JP2011259593A - インシュレータおよびその形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータコアのエッジ部での絶縁膜の厚肉化を可能とするとともに、製造時間の短縮化を図ることができるインシュレータおよびその形成方法を提供する。
【解決手段】磁性流体2をモータコア1の上面側から滴下して、磁性流体2の塗布を行う(塗布工程)。塗布工程では、図1に示すように、モータコア1の下面側に配置した磁場発生器101により磁場を発生させ、モータコア1に磁場印加を行う。磁場印加では、モータコア1の上面側のエッジ部1Aに磁場が集中するように設定することにより、モータコア1の上面側のエッジ部1Aに磁性流体を集中させ、磁性流体2の絶縁膜対応形状を形成する。続いて、たとえば絶縁膜対応形状を維持した状態で磁性流体2に交流磁場を印加することにより、磁性流体2に交流磁場による発熱を生じさせる。これにより、磁性流体2中の熱硬化性樹脂を硬化させる(硬化工程)。
【選択図】図2
【解決手段】磁性流体2をモータコア1の上面側から滴下して、磁性流体2の塗布を行う(塗布工程)。塗布工程では、図1に示すように、モータコア1の下面側に配置した磁場発生器101により磁場を発生させ、モータコア1に磁場印加を行う。磁場印加では、モータコア1の上面側のエッジ部1Aに磁場が集中するように設定することにより、モータコア1の上面側のエッジ部1Aに磁性流体を集中させ、磁性流体2の絶縁膜対応形状を形成する。続いて、たとえば絶縁膜対応形状を維持した状態で磁性流体2に交流磁場を印加することにより、磁性流体2に交流磁場による発熱を生じさせる。これにより、磁性流体2中の熱硬化性樹脂を硬化させる(硬化工程)。
【選択図】図2
Description
本発明は、モータコアの周囲に形成される絶縁性のインシュレータおよびその形成方法に係り、特に、モータコアのエッジ部への絶縁膜の形成技術に関する。
電動機では、通常、ステータコアとコイルの間の絶縁を確保するために、絶縁紙や、絶縁フィルム、インシュレータとして絶縁部材をそれらの間に挿入して取り付けている。しかしながら、この場合、絶縁部材の作製工程および取付工程が別途必要となる。
そこで、工程数を低減するために、粉体絶縁塗装等をステータコアに行うことにより、インシュレータとして絶縁膜をステータコアに直接形成する手法が提案されている(たとえば特許文献1)。この手法では、上記従来技術と比較して、取付工程が不要となる。
また、ステータコアの電磁鋼板同士を熱硬化性樹脂により接着固化する手法として、ステータコアへの交流磁場の印加により渦電流を発生させ、そのときの発熱を利用することが提案されており(たとえば特許文献2)、熱硬化性樹脂をステータコアに塗布する場合、特許文献2の技術を利用することが考えられる。この手法では、熱風乾燥炉を用いる場合と比較して、高速に所定温度まで加熱することが可能となる。
しかしながら、特許文献1の手法では、取付工程が不要となるものの、ステータコアのエッジ部では絶縁膜が薄肉となる。具体的には、図3に示すように、ステータコア11の周囲での塗料12の溶融時、エッジ部11Aでの塗料12が各平面部の中央部側(図の矢印方向)に移動する結果、エッジ部11Aでの絶縁膜12が薄肉となる。エッジ部は力のかかる部分であるから、絶縁膜が薄肉であるエッジ部では、ステータコアへのコイルの巻付時の絶縁信頼性の確保が困難である。
また、特許文献2の手法では、高速加熱が可能ではあるものの、熱風乾燥炉を用いる場合と同様、ステータコア全体を同一温度まで加熱するため、その後の冷却工程に要する時間が長く、その結果、製造時間が長くなる。
したがって、本発明は、モータコアのエッジ部での絶縁膜の厚肉化を可能とするとともに、製造時間の短縮化を図ることができるインシュレータおよびその形成方法を提供することを目的とする。
本発明のインシュレータの形成方法は、モータコアの周囲に、熱硬化性樹脂を含有する磁性流体、および、熱硬化性樹脂を含有する磁性粉体の少なくとも一方を塗布し、モータコアに磁場を印加するとともに、熱硬化性樹脂を硬化させることにより、モータコアの周囲に絶縁膜を形成することを特徴とする。
