JP2014053521A - リアクトルとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率よく製造が可能であって、しかも封止樹脂体の吸湿を効果的に抑制でき、もって封止樹脂体とケースやコイル等との接触界面における剥離を抑制して放熱性に優れたリアクトルとその製造方法を提供する。
【解決手段】ケース1と、ケース1内に配設されたコイル3を具備するリアクトルコア2と、ケース1とリアクトルコア2の間を閉塞する放熱性を有する封止樹脂体5’とからなるリアクトル10において、封止樹脂体5’は下方から上方に向かって2以上の層が積層した構造(第1の層5A,第2の層5B)を呈しており、外部に露出する最上層(第2の層5B)は他の層(第1の層5A)に比して吸湿性が低く、かつ比重が小さくなっている。
【選択図】図4

Description

本発明は、電気自動車やハイブリッド車等に搭載されるリアクトルとその製造方法に関するものである。
電力変換回路のリアクトルは、一般に平面視が略環状のリアクトルコアにコイルが形成された姿勢でケース(もしくはケース)内に収容されている。このリアクトルコアは、複数の電磁鋼板の積層体もしくは圧粉磁心からなる分割コア等が相互に接着等されることで構成されている。
このケースの底面下方には放熱板(ヒートシンク)が設けてあったり、あるいはケースの底面自体がヒートシンクとなっており、さらにその下方に冷却水やエアを還流させる冷却器が設けられている場合もあり、コイルに電流が印加された際の発熱を該コイルまたはリアクトルコアからこの放熱板を介し、冷却器を介してクーリングしながら外部へ逃がす構造が一般的である。ここで、ケースと該ケース内に収容されたリアクトルコアの間には封止樹脂体がモールド成形されており、コイルまたはリアクトルコアからの熱はこの封止樹脂体を介して放熱板に伝熱されることになる。なお、このようにケースとリアクトルコアの間に放熱性の封止樹脂体を備えたリアクトルが特許文献1に開示されている。
ここで、図6を参照して従来のリアクトルの製造方法を概説する。なお、図6a、b、cの順に製造方法のフロー図となっている。
図6aで示すように、リアクトルコアRCを収容するケースCaはその内側の側面が段状に形成されており、周囲にコイルCoが形成されたリアクトルコアRCはその端部にステイSが取付けられていて、リアクトルコアRCをケースCaに収容してステイSをケースCaの側面段部に載置して位置決めする。なお、図示を省略するが、ステイSを側面段部にボルト締結してもよい。
次に、図6bで示すように、リアクトルコアRCやコイルCoとケースCaの間の隙間Kにたとえば液状やペースト状の熱硬化性樹脂Reを注入し、この熱硬化性樹脂Reの融点以上の温度で所定時間加熱する。
図6cで示すように、熱硬化性樹脂Reが硬化して封止樹脂体Pが形成されることでこの封止樹脂体Pが隙間Kを閉塞し、リアクトルコアRCとケースCaを繋ぐ放熱路が形成されてリアクトルの放熱性が保証される。
ところで、封止樹脂体Pを形成する熱硬化性樹脂は一般に溶剤系であることから、これがたとえば一般に用いられるシリコーン樹脂等の場合には、封止樹脂体Pの膨潤や材料劣化が生じる可能性がある。より具体的には、封止樹脂体Pの吸湿の影響によって、封止樹脂体PとコイルCoの界面や、封止樹脂体PとケースCaの界面において剥離が生じ、剥離箇所に空気層が形成されることで放熱性の阻害に繋がる。
そこで、図6cで示すように、封止樹脂体Pの上面に、たとえばアクリル樹脂やウレタン樹脂等を素材とする防湿コート材を塗布し、所定時間乾燥させることで防湿コート層MPを形成し、リアクトルRの完成に至るものである。
このように、封止樹脂体Pの上面に防湿コート層MPを形成することで封止樹脂体Pの吸湿を抑制することはできるが、吸湿コート層MPには一般に有機溶剤が多量に含まれていることから、この有機溶剤が封止樹脂体Pの材料劣化を促進させるという別途の課題が危惧される。さらに、封止樹脂体Pの形成工程のほかに、防湿コート層形成工程を要することから製造時間の長時間化、製造コストの上昇が自ずと問題となってくる。
