JP5243077B2 - 耐高電圧部品製造用樹脂組成物、および耐高電圧部品 - Google Patents

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Description

本発明は、耐高電圧部品製造用樹脂組成物、および耐高電圧部品に関する。さらに詳しくは、耐高電圧性に優れ同時に機械的強度、寸法安定性に優れた充填剤強化の耐高電圧部品製造用樹脂組成物、およびこの耐高電圧部品製造用樹脂組成物を原料として製造された耐高電圧部品に関する。
熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂に比較して成形性、リサイクル性、絶縁性などが格段に優れているので、自動車や電気電子部品製造(成形)用に使用されている。これら熱可塑性樹脂製部品は、これら部品が組込まれる最終製品に優れた性能を発揮させるために、優れた耐湿熱性、優れた機械的強度、優れた耐ヒートショック性(繰返し−40℃程度の極低温状態からから140℃以上の高温状態に曝されても、物性が変化しない性質)が要求される。また、部品の中には、100V以上の高電圧が印加されるような耐高電圧部品もあり、優れた耐高電圧性(繰返し、または瞬間的に高圧の電流が印加されても、諸物性が変化しない性質)が要求されるものもある。これら熱可塑性樹脂製部品は、優れた耐湿熱性、機械的強度、耐ヒートショック性、耐高電圧性などを維持したまま、小型化・薄肉化される傾向にあり、材料の熱可塑性樹脂に対する性能向上の要請は極めて厳しい状況にある。
熱可塑性樹脂に耐湿熱性、機械的強度、耐ヒートショック性、耐高電圧性などを付与する目的で、ガラス繊維等の繊維状充填剤を含有させた(配合した)強化熱可塑性樹脂組成物が提案され、実用化されている。部品(成形品)の耐高電圧性の改良には、樹脂に含有させるガラス繊維などの全てまたは一部を、板状充填剤のマイカによって代替する手法が採用されている。しかしマイカを含有させた(配合した)樹脂組成物の機械的強度は、ガラス繊維を配合した樹脂組成物に比べて低く、薄肉の成形品においては欠点が目立つという問題がある。また、原料樹脂が熱可塑性ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂の場合、これらの原料樹脂にマイカを含有させる(配合する)と、樹脂組成物の耐湿熱性が著しく低下するため、特に自動車電装部品の製造用には適していなかった。
熱可塑性樹脂を補強する目的で、これに含有させるガラス繊維を、断面形状が丸型のものから扁平形状のものに変えることにより、部品(成形品)の機械的強度および反りが改良されることが、例えば、特許文献1および特許文献2に示されている。これら刊行物には、上記樹脂組成物はコネクター、スイッチ、リレーなどの電気機器部品の製造に使用されると記載されているが、高電圧が印加されるような耐高電圧部品製造用に使用することについては、全く記載がない。
さらに、特許文献3および特許文献4には、扁平ガラス繊維とエラストマーを配合したポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略称する。)樹脂組成物が記載されている。特許文献3および特許文献4に記載の樹脂組成物の用途に、イグニッションシステムやディストリビューターなどの電装部品が挙げられているが、インサート部品(成形品)の耐ヒートショック性の改良を目的としており、耐高電圧部品製造用に使用することについては、全く記載がない。特許文献5および特許文献6には、特許文献2に記載の部品の反り防止技術と特許文献3および特許文献4に記載の技術とを組合せた技術が記載されているが、耐高電圧部品製造用に使用することについては、全く記載がない。
特開昭62−268612号公報 特開平02−173047号公報 特開2000−265001号公報 特開2000−265046号公報 特開昭63−3055号公報 特開平6−304963号公報
本発明は、部品(成形品)が小型化・薄肉化(軽量化)されても、優れた耐湿熱性、機械的強度、耐ヒートショック性、耐高電圧性などを発揮する熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。すなわち、本発明の目的は、次のとおりである。
1.優れた耐湿熱性、優れた機械的強度、優れた耐高電圧性を発揮する耐高電圧部品製造用樹脂組成物を提供すること。
2.ヒートショックを与えても優れた耐湿熱性、優れた機械的強度を発揮する耐高電圧部品製造用樹脂組成物を提供すること。
3.ヒートショックを与えても優れた耐高電圧性を発揮する耐高電圧部品製造用樹脂組成物を提供すること。
4.優れた耐湿熱性、優れた機械的強度、優れた耐高電圧性を発揮する熱可塑性樹脂組成物製耐高電圧部品を提供すること。
上記目的を達成するため、第一発明では、(A)成分:酸素指数が20以上の熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂100重量部、(B)成分:繊維長さに直角な断面の長径と短径の比(扁平率)が1.5〜10の異形断面形状を有する繊維状強化材5〜150重量部を含有してなることを特徴とする、耐高電圧製品製造用樹脂組成物を提供する。
また、第二発明では、第一発明に係る耐高電圧製品製造樹脂組成物を原料として、製造されたものであることを特徴とする耐高電圧部品を提供する。
本発明は、以下詳細に説明するとおりであり、次のような特別に顕著な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る耐高電圧製品製造用樹脂組成物は、耐湿熱性、機械的強度、耐高電圧性などに優れている。
2.本発明に係る耐高電圧製品製造用樹脂組成物は、ヒートショックを与えても優れた耐湿熱性、優れた機械的強度を発揮する。
3.本発明に係る耐高電圧製品製造用樹脂組成物は、ヒートショックを与えても優れた耐高電圧性を発揮する。
4.本発明に係る耐高電圧製品製造用樹脂組成物から得られる部品(成形品)は、優れた耐湿熱性、優れた機械的強度、優れた耐高電圧性を発揮し、寸法安定性、外観にも優れている。
本発明に係る耐高電圧製品製造用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」と記載することがある)は、少なくとも、酸素指数20以上の熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂{以下、(A)成分と略記することがある}と、断面形状を有する繊維状強化材{以下、(B)成分と略記することがある}との二成分を含有する。
