JP5240246B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、電気自動車やハイブリッド車等に搭載されるリアクトルに関するものである。
電力変換回路のリアクトルは、一般に平面視が略横長環状のリアクトルコアの周囲にたとえば2つのコイルが形成されてハウジング(ケース)内に収容された形態や、ハウジングレスの形態などがあり、より具体的には、リアクトルコアの全周にボビン兼用の絶縁樹脂体が一体に成形された形態や、リアクトルコアの周囲の一部にボビンが配設された形態などがある。このリアクトルコアは、複数の電磁鋼板の積層体や圧粉磁心からなる分割コアから構成されており、各分割コア間には非磁性のギャップ板やスペーサが介装されており、ギャップ板等とコアは接着剤にて接着固定されてリアクトルコアが形成されている。
上記するリアクトルコアの下面(底面)には放熱板(ヒートシンク)や、冷水や冷空などの冷媒を還流させる冷却器などが設けられている。リアクトル駆動時にコイルに生じた熱は、このコイルが接着領域を介してヒートシンク等に放熱されたり、コイルからリアクトルコアに伝熱された熱が接着領域を介してヒートシンク等に放熱されることによってコイルやリアクトルコアの昇温を所定温度以下に調整できるようになっている。
たとえば、特許文献1では、コイルを具備するリアクトルコアと冷却器が、放熱性の高い接着剤を介して接合されてなるリアクトルが開示されている。なお、リアクトルコアやこれに形成されたコイルとハウジングの底版が接着剤にて接着され、このハウジングの底版の下方にヒートシンクや冷却器が配されたリアクトル形態も存在する。
ところで、リアクトルコアやコイルと、ハウジングやヒートシンク等の冷却器を接着する接着剤には加熱硬化型のものや常温で空気中の水分を吸収して硬化する湿気硬化型のものが存在する。
加熱硬化型の接着剤を使用する場合には、電子部品が加熱硬化時の高温雰囲気に曝された際に受ける熱負荷によって性能低下するリスクを伴っている。また、リアクトルコアの規模によっては大型の加熱炉を必要とする場合があり、この場合には設備コスト増となってしまう。
そこで、湿気硬化型の接着剤を使用することで加熱硬化型の接着剤を使用する場合の上記課題を解消することができる。しかし、接着剤塗布領域の表面から深部へその硬化が進行するに際し、この深部での硬化性が非常に悪く、接着剤塗布領域が完全に硬化するまでの時間、すなわち工程滞留時間の長時間化が大きな問題となっている。
そして、上記する工程滞留時間の長時間化の問題は、近年の電子部品の発熱密度増加に対して高い放熱性が接着剤に要求されることから、添加される充填フィラー量が往々にして増加してしまい、充填フィラーにて湿気の通気道が狭められることでより顕著なものとなっている。
また、接着剤の粘度に関して言えば、接着剤の粘度が低すぎると、接着剤を塗布した後に形状を保持できずに垂れて広がってしまい、発熱源であるリアクトルコアやコイルと十分に接着できないために放熱性が阻害されることになってしまう。
特開2009−231495号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、リアクトルコアもしくはこれに具備されたコイルがハウジングの底版もしくは冷却器に湿気硬化型の接着剤にて接着されてなるリアクトルに関し、接着剤の硬化が促進され、従来構造に比して工程滞留時間を大幅に短縮することのできる構造のリアクトルを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるリアクトルは、コイルを具備する略環状のリアクトルコアのうち、コイルもしくはリアクトルコアの少なくとも一方が接着領域を介してハウジングもしくは冷却器に固定されてなるリアクトルであって、前記接着領域が湿気硬化型の接着剤からなる非連続で複数の接着箇所から形成されていることを特徴とするものである。
