式的なフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の全体構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用エンジンの制御装置で用いられる基本点火時期マップを示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用エンジンの制御装置で用いられる点火時期補正量マップを示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用エンジンの制御装置の動作を示す模式的なフローチャートである。
図1〜図3を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、車両10のエンジンルーム11には、主にシリンダブロック13とシリンダヘッド14とから成るエンジン12が設けられている。なお、このエンジン12は、アルコールとガソリンとを混合した燃料(以下、混合燃料という)を主燃料としている。したがって、この車両10は、FFV(Flexible Fuel Vehicle)とも呼ばれるものである。
エンジン12のシリンダブロック13の底部には、エンジンオイル40を溜めるオイルパン41が設けられている。
シリンダヘッド14には、シリンダ20の燃焼室17にその先端が突出した点火プラグ30が設けられている。
また、シリンダヘッド14には、燃焼室17に連通する吸気ポート15および排気ポート16が形成されている。
吸気ポート15と燃焼室17との間には吸気バルブ18が設けられている。
排気ポート16と燃焼室17との間には排気バルブ19が設けられている。
吸気ポート15には吸気マニホールド(吸気通路)21が接続され、排気ポート16には排気マニホールド22が接続されている。また、この排気マニホールド22の下流には前段触媒43および後段触媒(図示略)が接続されている。
また、吸気ポート15にはインジェクタ(燃料噴射手段)23が設けられ、吸気ポート15内に混合燃料を噴射することが出来るようになっている。
また、吸気マニホールド21の上流端には、スロットルバルブ24を有するスロットルボディ25が接続されている。さらに、このスロットルボディ25の上流端には、エアフィルタ26が設けられた吸気導入路27が接続されている。
また、吸気導入路27内にはエアフローセンサ28が設けられている。このエアフローセンサ28は、エアフィルタ26によってろ過された後にスロットルバルブ24を通過する新気の流量(以下、スロットル通過流量)QINmを検出するものである。なお、このエアフローセンサ28による検出結果QINmは、後述するECU(Electronic Control Unit)50によって読み込まれるようになっている。
スロットルバルブ24は、その開度θTHを変更することで、スロットル通過流量QINmを変更するものである。なお、このスロットルバルブ24は図示しないモータアクチュエータによって駆動される、いわゆる、電子制御式スロットルバルブである。また、スロットルバルブ24の実開度θTHaは、スロットルボディ25に設けられたスロットルバルブ開度センサ29によって検出されるようになっている。なお、このスロットルバルブ開度センサ29による検出結果θTHaも、ECU50によって読み込まれるようになっている。
吸気マニホールド21に形成されたサージタンク31と、詳しくは後述するブレーキブースタ32とは、ブースタホース33により接続されている。
また、この吸気マニホールド21には、サージタンク31内の気圧を吸気マニホールド圧(エンジン吸気圧)PIMとして検出する吸気マニホールド圧センサ(吸気圧検出手段)39が設けられている。なお、この吸気マニホールド圧センサ39の検出結果PIMはECU50によって読み込まれるようになっている。
また、このエンジン12には、クランク角度センサ34が設けられている。このクランク角度センサ34は、クランクシャフト42の角度θCRを検出するものである。なお、このクランク角度センサ34による検出結果θCRは、ECU50によって読み込まれるようになっている。
また、この車両10には、アクセルペダル(図示略)がドライバによって踏み込まれた量をアクセルペダル踏込量ACCとして検出する、図示しないアクセルペダルポジションセンサが設けられている。なお、このアクセルペダルポジションセンサによる検出結果ACCも、ECU50によって読み込まれるようになっている。
そして、図2に示すように、この車両10にはブレーキブースタ32が設けられている。なお、図2におけるブレーキペダル35はドライバ(図示略)によって踏込まれた状態を示す。
この図2に示すように、このブレーキブースタ32内にはブースタシリンダ36が形成され、このブースタシリンダ36内にはパワーピストン37が設けられている。そして、このパワーピストン37には、ブレーキペダル(ブレーキ装置)35と接続されたオペレーティングロッド38が接続されている。