特開2006−41353号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、効率よく製造が可能であって、しかも封止樹脂体の吸湿を効果的に抑制でき、もって封止樹脂体とケースやコイル等との接触界面における剥離を抑制して放熱性に優れたリアクトルとその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく本発明によるリアクトルは、ケースと、該ケース内に配設されたコイルを具備するリアクトルコアと、ケースとリアクトルコアの間を閉塞する放熱性を有する封止樹脂体とからなるリアクトルにおいて、前記封止樹脂体は下方から上方に向かって2以上の層が積層した構造を呈しており、外部に露出する最上層は他の層に比して吸湿性が低く、かつ比重が小さくなっているものである。
本発明のリアクトルは、ケースとコイルを具備するリアクトルコアの間の隙間に形成される封止樹脂体が、2以上の樹脂層の積層構造であって、かつ、最上層の吸湿性が最も低く、比重(硬化する前は液比重である)が小さいものであり、このような構成の封止樹脂体を具備することで、封止樹脂体の形成工程とは別の吸湿コート層形成工程を不要としながら、低吸湿性の封止樹脂体の最上層にてそれよりも下層の吸湿を効果的に抑制することを可能としたものである。
ここで、複数の層の積層構造を呈する封止樹脂体は、外部に露出する最上層の吸湿性が他の層に比して最も低いことを条件として、2層構造であっても3層以上の構造であってもよい。そして、各層は層を構成する樹脂の素材が相違しており、この素材の相違によって比重と吸湿性が相違している。
また、最上層の比重が他の層に比して最も小さくなっているが、これは、封止樹脂体の形成過程で必要になる構成である。すなわち、この封止樹脂体の形成方法は、下方から順に液比重の大きな液状もしくはペースト状の樹脂を層状に注入し、その上に相対的に液比重の小さな樹脂を層状に注入しながら未硬化状態の複数の樹脂層の積層構造を形成し、熱処理して全体を硬化させるものである。この未硬化状態の複数の樹脂層の積層構造を維持して層分離しないために、上層の比重を下層に比して小さくしたものであり、2層構造であれ、3層以上の構造であれ、最上層の比重(未硬化状態の際には液比重)が最も小さくなる。
ここで、封止樹脂体は放熱性を有する樹脂材から形成されるものであるが、この樹脂材としては、耐熱性に優れ、熱伝導性が良く、弾力性のある樹脂材である、シリコーン樹脂やウレタン樹脂(いずれも熱硬化性樹脂)などが好適であり、たとえば封止樹脂体が2層構造の場合においては、下層がシリコーン樹脂から形成され、上層がシリコーン樹脂よりも(液)比重が小さくて吸湿性の低いウレタン樹脂から形成するのがよい。たとえば、シリコーン樹脂の比重は2.7、吸水性は25℃の水に24時間浸漬した場合に0.5%以上であるのに対して、ウレタン樹脂の比重は1.1、吸水性は25℃の水に24時間浸漬した場合に0.2%であるまた、シリコーン樹脂の中でも、組成の相違によって比重が相違してくることから、同一素材の樹脂をさらに細かな組成の相違によって材料分けし、各材料ごとに層を構成してもよい。
たとえばシリコーン樹脂に関してさらに説明するに、このシリコーン樹脂(シリコーンポリマー)は、ケイ素と酸素が交互に結合してポリマーが形成されたシロキサン結合構造を主骨格としたものであるが、加硫剤等の添加剤の有無や種類によって、シート状のものやペースト状のもの、液状のものが存在しており、封止樹脂体を形成するシリコーンとしてはペースト状や液状のシリコーンが使用できる。また、シリコーンポリマー自体の熱伝導率は0.16W/mKと小さいものの、これにシリカやアルミナ、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化マグネシウム等の熱伝導性フィラーが混合されることで、この混合量(混合割合)に応じて高い放熱性を有するシリコーンとなることから、所望の放熱性を満足するように適宜のフィラーが含有された樹脂材料を使用するのが好ましい。
また、リアクトルを構成するリアクトルコアは、たとえば磁性を有する2つのU型コア、またはこれに加えてさらにI型コアがたとえばギャップ板を介して接着剤にて接合されて形成されるものなどを挙げることができ、珪素鋼板を積層してなる積層体から形成されたコアや、軟磁性金属粉末または軟磁性金属酸化物粉末が樹脂バインダーで被覆された磁性粉末を加圧成形してなる圧粉磁心から形成されたコアなどを挙げることができる。
