JP5241411B2 - 発光装置用基板、発光装置及び発光装置を用いた照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置用基板、発光素子を備えた発光装置及びこの発光装置に用いた照明装置に関するものである。発光装置及び照明装置は、例えば、電子ディスプレイ用のバックライト電源、蛍光ランプに好適に用いることができる。
電子ディスプレイ用のバックライト電源及び蛍光ランプとして発光装置を用いる場合、白色光を得るため、RGB3色分のLED発光素子が用いられる。これらの発光素子は、発光色に応じて発熱量が異なるため、発熱量の相対的に多い発光素子から発熱量の相対的に少ない発光素子に熱が伝わり、発光効率が低下する可能性がある。そこで、特許文献1に開示されているように、複数の放熱片と、各放熱片上に配設された複数のLEDチップと、複数の放熱片間に配設された断熱部とを備えた光半導体装置が提案されている。
特開2008−186948号公報
特許文献1に記載の光半導体装置(発光装置)を用いることにより、各放熱片(基体)間における熱の伝達を抑制することができる。しかしながら、各発光素子は、発光色に応じて発熱量が異なるため、各放熱片の熱膨張量も異なる。そのため、各放熱片の間に位置する断熱部に応力が集中しやすい。
各放熱片として、LEDの放熱特性に応じた熱伝導率を有する部材を用いることにより、各放熱片の熱膨張量のばらつきを抑制することができるが、放熱片として、複数の種類の部材を用いなければならず、手間とコストが大きくなっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、安価に製造することができつつも、放熱片の間に位置する断熱部への応力の集中を抑制した発光装置を提供することを目的とする。
本発明の発光装置は、それぞれ主面を有する複数の基体と、該複数の基体の主面上にそれぞれ配設された複数の発光素子と、前記複数の基体間に配設され、内部に前記基体の主面に平行な方向よりも前記基体の主面に垂直な方向に大きい空孔を有し、基体よりも空孔率が高い断熱部材とを備えている。
本発明の発光装置によれば、複数の基体間に配設され、内部に空孔を有し、基体よりも空孔率が高い断熱部材を備えているため、各基体の熱膨張量の違いによって断熱部材に応力が集中した場合であっても、断熱部材の内部に存在する空孔により、上記の応力を吸収することができる。また、断熱部材の空隙率が基体の空隙率よりも高いため、基体の熱伝導率を高くしつつ、断熱部材の断熱効果を高くすることができる。
以下、本発明の発光装置及び発光装置用基板について図面を用いて詳細に説明する。
図1〜4に示すように、本発明の第1の実施形態にかかる発光装置1は、それぞれ主面3a〜3dを有する複数の基体5a〜5dと、複数の基体5a〜5d間に配設され、内部に空孔7を有し、基体5よりも空孔率が高い断熱部材9とを備えた発光装置用基板11を具備している。また、各基体5a〜5dの主面3a〜3d上にそれぞれ配設された複数の発光素子13を具備している。
本実施形態の発光装置1(発光装置用基板11)は、複数の基体5a〜5d間に配設され、内部に空孔7を有し、基体5よりも空孔率が高い断熱部材9を備えていることから、各基体5a〜5dの熱膨張量の違いによって断熱部材9に応力が集中した場合であっても、断熱部材9の内部に存在する空孔7により、上記の応力を吸収することができる。このように、基体5として複数の種類の部材を用いることなく、断熱部材9に加わる応力を緩和させることができるので、安価に発光装置1(発光装置用基板11)を製造することができる。
また、本実施形態にかかる発光装置1(発光装置用基板11)は、断熱部材9の空孔率が基体5の空孔率よりも高い。空孔率が高いほど熱伝導率が低下するため、本実施形態にかかる発光装置1(発光装置用基板11)は、各基体5a〜5d内での熱伝導率を高くしつつも、断熱部材9における熱伝導率を小さくして、各基体5a〜5d間における熱の伝達を抑制することができる。これにより、基体5の熱伝導率を高くしつつ、断熱部材9による断熱効果を高くすることができる。
なお、本実施形態において、基体5の主面3(3a〜3d)に垂直な断面における断面積に対する空孔7の面積比率を空孔率としている。つまり、基体5の主面3に垂直な方向における断熱部材9の断面積に対する空孔7の面積比率が、基体5の主面3に垂直な方向における基体5の断面積に対する空孔7の面積比率よりも大きい。そのため、基体5の主面3に垂直な方向における基体5及び断熱部材9の断面を評価することにより、空孔率を評価することができる。
断熱部材9の主面に対して垂直な断熱部材の断面において、空孔7は曲面形状であることが好ましい。基体5の熱膨張及び断熱部材9自体の熱膨張に伴い断熱部材9が変形した場合において、空孔7の表面の一部に応力が集中することを抑制できるからである。
また、基体5の主面3に垂直な断熱部材9の断面において、各空孔7を断熱部材9の側面に投影した場合に、側面全体に空孔7が投影されるように空孔7が形成されていることが好ましい。このように空孔7が形成されていることにより、空孔7による熱伝導の阻害効果を高めることができるからである。
