JP4903067B2 - 固体撮像素子の放熱構造 - Google Patents

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Description

本発明は、固体撮像素子を備えるテレビジョンカメラ、ビデオカメラなどの撮像装置に用いられる固体撮像素子の放熱構造に関する。
近年、固体撮像素子を3個用いる撮像装置として3板式カラーカメラ(以下3板カメラという)が開発され広く用いられるようになってきている。このような従来の3板カメラの構造について、図面を用いて説明する。
図1は、従来の3板カメラにおける撮像ブロック10の模式断面図である。図1に示すように、撮像ブロック10は、3板カメラにおける図示しない撮像レンズを通過して入射された光を所定の色成分に分解する色分解プリズムと、複数の固体撮像素子と、各々の固体撮像素子が搭載された撮像素子基板とにより構成されている。
図1に示すように、色分解プリズムは、3つのプリズム部材1r、1g、1bが互いに密着して接合されることより構成され、入射光を3つの色成分に分解する3色分解プリズム1である。それぞれのプリズム部材1r、1g、1bの接合界面は、ダイクロイックミラー4、5となっている。また、3つのプリズム部材1r、1g、1bの光の出射面には、個別に固体撮像素子2r、2g、2bが接着剤を介して固定されている。
図1において、3色分解プリズム1に入射した光束7は、ダイクロイックミラー4、5によって、3つの色成分、すなわち光の3原色の光束6a、6b、6cに色分解され、各々の固体撮像素子2r、2g、2bに受光される。ダイクロイックミラー4、5にて3原色に分解反射された光束のうちの光束6a、6bは、それぞれのプリズム部材1g、1b内にて再度全反射されることで、裏返し像(鏡像)ではなく表像を形成する光束として固体撮像素子2g、2bに受光される。それぞれの固体撮像素子2g、2b、2rにて受光されたそれぞれの光束は、それぞれの撮像素子基板3r、3g、3bにて撮像信号の処理がなされて、撮像信号が合成されたカラーテレビジョン信号が得られる。
このような構成を有する従来の3板カメラでは、3色の被写体像の重ね合わせを精度良く行う必要がある。重ね合わせの精度、すなわちレジストレーションの精度が悪いと色ずれやモアレ偽信号が発生し、画質は微妙に劣化する。従って、レジストレーションの精度低下が生じないように、それぞれの固体撮像素子2r、2g、2bへ加わる外力負荷を低減させる必要がある。
また、固体撮像素子は高温環境下で使用すると、白傷による画質劣化、寿命短縮、等々の問題が発生するため、所定の温度以下での使用する必要がある。近年特に、固体撮像素子が搭載される3板カメラに代表される撮像装置においては、軽薄短小、多機能・高機能化による消費電力の増加に伴って、固体撮像素子の周辺温度(装置筐体内部温度)は益々上昇する傾向にあり、固体撮像素子を冷却する手段が不可欠となっている。
そのため、従来の撮像装置においては、固体撮像素子へ加わる外力負荷を低減させながら、固体撮像素子を効率的に冷却するための様々な放熱構造が提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
まず、特許文献1においては、伝熱部材にネジによって設置された熱電冷却素子が、それぞれの固体撮像素子の背面に接触するように配置された放熱構造が提案されている。このような放熱構造においては、各部材の熱膨張や熱収縮に伴う変形量を、ネジのバックラッシュにより吸収することができるため、冷却素子から固体撮像素子に対して熱変形に伴う力が加わらないようにすることができる。
また、特許文献2においては、熱伝導板に固定された熱電冷却素子を、熱伝導板の弾性を利用して、固体撮像素子の背面に適切な力にて密着させるように配置させた放熱構造が提案されている。このような放熱構造においては、熱伝導板の弾性を利用することで、冷却素子を固体撮像素子の背面に密着させることができ、効率的な放熱を実現することができる。
特許文献3においては、熱電冷却素子を用いない放熱構造として、固体撮像素子の背面と撮像素子基板との間に、金属部品を挿入配置させて、金属部品を通して固体撮像素子から熱を逃がすような放熱構造が提案されている。
特開平1−295575号公報 特開2002−247594号公報 特開2001−308569号公報
近年、このような3板カメラにおけるそれぞれの固体撮像素子の位置決めは、μmオーダの精度が要求されつつあり、例えばそれぞれの固体撮像素子2r、2g、2bの位置決めは光軸方向では焦点深度があるため数十μm、被写体映像面内方向ではμmオーダの精度を必要とするようになりつつある。
