JP5245402B2 - 画像形成方法及び中間転写記録媒体 - Google Patents
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Description
しかしながら、個人用途などの1枚のみ又は少ロットの画像を、アイロン等で加熱加圧することで転写する用途であれば、特に限定されるものではない。
従って、布や紙などの繊維質素材への少ロットの画像形成方法は、如何に容易に低コストにて製造でき、かつ、画像は高画質で、洗濯などの使用での耐久性に優れることが求められている。
また、Tシャツ等の表面に加熱したアイロンにて押さえることで転写する熱転写シートであって、Tシャツ等に転写された転写シートのカラートナー画像が表面化しないように、片面にシリコーン層を形成した基材に溶剤系ポリウレタン樹脂を塗布した乾燥塗膜にて形成したa層、該a層の上に水溶性ポリウレタン樹脂に酸化チタン15部と多孔性シリカ混入品50部と熱可塑性粉体等を混入したウレタン樹脂製の水性インク受容層を乾燥塗膜として形成したb層、そして該b層の上に多孔性シリカ混入品と熱可塑性粉体等を混入したウレタン樹脂を塗布した乾燥塗膜を形成したc層にて構成した撥水性熱転写シートが知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、受容層がa層b層c層の3層からなり、工程が煩雑でコストが高くなるという欠点がある。
さらに、本出願人も、被転写体に受容層を熱転写して形成するもので、受容層はインクジェット用インクを受容するための多孔質または粒子状形態を備えているので、被転写体の種類を問わず高画質を得ることができる、基材の一方の面に、剥離可能な受容層を設けたインクジェット用受容層転写シート(本発明の中間転写記録媒体に相当する)を開示している(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、専用紙と同等の高画質を得ることを目的とするもので、画像の洗濯などの使用での耐久性については記載も示唆もされていない。
請求項2の発明に係わる画像形成方法は、中間転写記録媒体を用いて被転写体へ画像を形成する画像形成方法であって、(1)基材と、該基材の一方の面に、少なくとも剥離層、並びに少なくともカチオン性ウレタン系樹脂、カチオン性フィックス剤、光輝性細片及びマイクロシリカとを含む受容層が順に積層されてなり、前記カチオン性ウレタン系樹脂が1〜3級アミン若しくは4級アンモニウム塩基であるカチオン性親水基を有するポリカーボネート系又はポリエステル系のポリオールと脂肪族イソシアネートの反応物であり、前記カチオン性フィックス剤が脂肪族4級アンモニウム塩であり、前記光輝性細片が0.01〜1mm 2 の面積を持つ多角形のホログラムフレークであり、前記受容層の配合割合が質量基準でカチオン性ウレタン系樹脂:カチオン性フィックス剤:ホログラムフレーク:マイクロシリカ=100:5〜20:0.2〜10:1〜12である中間転写記録媒体を準備する準備工程と、(2)前記中間転写記録媒体の前記受容層へインクジェット方式で印刷画像を形成する画像形成工程と、(3)画像を形成した前記中間転写記録媒体の前記受容層面へ、厚味が30〜150μmのフィルム状の接着層を積層する積層工程と、(4)該接着層面へ、繊維質素材の前記被転写体を重ね合わせた後に、前記中間転写記録媒体の面からアイロンで加熱加圧して転写する転写工程と、(5)前記中間転写記録媒体の前記基材を剥離し除去する剥離工程と、からなることを特徴とする画像形成方法である。
請求項3の発明に係わる中間転写記録媒体は、請求項1〜2のいずれかに記載の画像形成方法に用いる中間転写記録媒体であって、基材と、該基材の一方の面に、少なくとも剥離層、並びに少なくともカチオン性ウレタン系樹脂、カチオン性フィックス剤、光輝性細片及びマイクロシリカとを含む受容層が順に積層されてなり、前記カチオン性ウレタン系樹脂が1〜3級アミン若しくは4級アンモニウム塩基であるカチオン性親水基を有するポリカーボネート系又はポリエステル系のポリオールと脂肪族イソシアネートの反応物であり、前記カチオン性フィックス剤が脂肪族4級アンモニウム塩であり、前記光輝性細片が0.01〜1mm 2 の面積を持つ多角形のホログラムフレークであり、前記受容層の配合割合が質量基準でカチオン性ウレタン系樹脂:カチオン性フィックス剤:ホログラムフレーク:マイクロシリカ=100:5〜20:0.2〜10:1〜12であり、前記受容層へインクジェット方式で画像が印字できることを特徴とする中間転写記録媒体である。
