JP2013232476A - リアクトルの放熱構造 - Google Patents
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【課題】本発明は、製造やリサイクルが簡単で、放熱性能を高めたリアクトルの放熱構造を提供することを目的とする。
【解決手段】リアクトル12は、一面14と他面16とを有する取り付け板18、取り付け板18に固定されたコア20、およびコア20に巻き付けられた巻線22を備える。本発明のリアクトルの放熱構造10は、伝熱シート24、伝熱シート24を巻線22に押さえつける押さえ部材26、および放熱をおこなうための放熱器28を備える。巻線22から放熱器28まで伝熱シート24で伝熱させ、巻線22を冷却する。
【選択図】図1
【解決手段】リアクトル12は、一面14と他面16とを有する取り付け板18、取り付け板18に固定されたコア20、およびコア20に巻き付けられた巻線22を備える。本発明のリアクトルの放熱構造10は、伝熱シート24、伝熱シート24を巻線22に押さえつける押さえ部材26、および放熱をおこなうための放熱器28を備える。巻線22から放熱器28まで伝熱シート24で伝熱させ、巻線22を冷却する。
【選択図】図1
Description
本発明は、リアクトルを放熱させるためのリアクトルの放熱構造に関するものである。
従来、空気調和機のインバータなどにおいて、力率改善や高調波電流抑制のために、リアクトルが用いられている。図7に示すリアクトル12は、取り付け板18、取り付け板18に溶接固定された磁性材料のコア20、およびコア20に電線を巻き付けて構成した巻線22を備える。取り付け板18は放熱器28や筐体にネジ36などで固定される。
リアクトル12は、インバータの主回路に直列に接続される。リアクトル12に大電流が流れたとき、巻線22の損失(銅損)による発熱が大きく、温度上昇を抑えるための放熱対策が必要になる。(1)自然対流による空冷、(2)リアクトル12を樹脂封止して、樹脂から外部に伝熱させる放熱(下記特許文献1〜3)、(3)金属やヒートパイプなどの伝熱部材70を巻線22に接触させ、外部に伝熱させる放熱(下記特許文献4〜6)、(4)コア20を放熱器28に密着させる放熱(下記特許文献7)が挙げられる。
上記(1)は、リアクトル12の表面積を大きくする必要があり、リアクトル12が大型化する。リアクトル12の大型化によって、リアクトル12を含む製品の小型化の妨げとなる。
上記(2)は、樹脂封止に時間が掛かり、生産効率を悪化させる。また、リアクトル12をリサイクルする際に樹脂をはがす必要があり、リサイクルが難しくなる。
上記(3)は、巻線22の表面は凹凸になっており、巻線22と伝熱部材との間に隙間が生じる。伝熱性能を高めるためには、隙間にグリスなどを充填する必要があり、生産工程が多くなる。図7に示すような断面L字型であり、かつ金属などの硬直な伝熱部材70は、どこかに撓む部分を作らなければ、L字型の2方向の部分を同時に密着させることが難しい。
上記(4)は、空気調和機では巻線22の損失が大きく、コア20から放熱をおこなうよりも巻線22から放熱することが求められる。
本発明は、製造やリサイクルなどが簡単で、放熱性能を高めたリアクトルの放熱構造を提供することを目的とする。
リアクトルは、一面と他面とを有する取り付け板と、前記取り付け板の一面に固定された磁性体のコアと、前記コアに巻き付けられた巻線とを備える。リアクトルの放熱構造は、前記巻線から取り付け板の他面に配置された伝熱シートと、前記伝熱シートを巻線に押さえつける押さえ部材と、前記取り付け板とで伝熱シートを挟み込む放熱器とを備える。
リアクトルの巻線の側部に対して、押さえ部材が伝熱シートを押さえつける。さらに、取り付け板と放熱器とで伝熱シートが挟み込まれている。巻線から伝熱シートを介して放熱器に伝熱される。
前記伝熱シートと押さえ部材との間に挟まれ、かつ伝熱シートに接しながら放熱器までに配置され、金属板で構成される伝熱向上板を備える。伝熱向上板が伝熱シートに接することによって、巻線から放熱器までの全体の熱抵抗が下げられる。
前記押さえ部材が、板状またはベルト状である。板状またはベルト状の押さえ部材が、伝熱シートを巻線に押さえつける。
前記伝熱シートが、柔軟性の部材を含む。伝熱シートが柔軟性を有することによって、巻線の凹凸に入り込んで、密着する。
本発明は、巻線から放熱器まで伝熱シートによって伝熱している。伝熱シートを巻線に押さえつけることによって、伝熱シートが巻線に密着する。さらに伝熱シートが取り付け板と放熱器に挟み込まれるため、伝熱シートが放熱器に密着する。巻線から放熱器に効率良く伝熱できる。伝熱シートに伝熱向上板が接するため、巻線から放熱器までの熱抵抗が下がり、放熱効率が良くなる。樹脂封止をおこなわないため、製造やリサイクルも簡単である。
本発明のリアクトルの放熱構造について図面を用いて説明する。図面は模式的に示しており、実際の大きさとは異なる場合がある。リアクトルは各実施例で共通である。
