請求項1に記載の発明は、内箱と外箱と前記内箱と前記外箱との間に充填した断熱材とよりなる断熱箱体と、前記断熱箱体の内方に形成される前面が開口する引出式の貯蔵室と、前記貯蔵室の前面開口を開閉自在に閉塞する引出扉と、前記断熱箱体の貯蔵室を区画する仕切壁と、固定レールと移動レールとを有し、前記固定レールと前記移動レールとを予め組み込んだ状態で前記内箱壁に固定し、前記引出扉と前記断熱箱体とを伸縮自在に接続するとともに前記貯蔵室の内部に備えた容器を前後に移動可能とするレール装置と、前記引出扉に固定され前記レール装置と接合されて前記容器を保持する扉フレームと、前記引出扉に前記扉フレームを固定する補強板とを備えた冷蔵庫において、前記レール装置は、前記引出扉の上下方向中央部より下方、かつ左右方向両端部に接続されるとともに、前記容器の底部の左右両端部を支持し、前記補強板は前記引出扉の左右に独立して上下方向に延在して一体で形成し、前記補強板の下部分で前記扉フレームを固定し、上部分で前記容器のフランジ部の左右両側を係合するもので、前記容器は前記引出扉と前記扉フレームとに上下方向に着脱可能に嵌合支持されるので、引出扉の上部に手をかけて引出すハンドル部と容器を受ける扉フレームとの上下位置の距離によるモーメントの増大に対する引出扉の強度を確保でき、また左右方向でねじれるのを防止することができるので、引出扉と前面開口部との不平衡によるシール部の隙を抑制し冷却性能の確保を図ることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記扉フレームは前記引出扉の内板に沿うように折曲される折曲部を備え、前記折曲部が、内板を介して前記補強板の下部分に固定されたので、扉フレームの剛性を高めながら、容器の大型化、大容積化を図ることが可能となり、広い実収納空間を確保することができる。また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記補強板の上部分で先端部が容器側に傾斜した上面開口部を備え、前記容器の前面フランジ部が、前記上面開口部に上方から挿入係止されて固定されるものであり、さらに引出扉からの容器の着脱が容易となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記引出扉は、扉内板と、扉外板と、前記扉内板と前記扉外板との空間部に発泡充填された断熱材とで構成され、前記補強板は前記空間部内で前記扉内板に接触させて設けられたので、引出扉のねじれや扉フレームの変形を防止することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記補強板には前記扉外板方向に伸びた補強板フランジ部が形成されたので、断熱材に対する補強板の食らいこみ面積を増加できるので扉フレームの倒れを防止し、より強度を保つことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記補強板フランジ部には断熱材が通過する孔が形成されているので、補強板周辺に断熱材が充填されない空洞ができるのを抑制し、断熱材の充填をスムーズに行なうことができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明において、前記補強板の扉フレームが取付けられる部分に対応する位置にビードを形成したので、扉フレームにかかるモーメントが大きくても補強板自体の剛性を確保し変形を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図である。
図1に示すように、本実施の形態にかかる冷蔵庫100は、観音開き式の扉を上部に備える冷蔵庫100であり、冷蔵庫100の内方と外方とを断熱状態で隔てる断熱箱体101内に複数に区画された貯蔵室を備えている。
冷蔵庫100の内の複数に区画された貯蔵室は、その機能(冷却温度)によって冷蔵室102、製氷室105、庫内の温度が変更できる切換室106、野菜室103、および冷凍室104等と区別して称されることがある。
冷蔵庫100の最上部に位置する冷蔵室102の前面開口部には、例えばウレタンのような発泡断熱材を発泡充填した回転式の断熱扉107が設けられ、棚状の収納空間となっている。
また、冷蔵室102の下方に配置される製氷室105、切換室106、野菜室103、および冷凍室104は引出式の収納空間となされている。
断熱箱体101は、金属製の外箱112と樹脂製の内箱110との間に例えば硬質発泡ウレタンなどの断熱材111を充填して形成される少なくとも一面が開口した直方体の箱体である。この断熱箱体101は、外方の雰囲気(大気)から断熱箱体101の内方に流入しようとする熱を遮断する機能を有している。
