JP5245813B2 - 圧延銅箔 - Google Patents

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本発明は、圧延銅箔に関し、特に、フレキシブルプリント配線板等の可撓性配線部材に好適な優れた屈曲特性を有する圧延銅箔に関するものである。
フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit、以下、FPCと称す)は、厚みが薄く可撓性に優れる特長から、電子機器等への実装形態における自由度が高い。そのため、現在では、折り畳み式携帯電話の折り曲げ部・デジタルカメラ・プリンターヘッドなどの可動部、ならびに、HDD (Hard Disk Drive)やDVD (Digital Versatile Disc),CD (Compact Disk)など、ディスク関連機器の可動部の配線等にFPCが広く用いられている。
FPCの導電体としては、種々の表面処理が施された純銅箔または銅合金箔(以下、単に「銅箔」という)が一般的に用いられている。銅箔は、その製造方法の違いにより電解銅箔と圧延銅箔に大別される。FPCは、前述のように繰り返し可動する部分の配線材として用いられることから優れた屈曲特性(例えば、100万回以上の屈曲特性)が要求され、銅箔としては圧延銅箔が使用されることが多い。
一般的に、圧延銅箔の製造は、原材料となるタフピッチ銅(JIS H3100 C1100)や無酸素銅(JIS H3100 C1020)の鋳塊に熱間圧延を施した後、所定の厚さまで冷間圧延と中間焼鈍を繰り返し施すことによって行われる。FPC用の圧延銅箔に要求される厚さは、通常、50μm以下であるが、最近では十数μm以下と更に薄くなる傾向にある。
FPCの製造工程は、概略的に、「FPC用銅箔と、ポリイミド等の樹脂からなるベースフィルム(基材)とを貼り合わせてCCL (Copper Clad Laminate)を形成する工程(CCL工程)」と、「該CCLにエッチング等の手法により回路配線を形成する工程」と、「該回路上に配線保護のための表面処理を行う工程」等から構成されている。CCL工程には、接着剤を介して銅箔と基材を積層した後、熱処理により接着剤を硬化して密着させる(3層CCL)方法と、接着剤を介さず、表面処理の施された銅箔を基材に直接張り合わせた後、加熱・加圧により一体化する(2層CCL)方法の2種類がある。
ここで、FPCの製造工程においては、製造の容易性の観点から冷間圧延加工上がり(加工硬化した硬質な状態)の銅箔が用いられることが多い。銅箔が焼鈍された(軟化した)状態にあると、銅箔の裁断や基材との積層時に銅箔の変形(例えば、伸び、しわ、折れ、等)が生じ易く、製品不良になりやすいためである。
一方、銅箔の屈曲特性は、再結晶焼鈍を行うことにより圧延加工上がりの状態よりも著しく向上する。そこで、上述のCCL工程における基材と銅箔とを密着・一体化させるための熱処理で、銅箔の再結晶焼鈍を兼ねる製造方法が一般的に選択されている。なお、このときの熱処理条件は、180〜300℃で1〜60分間(代表的には200℃で30分間)であり、銅箔は再結晶組織に調質された状態となる。
FPCの屈曲特性を高めるためには、その素材となる圧延銅箔の屈曲特性を高めることが有効である。また、一般的に、再結晶焼鈍後の銅箔の屈曲特性は、立方体集合組織が発達するほど向上することが知られている。なお、一般に言われている「立方体集合組織が発達」とは、圧延面において{200}Cu面の占有率が高いこと(例えば、85%以上)のみを意味する。
従来、屈曲特性に優れた圧延銅箔やその製造方法として、次のようなものが報告されている。最終冷間圧延工程の総加工度を高くすること(例えば、90%以上)によって立方体集合組織を発達させる方法、および再結晶焼鈍後の立方体集合組織の発達度合を規定した銅箔(例えば、圧延面のX線回折で求めた(200)面の強度が粉末X線回折で求めた(200)面の強度の20倍より大きい銅箔)。最終冷間圧延工程前の中間焼鈍の際に立方体集合組織を発達させておき、最終冷間圧延工程の総加工度を93%以上にして再結晶後の立方体集合組織を更に発達させる方法。銅箔板厚方向の貫通結晶粒の割合を規定した銅箔(例えば、断面面積率で40%以上が貫通結晶粒である銅箔)。微量添加元素の添加により軟化温度を制御した銅箔(例えば、120〜150℃の半軟化温度に制御した銅箔)。双晶境界の長さを規定した銅箔(例えば、長さ5μmを超える双晶境界が1mm2の面積あたり合計長さ20 mm以下である銅箔)。微量添加元素の添加により再結晶組織を制御した銅箔(例えば、Snを0.01〜0.2質量%添加し、平均結晶粒径を5μm以下、最大結晶粒径を15μm以下に制御した銅箔)などが報告されている(例えば、特許文献1乃至7参照)。
特開2001−262296号公報 特許第3009383号公報 特開2001−323354号公報 特開2006−117977号公報 特開2000−212661号公報 特開2000−256765号公報 特開2005−68484号公報
前述したように、従来技術では、最終冷間圧延工程の総加工度を高くするほど再結晶焼鈍後に圧延銅箔の立方体集合組織が発達して屈曲性が向上すると報告されている。しかしながら、冷間圧延加工においては、総加工度を高くするほど加工硬化によって材料(銅箔)が硬くなることから、1パスあたりの加工度の制御が難しくなり圧延銅箔の製造効率が低下する問題がある。具体的には、冷間圧延の総加工度が約90%以上(特に93%以上)になると、1パスあたりの加工度制御や圧延加工自体が急激に難しくなる。
一方、近年、電子機器類の小型化、高集積化(高密度実装化)や高性能化等の進展に伴い、FPCには従来よりも更なる高屈曲特性の要求が益々高まってきている。FPCの屈曲特性は実質的に銅箔のそれによって決まるため、要求を満たすためには銅箔の屈曲特性を更に向上させることが必須である。また、電子部品に対する低コスト化の要求は強まる一方である。
従って、本発明の目的は、フレキシブルプリント配線板(FPC)等の可撓性配線部材に適しており、優れた屈曲特性を有する圧延銅箔を提供することにある。さらには、最終冷間圧延工程において従来のような高い総加工度を実施しなくても高屈曲特性を有する圧延銅箔を安定して効率良く製造できる、すなわち低コストな圧延銅箔を提供することにある。