基体5としては、例えば、アルミナセラミックス、窒化アルミニウム焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミックスのようなセラミックス、又は、エポキシ樹脂のような樹脂を用いることができる。また、セラミックスの上に樹脂を重ねた積層体であってもよい。セラミックスの上に樹脂を積層した積層体を用いることにより、発光装置1の耐久性を向上させることができる。発光素子13に通電すると、発光素子13は、発光すると同時に発熱する。また、樹脂は、セラミックスと比較して弾性変形しやすい。そのため、セラミックスにより基体5の強度を向上させつつ、樹脂により発光素子13の発熱により生じる熱応力を吸収することができるからである。
断熱部材9としては、熱伝導率の低い部材を用いることが好ましい。具体的には、アルミナセラミックス、窒化アルミニウム焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミックスのようなセラミックス、又は、エポキシ樹脂のような樹脂を用いることができる。また、断熱部材9は、基体5を構成する成分の少なくとも一部を含有することが好ましい。これにより、断熱部材9と基体5の接合性を高めることができる。また、断熱部材9として用いる部材と、基体5として用いる部材の熱膨張率を近づけることができるので、断熱部材9と基体5の熱膨張率の差により生じる断熱部材9と基体5の界面に生じる熱応力を小さくすることができる。
発光素子13としては、駆動電力により光を発生させることのできる素子を用いればよい。例えば、半導体材料からなる発光ダイオードを用いることができる。具体的には、GaAs、GaN或いはAlNを主成分とする発光ダイオードを用いることができる。発光素子13は通電部材15を介して外部電源より通電されることにより発光することができる。通電部材15は、基体5の主面3上に配設すればよい。また、基体5に主面3から裏面にかけて孔部を形成し、この孔部を介して基体5の裏面上に通電部材15を配設してもよい。
また、本実施形態の発光装置1は、基体5、断熱部材9及び発光素子13上に配設された透光性部材17を備えている。このような透光性部材17を備えていることにより、発光素子13が外気に触れることが抑制されるので、発光素子13の劣化を抑制することができる。透光性部材17としては、光透過性の高いものを用いることが好ましく、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂のような透明樹脂を用いることができる。
また、本実施形態の発光装置1(発光装置用基板11)は、断熱部材9の主面上に配設され、基体5と離隔する反射板19を更に備えている。このように、断熱部材9の主面上に配設された反射板19を備えていることにより、断熱部材9の主面に進行する光の反射率を高めることができるので、発光装置1の発光効率を高めることができる。また、反射板19は、基体5と離隔するように配設されている。そのため、反射板19を介しての基体5間での熱の伝達を抑制することができる。反射板19として金属を用いることができるが、反射板19として金属を用いる場合には、本実施形態が特に有効となる。金属は熱伝導率が高いからである。
また、反射板19として、高屈折率の誘電体膜と低屈折率の誘電体膜とから構成される誘電体多層膜、又は研磨加工するなどして表面の反射率を高めたセラミック部材を用いることもできる。反射板19として熱伝導率の低い部材を用いる場合には、隣り合う基体5を跨ぐようにして反射板19を配設してもよい。この場合には、基体5の主面3に進行する光の反射率を高めることができる。
さらに、反射板19を備えている場合には、反射板19は、上面が発光素子13よりも下方に位置することが好ましい。発光素子13の端面から斜下方向に放射され、発光装置用基板11の表面に進行する光を、反射板19で反射させることができるので、発光装置1の発光効率を向上させることができるからである。
次に、本発明の第2の実施形態について説明をする。
図5に示すように、本実施形態の発光装置1(発光装置用基板11)は、第1の実施形態と比較して、基体5の主面3に垂直な断面における空孔7の形状が、基体5の主面3に垂直な方向の幅よりも、基体5の主面3に平行な方向の幅が大きい形状であることを特徴とする。本実施形態のように空孔7が横に細長い形状である場合、基体5の熱膨張による断熱部材9への横方向の押圧力に対して断熱部材9が変形しやすくなる。そのため、断熱部材9の耐久性を高める必要がある場合、本実施形態が特に有効となる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明をする。
図6に示すように、本実施形態の発光装置1(発光装置用基板11)は、第1の実施形態と比較して、基体5の主面3に垂直な断面における空孔7の形状が、基体5の主面3に垂直な方向の幅よりも、基体5の主面3に平行な方向の幅が小さい形状であることを特徴とする。本実施形態のように、空孔7が縦に細長い形状である場合、基体5間の熱の伝導を抑制する効果を高めることができる。そのため、断熱部材9によって基体5間の熱の伝導をより抑制する必要がある場合には、本実施形態が特に有効となる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明をする。
図7に示すように、本実施形態の発光装置1(発光装置用基板11)は、第1の実施形態と比較して、基体5の主面3に垂直な断面における断熱部材9の空孔7が、上方よりも下方の空孔率が高くなるように分布していることを特徴としている。本実施形態のように、空孔7が分布している場合には、外部基板との接合時に発生する熱応力を緩和させことができる。
次に、本発明の第5の実施形態について説明をする。
