JP5241661B2 - カメラ本体およびそれを備えた撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レンズユニットを装着可能なカメラ本体およびそれを備えた撮像装置に関する。
撮像装置として、例えば交換レンズ式のデジタルカメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のカメラは、レンズユニットと、カメラ本体と、を備えている。このカメラ本体は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーなどの撮像素子と、レンズユニットと撮像素子との間に配置されたミラーボックス装置と、を有している。ミラーボックス装置はレンズユニットを通った光をCCDイメージセンサーまたはプリズムのいずれかに導く。プリズムに導かれた光はプリズムによってファインダーに導かれる。
特開2007−127836号公報
従来から撮像装置の小型化が求められており、交換レンズ式のデジタルカメラにおいては、カメラ本体の小型化が求められている。
しかし、カメラ本体を小型化することにより、撮像素子と撮像素子を制御する撮像素子回路基板とを含む撮像素子ユニットやカメラコントローラーの実装されたメイン回路基板などの電子部品周辺のスペースが少なくなり、これらの電子部品が密集した状態で実装される。
その一方で、高画質化に伴い撮像素子およびカメラコントローラーの消費電力が大きくなるので、これらの電子部品での発熱量が増大する。特に、撮像素子で発生する熱量が多い場合、カメラコントローラーが実装されたメイン回路基板などの電子部品に撮像素子から熱が伝わり、電子部品が熱により破損する可能性がある。
以下に説明するカメラ本体および撮像装置では、熱による電子部品の破損を防ぐことができる。
第1の特徴に係るカメラ本体は、被写体の光学像を形成するレンズユニットを装着可能な装置であって、ボディマウントと、撮像素子と、撮像素子回路基板と、メイン回路基板と、金属製の放熱板と、を備えている。ボディマウントはレンズユニットを装着可能である。撮像素子は、ボディマウントのレンズユニットが装着される側とは反対側に配置され、被写体の光学像を画像データに変換する。撮像素子回路基板は、撮像素子に電気的に接続され、撮像素子を制御する。メイン回路基板は、撮像素子のボディマウントとは反対側に配置され、カメラコントローラーを含んでいる。放熱板は撮像素子とメイン回路基板との間に配置されている。
このカメラ本体では、撮像素子で熱が発生しても、撮像素子からメイン回路基板へ伝わる熱量が放熱板により低減されるため、メイン回路基板の温度上昇を抑制することができる。これにより、熱による電子部品の破損を防ぐことができる。
第2の特徴に係る撮像装置は、被写体の画像を取得するための撮像装置であって、被写体の光学像を形成するレンズユニットと、レンズユニットを装着可能な第1の特徴に係るカメラ本体と、を備えている。
この場合、撮像装置が第1の特徴に係るカメラ本体を備えているため、熱による電子部品の破損を防ぐことができる。
以上のように、上記のカメラ本体および撮像装置では、熱による電子部品の破損を防ぐことができる。
デジタルカメラ1の斜視図 カメラ本体100の斜視図 デジタルカメラ1のブロック図 デジタルカメラ1の概略断面図 カメラ本体100の背面図 (a)一眼レフレックスカメラ800の概略断面図、(b)デジタルカメラ1の概略断面図 (a)〜(c)放熱構造を説明するための概略図 (a)〜(f)放熱構造による温度分布の比較を示した図 カメラ本体400の概略断面図 カメラ本体500の概略断面図 参考例のデジタルカメラの概略断面図
〔第1実施形態〕
<1−1:デジタルカメラの概要>
図1は、第1実施形態に係るデジタルカメラ1の斜視図である。図2は、カメラ本体100の斜視図である。図3は、デジタルカメラ1の機能ブロック図である。
デジタルカメラ1は、交換レンズ式のデジタルカメラであり、カメラ本体100と、カメラ本体100に装着可能なレンズユニット200と、を備えている。
一眼レフレックスカメラとは異なり、カメラ本体100は、ミラーボックス装置を有していないので、一眼レフレックスカメラに比してフランジバックが小さい。また、フランジバックを小さくすることで、カメラ本体100が小型化されている。さらに、フランジバックを小さくすることで、光学系の設計の自由度が高まるので、レンズユニット200は小型化されている。以下、各部の詳細について説明する。
なお、説明の便宜のため、デジタルカメラ1の被写体側を前、撮像面側を後ろ又は背、デジタルカメラ1の通常姿勢(以下、横撮り姿勢ともいう)における鉛直上側を上もしくは上側、鉛直下側を下もしくは下側ともいう。
ここで横撮り姿勢とは、カメラ本体100の底面101aがCMOSイメージセンサー110(後述)の鉛直下側にあり、さらに底面101aが鉛直方向と直交する状態をいう。本実施形態では、図5に示されるように、カメラ本体100の外装部101(後述)を構成する面のうち、三脚取付部155(後述)が設けられている面を、カメラ本体100の底面101aとする。
<1−2:カメラ本体の構成>
図4は、デジタルカメラ1の概略断面図である。図5は、カメラ本体の背面図である。カメラ本体100は、主に、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー110と、CMOS回路基板113と、カメラモニタ120と、操作部130と、カメラコントローラー140を含むメイン回路基板142と、ボディマウント150と、電源160と、カードスロット170と、電子ビューファインダー180と、シャッターユニット190と、光学的ローパスフィルタ114と、振動板115と、メインフレーム154と、三脚取付部155と、放熱部材198と、外装部101と、を備えている。
カメラ本体100には、前から順に、ボディマウント150、シャッターユニット190、振動板115、光学的ローパスフィルタ114、CMOSイメージセンサー110、CMOS回路基板113、放熱板195、メイン回路基板142およびカメラモニタ120が配置されている。また、メインフレーム154はボディマウント150と光軸AXに平行な方向(以下、光軸方向ともいう)に重複した位置に配置されている。
CMOSイメージセンサー110(撮像素子の一例)は、レンズユニット200を介して入射される被写体の光学像(以下、被写体像ともいう)を画像データに変換する。生成された画像データは、CMOS回路基板113のADコンバーター111でデジタル化される。ADコンバーター111でデジタル化された画像データは、カメラコントローラー140で様々な画像処理が施される。ここで言う様々な画像処理とは、例えば、ガンマ補正処理、ホワイトバランス補正処理、キズ補正処理、YC変換処理、電子ズーム処理、JPEG圧縮処理等である。
図7(c)に示されるように、CMOSイメージセンサー110はレンズユニット200を通る光を受ける受光面110aを有している。本実施形態では、CMOSイメージセンサー110の受光面110aは長方形をしており、受光面110aは1対の長辺110bと1対の短辺110cとを有している。受光面110aが水平方向に直交し、かつ、長辺110bが水平である状態で、デジタルカメラ1は横撮り姿勢となる。一方、受光面110aが水平方向に直交し、かつ、短辺110cが水平である状態で、デジタルカメラ1は縦撮り姿勢となる。
CMOSイメージセンサー110は、CMOS回路基板113のタイミング発生器112で生成されるタイミング信号に基づいて動作する。CMOSイメージセンサー110は、CMOS回路基板113の制御により、静止画データおよび動画データの取得を行うことができる。取得された動画データは、スルー画像の表示にも用いられる。なお、静止画データおよび動画データは、画像データの一例である。
