JP5241661B2 - カメラ本体およびそれを備えた撮像装置 - Google Patents
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Description
しかし、カメラ本体を小型化することにより、撮像素子と撮像素子を制御する撮像素子回路基板とを含む撮像素子ユニットやカメラコントローラーの実装されたメイン回路基板などの電子部品周辺のスペースが少なくなり、これらの電子部品が密集した状態で実装される。
その一方で、高画質化に伴い撮像素子およびカメラコントローラーの消費電力が大きくなるので、これらの電子部品での発熱量が増大する。特に、撮像素子で発生する熱量が多い場合、カメラコントローラーが実装されたメイン回路基板などの電子部品に撮像素子から熱が伝わり、電子部品が熱により破損する可能性がある。
このカメラ本体では、撮像素子で熱が発生しても、撮像素子からメイン回路基板へ伝わる熱量が放熱板により低減されるため、メイン回路基板の温度上昇を抑制することができる。これにより、熱による電子部品の破損を防ぐことができる。
この場合、撮像装置が第1の特徴に係るカメラ本体を備えているため、熱による電子部品の破損を防ぐことができる。
<1−1:デジタルカメラの概要>
図1は、第1実施形態に係るデジタルカメラ1の斜視図である。図2は、カメラ本体100の斜視図である。図3は、デジタルカメラ1の機能ブロック図である。
デジタルカメラ1は、交換レンズ式のデジタルカメラであり、カメラ本体100と、カメラ本体100に装着可能なレンズユニット200と、を備えている。
一眼レフレックスカメラとは異なり、カメラ本体100は、ミラーボックス装置を有していないので、一眼レフレックスカメラに比してフランジバックが小さい。また、フランジバックを小さくすることで、カメラ本体100が小型化されている。さらに、フランジバックを小さくすることで、光学系の設計の自由度が高まるので、レンズユニット200は小型化されている。以下、各部の詳細について説明する。
ここで横撮り姿勢とは、カメラ本体100の底面101aがCMOSイメージセンサー110(後述)の鉛直下側にあり、さらに底面101aが鉛直方向と直交する状態をいう。本実施形態では、図5に示されるように、カメラ本体100の外装部101(後述)を構成する面のうち、三脚取付部155(後述)が設けられている面を、カメラ本体100の底面101aとする。
<1−2:カメラ本体の構成>
図4は、デジタルカメラ1の概略断面図である。図5は、カメラ本体の背面図である。カメラ本体100は、主に、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー110と、CMOS回路基板113と、カメラモニタ120と、操作部130と、カメラコントローラー140を含むメイン回路基板142と、ボディマウント150と、電源160と、カードスロット170と、電子ビューファインダー180と、シャッターユニット190と、光学的ローパスフィルタ114と、振動板115と、メインフレーム154と、三脚取付部155と、放熱部材198と、外装部101と、を備えている。
CMOSイメージセンサー110(撮像素子の一例)は、レンズユニット200を介して入射される被写体の光学像(以下、被写体像ともいう)を画像データに変換する。生成された画像データは、CMOS回路基板113のADコンバーター111でデジタル化される。ADコンバーター111でデジタル化された画像データは、カメラコントローラー140で様々な画像処理が施される。ここで言う様々な画像処理とは、例えば、ガンマ補正処理、ホワイトバランス補正処理、キズ補正処理、YC変換処理、電子ズーム処理、JPEG圧縮処理等である。
CMOSイメージセンサー110は、CMOS回路基板113のタイミング発生器112で生成されるタイミング信号に基づいて動作する。CMOSイメージセンサー110は、CMOS回路基板113の制御により、静止画データおよび動画データの取得を行うことができる。取得された動画データは、スルー画像の表示にも用いられる。なお、静止画データおよび動画データは、画像データの一例である。
CMOSイメージセンサー110は、スルー画像として用いられる低解像度の動画像の取得と、記録用として用いられる高解像度の動画像の取得とが可能である。高解像度の動画像としては、例えば、HDサイズ(ハイビジョンサイズ:1920×1080画素)の動画像が考えられる。なお、CMOSイメージセンサー110は被写体の光学像を電気的な画像信号に変換する撮像素子の一例である。撮像素子は、CMOSイメージセンサー110の他に、CCDイメージセンサー等の光電変換素子を含む概念である。
