JP5243899B2 - 荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法に関する。
半導体デバイスの高集積化に伴い、半導体デバイスの回路パターンが微細化されている。半導体デバイスに微細な回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(即ち、レチクル或いはマスク)が必要となる。原画パターンを製造するために、優れた解像性を有する電子ビーム描画装置を用いることが知られている。
この種の電子ビーム描画装置では、描画データからショットデータを生成し、このショットデータに含まれるパターンが描画されるように、偏向制御部により主偏向データ、副偏向データ、ブランキング(以下「BLK」と記す)データを生成し、各データをDACアンプ(以下「アンプ」と略す。)によりDA変換及び増幅して偏向器に印加することによって、試料にパターンを描画している(例えば、特許文献1参照)。
ところで、一般にアンプは電子鏡筒の近傍に配置されるため、偏向制御部からアンプまでの通信距離が長くなり、通信中に電気ノイズが重畳しやすい。
このような電気ノイズを低減すべく、アンプと偏向制御部との間に中継部を設け、偏向制御部と中継部の間で光通信が行われている。ここで、中継部は、偏向制御部から受信した偏向データを一時的に格納し、この偏向データをアンプに送信する処理ユニットである。
上記中継部に偏向データが格納される前に、空のデータをアンプに送信することを防止するため、中継部のデータ格納状態(ステータス)を監視する必要がある。従来、偏向制御部と中継部との間で、主偏向データ、副偏向データおよびBLKデータを独立した3系統の光通信路により送信する際、以下に説明するシーケンスに従って行われていた。
図6を参照して、偏向データを送信する際の従来のシーケンスを説明する。先ず、偏向制御部は、ショットデータの入力があると、主偏向器用の主偏向データ、副偏向器用の副偏向データおよびBLK偏向器用のBLKデータを逐次生成し、格納する。
次いで、時刻t21において、偏向制御部から図示しない主偏向中継部への主偏向データの送信を開始する(符号a参照)。続いて、時刻t22において、偏向制御部から副偏向中継部への副偏向データの送信を開始すると共に、BLK中継部へのBLKデータの送信を開始する(符号b参照)。
尚、主偏向中継部は、受信した主偏向データを直ちに主偏向アンプに送信するが、副偏向中継部及びBLK中継部は、受信した副偏向データ及びBLKデータを一時的に格納する。
その後、時刻t23において、偏向制御部は、副偏向中継部による副偏向データの格納状態を監視し(符号c参照)、これと共に、BLK中継部によるBLKデータの格納状態を監視する(符号d参照)。
そして、副偏向中継部は、所定量(例えば、1つのサブフィールド領域分)の副偏向データの格納が完了した時刻t24において、格納完了信号を偏向制御部に出力する。同様に、BLK中継部は、所定量のBLKデータの格納が完了した時刻t25において、格納完了信号を偏向制御部に出力する。BLK中継部から出力されたBLKデータの格納完了信号は、時刻t26において、偏向制御部に入力される。
偏向制御部は、副偏向中継部とBLK中継部の両方から格納完了信号が入力されると、時刻t27において、出力指示信号をBLK中継部に出力する(符号e参照)。
ここで、出力指示信号は、BLK中継部から副偏向中継部へのクロック信号の出力を指示する信号である。クロック信号は、副偏向中継部から副偏向アンプへの副偏向データの送信を許可する信号である。従って、副偏向中継部は、BLK中継部からクロック信号が入力されるまで、格納している副偏向データを副偏向アンプに送信できない。
時刻t28において、上記出力指示信号がBLK中継部に入力されると、時刻t29において、BLK中継部から副偏向中継部に上記クロック信号が出力される。
上記クロック信号が入力された副偏向中継部は、副偏向アンプへの副偏向データの送信を開始する。これと同期して、BLK中継部は、BLKアンプへのBLKデータの送信を開始する。
一方、偏向制御部は、上記出力指示信号を出力した時刻t27以降、各アンプへの所定量の副偏向データ及びBLKデータの送信が完了したか否かを監視する(符号g参照)。つまり、BLK中継部からの送信完了信号の入力を待つ。
