JP5240856B2 - コイル部品 - Google Patents

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本発明は、磁芯及びコイルから構成される、特に大電流対応のリアクトル等のコイル部品に関する。
一般に、このような大電流対応のコイル部品は、数百Aなどの大電流においても磁気飽和せずに良好な直流重畳特性を示し、かつ低騒音を実現させるため、磁性体粉末と樹脂とをそれぞれ適宜配合比を調整して混合した複合磁性体を硬化させた磁芯が多く使用されている。
図3は、従来のコイル部品を説明する斜視図である。
コイル部品30は、磁芯33として、磁性体粉末A、Bと非磁性体粉末A1、B1と樹脂とをそれぞれ適宜配合比を調整して混合した複合磁性体を硬化させて得られる磁芯とし、その磁芯にコイル31を埋設した構造である。
磁性体粉末A、Bと非磁性体粉末A1、B1は略球状粉末であり、79.3kA/mの磁界中で10以上の比透磁率を有し、前記複合磁性体における樹脂の配合比は20体積%以上から90体積%以下の範囲であり、非磁性体粉末A1、B1は、シリカ粉、アルミナ粉、酸化チタン粉、石英ガラス粉、ジルコニウム粉、炭酸カルシウム粉又は水酸化アルミニウム粉を含む無機質材系粉末、ガラス繊維から選択された少なくとも一つの材質からなり、不活性ガスが充填された球状の中空粉である。
このようなコイル部品は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2006−24844号公報
特許文献1に開示されているような従来技術によるコイル部品では、コイルや磁芯の外周部に、中空粉からなる非磁性体粉末を内在させた絶縁物を配したり、内部に中空粉からなる非磁性体粉末を内在させた磁芯を用いる構造とすることで、大電流を通電した場合でも、磁気飽和せずに良好な直流電流重畳特性を得ると共に、低騒音を実現することを目的としており、大電流によるコイルや磁芯の発熱による熱膨張応力に関する記載はない。
しかしながら、高温環境下での使用や、大電流を通電する場合においては、コイルや磁芯の発熱が大きく、その発熱による熱膨張応力が無視できなくなるため、信頼性や安全性に関しては不十分である。
コイルに通電を行うと、コイルの損失によりジュール熱が発生しコイル自身が発熱する、また、その通電によって磁芯自体も発熱するので、コイルの周囲の磁芯にその熱膨張応力が加わり、磁芯に亀裂や破損が生じ、その亀裂や破損によって磁束を分断してインダクタンスを低下させてしまうと共に、亀裂により高周波振動の異音(騒音)が発生したり、破損部が欠落して周囲の部品に悪影響を与えてしまう可能性がある。特に、数百A等の大電流を流す場合は、さらにその影響が顕著となる。
本発明は、上記課題を解決するため、磁芯の亀裂や損傷を防止し、信頼性および安全性の高いコイル部品の提供を目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、コイルと、その周囲を磁性粉末と有機結合剤との複合磁性体からなる磁芯で覆ったコイル部品において、コイルと、コイルの外周部に配設された磁芯との境界部に、絶縁皮膜を介在させた構造とし、前記絶縁皮膜は、皮膜内部に気体部が略均一に内包された構造とすることで、大電流を通電した際のコイルの発熱による熱膨張応力(変位量)を該気体部で吸収させ、磁芯への応力を緩和し、磁芯の割れや亀裂を防止して、高耐熱、高信頼性を確保するものである。
なお、気体部とは、中空の球体の内部の空隙のほか、互いに独立した空隙を持つ気泡や、スポンジや粒子の集合体などの連続した空隙であってもよい。
なお、絶縁皮膜の厚さは、コイルとその周囲の磁芯との絶縁性を確保する必要があるため、一般的な固体樹脂の絶縁耐力は10〜20KV/mmであることより、0.5〜1.0mmとするのが好適である(要求耐圧値:5KVmax)。従って、その厚みの内部または内外表面に近接して形成する必要がある。なお、上記の絶縁被膜の厚さは、コイル自身の導体絶縁皮膜として、例えばポリイミド樹脂等の高絶縁性のものを用いた場合には0.5mm以下としてもよい。