しかしながら、特許文献1の放熱構造においては、ネジのバックラッシュにより外力の吸収を行っているため、微小な熱変形により生じる外力を十分に吸収することはできず、作用する外力の大きさによっては、撮像素子の位置決め精度に影響を与える場合があり、この位置ずれによるレジストレーションの精度低下が問題となる。また、特許文献2の放熱構造では、熱伝導板の弾性力により固体撮像素子に外力が付加され、その外力は熱膨張等により変化するため、位置決め精度に影響を与えてしまう場合がある。また、特許文献1及び2の放熱構造では、比較的高価な熱電冷却素子が用いられているため、撮像装置がコスト上昇するという問題もある。
また、冷却素子を用いない特許文献3の放熱構造においても、金属部品が固体撮像素子の背面に接触するように配置されているため、金属部材の熱膨張・収縮によるスプリングバックに起因する負荷が固体撮像素子に加わり、固体撮像素子とプリズム部材との接着面において位置ずれが生じ、この位置ずれによるレジストレーションの精度低下が問題となる。また、特許文献1〜3のいずれの放熱構造もその構造が複雑なものであり、取り付け作業や取り扱い作業が容易なものとは言えない。
また、固体撮像素子2r、2g、2bの前面とプリズム1r、1g、1bとの接着にはUV接着剤(紫外線硬化性接着剤)が用いられ、接着剤を接着面間に塗布した状態で各固体撮像素子2r、2g、2bの位置調整(6軸)を実施した後に、紫外線を照射して接着剤を硬化させ、接着面を固定する工法が広く利用されている。
しかしながら、このようなUV接着剤は高温クリープ特性(高温環境下で負荷を掛け続けるとクリープする特性)を有するため、特に固体撮像素子2r、2g、2bの周辺温度(装置筐体内部温度)が高くなると、上記金属部品等のスプリングバックに起因する負荷が深刻な問題となる。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、固体撮像素子を備える撮像装置に用いられる固体撮像素子の放熱構造において、比較的簡単な構造にて、固体撮像素子に加わる外力負荷を低減させながら、固体撮像素子を冷却する固体撮像素子の放熱構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、撮像レンズを通過して入射された光を所定の色成分に分解するプリズムと、上記プリズムの光の出射面に固定される複数の固体撮像素子と、各々の固体撮像素子が搭載される撮像素子基板とを有する撮像装置に用いられる固体撮像素子の放熱構造において、上記プリズムの側面に、熱伝導性材料からなる柔軟性を有する箔状のシートで形成した放熱シートを配置し、上記放熱シートは、上記固体撮像素子の背面に固定される第1端部と、別の部材に固定される第2端部とを有し、さらに上記放熱シートは、上記第1端部から上記第2端部へ向かう方向に沿って上記放熱シートを幅方向に複数に分割する切り込み部を有する、固体撮像素子の放熱構造を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記放熱シートにおいて、上記第2端部よりも上記第1端部に近い位置に、上記それぞれの切り込み部が形成されている、第1態様に記載の固体撮像素子の放熱構造を提供する。
本発明の第態様によれば、上記放熱シートは、複数の上記固体撮像素子に対して個別に固定される複数の上記第1端部を有する、第1態様又は第2態様に記載の固体撮像素子の放熱構造を提供する。
本発明の第態様によれば、上記切り込み部は、幅を有するスリット部である、第1態様から第態様のいずれか1つに記載の固体撮像素子の放熱構造を提供する。
本発明の第態様によれば、上記放熱シートにおいて、上記第1端部から上記第2端部まで連なるように上記それぞれの切り込み部が形成されている、第1態様から第態様のいずれか1つに記載の固体撮像素子の放熱構造を提供する。
本発明の第態様によれば、上記固撮像素子と、上記固撮像素子が搭載され撮像素子基板との間に上記放熱シートの上記第1端部が固定される、第1態様から第態様のいずれか1つに記載の固体撮像素子の放熱構造を提供する。