冷蔵室102は、冷蔵保存のために収容物が凍らない程度の低い温度に維持される貯蔵室である。具体的な温度の下限としては、通常1〜5℃で設定されている。
野菜室103は、断熱箱体101の最下部に配置され、主として野菜の冷蔵を目的とした貯蔵室である。また、野菜室103は、冷蔵室102と同等もしくは若干高い温度設定となされている。具体的な温度の下限としては、2℃〜7℃である。なお、低温にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。
冷凍室104は、冷凍温度帯に設定される貯蔵室である。具体的には、冷凍保存のために通常−22〜−18℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、たとえば−30〜−25℃の低温で設定されることもある。
製氷室105は、内方に製氷機(図示せず)を設け製氷機で氷を作りその氷を保存する貯蔵室である。設定温度は冷凍室104とほぼ同等である。
切換室106は、冷蔵庫100に取り付けたれた操作盤により、用途に応じ冷蔵温度帯から冷凍温度帯まで切り換えることができる。
これらの異なる温度帯を複数に区画するために、断熱箱体101内のそれぞれの温度帯の間には仕切壁108が設置されている。
図2は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図であり、図1におけるA−A線で切断した状態を示している。
図2に示すように、冷蔵庫100に備えられる貯蔵室のうち引出式の貯蔵室には、前面開口を閉塞する引出扉201と、引出扉201と断熱箱体101とを伸縮自在に接続するとともに貯蔵室の内部に備えた容器206を前後に移動可能とするレール装置202とが設けられている。さらに、冷蔵庫100は、扉フレーム205と、容器206と、を備えている。
ここで、扉フレーム205は、強化部材に相当する。
引出扉201は、貯蔵室の開口を開閉自在に閉塞することができる断熱性を備えた板状の部材であり、奥側周縁にパッキン207を備えている。当該パッキン207は、引出扉201が貯蔵室の開口を閉塞した状態で断熱箱体101等と密着し、冷気が漏れるのを防いでいる。
また野菜室103と冷凍室104のそれぞれの前面開口部を閉塞する引出扉201の上部には手前に引出すときに手を掛ける手掛部103a、104aが形成されている。
図3は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫のレール装置を示す斜視図である。
図3に示すように、レール装置202は、三段に重ねられた三つのレールを有し、第2レール(ミドルレール221)が第1レール(キャビネットレール222)に対して移動可能であり、かつ、第3レール(トップレール203)が第2レール(ミドルレール221)に対して移動可能であることにより、全体として伸縮可能である。
トップレール203とミドルレール221とが、特許請求の範囲での「移動レール」に相当し、キャビネットレール222が、特許請求の範囲での「固定レール」に相当する。
固定レールと移動レールは、それぞれ回転支持部材(図示せず)で支持され、固定レールと移動レールを予め組み込んだ状態で、レール装置202を内箱110壁に固定する。
レール装置202は、キャビネットレール222のレール取付部223が断熱箱体101の内箱110に取り付けられ、また、レール装置202は、トップレール203とミドルレール221とキャビネットレール222とが相互にスライド自在となされることで、レール装置202全体として伸縮自在となっている。従って、引出扉201は、レール装置202の伸縮軌道に沿って断熱箱体101に対し引き出されたり押し戻されたりするこ
とが可能となっている。
具体的には、ミドルレール221の上下のフランジのうち、下のフランジを中心とする部分をキャビネットレール222が複数のベアリング145で保持している。
また、キャビネットレール222は、当該断面においては複数のベアリング145を介して三方向からミドルレール221を支持することで、ミドルレール221を長手方向に移動可能に保持している。
また、ミドルレール221の上フランジを中心とする部分をトップレール203が複数のベアリング145で保持している。また、トップレール203も、当該断面においては複数のベアリング145を介して三方向からミドルレール221を支持することで、ミドルレール221を長手方向に移動可能に保持している。