1つのサブフィールド領域分の副偏向データ及びBLKデータの送信が完了すると、時刻t30において、BLK中継部は、送信完了信号を偏向制御部に出力する。時刻t31において、送信完了信号が入力された偏向制御部は、次のサブフィールド領域分の主偏向データ、副偏向データおよびBLKデータの送信を開始する(符号a、b)。
然し、上記の格納完了信号、出力指示信号および送信完了信号の通信には、光通信路が用いられていたため、これらの信号を送信するに際して、パケット化やエラー訂正などの処理を行う必要がある。このため、各信号の通信時間t25〜t26、t27〜t28、t30〜t31は、それぞれ2μsec〜3μsec程度の時間が掛かる。従って、図6に示すように通信遅延1及び2が生じる。これらの通信遅延1及び2は、主偏向器の制御回数の分だけ生じるため、主偏向器の制御回数が多いほど、スループットが低下する問題がある。
近年、主偏向アンプのセトリング時間が、従来の20μsec〜30μsecから2μsec〜5μsec程度にまで短縮されている。このため、描画スループットを向上させるためには、上述したような偏向データを送信する際の光通信に起因する通信遅延1及び2を低減する必要がある。
特開2008−182073号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、偏向データを送信する際の通信遅延を低減することが可能な荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法を提供することにある。
本発明の他の課題および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、主偏向器、副偏向器及びブランキング偏向器により偏向される荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画する荷電粒子ビーム描画装置において、ショットデータから主偏向器用の主偏向データ、副偏向器用の副偏向データ及びブランキング偏向器用のブランキングデータを生成し、生成した各データを光通信路を介して中継部に送信する偏向制御部と、前記偏向制御部から送信された前記主偏向データを一時的に格納すると共に主偏向アンプに送信する主偏向中継部と、前記偏向制御部から送信された前記副偏向データを一時的に格納すると共に、副偏向アンプに所定のタイミングで送信する副偏向中継部と、前記偏向制御部から送信された前記ブランキングデータを一時的に格納すると共に、ブランキングアンプに前記所定のタイミングで送信するブランキング中継部とを備え、前記偏向制御部は、前記主偏向アンプのセトリングが完了したときに、その完了を示すショット出力信号を前記ブランキング中継部に出力するショット出力信号出力手段を有し、前記ブランキング中継部は、前記副偏向データ及び前記ブランキングデータの格納が完了し、かつ、前記ショット出力信号が入力された場合に、前記副偏向アンプに前記副偏向データを送信させるクロック信号を前記副偏向中継部に出力するクロック信号出力手段を有し、前記副偏向中継部は、前記クロック信号が入力されたとき、前記副偏向アンプへの前記副偏向データの転送を開始することを特徴とする。
本発明の第1の態様において、前記副偏向中継部への前記副偏向データの送信を開始した後に、前記ブランキング中継部への前記ブランキングデータの送信を開始するように構成することが好適である。
本発明の第1の態様において、前記偏向制御部と前記ブランキング中継部との間に、前記ブランキングデータの送信を行う前記光通信路とは異なる専用線を設け、前記ブランキング中継部は、前記ブランキングアンプへのブランキングデータの送信が完了したときに、送信完了信号を前記専用線を介して前記偏向制御部に出力する送信完了信号出力手段を有する構成としてもよい。
また、上記課題を解決するため、本発明の第2の態様は、主偏向器、副偏向器及びブランキング偏向器により偏向される荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画する荷電粒子ビーム描画方法において、ショットデータから主偏向器用の主偏向データ、副偏向器用の副偏向データおよびブランキング偏向器用のブランキングデータを偏向制御部により生成し、生成した主偏向データを主偏向アンプに送信し、生成した副偏向データを副偏向中継部に送信すると共に、この副偏向中継部により副偏向データを一時的に格納し、生成したブランキングデータをブランキング中継部に送信すると共に、このブランキング中継部によりブランキングデータを一時的に格納し、前記副偏向データ及び前記ブランキングデータが格納され、かつ、前記主偏向アンプのセトリングが完了したと前記偏向制御部が判定した場合、前記副偏向データの副偏向アンプへの送信と、前記ブランキングデータのブランキングアンプへの送信とを開始することを特徴とする。
