JP5237056B2 - ドア取り外しシステムおよびドア取り外し方法 - Google Patents
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Description
ここで、ドアをボディから取り外すラインでは、例えば、ボディの両側に位置しナットランナを備えた2台の第1ロボットと、ボディの両側に位置しドアを把持する2台の第2ロボットと、を備えるドア取り外し装置が用いられる(特許文献1参照)。このドア取り外し装置では、ドアを開いた状態で、第1ロボットのナットランナでボルト緩めてドアとボディとの連結を解除し、その後、第2ロボットでドアを把持して、ドアを搬送する。
図1は、本発明の一実施形態に係るドア取り外しシステム1の斜視図である。
ドア取り外しシステム1は、自動車のボディ10にボルト12で仮固定されたドア11を、このボディ10から取り外すものである。このドア取り外しシステム1は、ドア11を上下から挟持する双腕ロボット20と、ボルト12を取り外す単腕ロボット30と、これらを制御する制御手段としての制御装置40(図4参照)と、を備える。
一対のヒンジ部材13、14は、それぞれ、ボディ10に固定されるとともに、1本のボルト12でドア11の長さ方向一端側の端面に仮固定されている。
このドア11は、インナパネル15とアウタパネル16とを接合して形成される。
インナパネル15は、略平板矩形状のパネル本体151と、このパネル本体151の上端に設けられた略コの字形状のフレーム部152と、を備える。フレーム部152とパネル本体151の上辺とで囲まれた領域は、図示しない窓ガラスが露出する開口となっている。
アウタパネル16は、インナパネル15のパネル本体151の外側に取り付けられる。アウタパネル16の上辺とインナパネル15のパネル本体151の上辺との間には、窓ガラスを収容するための隙間が形成されている。
マニピュレータ22A、22Bは、7軸であり、ロボット本体21に軸支されるアーム23A、23Bと、これらアーム23A、23Bの先端フランジ面24A、24Bに軸支された第1把持治具50および第2把持治具60と、を備える。
このスライド部211には、この旋回軸213に作用するトルクを検出するトルクセンサ214が設けられている。トルクセンサ214は、具体的には、旋回軸213に作用するトルクを検出する。
アーム23Aの第1腕部231の回転軸216と、アーム23Bの第1腕部231の回転軸216とは、同一直線上に位置している。
第3腕部233は、略直線状に延出しており、第2腕部232に軸支される。第2腕部232は、図示しない駆動機構により、第2腕部232の延出方向を回転中心として、第3腕部233を回転させる。
第5腕部235は、略直線状に延出しており、第4腕部234に軸支される。第4腕部234は、図示しない駆動機構により、第4腕部234の延出方向を回転中心として、第5腕部235を回転させる。
第1把持治具50は、アーム23Aの先端フランジ面24Aに取り付けられた支持部51と、この支持部51に支持される略コの字形状の係止部52と、図示しないレーザ測定装置と、を備える。
ドア開けピン55は、第2フレーム532に設けられ、第2緩衝部542の表面から突出している。
第2把持治具60は、アーム23Bの先端フランジ面24Bに取り付けられた支持部61と、この支持部61の両端側に支持された互いに略平行な一対の略L字形状の係止部62と、を備える。
この係止部62は、それぞれ、第1把持治具50の係止部52と同様の構成であるが、ドア開けピンが設けられていない点が異なる。
マニピュレータ32は、7軸であり、ロボット本体31に設けられたアーム33と、このアーム33の先端にナットランナ支持具70を介して支持されたナットランナ71と、を備える。
単腕ロボット30のロボット本体31およびアーム33は、双腕ロボット20のロボット本体31およびアーム23A、23Bと同様の構成であるが、単腕ロボット30のスライド部211は、図1中矢印A方向にのみスライド可能である点が、双腕ロボット20のスライド部211と異なる。
ナットランナ71は、ソケット711と、このソケット711を回転駆動する回転手段としてのナットランナ本体712と、を有する。
ソケット711は、ナットランナ本体712の先端側に設けられ、ソケット711の回転軸Cは、ナットランナ本体712の延出方向に交差している。
4つのボルト723は、本体721に螺合されており、軸部733を中心として環状に配置されている。
上述のように、フレーム73は、中心軸Rを回転中心として基部72に対して回転可能である。しかしながら、基部72のボルト723がフレーム73の収容部734に収容されているので、フレーム73の基部72に対する回転は、ボルト723により規制される。
ナットランナ71のソケット711の回転軸Cは、先端フランジ面35の中心軸Rと平行であるので、ソケット711は、アーム33の先端フランジ面35に対して僅かに回転することになる。
制御装置40は、双腕ロボット20のマニピュレータ22Aでドア11を開けるドア開け部41と、双腕ロボット20のマニピュレータ22A、22Bでドア11を上下から挟持するドア挟持部42と、単腕ロボット30でボルト12を取り外すボルト取り外し部43と、双腕ロボット20でドア11を搬送するドア搬送部44と、を備える。
まず、ナットランナ71のソケット711をボルト12に嵌合し、図示しない力覚センサにより、ボルト12とソケット711との嵌合を検出する。次に、ナットランナ71を駆動して、ボルト12を緩める方向にソケット711を所定回転数だけ回転させる。