本発明者らは、圧延銅箔における金属結晶学的な検討を詳細に行い、生地焼鈍の後で最終冷間圧延工程前の圧延銅箔および最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前の圧延銅箔における結晶粒の方位・配向状態が、再結晶焼鈍後の結晶粒配向状態および銅箔の屈曲特性との間に特定の相関関係を有することを見出した。また、その現象がこれまで考えられていた原理と異なる現象と思われることを見出したことに基づき、本発明を完成した(詳細は後述する)。
本発明は、上記目的を達成するため、最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前の圧延銅箔であって、前記圧延銅箔は、Agと、Sn,Zr,Fe,Co,Ni,Mg,Zn,Ti,Si,B,Bi,Sb,MnおよびCrからなる元素群の中から選択される1種以上の添加元素と、不可避不純物と、残部がCuとからなるとともに、前記添加元素がAgを含めた合計で50ppm以上1200ppm以下の含有量であり、
圧延面を基準としたX線回折極点図測定により得られる結果で、極点図測定のα角度=45°におけるβ走査で得られる銅結晶の[220]Cu面回折ピークがβ角度の少なくとも90±5°毎に存在して4回対称性を示す結晶粒が存在するとともに、極点図測定のα角度を横軸とし各α角度におけるβ走査で得られる銅結晶の[220] Cu 面回折の規格化強度を縦軸としてグラフ表記した際に、α=25〜35°の間に前記規格化強度の極大値Pが存在し、α=40〜50°の間に前記規格化強度の極大値Qが存在し、α=85〜90°の間は前記規格化強度が単調増加するのみであり、前記極大値Pと前記極大値Qと前記α=90°における前記規格化強度の値Rとが「Q≦P≦R」であることを特徴とする圧延銅箔を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係る延銅箔において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(1)「Agと、Sn,Zr,Fe,Co,Ni,Mg,Zn,Ti,Si,B,Bi,Sb,MnおよびCrからなる元素群の中から選択される1種以上の添加元素」を「合計で50ppm以上1200ppm以下」にかえて、「Agを50ppm以上1200ppm以下」とすることができる。
(2)前記4回対称性を示す回折ピークが、前記β走査で得られる銅結晶の[220]Cu面回折の最小強度に対して1.5倍以上の回折強度を有する。
)前記圧延面に対するX線回折2θ/θ測定により得られる結果で、銅結晶の回折ピークの強度が「I[200]Cu≧I[220]Cu」である。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上述した圧延銅箔に対して再結晶焼鈍を施した後の圧延銅箔であって、前記圧延面に対するX線回折2θ/θ測定から算出される立方体集合組織の比率[A]と、当該立方体集合組織の結晶粒についてX線回折ロッキングカーブ測定から算出される面外配向比率[B]と、前記立方体集合組織の結晶粒について前記圧延面を基準としたX線回折極点図測定から算出される面内配向比率[C]との積が、「[A]×[B]×[C]≧0.5」であることを特徴とする圧延銅箔を提供する。

本発明によれば、フレキシブルプリント配線板(FPC)等の可撓性配線部材に適しており、優れた屈曲特性を有する圧延銅箔を提供することができる。さらには、高屈曲特性を有する圧延銅箔を安定して効率良く製造できる、すなわち低コストな圧延銅箔を提供することができる。
本発明に関係する銅結晶の主な結晶面を示す模式図を図1に示す。銅の結晶構造は立方晶であることから、{200}Cu面と{220}Cu面のなす角度は45°になる。なお、{ }は等価な面を表すものとする(図1参照)。
図2は、X線回折(以下、XRDと表記する場合もある)における入射X線・検出器・試料・走査軸の関係を示す概略図である。以下、図2を用いてXRDによる圧延銅箔の結晶粒配向状態に関する評価方法を説明する。なお、図2における3つの走査軸は、一般的に、θ軸が試料軸、α軸があおり軸、β軸が面内回転軸と呼ばれている。また、本発明におけるX線回折は、すべてCu Kα線によるものとする。
入射X線に対して、試料と検出器をθ軸で走査し、試料の走査角をθ、検出器の走査角を2θで走査する測定方法を2θ/θ測定という。2θ/θ測定による回折ピークの強度よって、多結晶体である圧延銅箔の試料面(本発明では圧延面)において、どの結晶面が優勢であるのかを評価できる。
ある1つの回折面{hkl}Cuに着目して、着目した{hkl}Cu面の2θ値に対し(検出器の走査角2θを固定し)、試料のみをθ軸走査させる測定方法をロッキングカーブ測定という。この測定による{hkl}Cu面ピークの半価幅または積分幅で{hkl}Cu面の圧延面垂直方向の配向度を評価できる。このとき、半価幅または積分幅の値が小さいほど圧延面に垂直方向の結晶配向性に優れているといえる(以下、「圧延面に垂直方向の結晶配向性」を「面外配向性」と称する)。なお、半価幅は回折ピークの最大強度の半分の強度におけるピーク幅、積分幅は回折ピークの積分強度を該回折ピークの最大強度で除したものと定義する。
極点図測定の特徴を利用した評価方法の1つに面内配向測定がある。これは、着目した{hkl}Cu面と幾何学的に対応する結晶面{h'k'l'}Cuが該{hkl}Cu面となす角度をα'とした場合、「α=90−α'」となるようにα軸走査し(試料を傾け)、{h'k'l'}Cu面の2θ値に対して(検出器の走査角2θを固定して)、試料をβ軸走査(0〜360°まで面内回転(自転))させる測定方法である。この測定による{h'k'l'}Cu面ピークの半価幅または積分幅で、{h'k'l'}Cu面と幾何学的に対応する{hkl}Cu面の圧延面内2軸方向の配向度が評価できる。このとき、前述と同様に、該回折ピークの半価幅または積分幅の値が小さいほど圧延面内方向の結晶配向性に優れているといえる(以下、「圧延面内方向の結晶配向性」を「面内配向性」と称する)。なお、本発明のXRD極点図測定では、試料面に垂直な方向をα=90°と定義し、測定の基準とする。また、極点図測定には、反射法(α=15〜90°)と透過法(α=0〜15°)があるが、本発明における極点図測定は、反射法(α=15〜90°)のみの測定を考慮する。