また、ブースタシリンダ36内は、パワーピストン37により第1負圧室45および第2負圧室46に区切られている。なお、第1負圧室45はパワーピストン37よりも車両10の前側に形成されたブースタシリンダ36の一部分である。また、第2負圧室46はパワーピストン37よりも車室内側(車両後側)に形成されたブースタシリンダ36の一部分である。
第2負圧室46は、ブースタホース33に対して空気管路32a,32bを介して接続されるとともに、空気管路32cを介して大気導入口48と接続されているが、これらの空気管路32aと空気通路32bとの間、および、大気導入口48と空気管路32cとの間には、切換バルブ47が設けられている。
この切換バルブ47には切換ピストン47aが設けられている。
この切換ピストン47aは、ドライバによりブレーキペダル35が踏込まれた際、ブースタホース33を介して連通されていた第2負圧室46とサージタンク31とを遮断するとともに、第2負圧室46と大気導入口48とを連通させることで第2負圧室46を大気開放するものである。
一方、第1負圧室45とブースタホース33とは空気管路32dを介して接続されており、ブースタホース33と第1負圧室45との間には切換バルブ47のようなバルブは設けられていない。このため、ドライバによるブレーキペダル35の踏込みの有無に関わらず、第1負圧室45内の気圧は、吸気マニホールド21のサージタンク31内の気圧と等しくなっている。
したがって、ブレーキペダル35が踏込まれると、第1負圧室45と第2負圧室46との間で圧力差が生じ、これにより、パワーピストン37が車両10の前側(図2中左方向)へ変位することで、オペレーティングロッド38を車両10の前方へ引き込む力(いわゆる、ブレーキアシスト力)が生じるようになっている。
つまり、ブレーキブースタ32が作動してブレーキアシスト力が生じると、回転軸35aを中心にブレーキペダル35の下端部35b側が車両10の前方へ引き込まれ、ドライバによるブレーキペダル35の踏込みが補助されるようになっているのである。
しかしながら、パワーピストン37が車両10の前側に変位し、第1負圧室45の容積が小さくなった場合には、第1負圧室45内に存する空気がブースタホース33を介してサージタンク31に流入することとなる。なお、第1負圧室45とブースタホース33との間の空気管路32dにはチェックバルブ44が設けられている。このチェックバルブ44は、第1負圧室45からサージタンク31へ向けて空気が流れることは許容するものの、逆方向、即ち、サージタンク31から第1負圧室45へ向けて空気が流れることは禁止する逆止弁である。
ここで、第1負圧室45からサージタンク31へ流出する空気の量をブースタ流出流量QINsという。
したがって、サージタンク31からエンジン12の燃焼室17に向けて流れる吸気流量QINは、理論上、スロットルバルブ24を通過するスロットル通過流量QINmと、上記のブースタ流出流量QINsとの加算値と等しくなるようになっている。
また、このブースタシリンダ36内に形成された第1負圧室45の気圧(即ち、ブースタ圧)PBBは、ブースタ圧センサ(ブースタ圧検出手段)49により検出されるようになっている。なお、ブースタ圧センサ49による検出結果PBBは、ECU50により読み込まれるようになっている。
そして、この車両10には、ECU50が設けられている。このECU50は、いずれも図示しないCPU(Central Processing Unit),メモリおよびインタフェースを有する電子制御ユニットである。
このECU50のメモリには、いずれもソフトウェアとして、エンジン回転速度演算部(エンジン回転速度演算手段)51,ブースタ圧変化量演算部(ブースタ圧変化量演算手段)52,基本充填効率演算部(基本充填効率演算手段)53,トルク外乱量演算部(トルク外乱量演算手段)54が記録されている。
また、このECU50のメモリには、目標トルク設定部(目標トルク設定手段)55,目標スロットル通過流量演算部(目標吸気量演算手段)56,目標開度設定部(目標開度設定手段)57およびスロットルバルブ制御部58が記録されている。
これらのうち、エンジン回転速度演算部51は、クランク角度センサ34によって検出されたクランクシャフト角度θCRの単位時間当たりの変化量として、エンジン12の回転速度Neを演算するものである。
ブースタ圧変化量演算部52は、吸気行程期間毎に、ブレーキブースタ32の第1負圧室45内における気圧であるブースタ圧PBBが変化する量(ブースタ圧変化量)ΔPBBを演算するものである。なお、本実施形態におけるエンジン12は、1サイクルが4ストロークであり、且つ、4つのシリンダ20を有する4気筒エンジンである。つまり、クランクシャフト42が180度回転する毎にいずれかのシリンダ20が吸気行程中であるということになる。したがって、このブースタ圧変化量演算部52は、クランク角度センサ34から読込まれたクランクシャフト角度θCR基づき、クランクシャフト42が180度回転する毎にブースタ圧変化量ΔPBBを演算するようになっている。なお、このブースタ圧変化量ΔPBBは、ブースタ圧PBBの前回検出値PBB(n-1)と今回検出値PBB(n)との偏差量として求められるものである。