また、絶縁皮膜の厚さに占める気体部の体積含有率は、熱伝導性(放熱性)とコイルの発熱による熱膨張応力による変位量(体積変化量)を充分吸収できる程度により調整することができる。体積含有率が小さい場合は、気泡の数が少ないため熱伝導性(放熱性)が良好で温度上昇を低く抑えることのできるが、変位量を吸収できず磁芯の亀裂や破損が起こり易くなる。一方、体積含有率が大きい場合は、気泡の数が多くなるため応力は充分吸収できるが、その気泡によりコイルのジュール熱が充分放熱されなくなり、コイルの温度上昇が大きくなって効率や磁気特性に悪影響を与えてしまう。
発明者らは、上記の絶縁性確保に必要な絶縁皮膜の厚さを0.5〜1.0mmとし、望ましい気泡の体積含有率は、0.5%〜60%であることを見出した。
また、本発明のコイル部品を用いた電力変換システムや、その電力変換システムを用いて駆動する、特にハイブリッド車、電気自動車などに搭載される電動機にも適用できる。
本発明によれば、導電体を螺旋状に巻回したコイルと、コイルの端子部を除く一部または全部を包囲するように覆う絶縁皮膜と、絶縁皮膜を覆うように、磁性粉末と有機結合剤とを混合した複合磁性体を配したコイル部品であって、前記絶縁皮膜は内部に気体部を備え、前記気体部の、前記絶縁皮膜に対して占める体積含有率が0.5%〜30%(30%を含まず)であることを特徴とするコイル部品が得られる。
本発明によれば、絶縁皮膜は、内部に気体部を有する樹脂と、他の同一または異なる樹脂を含むことを特徴とする上記のコイル部品が得られる。
本発明によれば、気体部は、変形および伸縮が可能であることを特徴とする上記のコイル部品が得られる。
本発明によれば、気体部は、気泡であることを特徴とする上記のコイル部品が得られる。
本発明によれば、上記のいずれかのコイル部品を用いた電力変換システムが得られる。
本発明によれば、上記の電力変換システムにより駆動する電動機が得られる。
本発明のコイル部品によれば、高温度環境下での使用や、コイルに大電流を通電し発熱が大きい状態で使用される場合でも、磁芯に加わる熱膨張応力を緩和し、磁芯の割れや亀裂の発生を低減し、磁気特性や耐振動・衝撃性の低下を防止して、信頼性及び安全性を向上させることができる。
また、本発明のコイル部品を用いた電力変換システムや、その電力変換システムを用いて駆動する、特にハイブリッド車、電気自動車などに搭載される電動機にも適用でき、その場合は、より効果を奏する。
本発明によるコイル部品を説明する図、図1(a)は斜視図、図1(b)は図1(a)におけるA面断面図。 本発明のコイル部品による絶縁皮膜を説明する断面模式図、図2(a)は図1(a)におけるB−B線断面図、図2(b)はコイルへの通電前のC部拡大図、図2(c)はコイルへの通電後のC部拡大図。 従来のコイル部品を説明する斜視図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明によるコイル部品を説明する図で、図1(a)は斜視図、図1(b)は図1(a)におけるA面断面図である。なお、図1(b)において、絶縁皮膜には斜線を施している。
図1に示したように、コイル部品4は、絶縁皮膜で覆われた導電体を螺旋状に巻回したコイル1の内周部と外周部に絶縁皮膜2を形成し、更にその内周部と外周部を磁芯3で覆って埋設した構造である。また、コイル1の先端部1a、1bは、磁芯3の側面から引き出されているが上面、下面など任意の面から引き出されていても良い。
図2は、本発明によるコイル部品の絶縁皮膜を説明する断面模式図で、図2(a)は図1(a)におけるB−B線断面図、図2(b)はコイルへの通電前のC部拡大図、図2(c)はコイルへの通電後のC部拡大図をそれぞれ示す。
図2(b)に示したように、絶縁皮膜2は、気体部2aを内包する球体粒子を加熱前にシリコーン樹脂と混合させたものであり、コイル1の外周部に厚さd1で、その内部に多数の略円形の気体部2aがほぼ均一に形成されている。
ここでは、球体粒子を加熱前にシリコーン樹脂と混合させているが、これは加熱前の方が粒子が固いため、混合により粒子が潰れたり破れたりするのを防ぐためである。もちろん、球体粒子を加熱後に混合しても体積変化を吸収できる応力緩衝被膜を得ることができる。