カメラモニタ120は、例えば液晶ディスプレイであり、表示用画像データが示す画像等を表示する。表示用画像データは、カメラコントローラー140で生成される。表示用画像データは、例えば、画像処理された画像データ、デジタルカメラ1の撮影条件、操作メニュー等を画像として表示するためのデータである。カメラモニタ120は、動画像も静止画像も選択的に表示可能である。
なお、カメラモニタ120はカメラ本体100に設けられた表示部の一例である。表示部としては、他にも、有機EL、無機EL、プラズマディスプレイパネル等、画像を表示できるものを用いることができる。また、表示部は、カメラ本体100の背面でなく、側面や上面等、他の場所に設けてもよい。
なお、EVF180もまた、表示部の一例である。カメラモニタ120と異なる点は、ユーザーが目を近づけて見ることにある。構造上の相違点は、EVF180が接眼窓183を有するのに対してカメラモニタ120は接眼窓183を有しない点である。
操作部130は、ユーザーによる操作を受け付ける。具体的には図1および図2に示すように、操作部130は、ユーザーによるシャッター操作を受け付けるレリーズ釦131と、カメラ本体100の上面に設けられた回転式のダイアルスイッチである電源スイッチ132と、を含む。電源スイッチ132は、第1の回転位置で電源がOFFとなり、第2の回転位置で電源がONとなる。操作部130は、ユーザーによる操作を受け付けることができればよく、ボタン、レバー、ダイアル、タッチパネル等を含む。
カメラコントローラー140は、CMOS回路基板113を制御する。具体的には、カメラコントローラー140はCMOS回路基板113に制御信号を送信し、CMOS回路基板113は受信した制御信号に基づきCMOSイメージセンサー110を制御する。また、カメラコントローラー140は、CMOSイメージセンサー110により生成され、CMOS回路基板113によりAD変換等の所定の処理を施された画像データを取得し、さらに処理を施す。例えば、カメラコントローラー140は、CMOS回路基板113により処理された画像データから、表示用画像データや記録用画像データなどを生成する。
カードスロット170は、メモリーカード171を装着可能である。カードスロット170は、カメラコントローラー140から送信される制御信号に基づいて、メモリーカード171を制御する。具体的には、カードスロット170は、メモリーカード171に画像データを格納する。カードスロット170は、メモリーカード171から画像データを出力する。また、カードスロット170はメモリーカード171に動画データを格納する。カードスロット170は、メモリーカード171から動画データを出力する。
メモリーカード171は、さらに、カメラコントローラー140が画像処理により生成した動画データを格納可能である。例えば、メモリーカード171は、動画圧縮規格であるH.264/AVCに従って圧縮された動画ファイルを格納できる。また、メモリーカード171は、あらかじめ内部に格納された動画データ又は動画ファイルを、カードスロット170を介して出力できる。メモリーカード171から出力された動画データまたは動画ファイルは、カメラコントローラー140で画像処理される。例えば、カメラコントローラー140は、メモリーカード171から取得した動画データまたは動画ファイルに伸張処理を施し、表示用動画データを生成する。
電源160は、デジタルカメラ1で使用するための電力を各部に供給する。電源160は、例えば、乾電池であってもよいし、充電池であってもよい。また、電源160は、電源コード等を介して外部の電源から電力の供給を受け、デジタルカメラ1に電力を供給するユニットであってもよい。
ボディマウント150は、ボディマウントリング151と、電気接点153と、を有している。ボディマウントリング151は、レンズマウントリング251に嵌合することによりレンズユニット200を機械的に保持する。具体的には、レンズマウントリング251は、ボディマウントリング151に挿入可能であり、さらに、ボディマウントリング151に挿入されたレンズマウントリング251は、ボディマウントリング151に対して回転が可能である。
レンズマウントリング251を支持するために、ボディマウントリング151にはある程度の強度が要求されるので、ボディマウントリング151は金属で形成されているのが好ましい。本実施形態では、ボディマウントリング151は、金属で形成されている。