基本充填効率演算部53は、アクセルポジションセンサによって検出されたアクセルペダル開度ACCと、エンジン回転速度演算部51によって演算されたエンジン回転速度Neとに基づいて、ドライバが要求しているエンジン12の出力トルク、即ち、要求トルクTQREQを演算し、この要求トルクTQREQを充填効率ECとして変換することで、エンジン12の充填効率ECの基本的な値である基本充填効率ECiを演算するものである。
トルク外乱量演算部54は、以下の式(1)に示すように、ブースタ圧変化量演算部52によって演算されたブースタ圧変化量ΔPBBに対してゲインαを乗算することで、ブレーキブースタ32が作動することによって生じるエンジン12のトルクTQの外乱量ΔTQを示す指標として、エンジン12の充填効率ECの変化量ΔECを演算するものである。
ΔEC = α × ΔPBB ・・・(1)
なお、このゲインαは、ブレーキブースタ32の第1負圧室45の容積に応じて設定された値であって、ECU50のメモリに記録されている。
目標トルク設定部55は、以下の式(2)に示すように、基本充填効率演算部53によって演算された基本充填効率ECiから、トルク外乱量演算部54によって演算された充填効率変化量ΔECを減算する、エンジン12の目標トルクTQtを示す指標である目標充填効率ECtを演算するものである。
ECt = ECi − ΔEC ・・・(2)
目標スロットル通過流量演算部56は、目標トルク設定部55によって演算された目標充填効率ECtに基づいて、スロットルバルブ24を通過すべきスロットル通過流量QINm、即ち、エンジン12の目標スロットル通過流量QINmtを演算するものである。
目標開度設定部57は、目標スロットル通過流量演算部56により演算された目標スロットル通過流量QINmtに基づいて、スロットルバルブ24の目標開口面積ATHを演算し、この演算で得られた目標開口面積ATHに基づいて、スロットルバルブ24の目標開度θTHtを設定するものである。
スロットルバルブ制御部58は、目標開度設定部57によって設定された目標開度θTHtを示す制御信号を、スロットルバルブ24を駆動するモータアクチュエータに送信することで、スロットルバルブ24を制御するものである。
本発明の第1実施形態に係る車両用エンジンの制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
図3のフローチャートに示すように、ECU50が、吸気マニホールド圧センサ39から吸気マニホールド圧PIMを読み込み、クランク角度センサ34からクランクシャフト角度θCRを読み込む。また、このECU50は、エアフローセンサ28からスロットル通過流量QINmを読み込み、スロットルバルブ開度センサ29からスロットルバルブ実開度θTHaを読み込み、ブースタ圧センサ49からブースタ圧PBBを読み込み、さらに、アクセルポジションセンサからアクセルペダル開度ACCを読み込む(ステップS11)。
また、エンジン回転速度演算部51が、クランク角度センサ34から読み込んだクランクシャフト角度θCRに基づきエンジン回転速度Neを演算する(ステップS11)。
その後、ブースタ圧変化量演算部52が、ブースタ圧変化量ΔPBBを演算する(ステップS12)。
また、基本充填効率演算部53が、ステップS11で読み込まれたアクセルペダル開度ACCと、ステップS11で演算されたエンジン回転速度Neとに基づいて、要求トルクTQREQを演算し、この要求トルクTQREQを充填効率ECとして変換することで、エンジン12の充填効率ECの基本的な値である基本充填効率ECiを演算する(ステップS13)。
その後、トルク外乱量演算部54が、上記の式(1)に示すように、ステップS12において演算されたブースタ圧変化量ΔPBBに対してゲインαを乗算することで、エンジン12の充填効率変化量ΔECを演算する(ステップS14)。
そして、目標トルク設定部55が、上記の式(2)に示すように、ステップS13で演算された基本充填効率ECiから、ステップS14で演算された充填効率変化量ΔECを減算することで、エンジン12の目標充填効率ECtを演算する(ステップS15)。
その後、目標スロットル通過流量演算部56が、ステップS15で演算された目標充填効率ECtに基づいて、スロットルバルブ24を通過すべきスロットル通過流量QINm、即ち、目標スロットル通過流量QINmtを演算する(ステップS16)。
そして、目標開度設定部57が、ステップS16で演算された目標スロットル通過流量QINmtに基づいて、スロットルバルブ24の目標開口面積ATHを演算し、ここで得られた目標開口面積ATHに基づいて、スロットルバルブ24の目標開度θTHtを設定する(ステップS17)。
その後、スロットルバルブ制御部58が、ステップS17で設定された目標開度θTHtを示す制御信号を、スロットルバルブ24を駆動するモータアクチュエータに送信することで、スロットルバルブ24を制御する(ステップS18)
このように、本発明の第1実施形態に係る車両用エンジンの制御装置によれば、トルク外乱量演算部54が、ブレーキブースタ32が作動したことに起因するエンジントルク外乱量ΔTQを示す指標として、ブースタ圧変化量ΔPBBに基づき、エンジン12の充填効率ECの変化量ΔECを演算するようになっている。