この状態で、コイル1に通電すると、図2(c)に示したように、ジュール熱によってコイル1は熱膨張し、外側方向、すなわち図中の矢印方向に変位(体積変化)する。その変位(体積変化)分を、絶縁皮膜2の内部に形成された気体部2aが吸収し、潰れた気体部2bに変わり、絶縁皮膜2も厚さd2となることで、磁芯3への応力が緩和される。絶縁皮膜2がどれだけ低いヤング率であったとしても、体積変化に対する吸収性がなければ、コイル1が熱膨張した際の応力を充分吸収することができないため、油や水などの液体や固体に比べて体積変化率が非常に大きい気体を内包することで応力緩衝効果をより高めることができ、結果として磁芯3の亀裂や破損を防止することができる。
気体部を内包する絶縁皮膜2は、発泡剤となる気泡を含有する樹脂の球状粒子を、液状の有機結合剤と混合して固化して作成すると、気体部の形状および粒径が安定した絶縁皮膜が得られるため望ましい。液状の有機結合剤に空気を送り込んで泡立てたり、液状の有機結合剤に5−フェニルテトラゾール、重炭酸ナトリウムなどの発泡剤を混合して固化してもよい。また、化学処理等により後から多孔質としてもよい。
また、有機結合剤としては、シリコンゴム、ウレタン、エポキシ樹脂などのヤング率0.1〜20GPa程度の柔軟性を有し、コイルのジュール熱や使用環境温度に対して充分な耐熱性のある材料を使用するのが望ましい。
また、気泡を内包する樹脂の球状粒子の平均粒径は1μm以上、100μm以下であることが望ましい。平均粒径が10μmより小さいと気泡が潰れにくくなり、平均粒径が100μmより大きいと粒子の形状が安定しなくなったり、球状粒子が破れやすくなる。
磁芯3は、磁性粉末と有機結合剤とを適宜配合比を調整して混錬した複合磁性体であり、磁性粉末は、材質が高透磁率の磁性材料であればどんなものでもよく、Mn−Zn系やNi−Zn系のフェライト粉末、アモルファスやパーマロイなどの金属系、鉄系や鉄合金系の粉末等でもよく、要求特性に応じて適宜選定するのが好ましい。
また、有機結合剤は、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂の何れでもよく、要求特性に応じて適宜選定するのが好ましい。
コイル1は、銅、アルミニウム、ステンレス、真鍮などの金属材料やそれらの合金からなる導電体に、天然樹脂または合成樹脂塗料を焼き付けたエナメル皮膜導線や、絶縁性を高めたPVC被覆電線などの何れ導線を用いてもよい。また、コイル1の断面形状は、一般的な丸線に限らず、平角線でもよいが、大電流対応では電気抵抗を小さくできる平角線が望ましい。更に、コイルの巻数も、要求特性に応じ適宜設計・調整するのが好ましい。
以下、実施例を用いて詳述する。実施例では、図1に示したコイル1、絶縁皮膜2の材質、磁芯3は共通とし、絶縁皮膜2の厚さと、気泡の体積含有率をそれぞれ変化させた場合のコイル部品を作製した。
コイル1として、ポリアミドイミド樹脂を主体とした絶縁ワニスを焼付けた、厚さ1mm、幅10mmの平角銅線を用い、螺旋状に30ターン巻回し直径40mm、高さ35mmの円柱状のコイルを作成した。
絶縁皮膜2として、その内部に気体を形成させるための発砲剤は、球状粒子からなる樹脂粉末(積水化学工業株式会社製:ADVANCELL)を用いた。この球体粒子は、その平均粒径は20〜40μmで、粒子の内部に気体を有しており、115℃から170℃の温度にすることで、粒子内部の気体の圧力が上昇し、30〜80倍に膨張する発泡粒子である。また、絶縁皮膜2に含有する有機結合剤として、シリコーン樹脂を用いた。
磁芯3として、材質がFe−Si系粉末で、平均粒径が150μmの磁性粉末を用い、エポキシ系の有機結合剤を重量比10%で混合したものを準備した。
(実施例1)
常温にて、上記のシリコーン樹脂に、上記の球体粒子からなる発泡剤を、加熱膨張後の絶縁皮膜全体に対する体積含有率が0.5%となるように混合し、十分混練し液状の絶縁皮膜の原液を用意した。
その後、同じく常温にて、コイル1を上記の液状の絶縁皮膜の原液に浸漬し、引き上げた状態で160℃で加熱硬化(仮乾燥)される工程を3回繰り返し、コイルの外周部に約0.5mmの厚さで絶縁皮膜2を形成した。
