JP2012023267A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】その体格を増大させることなく放熱面積を増加させることによって、高い放熱性能を有し、振動による接着層の剥離を低減できることによって、振動耐久性に優れたリアクトルを提供する。
【解決手段】このリアクトルコア1は、その側面視においてリアクトルコア1の軸線がケースの底版6と反対側に突となる凸部3を備え、その凸部3は2つの傾斜部3a,3bから構成され、傾斜部3a,3bにおいてボビン4周りにコイル5がリアクトルコア1の軸線に対して傾斜して形成される。また、底版6はコイル接着面と相補的形状を呈する底版接着面7aを備え、底版接着面7aは傾きの異なる2つの接着面7aa,7abから構成され、第1のコイル5aと第2のコイル5bがそれぞれ接着面7aa,7abと接着剤8を介して接着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力変換回路を構成するリアクトルに関するものである。
電力変換回路のリアクトルは、一般に平面視が略横長環状のリアクトルコアの2つの長手部にコイルが形成され、これがたとえばケース上に載置されて構成されている。このリアクトルコアは複数の電磁鋼板の積層体もしくは圧粉磁心からなる分割コアから構成されており、各分割コア間にはたとえば非磁性素材のギャップ板が介装されており、ギャップ板とコアは接着剤にて接着固定されてリアクトルコアが形成されている。
このケースの下面(底面)にはたとえば放熱板(ヒートシンク)が設けてあり、さらにその下方には冷却水やエアを還流させる冷却器が設けられることもあり、コイルに通電した際に生じるジュール熱は、該コイルまたはリアクトルコアからこの放熱板を介し、たとえば冷却器を介して放熱される形態などが存在している。
ところで、昨今のハイブリッド車や電気自動車等に搭載されるリアクトルにおいては、その小型化が進んでいる一方で、通電される電流値も大きくなってきており、増大する発熱量を如何にして効果的に放熱できるかが当該分野における重要な解決課題の一つとなっている。
ここで、その小型化を目的とする従来のリアクトルに関する公開技術として、特許文献1に開示のリアクトルを挙げることができる。このリアクトルは、側面視において、コイルの上部と下部を繋ぐ部分をコアの軸線に対して斜めに倒し、上部と下部をコアの上面と下面にそれぞれ押し付けて配設することでコイルの厚みを薄くするものである。しかし、このリアクトルにおいては、リアクトルのコイルの上下方向の厚みが抑制される一方で、コアの軸線方向のコイル長さが増加してしまう。また、コイルの下面とケースを接着する接着層は、その引張方向の応力に対する耐久性能が低いことが知られている。そのため、従来構造のように、コイルの下面とケースを対向する二次元的な平面でのみ接着固定すると、リアクトルの上下方向(接着層の引張方向)に車両振動が作用する際に、コイルとケースの接着層が剥離しやすく、クーリング性能が低下してリアクトルの破損に繋がる可能性がある。
また、放熱性能を向上させる目的で発案された従来の公開技術として、特許文献2に開示のリアクトルを挙げることができる。このリアクトルは、リアクトルコアの短手領域の下部を収容するために設けられた樹脂部材が接着剤を介してケース(冷却器)に接着固定されるものである。コアの下方と側方の領域が樹脂部材と接着固定されることで、コイルやコアから放熱される熱が、接着剤と樹脂部材を介してケースへ伝熱されてクーリングされる。また、リアクトルの長手領域のコイルについても、その下方と側方の領域が接着剤を介してケースに接着固定されている。しかし、この構造のリアクトルにおいては、リアクトルの短手領域とこれを収容する樹脂部材が鉛直な接着面で接着されることから、製造過程においてその接着面に上方から接着剤を塗布することが難しい。同様に、リアクトルの長手領域のコイルにおいても、コイルの鉛直な側方面に接着剤を均一に塗布することが難しく、コイルやコアをケースに密実に接着することができない。したがって、コイルやコアとケースの接着層が剥離し、接着強度やクーリング性能の低下の要因となり得る。
特開2000−182869号公報 特開2009−231495号公報
本発明は上記する課題に鑑みてなされたものであり、その体格を増大させることなく放熱面積を増加させることによって、高い放熱性能を有し、振動による接着層の剥離を低減できることによって、振動耐久性に優れたリアクトルを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明のリアクトルは、平面視が略環状のリアクトルコアの周りにボビンが形成され、ボビンの周りにコイルが形成され、少なくとも底版からなるケースと少なくともコイルが接着されてなるリアクトルであって、リアクトルコアは、その側面視においてその軸線がケースと反対側に突となる凸部を備え、凸部の周りにボビンが形成され、ボビンの周りでコイルがリアクトルコアの軸線に対して傾斜して形成されており、凸部の周りに形成されたコイルにおいて底版と接着するコイル接着面と相補的形状を呈する底版接着面を底版が備え、双方の接着面でコイルと底版が接着されているものである。