本発明において、樹脂組成物の基体となる、酸素指数が20以上の熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂{(A)成分}とは、熱可塑性樹脂材料から厚さ0.8mmのUL燃焼試験片を作成し、この試験片につきISO 4589(JIS K7201)に準拠して測定した酸素指数が20以上の熱可塑性樹脂をいう。酸素指数の測定装置としては、例えば、東洋精機社製 OXIGEN INDEXERISOが挙げられる。
熱可塑性樹脂の「酸素指数が20」未満であると、本発明に係る樹脂組成物から製造される部品(成形品)が、高電圧が印加される部品であると、高圧電流が印加(通電)された際に発火する危険性が高く、好ましくない。この熱可塑性樹脂は、「酸素指数が20以上」の樹脂が主成分を占めておれば、酸素指数が20未満の樹脂とのブレンド物も含まれる。ブレンド物の場合の「酸素指数」は、ブレンド物についての値を言う。ここで、「主成分である」とは、(A)成分がブレンド物の場合は、ブレンド物の全量100重量%に対し、「酸素指数が20以上」の樹脂が50重量%以上を占めることを意味する。
酸素指数が20以上の熱可塑性樹脂としては、つぎのものが挙げられる。なお、以下の記載で、樹脂の種類のあとにカッコに記載した数値は、上に定義した方法で測定した「酸素指数」を意味する。具体的には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)(21)、ポリエチレンテレフタレート(PET)(24)などの熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド6(PA6)(23)、ポリアミド66(PA66)(28)などのポリアミド(PA)樹脂、芳香族ポリカーボネート(PC)樹脂(25)、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂(30)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)樹脂(45)、液晶ポリマー(30〜35)、ポリ塩化ビニル(PVC)(47)などが挙げられる。
このような酸素指数20以上の熱可塑性樹脂の中でも、PBT、PETなどの熱可塑性ポリエステル樹脂、PA樹脂、芳香族PC樹脂、PPE樹脂、PPSなどのエンジニアリングプラスチック類が、成形性や耐熱性に優れているので好ましい。さらに、耐熱性の観点から、融点またはガラス転移点のいずれかが、200℃以上の熱可塑性樹脂がより好ましく、中でも、PBT、PET、PA6、PA66、PPSなどの結晶性樹脂が特に好ましい。これら熱可塑性樹脂は、単独でも二種類以上の混合物でもよい。
一方、酸素指数が20未満の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(17)、ポリプロピレン(18)などのオレフィン系樹脂、ポリスチレン(18)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)(19)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)(19)などのスチレン系樹脂、ポリアセタール(16)などが挙げられる。これらは、単独では本発明の樹脂としては不適当であるが、酸素指数が20以上の熱可塑性樹脂が主成分となるように組合せ(ブレンド物とし)、組合せたブレンド物の酸素指数が20以上であれば、使用可能である。
以下、本発明で基体の{(A)成分}として好適に使用される、(A−1)熱可塑性ポリエステル樹脂、(A−2)ポリアミド(PA)樹脂、(A−3)芳香族ポリカーボネート(PC)樹脂、(A−4)ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、(A−5)ポリフェニレンスルファイド(PPS)樹脂などについて、詳細に説明する。
本発明において(A−1)熱可塑性ポリエステル樹脂とは、ジカルボン酸またはその誘導体類と、ジオール類とからなるポリエステル樹脂を言う。ジカルボン酸またはその誘導体類としては、芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、および、脂肪族ジカルボン酸、ならびに、これらの低級アルキルまたはグリコールのエステルが好ましく、芳香族ジカルボン酸またはこの低級アルキル(例えば、炭素原子数1〜4)、あるいはグリコールのエステルがより好ましく、テレフタル酸またはこの低級アルキルエステルがさらに好ましい。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、および2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。脂環式ジカルボン酸の具体例としては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸およびセバシン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸またはその誘導体類は、一種でも二種以上を併用してもよい。
ジオール類としては、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、および芳香族ジオールが挙げられる。脂肪族ジオールとしては、好ましくは、炭素数2〜20の脂肪族ジオールであり、具体的には、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールおよび1,8−オクタンジオールなどが挙げられる。脂環式ジオールとしては、好ましくは、炭素数2〜20の脂環式ジオールであり、具体的には、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロールおよび1,4−シクロヘキサンジメチロールなどが挙げられる。芳香族ジオールとしては、好ましくは、炭素数6〜14の芳香族ジオールであり、具体的には、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよびビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。これらのジオール類は、一種でも二種以上を併用してもよい。
(A−1)熱可塑性ポリエステル樹脂は、分子鎖中に、ヒドロキシカルボン酸、単官能成分、および/または、三官能以上の多官能成分を有していてもよい。ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸およびp−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。単官能成分としては、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、およびベンゾイル安息香酸などが挙げられる。三官能以上の多官能成分としては、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロールおよびペンタエリスリトールなどが挙げられる。