本発明のリアクトルは、リアクトルコアを収容するハウジングを有する形態、ハウジングの無いハウジングレスの形態のいずれであってもよく、ハウジングを有する形態では、このハウジングが底版を有する形態、底版を具備しない形態のいずれであってもよい。また、「冷却器」とは、放熱板(ヒートシンク)や、冷水や冷空などの冷媒を還流させる冷媒還流器もしくは冷却フィン、さらにはそれらのユニット体などを含むものである。
また、接着剤にて接着される被接着部材は、リアクトルコアの周りに形成されるコイルとハウジングもしくは冷却器が接着される形態、リアクトルコアの一部およびコイルとハウジングもしくは冷却器が接着される形態など、被接着部材のバリエーションはリアクトルの構成形態に応じて多様に存在する。
リアクトルコアは、たとえば、磁性を有する2つのU型コア、またはこれに加えてさらにI型コアがギャップ板やスペーサ等を介して接着剤にて接合されたものである。また、リアクトルの全周に絶縁樹脂体が一体に形成され、この一部がコイルボビンを兼用する形態などであってもよい。
本発明のリアクトルは、リアクトルコアの周囲に配設されたコイルおよび/またはリアクトルコアの一部がハウジングの底版、もしくは冷却器と湿気硬化型の接着剤(もしくは常温硬化型の接着剤)からなる接着領域を介して接続される構造を呈しており、この接着領域が非連続で複数の接着箇所からなることをその特徴構成としたものである。
「湿気硬化型の接着剤」は、空気中の湿気で硬化する接着剤であり、「加熱硬化型の接着剤」のように硬化の際に加熱処理を必要としないものである。ただし、その硬化速度は素材や温湿度によって相違し、その範囲は10〜60℃程度と比較的広範囲に及ぶことから、多少の加熱を要するものも存在する。しかし、加熱硬化型の接着剤のように、80〜200℃程度の高温に加熱処理することを必須とするものでないことから、加熱処理に要する設備を不要とできる。
湿気硬化型の接着剤を使用することで既述する工程滞留時間の長時間化の問題が懸念されるが、本発明のリアクトルでは、接着領域を非連続で複数の接着箇所から構成することにより、従来構造のように扁平で広い面積を有する1つの接着領域に比して、接着領域が外気に曝される表面積(比表面積)を大きくすることができ、同時に、各接着箇所における表面からその中心までの距離を短くすることができる。これにより、接着剤の硬化、もしくは接着剤の強度発現を促進することが可能となり、工程滞留時間の長時間化の問題を効果的に解消することができる。
ここで、非連続で複数の接着箇所の形成方法は、たとえば所望する平面形状およびピッチの複数の開口を具備するマスクを利用して、ハウジングの底版上でスポット状に複数の接着剤を塗布し、次いでリアクトルコアを接着剤に密着させ、接着剤が硬化することによって形成することができる。
また、この接着箇所の平面形状は、円形、楕円形、正方形や長方形等の多角形など、その形態は多様に存在する。
さらに、湿気硬化型の接着剤の素材は特に限定されるものではないが、シリコーンやアクリル系の湿気硬化型接着剤を適用できる。さらに、硬化した接着剤はリアクトルコアから冷却器等への放熱経路となることから、その放熱性を高めるために、シリカやアルミナ、窒化アルミや窒化ホウ素などからなる放熱フィラーを含有した湿気硬化型接着剤を適用してもよい。
また、本発明によるリアクトルの他の実施の形態は、前記接着領域が湿気硬化型の接着剤からなる連続する帯状もしくは非連続で複数の帯状の接着箇所から形成されていることを特徴とするものである。
「接着領域が連続する帯状の接着箇所」とは、一本の帯状の接着箇所が蛇行する形態、渦巻き状に連続する形態などを示称する。
また、「非連続で複数の帯状の接着箇所」とは、直線で帯状の複数の接着箇所が隙間を置いて併設された形態や、径の異なる複数の円形で帯状の接着箇所が隙間を置いて配設された形態などを示称する。
帯状の接着箇所の形成方法は、塗布ノズルを連続的に移動させながら接着箇所をハウジング底版上等に形成できることから、既述するマスクを利用した形成方法に比してその塗工効率は格段に向上する。