本発明のリアクトルを構成するリアクトルコアは、その軸線がケースと反対側に突となる凸部を備えており、この凸部の周りにボビンが形成され、ボビンの周りでコイルがリアクトルコアの軸線に対して傾斜して形成される。したがって、ボビンに巻き付けられたコイル同士の接触面(エッジワイズコイルの平面)の一部が露出することで、コイルの下方に配置されるケースの底版とのコイル接着面積を増加させることができ、発熱源であるコイルから放熱される熱の放熱領域を増加させることができる。また、コイルの上部と下部を繋ぐ部分をコアの軸線に対して斜めに倒すことでコイルの厚みを薄くできる。さらに、リアクトルコアが凸部を備え、コアの長手部が傾斜していることで、その凸部の周りのコイルが側面視で略鉛直方向に巻き付けられることとなり、側面視におけるコア長手方向のコイル長さを低減して、リアクトルの体格の大型化を抑制することができる。
また、コイル下方に配置された底版がコイル接着面と相補的形状を呈する底版接着面を備えることで、コイル接着面と底版接着面は、それぞれ傾きの異なる少なくとも2つの接着面から構成されることとなる。そして、コイルと底版が双方の接着面で接着されることで、リアクトルに対して上下方向や左右方向に振動が作用する際に、その振動から生じる応力を傾きの異なる接着面に分散させることができ、接着層の剥離を抑制することができる。すなわち、たとえば一方の接着面に垂直な引張方向の振動が作用しても、他方の接着面においては、その振動時に生じる応力を、接着面に垂直な方向の引張応力と接着面に平行な方向の剪断応力に分散させることができる。したがって、引張方向の振動に対して耐久性能が低い接着層に関し、一方の接着面に引張応力が生じている際に、他方の接着面は接着されているため、コイルと底版の接着を保証することができる。よって、多方向の振動に対して優れた耐久性を有する接着層を形成することができる。
また、前記リアクトルコアは、傾斜部を備えた2つのU型コアのそれぞれの傾斜部の端部が直接的もしくは間接的に接着されることで形成されており、接着された2つの傾斜部で前記凸部が形成されているのが好ましい。
上記する形態によれば、予め凸形状を呈するボビンの周りにコアの軸線に対して傾斜するようにコイルを形成しておき、2つのU型コアの傾斜部の端部をボビンの両端から挿入し、それらの端部をボビン内で、たとえばギャップ板を介して接着できることから、リアクトルコアの作製を簡素化できる。
なお、リアクトルコアを形成するU型コアや、U型コアの端部と接着されるギャップ層の形態などは特に限定されるものではなく、2つのU型コアのみからなるリアクトルコア、2つのU型コアと、これらの2箇所のコア端部間にそれぞれ1以上の平面視がI型のI型コアが介在してなるリアクトルコア、などを挙げることができる。また、ギャップ層も、非磁性素材の接着剤のみから形成される形態、非磁性素材のギャップ板と接着剤とから形成される形態、非磁性素材の樹脂シートを両側のコアに熱圧着してなる形態などを挙げることができ、U型コアを直接的もしくは間接的に接着させることができる。
また、本発明のリアクトルにおいては、前記リアクトルコアが連続する2以上の凸部を備えており、さらに、前記凸部間に形成される谷部は、その側面視でコイルの中央に設けられているのが好ましい。
リアクトルコアが連続する2以上の凸部を備えることで、単数の凸部を備えるコア周りに形成されるコイルと比較してコイルの高さを抑制でき、コイルやコアから放熱される熱を効果的に底版へ伝熱させることができる。また、この凸部間に形成される谷部がコイルの中央に設けられることで、コイルやコアから放熱される熱が最も篭もりやすく、最も高温となり得るコイルの中央部が、その周囲のコイルに対して相対的にケースに近接して配置されることとなる。したがって、その中央部に篭もり得る熱を底版へ効果的に伝熱させることができ、リアクトルのクーリング性能を一層高めることができる。
さらに、連続する2以上の凸部の周りに形成されたコイルのコイル接着面と相補的形状を呈する波状の底版接着面を底版が備え、コイルと底版がその多数の接着面からなる波状の接着面で接着されることで、リアクトルの振動時に生じる応力を多数の接着面に分散させることができ、接着層の振動耐久性能を一層向上させることもできる。
また、前記底版は凹溝を備え、この凹溝内に前記底版接着面が形成されており、コイル接着面と相補的形状を呈する底版接着面の頂部が凹溝の外側へ突出しないように形成されていれば、コイルの高さを抑制し、底版の凹溝の深さを増加させることなくその凹溝内に底版接着面を形成することができ、リアクトルの体格の最適化を図ることができる。
また、本発明によるリアクトルコアの他の実施の形態において、コイルの底版と反対側の領域は、その平面視でリアクトルコアの軸線に対して傾斜して形成されており、ケースは底版から立設する側版をさらに備え、コイルはケースの底版の他にこの側版と接着されているものである。