また、ケースはアルミニウムやその合金などから成形することができ、その下方(下面)には、このケースと別体に成形された、または一体に成形された放熱性台座(ヒートシンク)が設けられていてもよい。また、この放熱性台座のさらに下方に、ラジエータ等からのクーリング水やクーリングエアが循環する冷却器が設けられた形態であってもよい。
また、本発明はリアクトルの製造方法にも及ぶものであり、この製造方法は、ケースと、該ケース内に配設されたコイルを具備するリアクトルコアと、ケースとリアクトルコアの間を閉塞する放熱性の封止樹脂体とからなるリアクトルの製造方法であって、ケース内にコイルを具備するリアクトルコアを配設する第1のステップ、ケースとリアクトルコアの間の空間に対し、下方には液比重が相対的に大きな封止樹脂材を注入して未硬化の第1の層を形成し、その上方には液比重が相対的に小さな封止樹脂材を注入して未硬化の第2の層を形成し、さらにその上に未硬化の第3の層を形成する場合には第2の層よりも液比重が相対的に小さな封止樹脂材を注入して未硬化の第3の層を形成し、第2の層が最上層の場合と第3の層以上の層が最上層の場合のいずれにおいても、最上層まで未硬化の封止樹脂材による複数の層を形成した段階で封止樹脂材の硬化をおこなうことにより、下方から上方に向かって2以上の層が積層した構造を呈して、外部に露出する最上層は他の層に比して吸湿性が低く、かつ比重が小さい封止樹脂体を形成する第2のステップ、からなるものである。
封止樹脂体が2層構造の場合は、下方の第1の層の液比重が上方の第2の層に比して大きく、しかも、最上層となる第2の層の吸湿性は第1の層よりも低いものとなる。また、3層構造の場合には、下方の第1の層、その上の第2の層、さらにその上の第3の層の順に徐々に液比重が小さくなり、最上層となる第3の層の吸湿性は第1,第2の層よりも低いものとなる。
このように、下層から上層に向かって液比重を低くすることによって、封止樹脂体の形成過程において液状(もしくはペースト状)で液比重の異なる複数の層が層分離することなく、複数層の積層構造を形成することができる。
そして、このように層分離のない状態で2層、3層といった未硬化状態の複数の樹脂層の積層構造を形成した後に、たとえばこの樹脂材料が熱硬化性樹脂の場合には、架橋温度の最も高い樹脂材料の架橋温度以上の温度雰囲気下において加熱することで、一度に複数の未硬化状態の樹脂層を硬化させ、その段階で最上層には最も吸湿性の低い層を形成することができる。しかも、複数層を同時に加熱硬化させることから、各層の界面での接着性も良好となり、層間の界面剥離を抑制することにも繋がる。
すなわち、従来の製造方法のように封止樹脂体を形成した後に防湿コート層を形成する必要がなく、この防湿コート層形成工程の解消によって製造効率が高められ、製造時間の短縮と製造コストの削減を図ることができる。
そして、この低吸湿性の最上層が防湿コート層となることから、下層の吸湿を低吸湿性の最上層で抑制することができ、封止樹脂体の多くの領域においてコイルやケースとの界面剥離を抑制することができ、良好な放熱性を保証することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明のリアクトルとその製造方法によれば、ケースとコイルを具備するリアクトルコアの間の隙間に形成される封止樹脂体が、2以上の樹脂層の積層構造であって、かつ、最上層の吸湿性が最も低く、比重(硬化する前は液比重である)が最も小さいものであることによって、封止樹脂体の形成工程とは別の吸湿コート層形成工程を不要としながら、低吸湿性の封止樹脂体の最上層にてそれよりも下層の吸湿を効果的に抑制することを可能とし、もって、効率的かつ低コストの製造方法にて放熱性に優れたリアクトルを提供することができる。
本発明のリアクトルの製造方法の第1のステップを説明した模式図である。 図1に続いて第2のステップを説明した模式図である。 図2に続いて第2のステップを説明した模式図である。 図3に続いて第2のステップを説明した模式図であって、製造された本発明のリアクトルの実施の形態1を示した図である。 本発明のリアクトルの実施の形態2を説明した模式図である。 (a)、(b)、(c)の順に従来のリアクトルの製造方法を説明したフロー図である。