本発明の第2の態様において、前記偏向制御部から前記副偏向中継部への前記副偏向データの送信を開始した後に、前記偏向制御部から前記ブランキング中継部への前記ブランキングデータの送信を開始することが好適である。
本発明の第1の態様では、副偏向データ及びブランキングデータの格納状態をブランキング中継部により監視し、これらのデータが格納され、かつ、ショット出力信号が入力された場合に、副偏向アンプに副偏向データを送信させるクロック信号をブランキング中継部から副偏向中継部に出力する構成とした。従って、この第1の態様によれば、副偏向中継部及びブランキング中継部から偏向制御部への格納完了信号の出力と、偏向制御部からブランキング中継部への出力指示信号の出力が不要となるため、偏向データを送信する際の通信遅延を低減することができる。
本発明の第2の態様では、副偏向データ及びブランキングデータが格納され、かつ、主偏向アンプのセトリングが完了したことをブランキング中継部により判定した場合に、副偏向データ及びブランキングデータのアンプへの送信を開始するため、副偏向中継部及びブランキング中継部から偏向制御部への格納完了信号の出力が不要となり、偏向データを送信する際の通信遅延を低減することができる。
従って、主偏向器の制御回数が多い場合に本発明を適用することで、描画スループットを飛躍的に向上させることができる。
図1は、本発明の実施の形態による電子ビーム描画装置の構成を示す概念図である。図1に示す電子ビーム描画装置は描画処理を行う描画部100を備えており、この描画部100は電子鏡筒102を備えている。この電子鏡筒102内には、電子銃110から発せられた電子ビーム(例えば、50kVで加速された電子ビーム)112を第1成形アパーチャ120に照射するための照明レンズ114が配置されている。
照明レンズ114と第1成形アパーチャ120との間には、BLK偏向器116とBLKアパーチャ118とが配置されている。ブランキングON時(非描画期間)には、BLK偏向器116により偏向された電子ビーム112が、BLKアパーチャ118でカットされる。
電子ビーム112は、矩形の開口を有する第1成形アパーチャ120を透過することで、その断面形状が矩形に成形される。成形された電子ビーム112は、投影レンズ122により第2成形アパーチャ126上に投影される。この第2成形アパーチャ126と第1成形アパーチャ120との間には、電子鏡筒102と同心で成形偏向器124が配置されている。成形偏向器124の制御によって第1成形アパーチャ像と第2成形アパーチャ126の開口との重なり具合が変化するため、電子ビーム112の形状と寸法を制御することができる。尚、成形偏向器124の詳細な制御については、公知であるため、その説明を省略する。
第2成形アパーチャ126を透過した電子ビーム112の焦点は、対物レンズ128によって描画室104内の試料142表面に合わせられる。試料142は、描画室104内でX方向(図中左右方向)及びY方向(図中奥行き方向)に連続移動するXYステージ140上に載置される。XYステージ140は駆動部244により駆動され、その位置がレーザ測長計242により測定される。
試料142は、例えば、ガラス基板上にクロム膜等の遮光膜とレジスト膜とが積層されたレチクル或いはマスクである。
試料142と第2成形アパーチャ126との間には、電子鏡筒102と同心で対物偏向器である主偏向器130及び副偏向器132が配置されている。主偏向器130及び副偏向器132により試料142上の電子ビーム112の照射位置が決定される。
上記電子ビーム描画装置において描画処理を実行する際には、図2に示すように、試料142上に描画されるべきパターン11が短冊状のフレーム領域12に分割され、XYステージ140をX方向に連続移動させながら各フレーム領域12を描画する。フレーム領域12は更にサブフィールド領域13に分割され、サブフィールド領域13内の必要な部分のみ、上記第1及び第2成形アパーチャ120、126により成形された電子ビーム112を偏向させて描画する。