ここで、スルー画像とは、動画データのうちメモリーカード171に記録されない画像である。スルー画像は、主に動画像であり、動画像または静止画像の構図を決めるためにカメラモニタ120および電子ビューファインダー180(以下、EVFとも言う)に表示される。
CMOSイメージセンサー110は、スルー画像として用いられる低解像度の動画像の取得と、記録用として用いられる高解像度の動画像の取得とが可能である。高解像度の動画像としては、例えば、HDサイズ(ハイビジョンサイズ:1920×1080画素)の動画像が考えられる。なお、CMOSイメージセンサー110は被写体の光学像を電気的な画像信号に変換する撮像素子の一例である。撮像素子は、CMOSイメージセンサー110の他に、CCDイメージセンサー等の光電変換素子を含む概念である。
CMOS回路基板113(撮像素子回路基板の一例)は、CMOSイメージセンサー110を制御する回路基板である。CMOS回路基板113は、CMOSイメージセンサー110から出力される画像データに所定の処理を施す回路基板であり、タイミング発生器112およびADコンバーター111を含む。CMOS回路基板113は、撮像素子を駆動制御し、撮像素子から出力される画像データにAD変換等の所定の処理を施す撮像素子回路基板の一例である。
カメラモニタ120は、例えば液晶ディスプレイであり、表示用画像データが示す画像等を表示する。表示用画像データは、カメラコントローラー140で生成される。表示用画像データは、例えば、画像処理された画像データ、デジタルカメラ1の撮影条件、操作メニュー等を画像として表示するためのデータである。カメラモニタ120は、動画像も静止画像も選択的に表示可能である。
カメラモニタ120は、カメラ本体100に設けられている。本実施形態では、カメラ本体100の背面に配置されているが、カメラモニタ120はカメラ本体100のどこに配置されていてもよい。カメラ本体100に対するカメラモニタ120の表示面の角度は、変更可能である。具体的には図5に示すように、カメラ本体100は、カメラモニタ120を外装部101に対して回転可能に連結するヒンジ121を有している。ヒンジ121は、外装部101の左端に配置されている。より詳細には、ヒンジ121は、第1のヒンジと第2のヒンジとを有している。第1のヒンジを中心に、カメラモニタ120は外装部101に対して左右方向に回転可能であり、第2のヒンジを中心に、外装部101に対して上下方向にも回転可能である。
なお、カメラモニタ120はカメラ本体100に設けられた表示部の一例である。表示部としては、他にも、有機EL、無機EL、プラズマディスプレイパネル等、画像を表示できるものを用いることができる。また、表示部は、カメラ本体100の背面でなく、側面や上面等、他の場所に設けてもよい。
電子ビューファインダー180は、カメラコントローラー140で作成された表示用画像データが示す画像等を表示する。EVF180は、動画像も静止画像も選択的に表示可能である。また、EVF180とカメラモニタ120とは、同じ内容を表示する場合と、異なる内容を表示する場合とがある。これらは、カメラコントローラー140によって制御される。EVF180は、画像等を表示するEVF用液晶モニタ181と、EVF用液晶モニタ181の表示を拡大するEVF用光学系182と、ユーザーが目を近づける接眼窓183と、を有している。
なお、EVF180もまた、表示部の一例である。カメラモニタ120と異なる点は、ユーザーが目を近づけて見ることにある。構造上の相違点は、EVF180が接眼窓183を有するのに対してカメラモニタ120は接眼窓183を有しない点である。
なお、EVF用液晶モニタ181は、透過型液晶の場合はバックライト(不図示)を、反射型液晶の場合はフロントライト(不図示)を設けることで表示輝度を確保する。EVF用液晶モニタ181は、EVF用モニタの一例である。EVF用モニタは、有機EL、無機EL、プラズマディスプレイパネル等、画像を表示できるものを用いることができる。有機ELのような自発光デバイスの場合は、照明光源は必要ない。
操作部130は、ユーザーによる操作を受け付ける。具体的には図1および図2に示すように、操作部130は、ユーザーによるシャッター操作を受け付けるレリーズ釦131と、カメラ本体100の上面に設けられた回転式のダイアルスイッチである電源スイッチ132と、を含む。電源スイッチ132は、第1の回転位置で電源がOFFとなり、第2の回転位置で電源がONとなる。操作部130は、ユーザーによる操作を受け付けることができればよく、ボタン、レバー、ダイアル、タッチパネル等を含む。
カメラコントローラー140は、カメラ本体100の中枢を司るデバイスであって、カメラ本体100の各部を制御する。例えば、カメラコントローラー140は、電源160からの電力の供給が停止した状態でシャッターユニット190が開口状態を保持するようにシャッターユニット190を制御する。また、カメラコントローラー140は、操作部130からの指示を受け付ける。カメラコントローラー140は、レンズユニット200を制御するための信号を、ボディマウント150及びレンズマウント250を介して、レンズコントローラー240に送信し、レンズユニット200の各部を間接的に制御する。すなわち、カメラコントローラー140は、デジタルカメラ1全体を制御する。
カメラコントローラー140は、CMOS回路基板113を制御する。具体的には、カメラコントローラー140はCMOS回路基板113に制御信号を送信し、CMOS回路基板113は受信した制御信号に基づきCMOSイメージセンサー110を制御する。また、カメラコントローラー140は、CMOSイメージセンサー110により生成され、CMOS回路基板113によりAD変換等の所定の処理を施された画像データを取得し、さらに処理を施す。例えば、カメラコントローラー140は、CMOS回路基板113により処理された画像データから、表示用画像データや記録用画像データなどを生成する。
また、カメラコントローラー140は、ボディマウント150及びレンズマウント250を介して、レンズコントローラー240から各種信号を受信する。カメラコントローラー140は、制御動作や画像処理動作の際に、DRAM141をワークメモリとして使用する。カメラコントローラー140は、メイン回路基板142上に配置されている。
カードスロット170は、メモリーカード171を装着可能である。カードスロット170は、カメラコントローラー140から送信される制御信号に基づいて、メモリーカード171を制御する。具体的には、カードスロット170は、メモリーカード171に画像データを格納する。カードスロット170は、メモリーカード171から画像データを出力する。また、カードスロット170はメモリーカード171に動画データを格納する。カードスロット170は、メモリーカード171から動画データを出力する。
メモリーカード171は、カメラコントローラー140が画像処理により生成した画像データを格納可能である。例えば、メモリーカード171は、非圧縮のRAW画像ファイルや圧縮されたJPEG画像ファイル等を格納できる。また、メモリーカード171は、あらかじめ内部に格納された画像データ又は画像ファイルを、カードスロット170を介して出力できる。メモリーカード171から出力された画像データ又は画像ファイルは、カメラコントローラー140で画像処理される。例えば、カメラコントローラー140は、メモリーカード171から取得した画像データ又は画像ファイルに伸張処理を施し、表示用画像データを生成する。