上記する形態によれば、コイルの側方の領域においても、ボビンに巻き付けられたコイル同士の接触面(エッジワイズコイルの平面)の一部を露出させることができる。したがって、コイルの側方に設けられた側版とコイルが接着剤にて接着される際に、コイル接着面積を増加させることができ、コイルから放熱される熱の放熱領域を増加させて、リアクトルのクーリング性能を向上させることができる。さらに、ケースの底版の他にコイルの側方の領域がこの側版と接着されることで、コイルとケースの接着強度を高めることもできる。
ここで、コイルの底版と反対側の領域は、屈曲部を介して2以上の方向に傾斜して形成されていれば、平面視でリアクトルの長手方向に傾斜したコイルの巻き方向を屈曲部で変更でき、コイルの長手方向長さを抑制して、リアクトルの体格の小型化を図ることができる。
また、本発明のリアクトルは、リアクトルコアの断面形状が、底版側に長辺を有する台形もしくは底版側に頂部を有する三角形のいずれか一種からなるのが好ましい。
リアクトルコアの断面形状が台形であって、その長辺が底版側に備えられていれば、同等の断面積を有する正方形断面のリアクトルコアを有するリアクトルに比して、コイルと底版の接着面積を増加させることができる。したがって、コイルやコアから放熱される熱の放熱領域を増加させることができ、通電時にコイルやコアから発生するジュール熱を効果的に底版へ伝熱させることができる。
また、リアクトルコアの断面形状が底版側に頂部を有する三角形を呈していれば、コアの周りに形成されたコイルの底版側の2つの面から、コイルやコアから放熱する熱を放熱できる。ここで、底版接着面は鉛直面に対して傾いた面で形成されることから、リアクトルの製造過程において、その接着面に容易かつ略均一に接着剤を塗布することができる。
なお、コイルが絶縁性と放熱性を有する接着剤を介してケースに接着されていれば、より効率的に底版側へ放熱できることから望ましい。
以上の説明から理解できるように、本発明のリアクトルによれば、その体格の大型化を抑制しながら、コイル接着面の接着面積を増加させることができ、したがって、放熱領域を増加させることで、放熱性能が格段に向上されたリアクトルとなる。さらに、傾きの異なる少なくとも2つの接着面でコイル接着面と底版接着面が構成されることにより、リアクトルが受ける振動時の応力を少なくとも2つの接着面に分散させることができ、従来の二次元的な接着面で接着されるリアクトルに比して振動による接着層の剥離を低減して、振動耐久性能に優れたリアクトルとなり得るものである。
本発明のリアクトルの一実施の形態の斜視図である。 (a)は図1で示すリアクトルの側面図、(b)はその上面図、(c)は(a)のC部拡大図である。 図2bで示すリアクトルのIII−III矢視図である。 図1で示すリアクトルの、リアクトルコアの長手部の形状を変更した実施の形態の斜視図である。 (a)は図4で示すリアクトルの側面図、(b)はその上面図、(c)は(b)のC−C矢視図である。 図5bで示すリアクトルのVI−VI矢視図である。 図4で示すリアクトルの他の実施の形態を説明した図であって、リアクトルコアの断面形状が台形を呈する形態を示した縦断面図である。 図4で示すリアクトルのさらに他の実施の形態を説明した図であって、リアクトルコアの断面形状が逆三角形を呈する形態を示した縦断面図である。 図1で示すリアクトルに対して異なる形態のコイルを具備するリアクトルを示した図であって、(a)はその側面図、(b)はその上面図、(c)は(b)のC−C矢視図である。 図9で示すリアクトルの断面形状を変更した図であって、リアクトルコアの断面形状が逆三角形を呈する形態を示した縦断面図である。 従来構造のリアクトルを示した斜視図である。 本発明のリアクトルと従来構造のリアクトル双方の放熱性を比較した解析結果である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図示例は、2つのU型コアからなるリアクトルコアを示しているが、2つのU型コアと2つのI型コアからなる形態、2つのU型コアと4以上のI型コアからなる形態などであってもよいことは勿論のことである。また、図示するリアクトルは、ハウジングに収容されないハウジングレスの形態であっても、ハウジング内に収容された形態であってもよく、これらいずれの形態においても、さらにその下方にヒートシンク板を有する形態、ヒートシンク板のさらに下方に冷媒還流器等を具備する形態、コイルが載置固定されるケース自身が冷媒還流器等を具備する形態など、その最終形態は適宜選定できるものである。
図1は、本発明のリアクトルの一実施の形態を示した斜視図であり、図2aは図1で示すリアクトルの側面図、図2bはその上面図、図2cは図2aのC部拡大図、図3は図2bのIII−III矢視図である。
