JP5244608B2 - 二糖類化合物のナトリウム塩及びその製造方法並びにその使用 - Google Patents

二糖類化合物のナトリウム塩及びその製造方法並びにその使用 Download PDF

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Description

本発明は、下記式:
Figure 0005244608
で表される二糖類化合物のナトリウム塩に関する。
本願は、2006年11月22日に、日本に出願された特願2006−315020号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
上記式で表される化合物及びその4ナトリウム塩は、グラム陰性菌外膜に存在するリポ多糖類(LPS:Lipopolysaccharide)成分あるいはエンドトキシンが引き起こす致死率の高いグラム陰性菌血症、特にエンドトキシンショックの予防・治療等に優れた効果を有することが知られている。また、ヒトにおいても優れた抗エンドトキシン作用を有することが確認されており(非特許文献1)、また、細菌の菌体成分を認識する受容体のひとつであるTLR4(toll−like receptor 4)に対して拮抗作用を有することも知られている(特許文献1、特許文献2)。それらの作用に基づいて、前記化合物及びその4ナトリウム塩は、敗血症、内毒素症、冠動脈バイパス形成術の予後改善等の予防又は治療剤として特に有用であることが報告されている(特許文献2、特許文献3)。
国際公開第2004/071465号パンフレット 国際公開第96/39411号パンフレット 国際公開第2004/074303号パンフレット Lynn et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 308 (1): 175-181, 2004
しかしながら、前記化合物の4ナトリウム塩は、保管条件によっては、その保存中に僅かに分解し、経時的に微量の不純物を発生することがこの度見出された。医薬としての安全性の観点からは、前記化合物のナトリウム塩の保存中の経時的な分解は極力回避すべきである。
そこで、本発明は、上記式で表される化合物のナトリウム塩の経時的な分解を抑制し、不純物の発生を低減して、安全性に優れた医薬を提供することをその目的とする。
上記の目的は、平均式(I):
Figure 0005244608
(式中、m、n、m、及び、nはそれぞれ独立に0又は2以下の正数を表し、但し、m+n=2、m+n=2、且つ、0<m+m<4、0<n+n<4)
で表されるナトリウム塩により達成される。
上記平均式(I)においては、3≦n+n<4であることが好ましく、更に、3.5≦n+n≦3.8であることがより好ましい。
また、上記平均式(I)で表されるナトリウム塩のナトリウム含量は、5.0重量%以上6.5重量%未満が好ましく、5.7重量%以上6.3重量%以下がより好ましい。
平均式(I)で表されるナトリウム塩は、一般式(II):
Figure 0005244608
で表される化合物をナトリウム含有塩基で不完全中和することにより得ることができる。
また、本発明の目的は、一般式(III):
Figure 0005244608
(式中、m’、n’、m’、及び、n’はそれぞれ独立に0又は2以下の整数を表し、但し、m’+n’=2、m’+n’=2、且つ、0<m’+m’<4、0<n’+n’<4)
で表されるナトリウム塩によっても達成することができる。
具体的には、一般式(IV):
Figure 0005244608
で表されるナトリウム塩を一般式(III)で表されるナトリウム塩と共存させることによって、一般式(IV)で表されるナトリウム塩の分解を抑制し、当該塩中の不純物の発生を抑制する。
したがって、本発明の目的は、上記一般式(IV)で表されるナトリウム塩を一般式(III)で表されるナトリウム塩と共に保存することによって達成される。
平均式(I)で表される本発明のナトリウム塩は、経時的な分解が極力抑制されており、安定性が高いので、医薬としての安全性に優れるものである。平均式(I)において3≦n+n<4、特に3.5≦n+n≦3.8の場合、或いは、ナトリウム含量が5.0重量%以上6.5重量%未満、特に5.7重量%以上6.3重量%以下の場合が優れている。
本発明の平均式(I)で表されるナトリウム塩の製造方法は、人体に有害な物質を使用することがなく、また、複雑な工程を経ることがないので、医薬の製造方法として優れたものである。
また、本発明の一般式(III)で表されるナトリウム塩は、一般式(IV)で表されるナトリウム塩の経時的な分解を抑制し、不純物の発生を低減するので、一般式(IV)で表されるナトリウム塩の長期に亘る保存が可能となる。
[本発明1001]
平均式(I):
[化1]
Figure 0005244608
(式中、m 1 、n 1 、m 2 、及び、n 2 はそれぞれ独立に0又は2以下の正数を表し、但し、m 1 +n 1 =2、m 2 +n 2 =2、且つ、0<m 1 +m 2 <4、0<n 1 +n 2 <4)
で表されるナトリウム塩。
[本発明1002]
3≦n 1 +n 2 <4である、本発明1001のナトリウム塩。
[本発明1003]
3.5≦n 1 +n 2 ≦3.8である、本発明1001のナトリウム塩。
[本発明1004]
ナトリウム含量が5.0重量%以上6.5重量%未満である、本発明1001のナトリウム塩。
[本発明1005]
ナトリウム含量が5.7重量%以上6.3重量%以下である、本発明1001のナトリウム塩。
[本発明1006]
一般式(II):
[化2]
Figure 0005244608
で表される化合物をナトリウム含有塩基で不完全中和させることを特徴とする、本発明1001乃至1005のいずれかのナトリウム塩の製造方法。
[本発明1007]
一般式(III):
[化3]
Figure 0005244608
(式中、m’ 1 、n’ 1 、m’ 2 、及び、n’ 2 はそれぞれ独立に0又は2以下の整数を表し、但し、m’ 1 +n’ 1 =2、m’ 2 +n’ 2 =2、且つ、0<m’ 1 +m’ 2 <4、0<n’ 1 +n’ 2 <4)
で表されるナトリウム塩。
[本発明1008]
一般式(IV):
[化4]
Figure 0005244608
で表されるナトリウム塩の分解抑制方法であって、一般式(IV)のナトリウム塩を本発明1007のナトリウム塩と共存させることを特徴とする分解抑制方法。
[本発明1009]
一般式(IV):
[化5]
Figure 0005244608
で表されるナトリウム塩中の不純物発生抑制方法であって、一般式(IV)のナトリウム塩を本発明1007のナトリウム塩と共存させることを特徴とする不純物発生抑制方法。
[本発明1010]
一般式(IV):
[化6]
Figure 0005244608
で表されるナトリウム塩の保存方法であって、一般式(IV)のナトリウム塩を本発明1007のナトリウム塩と共に保存することを特徴とする保存方法。
実施例2〜4及び比較例1の不純物発生率を示す第1の図である。 実施例2〜4及び比較例1の不純物発生率を示す第2の図である。