〔本発明の第1の実施形態〕
(面内配向測定)
本実施の形態における圧延銅箔は、最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前の圧延銅箔であって、圧延面を基準としたX線回折極点図測定により得られる結果で、極点図測定のα角度=45°におけるβ走査で得られる銅結晶の{220}Cu面回折ピークがβ角度の少なくとも90±5°毎に存在して4回対称性を示すことを特徴とする。例えば、極点図測定において銅箔の圧延方向をβ=0°とした場合、4回対称の回折ピークの中心はそれぞれβ=0±5°, 90±5°, 180±5°, 270±5°となる。
上述の面内配向測定結果において、{220}Cu面回折ピークが90±5°毎の4回対称性を示さない場合、再結晶焼鈍を施しても高屈曲特性を有する圧延銅箔が得られない。よって、上記のように規定する。なお、極点図測定のα角度=45°においてβ走査で得られる銅結晶の{220}Cu面回折ピークが90±5°毎の4回対称性を示すということは、該{220}Cu面と結晶幾何学的に45°の角度をなす{200}Cu面が銅箔の圧延面で面内配向していることを意味する。また、当該4回対称性の回折ピークは、それぞれの回折ピーク強度がβ軸走査(0〜360°までの面内回転)で得られる{220}Cu面回折の最小強度に対して1.5倍以上を有することが望ましい。
図3は、本発明に係る圧延銅箔において、最終冷間圧延工程上がりの圧延銅箔に対して面内配向測定(α=45°における{220}Cu面の測定)を行った結果の1例である。図3から判るように、90±5°毎に存在する4回対称性の回折ピーク(白抜き矢印で示す)が認められる。また、該回折ピークはβ走査で得られる{220}Cu面回折の最小強度に対して1.5倍以上の回折強度を有していることが判る。
〔本発明の第2の実施形態〕
(規格化強度)
本実施の形態における圧延銅箔は、最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前の圧延銅箔であって、前記圧延面を基準としたX線回折極点図測定により得られる結果で、極点図測定のα角度を横軸とし各α角度におけるβ走査で得られる銅結晶の{220}Cu面回折の規格化強度を縦軸としてグラフ表記した際に、α=25〜35°の間に前記規格化強度の極大値Pが存在し、α=40〜50°の間に前記規格化強度の極大値Qが存在し、α=85〜90°の間は前記規格化強度が単調増加しており、前記極大値Pと前記極大値Qと前記α=90°における前記規格化強度の値Rとが「Q≦P≦R」であることを特徴とする。上述のXRD極点図測定の結果において、{220}Cu面回折の規格化強度がα=25〜35°の極大値Pとα=40〜50°の極大値Qとα=85〜90°の単調増加とを示さず、前記極大値Pと前記極大値Qと前記α=90°における規格化強度の値Rとが「Q≦P≦R」の関係を示さない場合、再結晶焼鈍を施しても高屈曲特性を有する圧延銅箔が得られない。よって、上記のように規定する。
なお、規格化強度Rとは、XRD極点図測定において、各α角度におけるβ軸走査(面内回転軸走査)による所定の{hkl}Cu回折強度を平均化したカウント数であり、次式(詳細は下記文献を参照)により算出することができる。なお、規格化の計算は通常コンピューターで実施される。また、XRD強度を規格化して用いる理由は、XRD測定の際の管電圧や管電流などの条件設定の違いによる影響をなくして比較できるようにするためである(実質的に装置依存性がなくなる)。
=I / Istd
ここで、
:補正強度(バックグラウンド補正、吸収補正)
std:計算で求めた規格化するための強度
である。
(文献名)「RAD システム応用ソフトウェア 集合組織解析プログラム 取扱説明書(説明書番号:MJ201RE)」,理学電機株式会社,p.22〜23.
(文献名)「CN9258E101 RINT2000シリーズ アプリケーションソフトウェア 正極点 取扱説明書(説明書番号:MJ10102A01)」理学電機株式会社,p.8〜10.
図4は、本発明に係る圧延銅箔において、最終冷間圧延工程上がりの圧延銅箔に対して{220}Cu面のXRD極点図測定を行った結果の1例である。図4から判るように、α=25〜35°の間に前記規格化強度の極大値Pが存在し、α=40〜50°の間に前記規格化強度の極大値Qが存在し、α=85〜90°の間は前記規格化強度が単調増加しており、前記極大値Pと前記極大値Qと前記α=90°における前記規格化強度の値Rとが「Q≦P≦R」の関係になっている。「Q≦P≦R」の関係とは、面内配向した立方体組織の種結晶が適度な量で存在し、加工ひずみを蓄積した圧延集合組織が必要十分な量で存在していることを意味していると考えられる(詳細は後述する)。
〔本発明の第3の実施形態〕
(2θ/θ測定)
本実施の形態における圧延銅箔は、最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前の状態において、前記圧延面に対するX線回折2θ/θ測定により得られる結果で、銅結晶の回折ピークの強度Iが「I{200}Cu ≧ I{220}Cu」であることを特徴とする。
前述したように本発明に係る圧延銅箔は、最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前の状態において、{200}Cu面が銅箔の圧延面で配向している。このことは、多結晶体である銅箔の圧延面に{200}Cu面配向した結晶粒が相当量存在することを意味する。銅箔の圧延面において{200}Cu面が強く配向していないと、再結晶焼鈍を施しても高屈曲特性を有する圧延銅箔が得られない。よって、上記のように規定する。