その後、上記の磁芯3に絶縁皮膜が形成されたコイル1を浸漬し、そのまま加熱硬化して、図1に示した本発明のコイル部品4を作製した。
(実施例2)
実施例2として、実施例1と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを1.0%となるような絶縁皮膜の原液を用いた、本発明のコイル部品4を作製した。
(実施例3)
実施例3として、実施例1と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを5.0%となるような絶縁皮膜の原液を用いた、本発明のコイル部品4を作製した。
(実施例4)
実施例4として、実施例1と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを10%となるような絶縁皮膜の原液を用いた、本発明のコイル部品4を作製した。
(実施例5)
実施例5として、実施例1と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを20%となるような絶縁皮膜の原液を用いた、本発明のコイル部品4を作製した。
(実施例6)
実施例6として、実施例1と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを30%となるような絶縁皮膜の原液を用いた、本発明のコイル部品4を作製した。
(実施例7)
実施例7として、実施例1と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを60%となるような絶縁皮膜の原液を用いた、本発明のコイル部品4を作製した。
(実施例8)
常温にて、上記のシリコーン樹脂に、上記の球体粒子からなる発泡剤を、加熱膨張後の絶縁皮膜全体に対する体積含有率が0.5%となるように混合し、十分混練し液状の絶縁皮膜の原液を用意した。
その後、同じく常温にて、コイル1を上記の液状の絶縁皮膜の原液に浸漬し、引き上げた状態で160℃で加熱硬化(仮乾燥)される工程を6回繰り返し、コイルの外周部に約1.0mmの厚さで絶縁皮膜2を形成した。
その後、上記の磁芯3に絶縁皮膜が形成されたコイル1を浸漬し、そのまま加熱硬化して、図1に示した本発明のコイル部品4を作製した。
(実施例9)
実施例9として、実施例8と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを1.0%となるような絶縁皮膜の原液を用いた、本発明のコイル部品4を作製した。
(実施例10)
実施例10として、実施例8と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを5.0%となるような絶縁皮膜の原液を用いた、本発明のコイル部品4を作製した。
(実施例11)
実施例11として、実施例8と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを10%となるような絶縁皮膜の原液を用いた、本発明のコイル部品4を作製した。
(実施例12)
実施例12として、実施例8と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを20%となるような絶縁皮膜の原液を用いた、本発明のコイル部品4を作製した。
(実施例13)
実施例13として、実施例8と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを30%となるような絶縁皮膜の原液を用いた、本発明のコイル部品4を作製した。
(実施例14)
実施例14として、実施例8と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを60%となるような絶縁皮膜の原液を用いた、本発明のコイル部品4を作製した。
(比較例1)
比較例1として、実施例1と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを0.1%となるような絶縁皮膜の原液を用いたコイル部品4を作製した。
(比較例2)
