JP5236553B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents
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Description
このため、本願発明者は、スピンチャックの側方に円環状の規制部材を設け、この規制部材によってウエハの上面にエッチング液の液膜を保持することを検討している。具体的には、規制部材はウエハの側方を取り囲む円環状に形成されており、その内周面には、ウエハの周端面に対向する円筒状の規制面が形成されている。この規制面の上端の高さはウエハの上面よりも少し高く設定されている。このため、ウエハの上面に供給されたエッチング液は、規制面によってウエハの上面からのエッチング液の流出が規制されて、ウエハの上面上に留まる。これにより、ウエハの上面にエッチング液の液膜が保持される。このエッチング液の液膜の厚みは、規制面の上端の高さとウエハの上面との間の間隔によって規定される。
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)の下面を支持して基板を水平姿勢に保持する基板保持部材(10;205;309)と、前記基板保持部材に保持された基板の上面にエッチング液を供給するエッチング液供給手段(4)と、前記基板保持部材に保持された基板の周端面と対向し、基板の上面からのエッチング液の流出を規制するための筒状の規制面(27;221;317)を有する規制部材(6;201;311)と、前記基板保持部材に保持された基板の下面と前記規制部材とを相対的に昇降させる昇降機構(20;230;322)と、前記規制部材の前記規制面の上端に対して前記基板保持部材が相対的に上昇するように前記昇降機構を制御する昇降制御手段(61;261;361)とを含み、前記昇降制御手段が、前記基板保持部材に保持される基板の上面からのエッチングの進行に伴って、前記規制部材の前記規制面の上端に対して前記基板保持部材が相対的に上昇するように、前記昇降機構を制御する制御手段(61;261;361)を含む、基板処理装置(1;200;300,400)である。
この発明によれば、基板の上面にエッチング液の液膜が形成される。この液膜の厚みは、規制面の上端と基板の上面との間の間隔によって規定される。また、基板保持部材が規制面の上端に対して相対的に上昇させられる。
請求項2記載の発明は、前記昇降機構が、前記基板保持部材を昇降させる基板保持部材昇降機構(20)を備える、請求項1記載の基板処理装置である。
請求項3記載の発明は、前記昇降機構が、前記規制部材を昇降させる規制部材昇降機構(230)を備える、請求項1または2項に記載の基板処理装置である。
請求項4記載の発明は、前記基板保持部材が、ベース(303)と、前記ベース上に設けられ、基板の下面を支持する収縮可能な支持部材(325)と、前記ベースと基板の下面との間の空間を減圧する減圧手段(320,323)とを含み、前記昇降機構が、前記減圧手段による減圧量を調整する減圧調整手段(322)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
そして、エッチングの進行に伴ってベースと基板との間の空間における減圧量が小さく(圧が高く)されることにより、基板の上面と規制面の上端との間の間隔を小さく保つことができる。これにより、基板の上面に形成されるエッチング液の液膜の厚みを小さく保つことができる。
この発明によれば、基板の上面に形成されるエッチング液の液膜の厚みが液膜厚検出手段によって検出される。そして、その液膜の厚みに基づいて、基板の上面と規制面の上端との間の間隔が調整される。これにより、基板の上面に形成されるエッチング液の液膜の厚みを、より正確に制御することができる。
ふっ酸硝酸混合液が、シリコン基板の上面に供給されることにより、上面の表層部のシリコン材料がエッチング除去される。このため、エッチングの進行に伴い、基板の上面が下がる。基板の上面が下がると、基板の上面と規制面の上端との間の間隔が拡大し、基板の上面に形成されるふっ酸硝酸混合液の液膜が厚くなるおそれがある。
したがって、エッチングの進行に伴って基板の厚みが減少しても、基板保持部材に保持される基板の上面と規制面の上端との間の間隔を、小さく保つことできる。そのため、基板の上面に形成されるエッチング液の液膜の厚み(液溜めの深さ)を小さく保つことで、エッチング液の温度低下を抑制できるため、エッチングレートの低下を抑制できる。これにより、エッチング処理に要する時間を短縮することができ、スループットの向上を図ることができる。