本発明のインシュレータの形成方法では、熱硬化性樹脂を含有する磁性流体および磁性粉体の少なくとも一方(以下、磁性材料)をモータコアの周囲に塗布し、モータコアに磁場を印加する。磁場印加では、モータコアのエッジ部に磁場が集中するように設定することにより、磁性材料をモータコアのエッジ部に集中させることができる。このような形状形成用磁場の印加により磁性材料の絶縁膜対応形状を維持した状態で、加熱手段を用いて磁性材料中の熱硬化性樹脂を硬化させることができるから、エッジ部での膜厚が厚い絶縁膜を形成することができる。このように絶縁部材の作製工程および取付工程が不要となり、製造時間の短縮化を図ることができるのはもちろんのこと、モータコアのエッジ部での絶縁膜の厚肉化を図ることができる。
また、通常は磁気的な抵抗となる絶縁膜に磁性体が含有されているから、磁気特性の向上を図ることができる。加えて、絶縁膜は、熱硬化性樹脂からなる樹脂部および磁性微粒子からなる磁性体部を有するが、磁性体部は、熱硬化性樹脂からなる樹脂部よりも誘電率が高いから、磁性体部に部分放電が集中し、その結果、耐部分放電性の向上を図ることができる。また、これにより、絶縁膜が薄肉でもモータコアの使用が可能であるから、絶縁膜の薄肉化により占積率の向上を図ることができる。
本発明のインシュレータの形成方法は、種々の構成を用いることができる。たとえば熱硬化性樹脂の硬化では、磁性材料を交流磁場で発熱させる態様を用いることができる。この態様では、交流磁場を磁性材料に印加すると、磁性材料中の交流磁場下の磁性微粒子特有の発熱機構であるネール緩和およびブラウン緩和が生じて磁性微粒子が発熱するから、磁性材料を加熱することができる。これにより、磁性材料中の熱硬化性樹脂を加熱硬化させることができる。また、このような加熱は磁性材料のみになされるから、硬化工程後に行う冷却工程の短縮化を図ることができ、その結果、製造時間の短縮化をさらに図ることができる。
この場合、交流磁場は、上記形状形成用磁場と同時に印加することができ、交流磁場の磁場強度を小さく設定することができるから、磁性材料の絶縁膜対応形状は、その交流磁場の影響を受けることなく維持することができ、その状態で交流磁場による発熱での加熱が可能となる。また、磁性材料への交流磁場の印加は、モータコアにもなされ、この場合、モータコアに渦電流を生じさせることができるから、その渦電流によりモータコアが発熱し、その結果、磁性材料をさらに加熱することができる。したがって、磁性材料の昇温時間の短縮化を図ることができる。また、渦電流によるモータコアの発熱はその表層にのみに限定することができるから、この場合でも冷却工程の短縮化を図ることができる。
さらに、硬化後の絶縁膜中の磁性微粒子は電動機の使用時に交流磁場下にさらされるが、電動機の使用時の交流磁場の周波数は、たとえば100Hz以下に設定することができるから、磁性微粒子の発熱を防止することができ、使用時の磁性微粒子に発熱のおそれはない。また、熱硬化性樹脂を硬化では、モータコアの外部から加熱してもよい。また、磁性材料中にフィラーを添加することができる。この態様では、耐部分放電性の向上をさらに図ることができる。
本発明のインシュレータは、本発明のインシュレータの形成方法により形成されるインシュレータである。すなわち、本発明のインシュレータは、モータコアの周囲に、熱硬化性樹脂を含有する磁性流体、および、熱硬化性樹脂を含有する磁性粉体の少なくとも一方から形成された絶縁膜を備え、絶縁膜では、モータコアのエッジ部での膜厚が他の部位での膜厚よりも厚いことを特徴とする。
本発明のインシュレータは、本発明のインシュレータの形成方法と同様な効果を得ることができる。
本発明のインシュレータあるいはその形成方法によれば、モータコアのエッジ部での絶縁膜の厚肉化が可能となるとともに、製造時間の短縮化を図ることとができる等の効果を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るインシュレータの形成方法を説明するための図であって、モータコア1に磁場を印加している状態を表す側面図である。モータコア1は、たとえば積層された電磁鋼板を備え、電磁鋼板間には絶縁膜が形成されている積層コアである。本実施形態のインシュレータの形成方法では、次のような塗布工程と硬化工程を行う。