図5は、本発明に係る圧延銅箔において、最終冷間圧延工程の後かつ再結晶焼鈍前の状態で圧延面に対してX線回折2θ/θ測定を行った結果の1例である。図5から明らかなように、圧延面は{200}Cu面の回折強度が強く、{200}Cu面配向した結晶粒が多く存在していることを示している。図5における{200}Cu面の回折ピーク強度I{200}Cuを100とした場合、{220}Cu面の回折ピーク強度I{220}Cuは49であった。なお、銅結晶粉末における{200}Cu面と{220}Cu面とのX線回折強度比がおよそ2:1であることを考慮すると、図5の圧延銅箔は、その圧延面において{200}Cu面配向の結晶粒と{220}Cu面配向の結晶粒が面積比で略同程度に存在していると言える。
〔本発明の第4の実施形態〕
(総合配向比率)
本実施の形態における圧延銅箔は、最終冷間圧延工程後に再結晶焼鈍を施した後の圧延銅箔であって、圧延面に対するX線回折2θ/θ測定から算出される立方体集合組織の比率[A]と、当該立方体集合組織の結晶粒についてX線回折ロッキングカーブ測定から算出される面外配向比率[B]と、前記立方体集合組織の結晶粒について前記圧延面を基準としたX線回折極点図測定から算出される面内配向比率[C]との積が、「[A]×[B]×[C] ≧ 0.5」であることを特徴とする。本発明においては、[A]×[B]×[C]を総合配向比率と定義する。総合配向比率が0.5未満([A]×[B]×[C] < 0.5)であると、高い屈曲特性が得られない。よって、総合配向比率を0.5以上とする。より望ましくは0.55以上であり、更に望ましくは0.6以上である。
次に、立方体集合組織の比率[A]、立方体集合組織の面外配向比率[B]、立方体集合組織の面内配向比率[C]のそれぞれについて説明する。
立方体集合組織の比率[A]とは、最終冷間圧延工程の後に再結晶焼鈍を施した圧延銅箔の圧延面に対しX線回折2θ/θ測定を行い、立方体集合組織を現す{200}Cu面回折ピークの全回折ピークに対する比率を次式により算出したものと定義する。
立方体集合組織の比率[A] = I{200}Cu / (I{111}Cu+I{200}Cu+I{220}Cu+I{311}Cu)
ここで、
I{111}Cu:{111}Cu面の回折ピーク強度
I{200}Cu:{200}Cu面の回折ピーク強度
I{220}Cu:{220}Cu面の回折ピーク強度
I{311}Cu:{311}Cu面の回折ピーク強度
である。
立方体集合組織の面外配向比率[B]とは、最終冷間圧延工程の後に再結晶焼鈍を施した圧延銅箔の圧延面における{200}Cu面のX線回折ロッキングカーブ測定を行い、その{200}Cu面回折ピークの半価幅と積分幅の比率を次式により算出したものと定義する。
立方体集合組織の面外配向比率[B] = ΔθFWHM / ΔθIW
なお、
ΔθFWHM:{200}Cu面回折ピークの最大強度の半分の強度におけるピーク幅
ΔθIW:{200}Cu面回折ピークの積分強度を該回折ピークの最大強度で除したもの
とする。
立方体集合組織の面内配向比率[C]とは、最終冷間圧延工程の後に再結晶焼鈍を施した圧延銅箔に対し圧延面を基準としてα角度=45°における{220}Cu面のX線回折極点図測定を行い、β走査で得られる4回対称の{220}Cu面回折ピークのうち、いずれか1つの回折ピークの半価幅と積分幅の比率を次式により算出したものと定義する。
立方体集合組織の面外配向比率[C] = ΔβFWHM / ΔβIW
なお、
ΔβFWHM:{220}Cu面回折ピークの最大強度の半分の強度におけるピーク幅
ΔβIW:{220}Cu面回折ピークの積分強度を該回折ピークの最大強度で除したもの
とする。
ここで、面外配向比率[B]および面内配向比率[C]において、回折ピークの半価幅と積分幅の比をとる意味について説明する。図6は、結晶配向性の良否と回折ピークの半価幅・積分幅との関係を示す模式図である。結晶配向性の低い圧延銅箔においてロッキングカーブ測定や面内配向測定を行うと、図6の(a)に示すように、ピーク中心近傍は比較的シャープであるがテール部分が大きい(裾野の広い)回折ピーク形状が得られやすい。一方、結晶配向性の高い圧延銅箔に対してロッキングカーブ測定や面内配向測定を行うと、図6の(b)に示すようなピーク中心近傍に集中した回折ピーク形状が得られる。
これらの回折ピークに対しそれぞれ半価幅と積分幅を評価すると、結晶配向性の低い(a)の場合には半価幅と積分幅とで大きな差が生じ、結晶配向性の高い(b)の場合には半価幅と積分幅の差が小さくなることが判る。そして、このような差異は、回折ピーク形状におけるテール部分の大小(回折ピーク形状に占めるテール部分の大きさ)に起因すると考えられる。そこで回折ピークの半価幅と積分幅の比をとることにより、半価幅や積分幅を個々に比較するよりも、圧延銅箔の結晶配向性の優劣をより明確に判定することができるようになる。
〔圧延銅箔の製造方法〕
次に、図7を参照しながら、本発明に係る圧延銅箔の製造方法を説明する。図7は、本発明に係る圧延銅箔の製造工程の1例を示すフロー図である。
はじめに、原材料となる銅合金のインゴット(鋳塊)を用意する(工程a)。ここで銅合金としては、Cuを主成分とし、Ag,Sn,Zr,Fe,Co,Ni,Mg,Zn,Ti,Si,B,Bi,Sb,MnおよびCrからなる元素群の中から選択される1種以上の添加元素と不可避不純物とを含有し、添加元素の含有量が50 ppm以上1200 ppm以下である銅合金を用いる。なお、JIS H3100によると「純銅」の規格には「リン脱酸銅」が含まれ、例えばC1221はCu濃度が99.75質量%以上と規定されている。これを考慮すると、添加元素の含有量が50 ppm以上1200 ppm以下である本発明の銅合金は、純銅の範疇に含まれると考えることもできる。
次に、熱間圧延を行う熱間圧延工程(工程b)を行う。熱間圧延工程の後、冷間圧延を行う冷間圧延工程(工程c)と冷間圧延による加工硬化を緩和する中間焼鈍工程(工程d)とを適宜繰り返し行うことにより「生地」と呼ばれる銅条が製造される。次に、生地焼鈍工程(工程d’)が行われる。生地焼鈍工程においては、それ以前の加工歪が十分に緩和されること(例えば、略完全焼鈍)が望ましい。
その後、焼鈍した生地(「焼鈍生地」と称す)に対して最終冷間圧延工程(工程e、「仕上げ圧延工程」と称される場合もある)を施して、所定厚さの圧延銅箔(「仕上げ銅箔」と称される場合もある)が製造される。最終冷間圧延工程後の圧延銅箔は、必要に応じて表面処理等が施され(工程f)、FPC製造工程(工程g)に供給される。前述したように、再結晶焼鈍は工程gの中(例えば、CCL工程)で為されることが多い。本発明において、「最終冷間圧延工程」とは工程eを意味し、「再結晶焼鈍工程」とは工程eよりも後で実施される工程を意味するものとする。