リアクトル12は、一面14と他面16とを有する取り付け板18、取り付け板18に固定されたコア20、およびコア20に巻き付けられた巻線22を備える(図1)。たとえば、リアクトル12は空気調和機のインバータに接続される。
取り付け板18は、鋼板などの金属製の板を使用することができる。磁性体のコア20は取り付け板18の一面14に溶接によって固定される。図1のコア20はEIコアであるが、コア20の種類は限定されない。巻線22は、電線をコア20に巻き回して構成され、巻線22の端部がインバータの主回路などの他の回路に接続される。巻線22の表面は、電線によって凹凸を有する。
図1に示す本発明のリアクトル12の放熱構造10は、伝熱シート24、伝熱シート24を巻線22に押さえつける押さえ部材26、および放熱器28を備える。
伝熱シート24は、絶縁性および高熱伝導性を有するシートである。そのために、絶縁性のシートに熱伝導性の高い粒子または粉体を均一に混合させて伝熱シート24を形成する。絶縁性のシートとして、シリコーンゴム、ポリイソブチレンゴム、またはアクリルゴムよりなるシートが挙げられる。熱伝導性の粒子または粉体として、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、シリカ、またはマイカなどの粒子または粉体が挙げられる。これらの材料よりなる伝熱シート24は、絶縁性および高熱伝導性に加えて、柔軟で弾力も有する。
伝熱シート24は巻線22の側部に押さえつけられる。巻線22は巻き数や巻き方に応じてコーナーに丸みがある。伝熱シート24を押さえ部材26で押さえつけたときに、丸みに合わせて伝熱シート24が変形する厚みであってもよい。また、巻線22は電線を巻いて形成するため、表面に凹凸が生じる。伝熱シート24は、巻線22の凹凸に合わせて変形される。伝熱シート24は、巻線22の側部に隙間を埋めるようにして密着される。
伝熱シート24は、巻線22の側部から取り付け板18の他面16に配置される(図2)。伝熱シート24における他面16に配置された部分は、取り付け板18と放熱器28とで挟み込まれる。巻線22から伝熱シート24を介して放熱器28に熱が伝わる。
押さえ部材26は板状であり、伝熱シート24を巻線22へ押さえつける。伝熱シート24は、コア20を中心として対称な位置に配置されている。押さえ部材26が、リアクトル12の両側から、それぞれの伝熱シート24を押さえつける。押さえ部材26の幅は、コア22の幅よりも大きくし、後述する固定部材30がコア22に接触しないようにする。
押さえ部材26の位置を固定するために、ボルトとナットなどの固定部材30を使用する。2つの押さえ部材26の側部に同一の固定部材30が取り付けられる。固定部材30によって、押さえ部材26が伝熱シート24を介してリアクトル12を挟み込むようにして力をかけ、伝熱シート24を巻線22に押さえつける。固定部材30とコア20との絶縁が保たれるように、固定部材30とコア20とに隙間を設けたり、固定部材30を絶縁体の材質で構成する。
上記のように、実際の巻線22のコーナーには、丸みがある。押さえ部材26は、巻線22のコーナーの丸みに合わせて湾曲させた板であっても良い。
リアクトル12が空気調和機に用いられる場合、放熱器28はヒートシンクや冷媒の通過する配管を取り付けた冷媒ジャケットが挙げられる。放熱器28におけるリアクトル12のある側の面32は平面になっている。放熱器28におけるリアクトル12の反対側の面34にヒートシンクを設けても良い。取り付け板18および放熱器28にネジ締結用の穴を設けて、放熱器28に取り付け板14をネジ36で取り付ける。放熱器28に伝熱シート24が密着されるように、取り付け板18と放熱器28とで伝熱シート24を挟み込む。伝熱シート24から放熱器28に効率よく伝熱される。
以上のように、本発明は巻線22から放熱器28まで伝熱シート24で伝熱させ、巻線22を冷却している。巻線22および放熱器28に伝熱シート24が密着しており、放熱性能が高い。従来に比べて、巻線22から放熱器28までの熱抵抗が低下されている。空気調和機に使用した場合に巻線22の損失による発熱が大きいが、放熱性能が高い。樹脂で封止していないため、リアクトル12のリサイクルも容易である。
本発明は上記の実施例に限定されず、巻線22から放熱器28までの熱抵抗をさらに低下させる構成であっても良い。図3に示すリアクトル12の放熱構造40は、伝熱シート24と押さえ部材26に挟まれる伝熱向上板42を備える。伝熱向上板42は、リアクトル12の高さ方向において、押さえ部材26のある位置から放熱器28まで配置される。押さえ部材26は、伝熱シート24と共に伝熱向上板42を巻線22の方へ押さえつける。押さえ部材26のある位置で、伝熱シート24と伝熱向上板42が密着される。押さえ部材26の無い位置において、伝熱シート24と伝熱向上板42を接着剤などで接触させる。伝熱向上板42は金属板などであり、伝熱シート24よりも熱伝導率が高い。伝熱向上板42によって、巻線22の側部から放熱器28までの熱抵抗が低下し、伝熱性能が高められる。