メモリーカード171は、さらに、カメラコントローラー140が画像処理により生成した動画データを格納可能である。例えば、メモリーカード171は、動画圧縮規格であるH.264/AVCに従って圧縮された動画ファイルを格納できる。また、メモリーカード171は、あらかじめ内部に格納された動画データ又は動画ファイルを、カードスロット170を介して出力できる。メモリーカード171から出力された動画データまたは動画ファイルは、カメラコントローラー140で画像処理される。例えば、カメラコントローラー140は、メモリーカード171から取得した動画データまたは動画ファイルに伸張処理を施し、表示用動画データを生成する。
なお、メモリーカード171は記憶部の一例である。記憶部は、メモリーカード171のようにカメラ本体100に装着可能なものでもよく、デジタルカメラ1に固定されているものでもよい。
電源160は、デジタルカメラ1で使用するための電力を各部に供給する。電源160は、例えば、乾電池であってもよいし、充電池であってもよい。また、電源160は、電源コード等を介して外部の電源から電力の供給を受け、デジタルカメラ1に電力を供給するユニットであってもよい。
ボディマウント150は、ボディマウントリング151と、電気接点153と、を有している。ボディマウントリング151は、レンズマウントリング251に嵌合することによりレンズユニット200を機械的に保持する。具体的には、レンズマウントリング251は、ボディマウントリング151に挿入可能であり、さらに、ボディマウントリング151に挿入されたレンズマウントリング251は、ボディマウントリング151に対して回転が可能である。
ボディマウントリング151は、レンズマウントリング251が挿入され、さらにレンズマウントリング251がボディマウントリング151に対して回転されることにより、レンズマウントリング251と嵌合する。ボディマウントリング151がレンズマウントリング251に嵌合しているとき、ボディマウントリング151はレンズユニット200を機械的に保持する。
レンズマウントリング251を支持するために、ボディマウントリング151にはある程度の強度が要求されるので、ボディマウントリング151は金属で形成されているのが好ましい。本実施形態では、ボディマウントリング151は、金属で形成されている。
ボディマウント150は、ボディマウント接点支持部152(中間部品の一例)を介してメインフレーム154に支持されている。ボディマウント接点支持部152は、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154までの熱伝導経路上に配置された中間部品の一例でもある。ボディマウント接点支持部152は、ボディマウントリング151と接続されており、ボディマウントリング151を支持している。ボディマウント接点支持部152は、メインフレーム154により支持され、ボディマウントリング151とシャッターユニット190との間に配置されている。また、ボディマウント接点支持部152は開口部を有しており、この開口部の内径はボディマウントリング151の内径よりも小さい。
レンズユニット200がカメラ本体100に装着されている状態で、電気接点153は、レンズマウント250が有する電気接点253と接触している。このように、ボディマウント150とレンズマウント250とは、ボディマウント150の電気接点153とレンズマウント250の電気接点253とを介して、電気的に接続可能である。したがって、カメラ本体100は、ボディマウント150とレンズマウント250とを介して、レンズユニット200との間で、データおよび制御信号のうち少なくとも一方を送受信できる。具体的には、ボディマウント150とレンズマウント250とは、カメラコントローラー140とレンズユニット200に含まれるレンズコントローラー240との間で、データおよび制御信号のうち少なくとも一方を送受信する。また、ボディマウント150は、電源160から受けた電力を、レンズマウント250を介してレンズユニット200全体に供給する。
シャッターユニット190(中間部品の一例)は、いわゆるフォーカルプレーンシャッターである。シャッターユニット190は、ボディマウント150とCMOSイメージセンサー110との間に配置される。シャッターユニット190は、後幕と、先幕と、シャッター支持枠とを有する。シャッター支持枠は、開口部を有する。後幕と先幕が開口部に進退することで、開口部を通ってCMOSイメージセンサー110へ光を導き、または、CMOSイメージセンサー110への光を遮蔽する。シャッターユニット190は、機械的に開口状態が保持可能である。機械的に保持するとは、電気の力を使わずに開口状態を保持するという概念である。例えば、機械的に保持するとは、物と物とを係合するものや、永久磁石によって保持するものである。
光学的ローパスフィルタ114は、被写体光の高周波成分を取り除く。具体的には、光学的ローパスフィルタ114は、レンズユニット200により結像する被写体像をCMOSイメージセンサー110の画素のピッチよりも粗い解像となるように分離する。一般的にCMOSイメージセンサー110等の撮像素子は、各画素にベイヤー配列と呼ばれるRGB色のカラーフィルターやYCM色の補色カラーフィルターが配されている。従って、1画素に解像してしまうと偽色が発生するばかりでなく、繰り返しパターンの被写体では醜いモアレ現象が発生する。さらに光学的ローパスフィルタ114には、赤外光をカットするためのIrカットフィルタ機能も併せ持たせている。
振動板115は、CMOSイメージセンサー110よりも前に配置され、振動板支持部116(中間部品の一例)により支持されており、CMOSイメージセンサー110への埃の付着を防ぐ。また、振動板115は、振動板115自身に付着した埃を振動により振り落とす。具体的には、振動板115は、透明の薄い板状部材が圧電素子を介して振動板115を構成するさらにもう一つの部材に固定された構成である。そして、圧電素子に交流電圧を印加して圧電素子を振動させ、板状部材を振動させる。振動板支持部116は、振動板115がCMOSイメージセンサー110に対して所定の位置に配置されるように支持している。振動板支持部116は、ボディマウント150およびシャッターユニット190を介してメインフレーム154に支持されている。
メインフレーム154は、カメラ本体の内部において、前面から下面に沿って配置されている。メインフレーム154はボディマウント150のボディマウント接点支持部152と接続し、ボディマウント150を介してレンズユニット200を支持している。そのため、メインフレーム154はある程度の強度が必要である。従って、メインフレーム154は、金属で形成されているのが好ましい。本実施形態では、メインフレーム154は、金属で形成されている。
三脚取付部155は、三脚を取り付けるためのネジ穴を有しており、メインフレーム154と接続されている。ネジ穴は、カメラ本体100の下面に露出している。三脚取付部155は、三脚に取り付けられた状態でカメラ本体100を支持するので、三脚取付部155はある程度の強度が必要である。従って、本実施形態では、三脚取付部155は金属で形成されている。
放熱部材198は、CMOSイメージセンサー110により発生した熱の放熱を促進するための部材であり、放熱板195と、熱伝導部196と、を有している。放熱部材198の素材として例えばアルミや銅等の金属を用いれば、好ましい放熱効果を得ることができる。
図7(a)および(b)に示すように、放熱板195は、長方形のプレートであり、CMOSイメージセンサー110とメイン回路基板142の間に配置されている。具体的には、放熱板195は、CMOS回路基板113とメイン回路基板142の間に配置されている。光軸方向から見た場合、放熱板195の外形は、CMOSイメージセンサー110およびCMOS回路基板113よりも大きい。