このリアクトル10は、所定の離間を置いて配設された2つの磁性を有するU型コア1a,1bと、これらの端部間に設けられた所定幅のギャップ層から全体が略環状(図示例は略矩形枠状)の磁束流路を形成するリアクトルコア1から構成されている。このリアクトルコア1は、その側面視においてリアクトルコア1の軸線がその下方に配置されたケースの底版6と反対側に突となる凸部3,3を備え、その凸部3,3のそれぞれは2つの傾斜部3a,3bから構成されている(図3参照)。そして、その対向する凸部の周りには絶縁素材からなるボビン4,4が形成され、それぞれのボビン4の周りにコイル5がリアクトルコア1の軸線に対し傾斜して形成される。また、底版6は凹溝7を備え、その凹溝7の底面7bには、コイル5の底版6と接着するコイル接着面と相補的な形状を呈する底版接着面7aが形成され、この底版接着面7aは傾きの異なる2つの接着面7aa,7abから構成されている。そして、リアクトルコア1の凸部の一方の傾斜部の周りに形成された第1のコイル5aと他方の傾斜部の周りに形成された第2のコイル5bの底版6側の接着面が、それぞれ底版接着面7aの接着面7aa,7abと接着剤8を介して接着されて、その全体が大略構成されている。なお、リアクトルコア1の短手領域の下部は、接着剤9a,9bを介して底版6の上面と接着固定されている。
ここで、この磁性コアは、珪素鋼板を積層してなる積層体から形成してもよく、軟磁性金属粉末または軟磁性金属粉末が樹脂バインダーで被覆された磁性粉末を加圧成形してなる圧粉磁心から形成してもよい。なお、この軟磁性金属粉末としては、鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−窒素系合金、鉄−ニッケル系合金、鉄−炭素系合金、鉄−ホウ素系合金、鉄−コバルト系合金、鉄−リン系合金、鉄−ニッケル−コバルト系合金および鉄−アルミニウム−シリコン系合金などを用いることができ、軟磁性金属酸化物粉末である、マンガン系、ニッケル系、マグネシウム系などのフェライトを用いることもできる。
また、ギャップ層は、非磁性の接着剤のみから形成される形態、非磁性のギャップ板と接着剤とから形成される形態、非磁性の樹脂シートを両側のコアに熱圧着してなる形態などのうちのいずれの形態であってもよく、ギャップ板を使用する場合には、Mg,Al,Si,Ti,Zr元素などの金属を主成分とするセラミックス、例えばアルミナ(Al)やジルコニア(ZrO)などのセラミックスからギャップ板を成形することができる。
また、ギャップ層に樹脂シートを使用する場合には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱硬化性樹脂をからなるシートを使用することができる。
また、上記するボビン4としては、図示するように、対向する凸部にそれぞれ別個に設ける形態でも、対向する凸部に設けられる2つのボビンが一体成形される形態でもよい。
リアクトル10の底版6については、既述するように、ボビン4,4やコイル5,5の下部を収容できる凹溝7を設け、凹溝7に設けられた底版接着面7aでコイル5と底版6を接着する形態や、底版に凹溝を設けることなく底版の上面にコイルが形成されたリアクトルコアを載置して、底版上面でコイルと底版を接着する形態などを適用できる。なお、前者のほうが、コイルとともに発熱源であるコアから放熱される熱も底版から放熱できることから、リアクトルの体格の大型化を抑制し、コイルやコアから放熱される熱を効果的に底版へ伝熱できる。また、底版6の下面側には不図示の放熱板(ヒートシンク)や、その下方に冷却水やエアを還流させる冷却器が設けられ、あるいは、ケース自体が冷却水等の還流路を備えることで、コイルやコアから放熱される熱をリアクトルの外部へ放熱できるようになっている。
図2aを参照して、コイルと底版の接着について説明する。図示するリアクトルコア1が傾斜部を備え、第1のコイル5aと第2のコイル5bがリアクトルコア1の軸線Aに対して傾斜して形成されることで、傾斜部の周りに巻き付けられる第1のコイル5aと第2のコイル5bは、側面視で階段状の外形を有することとなる。そして、階段状の外形を有する第1のコイル5aと第2のコイル5bの底版6側の接着面が、接着剤8を介して底版接着面7aの接着面7aa,7abと接着固定される。なお、図2bで示すように、リアクトルコアに巻き付けられるコイル5の上方の領域(底版6と反対側の領域)は、コアの軸線に対して略垂直な方向に巻き付けられている。
図2cの拡大図を参照して上記する接着層について詳述する。従来構造のようにリアクトルコアの長手部が直線状で、その長手部の周りにボビンが形成され、コアの軸線に略垂直となるようにボビンの周りにコイルを巻き付ける場合には、コイルの底版側の領域では底版に対向する面のみが露出することとなり、その露出面でコイルと底版が接着固定されることとなる。しかし、本発明のリアクトルにおいては、図示するように、少なくともコアの傾斜部に形成される第2のコイル5bが側面視で階段状の外形を有しており、第2のコイル5bの底版6と対向する第1の面5cのほか、巻き付けられたコイル同士の接触面(エッジワイズコイルの平面)の底版6に近接する第2の面5dも露出することとなる。したがって、コイル接着面が第1の面5cと第2の面5dから形成され、コイルと底版6の接着面積が増加することで、通電時にコイルで発生するジュール熱の底版6への伝熱効果が高められる。