キャビネットレール222、ミドルレール221およびトップレール203がこのように組み合わされていることにより、ミドルレール221は、キャビネットレール222上をその長手方向に移動可能である。
さらに、トップレール203は、ミドルレール221上をその長手方向に移動可能である。つまり、トップレール203、ミドルレール221を介してキャビネットレール222上をその長手方向に移動可能である。
また、ミドルレール143およびトップレール144は、このように移動する際、複数のベアリング145が回転することによりスムーズに移動することができる。
図4Aは、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の扉フレームによって引出扉とレール装置とを接続した状態を示す斜視図である。
図4Aに示すように、引出扉201は、断熱箱体の前面を覆う内板211と、扉フレーム205と、を備えている。内板211は、引出扉201を構成する部材の一つであり、真空成形により形成される板状の部材である。内板211に直接に固定された扉フレーム205は、ビスなどを用いてトップレール203に接続されることにより、引出扉201は、レール装置202の機能により引き出されたり押し戻されたりすることが可能となっている。
引出扉201、特に引出扉201の上端部を持って引き出したり押し戻したりしたときに発生する応力が、トップレール203の基端部に集中するのを緩和するため、容器206と引出扉201とを固定する第1固定手段301が引出扉201の内板211に備えられており、第1固定手段301は、容器206をレール装置202に載置したとき、容器206の上面開口部に形成された断面略L字状の前面フランジ部206aが固定される位置に設置されている。そして前面フランジ部206aは断面略L字状の差込状体に形成された第1固定手段301に上方から差込まれて固定される。
また第1固定手段301は金属製の部材で、内板211の裏側の発泡断熱材内に固定された平板状の金属板(図示せず)に、内板211を介してビス等により固定されている。そして前面フランジ部206aは第1固定手段301に上方から差込んで固定されている。扉フレーム205は、扉フレーム205の一辺に対応する端縁が引出扉201の内板211に沿うように折曲される折曲部241を備えており、折曲部241は内板211の裏側の発泡断熱材内に固定された平板状の金属板(図示せず)に、内板211を介してビス等により固定されている。
このように容器206の前面フランジ部206aを引出扉201の内板211の上部に備えた第1固定手段301に固定することにより、引出扉201に対して下部に取り付けられているレール装置202と引出扉201との取付部の強度不足を補い、スムーズな引出扉の開閉を行うことが可能となる。
また、内板211に一体で形成され第2固定手段303は容器206の上面開口部を形成する周縁部304に当接して前面フランジ部206aが上方へ浮上るのを防止する凸部形状の浮上り防止部材303である。
第2固定手段303は図のように、左右両側に備えた第1固定手段301の間に備えられている。
また、図のように着脱可能な容器206は引出扉201の上方から嵌められ、上記のように前面フランジ部206aを第1固定手段301に差込み、容器206の上面開口部を形成する周縁部304が第2固定手段303に上方から当接することで、すなわち第1固定手段301で容器206の前面部を下から支持固定し、第2固定手段303で容器206の前面部を上から支持固定して内板211に固定されるので、容器206の上部が内板211に支持されて固定されるので、さらに引出扉201に対して下部に取り付けられているレール装置202と引出扉201との取付部の強度不足を補い、スムーズな引出扉の開閉を行うことが可能となる。
また、引出扉201を持って引き出したり押し戻したりした場合であっても、応力がトップレール203の取付部に集中することはなく、折曲部241や扉フレーム205を介して接続されている部分に分散するため、全体として引出扉201とトップレール203との取付強度を向上することが可能となる。これは、トップレール203が引出扉201の下部に取り付けられている本実施の形態のような場合には、特に有効である。
仮に、レール装置202を引出扉201の上下方向中央部付近に取り付けた場合において必要となる最低限の強度を確保した扉フレーム205を用いて、本実施の形態の位置と同様に、レール装置202を引出扉201の上下方向中央部より下方に配置した状態で、引出扉201を前後に開閉操作を行った場合、扉フレーム205の引出扉201との固定部側の強度不足により、扉フレーム205、若しくは内板211に変形が起こり、結果として、引出扉201に備えられているパッキン207が断熱箱体101から離れ、隙が発生し、冷蔵庫内に着霜等の品質不良へと繋がる可能性もある。