また、目標トルク設定部55が、ブレーキブースタ32が作動状況を加味したエンジン12の目標トルクTQtを示す指標として、基本充填効率演算部53によって演算された基本充填効率ECiと、トルク外乱量演算部54によって演算された充填効率変化量ΔECとに基づき、目標充填効率ECtを演算するようになっている。
その上で、目標開度設定部57が、目標スロットル通過流量演算部56により演算された目標スロットル通過流量QINmtに基づいて、スロットルバルブ24の目標開度θTHtを設定するようになっている。
これにより、ブレーキブースタ32が作動することで生じ得るエンジン12のトルク変動量、即ち、トルク外乱量ΔTQを加味してエンジン12の目標トルクTQtを設定することが可能となり、ブレーキブースタ32の作動状況に拠らず、エンジン12の挙動を安定化させることが出来る。
また、スロットルバルブ24の目標開度θTHtを設定することで、エンジン12のトルクTQを直接的に制御し、素早くエンジン挙動を安定させることも出来る。
次に、図4〜図6を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上述の第1実施形態と本実施形態との間で共通する構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略し、ここでは第1実施形態との相違点に重点を置いて説明する。
図4に示す本実施形態と、図1に示す第1実施形態との構成上の違いはECUである。つまり、図1に示す第1実施形態においては「ECU50」が車両12に搭載されているのに対し、図4に示す本実施形態においては「ECU60」が車両12に搭載されている点で、両者は異なっている。
図4に示すECU60のメモリ(図示略)においては、いずれもソフトウェアとして、エンジン回転速度演算部51とブースタ圧変化量演算部52とが記録されている。なお、これらのエンジン回転速度演算部51とブースタ圧変化量演算部52とは、ともに図1に示す第1実施形態においても説明したものと同じものである。
また、ECU60のメモリにおいては、いずれもソフトウェアとして、基本充填効率演算部(基本充填効率演算手段)63,充填効率変化量演算部(充填効率変化量演算手段)64,実充填効率演算部(実充填効率演算手段)65,基本トルク演算部(基本トルク演算手段)66,実トルク演算部(実トルク演算手段)67,トルク外乱量演算部(トルク外乱量演算手段)68,要求トルク演算部(要求トルク演算手段)69,目標トルク設定部(目標トルク設定手段)70,目標開度設定部(目標開度設定手段)71およびスロットルバルブ制御部72が記録されている。
さらに、このECU60のメモリには、図5を用いて後述するトルクマップM1が記録されている。
これらのうち、基本充填効率演算部63は、エアフローセンサ28によって検出されたスロットル通過流量QINmに基づいて、エンジン12の充填効率ECの基本的な値である基本充填効率ECiを演算するものである。
充填効率変化量演算部64は、ブースタ圧変化量演算部52によって演算されたブースタ圧変化量ΔPBBに基づき、エンジン12の充填効率ECの変化量ΔECを演算するものである。より具体的に、この充填効率変化量演算部64は、上述の式(1)に示すように、ブースタ圧変化量演算部52によって演算されたブースタ圧変化量ΔPBBに対してゲインαを乗算することで、充填効率変化量ΔECを演算するようになっている。
実充填効率演算部65は、以下の式(3)に示すように、基本充填効率演算部63によって演算された基本充填効率ECiと、充填効率変化量演算部64によって演算された充填効率変化量ΔECとを加算することにより、エンジン12の実充填効率ECaを演算するものである。
ECa = ECi + ΔEC ・・・(3)
基本トルク演算部66は、基本充填効率演算部63によって演算された基本充填効率ECiと、エンジン回転速度演算部51によって演算されたエンジン回転速度Neとを、トルクマップM1に適用することで、エンジン12のトルクの基本的な値である基本トルクTQiを演算するものである。
実トルク演算部67は、実充填効率演算部65によって演算された実充填効率ECaと、エンジン回転速度演算部51によって演算されたエンジン回転速度Neとを、トルクマップM1に適用することで、エンジン12のトルクの実際値である実トルクTQaを演算するものである。
トルク外乱量演算部68は、以下の式(4)に示すように、実トルク演算部67によって演算された実トルクTQaと、基本トルク演算部66によって演算された基本トルクTQiとの偏差を、ブレーキブースタ32が作動することによって生じるエンジン12のトルクTQの外乱量ΔTQとして演算するものである。
ΔTQ = TQa − TQi ・・・(4)
要求トルク演算部69は、図示しないアクセルポジションセンサによって検出されたアクセルペダル開度ACCと、エンジン回転速度演算部51によって演算されたエンジン回転速度Neとに基づいて、ドライバが要求しているエンジン12の出力トルク、即ち、要求トルクTQREQを演算するものである。