また、コアの軸線に対して傾斜してコイルを形成する際に、従来構造のようにリアクトルコアの長手部が直線状であれば、コイルの長手方向の長さが増加してしまう。しかし、本発明のリアクトルにおいては、図2aで示すように、リアクトルコアが傾斜部を有することで、傾斜部の周りのコイルが側面視で鉛直方向に巻き付けられることとなり、リアクトルの長手方向のコイル長さが抑制され、リアクトルの体格の大型化が抑制される。
また、コイル5と底版6の接着面積が増加することにより、放熱性能とともにコイル5と底版6の接着強度を向上させることもできる。
ここで、上記する接着層の接着剤は、剪断方向の応力に対して高い耐久性を有する一方で、引張方向の応力に対して耐久性が低いことが知られており、たとえば、従来構造のリアクトルのようにコイルと底版が二次元的な接着層で接着された場合、接着層の引張方向の振動が作用して接着層が剥離することが問題となってきた。そこで、図2で示す本発明のリアクトルにおいては、コイル5と底版6が2つの傾斜した接着面7aa,7abで接着され、たとえば、一方の接着面7aaに垂直な引張方向の振動が作用しても、他方の接着面7abにおいてはその振動時に生じる応力を、接着面に垂直な引張応力と接着面に平行な剪断応力に分散させることができる。したがって、従来の二次元的な接着面による接着と比較して、多方向からの振動に対してコイル5と底版6の接着層の剥離を抑制することができる。
このように、三次元的な接着面で接着されることで、車両振動時におけるコイル5と底版6の接着を保証することができ、振動耐久性能の高い接着層を有するリアクトルを形成することができる。
また、底版6の接着面7aa,7abは、凹溝7の底面7bに対して傾斜して形成されており、ケースの上方から接着剤を塗布するリアクトルの製造過程においても、容易かつ略均一に接着面7aa,7abに接着剤8を塗布することができ、底版6とコイル5の密実な接着を保証することができる。
次いで、図3を参照してリアクトルコア1の作製方法について説明する。図示するリアクトルコア1は、2つのU型コア1a,1bにボビン4a,4bを一体成形し、予め凸形状に形成したコイル5の両側から2つのU型コア1a,1bの傾斜部3a,3bの端部を挿入し、U型コア1a,1bの端部同士を凸部3の頂部3cでギャップ層2を介して接着することで作製されるものである。
なお、上記する作製方法のほか、予め凸形状を呈するボビンの周りにコイルを巻き付けておき、一方のU型コアの傾斜部の端部をボビンの一方側に挿入して嵌め合わせ、他方のU型コアの傾斜部の端部をボビンの他方側から挿入して嵌め合わせて、2つのU型コアの端部同士を凸部の頂部でギャップ層を介して接着することで、リアクトルコアを作製することもできる。
また、図3で示すリアクトル10は、リアクトルコア1の傾斜部3a,3bが、凸部3の頂部3cを通る鉛直面に対して対称となるように形成されており、リアクトル10全体がその鉛直面に対して対称な形状を呈している。そこで、リアクトルコア1の周りにコイル5を形成する際には、まず、コイル5を軸線Aに所望の角度で傾斜させながら、傾斜部3a周りにコイル5を巻き付けて第1のコイル5aを形成し、その後、凸部3の頂部3cで鉛直面に対して対称となるようにその傾斜角を変更して、傾斜部3b周りにコイル5を巻き付けて第2のコイル5bを形成することで、容易にボビン4の周りのコイル5を形成することができる。
なお、コアの傾斜部3a,3bは、リアクトルの周囲の部品との配置やリアクトルの放熱性能に応じて、その傾斜角をそれぞれ別個に変更することもできる。
次に、図4および図5を参照して、本発明のリアクトルの他の実施の形態を説明する。図4および図5で示すリアクトルは、図1で示すリアクトルのリアクトルコアの凸部を複数備えたリアクトルであって、図4はその斜視図であり、図5aは図4で示すリアクトルの側面図、図5bはその上面図、図5cは図5bのC−C矢視図である。なお、図1で示すリアクトルと同様の構成に関してはその説明を省略する。
図4で示すリアクトル20のリアクトルコア11は、その対向する長手部のそれぞれについて、その軸線が下方に配置されたケースの底版16と反対側に突となる2つの凸部13A,13Bを備え、それぞれの凸部13A,13Bが2つの傾斜部から構成されることで、コア11の長手部は4つの傾斜部13Aa,13Ab,13Ba,13Bbを備えることとなる(図5c参照)。その4つの傾斜部の周りにボビン14,14が形成され、それぞれのボビン14,14の周りにコイル15,15が形成されており、2つの凸部間に形成される谷部がコイル15,15の中央となるように設計されている。そして、コイル15,15の底版16側の接着面が、接着剤18を介してコイル接着面と相補的な形状を呈する4つの接着面17Aa,17Ab,17Ba,17Bbからなる底版接着面17aと接着固定されている。なお、リアクトルコア11の短手領域の下部は、接着剤19a,19bを介して底版16の上面と接着固定されている。