ボディマウント150は、ボディマウント接点支持部152(中間部品の一例)を介してメインフレーム154に支持されている。ボディマウント接点支持部152は、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154までの熱伝導経路上に配置された中間部品の一例でもある。ボディマウント接点支持部152は、ボディマウントリング151と接続されており、ボディマウントリング151を支持している。ボディマウント接点支持部152は、メインフレーム154により支持され、ボディマウントリング151とシャッターユニット190との間に配置されている。また、ボディマウント接点支持部152は開口部を有しており、この開口部の内径はボディマウントリング151の内径よりも小さい。
光学的ローパスフィルタ114は、被写体光の高周波成分を取り除く。具体的には、光学的ローパスフィルタ114は、レンズユニット200により結像する被写体像をCMOSイメージセンサー110の画素のピッチよりも粗い解像となるように分離する。一般的にCMOSイメージセンサー110等の撮像素子は、各画素にベイヤー配列と呼ばれるRGB色のカラーフィルターやYCM色の補色カラーフィルターが配されている。従って、1画素に解像してしまうと偽色が発生するばかりでなく、繰り返しパターンの被写体では醜いモアレ現象が発生する。さらに光学的ローパスフィルタ114には、赤外光をカットするためのIrカットフィルタ機能も併せ持たせている。
メインフレーム154は、カメラ本体の内部において、前面から下面に沿って配置されている。メインフレーム154はボディマウント150のボディマウント接点支持部152と接続し、ボディマウント150を介してレンズユニット200を支持している。そのため、メインフレーム154はある程度の強度が必要である。従って、メインフレーム154は、金属で形成されているのが好ましい。本実施形態では、メインフレーム154は、金属で形成されている。
放熱部材198は、CMOSイメージセンサー110により発生した熱の放熱を促進するための部材であり、放熱板195と、熱伝導部196と、を有している。放熱部材198の素材として例えばアルミや銅等の金属を用いれば、好ましい放熱効果を得ることができる。
図7(a)および(b)に示すように、放熱板195は、長方形のプレートであり、CMOSイメージセンサー110とメイン回路基板142の間に配置されている。具体的には、放熱板195は、CMOS回路基板113とメイン回路基板142の間に配置されている。光軸方向から見た場合、放熱板195の外形は、CMOSイメージセンサー110およびCMOS回路基板113よりも大きい。
第1プレート196aは、CMOSイメージセンサー110の上側に隙間を介して配置されている(図4参照)。第2プレート196bは、CMOSイメージセンサー110の側方(前から見て左側)に隙間を介して配置されている。第3プレート196cは、CMOSイメージセンサー110の側方(前から見て右側)に隙間を介して配置されており、CMOSイメージセンサー110の第2プレート196bと反対側に配置されている。第4プレート196dは、CMOSイメージセンサー110の下側に隙間を介して配置されている(図4参照)。
また、図7(a)および(b)に示すように、第1プレート196a〜第4プレート196dの間には、それぞれ隙間が確保されており、放熱部材198の内部の空間と外部の空間とがこれらの隙間を介して連通している。
外装部101は、カメラ本体100の外面を形成する部材で、CMOSイメージセンサー110やメイン回路基板142などのカメラ本体100の構成部品を内部の空間に格納する。外装部101の表面にはレリーズ釦131などの部品が配置されており、外装部101の内側にはメインフレーム154が固定されている。また、外装部101にはボディマウント150が固定されている。
レンズユニット200は、カメラ本体100に装着可能であり、被写体の光学像を形成する。具体的には、レンズユニット200は、光学系Lと、駆動部215と、レンズマウント250と、絞りユニット260と、レンズコントローラー240と、レンズ筒290と、を有している。
光学系Lは、光学系Lの焦点距離を変化させるためのズームレンズ群210と、光学系Lで形成される被写体像のCMOSイメージセンサー110に対するぶれを抑制するためのOIS(Optical Image Stabilizer)レンズ群220と、光学系LがCMOSイメージセンサー110上に形成する被写体像のフォーカス状態を変化させるためフォーカスレンズ群230と、を有している。
レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140から送信される制御信号に基づいて、レンズユニット200全体を制御する。具体的には、レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140との送受信を、レンズマウント250及びボディマウント150を介して行う。レンズコントローラー240は、駆動部215に含まれる検出部により検出される光学系Lの位置情報を受信して、カメラコントローラー140に送信する。カメラコントローラー140は、受信した位置情報を処理し、制御信号をレンズコントローラー240に送信する。レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140が発信する制御信号を受信し、駆動部215に制御信号を伝える。駆動部215は制御信号に基づいてズームレンズ210、OISレンズ220、フォーカスレンズ230の位置を調節する。また、カメラコントローラー140は、CMOSイメージセンサー110が受けた光の量、静止画撮影を行うのか動画撮影を行うのか、絞り値が優先的に設定される操作がされているか等の情報に基づいて、絞りユニット260に動作を指示する。このとき、レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140からの指示を絞りユニット260へ中継する。さらに、レンズコントローラー240は、制御の際、DRAM241をワークメモリとして使用する。また、フラッシュメモリ242は、レンズコントローラー240の制御の際に使用するプログラムやパラメータを保存する。
ズームリング213は筒状の部材であり、レンズ筒290の外周面で回転可能である。ズームリング213は、焦点距離を操作するための操作部の一例である。
フォーカスリング234は筒状の部材であり、レンズ筒290の外周面で回転可能である。フォーカスリング234は、光学系がCMOSイメージセンサー110上に形成する被写体像のフォーカス状態を操作するための操作部の一例である。
OISスイッチ224は、OISを操作するための操作部の一例である。OISスイッチ224をOFFにするとOISレンズ220は動作しない。OISスイッチ224をONにするとOISレンズ220は動作可能となる。
カメラ本体100は、ミラーボックス装置を有しておらず、この点が一眼レフレックスカメラと異なっている。以下、図を用いてカメラ本体100の構造上の特徴をさらに詳細に説明する。
図6(a)は一眼レフレックスカメラの概略断面図、図6(b)は本実施形態のデジタルカメラ1の概略断面図である。なお、図6(b)では、ボディマウント150、シャッターユニット190、振動板115、振動板支持部116、放熱板195、熱伝導部196などの部材は省略されている。
図6(a)に示す一眼レフレックスカメラ800では、CMOSイメージセンサー810の前面に、つまり、CMOSイメージセンサー810のレンズユニット802側にミラーボックス装置が配置されている。ミラーボックス装置は、反射ミラー803とペンタプリズム804とを含んでいる。そして、CMOSイメージセンサー810の背面に(つまり、CMOSイメージセンサー110に対してレンズユニット802とは反対側に)、前からCMOS回路基板813と、カメラコントローラー840を含むメイン回路基板842と、が順に配置されている。また、カメラ本体801の強度を確保するために金属製のメインフレーム854がカメラ本体801の内部の前面および下面に沿って配置されている。
その反面、カメラ本体801の内部にスペースが多いこと、カメラ本体801の表面積が大きいこと、または、CMOSイメージセンサー810とメイン回路基板842との間の距離を確保しやすいこと等の理由により、一眼レフレックスカメラ800では、CMOSイメージセンサー810から発生した熱を放熱しやすく、また、CMOSイメージセンサー810から発生した熱がメイン回路基板842に比較的伝わりにくい。
その一方で、一眼レフレックスカメラ800のようにミラーボックス装置が設けられているスペースが不要となるため、カメラ本体100の小型化を図れるが、CMOSイメージセンサー110やメイン回路基板142等の電子部品を収容するスペースが少なくなるため、これらの電子部品が密集した状態で実装され、この結果、一眼レフレックスカメラ800に比べて発熱密度が大きくなる傾向がある。
例えば、デジタルカメラ1では、高解像度の動画像の撮影にも対応したCMOSイメージセンサー110が採用されているため、高解像度の動画像の撮影に対応していないCMOSイメージセンサー(例えば、一眼レフレックスカメラ800のCMOSイメージセンサー810)と比較して消費電力がおよそ3倍(0.4Wから1.2W)に増加している。その結果、CMOSイメージセンサー110の発熱量は、高解像度の動画像の撮影に対応していないCMOSイメージセンサーの発熱量に比べて大きくなっている。