まず、モータコア1に磁性流体を塗布する(塗布工程)。具体的には、熱硬化性樹脂を含有する磁性流体をモータコア1の上面側から滴下する。
磁性流体は、たとえばマトリックス樹脂である液体状の熱硬化性樹脂に磁性微粒子を混合させたものである。磁性微粒子の材質としては、たとえば常温で磁性を有する金属(Fe、Co、Ni、Gd、および、それらの合金)や、金属酸化物(各種フェライト等)、金属窒化物(FexN、Fe16N2等)、金属間化合物(Sm−Co、Sm−Fe−N、Nd−Fe−B等)が挙げられる。金属酸化物としては、微粒子化が容易で、かつ交流磁場下での発熱率が高いマグネタイトやマグヘマタイトが好適である。磁性微粒子の粒径は、1nm〜500μmの範囲内に設定されていることが好適であり、より好適な範囲は、1nm〜5μmである。磁性微粒子の粒径を1nm以上に設定すると、交流磁場下での磁性微粒子の発熱効率が良好となる。5μm以下に設定すると磁性流体としての機能が得られやすくなり、超常磁性体として振舞い、交流磁場下での発熱効率が良好となる。
熱硬化性樹脂は、たとえばポリアミド樹脂や、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂(PET)、シリコーン樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂(PEO)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスチレン樹脂(PS)等の重合成樹脂が挙げられる。その他には、ポリオレフィン系樹脂(PE、PP、EVA)、ビニル樹脂系(PVC、PMMA)、液晶樹脂、生分解樹脂(ポリ乳酸)、プルラン、アセチル化プルラン等を用いることも可能である。エポキシ樹脂を用いた場合、耐熱性向上および製造コスト低減を図ることができるのはもちろんのこと、含浸時の粘度が低く、含浸を良好に行うことができるから、エポキシ樹脂は好適である。
磁性流体は、必要に応じて、各磁性粒子や熱硬化性樹脂に適した分散剤や界面活性剤等を含有してもよい。また、磁性流体にはフィラーを添加してもよい。フィラーとして、誘電率の高いナノフィラーを添加した場合、部分放電をナノフィラーに集中させることができるから、耐部分放電性の向上を図ることができる。ナノフィラーとしては、クレイや、層状シリケート、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、バリウムフェライト、酸化マグネシウム、フラーレン、化学修飾フラーレン等が挙げられる。層状シリケートは、特に耐部分放電性が高いから、好適である。
磁性流体は、上記材料のなかから適宜選択して作製する。磁性流体の作製手法としては、層間挿入法や、ゾルゲル法、モレキュラーコンポジット形成法、ナノ粒子直接分散法、共沈法、粉砕法等が挙げられる。
ここで本実施形態では、上記磁性流体をモータコア1の上面側から滴下するとき、図1に示すように、モータコア1の下面側に配置した磁場発生器101により磁場を発生させ、モータコア1に磁場印加を行う。磁場発生器101による磁場印加では、モータコア1の上面側のエッジ部1Aに磁場が集中するように設定することにより、モータコア1の上面側のエッジ部1Aに磁性流体を集中させることができる。
磁場発生器101は、たとえば磁石あるいはコイルである。磁場の発生強度は、0.1T〜5.5Tの範囲内に設定することが好適である。磁場の発生強度が0.1T未満の場合、磁性流体の絶縁膜対応形状を十分に維持することができない虞がある。磁場の発生強度が5.5T超の場合、5.5Tは、市販されている一般的な超伝導コイルの発生磁場の限界値であるため、5.5T超に設定するとき、高価な磁場発生源が必要となる。磁場の発生強度のより好適な範囲は1.0T〜2.1Tである。この範囲の磁場は、比較的安価な磁場発生器(たとえば一般的な電磁石)で発生させることができる。磁場の発生強度を1.6T以下に設定する場合、Nd−Fe−B系磁石を用いることができるから、磁場発生器の小型化を図ることができる。また、磁場の発生強度1.6T〜2.1Tの範囲内である場合、一般的な電磁石を用いて磁場を発生することができる。
このような磁場発生器101による磁場の印加により、図2に示すように、モータコア1の上面側のエッジ部1Aにおいて厚肉である磁性流体2の絶縁膜対応形状を形成することができる。