本発明に関連する、一般式(II)で表される化合物、及び、その4ナトリウム塩である一般式(IV)で表される化合物は公知の任意の方法により合成することができる。
例えば、一般式(IV)で表される化合物は、WO96/39411(特許文献2)に記載されるように、以下のステップを経て合成することができる。
Figure 0005244608
また、一般式(II)及び(IV)で表される化合物は、例えば、WO2004/074303(特許文献3)に記載されるように、単糖類に2本のアシル型側鎖を予め導入後、これらを結合する以下のスキーム1、及び、スキーム1で得られた化合物をリン酸化するスキーム2を経て合成することもできる。
Figure 0005244608
Figure 0005244608
ただし、WO96/39411(特許文献2)記載の方法は合成ステップが多く製造効率面での課題を有する。また、WO2004/074303(特許文献3)の方法は合成ステップが大幅に削減されるものの、人体に毒性を有する試薬、並びに、爆発性を有する試薬を使用するので、安全性・操作性の面で改善の余地がある。
したがって、一般式(II)及び(IV)で表される化合物は、合成ステップが少なく、且つ、人体に毒性を有する試薬、並びに、爆発性を有する試薬を使用しない以下の方法によって製造することが好ましい。
Figure 0005244608
DDP:ジアリル N,N−ジイソプロピルホスホラミデート
Py:ピリジン
TFA:トリフルオロ酢酸
Figure 0005244608
Figure 0005244608
上記の製造方法の第1工程は、式(1)の化合物に亜リン酸基を導入後、酸化反応を経て式(2)の化合物とする工程である。本工程で用いられる溶媒は、特に限定されないが、原料物質と容易に反応しない不活性溶媒が望ましく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、例えばクロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、例えばヘキサン、へプタン等の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、例えば酢酸エチル、酢酸メチル等の酢酸エステル類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピペリドン、ヘキサメチルホスホリルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類およびそれらの混合溶媒等が挙げられ、中でも芳香族炭化水素溶媒が好ましく、特に例えばトルエンが好適である。
本工程は、ピリジンおよびトリフルオロ酢酸の存在下で行うことにより、緩和な条件で反応が進行する。本工程で使用するピリジンとトリフルオロ酢酸は、式(1)の化合物に対して、等量ないし過剰に使用することができるが、反応を円滑に進め、精製処理等を考慮すると、それぞれ1.0〜3.0当量および1.0〜3.0当量が好ましく、中でもそれぞれ1.0〜2.0当量および1.0〜2.0当量が好適である。
本工程は、亜リン酸基を導入する工程と酸化工程の全2工程からなり、亜リン酸基を導入する工程で使用されるジアリル N,N−ジイソプロピルホスホラミデートは式(1)の化合物に対し、当量ないし過剰量用いることができるが、好ましくは1.0〜2.0当量である。亜リン酸基導入工程の反応時間は0.5〜4時間であり、好ましくは1〜2時間である。反応温度は−78℃〜室温で、好ましくは−40〜0℃である。酸化工程で使用される酸化剤は、過酸化水素、m−クロロ過安息香酸、オクソン等が挙げられるが、過酸化水素が最も好適である。過酸化水素は式(1)の化合物に対して、等量ないし過剰量用いることができるが、1.0〜3.0当量が好ましい。酸化工程の反応時間は、0.5〜6時間であり、好ましくは1〜4時間である。反応温度は−50〜0℃が好ましい。
上記の製造方法の第2工程は、式(2)の化合物から酸加水分解により1−プロペニル基を選択的に脱保護し、式(3)の化合物を製造する工程である。本工程で用いられる溶媒は、特に限定されないが、原料物質と容易に反応しない不活性溶媒が望ましく、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のアルコール類、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジグライム等のエーテル類、例えばクロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、例えばヘキサン、へプタン等の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、例えばアセトニトリル等のニトリル類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピペリドン、ヘキサメチルホスホリルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類があげられ、中でもアセトニトリル等のニトリル類が好適である。
本工程で使用される酸とは、一般的な有機酸および無機酸が挙げられ、有機酸としては、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸等の一カルボン酸;シュウ酸等の二カルボン酸;メタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機スルホン酸、無機酸としては、例えばリン酸、塩酸、硫酸、硝酸を使用することができ、塩酸、硫酸等の無機酸が好適である。
本工程で使用する酸は、式(2)の化合物に対して触媒量ないし過剰に使用することができるが、反応を円滑に進め、精製処理等を考慮すると、0.01〜1.5当量が好ましく、中でも0.1〜1.0当量が好適である。
反応時間は0.5〜12時間であり、好ましくは1〜6時間である。反応温度は0℃ないし加熱還流であり、好ましくは10〜60℃である。
なお、得られた式(3)の化合物は至適条件下で結晶を得ることにより純度の向上等の効果が得られる。
上記の製造方法の第3工程は、式(3)の化合物に塩基の存在下、脱離基としてトリクロロアセトイミデート基を導入し、式(4)の化合物を製造する工程である。本工程で使用されるトリクロロアセトニトリルは、式(3)の化合物に対して、等量ないし過剰に使用することができるが、反応を円滑に進め、精製処理等を考慮すると、1.0〜10.0当量が好ましく、中でも2.0〜5.0当量が好適である。
本工程で用いられる溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、例えばクロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、例えば酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル類、水、それらの混合溶媒等が挙げられ、中でも酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル類と水の混合溶媒が好適であり、反応を再現性良く行うことができる。