以上のように、デジタルカメラ1では一眼レフレックスカメラ800と比較して発熱量が増加し、かつ、カメラ本体100の小型化により体積が減少するので、カメラ本体100内での発熱密度がカメラ本体801に比べて大きくなっている。
また、小型化に伴い、CMOSイメージセンサー110で発生した熱がメインフレーム154に伝わりやすくなるので、メインフレーム154を介してボディマウント150および外装部101に熱が伝わりやすくなる。この結果、ユーザーがカメラ本体100に触れることで熱いと感じる可能性がある。
<1−5:放熱構造>
以上に説明したように、高性能化および小型化が図られているデジタルカメラ1では、CMOSイメージセンサー110で発生する熱を効率よく放熱する構造が必要とされる。
また、メイン回路基板142とは反対側に熱伝導部196が放熱板195から延びているため、放熱板195に伝わる熱が熱伝導部196(第1プレート196a〜第4プレート196d)を介して周辺に放出される。これにより、放熱部材198での放熱効率が高まり、CMOSイメージセンサー110の温度上昇を抑えることができる。
しかし、このカメラ本体900であっても、CMOSイメージセンサー110からメイン回路基板142へ伝わる熱が放熱板995により吸収されるので、少なくともメイン回路基板142の温度上昇を抑制することができる。
一方で、図11に示すカメラ本体900では、メインフレーム154および三脚取付部155は強度を確保するために金属を用いているため、熱伝導率が樹脂に比べて大きく、放熱板995からメインフレーム154を経て三脚取付部155に熱が伝導する。そして、三脚取付部155とカメラ本体100の底面101aの三脚取付部155周辺の温度が上昇する。さらには、メインフレーム154はボディマウント150と接続されているので、メインフレーム154にCMOSイメージセンサー110で発生する熱が伝わると、ボディマウント150の温度が上昇する。三脚取付部155やカメラ本体100の底面101aに触れることで、さらにはレンズユニット200の装着時または取り外し時にボディマウント150(特にボディマウントリング151)に触れることで、ユーザーが熱いと感じる可能性がある。
具体的には、CMOSイメージセンサー110とメインフレーム154との間には、ローパスフィルタ114、振動板支持部116、シャッターユニット190およびボディマウント接点支持部152が中間部品として配置されており、これらの中間部品が互いに固定されている。このため、CMOSイメージセンサー110とメインフレーム154との間には、熱伝導経路が形成されており、CMOSイメージセンサー110で発生した熱は、この熱伝達経路を通ってメインフレーム154に伝わる。
また、熱伝導部196は振動板支持部116からボディマウント150と反対側に延びているため、振動板支持部116から熱伝導部196に伝わった熱はボディマウント150から離れた場所で放出される。したがって、振動板支持部116から放熱部材198を介して放出された熱が、例えば対流伝熱によりメインフレーム154およびボディマウント150に伝わるのを抑制でき、メインフレーム154およびボディマウント150の温度上昇をさらに抑制できる。
さらに、ボディマウント接点支持部152は低熱伝導性の材料である樹脂等の材料を用いている。これにより、振動板支持部116からシャッターユニット190およびボディマウント接点支持部152を介して金属製のメインフレーム154および金属製のボディマウントリング151へ熱が伝わりにくくなる。そして、三脚取付部155およびボディマウントリング151の温度が上昇することを抑えることができる。三脚取付部155およびボディマウントリング151は金属を用いているが、高温になった金属は樹脂に比べ人が触れたときに熱いと感じやすいため、ボディマウント接点支持部152に低熱伝導性の材料を用いる構成は特に有効である。
<1−6:シミュレーション結果の一例>
上記の実施形態のカメラ本体100および図11に示す参考例のカメラ本体900の温度分布を熱シミュレーションで算出した結果を図8(a)〜(f)に示す。
図8(a)〜(f)に示すように、本実施形態の放熱構造と参考例の放熱構造とを比較すると、本実施形態の方がCMOSイメージセンサー110およびメイン回路基板142の温度が低いことがわかる。これは、放熱板195および熱伝導部196がCMOSイメージセンサー110の熱を効率的に吸収し、また、その熱がCMOSイメージセンサー110より前側に延びた熱伝導部196を介して効率的に逃がしているからであると考えられる。
これらの結果から、本実施形態の放熱構造は、メイン回路基板142の温度上昇の抑制およびカメラ本体100の底面101aの温度上昇の抑制に対して有効であることが分かる。