熱伝導部196は、例えば放熱板195と一体で形成されており、受光面110aに沿った方向にCMOSイメージセンサー110と隙間を介して対向するように配置されている。具体的には図7(a)および(b)に示すように、熱伝導部196は、第1プレート196aと、第2プレート196bと、第3プレート196cと、第4プレート196dと、を有している。
第1プレート196aは、CMOSイメージセンサー110の上側に隙間を介して配置されている(図4参照)。第2プレート196bは、CMOSイメージセンサー110の側方(前から見て左側)に隙間を介して配置されている。第3プレート196cは、CMOSイメージセンサー110の側方(前から見て右側)に隙間を介して配置されており、CMOSイメージセンサー110の第2プレート196bと反対側に配置されている。第4プレート196dは、CMOSイメージセンサー110の下側に隙間を介して配置されている(図4参照)。
第1プレート196a〜第4プレート196dは、放熱板195を振動板支持部116に連結している。具体的には図4に示すように、第1プレート196a〜第4プレート196dは、振動板支持部116に固定されており、振動板支持部116からボディマウント150と反対側に延びている。さらに、第1プレート196a〜第4プレート196dは放熱板195からメイン回路基板142と反対側に延びている。
また、図7(a)および(b)に示すように、第1プレート196a〜第4プレート196dの間には、それぞれ隙間が確保されており、放熱部材198の内部の空間と外部の空間とがこれらの隙間を介して連通している。
外装部101は、カメラ本体100の外面を形成する部材で、CMOSイメージセンサー110やメイン回路基板142などのカメラ本体100の構成部品を内部の空間に格納する。外装部101の表面にはレリーズ釦131などの部品が配置されており、外装部101の内側にはメインフレーム154が固定されている。また、外装部101にはボディマウント150が固定されている。
<1−3:レンズユニットの構成>
レンズユニット200は、カメラ本体100に装着可能であり、被写体の光学像を形成する。具体的には、レンズユニット200は、光学系Lと、駆動部215と、レンズマウント250と、絞りユニット260と、レンズコントローラー240と、レンズ筒290と、を有している。
光学系Lは、光学系Lの焦点距離を変化させるためのズームレンズ群210と、光学系Lで形成される被写体像のCMOSイメージセンサー110に対するぶれを抑制するためのOIS(Optical Image Stabilizer)レンズ群220と、光学系LがCMOSイメージセンサー110上に形成する被写体像のフォーカス状態を変化させるためフォーカスレンズ群230と、を有している。
絞りユニット260は光学系を透過する光の量を調整する光量調整部材である。具体的には、絞りユニット260は、光学系Lを透過する光の光線の一部を遮蔽可能な絞り羽根(図示せず)と、絞り羽根を駆動する絞り駆動部(図示せず)と、を有している。
レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140から送信される制御信号に基づいて、レンズユニット200全体を制御する。具体的には、レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140との送受信を、レンズマウント250及びボディマウント150を介して行う。レンズコントローラー240は、駆動部215に含まれる検出部により検出される光学系Lの位置情報を受信して、カメラコントローラー140に送信する。カメラコントローラー140は、受信した位置情報を処理し、制御信号をレンズコントローラー240に送信する。レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140が発信する制御信号を受信し、駆動部215に制御信号を伝える。駆動部215は制御信号に基づいてズームレンズ210、OISレンズ220、フォーカスレンズ230の位置を調節する。また、カメラコントローラー140は、CMOSイメージセンサー110が受けた光の量、静止画撮影を行うのか動画撮影を行うのか、絞り値が優先的に設定される操作がされているか等の情報に基づいて、絞りユニット260に動作を指示する。このとき、レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140からの指示を絞りユニット260へ中継する。さらに、レンズコントローラー240は、制御の際、DRAM241をワークメモリとして使用する。また、フラッシュメモリ242は、レンズコントローラー240の制御の際に使用するプログラムやパラメータを保存する。
レンズ筒290は、主に光学系とレンズコントローラー240とレンズマウント250と絞りユニット260とを内部に収容する。また、レンズ筒290の外部には、ズームリング213とフォーカスリング234とOISスイッチ224とが設けられている。
ズームリング213は筒状の部材であり、レンズ筒290の外周面で回転可能である。ズームリング213は、焦点距離を操作するための操作部の一例である。
フォーカスリング234は筒状の部材であり、レンズ筒290の外周面で回転可能である。フォーカスリング234は、光学系がCMOSイメージセンサー110上に形成する被写体像のフォーカス状態を操作するための操作部の一例である。
OISスイッチ224は、OISを操作するための操作部の一例である。OISスイッチ224をOFFにするとOISレンズ220は動作しない。OISスイッチ224をONにするとOISレンズ220は動作可能となる。
<1−4:構造の特徴>
カメラ本体100は、ミラーボックス装置を有しておらず、この点が一眼レフレックスカメラと異なっている。以下、図を用いてカメラ本体100の構造上の特徴をさらに詳細に説明する。
図6(a)は一眼レフレックスカメラの概略断面図、図6(b)は本実施形態のデジタルカメラ1の概略断面図である。なお、図6(b)では、ボディマウント150、シャッターユニット190、振動板115、振動板支持部116、放熱板195、熱伝導部196などの部材は省略されている。
図6(a)に示す一眼レフレックスカメラ800では、CMOSイメージセンサー810の前面に、つまり、CMOSイメージセンサー810のレンズユニット802側にミラーボックス装置が配置されている。ミラーボックス装置は、反射ミラー803とペンタプリズム804とを含んでいる。そして、CMOSイメージセンサー810の背面に(つまり、CMOSイメージセンサー110に対してレンズユニット802とは反対側に)、前からCMOS回路基板813と、カメラコントローラー840を含むメイン回路基板842と、が順に配置されている。また、カメラ本体801の強度を確保するために金属製のメインフレーム854がカメラ本体801の内部の前面および下面に沿って配置されている。
一眼レフレックスカメラ800では、ミラーボックス装置に含まれる反射ミラー803およびペンタプリズム804によって、レンズユニット802により形成された被写体の光学像がCMOSイメージセンサー810または光学ファインダー805に導かれる。このように、カメラ本体801の内部に、可動式の反射ミラー803とペンタプリズム804を配置するスペース、および、反射ミラー803から光学ファインダー805までの光路のスペース、を確保する必要があるため、カメラ本体801の小型化には適していない。