(A−1)熱可塑性ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、またはポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリナフタレンテレフタレート樹脂などが好ましく、中でも好ましいのはPBT樹脂である。本発明においてPBT樹脂とは、テレフタル酸が全ジカルボン酸成分の50モル%以上を占め、1,4−ブタンジオールが全ジオールの50モル%以上を占めることをいう。PBT樹脂は、さらに、ジカルボン酸単位中のテレフタル酸の割合が70モル%以上のものが好ましく、90モル%以上のものがより好ましい。また、ジオール単位中の1,4−ブタンジオールの割合は、70モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。このようなPBT樹脂を用いることにより、機械的強度および耐熱性がより向上する傾向にあり好ましい。PBT樹脂は、低反り性の観点からは、例えばイソフタル酸を共重合させたものが好ましい。
なお、(A)成分の熱可塑性樹脂として、PBT樹脂を選択したときは、後記するビニル芳香族系樹脂{(E)成分}を少量配合することにより、耐電圧性をさらに向上できる。(E)成分を配合することによって、同時に低比重化、低反り性を図ることができるが、耐熱性が低下する傾向があるので、配合量については、耐電圧、耐熱性、機械的強度のバランスを勘案する必要がある。その配合量は(A)成分100重量部に対して、5〜80重量部が好ましく、中でも15〜80重量部、特に15〜70重量部が好ましい。
本発明におけるPBT樹脂の固有粘度は、テトラクロルエタンとフェノールが1:1(重量比)の混合溶媒中、30℃の条件下で測定した値が0.5〜3.0dl/gの範囲にあるのが好ましい。固有粘度が0.5未満であると機械的特性が十分ではなく、3.0を超えると成形加工が低下し、好ましくない。固有粘度のより好ましい範囲は0.5〜1.5dl/gであり、取り分け好ましいのは、0.6〜1.3dl/gである。PBT樹脂は、固有粘度の異なる二種以上を併用することもできる。
本発明において(A−2)ポリアミド樹脂とは、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有し、加熱溶融できる重合体を言う。具体的には、ラクタム類の重縮合物、ジアミン化合物類とジカルボン酸化合物類と塩の重縮合物、ω−アミノカルボン酸の重縮合物などの各種タイプのポリアミド樹脂、またはそれ等の共重合ポリアミド樹脂やブレンド物などを言う。
ラクタム類は、炭素数は4〜15個の化合物が好ましい。炭素数が15個より多いと一般的に剛性が低くなり、4個未満であると吸湿性が大きくなる傾向にあり、耐電圧性が悪くなる。好ましいラクタム類としては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどが挙げられる。また、ジアミン化合物類は、炭素数は4〜15個の化合物が好ましい。炭素数が15個より多いと一般的に剛性が低くなり、4個未満であると吸湿性が大きくなる傾向にあり、耐電圧性が悪くなる。
好ましいジアミン化合物類としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、(2,2,4−または2,4,4−)トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン類が挙げられる。
また、ジカルボン酸化合物類としては、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸類が挙げられる。また、ω−アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸類などが挙げられる。
上記原料から重合される(A−2)ポリアミド樹脂は、単独重合体(ホモポリマー)または共重合体(コポリマー)を、各々単独または混合物(ブレンド物)として使用できる。これらの中で、入手のし易さの観点から、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6などが好ましい。
また、本発明に好適な(A−2)ポリアミド樹脂は、特定範囲の溶融粘度を有するものが好ましい。好ましい溶融粘度は、キャピラリーレオメーター(東洋精機社製、型式:キャピログラフ1C)を使用し、280℃で、せん断速度100sec−1の条件で測定した値が750〜10000ポイズの範囲である。溶融粘度が750ポイズより低いと、機械的強度が悪化するし、10000ポイズより高いと流動性が低下し、生産性が悪化する。溶融粘度のより好ましい範囲は800〜8000ポイズであり、とりわけ好ましいのは850〜7000ポイズである。
本発明において(A−3)芳香族ポリカーボネート樹脂とは、芳香族ジヒドロキシ化合物類、またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物類を、ホスゲンまたは炭酸ジエステルと反応させることによって得られる重合体を言う。芳香族ジヒドロキシ化合物類としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別称ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられる。これらの中で好ましいのは、ビスフェノールAである。
本発明に好適な(A−3)芳香族ポリカーボネート樹脂としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、または2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと、他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が挙げられる。
好適な(A−3)芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で10,000〜30,000であり、好ましくは20,000〜25,000である。
本発明において(A−4)ポリフェニレンエーテル樹脂とは、主鎖中に次の一般式[1]で表される構造単位を有する重合体を言う。ポリフェニレンエーテル樹脂は単独重合体(ホモポリマー)、他の共重合成分を含んだ共重合体(コポリマー)のいずれであってもよい。
Figure 0005243077