また、図4に示すリアクトル12の放熱構造50のように、伝熱向上板42の代わりに、押さえ部材52が放熱器28の付近まで配置されても良い。巻線22の無い位置では、伝熱シート24と押さえ部材52とが接する。押さえ部材52を金属などの熱伝導性の良い材料で構成する。押さえ部材52によって、巻線22の側部から放熱器28までの熱抵抗を下げている。
押さえ部材26は板状であったが、ベルト状であっても良い。ベルト状になった押さえ部材26の幅は巻線22の側部を覆う幅にする。ベルト状の押さえ部材26が、リアクトル12の周囲を一周して絞り、伝熱シート24を巻線22に押さえつける。また、ベルト状になった押さえ部材26が弾性材料からなっている場合、押さえ部材26が収縮する力で伝熱シート24を巻線に押さえつける。
上記の実施例は取り付け板18がリアクトル12の大きさとほぼ同じであるため、伝熱シート24が取り付け板18の側部を通過できた。取り付け板18がリアクトル12に比べて大きくなる場合、図5のリアクトル12の放熱構造60のように、取り付け板18に開口部62を設けても良い。伝熱シート24が開口部62を通過する。伝熱シート24を巻線22の側部から取り付け板18の他面16まで配置できる。
取り付け板18の大きさによっては、開口部62の代わりに、取り付け板18の側部に切り欠き(凹部)64を設けても良い(図6)。伝熱シート24は切り欠き64を通過する。
押さえ部材26にヒートシンクを設けたりして、押さえ部材26での空冷による放熱機能を追加しても良い。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
10、40、50、60:リアクトルの放熱構造
12:リアクトル
14:一面
16:他面
18:取り付け板
20:コア
22:巻線
24:伝熱シート
26、52:押さえ部材
28:放熱器
30:固定部材
32:放熱器におけるリアクトルのある側の面
34:放熱器におけるリアクトルの反対側の面
36:ネジ
42:伝熱向上板
62:開口部
64:切り欠き(凹部)
12:リアクトル
14:一面
16:他面
18:取り付け板
20:コア
22:巻線
24:伝熱シート
26、52:押さえ部材
28:放熱器
30:固定部材
32:放熱器におけるリアクトルのある側の面
34:放熱器におけるリアクトルの反対側の面
36:ネジ
42:伝熱向上板
62:開口部
64:切り欠き(凹部)
Claims (4)
- 一面と他面とを有する取り付け板と、
前記取り付け板の一面に固定された磁性体のコアと、
前記コアに巻き付けられた巻線と、
を備えたリアクトルの放熱構造であって、
前記巻線から取り付け板の他面に配置された伝熱シートと、
前記伝熱シートを巻線に押さえつける押さえ部材と、
前記取り付け板とで伝熱シートを挟み込む放熱器と、
を備えたリアクトルの放熱構造。 - 前記伝熱シートと押さえ部材との間に挟まれ、かつ伝熱シートに接しながら放熱器までに配置され、金属板で構成される伝熱向上板を備えた請求項1のリアクトルの放熱構造。
- 前記押さえ部材が、板状またはベルト状である請求項1または2のリアクトルの放熱構造。
- 前記伝熱シートが、柔軟性の部材を含む請求項1から3のいずれかのリアクトルの放熱構造。
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---|---|---|---|
JP2012103019A JP2013232476A (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | リアクトルの放熱構造 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013239602A (ja) * | 2012-05-16 | 2013-11-28 | Daikin Ind Ltd | リアクトルの放熱構造 |
JP2020181838A (ja) * | 2019-04-23 | 2020-11-05 | 新電元工業株式会社 | 巻線ユニット |
US11168901B2 (en) | 2017-03-28 | 2021-11-09 | Mitsubishi Electric Corporation | Refrigeration cycle apparatus |
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2012
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US11168901B2 (en) | 2017-03-28 | 2021-11-09 | Mitsubishi Electric Corporation | Refrigeration cycle apparatus |
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JP7349810B2 (ja) | 2019-04-23 | 2023-09-25 | 新電元工業株式会社 | 巻線ユニット |
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