その反面、カメラ本体801の内部にスペースが多いこと、カメラ本体801の表面積が大きいこと、または、CMOSイメージセンサー810とメイン回路基板842との間の距離を確保しやすいこと等の理由により、一眼レフレックスカメラ800では、CMOSイメージセンサー810から発生した熱を放熱しやすく、また、CMOSイメージセンサー810から発生した熱がメイン回路基板842に比較的伝わりにくい。
これに対し、図6(b)に示すように、本実施形態のデジタルカメラ1では、CMOSイメージセンサー110の前側にミラーボックス装置が配置されないため、フランジバックを短くすることが可能となり、カメラ本体100を小型化することが可能である。さらに、フランジバックが短いため、光学系Lの設計の自由度が増し、レンズユニット200の小型化が可能である。したがって、ミラーボックス装置を省略することで、デジタルカメラ1の小型化が可能である。
その一方で、一眼レフレックスカメラ800のようにミラーボックス装置が設けられているスペースが不要となるため、カメラ本体100の小型化を図れるが、CMOSイメージセンサー110やメイン回路基板142等の電子部品を収容するスペースが少なくなるため、これらの電子部品が密集した状態で実装され、この結果、一眼レフレックスカメラ800に比べて発熱密度が大きくなる傾向がある。
さらに、高画質化や動画撮影対応によりCMOSイメージセンサー110やカメラコントローラー140の消費電力が大きくなってしまい、CMOSイメージセンサー110やカメラコントローラー140の発熱量が大きくなっている。
例えば、デジタルカメラ1では、高解像度の動画像の撮影にも対応したCMOSイメージセンサー110が採用されているため、高解像度の動画像の撮影に対応していないCMOSイメージセンサー(例えば、一眼レフレックスカメラ800のCMOSイメージセンサー810)と比較して消費電力がおよそ3倍(0.4Wから1.2W)に増加している。その結果、CMOSイメージセンサー110の発熱量は、高解像度の動画像の撮影に対応していないCMOSイメージセンサーの発熱量に比べて大きくなっている。
以上のように、デジタルカメラ1では一眼レフレックスカメラ800と比較して発熱量が増加し、かつ、カメラ本体100の小型化により体積が減少するので、カメラ本体100内での発熱密度がカメラ本体801に比べて大きくなっている。
したがって、場合によっては、CMOSイメージセンサー110の温度が上昇したり、あるいは、CMOSイメージセンサー110から熱を受けた他の電子部品(例えば、メイン回路基板142)の温度が上昇したりするので、カメラ本体100の電子部品が破損してしまう可能性がある。
また、小型化に伴い、CMOSイメージセンサー110で発生した熱がメインフレーム154に伝わりやすくなるので、メインフレーム154を介してボディマウント150および外装部101に熱が伝わりやすくなる。この結果、ユーザーがカメラ本体100に触れることで熱いと感じる可能性がある。
<1−5:放熱構造>
以上に説明したように、高性能化および小型化が図られているデジタルカメラ1では、CMOSイメージセンサー110で発生する熱を効率よく放熱する構造が必要とされる。
そこで、前述のように、カメラ本体100では放熱部材198が設けられている。具体的には図4に示すように、CMOSイメージセンサー110とメイン回路基板142との間(より詳細には、CMOSイメージセンサー110の背面にあるCMOS回路基板113とメイン回路基板142との間)に金属製の放熱板195が配置されている。CMOSイメージセンサー110からメイン回路基板142へ伝わる熱が放熱板195により吸収されるので、CMOSイメージセンサー110の熱がメイン回路基板142に伝わるのを抑えることが可能である。
また、メイン回路基板142とは反対側に熱伝導部196が放熱板195から延びているため、放熱板195に伝わる熱が熱伝導部196(第1プレート196a〜第4プレート196d)を介して周辺に放出される。これにより、放熱部材198での放熱効率が高まり、CMOSイメージセンサー110の温度上昇を抑えることができる。
ここで、図11に示す参考例のカメラ本体900では、本実施形態とは異なり、放熱板195に対応する放熱板995がメインフレーム154に接続されており、CMOSイメージセンサー110の上側、下側、および両側方に熱伝導部196が設けられていない。
しかし、このカメラ本体900であっても、CMOSイメージセンサー110からメイン回路基板142へ伝わる熱が放熱板995により吸収されるので、少なくともメイン回路基板142の温度上昇を抑制することができる。
一方で、図11に示すカメラ本体900では、メインフレーム154および三脚取付部155は強度を確保するために金属を用いているため、熱伝導率が樹脂に比べて大きく、放熱板995からメインフレーム154を経て三脚取付部155に熱が伝導する。そして、三脚取付部155とカメラ本体100の底面101aの三脚取付部155周辺の温度が上昇する。さらには、メインフレーム154はボディマウント150と接続されているので、メインフレーム154にCMOSイメージセンサー110で発生する熱が伝わると、ボディマウント150の温度が上昇する。三脚取付部155やカメラ本体100の底面101aに触れることで、さらにはレンズユニット200の装着時または取り外し時にボディマウント150(特にボディマウントリング151)に触れることで、ユーザーが熱いと感じる可能性がある。
しかし、本実施形態では、CMOSイメージセンサー110で発生する熱が放熱部材198によりメインフレーム154に伝わりにくいので、ユーザーがボディマウント150および三脚取付部155などの部材に、あるいは、レンズユニット200の装着時または取り外し時にボディマウント150に触れてもユーザーが熱いと感じにくくなっている。
具体的には、CMOSイメージセンサー110とメインフレーム154との間には、ローパスフィルタ114、振動板支持部116、シャッターユニット190およびボディマウント接点支持部152が中間部品として配置されており、これらの中間部品が互いに固定されている。このため、CMOSイメージセンサー110とメインフレーム154との間には、熱伝導経路が形成されており、CMOSイメージセンサー110で発生した熱は、この熱伝達経路を通ってメインフレーム154に伝わる。
しかし、熱伝達経路上に配置された振動板支持部116に放熱部材198が接続されているため、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154に伝わる熱のうち一部は振動板支持部116および放熱部材198(より詳細には、熱伝導部196)を介して周辺に放出される。これにより、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154への伝熱量を低減することができ、ボディマウント150および外装部101などの部材の温度上昇を抑制できる。
また、熱伝導部196は振動板支持部116からボディマウント150と反対側に延びているため、振動板支持部116から熱伝導部196に伝わった熱はボディマウント150から離れた場所で放出される。したがって、振動板支持部116から放熱部材198を介して放出された熱が、例えば対流伝熱によりメインフレーム154およびボディマウント150に伝わるのを抑制でき、メインフレーム154およびボディマウント150の温度上昇をさらに抑制できる。
また、振動板支持部116は、例えばアルミや銅等の熱伝導率が比較的高い金属であることが望ましい。振動板支持部116が金属である場合、振動板支持部116が放熱部材198の一部として機能し得るので、放熱部材198での放熱効率を高めることができる。