(A−4)ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、ポリ(2、6−ジメチル−1、4−フェニレン)エ−テル、ポリ(2、6−ジエチル−1、4−フェニレン)エ−テル、ポリ(2、6−ジプロピル−1、4−フェニレン)エ−テル、ポリ(2−メチル、6−エチル−1、4−フェニレン)エ−テル、ポリ(2−メチル、6−プロピル−1、4−フェニレン)エ−テルなどが挙げられ、これらの中で特に好ましいのは、ポリ(2、6−ジメチル−1、4−フェニレン)エ−テルである。
好適な(A−4)ポリフェニレンエーテル樹脂の分子量は、クロロホルム中、温度30℃で測定した固有粘度が0.2〜0.6dl/gの範囲のものである。固有粘度が0.2dl/g未満であると、樹脂組成物の耐衝撃性が不足し、0.6dl/gを超えると成形性や外観が低下するので、いずれも好ましくない。固有粘度のより好ましい範囲は、0.3〜0.5dl/gである。
本発明において(A−5)ポリフェニレンスルファイド樹脂(PPS)とは、下記構造式(2)で示される繰り返し単位を有する重合体を言う。
Figure 0005243077
耐熱性の観点からは、上記構造式で示される繰り返し単位を含む重合体を70モル%以上、さらには90モル%以上含む重合体が好ましい。本発明で用いられるPPS樹脂は上記化学構造を有し、ASTM D1238−86に定められた315℃、5000g荷重下におけるメルトフローレートが1000g/10分以上であることが必要であり、好ましくは3000g/10分以上である。
本発明に係る耐高電圧部品製造用樹脂組成物は、上記(A)成分に、(B)成分として特定の繊維状強化材を含有させる。繊維状強化材は、樹脂組成物より得られる部品(成形品)の機械的特性(引張強度、曲げ強度、耐衝撃強度など)、耐熱性を向上させ、同時に成形品の耐ヒートショック性、反りを防止し、寸法安定性を向上させる。
本発明における(B)成分の繊維状強化材は、繊維長さに直角な断面の長径と短径の比(扁平率)が1.5〜10.0の異形断面形状を有すものを言う。(B)成分の繊維状強化材は、繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD1とするとき、D2/D1比(扁平率)は1.5〜10.0の範囲とする。扁平率が1.5未満であると、最終的に得られる樹脂組成物は十分な耐高電圧性を発揮できず、また扁平率が10を超えると繊維状強化材自体の強度が維持できない為に、樹脂組成物を調製する際の混練工程や、この樹脂組成物を原料として成形品を製造する際、例えば射出成形機での混練工程で、繊維状強化材の破壊が生じ易く、得られる成形品が十分な耐高電圧性を発揮できない場合がある。(B)成分は、扁平率が上記要件を満たすほか、繊維状強化材の平均繊維長Lとするとき、(L×2)/(D2+D1)比(アスペクト比)が10以上のものが好ましい。アスペクト比が10.0未満であると、(B)成分は繊維状強化材として補強効果が不充分となる場合があり、また樹脂組成物から製造される成形品は十分な強度および耐電圧性を発揮することができない。
本発明における(B)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して、5〜150重量部の範囲で選ぶものとする。(B)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して5重量部未満であると、本発明の目的が効果的に達成できず、150重量部を超えると樹脂組成物を原料として部品(成形品)を製造(成形)する際の流動性が低下し、好ましくない。(B)成分の好ましい含有量は、(A)成分100重量部に対して、15〜120重量部の範囲であり、特に好ましいのは30〜100重量部である。
繊維状強化材の扁平率(長径と短径との比)は、繊維状強化材の断面の顕微鏡により観察、測定した長径と短径の測定値から、容易に算出することができる。市販されている繊維状強化材は、扁平率がカタログに記載されておれば、この値を活用することができる。強化繊維長を測定するには、(B)成分の繊維状強化材を配合した、強化樹脂組成物製成形品の中央部から約5gのサンプルを切り出し、温度600℃の電気炉中で2時間置いて灰化させた後、残った繊維状強化材について測定する。繊維状強化材を折損しないように、中性表面活性剤水溶液中に分散させ、その分散水溶液をピペットによってスライドグラス上に移し、顕微鏡で写真撮影を行う。この写真画像について、画像解析ソフトを用い、1000〜2000本の強化繊維について測定を行い、平均繊維長が算出できる。
異形断面の繊維状強化材の断面は、繊維の長さ方向に直角に切断した際の断面が、例えば、長方形、長方形に近い長円形、楕円形、長手方向の中央部がくびれた繭型などが挙げられる。これら繊維状強化材の異形断面の例は、特開2000−265046号公報に記載されている。断面が繭型の繊維状強化材は、中央部がくびれていて、その部分の強度が低く中央部で割れることがあり、またこのくびれた部分が基体樹脂との密着性が劣る場合もあるので、機械的特性向上を目的する場合は、断面が長方形、長方形に近い長円形、または楕円形のものを使用するのが好ましい。異形断面の繊維状強化材は、形状が異なるものを組合せてしようできるが、この際の扁平率やアスペクト比は、重量平均で算出された数値が前記扁平率やアスペクト比の範囲内に入ればよい。
繊維状強化材の種類としては、ガラス繊維、炭素繊維、玄武岩繊維などが挙げられる。本発明の(B)成分として好適な異形断面のガラス繊維は、例えば、特公平3−59019号公報、特公平4−13300号公報、特公平4−32775号公報などに記載の方法に従って製造することができる。特に、扁平なガラス繊維は、底面に多数のオリフィスを有するオリフィスプレートにおいて、複数のオリフィス出口を囲み、このオリフィスプレート底面より下方に延びる凸状縁を設けたオリフィスプレート、または、単数もしくは複数のオリフィス孔を有するノズルチップの外周部先端から、下方に延びる複数の凸状縁を設けた異形断面ガラス繊維紡糸用ノズルチップを用いて製造することができる。
(B)成分の繊維状強化材は、表面処理剤で表面処理されているのが好ましい。表面処理剤としては、例えば、γーメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリエトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。表面処理剤の付着量は、繊維状強化材に対して0.01重量%以上とするのが好ましい。表面処理剤に、さらに必要に応じて、脂肪酸アミド化合物、シリコーンオイルなどの潤滑剤、第4級アンモニウンム塩などの帯電防止剤、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの被膜形成能を有する樹脂、被膜形成能を有する樹脂と熱安定剤、難燃剤などを配合することもできる。