このリアクトル20は、図1で示すリアクトルと同様、リアクトルコア11が傾斜部を備え、コイル15がその傾斜部の周りにコア11の軸線に対して傾斜して形成されることで、コイル15と底版16の接着面積を増加させることができる。したがって、コイル15と底版16の接着強度を向上させながら、コイル15から放熱される熱の放熱領域を増加させ、通電時にコイル15やリアクトルコア11から放熱される熱を底版16側へ効率的に伝熱させることができる。また、コイル15においては、一般にその中央部に熱が最も篭もりやすく、中央部が高温となってリアクトルの破損に繋がる可能性がある。そこで、図示するリアクトル20は、そのコイル中央部に凸部間の谷部が形成され、中央部のコイルが相対的に底版16側に近接して配置されることで、この中央部に溜まった熱を効率的に底版16へ伝熱できるようになっている。また、図1で示すリアクトルと比較してコイル中央部の高さが低くなり、リアクトル全体の厚みを低減できることから、リアクトルの体格の小型化を図ることもできる。
また、上記する底版接着面17aの4つの接着面のうち、接着面17Aa,17Baと接着面17Ab,17Bbが異なる傾きを有していることにより、たとえば、接着面17Aa,17Baに略垂直な方向の振動が作用する場合においても、接着面17Ab,17Bbにおいては、振動時に生じる応力を接着面17Ab,17Bbに垂直な引張方向の応力と接着面17Ab,17Bbに平行な剪断方向の応力に分散させることができ、接着層の振動耐久性能を一層向上させることができる。
なお、上記するコイル中央部の高さやリアクトルコアの凸部の基数、それぞれの接着面の傾きは、リアクトルの周囲の部品の配置や所望の放熱性能に応じて変更できる。その際、コイルから放熱される熱を底版側へ効率的に伝熱するために、同図のように、最も高温となり得るコイルの中央に谷部が形成されるのが好ましい。
次いで、図5aを参照して、底版16の凹溝17に設けられる底版接着面17aについて説明する。同図において、底版16の凹溝17に設けられた底版接着面17aの高さは、凹溝17の底面17bの高さと上面17cの高さ(底版16の上面の高さに相当する)の範囲内に設定されている。すなわち、凹溝17に備えられた4つの接着面17Aa,17Ab,17Ba,17Bbはすべて凹溝17内に形成されており、接着面17Abと接着面17Baの接続部17dの高さD1が凹溝17の底面17bより高く、底版接着面17aの高さD2が上面17cの高さより低く設計されている。なお、図5bで示すように、リアクトルコアに巻き付けられるコイル15の上方の領域(底版16と反対側の領域)は、コアの軸線に対して略垂直な方向に巻き付けられている。
図5cを参照して、上記するリアクトルコア11の作製方法について説明する。リアクトルコア11のU型コア11a,11bは、その凸部13Aの頂部13Acでギャップ層12を介して接着されるものである。すなわち、リアクトル20のリアクトルコア11は、2つのU型コア11a,11bにボビン14a,14bを一体成形し、予め2つの凸形状を備えるように形成したコイル15の両側から2つのU型コア11a,11bの傾斜部13Aa,13Abの端部を挿入し、U型コア11a,11bの端部同士を頂部13Acでギャップ層2を介して接着することで作製されるものである。なお、リアクトルコアの長手部が凸部を3以上有する場合は、それぞれのU型コアがその凸部のうち最も外側に配された凸部の頂部でギャップ層を介して接着されるのが好ましい。
図6は、上記するリアクトル20の縦断面図であって、図5bのVI−VI矢視図である。同図において、リアクトルコア11は略正方形の形状を呈しており、その周りにコイル15が略正方形の外形を有するように形成されている。ここで、コイル15と底版16が接着剤18を介して接着されることで、発熱源であるリアクトルコア11やコイル15から放熱される熱は、コイル15の底版16と接着されるコイル接着面から底版16側へ伝熱されることとなる。
図7および図8は、図6で示すリアクトルコアの断面形状を変更したリアクトルの縦断面図を示しており、図7は断面形状が台形を呈するリアクトルの縦断面図、図8は断面形状が逆三角形を呈するリアクトルの縦断面図である。
図7で示すリアクトル30はリアクトルコア21の断面形状が台形であって、その長辺が底版26側に配設され、リアクトルコア21の周りにボビン24とコイル25が形成されて、コイル25と底版26が接着剤28を介して接着されている。リアクトルコア21の長辺が底版26側に配設されることにより、たとえば、リアクトルコア21の断面積が図6で示すリアクトルコアの断面積と同等である場合には、コイル25と底版26の接着面積を増加させることができる。よって、コイル25から放熱される熱の放熱領域を増加させることができ、リアクトルコア21やコイル25から放熱される熱を効果的に底版26側へ伝熱させることができる。