さらに、本発明によるリアクトルの好ましい実施の形態は、前記接着剤が250Pas以上の粘度を有しているものである。
既述するように、接着剤の粘度が低すぎると、接着剤を塗布した後に形状を保持できずに垂れて広がってしまい、発熱源であるリアクトルコアやコイルとの間で十分な接着面積が確保できないために放熱性が阻害される。
本発明者等の検証によれば、接着剤の粘度が250Pasを境界として、それ以上の粘度の接着剤の場合には、塗布後で未硬化の接着剤が垂れることなくコイル等との間で所望する接着面積を確保でき、放熱性が保証されることでリアクトルコアの昇温を抑制できることが特定されている。より詳細には、250Pas以上の粘度の接着剤をたとえばハウジングの底版に塗布後、10分以内にリアクトルコアを接着させるのがよい。
上記する本発明のリアクトルは、リアクトルコアとハウジングもしくは冷却器との接着領域に湿気硬化型の接着剤を適用し、この接着領域を非連続で複数の接着箇所や、連続する帯状もしくは非連続で複数の帯状の接着箇所から形成することにより、接着剤の硬化の際の加熱処理を不要としながら(したがって、加熱設備と加熱工程が不要となることで加工効率の向上と加工費の節減を図ることができる)、接着剤が完全に硬化するまでの時間の長時間化を抑止することができる。このことより、本発明にかかるリアクトルは、その搭載機器に優れた製造効率と安価な製造コストを要求する近時のハイブリッド車や電気自動車への適用に最適である。
以上の説明から理解できるように、本発明のリアクトルによれば、リアクトルコアもしくはその周囲に配されたコイルとハウジングもしくは冷却器を接着する接着剤に湿気硬化型の接着剤を適用し、かつ、接着領域を非連続で複数の接着箇所、もしくは連続する帯状もしくは非連続で複数の帯状の接着箇所から形成することにより、接着剤の硬化の際の加熱処理を不要としながら、接着剤が完全に硬化するまでの時間を短縮することができる。したがって、製造コストの節減と、製造効率の向上を図ることができる。
本発明のリアクトルの一実施の形態の縦断面図である。 (a)は図1のII−II矢視図であり、(b)は(a)に対応した従来構造を説明する図である。 (a)は本発明のリアクトルの接着領域が外気に曝される面積を説明した図であり、(b)は従来のリアクトルの接着領域が外気に曝される面積を説明した図である。 (a)〜(e)はともに、接着領域の実施の形態を示す模式図である。 (a)は接着領域の硬化時間と接着強度の関係を検証するためのせん断試験で使用したテストピースを説明した図であり、(b)は、(a)のb−b矢視図であって、比較例および実施例1〜5の接着領域を説明した図である。 せん断試験結果を示す図である。 せん断試験結果を示す図である。 せん断試験結果を示す図である。 せん断試験結果を示す図である。 接着剤の粘度とリアクトルコア温度の関係を検証した実験結果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図示例は、ハウジングの下方に冷却器が配された形態であるが、冷却器とリアクトルコアが接着領域を介して直接的に接続される形態であってもよいし、さらに、ハウジングとリアクトルコアの間の空間に封止樹脂体を備えた形態であってもよい。
図1は本発明のリアクトルの一実施の形態の縦断面図であり、図2aは図1のII−II矢視図であり、図2bは図2aに対応した従来構造を説明する図である。
図示するリアクトル10は、略環状のリアクトルコア1の外周に絶縁樹脂体2が一体に成形され、この絶縁樹脂体2の一部をボビンとしてその周囲にコイル3が形成され、リアクトルコア1とコイル3が接着領域4を介してハウジング5の底版に接着され、この底版の下方に冷却器6が配設されてその全体が構成されている。なお、図示を省略するが、リアクトルコア1とハウジング5が接着領域4による接合のほかに、それぞれの任意箇所同士でボルト締結される構造であってもよい。