目標トルク設定部70は、以下の式(5)に示すように、要求トルク演算部69により演算された要求トルクTQREQから、トルク外乱量演算部68により演算されたトルク外乱量ΔTQを減算することによって、エンジン12の目標トルクTQを設定するものである。
TQt = TQREQ − ΔTQ ・・・(5)
目標開度設定部71は、目標トルク設定部70により演算された目標トルクTQtに基づいて、スロットルバルブ24の目標開度θTHtを設定するものである。
スロットルバルブ制御部72は、目標開度設定部57によって設定された目標開度θTHtを示す制御信号を、スロットルバルブ24を駆動するモータアクチュエータに送信することで、スロットルバルブ24を制御するものである。
本発明の第2実施形態に係る車両用エンジンの制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
図6のフローチャートに示すように、ECU60が、吸気マニホールド圧センサ39から吸気マニホールド圧PIMを読み込むとともに、クランク角度センサ34からクランクシャフト角度θCRを読み込む(ステップS21)。また、このECU60が、エアフローセンサ28からスロットル通過流量QINmを読み込むとともに、スロットルバルブ開度センサ29からスロットルバルブ実開度θTHaを読み込み、さらに、ブースタ圧センサ49からブースタ圧PBBを読み込む(ステップS21)。
また、エンジン回転数演算部51が、クランク角度センサ34から読み込んだクランクシャフト角度θCRに基づきエンジン回転数Neを演算する(ステップS21)。
その後、ブースタ圧変化量演算部52が、ブースタ圧変化量ΔPBBを演算する(ステップS22)。
そして、充填効率変化量演算部64が、上述の式(1)に示すように、ステップS22で演算されたブースタ圧変化量ΔPBBに対してゲインαを乗算することで、充填効率変化量ΔECを演算する(ステップS23)。
その後、基本充填効率演算部63が、ステップS21でエアフローセンサ28から読み込まれたスロットル通過流量QINmに基づいて、エンジン12の充填効率ECの基本的な値である基本充填効率ECiを演算する(ステップS24)。
そして、実充填効率演算部65が、上記の式(3)に示すように、ステップS24で演算された基本充填効率ECiと、ステップS23で演算された充填効率変化量ΔECとを加算することにより、エンジン12の実充填効率ECaを演算する(ステップS25)。
その後、基本トルク演算部66が、ステップS24で演算された基本充填効率ECiと、ステップS11で演算されたエンジン回転速度Neとを、図5に示すトルクマップM1に適用することで、エンジン12の基本トルクTQiを演算する(ステップS26)。
そして、実トルク演算部67が、ステップS25で演算された実充填効率ECaと、ステップS11で演算されたエンジン回転速度Neとを、図5に示すトルクマップM1に適用することで、エンジン12の実トルクTQaを演算する(ステップS27)。
その後、トルク外乱量演算部68が、上記の式(4)に示すように、ステップS27で演算された実トルクTQaと、ステップS26で演算された基本トルクTQiとの偏差を、ブレーキブースタ32が作動することによって生じるエンジン12のトルクTQの外乱量ΔTQとして演算する(ステップS28)。
そして、目標トルク設定部70が、上記の式(5)に示すように、要求トルク演算部69により演算された要求トルクTQREQから、トルク外乱量演算部68によって演算されたトルク外乱量ΔTQを減算することによって、エンジン12の目標トルクTQを設定する(ステップS29)。
その後、ステップS29で演算された目標トルクTQtに基づいて、スロットルバルブ24の目標開度θTHtを設定する(ステップS30)。
そして、スロットルバルブ制御部72が、ステップS30で演算された目標開度θTHtを示す制御信号を、スロットルバルブ24を駆動するモータアクチュエータに送信することで、スロットルバルブ24を制御する(ステップS31)。
このように、本発明の第2実施形態に係る車両用エンジンの制御装置においては、エアフローセンサ28によって検出されたスロットル通過流量QINmに基づいてエンジン12の基本充填効率ECiを演算する基本充填効率演算部63がECU60のメモリ内に記録されるとともに、基本充填効率演算部63によって演算された基本充填効率ECiおよび充填効率変化量演算部64によって演算された充填効率変化量ΔECに基づいて、エンジン12の実充填効率ECaを演算する実充填効率演算部65がECU60のメモリ内に記録されている。
また、エンジン回転速度Neおよび実充填効率演算部65によって演算された実充填効率ECaに基づいてエンジン12の実トルクTQaを演算する実トルク演算部67と、エンジン回転速度Neおよび基本充填効率演算部63によって演算された基本充填効率ECiに基づいてエンジン12の基本トルクTQiを演算する基本トルク演算部66とがECU60のメモリ内に記録されている。
そして、トルク外乱量演算手段68は、実トルク演算部67によって演算された実トルクTQaと、基本トルク演算部66によって演算された基本トルクTQiとの偏差量をトルク外乱量ΔTQとして演算することが出来るようになっている。