溶媒として使用される酢酸エステル類と水の混合比は、水の割合として1〜10%(容量/容量比)が好ましく、中でも2〜5%が好適である。
本工程で使用される塩基とは、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、例えば炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩、例えばナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド類があげられ、中でも、炭酸カリウム等の炭酸塩が好ましい。
本工程で使用する塩基は、式(3)の化合物に対して、等量ないし過剰に使用することができるが、反応を円滑に進め、精製処理等を考慮すると、0.5〜3.0当量が好ましく、中でも1.0〜1.3当量が好適である。
反応時間は0.5〜24時間であり、好ましくは1〜5時間である。反応温度は−20℃〜室温で行うことが好ましく、中でも−5〜10℃が好適である。
上記の製造方法の第4工程は、式(4)の化合物と式(5)の化合物をグリコシル結合して、式(6)の化合物を製造する工程である。グリコシル化反応は酸触媒の存在下、進行することができる。本工程で使用される酸触媒としては、有機酸、ルイス酸をあげることができるが、有機酸としてのメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸が好ましく、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸が特に好適である。
本工程で用いられる溶媒は、原料物質と容易に反応しない不活性溶媒が望ましく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、例えばクロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、へプタン等の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類の溶媒またはこれらの混合物が挙げられる。中でも、ヘキサン、へプタン等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類の溶媒またはその混合溶媒が好ましく、中でもヘプタンとトルエンの混合溶媒が好適である。反応温度は、0℃ないし加熱還流で行うことができ、10〜30℃が好ましい。反応時間は1時間〜7日間行うことができ、8時間〜3日間が好ましい。
上記の製造方法の第5工程は、式(6)の化合物から酸加水分解により1−プロペニル基を選択的に脱保護し、式(7)の化合物を製造する工程である。本工程で用いられる溶媒は、特に限定されないが、原料物質と容易に反応しない不活性溶媒が望ましく、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のアルコール類、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジグライム等のエーテル類、例えばクロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、例えばヘキサン、へプタン等の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、例えばアセトニトリル等のニトリル類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピペリドン、ヘキサメチルホスホリルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類があげられ、中でもアセトニトリル等のニトリル類が好適である。
本工程で使用される酸とは、一般的な有機酸および無機酸が挙げられ、有機酸としては、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸等の一カルボン酸;シュウ酸等の二カルボン酸;メタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機スルホン酸、無機酸としては、例えばリン酸、塩酸、硫酸、硝酸を使用することができ、塩酸、硫酸等の無機酸が好適である。
本工程で使用する酸は、式(6)の化合物に対して触媒量ないし過剰に使用することができるが、反応を円滑に進め、精製処理等を考慮すると、0.01〜1.5当量が好ましく、中でも0.1〜0.5当量が好適である。
反応時間は0.5〜12時間であり、好ましくは1〜6時間である。反応温度は0℃ないし加熱還流であり、好ましくは10〜60℃である。
なお、本工程は減圧下に反応、処理を行うことで収量の向上、操作性の改善、副生成物の減少等の効果が得られる。
上記の製造方法の第6工程は、式(7)の化合物に亜リン酸を導入後、酸化反応を経て式(8)の化合物とする工程である。本工程で用いられる溶媒は、特に限定されないが、原料物質と容易に反応しない不活性溶媒が望ましく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、例えばクロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、例えばヘキサン、へプタン等の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、例えば酢酸エチル、酢酸メチル等の酢酸エステル類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピペリドン、ヘキサメチルホスホリルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類およびそれらの混合溶媒等が挙げられ、中でも
芳香族炭化水素溶媒が好ましく、特に例えばトルエンが好適である。
本工程は、ピリジンおよびトリフルオロ酢酸の存在下で行うことにより、緩和な条件で反応が進行する。本工程で使用するピリジンとトリフルオロ酢酸は、式(7)の化合物に対して、等量ないし過剰に使用することができるが、反応を円滑に進め、精製処理等を考慮すると、それぞれ1.0〜3.0当量および1.0〜3.0当量が好ましく、中でもそれぞれ1.0〜2.0当量および1.0〜2.0当量が好適である。
本工程は、亜リン酸基を導入する工程と酸化工程の全2工程からなり、亜リン酸基を導入する工程で使用されるジアリル N,N−ジイソプロピルホスホラミデートは式(7)の化合物に対し、当量ないし過剰量用いることができるが、好ましくは1.5〜3.0当量である。亜リン酸基導入工程の反応時間は0.5〜24時間であり、好ましくは0.5〜4時間である。反応温度は−78℃〜室温で、好ましくは−40〜0℃である。酸化工程で使用される酸化剤は、過酸化水素、m−クロロ過安息香酸、オクソン等が挙げられるが、過酸化水素が最も好適である。酸化工程の反応時間は、0.5〜6時間であり、好ましくは1〜3時間である。反応温度は−50〜0℃が好ましい。