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る基板処理装置1の構成を模式的に示す断面図である。図2は、基板処理装置1の構成を模式的に示す平面図である。
基板処理装置1は、たとえばシリコンウエハからなる円形のウエハWにおけるデバイス形成領域側の表面とは反対側の裏面(上面)に対して、ウエハWのシンニング(薄化)のためのエッチング処理を施すための枚葉式の装置である。この実施形態では、エッチング液として、たとえばふっ酸硝酸混合液(以下、「ふっ硝酸」という。)が用いられる。
スピン軸8は中空の円筒状に形成されており、その上下方向の途中部には、フランジ部材11がこのスピン軸8と同軸に固定されている。フランジ部材11は有底のものであり、その底壁12の中央部には底壁12の上下面を貫通する貫通孔13が形成されている。フランジ部材11の開口部が上方に向いた状態(すなわち、フランジ部材11の円筒が鉛直方向に延びた状態)で、貫通孔13にスピン軸8が挿通されている。
昇降軸9には、水平に延びる円板状の昇降板15が外嵌固定されている。昇降板15には、その外周部に軸受16の内輪が固定されている。軸受16の外輪には、ボールねじ機構17のボールナット22が固定されている。ボールねじ機構17のねじ軸18は、鉛直方向に沿って配置されている。このねじ軸18は、後述するカバー部材33などの周辺部材に固定的に配置されている。すなわち、ボールねじ機構17によって昇降軸9が保持されている。
なお、外周リング部材6と固定板32とを連結する構成は、複数本の支持ピン30に限られず、たとえば、円筒形状の支持部材を採用することもできる。
吸着ベース10の上面上には、ウエハWの変形を防止するための変形防止プレート39が配置されている。変形防止プレート39は、略円盤状に形成されており、吸着ベース10の上方の領域のうち、周縁領域およびリフトプッシャ37が配置される領域を除く領域に配置されている。変形防止プレート39の上面には、吸着ベース10の中心を中心とする多重(たとえば15重)の円環溝41(図6(a)および図6(b)参照)が形成されている。変形防止プレート39の上面高さは、ウエハWを保持したときのシール部材40の上端よりも若干低くなるように設定されている。
スリットノズル4は、所定の水平方向に沿う直方体状の外形を有した本体50を備えている。本体50の下面には、水平方向に沿って直線状に開口するスリット吐出口51が形成されている。スリット吐出口51の長さ(長手方向の大きさ)は、ウエハWの直径よりも大きい。スリット吐出口51は、本体50の長手方向に沿う帯状にふっ硝酸を吐出する。
DIWノズル5は、たとえば連続流の状態でDIWを吐出するストレートノズルであり、スピンチャック3の上方で、その吐出口をウエハWの中央部に向けて配置されている。このDIWノズル5には、DIW供給管59が接続されており、DIW供給源からのDIWがDIW供給管59を通して供給されるようになっている。DIW供給管59の途中部には、DIWノズル5へのDIWの供給および供給停止を切り換えるためのDIWバルブ60が介装されている。
制御装置61には、スピンモータ7、ノズルアーム揺動駆動機構56、真空発生装置44、ふっ硝酸バルブ58、DIWバルブ60、吸引バルブ45、ベース昇降用モータ20およびリフトプッシャ昇降駆動機構38が制御対象として接続されている。
図4は、基板処理装置1における処理の一例を示す工程図である。図5は、ふっ硝酸処理の処理時間と吸着ベース10の上昇量との関係を示すグラフである。図6は、図4の処理に含まれるふっ硝酸処理を説明するための断面図である。
このウエハWとガラス基板Sとの貼り合わせは、作業者の手作業によって行われ、その後、ウエハWおよびガラス基板Sに紫外線が照射されることにより、ウエハWとガラス基板Sとの間に介在する接着剤が硬化して、ウエハWとガラス基板Sとが強固に接合される。特許請求の範囲における「基板」という語は、ウエハWと、ウエハWに接合されたガラス基板Sとを含めたものを指す趣旨である。
ウエハWの処理に際して、未処理のウエハWが、搬送ロボット(図示しない)によって処理室2内に搬入される。具体的には、突出位置にあるリフトプッシャ37上にウエハWが載置される。その後、制御装置61は、リフトプッシャ昇降駆動機構38を駆動して、リフトプッシャ37を退避位置まで下降させる。これにより、吸着ベース10にウエハWが受け渡される(ステップS1)。