電子ビーム112の偏向には、主偏向器130と副偏向器132とで構成される2段の対物偏向器が用いられる。サブフィールド領域13の位置決めは主偏向器130により行われ、サブフィールド領域13内のパターン描画位置の位置決めは副偏向器132により行われる。
図1に示す電子ビーム描画装置は、制御部200を備えている。制御部200は、電子ビーム描画装置の各種制御を行う制御計算機202を備えている。
制御計算機202には記憶装置204が接続されており、記憶装置204には描画データが記憶されている。ここで、描画データとは、設計データ(CADデータ)を外部装置(描画データ生成装置)により描画装置に入力可能なフォーマットに変換することで得られたデータであり、パターン形状やパターン位置等が記述されたデジタルデータである。
制御計算機202には、ショットデータ生成部206が接続されている。制御計算機202からショットデータ生成部206にショットデータ生成指示が入力されると、ショットデータ生成部206は、あるフレーム領域11を描画するために必要な描画データを記憶装置204から読み出し、装置内部のフォーマットに変換することにより、ショットデータを生成するものである。より具体的には、ショットデータ生成部206は、描画データに記述された図形をサブフィールド領域に分割し、さらにショット単位に分割することで、ショットデータを生成するものである。
ショットデータ生成部206により生成されたショットデータは、偏向制御部208に送信される。偏向制御部208は、ショットデータ生成部206から受信したショットデータから、主偏向器130制御用の主偏向データ、副偏向器132制御用の副偏向データおよびBLK偏向器116制御用のBLKデータを生成し、送信するものである。
より詳細には、図3に示すように、主偏向制御部208Aにより主偏向データを生成し、副偏向・BLK制御部208Bにより副偏向データ及びBLKデータを生成する。生成された各データは、主偏向制御部208Aおよび副偏向・BLK制御部208Bの内部に設けられた図示省略するバッファもしくはメモリに一時的に格納される。
また、偏向制御部208は、生成した主偏向データに基づき、主偏向アンプ220のセトリングが完了したか否かを判定し、完了判定時にその完了を示すショット出力信号を後述のBLK中継部214に出力するショット出力信号出力部208Cを有する。ここで、セトリングとは、主偏向アンプ220の動作が安定することをいう。セトリングに要する時間は、サブフィールドの移動量に比例し、この移動量は主偏向データより求めることができる。従って、偏向制御部208は、生成した主偏向データからセトリングに要する時間を求めることができ、セトリングが完了したか否かを判定することができる。
これらの主偏向データ、副偏向データおよびBLKデータは、主偏向器130、副偏向器132およびBLK偏向器116を構成する各電極の指示電圧信号である。主偏向データ、副偏向データおよびBLKデータは、主偏向アンプ220、副偏向アンプ222およびBLKアンプ224によりDA変換され、各電極を駆動可能な振幅にまで増幅される。
前述した通り、偏向制御部208から各アンプ220、222、224までの通信中に重畳する電気ノイズを低減するため、偏向制御部208と主偏向アンプ220、副偏向アンプ222およびBLKアンプ224との間に、主偏向中継部210、副偏向中継部212およびBLK中継部214が設けられている。これら偏向制御部208と各中継部210、212、214との間の通信は、3系統の独立した光通信路(光ファイバーケーブル)209A乃至209Cによる光通信である。
各中継部210、212、214は、偏向制御部208から送信されたデータを内部の図示省略するバッファもしくはメモリ(以下「バッファ」という。)に一時的に格納すると共に、各データをアンプ220、222、224に送信する処理ユニットである。
BLK中継部214は、このユニット214の上記バッファが空ではないこと(すなわち、BLKデータが格納されていること)を確認し、副偏向中継部212の上記バッファが空ではないこと(すなわち、副偏向データが格納されていること)を確認し、かつ、偏向制御部208からショット出力信号が入力されたと判定したときに、副偏向アンプ222に副偏向データを送信するためのクロック信号を副偏向中継部212に出力するクロック信号出力部214Aを有する。