上記の製造方法の第7工程は、式(8)の化合物の2−プロペニル基を脱保護することにより、式(II)の化合物を製造する工程である。2−プロペニル基の除去は、文献記載の方法、例えば酸または塩基を用いる加水分解、パラジウム触媒等の金属触媒を用いる脱アリル化反応等により行うことができる。中でも、例えばパラジウム触媒等の金属触媒を用いる脱アリル化反応が好ましく、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の0価のパラジウム触媒の使用が特に好ましい。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の0価のパラジウム触媒は、市販の試薬を用いることもできるが、試薬の安定性から、反応系内で生成させる方法が好ましく、例えば2価のパラジウム試薬とトリフェニルホスフィン等の配位子との組み合わせが好適である。本工程で使用される2価のパラジウム試薬としては、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)等をあげることができる。例えば酢酸パラジウムを2価のパラジウム試薬として使用する場合、酢酸パラジウムは、式(8)の化合物に対して、触媒量使用することができるが、反応を円滑に進め、精製処理等を考慮すると、0.01〜0.50当量が好ましく、0.05〜0.25当量が好適である。トリフェニルホスフィンは式(8)の化合物に対し、1.5〜10当量用いることができ、3.0〜5.0当量がより好ましい。本反応に使用される求核剤としては、分子内に活性メチレン構造を有する化合物が好ましく、例えばシアノ酢酸エチル等の鎖状有機酸エステル類、メルドラム酸(Isopropylidene malonate)等の環状有機酸エステル類、ジメドン(5,5−Dimethyl−1,3−cyclohexanedione)等の環状ケトン類があげられ、中でもメルドラム酸等の環状有機酸エステル類、ジメドン等の環状ケトン類が副生成物減少の点で好適である。
本工程で用いられる求核剤は、酢酸パラジウムに対し、等量ないし過剰量、好ましくは10〜100当量、より好ましくは20〜30当量程度用いる。反応時間は1〜12時間であり、好ましくは2〜6時間である。反応温度は10〜50℃の温度で、好ましくは20〜40℃である。
本工程で用いられる溶媒は、特に限定されないが、原料物質と容易に反応しない不活性溶媒が望ましく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、例えばクロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、へプタン等の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類の溶媒またはこれらの混合物が挙げられ、特にテトラヒドロフランが好適である。
本工程で使用されるパラジウム触媒に起因する残留パラジウムの除去には、特に限定されないが、トリメルカプトトリアジン、ジメチルジチオカルバメートナトリウム等の硫黄含有化合物、ダイヤイオン(登録商標)CR20等の樹脂固定型吸着剤、シリカゲルカラム等のカラムクロマトグラフィーの使用が好ましく、中でも、トリメルカプトトリアジン、ジメチルジチオカルバメートナトリウム等の硫黄含有化合物が好適である。
上記の製造方法の第8工程は、式(II)で表される化合物にナトリウムイオン供給源を必要量加えることにより、式(IV)で表される化合物を製造する工程である。
本工程で用いられるナトリウムイオン供給源としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のナトリウム含有塩基があげられ、中でも、水酸化ナトリウムが好適である。
本工程で用いられる溶媒は、特に限定されないが、原料物質と容易に反応しない不活性溶媒が望ましく、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のアルコール類、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル等の酢酸エステル類、例えばアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、例えばアセトニトリル等のニトリル類、水またはそれらの混合溶媒等が挙げられ、中でもメタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のアルコール類が好ましい。
一般式(II)で表される化合物、及び、一般式(IV)で表される4ナトリウム塩の形態の化合物は、グラム陰性菌外膜に存在するリポ多糖類成分あるいはエンドトキシンが引き起こす致死率の高いグラム陰性菌血症、特にエンドトキシンショックにおいて主要な役割を担うリピッドAに拮抗し、優れた抗エンドトキシン作用を示し、また、細菌の菌体成分を認識する受容体のひとつであるTLR4に対して拮抗作用を示すことから、敗血症、内毒素症、冠動脈バイパス形成術の予後改善の予防又は治療剤として特に有用であり、医薬品の有効成分として好適なものである。
しかし、一般式(IV)で表される4ナトリウム塩は、その保存中に僅かではあるが分解し、経時的に微量の不純物を発生する。一般式(II)で表される化合物のナトリウム塩を医薬品の製造原体として使用する場合には、その経時的な分解を極力抑制して、不純物の発生を抑制することが好ましい。
そこで、本発明では、一般式(II)で表される化合物のナトリウム塩として、一般式(IV)で表される4ナトリウム塩ではなく、平均式(I):
Figure 0005244608
(式中、m、n、m、及び、nはそれぞれ独立に0又は2以下の正数を表し、但し、m+n=2、m+n=2、且つ、0<m+m<4、0<n+n<4)
で表されるナトリウム塩を採用する。平均式(I)で表されるナトリウム塩はそのリン酸部位に水素原子が一部存在しているので、一般式(II)で表される化合物のナトリウム酸性塩ということができる。平均式(I)で表されるナトリウム塩は、一般式(IV)で表される4ナトリウム塩に比較して、経時的な分解、並びに、不純物の発生が抑制される。
上記平均式(I)中、3≦n+n<4であることが不純物の発生がより少ないので好ましく、3.5≦n+n≦3.8であることがより好ましい。
また、上記平均式(I)で表されるナトリウム塩のナトリウム含量は、5.0重量%以上6.5重量%未満の範囲が不純物の発生がより少ないので好ましく、5.7重量%以上6.3重量%以下がより好ましい。
上記平均式(I)で表されるナトリウム塩は、一般式(II)で表される化合物をナトリウム含有塩基で不完全中和させることによって調製することができる。ここで「不完全中和」とは、一般式(II)で表される化合物のリン酸部位の水素原子が全て消費される(完全中和)のではなく、その化合物の少なくとも一部のリン酸部位が水素原子を有する状態で中和を完了することを意味する。したがって、上記平均式(I)で表されるナトリウム塩中には、一般式(III):
Figure 0005244608
(式中、m’、n’、m’、及び、n’はそれぞれ独立に0又は2以下の整数を表し、但し、m’+n’=2、m’+n’=2、且つ、0<m’+m’<4、0<n’+n’<4)
で表されるナトリウム塩が存在する。