ここにおいて、本発明に係る圧延銅箔の製造方法の1つは、前記最終冷間圧延工程における2パス目以降の圧延パスにおいて、直前の圧延パスの加工度よりも1.1倍以上大きい加工度を有する圧延パスが1パス以上含まれることを特徴とする。これにより、該冷間圧延工程の最終段階で{220}Cu面配向の圧延集合組織形成を強め、さらに該圧延集合組織中に立方体組織の種結晶を積極的に形成することができる。そして、この立方体組織の種結晶が、再結晶焼鈍による立方体集合組織の高配向成長に寄与しているものと考えられる。
より好ましくは「直前の圧延パスの加工度よりも1.15倍以上大きい加工度を有する圧延パスが1パス以上含まれること」であり、さらに好ましくは「直前の圧延パスの加工度よりも1.2倍以上大きい加工度を有する圧延パスが1パス以上含まれること」である。上記規定から外れる「1.1倍より小さい加工度を有する圧延パス」では、圧延集合組織中に立方体組織の種結晶を形成することが困難である。
また、最終冷間圧延工程のうちの最終パスまたは最終直前のパスが、2パス目以降の圧延パスで最も大きい1パスあたりの加工度を有していることが望ましい。これにより、圧延集合組織中に形成した立方体組織の種結晶が、圧延工程の進行に伴って他方位に回転してしまうことを抑制することができる。また、最終冷間圧延工程における総加工度を80%以上90%未満とすることにより、圧延工程の総パス数を低減することができるのに加えて、過度の加工硬化による圧延加工制御の困難性を回避でき、製造の低コスト化に寄与できる。上記のような特徴を有する本発明の製造方法によって、圧延銅箔における高屈曲特性化と低コスト化を両立することができる。
また、上記の製造方法に換わる本発明に係る圧延銅箔の他の製造方法は、少なくとも生地焼鈍工程(工程d’)を制御することによって、焼鈍生地を以下のように調整する製造方法である。生地焼鈍条件としては、例えば、600℃以上700℃未満(銅箔の実態温度)で1〜30分間保持する条件が好ましい。より好ましい温度は650℃以上700℃未満である。
上記のような焼鈍生地に対して、総加工度が80%以上93%未満となるような最終冷間圧延工程(工程e)を施す。これにより、最終冷間圧延工程(工程e)の後で再結晶焼鈍工程前の圧延銅箔における圧延面を基準としたX線回折極点図測定により得られる結果で、極点図測定のα角度=45°におけるβ走査で得られる銅結晶の{220}Cu面回折ピークがβ角度の少なくとも90±5°毎に存在して4回対称性を示す結晶粒が存在し(図3参照)、加えて、極点図測定のα角度を横軸としβ走査で得られる銅結晶の{220}Cu面回折の規格化強度を縦軸としてグラフ表記した際に、α=25〜35°の間に規格化強度の極大値Pが存在し、α=40〜50°の間に規格化強度の極大値Qが残存し、α=85〜90°の間は規格化強度が単調増加しており、極大値Pと極大値Qとα=90°における規格化強度の値Rとが「Q≦P≦R」となる本発明に係る圧延銅箔が得られる(図4参照)。
前述したように、銅結晶の{220}Cu面と{200}Cu面とは、幾何学的に45°(両結晶面のなす角が45°)の関係にある。よって、α=40〜50°の間にある規格化強度の極大値Qは、圧延銅箔の圧延面において{200}Cu面の結晶粒が面内配向している程度に関係していると考えられる。言い換えると、生地焼鈍(工程d’)の後で最終冷間圧延工程(工程e)前の焼鈍生地において圧延面に存在した{200}Cu面配向かつ面内配向の結晶粒が、最終冷間圧延工程(工程e)を経て「Q≦P≦R」の関係となる程度に残存しているところに本発明の特徴がある。これが高い総合配向比率につながり、優れた屈曲特性につながる。
また、最終冷間圧延工程における総加工度を80%以上93%未満とすることにより、従来の高加工度圧延銅箔に比して圧延工程の総パス数を低減することができるのに加えて、過度の加工硬化による圧延加工制御の困難性を回避でき、製造設備への負荷低減および製造の低コスト化に寄与できる。このような特徴を有する本発明の製造方法によって、圧延銅箔における高屈曲特性化と低コスト化を両立することができる。
(高屈曲特性化のメカニズムの考察)
つぎに、本発明の実施の形態に係る圧延銅箔の高屈曲特性化のメカニズムについて考察する。
金属結晶に応力が掛かると、結晶中の転位は、一般的に結晶のすべり面に沿って移動する。しかしながら、結晶粒界は転位の移動に対する障害物になると考えられている。多結晶体である圧延銅箔において、屈曲運動により転位が結晶粒界等に集積すると、集積箇所でクラックが生じやすくなり、いわゆる金属疲労を起こすと考えられる。言い換えると、金属多結晶体において転位が集積することを抑制できれば、屈曲特性が向上することが期待される。
本発明の実施の形態に係る圧延銅箔は、焼鈍生地および/または最終冷間圧延工程後における結晶粒配向状態を制御することにより再結晶焼鈍後の立方体集合組織を制御することが可能であることを示している。再結晶によって、銅結晶の面心立方構造特有のすべり面である{111}Cu面の配向(すなわち、すべり方向を揃えること)が結晶粒界を跨いで良く制御された立方体集合組織を得ることができれば、それにより屈曲運動の際に転位が交差すべりを起こす確率が高くなり、その結果、高い屈曲特性が得られるものと考えられる。すなわち、結晶粒同士が3次元的に配向した(総合配向比率の高い)立方体集合組織をどのようにして形成するかがポイントとなる。
一方、圧延加工時に対象物に掛かる応力は、対象物に対して「圧縮応力成分」と「引張応力成分」に分けて考えることができる。また、銅箔に対する冷間圧延加工において、銅箔中の銅結晶は、圧延加工時の応力により回転現象を起こし、加工の進展とともに圧延集合組織を形成する。このとき、応力方向による結晶の回転方位(圧延面に配向する方位)は、一般的に、圧縮応力の場合が{220}Cu面、引張応力の場合が{311}Cu面や{211}Cu面である。これら回転現象に伴う加工ひずみの蓄積が、再結晶時における立方体集合組織形成の駆動力になると考えられてきた。