(B)成分の繊維状強化材としてのガラス繊維は、Aガラス、Cガラス、Eガラスなどの組成からなるものが好ましく、特に、Eガラス(無アルカリガラス)が熱可塑性樹脂の熱安定性に悪影響を及ぼさない点で好ましい。また、ガラス繊維を用いる際は、一般的には取り扱いの容易さなどから、短繊維タイプ(チョップドストランド)のものを使用することが好ましいが、特に耐衝撃特性が要求される成形品の場合には、成形品中のガラス繊維の繊維長をより長く保つ点から、長繊維タイプのものを使用することがより好ましい。
本発明に係る耐高電圧部品製造用樹脂組成物は、上記(A)成分に、(B)成分のほかに、弾性重合体{(C)成分}、エポキシ化合物{(D)成分}、ビニル芳香族系樹脂{(E)成分}を含有させる(配合する)ことができる。弾性重合体の好ましい配合量は、(A)成分の熱可塑性樹脂100重量部に対して、1〜50重量部であり、好ましは5〜30重量部である。
本発明における(C)成分の弾性重合体とは、−20℃以下のガラス転移温度を有し、23℃においてJIS K−6301に準拠して測定した100%モデュラスが100MPa以下のものをいう。一般的に、熱可塑性エラストマーまたは耐衝撃改良剤と称されるものが、これに該当する。(C)成分の弾性重合体として好ましいものは、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、およびウレタン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーや、コアシェルポリマーなどが挙げられる。
(C)成分としてのオレフィン系エラストマーの中で好ましいものは、エチレンおよび/またはプロピレンを主成分とする共重合体である。より具体的には、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。上記共重合体を酸変性、エポキシ変性したもの、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体などであってもよい。
(C)成分としてのスチレン系エラストマーとしては、スチレンなどのビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと未水素化、および/または、水素化した共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体が挙げられる。かかるブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第三級ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−ジフェニルスチレンなどの中から一種または二種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピレリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエンなどの中から一種または二種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。ここでいうブロック共重合体とは、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体であり、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物の共重合比は5/95〜70/30であり、特に10/90〜60/40の重合比が好ましい。上記ブロック共重合体を、酸変性またはエポキシ変性したものであってもよい。
(C)成分としてのポリエステル系エラストマーの例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、これにポリエチレングリコールやポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテル、またはポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするブロック共重合体が挙げられるが、これに限定されるものではない。
(C)成分としてのポリアミド系エラストマーの例としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12などをハードセグメントとし、これにポリエーテルまたは脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするブロック共重合体が挙げられる。ポリアミド系エラストマーは、これら例示したものに限定されるものではない。
(C)成分としてのウレタン系エラストマーの例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネートと、エチレングリコール、テトラメチレングリコールなどのグリコールとを反応させて得られるポリウレタンをハードセグメントとし、これにポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルまたはポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするブロック共重合体が挙げられる。ウレタン系エラストマーは、これら例示したものに限定されるものではない。
(C)成分としてのコアシェルポリマーとは、多層構造からなり、好ましくは平均粒径1.0μm以下のゴム層(粒子)表面を、ガラス状樹脂によって包まれて構造のコアシェル型グラフト共重合体を言う。コアシェルポリマーのゴム粒子は、平均粒径1.0μm以下のものが好適である。ゴム粒子の平均粒径が1.0μmを越えると、これを配合した樹脂組成物の耐衝撃特性の改善効果が不十分な場合がある。ゴム粒子の平均粒径のより好ましい範囲は、0.2〜0.6μmである。かかるコアシェル型共重合体のゴム層としては、ジエン系ゴム、アクリル系エラストマー、珪素系ゴムの単独、またはこの中から選ばれる2種以上のエラストマーを含んでいてもよい。
コアシェルポリマーのゴム層として使用できる珪素系ゴムとは、オルガノシロキサン単量体を重合させて製造されるものを言う。オルガノシロキサンとしては、例えば、ヘキサメチルトリシクロシロキサン、オクタメチルシクロシロキサン、デカメチルペンタシクロシロキサン、ドデカメチルヘキサシクロシロキサン、トリメチルトリフェニルシロキサン、テトラメチルフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサンなどが挙げられる。