ナトリウム含有塩基としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、水酸化ナトリウムが好適である。処理温度は特に限定されるものではなく、例えば10〜80℃の温度で実施することができ、好ましくは20〜40℃で実施される。
前記不完全中和は、適当な溶媒中で実施することができる。ここで用いられる溶媒は、特に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル等の酢酸エステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、水、又は、これらの混合物を使用することができ、特に、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のアルコール類が好ましい。
前記不完全中和の具体的な手法としては、特に限定されるものではないが、例えば、一般式(II)で表される化合物を、その4当量未満の水酸化ナトリウム等の一価のナトリウム含有塩基で処理する方法が挙げられる。
上記平均式(I)で表されるナトリウム塩は様々なナトリウム塩の混合物である。具体的には、平均式(I)で表されるナトリウム塩は、一般式(IV)で表されるナトリウム塩と一般式(III)で表されるナトリウム塩との混合物であり、換言すれば、平均式(I)で表されるナトリウム塩は、一般式(IV)で表されるナトリウム塩のみからなる集合体の一部を一般式(III)で表されるナトリウム塩で置換したものに対応する。
したがって、本発明の別の態様は、一般式(IV)で表されるナトリウム塩を一般式(III)で表されるナトリウム塩と共存させて、一般式(IV)で表されるナトリウム塩の分解を抑制する方法、並びに、一般式(IV)で表されるナトリウム塩中の不純物の発生を抑制する方法である。
そして、本発明の更なる別の態様は、一般式(IV)で表されるナトリウム塩を一般式(III)で表されるナトリウム塩と保存することにより、長期保存を可能とする保存方法である。これにより、本発明では、1ヶ月以上、好ましくは3ヶ月、より好ましくは半年以上に亘って良好な保存が可能となる。
上記の分解抑制方法、不純物発生抑制方法、及び、保存方法の実施温度は特に限定されるものではないが、分解・不純物発生の更なる抑制のためには比較的低温で実施することが好ましく、例えば、10〜80℃、好ましくは10〜40℃、より好ましくは10〜25℃で実施される。
上記平均式(I)で表されるナトリウム塩は、標的とする疾患の予防又は治療に有効な量で投与することができる。投与量は、例えば、患者1人当たり0.01〜50mgであり、好ましくは0.05〜25mg、最も好ましくは1〜12mgとすることができる。
上記平均式(I)で表されるナトリウム塩を含む医薬は、経口投与又は非経口投与のいずれの態様でも投与可能であるが、好ましくは、非経口経路で投与される。非経口経路には皮下、静脈内、筋肉内及び動脈内への注入が含まれる。ここでの「注入」とは注射に限られず、カテーテルを通しての投与を含む。非経口投与の態様としては静脈注射が最も好ましい。
前記医薬は、経口投与の場合は、例えば顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、シロップ剤等の形態をとることができ、非経口投与の場合は、例えば注射剤(静脈内注射剤、皮下注射剤、筋肉内注射剤等)、坐剤、外用剤(経皮製剤、軟膏剤等)の形態をとることができる。
上記の各種の製剤には、通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、及び、必要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤等を配合することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に例証するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
参考例1−7に係る化合物の同定は、WO2004/074303(特許文献3)記載の製造法に従い合成された化合物を対照とし、HPLC法によって保持時間を比較することにより行った。化合物の定量は、WO2004/074303(特許文献3)記載の製造法に従い合成された化合物を対照として作成した検量線より、HPLC法によってUV検出器から得られる強度より算出した。
HPLC法において使用できる固定相は、特に限定されないが、C18(ODS)、C4、C8、C22、C30等の逆相カラムが好ましい。移動相は、特に限定されないが、アセトニトリル、メタノール、水等の溶媒あるいはそれらの混合溶媒が好ましく、所望により過塩素酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、リン酸等の酸類およびそれらの塩類、トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミン類を添加することにより良好なピーク分離が得られる。また、カラムオーブン等でカラム温度を一定に保つことにより、ピーク分離、保持時間の再現性が向上する。
[参考例1]
α−D−グルコピラノース, (1Z)−1−プロペニル 2−デオキシ−3―O―[(3R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−[[(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル]アミノ]−, 4−(ジ−2−プロペニル ホスフェート) の合成
Figure 0005244608
2Lの4径フラスコにα−D−グルコース,(1Z)−1−プロペニル 2−デオキシ−3−O−[(3R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−[[(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル]アミノ]− [CAS登録番号: 748165−17−5]235gをトルエン 933mLに溶解した後、ジアリル N,N−ジイソプロピルホスホラミデート 129mL、ピリジン 39.4mL、トリフルオロ酢酸 36.3mLを順次室温にて滴下した。滴下終了1.5時間後、反応液を−20℃に冷却し、過酸化水素 47.5mLを含むアセトニトリル希釈溶液(933mL)を37分かけて滴下した。滴下終了40分かけて10℃まで昇温させた。3時間後、5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液 940mLを加え反応をクエンチし、室温まで昇温した。酢酸エチルで抽出し、冷蔵保存した溶液を標題化合物の溶液として、そのまま次の反応に使用した。
[参考例2]
α−D−グルコース, 2−デオキシ−3−O−[(3R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−[[(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル]アミノ]−, 4−(ジ−2−プロペニル ホスフェート) の合成
Figure 0005244608