請求項3の本発明によれば、布や紙などの繊維質素材への画像の形成が、容易に低コストにて製造でき、かつ、1枚毎の個別情報の印字などの少ロットの画像で、メタリック調やラメ調の光輝性を有する意匠性を有するインクジェット受容層へ、インクジェット方式が印字でき、かつ、洗濯などの使用でも耐堅牢性に優れる中間転写記録媒体が提供される。
図1は、本発明の1実施例を示す画像形成方法のステップ図である。
図2は、本発明の1実施例を示す画像形成方法のステップ図である。
図3は、本発明の1実施例を示す中間転写記録媒体の断面図である。
図4は、本発明の中間転写記録媒体の受容層へ画像を形成した断面図である。
図5は、図4の画像を形成した中間転写記録媒体とフィルム状の接着層と被転写体を重ね合わせて、アイロン転写する説明図である。
図6は、本発明の1実施例を示す中間転写記録媒体の断面図である。
(1)4〜25μm程度のPETフィルムへ、必要に応じてプライマ層を設けて、真空成膜法でアルミニウムなどで、厚さが0.02〜1μm程度の金属薄膜を成膜し、該PET/金属薄膜の金属薄膜面から微細エンボス法などで、ホログラムや回折格子などのレリーフを賦型する。次に、打ち抜き加工により、面積が0.01〜1mm2程度、好ましくは0.05〜0.16mm2程度で、多角形のホログラムフレークとすればよい。多角形とは頂点が3〜10程度、好ましくは3〜6程度の多角形で、辺長は不等でもよく、形状も正多角形、不等多角形でもよい。また、打ち抜きでの不可避なバリ、糸引きを容認する。具体的には、ホログラムサプライ(社)のホログラムフレークが例示できる。
(2)12〜50μmのPETフィルムへ、耐熱性離型層を設け、真空成膜法でアルミニウムなどで、厚さが0.02〜1μm程度の金属薄膜を成膜し、該PET/金属薄膜の金属薄膜面から微細エンボス法などで、ホログラムや回折格子などのレリーフを賦型する。次に、金属薄膜を離型層から剥離し分離して、粉砕し細分化すればよい。なお、ホログラムや回折格子は公知の2光束干渉法や描画法でよく、光回折性の凹凸(レリーフ)とし、該レリーフを公知のエンボスなどで、例えば上記のPET/金属薄膜の金属薄膜面へ賦型すればよい。必要に応じて金属薄膜面へプライマ層を設けてもよい。
(1)12〜50μmのPETフィルムへ、耐熱性離型層を設け、真空成膜法でアルミニウムなどの金属薄膜を成膜した後に、金属薄膜を離型層から剥離し分離して、粉砕し細分化すればよい。
(2)また、高輝度を維持するために、金属細片をセルロース誘導体で表面処理してもよい。金属細片の金属としては特に限定されないが、アルミニウムが好適に使用でき、金属細片の厚さは、0.01〜0.1μm程度、好ましくは0.03〜0.08μmであり、インキ中に分散させた金属細片の大きさは、直径が5〜100μm程度、好ましくは5〜25μm程度で、さらに好ましくは10〜15μmである。大きさが、この範囲未満の場合はインキ塗膜の輝度が不十分となり、この範囲を超えると、グラビア版のセルに入りにくく、またスクリーン版が目詰まりし易く、印刷塗膜の光沢が低下する。まず、PETフィルム/剥離層/金属薄膜/表面の酸化防止トップコート層からなる蒸着フィルムを作成し、該蒸着フィルムを溶剤中に浸積して、金属蒸着膜を剥離、撹拌、濾別、乾燥して、金属蒸着膜細片を得、さらに、撹拌しながら、セルロース誘導体溶液を加えて表面に、セルロースアセテートプロピオネート、エチルセルロースなどのセルロース誘導体を吸着させればよい。剥離層、トップコート層は特に限定されないが、例えば、セルロース誘導体、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレンなどが適用できる。該表面処理の後、金属蒸着膜細片を分離、又は金属蒸着膜細片スラリーをそのまま、少なくともカチオン性ウレタン系樹脂及びカチオン性フィックス剤とを含むバインダ、並びに溶剤へ配合、分散させてインキ化すればよい。インキ中への分散性を向上させて、インキ塗膜の金属光沢を高輝度としたものである。なお、金属細片を用いた場合の、フィラーや、形成法はホログラムフレークを用いた場合と同様でよい。