<1−7:第1実施形態の特徴>
以上に説明したデジタルカメラ1の特徴を以下にまとめる。
(1)このカメラ本体100では、放熱部材198の放熱板195がCMOSイメージセンサー110とメイン回路基板142との間に配置されているため、CMOSイメージセンサー110からメイン回路基板142へ伝わる熱量を放熱板195により低減できる。これにより、メイン回路基板142の温度上昇を抑制することができ、メイン回路基板142が熱により破損するのを防止することができる。
さらに、熱伝導部196が、CMOSイメージセンサー110のメイン回路基板142と反対側に配置された振動板支持部116に接続されているため、振動板支持部116の温度が低い場合には、放熱板195で吸収した熱を振動板支持部116に伝えることができ、放熱板195周辺に熱が対流するのを抑制できる。
(2)一方で、CMOSイメージセンサー110で発生した熱が振動板支持部116を介してメインフレーム154に伝わるが、このとき、振動板支持部116に金属製の放熱部材198が接続されているので、振動板支持部116に伝わった熱の一部が放熱部材198を介して放熱される。この結果、CMOSイメージセンサー110からメインフレームに伝わる熱量が低減され、メインフレーム154の温度上昇を抑制することができる。つまり、ボディマウント150(あるいは、三脚取付部155)の温度上昇を低減することができる。
(3)受光面110aに沿った方向にCMOSイメージセンサー110と隙間を介して対向するように熱伝導部196が配置されているので、振動板支持部116に伝わった熱は、熱伝導部196を介してCMOSイメージセンサー110の周辺の比較的広い空間に放出される。このように、放熱部材198を介してCMOSイメージセンサー110周辺の熱を効率的に放熱できるので、CMOSイメージセンサー110の温度上昇を抑制できる。
このカメラ本体100では、デジタルカメラ1が横撮り姿勢の状態で、第1プレート196aが撮像素子の上側に配置され、第2プレート196bおよび第3プレート196cがCMOSイメージセンサー110の側方に配置されている。したがって、このカメラ本体100では、比較的使用頻度が高い横撮り姿勢で、少なくとも第1プレート196a、第2プレート196b、第3プレート196cから放出される熱がCMOSイメージセンサー110に伝わりにくくなる。これにより、CMOSイメージセンサー110で発生する熱を効率的に放熱できる。
また、低熱伝導性材料でできたボディマウント接点支持部152が、熱伝導経路において、放熱部材198が接続されている部分よりもメインフレーム154側に配置されているので、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154への伝熱量がボディマウント接点支持部152により低減され、さらにCMOSイメージセンサー110から放熱部材198への伝熱量が増加する。これにより、放熱部材198での放熱効率を高めることができ、メインフレーム154およびボディマウント150の温度上昇をさらに抑制することができる。
〔第2実施形態〕
前述の第1実施形態では、放熱部材198が振動板支持部116に接続されているが、放熱部材198が他の部材に接続されていてもよい。ここでは、第1実施形態のカメラ本体100と異なる点を中心に説明し、共通する部分の説明を省略する。なお、第1実施形態と実質的に同一の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
熱伝導部196は、CMOSイメージセンサー110の上側に配置された第1プレート196aと、CMOSイメージセンサー110の両側方にそれぞれ配置された第2プレート196bおよび第3プレート196cと、CMOSイメージセンサー110の下側に配置された第4プレート196dと、を有している。
また、第1実施形態とは異なり、振動板支持部416は、放熱部材198内に配置されており、上側、両側方および下側を熱伝導部196により囲い込まれている。より詳細には、振動板支持部416の上側、両側方および下側には、第1プレート196a〜第4プレート196dが配置されている。
この場合であっても、CMOSイメージセンサー110からメイン回路基板142へ伝わる熱が放熱板195により吸収されるので、メイン回路基板142の温度上昇を抑制することができる。