その上で、目標トルク設定部70は、要求トルク演算部69により演算された要求トルクTQREQと、トルク外乱量演算部68により演算されたトルク外乱量ΔTQとに基づいて、エンジン12の目標トルクTQtを設定することが出来るようになっている。
これにより、ブレーキブースタ32が作動することで生じ得るエンジン12のトルク変動量、即ち、トルク外乱量ΔTQを加味してエンジン12の目標トルクTQtを設定することが可能となり、ブレーキブースタ32の作動状況に拠らず、エンジン12の挙動を安定化させることが出来る。
次に、図7〜図10を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。なお、上述の第1および第2実施形態と本実施形態との間で共通する構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略し、ここでは第1および第2実施形態との相違点に重点を置いて説明する。
図7に示す本実施形態と、図4に示す第2実施形態との違いはECUである。つまり、図1に示す第1実施形態においては「ECU50」が車両12に搭載され、また、図4に示す第2実施形態においては「ECU60」が車両12に搭載されているのに対し、図7に示す本実施形態においては「ECU80」が車両12に搭載されている。
図7に示すECU80のメモリ(図示略)においては、図1に示す第1実施形態においても説明したものと同じソフトウェアとして、エンジン回転速度演算部51とブースタ圧変化量演算部52とが記録されている。
また、ECU80のメモリにおいては、いずれも図4に示す第2実施形態においても説明したものと同じソフトウェアとして、基本充填効率演算部63,充填効率変化量演算部64,実充填効率演算部65,基本トルク演算部66,実トルク演算部67およびトルク外乱量演算部68が記録されている。
そして、このECU80のメモリにおいては、基本点火時期演算部(基本点火時期演算手段)89,点火時期補正量演算部(点火時期補正量演算手段)90,目標トルク設定部(目標トルク設定手段)91および点火プラグ制御部(点火プラグ制御手段)92が記録されている。
さらに、このECU80のメモリには、第2実施形態におけるECU60のメモリに記録されたものと同様のトルクマップM1が記録されるとともに、図8を用いて後述する基本点火時期マップM2と、図9を用いて後述する点火時期補正量マップM3とが記録されている。
これらのうち、基本点火時期演算部89は、エンジン回転速度演算部51により演算されたエンジン回転速度Neと、基本充填効率演算手段63によって演算された基本充填効率ECiとに基づき、点火プラグ30の基本的な点火時期である基本点火時期SAiを演算するものである。
より具体的に、この基本点火時期演算部89は、基本充填効率演算部63により、スロットル通過流量QINmに基づいて演算された基本充填効率ECiと、エンジン回転速度演算部51により演算されたエンジン回転速度Neとを、図8に示す基本点火時期マップM2に対して適用することで、基本点火時期SAiを演算するものである。
なお、この基本点火時期マップM2は、図8に示すように、基本充填効率ECi,エンジン回転速度Neおよび基本点火時期SAiをパラメータとする3次元マップである。
点火時期補正量演算部90は、実充填効率演算部65により演算された実充填効率ECaと、トルク外乱量演算部68によって演算されたトルク外乱量ΔTQとに基づき、ブレーキブースタ32が作動することによって生じる点火プラグ30の点火時期補正量ΔSAを演算するものである。より具体的に、この点火時期補正量演算部90は、実充填効率ECaとトルク外乱量ΔTQとを、図9に示す点火時期補正量マップM3に適用することで、点火時期補正量ΔSAを演算するようになっている。
なお、この点火時期補正量マップM3は、図9に示すように、実充填効率ECa,トルク外乱量ΔTQおよび点火時期補正量ΔSAをパラメータとする3次元マップである。
目標トルク設定部91は、以下の式(6)に示すように、基本点火時期演算部89によって演算された基本点火時期SAiから、点火時期補正量演算部90によって演算された該点火時期補正量ΔSAを減算することで、エンジン12の目標トルクTQtを示す指標として、目標点火時期SAtを演算するものである。
SAt = SAi − ΔSA ・・・(6)
点火プラグ制御部92は、目標トルク設定部91によって演算された目標点火時期SAtで点火プラグ30を制御するものである。
本発明の第3実施形態に係る車両用エンジンの制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。なお、ここでは図10のフローチャートを参照しながら説明する。もっとも、この図10のステップS41〜S48に示す本実施形態の説明と、図6におけるステップS21〜S28とはそれぞれ対応しているものであるため、ここではその説明を省略し、ステップS49〜S52を中心に説明する。
図10のフローチャート中ステップS49では、基本点火時期演算部89が、エンジン回転速度演算部51により演算されたエンジン回転速度Neと、ステップS44において演算された基本充填効率ECiとを、図8に示す基本点火時期マップM2に対して適用することで、基本点火時期SAiを演算する(ステップS49)。