リアクトルコア1は、平面視がU型の2つのU型コアの端部同士が不図示のギャップ板を介して接着剤にて接着されることで全体が円環状に形成されており、このU型コアは、磁性粉末を加圧成形してなる圧粉磁心から形成され、ギャップ板はセラミックスから成形されている。ここで、圧粉磁心を形成する磁性粉末としては、鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−窒素系合金、鉄−ニッケル系合金、鉄−炭素系合金、鉄−ホウ素系合金、鉄−コバルト系合金、鉄−リン系合金、鉄−ニッケル−コバルト系合金および鉄−アルミニウム−シリコン系合金などを用いることができる。また、ギャップ板は、例えばアルミナ(Al)やジルコニア(ZrO)などのセラミックスで成形することができる。なお、ギャップ板なしの構造にてリアクトルコアの電磁気特性、すなわちインダクタンスを保証できる場合には、コア間のギャップ板の介在は不要となる。
冷却器6は、ヒートシンクや、冷媒が還流する冷媒還流器、もしくは冷却フィンのうちのいずれか一種もしくはそれらの組み合わせ構造からなる。
接着領域4は湿気硬化型の接着剤が硬化したものであり、図1で示すように、この接着領域4を介してコイル3やリアクトルコア1からの熱が冷却器6に放熱される(X方向)。なお、湿気硬化型の接着剤としては、シリコーンやアクリル系の湿気硬化型接着剤を使用できる。さらに、硬化した接着剤は図示するようにリアクトルコアから冷却器等への放熱経路となることから、その放熱性を高めるために、シリカやアルミナ、窒化アルミや窒化ホウ素などからなる放熱フィラーを含有した湿気硬化型接着剤を使用してもよい。
また、各接着領域4は、図2aで示すように、平面視円形で小面積の複数の接着箇所4a,…が隙間を置いて配された構造、すなわち、非連続で複数の接着箇所4a,…からなる構造を呈している。
図示する接着箇所4a,…は、これらに対応した開口を具備する不図示のマスクをたとえばハウジングの所定箇所に位置決めし、湿気硬化型接着剤をマスクの開口を介してハウジング表面に塗布することによってその塗工をおこない、次いで、塗工から所定時間内にコイル3を備えたリアクトルコア1を接着剤に接着させるようにして形成される。
図示のごとく小面積で複数の接着箇所4a,…が隙間を置いて配設されていることにより、これらの接着箇所4aの全面積と同面積の接着領域Sを有する図2bで示す従来構造のリアクトル10’に比して、接着領域が外気に曝される面積は格段に広くなる。
このことを図3a,bを参照して説明する。図3aは、本発明のリアクトル10を示す図2aのコイル3の接着領域4を拡大した図であり、図3bは、従来のリアクトル10’を示す図2bのコイル3の接着領域Sを拡大した図である。
双方の図において、接着領域4を構成する接着箇所4aの平面積(図で視認できる面の面積)の総計は接着領域Sの平面積と同一であり、したがって、同素材の接着剤を使用する場合には基本的に同様の放熱性能を有することになる。
この条件下において、接着領域4を構成する各接着箇所4aが外気に曝される箇所は、図3aで視認される平面の側方の点線箇所の側面であり、1つの接着箇所当たりの側面の面積をA1とした際に、接着領域4を構成するすべての接着箇所4aの側面の面積の総計:Atotal=ΣA1となる。
一方、接着領域Sの側面は、平面視矩形の平面の側方の点線箇所のみであり、この側面の面積A2は上記するΣA1よりも格段に小さくなることは理解に易い。さらに、接着箇所4aの側面からその内部の中心までの距離は、接着領域Sの側面からその内部の中心までの距離に比して格段に短くなっている。
本発明のリアクトル10のリアクトルコア1(およびコイル3)とハウジング5を接着する接着領域4は、従来構造の接着領域Sに比して外気に曝される側面の面積が格段に広くなっており、さらには、接着箇所の側面からその中心までの距離が格段に短くなっていることにより、接着剤の硬化を促進することができ、湿気硬化型接着剤を使用した際に懸念される工程滞留時間の長時間化の問題は生じ得ない。