また、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154への熱伝導系路上に配置されたシャッターユニット190に放熱部材198が接続されているので、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154へ伝わる熱の一部は熱伝導部196を介して放出される。これにより、メインフレーム154の温度上昇を抑制することができる。
また、以下に説明する実施形態も考えられる。なお、第1実施形態のカメラ本体100と異なる点を中心に説明し、共通する部分の説明を省略する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部材については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図10は、第3実施形態に係るカメラ本体500の概略断面図である。カメラ本体500は、放熱部材198の熱伝導部196が振動板支持部116ではなくボディマウント接点支持部152に接続されている点のみ第1実施形態のカメラ本体100と異なっており、他の構成はカメラ本体100と実質的に同じである。
熱伝導部196は、CMOSイメージセンサー110の上側に配置された第1プレート196aと、CMOSイメージセンサー110の両側方にそれぞれ配置された第2プレート196bおよび第3プレート196cと、CMOSイメージセンサー110の下側に配置された第4プレート196dと、を有している。
また、CMOSイメージセンサー110とメイン回路基板142との間には、放熱板195が配置されており、CMOSイメージセンサー110は放熱部材198により被写体側すなわち前側を除く上側、下側、両側方および後側の5方向を囲い込まれている。
この場合であっても、CMOSイメージセンサー110からメイン回路基板142へ伝わる熱が放熱板195により吸収されるので、メイン回路基板142の温度上昇を抑制することができる。
〔その他の実施の形態〕
本発明の実施形態は、前述の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形および修正が可能である。
(A)
前述の第1〜第3実施形態では、放熱部材198が放熱板195を有しているが、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154に伝わる熱量を低減する効果だけを考えると、放熱部材198が、熱伝導部196のみを有していればよく、放熱板195を有していなくてもよい。
なお、放熱板195と熱伝導部196とは、一体形成に限定されず、別体であってもよい。
(B)
前述の第1〜第3実施形態では、熱伝導部196が第1プレート196a、第2プレート196b、第3プレート196cおよび第4プレート196dを有しているが、これらの4枚のプレートのうち少なくとも1枚を熱伝導部196が有していればよい。
なお、放熱板195の支持を考慮すると、3枚以上のプレートで放熱板195がCMOSイメージセンサー110のボディマウント150側の部材に固定されていることが好ましい。
また、熱伝導部196はCMOSイメージセンサー110の上側、両側方および下側に配置されているが、必ずしも第1プレート196a、第2プレート196b、第3プレート196cおよび第4プレート196dの全てを放熱部材198が有している必要はなく、少なくとも一つを選び、振動板支持部116やシャッターユニット190やボディマウント接点支持部152に接続しても良い。例えば、(i)第1プレート196aの1枚、(ii)第2プレート196bと第3プレート196cとの2枚、(iii)第1プレート196aと第2プレート196bと第3プレート196cとの3枚、を選択してもよい。
各プレートで暖められたプレート周辺の空気による対流伝熱は、プレートの上側の空間に伝わりやすい。したがって、上記(i)、(ii)、(iii)のいずれを選択しても、各プレートの放出する熱は、横撮り姿勢においてCCDイメージセンサー110に伝わりにくいので、CCDイメージセンサー110周辺の熱を効率的に放熱できる。
(D)
前述の第1および第3実施形態では、シャッターユニット190が設けられているが、シャッターユニット190を設けず、CMOSイメージセンサー110の駆動制御によりシャッターユニット190と同様のシャッター機能を実現してもよい。具体的には、CMOSイメージセンサー110は、各画素の電荷を上のラインから順次リセットする。そして、各ラインのリセット動作が下に移動するのを追いかけるように、上のラインから順次各画素の電荷を読み出す。このようにすれば、各画素は、リセットされてから電荷が読み出されるまでの期間に露光され、取得した電荷によって画像データが形成できる。
前述の第1〜第3実施形態では、カメラモニタ120とEVF180との両方を有しているが、カメラモニタ120およびEVF180の一方のみを有する構成でもよい。