コアシェルポリマーのガラス状樹脂で形成されるシェル層は、ビニル系重合体によって形成するのが好ましい。ビニル系重合体は、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、メタクリル酸エステル系単量体、およびアクリル酸エステル単量体の中から選ばれた少なくとも一種の単量体を、重合または共重合させて得られる。かかるコアシェルポリマーのゴム層とシェル層は、通常、グラフト共重合によって結合されている。このグラフト共重合化は、必要な場合には、ゴム層の製造時にシェル層と反応するグラフト交差剤を添加し、ゴム層に反応性基を付与した後、ビニル系重合体を重合させることによって得られる。グラフト交差剤としては、シリコーン系ゴムでは、ビニル結合を有したオルガノシロキサンあるいはチオールを有したオルガノシロキサンが用いられ、好ましくはアクロキシシロキサン、メタクリロキシシロキサン、ビニルシロキサンが挙げられる。
本発明における(D)成分としてのエポキシ化合物は、樹脂組成物の難燃性と耐高電圧性を向上させるように機能する。(D)成分のエポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ化合物、レゾルシン型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、脂環化合物型ジエポキシ化合物、グリシジルエーテル類、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ変性熱可塑性樹脂、エポキシ系難燃剤などが挙げられる。さらに具体的には、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、レゾルシン型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシドなどの脂環化合物型エポキシ化合物、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、テトラブロモビスフェノールAのエポキシオリゴマーなどがあげられる。
(D)成分としてのエポキシ化合物は、樹脂組成物の耐薬品性と(A)成分への分散の観点から、エポキシ当量150〜280g/eqのノボラック型エポキシ樹脂、またはエポキシ当量600〜3000g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。より好ましいのは、エポキシ当量180〜250g/eqで分子量1000〜6000のノボラック型エポキシ樹脂、またはエポキシ当量600〜3000g/eqで分子量1200〜6000のビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
(D)成分としてのエポキシ化合物の含有量は、(A)成分100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で選ばれる。含有量が0.1重量部未満であると、樹脂組成物の耐高電圧性が改善されず、10重量部より多くなると、流動性が低下し成形性が悪化する。(D)成分のより好ましい含有量は、0.2〜5重量部である。
(A)成分がPBT樹脂の場合には、ビニル芳香族系樹脂{(E)成分}と組合せるのが好ましい。(E)成分とは、ビニル芳香族化合物を主成分とする重合体を言う。ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンなどが挙げられ、好ましくは、スチレンである。(E)成分の具体例としては、ポリスチレン(PS)、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)、アクリロニトリル−アクリル酸−スチレン(AAS)、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の水素化物(SEBS)などが代表的なものである。このなかでも特に物性面、コスト面から、成形材料として使用されるPS、HIPS、ASなどのスチレン系樹脂が好ましい。
(E)成分の含有量は、(A)成分がPBT樹脂との合計量の1〜50重量%である。(E)成分が1重量%より少ないと、耐高電圧性および低そり性や寸法精度を向上させることができず、50重量%より多いと、耐高電圧性、耐熱性、難燃性、耐薬品性(耐グリース性)などが低下し、樹脂組成物は高電圧部品の製造用として不適当となる。(E)成分のより好ましい範囲は3〜30重量%、中でも好ましいのは5〜25重量%である。
本発明に係る樹脂組成物には、上記(C)成分〜(E)成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、各種の樹脂添加剤を配合することができる。樹脂添加剤としては、離型剤、結晶化促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、顔料・染料などの着色剤、発泡剤、架橋剤、難燃剤、難燃助剤が挙げられる。さらに、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、他の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂などを含有させることができる。
本発明に係る樹脂組成物を調製する方法は、特定の方法に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂組成物の調製方法として従来から知られている方法、例えば、ドライブレンド法、溶融混練法によることができる。中でも、混練押出機を使用しての溶融混練法が好ましい。溶融混練法では、例えば、付加的成分を含む各成分を、混練機に一括でフィードする方法、順次フィードする方法などが挙げられる。また、付加的成分を含め各成分から選ばれた2種以上の成分を予め混合し、予め混合したもの同士を混合する方法であってもよい。さらに、繊維状強化材以外の各成分を、必要であれば、付加的成分である物質と共に、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダーなどによって均一に混合した後、混練押出機のホッパーに供給して溶融させ、繊維状強化材をサイドフィードする方法であってもよい。
上記の方法で調製された本発明に係る耐高電圧部品製造用樹脂組成物は、各種耐高電圧部品(製品、成形品)の製造(成形)用原料として使用できる。部品(成形品)の製造用に適用できる方法としては、射出成形法、中空成形法、圧縮成形法、押出成形法、カレンダー成形法、回転成形法などである。中でも、部品(成形品)の生産性の観点から、射出成形法が好適である。
本発明に係る樹脂組成物は、耐高電圧部品の製造用に好適である。本発明において耐高電圧部品とは、少なくとも瞬間的または一時的に高電圧が印加されても発火や破壊が生じないように設計された電気・電子部品、および、偶発的に高電圧が印加されても発火や破壊が生じない電気・電子部品を言う。偶発的に高電圧が印加される例としては、落雷や高電圧線のショートなどがある。高電圧とは、一般的に使用される電圧(100V)を超える交流およびまたは直流電圧を指し、より厳しくは1kV以上の電圧を言う。