また、使用される湿気硬化型接着剤は、その粘度が250Pas以上の接着剤であるのが望ましい。
本発明者等の検証によれば、粘度が250Pasを下回ると、接着剤を塗工後にその形状が垂れ易くなり、形状を保持できないためにリアクトルコアやコイルとの接着面積が不十分となり、その結果としてリアクトル駆動時のリアクトルコアの温度が高くなり過ぎてしまうことが特定されている。したがって、粘度が250Pas以上の湿気硬化型接着剤を使用し、より詳細には、この接着剤を塗工後10分以内にリアクトルコアやコイルを接着させるのがよい。なお、接着箇所が若干量垂れた場合でも隣接する接着箇所同士が接触するのを回避するべく、隣接する接着箇所同士の離間を0.5mm程度は確保しておくのが好ましい。
図4a〜図4eはともに、接着領域の実施の形態を示した模式図である。
図4aで示す接着領域4Bは、平面視矩形の接着箇所4bが非連続に配設されて構成されたものであり、図4bで示す接着領域4Cは、平面視が帯状の接着箇所4cが非連続に配設されて構成されたものである。
また、図4cで示す接着領域4Dは、径の相違する複数の円形帯状の接着箇所4dが非連続に配設されて構成されたものであり、図4dで示す接着領域4Eは、連続して蛇行する帯状の接着箇所からなるものであり、図4eで示す接着領域4Fは、渦巻き状に連続する帯状の接着箇所からなるものである。
図2aで示す接着領域4と合わせて、いずれの形態の接着領域も外気に曝される側面から中心までの距離が短くなっており、外気に曝される側面の全面積が従来構造の接着領域に比して格段に広くなっている。
なお、図4b〜eで示す帯状の接着箇所を形成する方法は、図2a、図4aで示す接着箇所4a,4bと異なり、塗工の際にマスキングをおこなうことなく、塗布ノズルを連続的に移動させることで形成できることから塗工効率も高くなる。
[接着領域の硬化時間と接着強度の関係を検証するせん断試験とその結果]
本発明者等は、図5aで示す2枚の純アルミ製(A1050)の被着材P,Pを接着領域Bを介して接着したテストピースTPを試作した。より具体的には、このテストピースTPをその接着領域の形態を変化させて図5bで示す6種のテストピースを試作した。この6種のうち、比較例は接着領域Ba、実施例1は相対的に小面積の円形(直径r)の接着箇所からなる接着領域Bb、実施例2は相対的に大面積の円形の接着箇所からなる接着領域Bc、実施例3は相対的に狭幅(幅w)の帯状(短冊状)の接着箇所からなる接着領域Bd、実施例4は相対的に広幅の帯状(短冊状)の接着箇所からなる接着領域Be、実施例5は蛇行した帯状の接着箇所からなる接着領域Bfから構成される。
各テストピースともに、接着面積は100mmで同一とし、接着領域Bの厚みは2mmとし、使用した湿気硬化型接着剤の硬化条件は25℃で湿度がRH55%である。
また、各テストピースともに、接着剤の硬化時間を変化させて、各硬化時間ごとに引張試験を実施してその接着強度を測定した。比較例および実施例1〜5の各テストピースの接着領域の条件を以下の表1に示しており、接着剤の硬化時間と接着強度に関する実験結果を、接着剤の硬化促進に寄与する影響要素を抽出して図6〜9にグラフ化している。
Figure 0005240246
図6で示すグラフは、比較例と実施例1,3を比較したものであり、比較例に対して、スポット形状の複数の円形の接着箇所からなる接着領域を具備する実施例1と、複数の帯状の接着箇所からなる接着領域を具備する実施例3の硬化促進効果を確認したものである。
同図より、たとえば、2.7MPa程度を接着強度の閾値と規定した際に、比較例では閾値強度の発現まで48時間程度を要していたのに対して、実施例1,3はともに8時間程度で閾値強度の発現が確認されており、いずれの形状形態ともに、格段に高い硬化促進効果を期待できることが実証されている。
一方、図7で示すグラフは、比較例に対して、径の異なる複数の円形の接着箇所からなる接着領域を具備するテストピースの実施例1,2の径の大きさの硬化促進に与える影響を確認したものである。