(F)
撮像素子としては、CMOSイメージセンサー110の他に、CCDイメージセンサーも考えられる。
(G)
前述の実施形態では、カメラコントローラー140を含むメイン回路基板142は、放熱部材198の外側に配置されている。これは、CMOSイメージセンサー110は消費電力が比較的大きいため、最大の熱の発生源となることが多く、回路部品等の熱の影響を受け易い部品が多数実装されているメイン回路基板142にCMOSイメージセンサー110から熱が伝わることを防止するためである。
100 カメラ本体
101 外装部
110 CMOSイメージセンサー(撮像素子の一例)
113 CMOS回路基板(撮像素子回路基板の一例)
115 振動板
116 振動板支持部(中間部品の一例)
140 カメラコントローラー
142 メイン回路基板
150 ボディマウント
151 ボディマウントリング
152 ボディマウント接点支持部(中間部品の一例)
154 メインフレーム
155 三脚取付部
190 シャッターユニット(中間部品の一例)
195 放熱板
196 熱伝導部
196a 第1プレート
196b 第2プレート
196c 第3プレート
196d 第4プレート
198 放熱部材
200 レンズユニット
250 レンズマウント
251 レンズマウントリング
Claims (14)
- 被写体の光学像を形成するレンズユニットを装着可能なカメラ本体であって、
前記レンズユニットを装着可能なボディマウントと、
前記ボディマウントの前記レンズユニットが装着される側とは反対側に配置され、前記被写体の光学像を画像データに変換する撮像素子と、
前記撮像素子に電気的に接続され、前記撮像素子を制御する撮像素子回路基板と、
前記撮像素子の前記ボディマウントとは反対側に配置され、カメラコントローラーを含むメイン回路基板と、
前記撮像素子と前記メイン回路基板との間に配置される金属製の放熱板と、
を備えるカメラ本体。 - 前記放熱板に接続され、前記メイン回路基板と反対側に延びる熱伝導部をさらに備える、
請求項1に記載のカメラ本体。 - 前記撮像素子は、前記レンズユニットを通る光を受ける受光面を有しており、
前記熱伝導部は、前記受光面に沿った方向に前記撮像素子と隙間を介して対向するように配置されている、
請求項2に記載のカメラ本体。 - 前記熱伝導部は、前記カメラ本体を横撮り姿勢にした状態で、前記撮像素子の上側に配置された第1プレートを有している、
請求項3に記載のカメラ本体。 - 前記熱伝導部は、前記カメラ本体を横撮り姿勢にした状態で、前記撮像素子の側方に配置された第2プレートを有している、
請求項3または4に記載のカメラ本体。 - 前記熱伝導部は、前記カメラ本体を横撮り姿勢にした状態で、前記撮像素子の側方に配置され前記撮像素子の前記第2プレートと反対側に配置された第3プレートを有している、
請求項5に記載のカメラ本体。 - 前記熱伝導部は、前記カメラ本体を横撮り姿勢にした状態で、前記撮像素子の下側に配置された第4プレートを有している、
請求項3から6のいずれかに記載のカメラ本体。 - 前記熱伝導部と接続され、前記撮像素子よりも前記ボティマウント側に配置される中間部品をさらに備える、
請求項2から7のいずれかに記載のカメラ本体。 - 前記中間部品は、前記ボディマウントと前記撮像素子との間に配置され振動を発生する振動板と、前記ボディマウントにより支持され前記振動板を支持する振動板支持部と、を有しており、
前記熱伝導部は、前記振動板支持部に接続されている、
請求項8に記載のカメラ本体。 - 前記中間部品は、前記ボディマウントと前記撮像素子との間に配置されたシャッターを有しており、
前記熱伝導部は、前記シャッターに接続されている、
請求項8に記載のカメラ本体。 - 前記ボディマウントを支持する金属製のメインフレームをさらに備え、
前記中間部品は、前記メインフレームに固定され前記メインフレームに対して前記ボディマウントを支持するボディマウント接点支持部を有している、
請求項8に記載のカメラ本体。 - 前記撮像素子回路基板は、前記撮像素子と前記メイン回路基板との間に配置されている、
請求項11に記載のカメラ本体。 - 前記撮像素子回路基板は、前記撮像素子と前記放熱板との間に配置されている、
請求項12に記載のカメラ本体。 - 被写体の画像を取得するための撮像装置であって、
前記被写体の光学像を形成するレンズユニットと、
前記レンズユニットを装着可能であり、請求項1から13のいずれかに記載のカメラ本体と、
を備えた撮像装置。
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