引出扉201とトップレール203との取付部が引出扉201の下部に有ると、引出扉201の上部を持って引き出したり押し戻したりした場合、取付部にかかるモーメントが比較的大きくなるが、本実施の形態は、取付部よりも上方に第1固定手段301または第2固定手段303、あるいは第1固定手段301と第2固定手段303の両方を設けて、容器206を固定するため、取付部にかかるモーメントが小さくなるためトップレール203の取付部を破損から保護することが可能となる。つまり、本実施の形態では、第1固定手段301または/および第2固定手段303を設けた引出扉201を設けることで、引っ張り力の支点となる位置を上方とすることができる。
また上記のように、第1固定手段301は内板211と別体で形成され、第2固定手段303は内板211と一体で形成されており、特に容器206の前面フランジ部206aの固定構造を形成する第1固定手段301は内板211と別体の金属性部品で形成することで、容器206内に収納物を入れられても引出扉201の可動に対して容器206との固定状態を維持できる。また第2固定手段303を内板211と一体成形することで部品
点数を低減できる。
図4Cは、本発明の実施の形態1における冷蔵庫のレール装置の間に容器を配置した状態を奥側から示す断面図である。
図4Cに示すように、容器206は、野菜やペットボトルに充填された飲料、冷凍食品などを収容するための容器であり、上面が開口した樹脂製の箱体である。容器206は、下部の両端部に内方に向く段部262が形成されるように幅が狭い狭幅部261を備えている。そして容器206は、狭幅部261が2本のトップレール203の間に配置され、段部262が扉フレーム205の上面に載置されることで、トップレール203に支持される。
また、容器206の底面となる狭幅部261は、レール装置202よりも上方に配置されて前後方向に移動可能に形成されている。
このように、トップレール203が引出扉201の下部の両角に設けられているため、容器206の内、幅を狭くしなければならない狭幅部261をできる限り短く抑えることが可能となる。従って、容器206は、収納容積ができる限り広くなるような形状を採用することが可能となる。
図5は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫のレール装置と容器の配置を示した要部拡大図である。
本実施の形態では、図5の(A)に示すように、容器206は、下部の両端部に内方に向く段部262が容器206の奥行き方向に形成されるように幅が狭い狭幅部261を備えるものとしたが、図5の(B)や図5の(C)に示すように、容器206の側面はほぼストレート形状とし、容器206は段部262を設けないで、レール装置202は、容器206の底部の左右両端の側方で支持したり(図5の(B)参照)、あるいは、容器206の底部の左右両端の下方で支持したり(図5の(C)参照)してもよい。なお、図5では、レール装置202と容器206の位置関係を示すものであって、扉フレーム205は、省略して図示していない。
図5(A)のような場合、容器206の両側部に備えた段部262には、図4Aのように容器206と一体成形された突起部206b、206cがあり、容器206の前側部に形成された前側突起部206bと、容器206の後側部に形成された後側突起部206cとで形成されていて、これらの突起部は、扉フレームに形成された固定孔部205a、205bに挿入される。
固定孔部205aは切欠き形状であってもよく、前側突起部206bを固定孔部205aに挿入して位置決めし、扉フレーム205の後方に形成した固定孔部205bに後側突起部206cを挿入する。
図4Aや図6のように、後側突起部206cは扉フレーム205の後方に向かって下向き傾斜した形状にしておけば、固定孔部205bに挿入した状態から簡単に外れるのを防止することができる。
特に上記のように、前側は容器206の前面フランジ部206aを引出扉201に固定した状態で、後側は後側突起部206cと扉フレーム205とを固定することで、引出扉201に対して下部に取り付けられているレール装置202と引出扉201との取付部の強度不足を補い、スムーズな引出扉の開閉を行うことが可能となる。