続いて、絶縁膜対応形状の磁性流体2に交流磁場を印加することにより、磁性流体2に交流磁場による発熱を生じさせる。これにより、磁性流体2中の熱硬化性樹脂を硬化させる(硬化工程)。交流磁場の方向は、たとえば形状形成磁場と同方向あるいは直行方向に設定する。磁性流体2の発熱は、交流磁場下でのネール緩和およびブラウン緩和により生じる。
ネール緩和およびブラウン緩和は、交流磁場の周波数が十分に高く、磁性微粒子が超常磁性として振舞うときに生じる。具体的には、ネール緩和は、外部磁界によって粒子内部の磁気モーメントが緩和する時に生じる。ネール緩和では、交流磁場の周期が十分短い場合、磁気モーメントが交流磁場に追従できなくなり、その蓄積されたエネルギーが熱として放出される。ブラウン緩和は、磁性微粒子全体が外部磁界により回転させられる場合に生じる。ブラウン緩和では、ネール緩和と同様、磁性微粒子の回転が追従できなくなった時に余剰エネルギーが熱として放出される。
交流磁場の強度は、たとえば5mT未満であって小さく、磁性流体2の絶縁膜対応形状は交流磁場により影響を受けないから、磁性流体2の絶縁膜対応形状を維持した状態で交流磁場による加熱を行うことができる。また、磁性流体2への交流磁場の印加は、モータコア1にもなされ、この場合、モータコア1に渦電流が生じ、その渦電流によりモータコア1が発熱するから、磁性流体2をさらに加熱することが可能である。この場合、ネール緩和およびブラウン緩和による磁性流体2の自己発熱およびモータコア1への通電によるジュール熱により、熱硬化性樹脂の硬化が効率的に行われる。
このようにしてモータコア1の周囲の上半分に絶縁膜2を形成することができる。続いて、モータコア1の周囲の下半分に絶縁膜2を形成するために、モータコア1の上下を逆にして、上記と同様な塗布工程および硬化工程を行う。これにより、モータコア1の周囲全体に絶縁膜2をインシュレータとして形成することができる。このように形成される絶縁膜2では、モータコア1のエッジ部1Aでの膜厚が、モータコア1の他の部位での膜厚よりも厚い。
以上のように本実施形態では、モータコア1への磁場印加をエッジ部1Aに磁場が集中するように行うことにより、磁性流体2をエッジ部1Aに集中させることができる。このような形状形成用磁場の印加により形成される磁性流体2の絶縁膜対応形状を維持した状態で、磁性流体2中の熱硬化性樹脂を硬化させることができるから、モータコア1のエッジ部1Aでの膜厚が厚い絶縁膜2を形成することができる。このように本実施形態では、絶縁部材の作製工程および取付工程が不要となり、製造時間の短縮化を図ることができるのはもちろんのこと、モータコア1のエッジ部1Aでの絶縁膜2の厚肉化を図ることができる。
また、通常は磁気的な抵抗となる絶縁膜2に磁性体が含有されているから、磁気特性の向上を図ることができる。加えて、絶縁膜2の磁性体部は樹脂部よりも誘電率が高いから、磁性体部に部分放電が集中することにより、耐部分放電性の向上を図ることができる。また、これにより、絶縁膜2が薄肉でもモータコア1の使用が可能であるから、絶縁膜2の薄肉化により占積率の向上を図ることができる。
特に、磁性流体2を交流磁場で発熱させることにより、磁性流体2を加熱硬化させることができる。また、このような加熱は磁性流体2のみになされるから、硬化工程後に行う冷却工程の短縮化を図ることができ、その結果、製造時間の短縮化をさらに図ることができる。また、交流磁場の印加によりモータコア1に渦電流を発生させることができ、その渦電流によりモータコア1が発熱するから、磁性流体2をさらに加熱することができる。したがって、磁性材料の昇温時間の短縮化を図ることができる。また、渦電流によるモータコア1の発熱はその表層にのみに限定することができるから、この場合でも、冷却工程の短縮化を図ることができる。また、磁性流体2にフィラーが含有されている場合、耐部分放電性の向上をさらに図ることができる。