参考例1で得られたα−D−グルコピラノース,(1Z)−1−プロペニル 2−デオキシ−3―O―[(3R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−[[(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル]アミノ]−, 4−(ジ−2−プロペニル ホスフェート)溶液を1N塩酸水 699mLで洗浄し、5N 塩酸水 27.9mLを添加して、室温にて5時間攪拌した。5%重曹水 699mLで中和後、酢酸エチルで分液し、有機層を5%食塩水 699mLで洗浄した。無水硫酸マグネシウム 69.9gを加えて乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣にアセトン466mLを加え、再び減圧濃縮した。このアセトン処理を繰り返し、標題化合物の粗体 289.1g(含有率92.1%、含量266.3g)を得た。収率97%。
得られた粗体 289.1gにアセトニトリル 1065mLを加え、20℃で5分間攪拌後、4時間で0℃まで冷却し、さらに4時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下室温にて終夜乾燥して、228.6g相当の標題化合物を得た。
[参考例3]
α−D−グルコピラノース, 2−デオキシ−3―O―[(3R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−[[(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル]アミノ]−, 4−(ジ−2−プロペニル ホスフェート) 1−(2,2,2−トリクロロエタンイミデート) の合成
Figure 0005244608
2Lの4径フラスコにα−D−グルコース, 2−デオキシ−3−O−[(3R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−[[(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル]アミノ]−, 4−(ジ−2−プロペニル ホスフェート) 280g、炭酸カリウム 46.8g、酢酸メチル 560mL、トリクロロアセトニトリル 170mL、水 8.4mLを加え、0℃で窒素雰囲気下2時間撹拌した。反応液をセライト濾過し40℃で減圧濃縮した。続いてヘプタン 560mLで3回共沸を行い、標題化合物 432g(含量63.9%、ヘプタン171.4mL含有)を得た。収率87.5%
[参考例4]
α−D−グルコピラノシド, (1Z)−1−プロペニル 6−O−〔4−O−〔ビス(2−プロペニルオキシ)ホスフィニル〕−2−デオキシ−3−O−〔(3R)−3−メトキシデシル〕−6−O−メチル −2−〔〔(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル〕アミノ〕−β−D−グルコピラノシル〕−3−O−デシル−2−デオキシ−2−〔(1,3−ジオクソテトラデシル)アミノ〕−, 4−(2−プロペニル カーボネート) の合成
Figure 0005244608
2Lの4径フラスコにα−D−グルコピラノース, 2−デオキシ −3−O−〔(3R)−3−メトキシデシル〕−6−O−メチル−2−〔〔(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル〕アミノ〕−, 4−(ジ−2−プロペニル ホスフェート) 1−(2,2,2−トリクロロエタンイミデート) 410.8gのヘプタン溶液(含量50.4%)、 ヘプタン 249.7mL、 α−D−グルコピラノシド, (1Z)−1−プロペニル 3−O−デシル−2−デオキシ−2−〔(1,3−ジオクソテトラデシル)アミノ〕−, 4−(2−プロペニル カーボネート) [CAS登録番号:185955−29−7]105.9g、トルエン 140mL、メタンスルホン酸 2.89mLを順次投入し、25℃で窒素雰囲気下15時間撹拌した。反応液に酢酸エチル 2000mL、水 1000mLを加え抽出、分液後、有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液 1000mL、10%食塩水 1000mLで順次洗浄した。減圧下(温浴45〜50℃)濃縮した後、残渣にメタノール 800mLを加え濃縮し、さらに同様の操作を繰り返すことで標題化合物の粗体を得た。
得られた粗体にメタノール 1920mLを加え、不溶物をセライト濾過した。不溶物とセライトをメタノールで洗浄した。さらに、メタノール 1400mLを溶液に加えた後、17℃に冷却し水 375mLを滴下した。その後−20℃に冷却し45分間撹拌した後、濾過した。濾過物を事前に0℃に冷却した90%含水メタノール 400mLで洗浄、そのままヌッチェ上で減圧乾燥し 427.2gの湿体を得た。
10Lの4径フラスコに湿体 427.2gを入れ、メタノール 2400mLを加え溶解した。10℃に冷却後、水 180mLを滴下した。滴下終了後0℃に冷却し、50分間撹拌した後、濾過した。濾過物を事前に0℃に冷却した90%含水メタノール 400mLで洗浄後、35℃で減圧乾燥することにより標題化合物 199.5g(含量:92.2%)を得た。収率92.6%
[参考例5]
α−D−グルコピラノース, 6−O−〔4−O−〔ビス(2−プロペニルオキシ)ホスフィニル〕−2−デオキシ−3−O−〔(3R)−3−メトキシデシル〕−6−O−メチル−2−〔〔(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル〕アミノ〕−β−D−グルコピラノシル〕−3−O−デシル−2−デオキシ−2−〔(1,3−ジオクソテトラデシル)アミノ〕−, 4−(2−プロペニル カーボネート) の合成
Figure 0005244608
10Lの4径フラスコにα−D−グルコピラノシド, (1Z)−1−プロペニル 6−O−〔4−O−〔ビス(2−プロペニルオキシ)ホスフィニル〕−2−デオキシ−3−O−〔(3R)−3−メトキシデシル〕−6−O−メチル−2−〔〔(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル〕アミノ〕−β−D−グルコピラノシル〕−3−O−デシル−2−デオキシ−2−〔(1,3−ジオクソテトラデシル)アミノ〕−, 4−(2−プロペニル カーボネート) 199.0g(含量:92.2%)、アセトニトリル 1990mL、1N塩酸水 34.6mLを加え、真空度130hPa、30℃で2時間撹拌した。更に減圧度とジャケット温度を除々に上げ、最終的に真空度106hPaでアセトニトリルを容量約3/4位まで濃縮した。濃縮液に10%食塩水 995mL、酢酸エチル 1493mLを加え抽出した。この後有機層を5%炭酸水素ナトリウム水 95mL、10%食塩水 995mLの順に洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム 60gで乾燥後、濾過した。濾液を濃縮し、残渣にトルエン 640mLを加え溶解し、標題化合物のトルエン溶液 778.1g(含量 155.6g相当)を得た。収率87.2%。