副偏向中継部212は、BLK中継部214から出力されたクロック信号が入力されると、副偏向アンプ222に副偏向データを送信するものである。
また、BLK中継部214は、BLKアンプ224への1サブフィールド領域分のBLKデータの送信が完了したときに、偏向制御部208に専用線216を介して1ビットの送信完了信号を出力する送信完了信号出力部214Bを有する。
主偏向アンプ220は主偏向器130に接続され、副偏向アンプ222は副偏向器132に接続されている。主偏向器130及び副偏向器132は、例えば、8個の電極(対向する4対の電極)からなる公知の静電偏向器によって構成される。尚、図1においては、図示簡略化のため、主偏向器130及び副偏向器132の1対(2つ)の電極のみをそれぞれ示している。
また、BLKアンプ224はBLK偏向器116に接続されている。BLK偏向器116は、例えば、2個の電極(対向する1対の電極)からなる公知の静電偏向器によって構成される。
次に、図4を参照して、偏向制御部208と各中継部210、212、214との間で、主偏向データ、副偏向データおよびBLKデータを送信する際のシーケンスを説明する。
先ず、偏向制御部208は、制御計算機202から偏向データ生成指示が入力されると、ショットデータ生成部206からのショットデータから、主偏向器130用の主偏向データ、副偏向器132用の副偏向データおよびBLK偏向器116用のBLK偏向データを生成する。
尚、生成された主偏向データは主偏向制御部208A内に一時的に格納され、副偏向データ及びBLKデータは副偏向・BLK制御部208B内に一時的に格納される。
時刻t1において、偏向制御部208の主偏向制御部208Aから主偏向中継部210への主偏向データの送信を開始する(符号a参照)。
次いで、時刻t2において、偏向制御部208の副偏向・BLK制御部208Bから副偏向中継部212への副偏向データの送信を開始する(符号b1参照)。時刻t2から所定時間(例えば、100nsec〜300nsec)経過後の時刻t3において、副偏向・BLK制御部208BからBLK中継部214へのBLKデータの送信を開始する(符号b2参照)。
ここで、偏向制御部208は、1つのフレーム領域11分の主偏向データ、副偏向データおよびBLKデータを逐次生成するが、偏向制御部208から各中継部210、212、214には1つのサブフィールド領域12分のデータが送信される。
時刻t5において、BLK中継部214は、偏向制御部208からのBLKデータの受信を開始すると、BLKデータの格納状態を監視する(符号d参照)。これと併せて、BLK中継部214は、副偏向中継部212による副偏向データの格納状態を監視する(符号c参照)。
ここで、1つのサブフィールド領域12分の副偏向データとBLKデータの容量は同等であるため、上述したように、副偏向データの送信開始時刻t2よりもBLKデータの送信開始時刻t3を遅らせることで、BLK中継部214のバッファにBLKデータが格納される前に、副偏向中継部212のバッファに副偏向データが格納される。従って、BLKデータの格納状態を監視することで、時刻t4から副偏向中継部212により受信される副偏向データの格納状態を実質的に監視することができる(符号c参照)。つまり、BLK中継部214のバッファが空であるかを確認することで、副偏向中継部212のバッファが空であるかを実質的に確認することができる。
偏向制御部208は、主偏向アンプ220のセトリングが完了したと判定すると、時刻t6において、その完了を示すショット出力信号をBLK中継部214に出力する(符号e’参照)。このショット出力信号は、時刻t7において、BLK中継部214に入力される。
その後、時刻t8において、副偏向中継部212のバッファに副偏向データが格納され、このバッファが空でないことが確認される。さらに、時刻t9において、BLK中継部214のバッファにBLKデータが格納され、このバッファが空でないことが確認される。