次に、ボルト取り外し部43により、ボルト12の回転によるソケット711の後退距離を算出し、この算出した後退距離が所定距離以上である場合には、ボルト12が外れたと判定する。ここで、所定距離とは、ボルト12の首部に形成されたねじ山数に基づいて算出され、ボルトを締付けた状態からボルトを完全に取り外した状態に至るまでの距離である。
具体的には、マニピュレータ22Bについて回転軸216以外の回転軸をロックしておき、荷重センサ215Bにより、マニピュレータ22Bの回転軸216を駆動するモータに作用するトルクを検出する。なお、本実施形態では、荷重センサ215Bにより回転軸216に作用するトルクを検出したが、これに限らず、回転軸216を駆動するモータの電流値に基づいて、この回転軸216に作用するトルクを算出してもよい。
そして、この検出した荷重が所定値以上である場合にのみ、ロボット本体21の旋回軸213の旋回を開始して、一対のマニピュレータ22A、22Bでドア11の搬送を開始する。
まず、ボディ10がライン上を搬送され、ドア取り外しシステム1に供給される。この状態では、ドア11は閉じた状態である。
ST11では、単腕ロボット30のスライド部211をスライドさせて、ドア11の開閉範囲の外側にマニピュレータ32を移動させ、ST12では、この単腕ロボット30を待機させる。
ST1では、双腕ロボット20のスライド部211をスライドさせて、ドア11を把持する位置にマニピュレータ22A、22Bを移動させる。
ST2では、双腕ロボット20の第1マニピュレータ22Aに設けられた図示しないレーザ測定装置により、ドア11の位置を測定する。
具体的には、図6に示すように、第1マニピュレータ22Aを駆動して、第1把持治具50のドア開けピン55を、ドア11のアウタパネル16の上辺とインナパネル15のパネル本体151の上辺との隙間に挿入するとともに、係止部52の第3緩衝部543をインナパネル15のパネル本体151の上辺に係止させて、このドア11をボディ10の外側に向かって引く。すると、ドア11が開いて、ドア11の下辺が露出する。
具体的には、図7に示すように、第2マニピュレータ22Bを駆動して、第2把持治具60の係止部62の第3緩衝部543をドア11の下辺に係止させるとともに、係止部62の第2緩衝部542でドア11の下辺を支持する。この状態では、第1把持治具50の緩衝部54と、第2把持治具60の緩衝部54とは、ドア11を上下に挟んで互いに対向した状態である。この状態から、第1把持治具50と第2把持治具60とを接近させることで、第1マニピュレータ22Aおよび第2マニピュレータ22Bによりドア11を挟持する。
ここで、双腕ロボット20の旋回動作を開始する際、まず、荷重センサ215Bにより第2マニピュレータ22Bに作用する荷重を検出するとともに、トルクセンサ214により旋回軸213に作用するトルクを検出する。検出した荷重が所定値以上であり、かつ、検出したトルクが所定値未満である場合にのみ、双腕ロボット20を旋回させる。
(1)ソケット711をボルト12に嵌合して、ナットランナ本体712によりボルト12を緩める方向にソケット711を所定回転数だけ回転させる。次に、ボルト12の回転によるソケット711の後退距離xをエンコーダ34により測定し、この測定した後退距離xが所定距離以上である場合には、ボルト12が外れたと判定する。このようにボルト12の回転による後退距離xに基づいて、ボルト12が外れたか否かを判定したので、ドア11とボディ10との連結を確実に解除でき、ドア11をボディ10から確実に取り外しできる。
10 ボディ
11 ドア
12 ボルト
20 双腕ロボット
40 制御装置(制御手段)
71 ナットランナ
711 ソケット
712 ナットランナ本体(回転手段)
34 エンコーダ(移動距離検出手段)
Claims (2)
- 自動車のボディにボルトで固定されたドアを、当該ボディから取り外すドア取り外しシステムであって、
前記ドアを把持して搬送可能な第1ロボットと、
前記ボルトを取り外す第2ロボットと、
前記第1ロボットおよび前記第2ロボットを制御する制御手段と、を備え、
前記第2ロボットは、
多関節腕部と、
前記多関節腕部の先端に設けられ、前記ボルトに嵌合可能なソケットおよび当該ソケットを回転させる回転手段を有するナットランナと、
前記多関節腕部に対する前記ナットランナの成す角度から、前記ボルトの軸方向に沿った前記ソケットの移動距離を検出する移動距離検出手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第1ロボットにより前記ドアを把持し、前記ソケットを前記ボルトに嵌合して、前記回転手段により前記ボルトを緩める方向に当該ソケットを所定回転数だけ回転させ、前記ボルトの回転による前記ソケットの後退距離を前記移動距離検出手段により測定し、当該測定した後退距離が所定距離以上である場合には、前記ボルトが外れたと判定することを特徴とするドア取り外しシステム。 - ドアを把持して搬送可能な第1ロボット、および先端部にボルトに嵌合可能なソケットと当該ソケットを回転させる回転手段とを有するナットランナを備える第2ロボットにより、自動車のボディにボルトで固定されたドアを、当該ボディから取り外すドア取り外し方法であって、
前記第1ロボットにより前記ドアを把持する手順と、
前記ソケットを前記ボルトに嵌合する手順と、
前記ボルトを緩める方向に当該ソケットを所定回転数だけ回転させる手順と、
前記ボルトの回転による前記ソケットの後退距離を、前記第2ロボットを構成する多関節腕部に対する前記ナットランナの成す角度から測定する手順と、
当該測定した後退距離が所定距離以上である場合には、前記ボルトが外れたと判定する手順と、を備えることを特徴とするドア取り外し方法。
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