本発明によれば、固体撮像素子に固定された第1端部と、別の部材に固定された第2端部とを有する熱伝導性材料からなる柔軟性を有する箔状のシートで形成した放熱シートにおいて、上記第1端部から上記第2端部へ向かう方向に沿って上記放熱シートを幅方向に複数に分割する切り込み部が形成されていることにより、上記切り込み部の形成方向に直交する方向において熱膨張等により生じる応力負荷を低減させることができる。また、上記それぞれの切り込み部を、熱の流れ方向に沿って形成すれば、上記放熱シートにおける熱伝導性を損なうこともない。従って、比較的簡単な構造で放熱特性を損なうことなく、放熱シートを通じて固体撮像素子へ負荷される負荷(応力負荷)を低減することができ、レジストレーションの精度低下を抑制可能な固体撮像素子の放熱構造を提供することができる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる固体撮像素子の放熱構造が採用される3板カメラにおける撮像ブロック20(放熱構造が装備されていない状態)の模式斜視図を図2に示し、本第1実施形態の放熱構造が装備された状態の撮像ブロック20の模式斜視図を図3に示す。なお、撮像ブロック20の構造は、図1に示す撮像ブロック10と同じ構造であるため、同じ構成部材には同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図2及び図3に示すように、本第1実施形態の固体撮像素子の放熱構造は、高熱伝導性材料により形成された箔状の放熱シート8における3つの第1端部8a、8b、8c(第1固定部)をそれぞれの固体撮像素子2r、2g、2bの背面に固定し、第2端部8d(第2固定部)をABS樹脂等により形成されたレンズ鏡筒ケース(図示しない)にネジ止め等により固定するものである。各固体撮像素子2r、2g、2bにて発生した熱は、放熱シート8を通ってレンズ鏡筒ケースに伝達され、その結果、それぞれの固体撮像素子2r、2g、2bの温度は低減される。
放熱シート8は、高熱伝導性材料として、例えば銅若しくはグラファイトシートなどが用いられ、さらに、その厚み方向に高い柔軟性を有するように、箔状として例えば0.1mm以下の厚みで形成される。
また、放熱シート8の第1端部8a、8b、8cは、各固体撮像素子2r、2g、2bと、撮像素子基板3r、3g、3bとの間に、その厚み方向に略90度折り曲げられて挿入された状態にて固定されている。このような第1端部8a、8b、8cの固定は、固体撮像素子2r、2g、2bと撮像素子基板3r、3g、3bとの間に挿入された放熱シート8が、固体撮像素子と撮像素子基板とによって軽く挟まれた状態とされている。このような状態においては、放熱シート8の第1端部8a、8b、8cが固体撮像素子2r、2g、2bの背面に接した状態とされている。なお、放熱シート8と固体撮像素子2r、2g、2bとの接触性をより良好なものとするためにグリスなどが用いられるような場合であってもよい。ここで、このような放熱シート8の第1端部8a、8b、8cと固体撮像素子2r、2g、2bとの「固定」とは、一方の部材に力を加えたときに、その力が他方へ伝わる状態を言う。特に、本発明においては、放熱シート8の第1端部8a、8b、8cの表面沿いの方向に力が加わった場合に、固体撮像素子2r、2g、2bの背面沿いの方向に作用する摩擦力により、上記力が伝わる程度に、放熱シート8が軽く挟み込まれている状態を言う。
ここで、図3において、紙面左右方向をX方向とし、X方向と直交する紙面手前方向をY方向として、X方向及びY方向と直交する紙面上下方向をZ方向とする。放熱シート8は、撮像ブロック20の側面の略中央部に配置され、その側面中央部から3方向(X方向右向き、Z方向上向き、Z方向下向き)へと分岐されて個別に延在するそれぞれの第1端部8a、8b、8cが略90度Y方向奥向きに折り曲げられた状態にて、固体撮像素子と撮像素子基板との間に挿入配置されている。一方、第2端部8dは、上記側面中央部から上記3方向とは異なる方向であるX方向左向きに延在し、かつ他の部材を避けるように複数回折り曲げられて、図示しないレンズ鏡筒ケースに固定されている。
さらに、図3に示すように、放熱シート8におけるそれぞれの第1端部8a、8b、8cの近傍部分には、複数の切り込み部9a、9b、9cが形成されている。それぞれの切り込み部9a、9b、9cは、放熱シート8におけるそれぞれの第1端部8a、8b、8cへの分岐部分において、第1端部8a、8b、8cから第2端部8dへ向かう方向である熱の流れ方向(熱流束方向)h1、h2、h3にそれぞれ平行となるように形成されている。すなわち、放熱シート8の幅方向に直交する方向に、複数本の切り込み部9a、9b、9cが形成されている。
本発明の課題であるレジストレーションの精度低下が問題となるのは、固体撮像素子2r、2g、2bとプリズム部材1r、1g、1bの接着面をせん断する方向に負荷(応力負荷)が加わる場合である。このような接着面をせん断する方向の負荷は、放熱シート8が熱膨張又は熱収縮することにより、その長手方向と幅方向とにおいて付加されることになるが、放熱シート8は、その長手方向において折り曲げ部分が形成されているため、長手方向の負荷は比較的吸収されやすく、逆に吸収され難い幅方向の負荷が問題となる。この幅方向におけるせん断方向の負荷は、放熱シート8の幅寸法の三乗に比例するため、幅方向に直交する方向に複数の切り込み部9a、9b、9cを設けることによって、せん断方向の負荷を低減することができる。例えば、放熱シート8に9本の切り込み部を設け、その幅方向に10分割した場合、切り込み部を設けない場合と比して、せん断応力は、約100分の1程度まで低減することができる。