BLK中継部214は、これら副偏向データ及びBLKデータの各バッファが空でないことを確認し、かつ、ショット出力信号の入力があると判定すると、時刻t10において、副偏向中継部212から副偏向アンプ222に副偏向データを送信させるクロック信号を副偏向中継部212に出力する(符号f参照)。
このクロック信号が入力された副偏向中継部212は、副偏向アンプ222への副偏向データの送信を開始する。これと同期して、BLK中継部214は、BLKアンプ224へのBLKデータの送信を開始する。
そして、BLK中継部214は、BLKアンプ224へのBLKデータの送信が完了すると、時刻t11において、シリアル化していない1ビット信号からなる送信完了信号を偏向制御部208に出力する。
偏向制御部208は、ショット出力信号を出力した時刻t6以降、送信完了信号の入力を監視している(符号g)。時刻t12において、送信完了信号が入力されると、偏向制御部208は、次のサブフィールド領域分の主偏向データ、副偏向データおよびBLKデータの送信を上述したように逐次開始する。
ここで、BLK中継部214からの送信完了信号の通信は、光通信路209とは別個に設けられた専用線216を用いているため、光通信路209を用いる場合に必要なパケット化やエラー訂正などの処理が不要である。従って、通信完了信号の通信に要する時間はt11からt12であり、従来のシーケンスでの通信遅延2(図6参照)に比べて送信完了信号の通信遅延2’を大幅に低減することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、BLK中継部214でのBLKデータの格納状態と副偏向中継部212での副偏向データの格納状態とをBLK中継部214により監視し、副偏向中継部212のバッファ等及びBLK中継部214のバッファ等が空でないことが確認され、かつ、偏向制御部208からのショット出力信号がBLK中継部214に入力されたときに、BLK中継部214から副偏向中継部212にクロック信号を出力するように構成した。従って、従来のシーケンスで必要であった格納完了信号および出力指示信号の光通信が不要となるため、偏向データを送信する際の通信遅延を低減できる。
また、本実施の形態では、通信完了信号を光通信路ではなく専用線216を介して送信するように構成したため、通信完了信号を光通信する場合に比べて通信遅延を低減することができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。例えば、上記実施の形態では電子ビームを用いたが、本発明はこれに限られるものではなく、イオンビームなどの他の荷電粒子ビームを用いた場合にも適用可能である。
また、図4に示す例では、BLK中継部214のバッファ及び副偏向中継部212のバッファが空でないと確認される前に、BLK中継部214にショット出力信号が入力されているが、図5に示すように、これらのバッファが空でないと確認された後にショット出力信号が入力される場合にも本発明を適用することができる。即ち、サブフィールド領域の移動距離が長く、主偏向アンプのセトリング時間が長くなる場合にも本発明を適用することができる。
図5に示す例では、時刻t13に偏向制御部208から出力されたショット出力信号が、時刻t14においてBLK中継部214に入力されている。そして、BLKデータ及び副偏向データが格納されてBLK中継部214及び副偏向中継部212のバッファが空でないことを確認し、かつ、ショット出力信号の入力があったと判定した時刻t15において、BLK中継部214から副偏向中継部212にクロック信号が出力される(符号f参照)。この場合も、上述したように光通信に起因する通信遅延を低減することができる。
本発明の実施の形態による電子ビーム描画装置の構成を示す模式図である。 製品レチクル142の描画処理を説明するための図である。 偏向制御部及び中継部近傍の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態において、偏向データを送信する際のシーケンスを説明するためのタイミングチャートである(その1)。 本発明の実施の形態において、偏向データを送信する際のシーケンスを説明するためのタイミングチャートである(その2)。 偏向データを送信する際の従来のシーケンスを説明するためのタイミングチャートである。
符号の説明
116 BLK偏向器
124 主偏向器
126 副偏向器
208 偏向制御部
208A 主偏向制御部