つまり取付部にかかるモーメントが小さくなるためトップレール203の取付部またはレール固定部の取付部を破損から保護することが可能となる。つまり、本実施の形態では、第1固定手段301または/および第2固定手段304を設けた引出扉201に容器206の前面フランジ部206aを固定し、さらに容器206の後側突起部206cを扉フレーム205に設けた固定孔部205bに挿入固定することで、引っ張り力の支点となる位置を引出扉201よりも後方とすることができる。
次に図7に示すように、キャビネットレール222に一体に形成されたレール取付部223を内箱110の側部に面で当接するように配設し、内箱110の側部にビス400によって固定される。
このとき、取り付け面となる内箱110は主に樹脂によって成型されているため、内箱110に直接ビスを固定しても、レール装置202にかかる荷重に耐え得る強度が確保できない。そこで、レール装置202を確実に固定する手段として、レール装置202は、レール取付部223が内箱110を介して、断熱材111内に埋設したレール保持部材270に取り付ける。
レール保持部材270は主に鉄などの金属材料によって形成される。また、レール保持部材270を、あらかじめ内箱110内面の所定位置に固定し、その後、発泡断熱材を内箱110と外箱112との間に充填しに断熱材111内に埋没させることにより、レール保持部材270の保持力をより向上させることが可能となる。
具体的に冷蔵庫100のレイアウトでほぼ中央位置に形成される冷凍室104の場合、下部に配置された野菜室103とを仕切る仕切壁108の上部にレール保持部材270が配置する。
またA部は冷凍室104の容器206を保持するレール装置202とレール保持部材270が内箱110に配設した斜視図であり、図8でA部の要部断面図を示して説明する。またB部は野菜室103の容器206を保持するレール装置202とレール保持部材280が内箱110に配設した斜視図であり、図9でB部の要部断面図を示して説明する。
図8のように、レール保持部材270は、レール装置202のレール取付部223とビス400で固定されるレール保持部270aと、レール装置202の内倒れを防止する内倒れ防止手段270bを一体に形成し、内倒れ防止手段270bは内箱110に密着配置したレール保持部270aの下部に一体で形成された横フランジ部である。
具体的には内倒れ防止手段270bは、断熱材111側から内箱110に密着するように形成された縦フランジ部であるレール保持部270aの下部から内箱110を離れて外箱112の方向へ折れ曲って形成され、さらに下向きに折れ曲って形成されている。そして充填された断熱材111に内倒れ防止手段270bの横フランジ部が面で断熱材111を受け、さらに横フランジ部が断熱材内に食らい込むので、レール保持部270aは内倒れ防止手段270bによって固定され、レール保持部材270の強度を確保でき、レール取付部223が冷凍室の庫内側へ倒れ込むのを防止し、さらにレール装置202が庫内側方向への倒れを防止することができ、引出し扉201の開閉をスムーズに行なうことができる。
また横フランジ部の内倒れ防止手段270bはレール保持部270aの下部から折れ曲って一体に形成されてもよく、さらに上部と下部の両方に内倒れ防止手段270bを形成してもよい。これによって、レール保持部270aに対して上部と下部の横フランジ部が
面で断熱材111を受け、さらに上下の横フランジ部が断熱材内に食らい込むので、さらにレール保持部材270の強度を確保でき、レール取付部223が冷凍室の庫内側へ倒れ込むのを防止し、レール装置202の庫内側方向への倒れを防止することができる。
また図8で、冷凍室104の底面壁となる仕切壁108は、両側部に底面段差部108aが形成され、底面段差部108aは仕切壁108の基準面となる中央部よりも一段高く奥行き方向に向かって形成されている。
そして底面段差部108a上にレール装置202が配設されている。またレール装置202が固定される内箱110の側壁面部には側面段差部110aが形成されている。側面段差部110aは冷凍室104内の上部側壁面部よりも外箱112側へ凹んで形成され壁厚が薄くなっている。
そしてレール取付部223は側面段差部110aを間に挟んで金属製のレール保持部材270とビス400で固定される。
したがって、レール装置202を底面段差部108aに載置して側面段差部110aにビス止め固定するので、収納空間内に飛び出すレール装置202を抑制することができ、冷凍室104内に容器206の全幅寸法を大きくでき、無効空間を低減することができる。
また底面段差部108aに載置してレール装置202を組立てるので作業性を向上できる。また底面段差部108aの部分は仕切壁108の壁厚が大きくなるので、冷凍室104内にある金属製のレール装置202が冷やされて、下部にある野菜室103の天面となる仕切壁108が結露するのを防止することができる。