[参考例6]
α−D−グルコピラノース, 6−O−〔4−O−〔ビス(2−プロペニルオキシ)ホスフィニル〕−2−デオキシ−3−O−〔(3R)−3−メトキデシル〕−6−O−メチル−2−〔〔(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル〕アミノ〕−β−D−グルコピラノシル〕−3−O−デシル−2−デオキシ−2−〔(1,3−ジオクソテトラデシル)アミノ〕−, 1−(ジ−2−プロペニル ホスフェート) 4−(2−プロペニル カーボネート) の合成
Figure 0005244608
α−D−グルコピラノース, 6−O−〔4−O−〔ビス(2−プロペニルオキシ)ホスフィニル〕−2−デオキシ−3−O−〔(3R)−3−メトキシデシル〕−6−O−メチル−2−〔〔(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル〕アミノ〕−β−D−グルコピラノシル〕−3−O−デシル−2−デオキシ−2−〔(1,3−ジオクソテトラデシル)アミノ〕−, 4−(2−プロペニル カーボネート)のトルエン溶液 550.6g(含量110g相当)を、50℃で減圧濃縮した。残渣にトルエン 440mLを加え溶解した溶液を浴温45−50℃で減圧濃縮した。さらにトルエン 440mLを投入後窒素置換して、537.6g(含量109.13g)のトルエン溶液とした。この溶液を減圧濃縮した後、乾燥トルエン665mLを加え、窒素置換した。トリフルオロ酢酸 11.91mLを加え15時間攪拌後、ピリジン 12.50mLを加えた。−20℃に冷却後、ジアリル N,N−ジイソプロピルホスホラミデート 37.15mLを滴下した。滴下終了30分後に−30℃に冷却し、30%過酸化水素 15.17mLを滴下した。滴下終了6分後恒温槽を−20℃に設定した。1時間10分後、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液 655mLを加え反応をクエンチした。酢酸エチル 655mLを加え抽出し、有機層を0.5N塩酸水 655mL、10%食塩水 655mL、5%重曹水 655mL、10%食塩水 655mLで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム 43.7gを加えて乾燥後、濾過した。濾液を減圧濃縮して、159.0gの標題化合物(含量101.6g)を得た。収率83.5%。
[参考例7]
α−D−グルコピラノース, 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−(2−デオキシ−3−O−〔(3R)−3−メトキシデシル〕−6−O−メチル−2−〔〔(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル〕アミノ〕−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル)−2−〔(1,3−ジオクソテトラデシル)アミノ〕−, 1−(ジハイドロジェン ホスフェート) の合成
Figure 0005244608
3Lの4径フラスコに、メルドラム酸 70.49g、酢酸パラジウム 2.93g、トリフェニルホスフィン 51.3gを投入した。窒素置換後、テトラヒドロフラン 1321mLを加え、α−D−グルコピラノース, 6−O−[4−O−[ビス(2−プロペニルオキシ)ホスフィニル]−2−デオキシ−3−O−[(3R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−[[(11Z)−1−オクソ−11−オクタデセニル]アミノ]−β−D−グルコピラノシル]−3−O−デシル−2−デオキシ−2−[(1,3−ジオクソテトラデシル)アミノ]−, 1−(ジ−2−プロペニル ホスフェート) 4−(2−プロペニル カーボネート)101.6gのテトラヒドロフラン溶液(203mL)を加え32℃で2時間攪拌後、30℃にてさらに4時間攪拌し、反応液に250mLのメタノールを加えて減圧濃縮し、残渣 466.7gを得た。これにメタノール 4570mLを加えて40℃に加温し溶解させた後、トリメルカプトトリアジン 5.55gを加え室温で終夜撹拌した。析出したトリメルカプトトリアジン−パラジウム錯体を濾別し、さらにメタノールで洗浄し、濾液4330gを得た。
このメタノール溶液3908.2mLを減圧下濃縮し、残渣440.9gを得た。残渣にアセトン450mLを加え、減圧下濃縮後、再びアセトン450mLを加え濃縮した。残渣を終夜冷蔵保存後、アセトン1800mLを加え40℃に加温し、1.5時間攪拌した。これを空冷し30℃以下で1.5時間攪拌後濾取した。濾過物をアセトン 750mLで洗浄後、取り出した固体を35〜40℃で減圧乾燥し、粗体として標題化合物のフリー酸体104.48g(含量74.2%)を定量的に得た。
[カラム精製]
1)疎水性吸着樹脂カラム精製
前記フリー酸体 93.5g(フリー酸体 含量64.5%)をメタノール10Lに溶解後、精製水1110mLを加え、一部不要物を清澄ろ過した。濾さいを90%メタノール/水50mLで洗浄し、洗液と濾液を併せた。この溶液を疎水性吸着樹脂カラム(負荷率:1%w/カラム容積、SEPABEADS(登録商標) SP20SS、三菱化学(株))にロードした。90%メタノール/水で溶出しフリー酸体を精製した。収量はフリー酸体として54.3g(HPLC定量による)であった(カラム収率90%)。
2)陰イオン交換樹脂カラム精製
疎水性吸着樹脂カラム(SEPABEADS(登録商標) SP20SS)のメインフラクションの半量を陰イオン交換樹脂カラム(負荷率:0.5%W/カラム容積、TOYOPEARL(登録商標) DEAE650M、東ソー(株))にロードした。ロード終了後、95%メタノール/水(移動相A)と95%メタノール/水(0.25mol/L 酢酸ナトリウム含有)(移動相B)をグラジエント条件で陰イオン交換樹脂カラム(TOYOPEARL(登録商標) DEAE650M)に通液しフリー酸体を精製した。残りの半量についても同様な操作を行い合計でフリー酸体として48.3g(HPLC定量による)を得た(カラム収率89%)。
[精製物沈殿化]
前記陰イオン交換樹脂カラム精製におけるメインフラクション11L(フリー酸体として48.3g)に25℃でアセトニトリル17.6Lを滴下した。滴下終了後2時間攪拌を継続し、析出した沈殿物を減圧濾過した。濾取した沈殿物を減圧乾燥した(浴温25℃)ところ、沈殿物の収量は46.9gであった。得られた沈殿物についてHPLC定量分析と後述するナトリウム含量測定を行ったところ、フリー酸体含量89.5%(w/w)、42.0g(収率87%)、Na含量4.80%(w/w)(無水物換算)であった。
[実施例1]
DEAEカラムメインフラクション沈殿物39.0g(フリー酸体含量34.5g)とメタノール942.8Lを3Lの4径フラスコに入れ、25℃で攪拌する。0.2N 水酸化ナトリウム―メタノール溶液127.3mLを3L4径フラスコに加えた後、終夜攪拌した。溶液を清澄濾過し、濾液は10Lの4径フラスコに移した。濾液を移した10Lの4径フラスコに25℃でアセトン3413mLを滴下した。析出した沈殿物を濾取し、25℃で減圧乾燥して前記ナトリウム塩の塩を得た。収量は37.0gであり、フリー酸体の塩の含量は89.46%(w/w)、33.1g(収率95.9%)であった。