一方、このような切り込み部9a、9b、9cは、放熱シート8の幅方向に直交する方向、すなわち、熱の流れ方向h1、h2、h3に平行に形成されているため、それぞれの固体撮像素子2r、2g、2bより放熱シート8を通して伝達される熱は、切り込み部9a、9b、9cに平行な方向に流れ、熱の流れを妨げることがない。従って、熱伝達量は切り込み部を形成しない場合と略同等であり、切り込み部が形成されることによる放熱シート8の放熱特性の低下はほとんど発生しない。
従って、本第1実施形態の固体撮像素子の放熱構造によれば、従来の放熱構造に対して、放熱特性をほとんど低下させること無く、レジストレーションの精度低下の主な要因であるせん断方向の負荷、特に放熱シート8の幅方向において生じるせん断応力負荷を、複数の切り込み部を形成することで低減することができる。また、このような放熱構造は、箔状の放熱シート8に複数の切り込み部9a、9b、9cを形成することで実現することができるため、その構造を簡単なものとすることができ、複雑な調整部品、調整工程を必要とせず、その取り扱いを容易なものとすることができる。
なお、上記説明では、各固体撮像素子2r、2g、2b近傍、すなわちそれぞれの第1端部8a、8b、8cの近傍に切り込み部9a、9b、9cを形成するような場合について説明したが、切り込み部の形成位置は、このような場合についてのみ限定されるものではなく、その他様々な位置に形成することができる。例えば、放熱シート8の第2端部8dの近傍に切り込み部9dが形成されるような場合であってもよい。このような切り込み部9dが熱の流れ方向h4に沿って単独で形成されるような場合であっても良く、また、図4に示すように、それぞれの切り込み部9a、9b、9cと組み合わせて設けるような場合であっても良い。ただし、せん断方向の負荷を低減させる目的位置の近傍、すなわちそれぞれの第1端部8a、8b、8cの近傍に切り込み部9a、9b、9cが設けられた構成を採用することで、固体撮像素子2r、2g、2bに付加される応力負荷をより効果的に低減させることができる。
また、上記説明では、放熱シート8に切り込み部9a、9b、9cが設けられた構造を例として説明したが、このような切り込み部9a、9b、9cとして、例えば0.1mm程度の幅寸法を有する複数のスリット部を設けても同様の効果を得ることができる。すなわち、本第1実施形態の切り込み部は、放熱シート8をその幅方向に複数に分割させるために形成されており、このような分割を実現できる形態であれば、幅を有さない切り込み部でも、幅を有する切り込み部(スリット部)であってもよい。また、これらの切り込み部は、必ずしも等間隔に形成される必要はなく、またその形成本数は、低減させる負荷や放熱シート8の強度などを考慮して決定されることが好ましい。
また、上記説明では、3つの固体撮像素子2r、2g、2bのそれぞれに固定される全ての第1端部8a、8b、8cの近傍に切り込み部9a、9b、9cを設けるような場合について説明したが、このような場合に代えて、特定の固定撮像素子に固定される第1端部の近傍にのみ、切り込み部が形成されるような場合であってもよい。例えば、3つの固体撮像素子のうちの基準(光学特性を調整する際に基準)となる撮像素子が存在するような構成にあっては、基準となる撮像素子に固定される第1端部の近傍に切り込み部を設けて、それ以外の撮像素子に固定される放熱シートには切り込み部が形成されないような構成を採用することもできる。
(第2実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、本発明の第2の実施形態にかかる固体撮像素子の放熱構造が装備された撮像ブロック20の模式斜視図を図5に示す。なお、図5における撮像ブロック20は、図2の撮像ブロック20と同じ構成であるため、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、本第2実施形態の放熱構造においては、第1実施形態の放熱シート8に代えて、高熱伝導性材料により形成された複数の線状の放熱ライン(あるいは線状の放熱部材)18が用いられている点において、上記第1実施形態の放熱構造とは相違する。