またレール装置202のトップレール203の上面にビス止め固定された扉フレーム205が形成され、フレーム205の上面部に容器206の段部262が載置されている。
また図9のように、最下部に形成された野菜室103のレール保持部材280は断熱材111内に配置され、レール保持部材280のうち、略L字状の縦フランジ部と横フランジ部とで形成されたレール保持部280aは内箱110の側面部と底面部に密着し、レール保持部280aの底面部となる横フランジ部に一体形成され、また内箱110から離れる方向で、下方に向かう下フランジ部となって形成された内倒れ防止手段280bがレール保持部280aに一体成形されている。
内倒れ防止手段280bが下方に向かう下フランジ部となって、断熱材111内に埋設されているので、レール取付部223に野菜室庫内側へ倒れ込む方向にモーメントが働いても下フランジ部の内倒れ防止手段280bが、その下部に充填された断熱材111によって阻止されるので、倒れこみを防止し、レール保持部材280の強度をさらに確保でき、野菜室103のレール装置202の庫内側方向への倒れを防止することができる。
また図9で、野菜室103の底面壁401は、両側部に底面段差部401aが形成され、底面段差部401aは底面壁401の基準面となる中央部よりも一段高く、奥行き方向に向かって形成されている。
そして底面段差部401a上にレール装置202が配設されている。またレール装置202が固定される内箱110の側壁面部には側面段差部110aが形成されている。側面段差部110aは野菜室103内の上部側壁面部よりも外箱112側へ凹んで形成され壁厚が薄くなっている。
そしてレール取付部223は側面段差部110aを間に挟んで金属製のレール保持部材280とビス400で側面固定される。
したがって、レール装置202を底面段差部401aに載置して側面段差部110aにビス止め固定するので、収納空間内に飛び出すレール装置202を抑制することができ、野菜室103内に容器206の全幅寸法を大きくでき、無効空間を低減することができる。
また底面段差部401aに載置してレール装置202を組立てるので作業性を向上できる。また底面段差部401aの部分は底面壁401の壁厚が大きくなるので、断熱性を確保できる。
また最下段の野菜室103の引出扉201は上段の冷凍室104の引出扉201よりも下方にあり、利用者が引出扉201を引出した時に、位置的に最下段にある野菜室103の引出扉201に体重をかけやすい位置にあり、収納量の負荷以外に外部の負荷量もかかる虞があり、レール保持部材280を略L字状のレール保持部280aと下フランジ部となる内倒れ防止手段280bとを一体に形成したので、最下段の引出扉201のレール装置202の倒れ込み防止として、より強固に保つことができる。
また冷凍室104、野菜室103ともに側面段差部110aによって側面の壁厚が薄くなっているので、真空断熱材(図示しない)をレール装置202が配設される部分に対応させて、具体的には冷凍室104と野菜室103のレール装置202間よりも高さ寸法が大きい真空断熱材を外箱112に貼り付けることで断熱性を確保することができる。
上記のようにレール装置202はレール保持部材270と側面壁だけでビス400のみで固定したが、冷凍室104のレール装置202を仕切壁108の上に載置してレール取付部223によってレール保持部材270にビスで固定されても良く、この場合、レール保持部材270にかかる応力を低減できるのでレール装置202の内倒れを防止することができる。
野菜室103のレール装置202を保持するレール保持部材280も同様に野菜室の空間を形成する内箱底面の隅角部に載置してビスで固定してもよく、レール保持部材280にかかる応力を低減できるのでレール装置202の内倒れを防止することができる。
また図10はレール保持部材280の斜視図である。レール保持部材280には孔部290が複数個形成されていて、充填された断熱材111が孔部290内に入り込んで内箱110に接着し、レール保持部材280を内箱110に密着させて固定することができる。
孔部290は、レール保持部280aに形成して、レール保持部材を断熱材111と固着し、さらに内箱に強固に維持することができレール装置202の内倒れを防止することができ、引出扉の開閉をスムーズに行なうことが可能となる。また孔部290はレール保持部材270にも上記と同様に備えられていて、同様の作用効果を奏する。