また、図8で示すリアクトル40はリアクトルコア31の断面形状が三角形であって、その頂部が底版36側に配設され、リアクトルコア31の周りにボビン34とコイル35が形成されて、コイル35と底版36が接着剤38を介して接着されている。ここで、底版36の凹溝37がリアクトルコア31の周りに形成されるコイル35の外形と相補的な形状を呈していれば、コイル35の2つの接着面35a,35bと凹溝37の2つの接着面37a,37bがそれぞれ接着されることとなり、さらに接着面積を増加させることができる。したがって、コイル35と底版36の接着強度を向上させながら、リアクトルコア31やコイル35から放熱される熱をより効果的に底版36へ伝熱させることができる。また、リアクトルの短手方向(矢印Y方向)に車両振動が作用する際においても、2つの接着面37a,37bによってコア31やコイル35の振動が抑制され、多方向からの振動に対して高い振動耐久性を有するリアクトルを形成することができる。なお、凹溝37の接着面37a,37bは鉛直面に対して傾斜した面から形成されることから、ケースの上方から接着剤を塗布するリアクトルの製造工程においても、その接着面に容易かつ略均一に接着剤を塗布することができる。
次に、図9を参照して、本発明のリアクトルのさらに他の実施の形態を説明する。図9aはリアクトルの側面図、図9bはその上面図、図9cは図9bのC−C矢視図である。なお、図9で示すリアクトル50は、図1で示すリアクトルのコア形状を適用しているが、これ以外にも図4で示すリアクトルやさらに多数の凸部を備えるリアクトルコア形状等を適用できる。
図9aで示すリアクトル50においては、その側面視でコイル45がリアクトルコア41の軸線に対して傾斜して形成されており、ボビン44の周りの一部にはコイル45が巻き付けられていない領域が存在する。また、コイル45の側方には底版46から立設する側版46aが備えられており、後述するように、コイル45はケースの底版46のほかに、この側版46aとも接着剤を介して接着されている。なお、底版46と側版46aは、その接触面で接着される形態でも、底版46と側版46aが一体成形される形態でもよい。
図9bを参照して、リアクトルコア41の周りに形成されるコイル45の形状について説明する。同図において、底版46と反対側の領域に形成されたコイル45は、それぞれ2つの屈曲部45cを介してリアクトルコア41の軸線に対して3つの方向に傾斜して形成されている。ここで、コイル45がリアクトルコア41の軸線に対して傾斜していることで、コイル45の側方の領域は階段状の外形を有することとなる。したがって、図2cを参照してコイルと底版の接着層について説明したのと同様に、コイル45の側方の領域でも、コイル同士の接触面(エッジワイズコイルの平面)の側版46aに近接する面が露出することとなり、コイル45と側版46aの接着面積を増加させることができる。また、同図のようにコイル45が屈曲部を備え、コイル45が傾斜した3つの直線部45dから構成されることで、リアクトルコアの長手方向においてコイルの巻き方向を変更することができ、形成されるコイルの長手方向長さを抑制することができる。
また、上記する形態によれば、図9cで示すように、コイル45の底版46側の領域とコイル45の側方の領域の双方の接着面でコイル45とケースを接着固定させることができ、接着強度を向上させることができる。したがって、リアクトルの体格の大型化を抑制しながら、優れた放熱性能と高い接着強度を保証することができる。また、側版46aによってリアクトル50の短手方向の振動が抑制されることから、振動耐久性能を一層向上させることもできる。
図10は、図9で示すリアクトルコアの断面形状を変更したリアクトルの縦断面図であって、その断面形状が逆三角形を呈するリアクトルの縦断面図を示している。なお、図10で示すリアクトル60のコア51周りのコイル55において、底版56側と底版56の反対側の領域は図9bで示すコイルと同様の形状を呈している。
図示するリアクトル60は、リアクトルコア51の断面形状が底版56側に頂部を有する三角形を呈しており、コイル55側方の2つのコイル接着面と底版56の凹溝57に設けられた2つの接着面57a,57bがそれぞれ接着されることで、図9で示す側版が不要となる。また、既述するように、リアクトルコア51の断面形状が三角形を呈することで、コイル55から底版56への伝熱性能やコイル55と底版56の接着強度、接着層の振動耐久性能を格段に向上させることができる。
[本発明のリアクトルと従来構造のリアクトル双方の放熱性を比較した解析と、その結果]
本発明者等は、従来構造のリアクトルに比して、本発明のリアクトルの放熱性能が向上することを実証するべく、コンピュータ内でリアクトルモデルを作成し、伝熱解析を実施してコイルモデル付近で生じ得る温度を特定した。作成したモデルは5種あり、そのうちの4種は本発明のリアクトルをモデル化したものであって、図1,4,7,8で示すリアクトル構造を有するものである(それぞれ実施例1〜4)。また、他の1種は、従来構造のリアクトルをモデル化したものであって、実施例1からその凸部を排除した構造を呈するものである(比較例)(図11参照)。