さらに、ボディマウント接点支持部152は低熱伝導性の材料である樹脂等の材料を用いている。これにより、振動板支持部116からシャッターユニット190およびボディマウント接点支持部152を介して金属製のメインフレーム154および金属製のボディマウントリング151へ熱が伝わりにくくなる。そして、三脚取付部155およびボディマウントリング151の温度が上昇することを抑えることができる。三脚取付部155およびボディマウントリング151は金属を用いているが、高温になった金属は樹脂に比べ人が触れたときに熱いと感じやすいため、ボディマウント接点支持部152に低熱伝導性の材料を用いる構成は特に有効である。
また、メインフレーム154の温度がボディマウントリング151や三脚取付部155に比べて高い可能性があるため、メインフレーム154は、レンズユニット200を取り外した状態でも露出せず、カメラ本体100の外部から触れることができないようになっている。具体的には、メインフレーム154は、ボディマウント接点支持部152と外装部101と振動板115とに覆われている。すなわち、メインフレーム154は、ボディマウント接点支持部152と外装部101と振動板115とで形成される空間内に収容されている。これにより、ユーザーがメインフレーム154に触れて熱いと感じることを防止している。
<1−6:シミュレーション結果の一例>
上記の実施形態のカメラ本体100および図11に示す参考例のカメラ本体900の温度分布を熱シミュレーションで算出した結果を図8(a)〜(f)に示す。
図8(a)は第1実施形態のカメラ本体100のCMOSイメージセンサー110の温度分布、図8(b)は参考例のカメラ本体900のCMOSイメージセンサー110の温度分布、図8(c)は第1実施形態のカメラ本体100のメイン回路基板142の温度分布、図8(d)は参考例のカメラ本体900のメイン回路基板142の温度分布、図8(e)は第1実施形態のカメラ本体100の底面101aの温度分布、図8(f)は参考例のカメラ本体900の底面901aの温度分布を示したものである。図8(a)〜(f)では温度分布が色の濃淡で表されており、白い部分は温度が高い領域を示しており、黒い部分は温度が低い領域を示している。
図8(a)〜(f)に示すように、本実施形態の放熱構造と参考例の放熱構造とを比較すると、本実施形態の方がCMOSイメージセンサー110およびメイン回路基板142の温度が低いことがわかる。これは、放熱板195および熱伝導部196がCMOSイメージセンサー110の熱を効率的に吸収し、また、その熱がCMOSイメージセンサー110より前側に延びた熱伝導部196を介して効率的に逃がしているからであると考えられる。
また、本実施形態の方がカメラ本体100の底面101aの温度が低いことがわかる。これは、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154に伝わる熱量の一部が放熱部材198により熱伝導経路外に放熱されるからであると考えられる。
これらの結果から、本実施形態の放熱構造は、メイン回路基板142の温度上昇の抑制およびカメラ本体100の底面101aの温度上昇の抑制に対して有効であることが分かる。
<1−7:第1実施形態の特徴>
以上に説明したデジタルカメラ1の特徴を以下にまとめる。
(1)このカメラ本体100では、放熱部材198の放熱板195がCMOSイメージセンサー110とメイン回路基板142との間に配置されているため、CMOSイメージセンサー110からメイン回路基板142へ伝わる熱量を放熱板195により低減できる。これにより、メイン回路基板142の温度上昇を抑制することができ、メイン回路基板142が熱により破損するのを防止することができる。
また、放熱板195に接続された熱伝導部196がメイン回路基板142とは反対側に延びているため、放熱板195で吸収された熱は、熱伝導部196を介してメイン回路基板142から離れた場所で放出される。したがって、放熱板195から熱伝導部196を介して放出された熱が、例えば対流伝熱によりメイン回路基板142に伝わるのを抑制でき、メイン回路基板142の温度上昇を確実に抑制することができる。
さらに、熱伝導部196が、CMOSイメージセンサー110のメイン回路基板142と反対側に配置された振動板支持部116に接続されているため、振動板支持部116の温度が低い場合には、放熱板195で吸収した熱を振動板支持部116に伝えることができ、放熱板195周辺に熱が対流するのを抑制できる。
(2)一方で、CMOSイメージセンサー110で発生した熱が振動板支持部116を介してメインフレーム154に伝わるが、このとき、振動板支持部116に金属製の放熱部材198が接続されているので、振動板支持部116に伝わった熱の一部が放熱部材198を介して放熱される。この結果、CMOSイメージセンサー110からメインフレームに伝わる熱量が低減され、メインフレーム154の温度上昇を抑制することができる。つまり、ボディマウント150(あるいは、三脚取付部155)の温度上昇を低減することができる。
また、放熱部材198の熱伝導部196が振動板支持部116からボディマウント150とは反対側に延びているため、振動板支持部116から放熱部材198に伝わった熱は、ボディマウント150から離れた場所で放出される。したがって、振動板支持部116から放熱部材198を介して放出された熱が例えば対流伝熱によりボディマウント150に伝わるのを抑制でき、ボディマウント150の温度上昇をさらに抑制できる。
(3)受光面110aに沿った方向にCMOSイメージセンサー110と隙間を介して対向するように熱伝導部196が配置されているので、振動板支持部116に伝わった熱は、熱伝導部196を介してCMOSイメージセンサー110の周辺の比較的広い空間に放出される。このように、放熱部材198を介してCMOSイメージセンサー110周辺の熱を効率的に放熱できるので、CMOSイメージセンサー110の温度上昇を抑制できる。
(4)第1プレート196aから放出される熱により第1プレート196a周辺の空気が暖められ、暖められた空気は上昇する。つまり、第1プレート196aから放出された熱は、対流伝熱により第1プレート196aの上側の空間に伝わりやすい。同様に、第2プレート196bおよび第3プレート196cから放出された熱は、第2プレート196bおよび第3プレート196cの上側の空間に伝わりやすい。
このカメラ本体100では、デジタルカメラ1が横撮り姿勢の状態で、第1プレート196aが撮像素子の上側に配置され、第2プレート196bおよび第3プレート196cがCMOSイメージセンサー110の側方に配置されている。したがって、このカメラ本体100では、比較的使用頻度が高い横撮り姿勢で、少なくとも第1プレート196a、第2プレート196b、第3プレート196cから放出される熱がCMOSイメージセンサー110に伝わりにくくなる。これにより、CMOSイメージセンサー110で発生する熱を効率的に放熱できる。
(5)CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154までの熱伝達経路上に配置されたボディマウント接点支持部152が、メインフレーム154よりも熱伝導性の低い低熱伝導性材料でできているため、ボディマウント接点支持部152によりCMOSイメージセンサー110からメインフレーム154へ熱が伝わりにくくなる。この結果、メインフレーム154に伝わる熱量が低減され、メインフレーム154およびボディマウント150の温度上昇を抑制することができる。