上記実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず種々の変形が可能である。たとえば上記実施形態では、磁性材料として磁性流体を用いたが、磁性粉体を用いてもよい。磁性粉体は、たとえば磁性微粒子を含有する固定化材料を粉体化させ、それに熱硬化性樹脂を含有させた磁性粉体である。磁性粉体を用いた場合、磁場印加による磁性粉体の絶縁膜対応形状(絶縁膜の上半分に対応する形状)の形成、および、磁性粉体の硬化は、磁性流体を用いた上記実施形態の手法と同様に行うことができる。この場合、交流磁場を印加すると、まず、モータコアの発熱およびネール緩和による発熱により磁性粉体が溶融し、次いで、ブラウン緩和による発熱が加わることにより、磁性粉体の溶融および硬化が促進する。また、磁性流体と磁性粉体を組み合わせて用いてもよい。さらに、形状形成用磁場により磁性流体2の絶縁膜対応形状を維持した状態で、熱風乾燥炉を用いて磁性流体2を加熱して硬化することも可能である。
以下、具体的な実施例を参照して本発明の実施形態をさらに詳細に説明する。実施例では、本発明のインシュレータ形成方法により本発明の試料を作製し、流動浸漬法を用いて粉体絶縁材料を塗布する従来技術のインシュレータ形成方法により比較試料を作製し、インシュレータである絶縁膜によるモータコアのエッジカバー率を測定し、試料および比較試料の評価を行った。なお、エッジカバー率は、モータコアのエッジ部での絶縁膜の膜厚とモータコアの平面部での絶縁膜の膜厚との比(エッジ部での膜厚/平面部での膜厚)と定義した。
本発明の試料の作製では、市販のワニス(エポキシ系樹脂)に、分散剤とともにマグヘマタイト(約30nm程度)を約30wt.%加えて均一に分散させた重合性磁性流体を磁性流体として用い、モータコアとして50mmの厚さを有するステータコアを用いた。磁場発生器として、磁場発生強度が1.2TであるNd−Fe−B磁石を用い、図1に示す配置形態を採用した。Nd−Fe−B磁石を用いて、ステータコアのエッジ部に磁場が集中するように磁場印加を印加した状態で、ステータコアの上面に磁性流体を滴下し、絶縁膜対応形状を形成した。次いで、そのような形状形成用磁場とは直行方向の交流磁場(600Hz、4.0kA/m)を印加し、磁性流体の硬化を行い、インシュレータとして絶縁膜を形成した。
比較試料の作製では、試料の作製で用いたものと同様のステータコアを用い、ステータコアの予備加熱を約100℃まで行い、流動浸漬法によりステータコアに粉体絶縁材料の塗布を行った。次いで、熱風乾燥炉を用い、加熱温度を150℃、加熱時間を30分間に設定して粉体絶縁材料の硬化を行い、インシュレータとして絶縁膜を形成した。
以上のように作製した本発明の試料および比較試料のエッジカバー率を測定した結果、本発明の試料のエッジカバー率は1.12、比較試料のエッジカバー率は0.38であった。このように本発明の試料のエッジカバー率は、比較試料のエッジカバー率の3倍程度の大きさで、極めて大きくなることを確認した。また、本発明の試料では、磁性流体の硬化後も、硬化により形成された絶縁膜では、ステータコアのエッジ部での絶縁膜対応形状が維持されていることを確認した。
1…モータコア、1A…エッジ部、2…磁性流体、絶縁膜、101…磁場発生器
Claims (5)
- 前記モータコアの周囲に、熱硬化性樹脂を含有する磁性流体、および、熱硬化性樹脂を含有する磁性粉体の少なくとも一方を塗布し、
前記モータコアに磁場を印加するとともに、前記熱硬化性樹脂を硬化させることにより、前記モータコアの周囲に絶縁膜を形成することを特徴とするインシュレータの形成方法。 - 前記熱硬化性樹脂の硬化では、前記磁性流体および前記磁性粉体の少なくとも一方を交流磁場で発熱させることを特徴とする請求項1に記載のインシュレータの形成方法。
- 前記熱硬化性樹脂を硬化では、前記モータコアの外部から加熱することを特徴とする請求項1または2に記載のインシュレータの形成方法。
- 前記磁性流体および磁性粉体の少なくとも一方の中にフィラーを添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインシュレータの形成方法。
- モータコアの周囲に、熱硬化性樹脂を含有する磁性流体、および、熱硬化性樹脂を含有する磁性粉体の少なくとも一方から形成された絶縁膜を備え、
前記絶縁膜では、前記モータコアのエッジ部での膜厚が他の部位での膜厚よりも厚いことを特徴とするインシュレータ。
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