このような放熱ライン18は、銅線、若しくは所定の幅を有するグラファイトシートにより形成することができる。複数の放熱ライン18の一端である第1端部18a、18b、18cは図示しない複数の第1の放熱ベースに固定されて、各々の固体撮像素子2r、2g、2bの背面に各々の第1の放熱ベースが固定されている。また、その他端である第2端部18dは第2の放熱ベース19に固定されており、この第2の放熱ベース19が図示しないレンズ鏡筒ケースに固定されている。第1の放熱ベース及び第2の放熱ベース19は、高熱伝導性材料により例えばシート状に形成されている。このように、線状の放熱ライン18を直接的に固体撮像素子2r、2g、2bに固定することなく第1の放熱ベースが介在されていることにより、その取り付けや取り扱い性を良好なものとすることができる。
このような本第2実施形態の放熱構造によれば、上記第1実施形態の放熱構造と比して、放熱ライン18の配置の自由度が向上するため、装置の軽薄短小化に伴って益々、高密度化する装置内部の複雑な部品レイアウトに柔軟に対応可能である。
また、上記説明では、線状の放熱ライン18が用いられるような場合について説明したが、放熱ラインを、微小幅を有する短冊形状として形成することもできる。すなわち、上記第1実施形態の放熱シート8において、第1端部8a、8b、8cの近傍から、第2端部8dの近傍まで連なるようにそれぞれの切り込み部を形成することで、このような線状又は短冊形状の放熱ラインを構成することができる。なお、所定の幅を有する箔状のグラファイトシートを捻ることで、放熱ラインの強度を向上させることもできる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、特許請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
従来の3板式カラーカメラにおける撮像ブロックの模式構成図 本発明の第1実施形態の固体撮像素子の放熱構造が未装備状態の撮像ブロックの模式斜視図 図2の撮像ブロックに上記第1実施形態の放熱構造を装備した状態の模式斜視図 上記第1実施形態の変形例にかかる放熱構造の模式斜視図 本発明の第2実施形態の固体撮像素子の放熱構造が装備された状態の撮像ブロックの模式斜視図
符号の説明
1 3色分解プリズム
1r プリズム部材(赤色)
1g プリズム部材(緑色)
1b プリズム部材(青色)
2r 固体撮像素子(赤色用)
2g 固体撮像素子(緑色用)
2b 固体撮像素子(青色用)
3r 撮像素子基板(赤色用)
3g 撮像素子基板(緑色用)
3b 撮像素子基板(青色用)
4 ダイクロイックミラー
5 ダイクロイックミラー
6a 原色の光束(赤色用)
6b 原色の光束(緑色用)
6c 原色の光束(青色用)
7 光束
8 放熱シート
8a、8b、8c 第1端部
8d 第2端部
9a 切り込み部(赤色固体撮像素子用)
9b 切り込み部(緑色固体撮像素子用)
9c 切り込み部(青色固体撮像素子用)
9d 切り込み部
10、20 撮像ブロック
18 放熱ライン
19 放熱ベース

Claims (6)

  1. 撮像レンズを通過して入射された光を所定の色成分に分解するプリズムと、上記プリズムの光の出射面に固定される複数の固体撮像素子と、各々の固体撮像素子が搭載される撮像素子基板とを有する撮像装置に用いられる固体撮像素子の放熱構造において、
    上記プリズムの側面に、熱伝導性材料からなる柔軟性を有する箔状のシートで形成した放熱シートを配置し、
    上記放熱シートは、上記固体撮像素子の背面に固定される第1端部と、別の部材に固定される第2端部とを有し、
    さらに上記放熱シートは、上記第1端部から上記第2端部へ向かう方向に沿って上記放熱シートを幅方向に複数に分割する切り込み部を有する、固体撮像素子の放熱構造。
  2. 上記放熱シートにおいて、上記第2端部よりも上記第1端部に近い位置に、上記それぞれの切り込み部が形成されている、請求項1に記載の固体撮像素子の放熱構造。
  3. 上記放熱シートは、複数の上記固体撮像素子に対して個別に固定される複数の上記第1端部を有する、請求項1又は2に記載の固体撮像素子の放熱構造。
  4. 上記切り込み部は、幅を有するスリット部である、請求項1からのいずれか1つに記載の固体撮像素子の放熱構造。
  5. 上記放熱シートにおいて、上記第1端部から上記第2端部まで連なるように上記それぞれの切り込み部が形成されている、請求項1からのいずれか1つに記載の固体撮像素子の放熱構造。
  6. 上記固撮像素子と、上記固撮像素子が搭載され撮像素子基板との間に上記放熱シートの上記第1端部が固定される、請求項1からのいずれか1つに記載の固体撮像素子の放熱構造。
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