JP5243230B2 - 全芳香族ポリアミド繊維構造物 - Google Patents
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Description
現状全芳香族ポリアミド繊維は、原着タイプが主流であり、製編織物の加工条件によって布帛の防火性に大差なく良好である。(特許文献1〜3)
一方、製編織物を染色加工する場合においては、染色加工条件によって、防火特性に大きな影響があり問題となっている。
即ち本発明によれば、
全芳香族ポリアミド繊維を含む繊維構造物であって、下記要件を満足することを特徴とする全芳香族ポリアミド繊維構造物。
a)繊維構造物が、メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維とを95:5〜30:70の範囲で混合してなる紡績糸の製織編物であり、染色加工工程で経方向に10%以上、緯方向に5%以上収縮してなるものであること。
b)400℃×5分乾熱処理した際の熱収縮率が7.5%以下、450℃×5分乾熱処理した際の熱収縮率が11.5%以下であること。
c)火炎暴露による収縮・炭化・穴開きまでの時間が85秒以上であること。
が提供される。
ここでメタ型アラミド繊維とは、主骨格を構成する芳香環がアミド結合によりメタ型に結合されてなるものであるが、ポリマーの全繰返し単位の85モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミド単位であるものを対象とし、特にポリメタフェニレンイソフタルアミドホモポリマーが好ましい。全繰返し単位の15モル%以下、好ましくは5モル%以下で共重合し得る第3成分としては、ジアミン成分として、例えばパラフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、パラキシリレンジアミン、ビフェニレンジアミン、3,3’−ジクロルベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ナフタレンジアミン等の芳香族ジアミンが、また酸成分として、例えばテレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。また、これらの芳香族ジアミン及び芳香族ジカルボン酸は、その芳香族環の水素原子の一部がハロゲン原子やメチル基等のアルキル基によって置換されていてもよい。
前記メタ系芳香族ポリアミド繊維には、機能特性を保持するために難燃剤や紫外線吸収剤が含まれていても良い。
また染色特性はパラ系アラミド繊維よりもメタ系アラミド繊維の方が高くて良好であるため、例えば濃色染色必要な場合は、メタ系アラミド繊維の混合比率が高い方が濃染化することが可能である。
また該前加工からの一連の染色仕上げ加工における加工収縮は経5%以上、緯3.5%以上を満たすものが該当する。
尚、実施例/比較例で行った被染色物の評価方法は下記の方法に従って行った。
・染色加工工程での収縮特性
染色加工処理前後の、織物長さ(印間長として好ましくは2m以上でn=2以上採り、平均値を用いても構わない)あるいは緯糸打ち込み本数(密度:本/inch)、また織物全巾長あるいは経糸打ち込み本数(密度:本/inch)をそれぞれ測定し、例えば以下式で収縮率を算出する。
縦方向の収縮率(%)=((加工処理前の織物長さ−加工処理後織物長さ)/加工処理前の織物長さ)×100
緯方向の収縮率(%)=((加工処理前の織物全巾−加工処理後の織物全巾)/加工処理前の織物長さ)×100
・乾熱処理した際の熱収縮特性
ISO17493(乾熱温度:500F)法に準拠して、400℃×5分間および450
℃×5分間の熱収縮率を測定・算出する。
・火炎暴露による収縮・炭化・穴開き性
1)試料準備
試料(サイズ14×14cm)をたるませて(例えば530g程度の重りを載せ)、ピン枠にセットする。これをn=4準備する。
2)火炎準備
都市ガスバーナーをガス流量とエア供給部を回しながら、炎の長さ13〜15cmになるように調整する。またこの際の炎温度は1100〜1200℃で青炎である。ついで、該バーナー上部縁から上方距離6〜7cmの位置にサンプルが接触するように適正な三脚を準備する。
3)測定
バーナーが三脚の中心および適正な火炎であることを確認し、三脚にピン枠セットされたサンプルを載せる、それと同時にストップウオッチでサンプルが炭化・小穴(亀裂)開くまでの時間(秒)を記す。該時間を火炎暴露による収縮・炭化・穴開きまでの時間とする。