以下、図面を参照して本発明のリアクトルとその製造方法の実施の形態を説明する。なお、図示例のリアクトルを構成する封止樹脂体は2層構造のもの、および3層構造のものであるが、最上層の吸湿性が最も低く、かつ比重が最も小さいことを条件として4層以上の構造のものであってもよいことは勿論のことである。
(リアクトルの製造方法とリアクトルの実施の形態1)
図1〜図4はその順で本発明のリアクトルの製造方法を説明するフロー図であり、より具体的には、図1はその第1のステップを説明した模式図であり、図2,3,4はその順で第2のステップを説明した模式図である。なお、図4はこの製造方法で製造された本発明のリアクトルの実施の形態1をも示している。
まず、絶縁性のアルミニウムやその合金などから形成され、側壁の内側が段状に形成されたケース1に対して、コイル3がその周囲に形成されたリアクトルコア2の端部にステイ4が取付けられたものを収容し、ステイ4をケース1の側面段部に載置して位置決めする(第1のステップ)。
ここで、リアクトルコア2は、その平面図を省略するものの、平面視で略環状を呈しており、2つのU型コアの端部同士をギャップ板を介して、あるいはギャップ板を介すことなく直接的に接着剤で固着して全体が円環状に形成された形態、もしくは、2つのU型コアとI型コアをギャップ板を介して接着剤にて固着して全体が円環状に形成された形態などからなる。なお、不図示の絶縁ボビンもしくは絶縁紙を介して、リアクトルコア2の周囲にコイル3が形成されている。
このU型コアやI型コアは、磁性粉末を加圧成形してなる圧粉磁心から形成されており、ギャップ板を使用する場合はこれがセラミックスから成形されている。この磁性粉末としては、鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−窒素系合金、鉄−ニッケル系合金、鉄−炭素系合金、鉄−ホウ素系合金、鉄−コバルト系合金、鉄−リン系合金、鉄−ニッケル−コバルト系合金および鉄−アルミニウム−シリコン系合金などを用いることができる。また、ギャップ板は、例えばアルミナ(AL2O3)やジルコニア(ZrO2)などのセラミックスで成形することができる。なお、ギャップ板なしの構造にてリアクトルコアの電磁気特性、すなわちインダクタンスを保証できる場合には、コア間のギャップ板の介在は不要となる。
第1のステップでケース1内にコイル3を備えたリアクトルコア2を収容した状態において、ケース1の内側側面とリアクトルコア2やコイル3との間には、隙間Kが生じている。
この隙間Kに対し、図2,3の順で液比重の異なる熱硬化性樹脂の樹脂材料を注入していく。
具体的には、図2で示すように、まず、相対的に液比重の大きな封止樹脂材5aを隙間Kに注入し、所定高さまで注入を実行することで未硬化状態の封止樹脂材5aからなる樹脂層が形成される。
この封止樹脂材5aとしては、熱硬化性樹脂の中のシリコーン樹脂を適用することができる。
なお、封止樹脂体5aが硬化してなる封止樹脂体の放熱性をより一層向上させるために、この封止樹脂材5aには、シリカやアルミナ、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化マグネシウムなどのうちのいずれか一種または複数のフィラーが含有されているのが好ましい。
注入された封止樹脂材5aが未硬化の状態で、次に、図3で示すように封止樹脂材5aよりも液比重の小さな別途の封止樹脂材5bを注入する。
封止樹脂材5bが封止樹脂材5aに対して相対的に低比重であることから、2層の封止樹脂材5a,5bがともに未硬化の状態であっても、層分離することなく、図示のように未硬化状態の樹脂材料による2層の積層構造が形成され、維持される。
また、図示例では、最上層に位置する封止樹脂材5bは、封止樹脂材5aに比して吸湿性が低くなっている。たとえば、シリコーン樹脂からなる下方の封止樹脂材5aに対して、相対的に比重も小さく、かつ吸湿性も低いウレタン樹脂やアクリル樹脂が適用されるのがよい。