従来の圧延銅箔においては、上記の観点から、最終冷間圧延工程における総加工度を高め(例えば、93%以上)に設定し、圧縮応力を高めることで{220}Cu面配向(圧延集合組織)と加工ひずみの蓄積を高めることを意図していた。なお、前述したように、立方体集合組織としては、圧延面において{200}Cu面の占有率が高くなること(圧延面に垂直方向の1次元配向)のみに着目し、圧延面内での配向状態(すなわち、結晶粒同士の3次元配向)には特段の考慮がなされていなかった。また、最終冷間圧延工程における総加工度のみに着目し、1パスあたりの加工度には特段の考慮がなされていなかった。ただし、圧延加工が進行するほど加工硬化によって材料(銅箔)が硬くなることから、圧延加工の進行に伴って1パスあたりの加工度は小さくなるのが一般的と思われる。
しかしながら、そのようなパススケジュールは、高加工度パス(1パスあたりの加工度が大きい圧延パス)によって一旦{220}Cu面配向させられた結晶粒の一部が、その後の低加工度パスによって{311}Cu面配向や{211}Cu面配向に回転し始めることにつながると考えられる。これは、1パスあたりの加工度が大きい圧延パスは「圧縮応力成分」が優勢となり、1パスあたりの加工度が小さい圧延パスでは「引張応力成分」が優勢になると考えられるためである。
これに対し、本発明に係る圧延銅箔の製造方法の1つは、最終冷間圧延工程における2パス目以降の圧延パスにおいて、直前の圧延パスの加工度よりも1.1倍以上大きい加工度を有する圧延パスが1パス以上含まれるようなパススケジュールを採用している。具体的には、例えば、2パス目以降の圧延パスで最も大きい1パスあたりの加工度を有する圧延パスが圧延パススケジュールの後半に実行される構成や、1パスあたりの加工度が2パス目以降で徐々に大きくなるような構成が挙げられる。このような圧延加工方法は、従来の方法とはパススケジュールが逆の構成になっている。また、最終冷間圧延工程の2パス目以降(特に、圧延パススケジュールの後半)に、1パスあたりの加工度が高い圧延パスを実行することにより、圧延加工途中で部分的な再結晶現象等が生じ、圧延集合組織中に立方体組織の種結晶({200}Cu面配向の結晶粒)が形成されることが判明した。そして、この立方体組織の種結晶が、再結晶焼鈍における立方体集合組織の高配向成長に寄与しているものと考えられた。
一方、本発明に係る圧延銅箔の他の製造方法としては、最終冷間圧延工程(工程e)に供する焼鈍生地を制御し、最終冷間圧延工程(工程e)における圧延集合組織({220}Cu面配向)の形成過程において、該圧延集合組織中に適度な量(「Q≦P≦R」の関係となる程度)の立方体組織({200}Cu面配向)の結晶粒を残存させることにポイントがある。そして、加工ひずみを蓄積した圧延集合組織中に分散して残存させた立方体組織を有する結晶粒が、再結晶焼鈍における立方体集合組織形成の種結晶として機能することで、高配向成長(特に3次元配向)に寄与しているものと考えられた。
さらに、圧延銅箔の当該製造方法は、最終冷間圧延工程における総加工度が80%以上93%未満であり、上述した立方体組織の結晶粒(結晶面の回転現象が生じていない結晶粒)の残存と併せて、銅箔への加工ひずみの蓄積が従来技術の圧延銅箔(例えば、93%以上の総加工度)に比して十分少ないと考えられる。これは、再結晶焼鈍時における原子再配列の駆動力が小さいことにつながり、再結晶粒の粒成長(結晶粒の粗大化)を抑制することができる。再結晶粒の過剰粒成長の抑制は、FPC製造工程で最近問題になっている「Dish Down現象」を解決できることにつながる。なお、「Dish Down現象」とは、FPC製造工程中において銅箔をハーフエッチングする際、結晶粒単位でエッチングされる傾向があるために粒径の大きい結晶粒が優先的にエッチングされ、銅箔表面がクレーター状になってしまう現象をいう。
〔他の実施の形態〕
工程aにおいて、溶解・鋳造方法に制限はなく、また、材料の寸法にも制限はない。工程b、工程cおよび工程dにおいても、特段の制限はなく、通常の方法・条件でよい。また、FPCに用いる圧延銅箔の厚みは一般的に50μm以下であり、本発明の圧延銅箔の厚みも、50μm以下であれば制限はないが、20μm以下が特に好ましい。
〔フレキシブルプリント配線板の製造〕
上記実施の形態の圧延銅箔を用いて、通常行われている製造方法により、フレキシブルプリント配線板を得ることができる。また、圧延銅箔に対する再結晶焼鈍は、通常のCCL工程で行われる熱処理でもよいし、別工程で行われてもよい。
〔実施の形態の効果〕
上記の本発明の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)従来よりも優れた屈曲特性を有する圧延銅箔を得ることができる。
(2)従来よりも優れた屈曲特性を有する圧延銅箔を安定して効率良く(すなわち、低コストで)製造することができる。
(3)従来よりも優れた屈曲特性を有するフレキシブルプリント配線板(FPC)等の可撓性配線を得ることができる。
(4)フレキシブルプリント配線板(FPC)のみに留まらず、高い屈曲特性(屈曲寿命)が要求される他の導電部材(例えば、耐振動性が必要な自動車用リチウムイオン電池の負極材料など)にも適用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(圧延銅箔の作製)
はじめに、原料素材としては、タフピッチ銅(酸素含有量150ppm)を母材として表1,表2に示す添加元素を含有する銅合金を調合・溶解し、厚さ200 mm・幅650 mmの鋳塊を製造した。その後、図7記載のフローにしたがって、10 mmの厚さまで熱間圧延を行った後、冷間圧延および中間焼鈍(生地焼鈍を含む)を適宜繰り返して、0.2 mmと0.1 mmの厚みを有する生地を製造した。つぎに、各生地に対し、表3に示す製造条件で生地焼鈍工程および最終冷間圧延工程を行うことにより、厚さ16μmの圧延銅箔を作製した。なお、生地焼鈍の温度は、焼鈍炉の設定温度ではなく銅箔の実態温度である。
Figure 0005245813
Figure 0005245813
Figure 0005245813
(圧延銅箔に対するXRD評価方法)