樹脂製高電圧部品の形状は、特に限定されるものではなく、板状(円板、多角形などを含む)、柱状、箱形状、椀型状、トレイ状などのいずれでもよい。大型部品、形状の複雑な部品の場合は、部品の肉厚は均一である必要はなく、部品が箱形状または椀型状の場合には、箱または椀の内側に補強リブが設けられていてもよい。耐高電圧部品の具体例としては、自動車などの原動機における放電部品や、照明関連などに用いられる変圧部品などがある。より具体的には、自動車のイグニッション,ディストリビューター部品などのエンジン点火系部品や、ディスチャージランプなどの照明部品がある。また偶発的な高電圧印加が想定される部品としては、電気ブレーカーや漏電遮断器などの漏電保護部品、コンセントやプラグ、ターミナルなどの配線部品、100Vの電圧を高電圧、または低電圧に変換する変圧器部品、更に磁場を発生させるためのコイルボビンなどがある。
本発明に係る樹脂組成物製の耐高電圧部品は、部品の大きさや形状にもよるが、肉厚が薄くても、優れた耐高電圧性を発揮することができる。高電圧が印加される部品の肉厚が3mm以下、さらには2mm以下、中でも1.5mm以下でも、顕著な効果を発揮する。本発明に係る樹脂組成物は、薄肉化(軽量化)・小型化した部品の製造用に好適である。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は以下に記載した例に限定されるものではない。以下に、実施例、比較例で使用した各成分は、以下に記載したとおりの特性のものであり、(A)成分の「酸素指数」の測定方法は、後記した方法によって測定した。尚、実施例1〜11および16〜23は参考例である。
(A−1)PBT樹脂:酸素指数が21、融点が224℃のポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ノバデュラン5008)である。
(A−2)PET樹脂:酸素指数が24、融点が255℃のポリエチレンテレフタレート(三菱化学社製、商品名:ノバペックスGS385)である。
(A−3)PA−6樹脂:酸素指数が23、融点224℃のポリアミド6(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ノバミッド1010J)である。
(A−4)PA−MXD6樹脂:酸素指数が27、融点が242℃のポリアミドMXD6(三菱ガス化学社製、商品名:ポリアミドMXD6#6000)である。
(A−5)PPS樹脂:酸素指数が45、融点282℃のポリフェニレンスルファイド(東レ・フィリップス社製、商品名:ライトンM2588)である。
(A−6)PPE樹脂:酸素指数が30、ガラス転移点が210℃のポリフェニレンエーテル(三菱ガス化学社製、商品名:ユピエースPX100L)である。
(A−7)PC樹脂:酸素指数が25のポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ユーピロンS−3000)である。
(A−8)AS樹脂:酸素指数が19のアクリロニトリル−スチレン共重合体(テクノポリマー社製、商品名:サンレックスSAN−C)である。
(A−9)PS樹脂:酸素指数が18のポリスチレン(PSジャパン社製、商品名:PSJポリスチレンHT478)である。
(A−10)POM樹脂:酸素指数が16のポリアセタール樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ユピタールF30−01)である。
なお、(A)成分が複数樹脂のブレンド物の場合には、酸素指数は、ブレンドされた(A)成分について測定した値を意味する。
(B−1)ガラス繊維(扁平型断面):扁平率が4の扁平型断面ガラス繊維(日東紡社製、銘柄名:CSH3PA830)である。
(B−2)ガラス繊維(扁平型断面):扁平率が4の扁平型断面ガラス繊維(日東紡社製、銘柄名:CSH3PA820)である。
(B−3)ガラス繊維(まゆ型断面):扁平率が2のまゆ型断面ガラス繊維(日東紡社製、銘柄名:CSH3PA860)である。
(B−4)ガラス繊維(円形断面):円形断面のガラス繊維(日本電気硝子社製、銘柄名:ECS03T187)である。
(B−5)ガラス繊維(円形断面):円形断面のガラス繊維(日本電気硝子社製、 銘柄名:ECS03T289)である。
(B−6)ガラス繊維(円形断面):円形断面のガラス繊維(旭ファイバーグラス社製、銘柄名:CS03MA404)である。
(B−7)ガラス繊維(円形断面):円形断面のガラス繊維(旭ファイバーグラス社製、銘柄名:CS03MA486)である。
(B−8)ガラス繊維(円形断面):円形断面のガラス繊維(日本電気硝子社製、 銘柄名:ECS03T351)である。
(C−1)スチレン系エラストマー:クラレ社製、商品名:セプトン4055である。
(C−2)ポリエステル系エラストマー:三菱化学社製、商品名:プリマロイBT1045である。
(C−3)ポリオレフィン系エラストマー:住友化学社製、商品名:ボンドファースト2Cである。
(C−4)コアシェル型エラストマー:クレハ社製、商品名:パラロイドEXL2315である。
(C−5)エポキシ変性スチレン系エラストマー:ダイセル化学社製、商品名:エポフレンドAT501である。
(C−6)酸変性スチレン系エラストマー:旭化成ケミカルズ社製、商品名:タフテックM1943である。
(D−1)ノボラック型エポキシ:ノボラック型エポキシ化合物(東都化成社製、商品名:エポトートYDCN−704)である。
(D−2)ビスフェノールA型エポキシ:ビスフェノールA型エポキシ化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカサイザーEP17)である。
[実施例1〜実施例23、比較例1〜比較例27] 上記の各成分を、表−2〜表−9に示す割合(重量部)で秤量し、ガラス繊維を除く各成分を、ヘンシェルミキサーで均一混合した。得られた混合物を、二軸押出機{日本製鋼所社製、型式:TEX−30C、バレル(シリンダー)は9ブロックで構成されている}を使用し、バレル温度を表−1に示した温度に設定して、混合物溶融させた。押出機ホッパー側から5番目のブロックで、ガラス繊維をサイドフィード方式によって溶融樹脂にフィードし、混練してペレット化した。このペレット状の強化樹脂組成物を原料として、射出成形機(住友重機械社製、型式:SG−75MIII)を使用し、この射出成形機のシリンダー温度を表−1に記載した温度に設定し、機械的強度測定用のISO527−1、2に準拠した試験片、および、耐電圧性評価用試験片として、100mm×100mmで厚さが1mmと、2mmの平板を成形した。得られた試験片につき、各種特性を、下記に記載した方法で評価した。評価結果を表−2〜表−9に示す。
Figure 0005243077
(a)酸素指数:ISO 4589(JIS K7201)に準拠して、厚さ0.8mmのUL燃焼試験片を作成し、この試験片につき、東洋精機製、型式:OXIGEN INDEXERISOを使用して測定した。