また、低熱伝導性材料でできたボディマウント接点支持部152が、熱伝導経路において、放熱部材198が接続されている部分よりもメインフレーム154側に配置されているので、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154への伝熱量がボディマウント接点支持部152により低減され、さらにCMOSイメージセンサー110から放熱部材198への伝熱量が増加する。これにより、放熱部材198での放熱効率を高めることができ、メインフレーム154およびボディマウント150の温度上昇をさらに抑制することができる。
(6)ボディマウント150と外装部101とによって形成される空間の内部にメインフレーム154が収容されている。より詳細には、ボディマウント150と外装部101と振動板115とにより形成される空間内にメインフレーム154が収容されている。このため、比較的温度が高くなるメインフレーム154が外部に露出しなくなり、メインフレーム154にユーザーが直接触れられなくなる。
〔第2実施形態〕
前述の第1実施形態では、放熱部材198が振動板支持部116に接続されているが、放熱部材198が他の部材に接続されていてもよい。ここでは、第1実施形態のカメラ本体100と異なる点を中心に説明し、共通する部分の説明を省略する。なお、第1実施形態と実質的に同一の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図9は、第2実施形態に係るカメラ本体400の概略断面図である。カメラ本体400は、放熱部材198の熱伝導部196が振動板支持部116ではなくシャッターユニット190に接続されている点のみ第1実施形態のカメラ本体100と異なっており、他の構成はカメラ本体100と実質的に同じである。
熱伝導部196は、CMOSイメージセンサー110の上側に配置された第1プレート196aと、CMOSイメージセンサー110の両側方にそれぞれ配置された第2プレート196bおよび第3プレート196cと、CMOSイメージセンサー110の下側に配置された第4プレート196dと、を有している。
また、第1実施形態とは異なり、振動板支持部416は、放熱部材198内に配置されており、上側、両側方および下側を熱伝導部196により囲い込まれている。より詳細には、振動板支持部416の上側、両側方および下側には、第1プレート196a〜第4プレート196dが配置されている。
また、CMOSイメージセンサー110とメイン回路基板142との間には、放熱板195が配置されており、CMOSイメージセンサー110は放熱部材198により被写体側すなわち前側を除く上側、下側、両側方および後側の5方向を囲い込まれている。
この場合であっても、CMOSイメージセンサー110からメイン回路基板142へ伝わる熱が放熱板195により吸収されるので、メイン回路基板142の温度上昇を抑制することができる。
また、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154への熱伝導系路上に配置されたシャッターユニット190に放熱部材198が接続されているので、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154へ伝わる熱の一部は熱伝導部196を介して放出される。これにより、メインフレーム154の温度上昇を抑制することができる。
〔第3実施形態〕
また、以下に説明する実施形態も考えられる。なお、第1実施形態のカメラ本体100と異なる点を中心に説明し、共通する部分の説明を省略する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部材については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図10は、第3実施形態に係るカメラ本体500の概略断面図である。カメラ本体500は、放熱部材198の熱伝導部196が振動板支持部116ではなくボディマウント接点支持部152に接続されている点のみ第1実施形態のカメラ本体100と異なっており、他の構成はカメラ本体100と実質的に同じである。
熱伝導部196は、CMOSイメージセンサー110の上側に配置された第1プレート196aと、CMOSイメージセンサー110の両側方にそれぞれ配置された第2プレート196bおよび第3プレート196cと、CMOSイメージセンサー110の下側に配置された第4プレート196dと、を有している。
また、第1実施形態とは異なり、振動板支持部416およびシャッターユニット190は、放熱部材198内に配置されており、上側、両側方および下側を熱伝導部196により囲い込まれている。より詳細には、振動板支持部416およびシャッターユニット190の上側、両側方および下側には、第1プレート196a〜第4プレート196dが配置されている。
また、CMOSイメージセンサー110とメイン回路基板142との間には、放熱板195が配置されており、CMOSイメージセンサー110は放熱部材198により被写体側すなわち前側を除く上側、下側、両側方および後側の5方向を囲い込まれている。
この場合であっても、CMOSイメージセンサー110からメイン回路基板142へ伝わる熱が放熱板195により吸収されるので、メイン回路基板142の温度上昇を抑制することができる。
また、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154への熱伝導系路上に配置されたボディマウント接点支持部152に放熱部材198が接続されているので、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154へ伝わる熱の一部は熱伝導部196を介して放出される。これにより、メインフレーム154の温度上昇を抑制することができる。
〔その他の実施の形態〕
本発明の実施形態は、前述の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形および修正が可能である。
(A)
前述の第1〜第3実施形態では、放熱部材198が放熱板195を有しているが、CMOSイメージセンサー110からメインフレーム154に伝わる熱量を低減する効果だけを考えると、放熱部材198が、熱伝導部196のみを有していればよく、放熱板195を有していなくてもよい。
また、逆に、メイン回路基板142の温度上昇を低減する効果だけを考えると、放熱部材198が、放熱板195のみを有していればよく、熱伝導部196を有していなくてもよい。この場合、図11に示すように、放熱板195が例えばメインフレーム154に固定されている構成が考えられる。
なお、放熱板195と熱伝導部196とは、一体形成に限定されず、別体であってもよい。
(B)
前述の第1〜第3実施形態では、熱伝導部196が第1プレート196a、第2プレート196b、第3プレート196cおよび第4プレート196dを有しているが、これらの4枚のプレートのうち少なくとも1枚を熱伝導部196が有していればよい。
さらに、前述の第1実施形態では、第1プレート196a、第2プレート196b、第3プレート196cおよび第4プレート196dの全てが振動板支持部116に接続されているが、熱伝導部196を構成するプレートの全てが中間部品に接続されている必要はない。例えば、第1プレート196a〜第4プレート196dのうち一部のプレートが振動板支持部116に接続されていればよい。さらに、第1プレート196a〜第4プレート196dのうち一部のプレートが振動板支持部116に接続されており、かつ、他のプレートが振動板支持部116以外の部品に接続されていてもよい。これについては、第2および第3実施形態でも同様である。