同図より、相対的に小径の実施例1は実施例2に比して、接着領域の側面の全表面積が2倍程度大きくなることから硬化促進効果はより一層高くなっている。
図8で示すグラフは、比較例に対して、幅の異なる複数の帯状の接着箇所からなる接着領域を具備するテストピースの実施例3,4の帯幅の大きさの硬化促進に与える影響を確認したものである。
同図より、相対的に小幅の実施例3は実施例4に比して、接着領域の側面の全表面積が2倍程度大きくなることから硬化促進効果はより一層高くなっている。
さらに図9で示すグラフは、比較例に対して、スポット形状の複数の円形の接着箇所からなる接着領域を具備する実施例2と、複数の帯状の接着箇所からなる接着領域を具備する実施例4と、連続して蛇行する帯状の接着箇所からなる接着領域を具備する実施例5の全ての形態パターンが硬化促進に与える影響を確認したものである。
同図より、比較例に対して実施例2,4,5のいずれも同程度の硬化促進効果を有することが実証されている。
以上より、本発明のリアクトルが具備する接着領域の形態に関し、実施例1〜5のいずれの形態においても湿気硬化型接着剤の硬化時間は比較例に比して大きく短縮されることが実証された。
[接着剤の粘度とリアクトルコア温度の関係を検証した実験とその結果]
本発明者等はさらに、粘度の異なる複数の湿気硬化型接着剤を使用してリアクトルを試作し、リアクトル駆動時のリアクトルコアの温度を測定する実験をおこなった。
この実験は、粘度の相違によって接着領域に垂れの有無が生じ、垂れが生じたリアクトルではリアクトルコア(およびコイル)と接着領域の接着面積が少なくなることで接着領域を介した放熱性能が低下し、結果としてリアクトルコアの温度が上昇することに鑑み、リアクトルコアの温度を測定することで垂れが生じない、もしくは生じ難い粘度を特定しようとするものである。実験の結果を図10に示している。
同図より、粘度:250Pasを境界として、これを下回る粘度の接着領域を具備するリアクトルコアの温度は200℃程度まで昇温する一方で、250Pas以上の粘度のリアクトルコアはほぼ一律に110℃程度と温度上昇が低い値に留まっている。
したがって、リアクトルの高い放熱性を保証するための接着領域における接着剤の粘度として、250Pas以上であるのがよいと結論付けることができる。
なお、250Pas以上の範囲では、粘度が上昇してもリアクトルコアの温度はほぼ一定となることと、粘度が高すぎると塗工効率が低下するといった問題もあることから、たとえば250〜300Pas程度の範囲の粘度が好ましい。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…リアクトルコア、2…絶縁樹脂体、3…コイル、4,4A,4B,4C,4D,4E,4F…接着領域、4a,4b,4c,4d…接着箇所、5…ハウジング、6…冷却器、10…リアクトル、10’…従来のリアクトル

Claims (3)

  1. コイルを具備する略環状のリアクトルコアのうち、コイルもしくはリアクトルコアの少なくとも一方が接着領域を介してハウジングもしくは冷却器に固定されてなるリアクトルであって、
    前記接着領域が湿気硬化型の接着剤からなる非連続で複数の接着箇所から形成されていることを特徴とするリアクトル。
  2. コイルを具備する略環状のリアクトルコアのうち、コイルもしくはリアクトルコアの少なくとも一方が接着領域を介してハウジングもしくは冷却器に固定されてなるリアクトルであって、
    前記接着領域が湿気硬化型の接着剤からなる連続する帯状もしくは非連続で複数の帯状の接着箇所から形成されていることを特徴とするリアクトル。
  3. 前記接着剤が250Pas以上の粘度を有している請求項1または2に記載のリアクトル。
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