そして、点火時期補正量演算部90が、ステップS45で演算された実充填効率ECaと、ステップS48で演算されたトルク外乱量ΔTQとを図9に示す点火時期補正量マップM3に適用することで、ブレーキブースタ32が作動することによって生じる点火プラグ30の点火時期補正量ΔSAを演算する(ステップS50)。
その後、目標トルク設定部91が、上記の式(6)に示すように、ステップS49で演算された基本点火時期SAiから、ステップS50で演算された点火時期補正量ΔSAを減算することで、エンジン12の目標トルクTQtを示す指標として、目標点火時期SAtを演算する(ステップS51)。
そして、点火プラグ制御部92が、ステップS51で演算された目標点火時期SAtで点火プラグ30の制御を行ない、これにより、エンジン12のトルクを調整する(ステップS52)。
このように、本発明の第3実施形態に係る車両用エンジンの制御装置によれば、エアフローセンサ28によって検出されたスロットル通過流量QINmに基づいてエンジン12の基本充填効率ECiを演算する基本充填効率演算部63と、この基本充填効率演算部63によって演算された基本充填効率ECiと、充填効率変化量演算部64によって演算された充填効率変化量ΔECとに基づいて、エンジン12の実充填効率ECaを演算する実充填効率演算65とがECU80のメモリ内に記録されている。
また、エンジン回転速度Neおよび実充填効率演算部65によって演算された実充填効率ECaに基づいてエンジン12の実トルクTQaを演算する実トルク演算部67と、エンジン回転速度Neおよび基本充填効率演算部63によって演算された基本充填効率ECiに基づいてエンジン12の基本トルクTQiを演算する基本トルク演算部66とがECU80のメモリ内に記録されている。
そして、トルク外乱量演算手段68は、実トルク演算部67によって演算された実トルクTQaと、基本トルク演算部66によって演算された基本トルクTQiとの偏差量をトルク外乱量ΔTQとして演算することが出来るようになっている。
その上で、目標トルク設定部91は、基本点火時期演算部89によって演算された点火プラグ30の基本点火時期SAiと、点火時期補正量演算部90によって演算された点火時期補正量ΔSAとに基づき、エンジン12の目標トルクTAtを示す指標として、目標点火時期SAtを演算することが出来る。
これにより、エンジン12のトルク制御を素早く且つ正確に行なうことが出来る。
以上、本発明の第1〜第3実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが出来る。その一例を以下に示す。
上述の実施形態においては、エンジン12が混合燃料エンジンである場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ガソリンエンジンであっても良いし、ディーゼルエンジンであっても良い。
また、上述の実施形態においては、要求トルクTQREQは、ドライバが要求しているエンジン12の出力トルクを示すものとして説明したが、これに限定するものではない。例えば、自動変速機(例えば、CVT(Continuously Variable Transmission ))とエンジンとをともに統合制御するシステムが車両に搭載されていた場合には、このシステムの制御部がエンジンに要求するトルクを要求トルクTQREQとしても良い。或いは、車両のヨーモーメントを制御するシステムや、車両のトラクションを制御するシステムの制御部がエンジンに要求するトルクをTQREQとしても良い。
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
本発明は、自動車産業や動力出力装置の製造産業などにも利用可能である。
10 車両
12 エンジン
23 インジェクタ(燃料噴射手段)
24 スロットルバルブ
30 点火プラグ
31 サージタンク
32 ブレーキブースタ
35 ブレーキペダル(ブレーキ装置)
39 吸気マニホールド圧センサ(吸気圧検出手段)
51 エンジン回転速度演算部(エンジン回転速度演算手段)
52 ブースタ圧変化量演算部(ブースタ圧変化量演算手段)
53 基本充填効率演算部(基本充填効率演算手段)
54、68 トルク外乱量演算部(トルク外乱量演算手段)
55,70,91 目標トルク設定部(目標トルク設定手段)
56 目標スロットル通過流量演算部(目標吸気量演算手段)
57 目標開度設定部(目標開度設定手段)
63 基本充填効率演算部(基本充填効率演算手段)
64 充填効率変化量演算部(充填効率変化量演算手段)
67 実トルク演算部(実トルク演算手段)
69 要求トルク演算部(要求トルク演算手段)
89 基本点火時期演算部(基本点火時期演算手段)
90 点火時期補正量演算部(点火時期補正量演算手段)
ECa 実充填効率
ECi 基本充填効率
ECt 目標充填効率(目標トルク)
ΔEC 充填効率変化量(トルク外乱量)
BB ブースタ圧
ΔPBB ブースタ圧変化量
TQa 実トルク
TQi 基本トルク演算部(基本トルク演算手段)