なお、放熱板195の支持を考慮すると、3枚以上のプレートで放熱板195がCMOSイメージセンサー110のボディマウント150側の部材に固定されていることが好ましい。
(C)
また、熱伝導部196はCMOSイメージセンサー110の上側、両側方および下側に配置されているが、必ずしも第1プレート196a、第2プレート196b、第3プレート196cおよび第4プレート196dの全てを放熱部材198が有している必要はなく、少なくとも一つを選び、振動板支持部116やシャッターユニット190やボディマウント接点支持部152に接続しても良い。例えば、(i)第1プレート196aの1枚、(ii)第2プレート196bと第3プレート196cとの2枚、(iii)第1プレート196aと第2プレート196bと第3プレート196cとの3枚、を選択してもよい。
各プレートで暖められたプレート周辺の空気による対流伝熱は、プレートの上側の空間に伝わりやすい。したがって、上記(i)、(ii)、(iii)のいずれを選択しても、各プレートの放出する熱は、横撮り姿勢においてCCDイメージセンサー110に伝わりにくいので、CCDイメージセンサー110周辺の熱を効率的に放熱できる。
なお、(ii)の場合は、横撮り姿勢において、CCDイメージセンサー110により暖められた空気の対流による上側の空間への放熱が、第1プレート196aによって妨げられないので、(i)や(iii)の場合に比べて放熱効率が優れた配置だと考えられる。ただし、放熱板195のカメラ本体100の内部での位置決めを容易にするためには、(iii)のように3枚以上のプレートが接続し固定されることが好ましい。
(D)
前述の第1および第3実施形態では、シャッターユニット190が設けられているが、シャッターユニット190を設けず、CMOSイメージセンサー110の駆動制御によりシャッターユニット190と同様のシャッター機能を実現してもよい。具体的には、CMOSイメージセンサー110は、各画素の電荷を上のラインから順次リセットする。そして、各ラインのリセット動作が下に移動するのを追いかけるように、上のラインから順次各画素の電荷を読み出す。このようにすれば、各画素は、リセットされてから電荷が読み出されるまでの期間に露光され、取得した電荷によって画像データが形成できる。
(E)
前述の第1〜第3実施形態では、カメラモニタ120とEVF180との両方を有しているが、カメラモニタ120およびEVF180の一方のみを有する構成でもよい。
(F)
撮像素子としては、CMOSイメージセンサー110の他に、CCDイメージセンサーも考えられる。
(G)
前述の実施形態では、カメラコントローラー140を含むメイン回路基板142は、放熱部材198の外側に配置されている。これは、CMOSイメージセンサー110は消費電力が比較的大きいため、最大の熱の発生源となることが多く、回路部品等の熱の影響を受け易い部品が多数実装されているメイン回路基板142にCMOSイメージセンサー110から熱が伝わることを防止するためである。
しかし、CMOS回路基板113に熱の影響を受け易い部品が実装されている場合は、CMOSイメージセンサー110とCMOS回路基板113との間に放熱板195が配置されていてもよい。
本発明は、デジタルカメラに適用できる。具体的には、デジタルスチルカメラやムービーなどに適用可能である。
1 デジタルカメラ(撮像装置の一例)
100 カメラ本体
101 外装部
110 CMOSイメージセンサー(撮像素子の一例)
113 CMOS回路基板(撮像素子回路基板の一例)
115 振動板
116 振動板支持部(中間部品の一例)
140 カメラコントローラー
142 メイン回路基板
150 ボディマウント
151 ボディマウントリング
152 ボディマウント接点支持部(中間部品の一例)
154 メインフレーム
155 三脚取付部
190 シャッターユニット(中間部品の一例)
195 放熱板
196 熱伝導部
196a 第1プレート
196b 第2プレート
196c 第3プレート
196d 第4プレート
198 放熱部材
200 レンズユニット
250 レンズマウント
251 レンズマウントリング

Claims (14)

  1. 被写体の光学像を形成するレンズユニットを装着可能なカメラ本体であって、
    前記レンズユニットを装着可能なボディマウントと、
    前記ボディマウントの前記レンズユニットが装着される側とは反対側に配置され、前記被写体の光学像を画像データに変換する撮像素子と、
    前記撮像素子に電気的に接続され、前記撮像素子を制御する撮像素子回路基板と、
    前記撮像素子の前記ボディマウントとは反対側に配置され、カメラコントローラーを含むメイン回路基板と、
    前記撮像素子と前記メイン回路基板との間に配置される金属製の放熱板と、
    を備えるカメラ本体。
  2. 前記放熱板に接続され、前記メイン回路基板と反対側に延びる熱伝導部をさらに備える、
    請求項1に記載のカメラ本体。
  3. 前記撮像素子は、前記レンズユニットを通る光を受ける受光面を有しており、
    前記熱伝導部は、前記受光面に沿った方向に前記撮像素子と隙間を介して対向するように配置されている、
    請求項2に記載のカメラ本体。
  4. 前記熱伝導部は、前記カメラ本体を横撮り姿勢にした状態で、前記撮像素子の上側に配置された第1プレートを有している、
    請求項3に記載のカメラ本体。
  5. 前記熱伝導部は、前記カメラ本体を横撮り姿勢にした状態で、前記撮像素子の側方に配置された第2プレートを有している、
    請求項3または4に記載のカメラ本体。
  6. 前記熱伝導部は、前記カメラ本体を横撮り姿勢にした状態で、前記撮像素子の側方に配置され前記撮像素子の前記第2プレートと反対側に配置された第3プレートを有している、
    請求項5に記載のカメラ本体。
  7. 前記熱伝導部は、前記カメラ本体を横撮り姿勢にした状態で、前記撮像素子の下側に配置された第4プレートを有している、
    請求項3から6のいずれかに記載のカメラ本体。
  8. 前記熱伝導部と接続され、前記撮像素子よりも前記ボティマウント側に配置される中間部品をさらに備える、
    請求項2から7のいずれかに記載のカメラ本体。
  9. 前記中間部品は、前記ボディマウントと前記撮像素子との間に配置され振動を発生する振動板と、前記ボディマウントにより支持され前記振動板を支持する振動板支持部と、を有しており、
    前記熱伝導部は、前記振動板支持部に接続されている、
    請求項8に記載のカメラ本体。
  10. 前記中間部品は、前記ボディマウントと前記撮像素子との間に配置されたシャッターを有しており、
    前記熱伝導部は、前記シャッターに接続されている、
    請求項8に記載のカメラ本体。
  11. 前記ボディマウントを支持する金属製のメインフレームをさらに備え、
    前記中間部品は、前記メインフレームに固定され前記メインフレームに対して前記ボディマウントを支持するボディマウント接点支持部を有している、
    請求項8に記載のカメラ本体。
  12. 前記撮像素子回路基板は、前記撮像素子と前記メイン回路基板との間に配置されている、
    請求項11に記載のカメラ本体。
  13. 前記撮像素子回路基板は、前記撮像素子と前記放熱板との間に配置されている、
    請求項12に記載のカメラ本体。
  14. 被写体の画像を取得するための撮像装置であって、
    前記被写体の光学像を形成するレンズユニットと、
    前記レンズユニットを装着可能であり、請求項1から13のいずれかに記載のカメラ本体と、
    を備えた撮像装置。
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