(1)受容層21としてトナー密着性のある合成樹脂を含む層とし、画像の形成がノンインパクト方式であるように構成してもよい。
(2)受容層21としてオフセットインキ密着性のある合成樹脂を含む層とし、画像の形成がオフセット印刷であるように構成してもよい。
・<剥離層の樹脂組成物>
剥離ニス45−3(アクリル系樹脂、昭和インク社製、商品名) 10質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 0.5質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 90質量部
該剥離層12面へ、下記のプライマ層の組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが1μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、プライマ層とした。
・<プライマ層組成物途工液>
ポリエステル樹脂 10質量部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 80質量部
該プライマ層面へ、下記の受容層組成物(pH=3.5)をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが5μmになるように、塗工し乾燥させて、受容層21とし、実施例1の中間転写記録媒体10を得た。
・<受容層組成物途工液(pH=3.5)>
第4級アンモニウム塩型ポリカーボネート系ポリウレタン 20質量部
ダンフィックス505RE(日東紡績社製;ポリカチオン性フィックス剤)2質量部
ホログラムフレーク 0.4質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
溶媒(水:IPA=3:1) 80質量部
なお、ホログラムフレークは、厚さ12μmの易接着PETフィルム/厚さ500nmのアルミニウム薄膜へホログラフィック回折格子をエンボス法で複製した。なお、ホログラフィック回折格子は2光束干渉法で撮影した。次に、マグネチックダイカッターで菱形に打ち抜き、100メッシュ(MAX254μm)の篩分けして、面積0.06mm2程度のホログラムフレークとした。
・<受容層組成物途工液>
第4級アンモニウム塩型ポリカーボネート系ポリウレタン 20質量部
ダンフィックス505RE(日東紡績社製;ポリカチオン性フィックス剤)2質量部
ホログラムフレーク 0.1質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
溶媒(水:IPA=3:1) 80質量部
・<受容層組成物途工液>
第4級アンモニウム塩型ポリカーボネート系ポリウレタン 20質量部
ダンフィックス505RE(日東紡績社製;ポリカチオン性フィックス剤)2質量部
ホログラムフレーク 2質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
溶媒(水:IPA=3:1) 80質量部
・<受容層組成物途工液>
第4級アンモニウム塩型ポリカーボネート系ポリウレタン 20質量部
ダンフィックス505RE(日東紡績社製;ポリカチオン性フィックス剤)2質量部
ホログラムフレーク 3質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
溶媒(水:IPA=3:1) 80質量部
次に、中間転写記録媒体10の画像103が形成された受容層21面へ、接着層19として、厚さが50μmのエリーテルUE−3800フィルム(ユニチカ社製、ポリエステル系ホットメルト型接着剤、商品名)、及び被転写体として、ポリエステル製のTシャツへ重ねて、中間転写記録媒体10面から加熱したアイロンを押し当てて転写した後に、基材11を剥離して、それぞれ画像が転写された実施例7〜12、比較例4〜6のTシャツを得た。
しかしながら、比較例1〜3の中間転写記録媒体10を用いて転写した比較例4〜6のいずれのTシャツの画像も洗濯性はよかったが、比較例4の画像は、ホログラムフレークが密集していて判読し難かった。比較例5の画像は、ホログラムフレークが細か過ぎて、ラメ調効果が認められなかった。比較例6の画像は、ホログラムフレークが大き過ぎて判読し難かった。