圧延銅箔(最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍の前、再結晶焼鈍後)に対するXRD評価は次のように行った。なお、各種XRD測定(2θ/θ測定、ロッキングカーブ測定、極点図測定、面内配向測定)には、X線回折装置(株式会社リガク製、型式:RAD−B)を用いた。対陰極(ターゲット)はCuを用い、管電圧および管電流はそれぞれ40 kV、30 mAとした。また、XRD測定に供する試料の大きさは、約15×約15 mm2とした。
XRD2θ/θ測定の条件は、一般的な広角ゴニオメータを用い、2θ=40〜100°の範囲で測定した。2θ/θ測定におけるスリット条件は、発散スリットが1°、受光スリットが0.15 mm、散乱スリットが1°とした。また、XRDロッキングカーブ測定は、2θ/θ測定により得られた{200}Cu面回折ピークの2θ値に検出器を固定し、試料をθ=15〜35°まで走査して測定した。なお、ロッキングカーブ測定におけるスリット条件は2θ/θ測定と同じとした。
XRD極点図測定および面内配向測定の条件は、一般的なシュルツ反射法を用い、α=15〜90°(圧延面に垂直方向がα=90°)の範囲でβ角度を0〜360°まで走査(自転)しながら、{220}Cu面の回折強度を測定した(2θ≒74°で、2θ値は試料毎に予備測定した結果を用いた)。このときのスリット条件は、発散スリット=1°、散乱スリット=7mm、受光スリット=7mmおよびシュルツスリット(スリット高さ1mm)を用いた。なお、面内配向測定はα=45°に固定して行った。
(最終冷間圧延工程上がりの圧延銅箔)
前記のようにして作製した圧延加工上がりの状態(最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前)の各圧延銅箔(厚さ16μm、合金No.1〜26)に対し、各種XRD測定を行った。前述した図3は、No.3の合金を用い製造工程Aで作製した圧延銅箔に対して面内配向測定(α=45°における{220}Cu面の測定)を行った結果である。また、No.1,2,4〜14の合金を用い製造工程Aで作製した圧延銅箔に対する面内配向測定の結果は、図3と同等な回折ピークの結果が得られた。一方、No.15〜26の合金を用い製造工程Aで作製した圧延銅箔における面内配向測定の結果は、90±5°毎に存在する4回対称性の回折ピークが存在するとは認められなかった。
前述した図4は、No.3の合金を用い製造工程Bで作製した圧延銅箔において、最終冷間圧延工程上がりの状態(最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前)の圧延銅箔(厚さ16μm)に対して{220}Cu面のXRD極点図測定を行った結果である。また、No.1,2,4〜14の合金を用い製造工程Bで作製した圧延銅箔に対するXRD極点図測定の結果は、図4と同じ特徴を有する結果が得られた。一方、No.15〜26の合金を用い製造工程Bで作製した圧延銅箔におけるXRD極点図測定の結果は、「Q>P,Q>R」となっていたり、極大値Qがほとんど検出されなかったりしており、「極大値P,Q,Rの存在」と「Q≦P≦R」の関係を満たしていなかった。「Q>P,Q>R」からは、面内配向した立方体組織の銅結晶が存在すると考えられるが、加工ひずみを蓄積した圧延集合組織の形成が不十分であることが示唆された。「極大値Qがほとんど検出されない」からは、面内配向した立方体組織の種結晶がほとんど無いことが示唆された。
なお、No.1〜14の合金を用い製造工程Cで作製した圧延銅箔に対するXRD極点図測定の結果、およびNo.15〜26の合金を用い製造工程Cで作製した圧延銅箔に対するXRD極点図測定の結果は、それぞれ製造工程Bで作製した圧延銅箔における結果と同様の結果であった。
前述した図5は、No.3の合金を用い製造工程Aで作製した圧延銅箔において、最終冷間圧延工程の後かつ再結晶焼鈍前の状態で圧延面に対してX線回折2θ/θ測定を行った結果である。また、No.1,2,4〜14の合金を用い製造工程Aで作製した圧延銅箔に対するX線回折2θ/θ測定の結果、No.1〜14の合金を用い製造工程Bで作製した圧延銅箔に対するX線回折2θ/θ測定の結果、およびNo.1〜14の合金を用い製造工程Cで作製した圧延銅箔に対するX線回折2θ/θ測定の結果も、図5と同等な回折ピークの結果が得られた。一方、No.15〜26の合金を用い製造工程A〜Cで作製した圧延銅箔におけるX線回折2θ/θ測定の結果は、いずれも「I{200}Cu < I{220}Cu」または「I{200}Cu < I{111}Cu」であった。これらは、{200}Cu面配向の結晶粒が銅箔の圧延面で劣勢であることを意味している。
上述の面内配向測定、極点図測定、および2θ/θ測定の結果を考え合わせると、No.1〜14の合金を用い製造工程A〜Cで作製した圧延銅箔には、立方体集合組織形成の種結晶となる3次元配向した銅結晶が確実に存在していることが確認された。これに対し、No.15〜26の合金を用い製造工程A〜Cで作製した圧延銅箔では、圧延面に対して{200}Cu面配向している結晶粒が存在するものの、それらは面内配向性に乏しく3次元配向した種結晶がほとんど存在していないことが示唆された。
(再結晶焼鈍後の圧延銅箔)
上述のようにして作製した各圧延銅箔(厚さ16μm、最終冷間圧延工程上がり)に対し、温度180℃で60分間保持する再結晶焼鈍を施した後に各種XRD測定を行い、総合配向比率[A]×[B]×[C]を評価した。総合配向比率[A]×[B]×[C]の結果の1例を表4に示す。なお、前述したように、[A], [B], [C]はそれぞれ次のような式で算出した。
立方体集合組織の比率[A] = I{200}Cu / (I{111}Cu+I{200}Cu+I{220}Cu+I{311}Cu)
立方体集合組織の面外配向比率[B] = ΔθFWHM / ΔθIW
立方体集合組織の面外配向比率[C] = ΔβFWHM / ΔβIW
Figure 0005245813