208B 副偏向・BLK制御部
208C ショット出力信号出力部
209 光通信路
210 主偏向中継部
212 副偏向中継部
214 BLK中継部
214A クロック信号出力部
214B 送信完了信号出力部
220 主偏向アンプ
222 副偏向アンプ
224 BLKアンプ

Claims (5)

  1. 主偏向器、副偏向器及びブランキング偏向器により偏向される荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画する荷電粒子ビーム描画装置において、
    ショットデータから主偏向器用の主偏向データ、副偏向器用の副偏向データ及びブランキング偏向器用のブランキングデータを生成し、生成した各データを光通信路を介して中継部に送信する偏向制御部と、
    前記偏向制御部から送信された前記主偏向データを一時的に格納すると共に主偏向アンプに送信する主偏向中継部と、
    前記偏向制御部から送信された前記副偏向データを一時的に格納すると共に、副偏向アンプに所定のタイミングで送信する副偏向中継部と、
    前記偏向制御部から送信された前記ブランキングデータを一時的に格納すると共に、ブランキングアンプに前記所定のタイミングで送信するブランキング中継部とを備え、
    前記偏向制御部は、前記主偏向アンプのセトリングが完了したときに、その完了を示すショット出力信号を前記ブランキング中継部に出力するショット出力信号出力手段を有し、
    前記ブランキング中継部は、前記副偏向データ及び前記ブランキングデータが格納され、かつ、前記ショット出力信号が入力された場合に、前記副偏向アンプに前記副偏向データを送信させるクロック信号を前記副偏向中継部に出力するクロック信号出力手段を有し、
    前記副偏向中継部は、前記クロック信号が入力されたとき、前記副偏向アンプへの前記副偏向データの転送を開始することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記偏向制御部は、前記副偏向中継部への前記副偏向データの送信を開始した後に、前記ブランキング中継部への前記ブランキングデータの送信を開始するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 前記偏向制御部と前記ブランキング中継部との間に、前記ブランキングデータの送信を行う前記光通信路とは異なる専用線を設け、
    前記ブランキング中継部は、前記ブランキングアンプへのブランキングデータの送信が完了したときに、送信完了信号を前記専用線を介して前記偏向制御部に出力する送信完了信号出力手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 主偏向器、副偏向器及びブランキング偏向器により偏向される荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画する荷電粒子ビーム描画方法において、
    ショットデータから主偏向器用の主偏向データ、副偏向器用の副偏向データおよびブランキング偏向器用のブランキングデータを偏向制御部により生成し、
    生成した主偏向データを光通信路を介して主偏向アンプに送信し、
    生成した副偏向データを光通信路を介して副偏向中継部に送信すると共に、この副偏向中継部により副偏向データを一時的に格納し、
    生成したブランキングデータを光通信路を介してブランキング中継部に送信すると共に、このブランキング中継部によりブランキングデータを一時的に格納し、
    前記副偏向データ及び前記ブランキングデータが格納され、かつ、前記主偏向アンプのセトリングが完了したと前記偏向制御部が判定した場合、前記副偏向データの副偏向アンプへの送信と、前記ブランキングデータのブランキングアンプへの送信とを開始することを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  5. 前記偏向制御部から前記副偏向中継部への前記副偏向データの送信を開始した後に、前記偏向制御部から前記ブランキング中継部への前記ブランキングデータの送信を開始することを特徴とする請求項4記載の荷電粒子ビーム描画方法。
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