また実施の形態では、上部に冷蔵室107、略中央部に冷凍室104、最下部に野菜室103としたが、引出し式の冷凍室104が最下部で、引出し式の野菜室103が冷凍室104の上部に配置のレイアウトでもよく、同様の効果を得ることができる。
図11は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の扉フレームと引出扉、引出扉と着脱
可能容器との固定手段を接続した状態を示す斜視図である。
図11、12に示すように、引出扉201と容器206とを固定する第1固定手段301が引出扉201の内板211の庫内側にビス等で固定されている。また扉フレーム205の折曲部241が内板211にビス等により固定されている。
また、図11のC部は第1固定手段301と折曲部241が内板211に取付けられた斜視図であり、図12でC部の要部断面図を示して説明する。
図12のように、内板211の断熱材が埋設された庫外側に設けられた補強板500は、内板211の上下方向に延在して一体形成された平板状の金属板である。補強板500は引出扉201の内板211に接続される左右の扉フレーム205に対応して独立する2本の補強板500が引出扉201の左右側に埋設されている。
補強板500の上部部分500aに、容器206と引出扉201を接続する第1固定手段301を、内板211を介してビス等により固定されている。また、補強板500の下部部分500bに、扉フレーム205の内板211に沿うように折曲される折曲部241を、内板211を介してビス等により取付けられている。
折曲部241には、ビード241aを形成したので、扉フレーム205にかかるモーメントが大きくても折曲部241の剛性を高めることができ、補強板500自体の剛性を確保し変形を防止することができる。
補強板の上部部分500aに保持されている第1固定手段301に、容器206の上部の上面開口部から前面に延在し下方へ折り返して形成された前面フランジ部206aが構成され、前面フランジ部206aを第1固定手段301の上方から差し込んで係止することで、容器206が引出扉201に固定されている。また、補強板の下部部分500bに接続されている扉フレーム205は、図2のようにレール装置202のトップレール203にビス等を用いて固定されている。
また上部部分500aには水平面部の基部から引出扉の前面方向に傾斜させた補強板フランジ部500cが形成され、補強板フランジ部500cには複数の孔500dが形成されている。下部部分500bも上部部分500aと同様の構成である。
また図13のように、第1固定手段301は先端部301aが容器206側へ傾斜して上面間口部が広がっており、前面フランジ部206aが上方から先端部301a内に挿入しやすく形成され、第1固定手段301によって係止されて固定することができる。
すなわち引出扉201の下部に扉フレーム205を固定し、引出扉201の上部に、扉フレーム205に両端底面部を載置した容器206の前面フランジ部206aを係止する、第1固定手段301を固定することで、容器206の上部位置と下部位置を支持することで、引出扉201の手掛部103a、104aに手を掛けて前方に引出した時に、手掛部103a、104aは引出扉201の上部にあるので、下部に位置する扉フレーム205にかかる力が増大するが、第1固定手段301に容器206の前面フランジ部206aを係止することで、フレーム205にかかる力を分散させることができ、引出扉201を閉じた時、ガスケットシール部と本体開口部との隙間を抑制することができ、庫内の冷気漏れを阻止することができる。
また、補強板500を上部部分500aと下部部分500bで一体形成しているので、引出し動作や扉を閉じた状態での熱による引出扉201の反りを低減し隙間を阻止するこ
とができる。
また補強板500は引出扉201内に充填された断熱材内に埋設されるので、左右に傾斜するフランジ部を形成し、また孔内を断熱材が貫通して内板211と補強板500の間にも断熱材が回りこんで充填されるので断熱材内での固定を強度に維持することができ、またボイドができるのを抑制し、引出扉201の断熱性を確保することができる。
これにより、レール装置202の機能を介して、引出扉201が補強板500と、それが接続されている容器206とともに、断熱箱体101に対し引き出されたり押し戻されたりすることが可能となる。
このように、内板211の裏側の発泡断熱内に固定された補強板500により、引出扉201への第1固定手段301と扉フレーム205の取付けが強固となり、左右方向にねじれるのを防止することができるので、扉の不平衡によるシール部の隙を抑制し冷却機能を確保することが可能となる。