比較例2として、実施例1と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを70%となるような絶縁皮膜の原液を用いたコイル部品4を作製した。
(比較例3)
比較例3として、実施例8と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを0.1%となるような絶縁皮膜の原液を用いたコイル部品4を作製した。
(比較例4)
比較例4として、実施例8と同一材料、同一製法で、気泡の体積含有率のみを70%となるような絶縁皮膜の原液を用いたコイル部品4を作製した。
(比較例5)
比較例5として、実施例1において、発砲剤としての球状粒子からなる樹脂粉末を含有しないシリコーン樹脂のみの絶縁皮膜をコイルに形成した場合のコイル部品を作製した。
(比較例6)
比較例6として、実施例8において、発砲剤としての球状粒子からなる樹脂粉末を含有しないシリコーン樹脂のみの絶縁皮膜をコイルに形成した場合のコイル部品を作製した。
上記の要領により作製した、実施例1〜実施例14、および比較例1〜比較例6の各コイル部品について、信頼性試験を行った。試験条件は、実使用時の通電電流より厳しい約数倍程度の200Aをコイルに通電し、温度上昇が飽和した時のコイルの温度上昇を測定し、その後、コイル部品を切断して磁芯亀裂の有無を観察した。サンプル数は各n=10とした。その比較結果を表1に示す。
Figure 0005240856
測定、観察の結果、実施例1と実施例8において、磁芯亀裂がそれぞれ2個確認されているが温度上昇も含めた総合的には良好と判断できる。また、それ以外の実施例では、磁芯亀裂は無く、温度上昇もほぼ良好であることがわかった。一方、比較例1、比較例3、比較例5、比較例6では、共に温度上昇は低く良好であるが、磁芯亀裂が比較例1、比較例3では比較的多い3〜4個、比較例5、比較例6では非常に多い6〜7個確認された。また、比較例2と比較例4は、磁芯亀裂は無いが温度上昇が10℃以上も高くなることがわかった。
温度上昇が大きくなったのは、コイルの隙間や周辺に気泡が多数存在することで、熱伝導性が低下し、熱がこもることによるものと推測できる。
従って、本発明のコイル部品により、磁芯の亀裂と温度上昇を共に低減し、信頼性と安全性を向上させることができる。
以上、実施例を用いて、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
本発明のコイル部品により、特にハイブリッド車、電気自動車などの大電流対応、高熱環境下で使用される駆動装置に搭載するリアクトル等の高信頼性、安全性を確保することができ、今後益々発展が期待される省エネルギー、環境技術市場の技術構築にも寄与できる。
1、31 コイル
1a、1b 先端部
2 絶縁皮膜
2a、2b 気体部
3、33 磁芯
4、30 コイル部品
32、34 絶縁物
A、B 磁性体粉末
A1、B1 非磁性体粉末
d1、d2 厚さ

Claims (6)

  1. 導電体を螺旋状に巻回したコイルと、前記コイルの端子部を除く一部または全部を包囲するように覆う絶縁皮膜と、前記絶縁皮膜を覆うように、磁性粉末と有機結合剤とを混合した複合磁性体を配したコイル部品であって、前記絶縁皮膜は内部に気体部を備え、前記気体部の、前記絶縁皮膜に対して占める体積含有率が0.5%〜30%(30%を含まず)であることを特徴とするコイル部品。
  2. 前記絶縁皮膜は、内部に気体部を有する樹脂と他の同一または異なる樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記気体部は、変形および伸縮が可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル部品。
  4. 前記気体部は、気泡であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のコイル部品。
  5. 請求項1からのいずれかに記載のコイル部品を用いた電力変換システム。
  6. 請求項記載の電力変換システムにより駆動する電動機。
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