該Tシャツの画像は高画質で、該Tシャツを洗濯機に入れ、30℃のぬるま湯で2分間もみ洗いし風乾し、画像を目視にて観察したところ、著しいホログラムフレークの脱落はなかった。
11:基材
12:剥離層
16:プライマ層
19:接着層
21:受容層
100:被転写体
103:画像
Claims (3)
- 中間転写記録媒体を用いて被転写体へ画像を形成する画像形成方法であって、(1)基材と、該基材の一方の面に、少なくとも剥離層、並びに少なくともカチオン性ウレタン系樹脂、カチオン性フィックス剤、光輝性細片及びマイクロシリカとを含む受容層が順に積層されてなり、
前記カチオン性ウレタン系樹脂が1〜3級アミン若しくは4級アンモニウム塩基であるカチオン性親水基を有するポリカーボネート系又はポリエステル系のポリオールと脂肪族イソシアネートの反応物であり、
前記カチオン性フィックス剤が脂肪族4級アンモニウム塩であり、
前記光輝性細片が0.01〜1mm 2 の面積を持つ多角形のホログラムフレークであり、
前記受容層の配合割合が質量基準でカチオン性ウレタン系樹脂:カチオン性フィックス剤:ホログラムフレーク:マイクロシリカ=100:5〜20:0.2〜10:1〜12である中間転写記録媒体を準備する準備工程と、
(2)前記中間転写記録媒体の前記受容層へインクジェット方式で印刷画像を形成する画像形成工程と、
(3)画像を形成した前記中間転写記録媒体の前記受容層面へ、厚味が30〜150μmのフィルム状の接着層と繊維質素材の前記被転写体を重ね合わせた後に、前記中間転写記録媒体の面からアイロンで加熱加圧して転写する転写工程と、
(4)前記中間転写記録媒体の前記基材を剥離し除去する剥離工程と、からなることを特徴とする画像形成方法。 - 中間転写記録媒体を用いて被転写体へ画像を形成する画像形成方法であって、
(1)基材と、該基材の一方の面に、少なくとも剥離層、並びに少なくともカチオン性ウレタン系樹脂、カチオン性フィックス剤、光輝性細片及びマイクロシリカとを含む受容層が順に積層されてなり、
前記カチオン性ウレタン系樹脂が1〜3級アミン若しくは4級アンモニウム塩基であるカチオン性親水基を有するポリカーボネート系又はポリエステル系のポリオールと脂肪族イソシアネートの反応物であり、
前記カチオン性フィックス剤が脂肪族4級アンモニウム塩であり、
前記光輝性細片が0.01〜1mm 2 の面積を持つ多角形のホログラムフレークであり、
前記受容層の配合割合が質量基準でカチオン性ウレタン系樹脂:カチオン性フィックス剤:ホログラムフレーク:マイクロシリカ=100:5〜20:0.2〜10:1〜12である中間転写記録媒体を準備する準備工程と、
(2)前記中間転写記録媒体の前記受容層へインクジェット方式で印刷画像を形成する画像形成工程と、
(3)画像を形成した前記中間転写記録媒体の前記受容層面へ、厚味が30〜150μmのフィルム状の接着層を積層する積層工程と、
(4)該接着層面へ、繊維質素材の前記被転写体を重ね合わせた後に、前記中間転写記録媒体の面からアイロンで加熱加圧して転写する転写工程と、
(5)前記中間転写記録媒体の前記基材を剥離し除去する剥離工程と、からなることを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1〜2のいずれかに記載の画像形成方法に用いる中間転写記録媒体であって、
基材と、該基材の一方の面に、少なくとも剥離層、並びに少なくともカチオン性ウレタン系樹脂、カチオン性フィックス剤、光輝性細片及びマイクロシリカとを含む受容層が順に積層されてなり、
前記カチオン性ウレタン系樹脂が1〜3級アミン若しくは4級アンモニウム塩基であるカチオン性親水基を有するポリカーボネート系又はポリエステル系のポリオールと脂肪族イソシアネートの反応物であり、
前記カチオン性フィックス剤が脂肪族4級アンモニウム塩であり、
前記光輝性細片が0.01〜1mm 2 の面積を持つ多角形のホログラムフレークであり、
前記受容層の配合割合が質量基準でカチオン性ウレタン系樹脂:カチオン性フィックス剤:ホログラムフレーク:マイクロシリカ=100:5〜20:0.2〜10:1〜12であり、
前記受容層へインクジェット方式で画像が印字できることを特徴とする中間転写記録媒体。
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