このように未硬化状態の2種の樹脂材料からなる2層積層構造が形成されたら、これら樹脂材料の中で高い融点以上の温度にて熱処理をおこない、未硬化状態の2層の樹脂材料を同時に加熱硬化させることによって、図4で示すように、相対的に比重の大きな下方の第1の層5Aと、その上方に位置して相対的に比重が小さく、かつ吸湿性も低い第2の層5Bが積層してなる封止樹脂体5が形成され、リアクトル10が製造される。
図示する製造方法によれば、最上層の低吸湿層と下方の層を封止樹脂体形成工程にて形成することができ、従来の製造方法のように、封止樹脂体形成工程のほかに防湿コート層形成工程を別途設ける必要がなくなる。
なお、図示例のように、最上層の第2の層5Bの層厚を調整することで(可及的に薄層に形成)、封止樹脂体5の多くの領域(第1の層5A)が第2の層5Bにて吸湿を抑制されることとなり、この吸湿によって第1の層5Aが膨潤して第1の層5Aとケース1の側面やコイル3との間の界面が剥離し、剥離箇所に空気層が形成されて放熱性が阻害されるといった課題は効果的に抑制される。
さらに、封止樹脂体5を構成する2つの層5A,5Bが一度の加熱硬化によって一体となることから、層間の接合性も良好となり、層間剥離の懸念もない。
(リアクトルの実施の形態2)
図5はリアクトルの他の実施の形態を説明した模式図である。同図で示すリアクトル10Aは、その構成要素である封止樹脂体6が3層の硬化樹脂層の積層構造から構成されるものである。
このリアクトル10Aの製造方法はリアクトル10と同様であり、封止樹脂体6の形成に際して、2層の未硬化の樹脂層の積層体を形成した後に加熱硬化するのを、3層の未硬化の樹脂層の積層体を形成した後に3層の樹脂層の中で最も高い融点以上の温度で加熱硬化する点でリアクトル10の製造方法と異なっている。
また、3層の中でも、第1の層6A,第2の層6Bに比して、第3の層6Cの比重が最も小さく、吸湿性が最も低くなっている。
なお、図示を省略するが、4層以上の樹脂層の積層構造の封止樹脂体を有するリアクトルを製造する場合においても、比重や吸湿性の条件を既述の製造方法と同条件としてリアクトルの製造を実行すればよい。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…ケース、2…コイルコア、3…コイル、4…ステイ、5,6…封止樹脂体、5A、6A…第1の層、5B…第2の層(最上層)、6B…第2の層、6C…第3の層(最上層)、5a、5b、6a、6b、6c…封止樹脂材、10,10A…リアクトル、K…隙間

Claims (3)

  1. ケースと、該ケース内に配設されたコイルを具備するリアクトルコアと、ケースとリアクトルコアの間を閉塞する放熱性を有する封止樹脂体とからなるリアクトルにおいて、
    前記封止樹脂体は下方から上方に向かって2以上の層が積層した構造を呈しており、
    外部に露出する最上層は他の層に比して吸湿性が低く、かつ比重が小さくなっているリアクトル。
  2. ケースと、該ケース内に配設されたコイルを具備するリアクトルコアと、ケースとリアクトルコアの間を閉塞する放熱性の封止樹脂体とからなるリアクトルの製造方法であって、
    ケース内にコイルを具備するリアクトルコアを配設する第1のステップ、
    ケースとリアクトルコアの間の空間に対し、下方には液比重が相対的に大きな封止樹脂材を注入して未硬化の第1の層を形成し、その上方には液比重が相対的に小さな封止樹脂材を注入して未硬化の第2の層を形成し、さらにその上に未硬化の第3の層を形成する場合には第2の層よりも液比重が相対的に小さな封止樹脂材を注入して未硬化の第3の層を形成し、
    第2の層が最上層の場合と第3の層以上の層が最上層の場合のいずれにおいても、最上層まで未硬化の封止樹脂材による複数の層を形成した段階で封止樹脂材の硬化をおこなうことにより、下方から上方に向かって2以上の層が積層した構造を呈して、外部に露出する最上層は他の層に比して吸湿性が低く、かつ比重が小さい封止樹脂体を形成する第2のステップ、からなるリアクトルの製造方法。
  3. 前記封止樹脂材は熱硬化性樹脂からなり、前記第2のステップでは、2以上の層を構成する封止樹脂材を一度の加熱処理にて硬化させ、2以上の層を同時に形成する請求項2に記載のリアクトルの製造方法。
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