(b)耐電圧性(絶縁破壊電圧:単位kV):大きさが100mm×100mmで、厚さ(t)が1mmと2mmのシート状であって、乾燥状態とした試験片について、ヤマヨ試験器社製の絶縁破壊試験装置、型式:YST−243−100RHOによって、温度が23℃の油中、短時間法(2kV/sec)、直径が6mmの円柱状電極と、直径が25mmの円柱状電極とを組合せて、絶縁破壊電圧を測定した。また、この試験片について、下記の湿熱処理またはヒートショック処理を施した後の試験片についても絶縁破壊電圧を測定し、後者をヒートショック処理後の絶縁破壊電圧とした。
(c)湿熱処理:試験片を、(株)平山製作所社製プレッシャークッカー(PC−422R5F)を使用し、温度100℃、湿度100%の環境下300時間処理した。処理後は、試験片を23℃、50%RH中に3日間放置して、試験片の状態調湿を行った。
(d)ヒートショック(HS)処理:試験片を、耐ヒートショック(HS)性試験機(エスペック社製、型式:TSA−100S)によって試験を行った。試験条件は、−40℃の低温で60分放置処理と、150℃の高温で60分放置処理を、両温度の移行時間1分で繰り返し、低温放置と高温放置との各1回ずつを1サイクルとし、300サイクルの処理を行った。処理後は、試験片を23℃、50%RH中に3日間放置して、試験片の状態調湿を行った。(e)引張強度(MPa)、引張弾性率(MPa):ISO527に準拠して測定した。引張強度は、上記の湿熱処理を施さない試験片と、湿熱処理を施した後の試験片の双方について測定し、後者を湿熱処理後の引張強度とした。(f)シャルピー衝撃強度(kJ/m):ISO179に準拠して測定した、ノッチ付きシャルピー衝撃強度である。
Figure 0005243077
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Figure 0005243077
表−2〜表−9より、次のことが明らかである。
1.酸素指数20以上の熱可塑性樹脂に、異形断面形状を有する繊維状強化材を含有させた樹脂組成物の実施例1〜実施例23の物性は、円型断面の繊維状強化材を含有させた比較例1〜比較例22の樹脂組成物の物性に比較して、耐高電圧性が良好であり、湿熱・ヒートショック処理後も良好な耐高電圧性を保持しており、機械的強度も良好である。なお、実施例23と比較例22は、PPE樹脂単独では流動性が悪く、1mm厚さの試験片の製造が困難であるため、PPE樹脂にポリスチレンを配合した組成物として評価を行ったものである。
2.PBT樹脂に異形断面強化材を含有させ、さらに、エポキシ化合物を配合した実施例1および実施例2の樹脂組成物は、エポキシ化合物を配合を含有させない実施例16の樹脂組成物に比べて、成形直後の耐高電圧性の向上は僅かであるが、湿熱・ヒートショック処理後の耐電圧性が大幅に向上している。
3.PBT樹脂に異形断面強化材を含有させ、さらに、弾性重合体を含有させた実施例4の樹脂組成物は、弾性重合体を含有させない実施例16の樹脂組成物に比べて、成形品製造直後の耐電圧性は大幅に向上している。
4.PBT樹脂に異形断面強化材を含有させ、さらに、弾性重合体とエポキシ化合物の両方を配合した実施例5〜実施例11、実施例14の樹脂組成物は、成形品製造直後、および、湿熱・ヒートショック処理後の耐高電圧性が大幅に向上している。
5.PBT樹脂にビニル芳香族系樹脂を配合した実施例15の樹脂組成物は、弾性重合体とエポキシ化合物の両方を含有させない実施例16の樹脂組成物と比べ、機械特性はほぼ同等であるが、成形直後およびヒートショック・湿熱処理後の耐高電圧性が大幅に向上している。
6.一方、酸素指数20以上の熱可塑性樹脂に、円型断面の繊維状強化材を含有させた比較例1〜比較例22の樹脂組成物の物性は、実施例1〜実施例23の樹脂組成物の物性に比較して、耐高電圧性が劣り、湿熱・ヒートショック処理後の耐高電圧性、機械的強度も劣る。
7.酸素指数が16のポリアセタール樹脂に異形断面ガラス繊維を含有させた比較例23と比較例24では、繊維状強化材として異形断面ガラス繊維を含有させても、円形断面ガラス繊維を含有させた樹脂組成物と、耐高電圧性はほとんど変わらず、改善効果が認められない。
8.また、(A)成分の酸素指数が20未満の比較例25〜比較例27は、本発明の目的を達成することができない。すなわち、AS樹脂(酸素指数19)に異形断面ガラス繊維を含有させても(比較例25)、AS樹脂に円形断面ガラス繊維を含有させた(比較例26)、AS樹脂とPBT樹脂とをブレンドした酸素指数が19.6のブレンド物(比較例27)はいずれも、湿熱・ヒートショック処理後の耐高電圧性が劣る。
本発明に係る耐高電圧部品製造用樹脂組成物は、高温高湿、冷熱衝撃などの厳しい環境下で使用される製品、例えば、自動車や電気電子分野などにおける高電圧部品に好適に使用できる。耐高電圧部品としては、イグニッションシステムやディストリビューターなどの電装部品が挙げられる。

Claims (6)

  1. (A)成分:酸素指数が20以上の熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂100重量部、(B)成分:繊維長さに直角な断面の長径と短径の比(扁平率)が1.5〜10の異形断面形状を有する繊維状強化材5〜150重量部を含有し、(A)成分が、ポリブチレンテレフタレート樹脂とビニル芳香族系樹脂よりなり、ビニル芳香族系樹脂がポリブチレンテレフタレート樹脂との合計量の1〜50重量%であることを特徴とする、耐高電圧部品製造用樹脂組成物。
  2. (B)成分が、その断面形状が長方形または長方形に近い長円形であり、扁平率が2.5〜10.0のものである、請求項1に記載の耐高電圧部品製造用樹脂組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の耐高電圧部品製造用樹脂組成物に、さらに、(C)成分:弾性重合体を、(A)成分100重量部に対して、1〜50重量部を含有する、耐高電圧部品製造用樹脂組成物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の耐高電圧部品製造樹脂組成物に、さらに、(D)成分:エポキシ化合物を、(A)成分100重量部に対して、0.1〜10.0重量部を含有する、耐高電圧部品製造用樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の耐高電圧部品製造用樹脂組成物を原料として、製造されたものであることを特徴とする耐高電圧部品。
  6. 1kV以上の電圧が印加されても発火または破壊が生じないことを特徴とする請求項5記載の耐高電圧部品。
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