上記する実施例と比較例において使用するエッジワイズコイルの幅は10mmであり、実施例については、コイル同士の接触面(エッジワイズコイルの平面)のうち、その側面視で約1mmの長さを有する露出面が形成されるように、リアクトルコアの軸線に対して傾斜してエッジワイズコイルが巻き付けられている。また、実施例3の台形断面を呈するコアと実施例4の三角形断面を呈するコアの断面積は、実施例1,2の正方形断面を呈するコアの断面積と同等となるようにモデル化されている。そして、エッジワイズコイルとケースの接着剤として1W/mKおよび3W/mKの2種の熱伝導率を有する放熱性接着剤を使用した場合の放熱性能を解析した。
解析結果を図12に示している。なお、同図の縦軸の放熱性は、上記解析において比較例のコイル直上の温度を基準として1とし、実施例1〜4のコイル直上の温度を比較例の結果に対する比率で示したものである。
本解析の結果、3W/mKの熱伝導率を有する放熱性接着剤を使用した場合には、比較例に対して実施例1のコイルの温度を6%低減できること、すなわち、放熱性能を6%向上できることが実証された。また、リアクトルコアが2つの凸部を備え、凸部間の谷部がコイル中央に設けられた実施例2の放熱性能は、比較例に対して11%向上することが実証された。また、実施例2に対してコア断面形状を台形とした実施例3の放熱性能は34%向上し、コア断面形状を逆三角形とした実施例4においては、放熱性能が38%向上することが実証された。
また、1W/mKの熱伝導率を有する放熱性接着剤を使用した場合には、上記する3W/mKの熱伝導率を有する放熱性接着剤を使用した場合と比較して、さらに比較例に対する放熱性能の向上を実現できることが実証された。すなわち、比較例に対して実施例1〜4の放熱性能は、それぞれ12%,17%,43%,48%向上し、熱伝導率の低い放熱性接着剤を使用した場合には、同じ形態を有する実施例に対して、さらにリアクトルのクーリング性能を向上できることが実証された。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…リアクトルコア(磁性コア)、1a,1b…U型コア、2…ギャップ層、3…凸部、3a,3b…傾斜部、4…ボビン、5…コイル、5a…第1のコイル、5b…第2のコイル、6…底版、7…底版の凹溝、7a…底版接着面、7b…凹溝の底面、8,9a,9b…接着剤、10…リアクトル、A…リアクトルコアの軸線

Claims (9)

  1. 平面視が略環状のリアクトルコアの周りにボビンが形成され、ボビンの周りにコイルが形成され、少なくとも底版からなるケースと少なくともコイルが接着されてなるリアクトルであって、
    リアクトルコアは、その側面視においてその軸線がケースと反対側に突となる凸部を備え、凸部の周りにボビンが形成され、ボビンの周りでコイルがリアクトルコアの軸線に対して傾斜して形成されており、
    凸部の周りに形成されたコイルにおいて底版と接着するコイル接着面と相補的形状を呈する底版接着面を底版が備え、双方の接着面でコイルと底版が接着されているリアクトル。
  2. 前記リアクトルコアは、傾斜部を備えた2つのU型コアのそれぞれの傾斜部の端部が直接的もしくは間接的に接着されることで形成されており、接着された2つの傾斜部で前記凸部が形成されている請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記リアクトルコアが連続する2以上の凸部を備えている請求項1または2に記載のリアクトル。
  4. 前記凸部間に形成される谷部は、その側面視でコイルの中央に設けられている請求項3に記載のリアクトル。
  5. 前記底版は凹溝を備え、この凹溝内に前記底版接着面が形成されており、
    コイル接着面と相補的形状を呈する底版接着面の頂部が凹溝の外側へ突出しないように形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のリアクトル。
  6. コイルの底版と反対側の領域は、その平面視でリアクトルコアの軸線に対して傾斜して形成されており、
    ケースは底版から立設する側版をさらに備え、
    コイルはケースの底版の他にこの側版と接着されている請求項1〜5のいずれかに記載のリアクトル。
  7. コイルの底版と反対側の領域は、屈曲部を介して2以上の方向に傾斜して形成されている請求項6に記載のリアクトル。
  8. リアクトルコアの断面形状が、底版側に長辺を有する台形もしくは底版側に頂部を有する三角形のいずれか一種からなる請求項1〜7のいずれかに記載のリアクトル。
  9. コイルが絶縁性と放熱性を有する接着剤を介してケースに接着されている請求項1〜8のいずれかに記載のリアクトル。
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