TQt 目標トルク
ΔTQ エンジントルク外乱量
IM 吸気マニホールド圧(エンジン吸気圧)
e エンジン回転速度
INm スロットル通過流量(吸気流量)
INmt 目標スロットル通過流量(目標吸気量)
SAi 基本点火時期
SAt 目標点火時期(目標トルク)
ΔSA 点火時期補正量
θTHt スロットルバルブ目標開度

Claims (6)

  1. 燃料噴射手段を有し車両に用いられるエンジンと、
    該車両に設けられたブレーキ装置と、
    該エンジンの吸気通路に接続され該吸気通路内の負圧により該ブレーキ装置の動作をアシストするブレーキブースタと、
    該ブレーキブースタ内における圧力であるブースタ圧の変化量を演算するブースタ圧変化量演算手段と、
    該ブースタ圧変化量演算手段によって演算された該ブースタ圧変化量に基づき該ブレーキブースタの作動に起因する該エンジンのトルクの外乱量を演算するトルク外乱量演算手段と、
    該トルク外乱量演算手段により演算された該トルク外乱量を加味して該エンジンの目標トルクを設定する目標トルク設定手段とを備える
    ことを特徴とする、車両用エンジンの制御装置。
  2. 該エンジンに求められる出力トルクである要求トルクに基づいて、該エンジンの充填効率の基本値である基本充填効率を演算する基本充填効率演算手段をさらに備え、
    該トルク外乱量演算手段は、
    該ブースタ圧変化量演算手段によって演算された該ブースタ圧変化量に基づき該エンジンの充填効率の変化量を該トルク外乱量を示す指標として演算し、
    該目標トルク設定手段は、
    該基本充填効率演算手段によって演算された該基本充填効率と、該トルク外乱量演算手段によって演算された該充填効率変化量とに基づき目標充填効率を該エンジンの該目標トルクを示す指標として演算する
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両用エンジンの制御装置。
  3. 該エンジンの吸気流量を調整するスロットルバルブと、
    該目標トルク設定手段によって演算された該目標充填効率に基づいて該エンジンの目標吸気量を演算する目標吸気量演算手段と、
    該目標吸気量演算手段により演算された該目標吸気量に基づいて該スロットルバルブの目標開度を設定する目標開度設定手段とを備える
    ことを特徴とする、請求項2記載の車両用エンジンの制御装置。
  4. 該エンジンの吸気流量を検出する吸気流量検出手段と、
    該エンジンの回転速度を演算するエンジン回転速度演算手段と、
    該ブースタ圧変化量演算手段によって演算された該ブースタ圧変化量に基づき該エンジンの充填効率の変化量を演算する充填効率変化量演算手段と、
    該吸気流量検出手段によって検出された該吸気流量に基づいて、該エンジンの充填効率の基本値である基本充填効率を演算する基本充填効率演算手段と、
    該基本充填効率演算手段によって演算された該基本充填効率と、該充填効率変化量演算手段によって演算された該充填効率変化量とに基づき該エンジンの実充填効率を演算する実充填効率演算手段と、
    該エンジン回転速度演算手段によって演算された該エンジン回転速度と該実充填効率演算手段によって演算された該実充填効率とに基づいて該エンジンの実トルクを演算する実トルク演算手段と、
    該エンジン回転速度演算手段によって演算された該エンジン回転速度と該基本充填効率演算手段によって演算された該基本充填効率とに基づいて該エンジンの基本トルクを演算する基本トルク演算手段とを備え、
    該トルク外乱量演算手段は、
    該実トルク演算手段によって演算された該実トルクと該基本トルク演算手段によって演算された該基本トルクとの偏差量を該トルク外乱量として演算する
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両用エンジンの制御装置。
  5. 該目標トルク設定手段は、
    該エンジンに求められる出力トルクである要求トルクと該トルク外乱量演算手段により演算された該トルク外乱量とに基づいて該目標トルクを設定する
    ことを特徴とする、請求項4記載の車両用エンジンの制御装置。
  6. 該エンジンに設けられた点火プラグと、
    該エンジン回転速度演算手段により演算されたエンジン回転速度と該基本充填効率演算手段によって演算された該基本充填効率とに基づき該点火プラグの基本点火時期を演算する基本点火時期演算手段と
    該実充填効率演算手段により演算された該実充填効率と該トルク外乱量演算手段によって演算された該トルク外乱量とに基づき該点火プラグの点火時期の補正量を演算する点火時期補正量演算手段とを備え、
    該目標トルク設定手段は、
    該基本点火時期演算手段によって演算された該基本点火時期と該点火時期補正量演算手段によって演算された該点火時期補正量とに基づき目標点火時期を該エンジンの該目標トルクを示す指標として演算する
    ことを特徴とする、請求項4記載の車両用エンジンの制御装置。
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