表4の結果から明らかなように、No.3の合金を用い製造工程A〜Cで作製した圧延銅箔は総合配向比率[A]×[B]×[C]が0.5を十分に上回っていた。また、No.1,2,4〜14の合金を用い製造工程A〜Cで作製した圧延銅箔においても、総合配向比率[A]×[B]×[C]が0.5を上回っていた。一方、No.15の合金を用いた圧延銅箔はいずれの製造工程の場合でも総合配向比率が0.5を下回った。また、No.16〜26の合金を用い製造工程A〜Cで作製した圧延銅箔も総合配向比率が0.5を下回っていた。これらの結果は、最終冷間圧延工程上がりの圧延銅箔において、立方体集合組織形成の種結晶となる3次元配向した銅結晶が存在するか否か、および/または加工ひずみを蓄積した圧延集合組織の形成の程度に起因するものと考えられた。
(再結晶焼鈍後の圧延銅箔の屈曲特性)
上記のようにして作製した各圧延銅箔(合金No.1〜26、製造工程A〜C、厚さ16μm、再結晶焼鈍後)に対する屈曲特性の評価は、次のように行った。図8は、屈曲特性評価(摺動屈曲試験)の概略を表した模式図である。摺動屈曲試験装置は信越エンジニアリング株式会社製、型式:SEK−31B2Sを用い、R=2.5 mm、振幅ストローク=10 mm、周波数=25 Hz(振幅速度=1500回/分)、試料幅=12.5 mm、試料長さ=220 mm、試料片の長手方向が圧延方向となる条件で測定した。測定は10試料ずつ行って屈曲寿命回数の平均を算出した。結果を表5,表6に示す。
Figure 0005245813
Figure 0005245813
表5,表6の結果から明らかなように、No.1〜14の合金を用いた圧延銅箔は、No.15〜16の合金を用いた圧延銅箔に比して50%程度大きい屈曲寿命回数(高い屈曲特性)を有していることが判る。この結果は、No.1〜14の合金を用いた圧延銅箔における立方体集合組織の高い総合配向比率(表4参照)に起因しているものと考えられた。
本発明に関係する銅結晶の主な結晶面を示す模式図である。 X線回折における入射X線・検出器・試料・走査軸の関係を示す概略図である。 本発明に係る圧延銅箔において、最終冷間圧延工程上がりの圧延銅箔に対して面内配向測定を行った結果の1例である。 本発明に係る圧延銅箔において、最終冷間圧延工程上がりの圧延銅箔に対して{220}Cu面のXRD極点図測定を行った結果の1例である。 本発明に係る圧延銅箔において、最終冷間圧延工程の後かつ再結晶焼鈍前の状態で圧延面に対してX線回折2θ/θ測定を行った結果の1例である。 結晶配向性の良否と回折ピークの半価幅・積分幅との関係を示す模式図である。 本発明に係る圧延銅箔の製造工程の1例を示すフロー図である。 屈曲特性評価(摺動屈曲試験)の概略を表した模式図である。
符号の説明
1…銅箔、2…試料固定板、2a…ねじ、3…振動伝達部、4…発振駆動体、
R…曲率。

Claims (5)

  1. 最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前の圧延銅箔であって、
    前記圧延銅箔は、Agと、Sn,Zr,Fe,Co,Ni,Mg,Zn,Ti,Si,B,Bi,Sb,MnおよびCrからなる元素群の中から選択される1種以上の添加元素と、不可避不純物と、残部がCuとからなるとともに、前記添加元素がAgを含めた合計で50ppm以上1200ppm以下の含有量であり、
    圧延面を基準としたX線回折極点図測定により得られる結果で、極点図測定のα角度=45°におけるβ走査で得られる銅結晶の[220]Cu面回折ピークがβ角度の少なくとも90±5°毎に存在して4回対称性を示す結晶粒が存在するとともに、極点図測定のα角度を横軸とし各α角度におけるβ走査で得られる銅結晶の[220] Cu 面回折の規格化強度を縦軸としてグラフ表記した際に、α=25〜35°の間に前記規格化強度の極大値Pが存在し、α=40〜50°の間に前記規格化強度の極大値Qが存在し、α=85〜90°の間は前記規格化強度が単調増加するのみであり、前記極大値Pと前記極大値Qと前記α=90°における前記規格化強度の値Rとが「Q≦P≦R」であることを特徴とする圧延銅箔。
  2. 最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前の圧延銅箔であって、
    前記圧延銅箔は、50ppm以上1200ppm以下のAgと、不可避不純物と、残部がCuとからなり、
    圧延面を基準としたX線回折極点図測定により得られる結果で、極点図測定のα角度=45°におけるβ走査で得られる銅結晶の[220] Cu 面回折ピークがβ角度の少なくとも90±5°毎に存在して4回対称性を示す結晶粒が存在するとともに、極点図測定のα角度を横軸とし各α角度におけるβ走査で得られる銅結晶の[220] Cu 面回折の規格化強度を縦軸としてグラフ表記した際に、α=25〜35°の間に前記規格化強度の極大値Pが存在し、α=40〜50°の間に前記規格化強度の極大値Qが存在し、α=85〜90°の間は前記規格化強度が単調増加するのみであり、前記極大値Pと前記極大値Qと前記α=90°における前記規格化強度の値Rとが「Q≦P≦R」であることを特徴とする圧延銅箔。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧延銅箔において、
    前記4回対称性を示す回折ピークが、前記β走査で得られる銅結晶の[220]Cu面回折の最小強度に対して1.5倍以上の回折強度を有することを特徴とする圧延銅箔。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の圧延銅箔において、
    前記圧延面に対するX線回折2θ/θ測定により得られる結果で、銅結晶の回折ピークの強度が「I[200]Cu≧I[220]Cu」であることを特徴とする圧延銅箔。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の圧延銅箔に対して再結晶焼鈍を施した後の圧延銅箔であって、
    前記圧延面に対するX線回折2θ/θ測定から算出される立方体集合組織の比率[A]と、当該立方体集合組織の結晶粒についてX線回折ロッキングカーブ測定から算出される面外配向比率[B]と、前記立方体集合組織の結晶粒について前記圧延面を基準としたX線回折極点図測定から算出される面内配向比率[C]との積が、「[A]×[B]×[C]≧0.5」であることを特徴とする圧延銅箔。
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