常法で得られたメタ系アラミド繊維の短繊維(帝人テクノプロダクツ株 繊度1.7de、カット長51mm、強度3.5cN/dtex、伸度41.6%)と捲縮付与により座屈部(キンクバンド部)を有したPPTA短繊維(Twaron テイジンアラミド製)とを95重量%と5重量%の割合となるように通常の方法で混紡、合撚し36/2紡績糸とし、次いで製織(55本/in×54本/in)し平織物(製織巾165cm×100m)を得た。次に該布帛をオープンソーパーを用いてコアロール400(花王製)で1g/l、ソーダ灰1g/lで精練後、シリンダー乾燥した。次いで200℃×45秒〜1分間プレ・セットした。
次いで、下記染浴で常温から2℃/分の速度で昇温し、120℃で60分間(日阪製液流染色機)染色処理した。
・染料C.I.Basic Blue 54(Kayacryl Blue GS
L−ED) 6 %owf
・硝酸Na 25 g/l
・酢酸 0.3 cc/l
・分散剤(任意) 0.5 g/l
・ベンジルアルコール 60 g/l
浴比1:30
次いで、染色された試料を下記洗浄浴で80℃×20分間ソーピングした。
・スコアロール#400 1g/l
・ソーダ灰 1g/l
(第一工業製薬製)
還元洗浄後、十分水洗して乾燥、ファイナル・セット(180℃×1分間)した。
得られた染色加工布帛の染色時の収縮、乾熱処理した際の熱収縮性、火炎暴露による収縮・炭化・穴開き性を評価した。
その結果、染色加工工程の収縮が経方向に10%以上、緯方向に5%以上であり、縦12.3%、緯7.2%収縮した。また該布帛の仕上げ加工を行った後の全加工性量としては、縦10.5%、緯4.6%であった。該布帛を用いて、乾熱収縮特性、400℃×5分乾熱処理した際の熱収縮特性は7.5%以下、同450℃×5分乾熱処理した際の熱収縮特性は11.5%以下、並びに火炎暴露し、収縮・炭化・穴開きまでの時間が85秒以上、具体的には110秒で、耐熱・耐火炎性に優れていた。
実施例1と同様にして得られた平織物を120℃で60分間(Brazzoli製液流染色機)染色した以外は、実施例1と同様に処理し評価した。
その結果、染色加工工程の収縮が経方向に10%以上、緯方向に5%以上であり、縦15.5%、緯8.3%収縮した。また該布帛の仕上げ加工を行った後の全加工性量としては、縦12.2%、緯4.8%であった。乾熱収縮特性、400℃×5分乾熱処理した際の熱収縮特性が7.5%以下、同450℃×5分乾熱処理した際の熱収縮特性が11.5%以下、並びに火炎暴露し、収縮・炭化・穴開きまでの時間が85秒以上で、耐熱・耐火炎性に優れていた。
実施例5と同様にして得られた平織物を120℃で60分間(ニッセン製Beam染色機)染色する際、定長〜緊張巻きとした以外は、実施例5と同様に処理し評価した。
その結果、染色加工工程の収縮が縦0%、緯5.0%で、乾熱収縮特性、400℃×5分乾熱処理した際の熱収縮特性が7.5%以上、同450℃×5分乾熱処理した際の熱収縮特性が11.5%以上で乾熱収縮性高く、熱防御性が劣位であった。並びに火炎暴露し、収縮・炭化・穴開きまでの時間が85秒以下、具体的には79秒で、耐熱・耐火炎性が劣位であった。
実施例5と同様にして得られた平織物を120℃で60分間(於:SUNG MOO MACHINERY製ジッガー染色機)染色する際、定長〜緊張巻きとした以外は、実施例5と同様に処理し評価した。
その結果、染色加工工程の収縮が縦0%、緯6.0%で、乾熱収縮特性、400℃×5分乾熱処理した際の熱収縮特性が7.5%以上、同450℃×5分乾熱処理した際の熱収縮特性が11.5%以上で乾熱収縮性高く、熱防御性が劣位であった。並びに火炎暴露し、収縮・炭化・穴開きまでの時間が85秒以下で、耐熱・耐火炎性が劣位であった。
、防護服として有用である。
Claims (2)
- 下記要件を満足することを特徴とする全芳香族ポリアミド繊維構造物。
a)繊維構造物が、メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維とを95:5〜30:70の範囲で混合してなる紡績糸の製織編物であり、染色加工工程で経方向に10%以上、緯方向に5%以上収縮してなるものであること。
b)400℃×5分乾熱処理した際の熱収縮率が7.5%以下、450℃×5分乾熱処理した際の熱収縮率が11.5%以下であること。
c)火炎暴露による収縮・炭化・穴開きまでの時間が85秒以上であること。 - 全芳香族ポリアミド繊維の含有率が40wt%以上である請求項1記載の全芳香族ポリアミド繊維構造物。
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