[ナトリウム含量測定]
実施例1で得られた塩のナトリウム含量を以下のようにして測定した。試料(沈殿物)25±2.5mgを精密に量りとり、50mlのコニカルチューブに入れ、メタノール5mlを加えて完全に溶解させた。得られた溶液に、2.5mmol/Lのシュウ酸水溶液20mlを添加し、攪拌により均一化して試料溶液とした(n=2)。一方、同様の操作を行い、試料溶液に対するブランク溶液(BLsmp.)を調製した(n=1)。
ナトリウムイオン標準液(1000mg/L)3mLに2.5mmol/Lのシュウ酸水溶液/メタノール混合液(80:20,v/v)を添加して50mLとし、ナトリウム標準溶液とした(n=1)。一方、同様の操作を行い、ナトリウム標準溶液に対するブランク溶液(BLstd.)を調製した(n=1)。
電気伝導度検出器、分析カラム(内径4.6mm、長さ10cmの管に、陽イオン交換基としてカルボキシル基を結合させた直径約7μmのシリカゲルを充填したもの:例えば、(株)島津製作所製SHIM-PACK IC-C3)、ガードカラム1(内径6.0mm、長さ5cmの管に直径約20μmのトリアコンチルシリル化シリカゲルを充填したもの:例えば、Develosil社製ERP20)及びガードカラム2(内径4.6mm、長さ7.5mmの管に分析カラムと同様の粒子を充填したもの:例えば、(株)島津製作所製SHIM-PACK IC-GC3 II)を備えたイオンクロマトグラフィー(IC)システムを用いて、カラム温度を40℃に設定して、1.0mL/分の流量(移動相:2.5mmol/L シュウ酸水溶液)で、試料溶液、ナトリウム標準溶液及びブランク溶液を各10μLずつ注入してナトリウムイオンピーク面積を求め、以下の式によってナトリウム含量を決定した。
Figure 0005244608
Asmp.:試料溶液中のナトリウムイオンピーク面積(n=2の平均値)
ABLsmp.:試料溶液に対するブランク溶液(BLsmp.)中のナトリウムイオンピーク面積(n=2の平均値)
Astd.:ナトリウム標準溶液中のナトリウムイオンピーク面積 (n=2の平均値)
ABLstd.:ナトリウム標準溶液に対するブランク溶液(BLstd.)中のナトリウムイオンピーク面積(n=2の平均値)
f:ナトリウムイオン標準液に表示されている値付け結果(mg/L表示)
Wsmp.:試料の秤取量(mg)
KFsmp.:試料の水分値(%)
この結果、実施例1において得られた塩のナトリウム含量(無水物換算)は6.09重量%であり、フリー酸体の分子量が1313.68、ナトリウムの原子量が23.00、水素の原子量が1.01であることから、1313.68×6.09/(2300−21.99×6.09)=3.70より、3.70Na塩(平均式(I)においてn+n=3.70)であることが決定された。
[実施例2]
前記精製物沈殿化までの操作により、4.75重量%のナトリウム含量(無水物換算)を有する塩(2.84Na塩)を得た。
[実施例3]
DEAEメインクラクション沈殿物6.0g、溶解用メタノール74.5mL、0.2N 水酸化ナトリウム―メタノール溶液15.2mLおよびアセトン270mLを用いて、前記実施例1と同様の操作により、6.05重量%のナトリウム含量(無水物換算)を有する塩(3.67Na塩)を得た。
[実施例4]
DEAEメインクラクション沈殿物1.84g、溶解用メタノール21.4mL、0.2N 水酸化ナトリウム―メタノール溶液6.3mLおよびアセトン83mLを用いて、前記実施例1と同様の操作により 、6.45重量%のナトリウム含量(無水物換算)を有する塩(3.93Na塩)を得た。
[比較例1]
DEAEメインクラクション沈殿物2.47g、溶解用メタノール35.4mL、0.2N 水酸化ナトリウム―メタノール溶液8.7mLおよびアセトン111mLを用いて、前記実施例1と同様の操作により 、6.65%のナトリウム含量(無水物換算)を有する塩(4.06Na塩)を得た。
[保存安定性試験]
実施例2〜4及び比較例1の塩をスクリューキャップ付きのガラス瓶に入れ、25℃で30日間保存し、以下のようにして不純物A、B及びCの生成率を決定した。
実施例2〜4及び比較例1の各塩をメタノールに溶解させて5mg/mL濃度の溶液を調製した。各溶液及びブランク溶液(メタノールのみ)について、以下の表1に示す条件でHPLC分析を行ったところ3種の分解物を確認したので、面積百分率で3種の分解物(不純物A、B及びC)のそれぞれについて生成率(月ベースに換算)を算出した。
Figure 0005244608
A液:メタノール980mLとリン酸20mLとを混合し、脱気して得た。
B液:メタノール500mLとジクロロメタン500mLを混合し、その980mLをとり、リン酸20mLと十分混合した後に脱気して得た。
結果を表2〜5に示す。
Figure 0005244608
Figure 0005244608
Figure 0005244608
Figure 0005244608
表5の結果を図1及び図2に示す。図1において横軸は実施例2〜4及び比較例1の塩のn+nの値であり、図2において横軸は実施例2〜4及び比較例1の塩のナトリウム含量に対応する。図1から、n+n=4である比較例1に対して、n+n<4である実施例2〜4の不純物発生率が低減していることが分かる。3≦n+n<4の範囲、特に、3.5≦n+n≦3.8の範囲が、不純物発生率がより小さい。図2についても同様に、ナトリウム含量が6.65重量%である比較例1に対して、6.65重量%未満である実施例2〜4の不純物発生率が低減していることが分かる。5.0重量%以上6.5重量%未満の範囲、特に、5.7重量%以上6.3重量%以下の範囲が、不純物発生率がより小さい。
本発明の平均式(I)で表される塩は、敗血症、内毒素症、冠動脈バイパス形成術の予後改善の予防または治療剤として有用であり、特に、経時的な安定性に優れているので、長期保管が可能な製剤の有効成分として利用可能である。
また、本発明の一般式(III)で表される塩は、同じく敗血症、内毒素症、冠動脈バイパス形成術の予後改善の予防または治療剤として有用な一般式(IV)で表される塩の経時的な安定性を改善することができるので、一般式(IV)で表される塩と共に使用することによって、長期保管が可能な医薬品の製造原体として利用可能である。

Claims (3)

  1. 平均式(I):
    Figure 0005244608

    (式中、m、n、m、及び、nはそれぞれ独立に0又は2以下の正数を表し、但し、m+n=2、m+n=2、且つ、0<m+m<4、3.5≦n+n≦3.8である)で表されるナトリウム塩。
  2. ナトリウム含量が5.7重量%以上6.3重量%以下である、請求項1記載のナトリウム塩。
  3. 一般式(II):
    Figure 0005244608

    で表される化合物をナトリウム含有塩基で不完全中和させることを特徴とする、請求項1または2に記載のナトリウム塩の製造方法。
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