図8に示すように、本実施形態の発光装置1(発光装置用基板11)は、第1の実施形態と比較して、基体5の主面3に垂直な断面における断熱部材9の空孔7が、上方よりも下方の空孔率が低くなるように分布していることを特徴としている。本実施形態のように、空孔7が分布している場合には、断熱部材9から外部基板へ放熱しやすくなるので、断熱部材9の耐久性を高めることができる。
次に、本発明の第6の実施形態について説明をする。
図9に示すように、本実施形態の発光装置1は、第1の実施形態と比較して、基体5の主面3上に配設され、発光素子13から発光される光を反射する反射面を有する反射部材21を備えている。上記のような反射部材21を備えることにより、発光素子13から放出された光を集光して、所望の光出射方向へ放出することができる。
より具体的には、図9に示すように、基体5の主面3上であって発光素子13を取り囲むように位置し、内周面が発光素子13から発光される光を反射する反射面である枠状の反射部材21を用いることができる。
反射部材21としては、発光素子13と対抗する面における光の反射率が高いものであれば良く、例えば、Al,Fe−Ni−Co合金などの金属を用いることができる。また、アルミナセラミックスなどのセラミックス及びエポキシ樹脂などの樹脂の表面に、Al,Ag,Au,Pt,Ti,Cr,Cuなどの反射率の高い金属薄膜が配設されたものを反射部材21として用いることもできる。さらに、金属薄膜としてAg,Cuのように腐食しやすい部材を用いる場合には、金属薄膜の表面をNiのような腐食しにくい部材で被覆することが好ましい。
次に、本発明の一実施形態にかかる照明装置について説明する。
図10に示すように、本実施形態の照明装置23は、上記の実施形態に代表される発光装置1と、発光装置1が搭載される搭載板25と、発光装置1に通電する電気配線27と、発光装置1から出射される光を反射する光反射手段29とを備えている。
本実施形態の照明装置23における発光装置1は搭載板25上に載置される。このとき、図10に示すように、本実施形態の照明装置23は、下方を照明するように形成されているため、発光装置1は発光素子13が基体5よりも下方に位置するようにして、搭載板25上に載置される。本実施形態の照明装置23においては、電気配線27を通じて発光装置1に通電することにより、発光素子13が光を射出する。そして、光反射手段29により、上記射出された光を反射させることで所望の方向を照らす照明装置23として機能する。
照明装置23は、発光装置1を一つのみ備えていてもよく、また、図10に示すように、複数備えていても良い。また、発光装置1を複数備えている場合には、各発光装置1を電気配線27により、直列配置としても、並列配置としても良い。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行うことは何ら差し支えない。
本発明の第1の実施形態にかかる発光装置を示す斜視図である。 図1に示す実施形態にかかる発光装置用基板を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の断面図である。 図3における領域Aを拡大した拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態にかかる発光装置を示す拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態にかかる発光装置を示す拡大斜視図である。 本発明の第4の実施形態にかかる発光装置を示す拡大断面図である。 本発明の第5の実施形態にかかる発光装置を示す拡大断面図である。 本発明の第6の実施形態にかかる発光装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかる照明装置を示す斜視断面図である。
符号の説明
1・・・発光装置
3・・・主面
5・・・基体
7・・・空孔
9・・・断熱部材
11・・・発光装置用基板
13・・・発光素子
15・・・通電部材
17・・・透光性部材
19・・・反射板
21・・・反射部材
23・・・照明装置
25・・・搭載板
27・・・電気配線
29・・・光反射手段

Claims (6)

  1. それぞれ主面を有する複数の基体と、該複数の基体の主面上にそれぞれ配設された複数の発光素子と、前記複数の基体間に配設され、内部に前記基体の主面に平行な方向よりも前記基体の主面に垂直な方向に大きい空孔を有し、基体よりも空孔率が高い断熱部材とを備えた発光装置。
  2. 前記断熱部材の主面上に配設され、前記基体と離隔する反射板を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記反射板は、上面が前記発光素子よりも下方に位置することを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記断熱部材の主面に対して垂直な前記断熱部材の断面において、前記空孔の縁の形状が線を含んだものとなっていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  5. 前記断熱部材は、前記基体を構成する成分の少なくとも一部を含有することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の発光装置と、前記発光装置が搭載される搭載板と、前記発光装置に通電する電気配線と、前記発光装置から出射される光を反射する光反射手段とを備えた照明装置。
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