この状態で、制御装置61は、ベース昇降用モータ20を制御して、吸着ベース10の高さを調節する。吸着ベース10の高さ位置の調節は、基板厚計測装置80により計測されたウエハWの厚みに基づいて行われる。この吸着ベース10の高さ位置の調節によって、処理室2に搬入されるウエハWの個体差によらずに、ウエハWの上面とリング上面28との間の間隔を予め定める間隔に設定することができる。
スリットノズル4がウエハWの上方に到達すると、制御装置61は、ふっ硝酸バルブ58を開き、スリット吐出口51から、帯状のプロファイルでふっ硝酸を吐出する(S2:ふっ硝酸処理)。また、制御装置61は、ノズルアーム揺動駆動機構56を駆動して、スリットノズル4を、外周リング部材6の上方領域外にある第1スキャン位置P1(図2にて実線で図示)と、スピンチャック3の上方領域外にある第2スキャン位置P2(図2にて二点鎖線で図示)との間を、往復揺動(往復スキャン)させる。
ふっ硝酸処理開始後、制御装置61は、処理時間の経過に従って、ベース昇降用モータ20を制御して、吸着ベース10を上昇させる。この吸着ベース10の上昇は、ウエハWの上面とリング上面28との間の間隔が一定範囲内に保たれるように行われる。
所定の処理時間(たとえば30分間)の経過後、制御装置61は、ふっ硝酸バルブ58を閉じ、スリットノズル4からのふっ硝酸の吐出を停止する。また、制御装置61は、ノズルアーム揺動駆動機構56を駆動して、スリットノズル4をスピンチャック3の側方の退避位置に退避させる。
制御装置61は、さらにスピンモータ7を制御して、吸着ベース10および外周リング部材6の回転速度を所定の乾燥回転速度(2500rpm程度)に加速する。これによって、ウエハWの上面のDIWが遠心力によって振り切られ、ウエハWがスピンドライ処理される(ステップS4)。
次いで、制御装置61は、リフトプッシャ昇降駆動機構38を駆動して、リフトプッシャ37を突出位置まで上昇させる。これにより、処理済みのウエハWが、外周リング部材6から上方に離脱される。
以上によりこの実施形態によれば、ふっ硝酸処理では、エッチングの進行に伴って、吸着ベース10が上昇させられる。したがって、ウエハWの上面とリング上面28との間の間隔を、エッチングの進行によらずに一定範囲内に保つことできる。このため、ウエハWの上面に形成されるふっ硝酸の液膜の厚みを、ふっ硝酸処理の全期間を通じて一定範囲内に保つことができる。これにより、ふっ硝酸処理の全期間を通じて均一なレートの処理をウエハWに施すことができる。その結果、エッチングレートの変動を抑制できるので、エッチング量を正確に制御することができる。
図7は、この発明の他の実施形態(第2実施形態)に係る基板処理装置200の構成を示す図解的な断面図である。この第2実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
この基板処理装置200は、隔壁(図示せず)により区画された処理室2内に、ウエハWをほぼ水平姿勢に保持しつつウエハWの中心を通る鉛直軸線まわりに回転させるための基板保持機構202を備えている。
吸着ベース205の上面の周縁領域には、円環状のシール部材210(図7では図示しない。図9参照)が、吸着ベース205の周縁に沿って配置されている。
吸着ベース205の中央には、吸引用の吸引ノズル211が配置されている。吸引ノズル211の先端部(上端部)は、吸着ベース205の上面に開口する吸引口を有している。吸引ノズル211からは、鉛直下方に向けて吸引管212が延びている。吸引管212は、吸引管212を開閉するための吸引バルブ213を介して真空発生装置214に接続されている。
制御装置261には、スピンモータ203、ノズルアーム揺動駆動機構56、真空発生装置214、ふっ硝酸バルブ58、DIWバルブ60、吸引バルブ213、リングピン昇降用モータ230およびリフトピン昇降用モータ248が制御対象として接続されている。また、制御装置261には、基板厚計測装置80からの出力信号が入力されるようになっている。
ウエハWの処理に際して、ガラス基板Sに接合された未処理のウエハWが、搬送ロボットによって処理室2内に搬入され、突出位置にある複数本のリフトピン240上にウエハWが載置される。その後、制御装置261は、リフトピン昇降用モータ248を駆動して、リフトピン240を退避位置まで下降させる。これにより、吸着ベース205にウエハWが受け渡される(図4のステップS1に相当)。
図9は、基板処理装置200におけるふっ硝酸処理を説明するための断面図である。
かかるふっ硝酸処理(図4のステップS2に相当)では、制御装置261は、処理時間の経過に従って、リングピン昇降用モータ230を制御して、外周リング部材201を下降させる。この外周リング部材201の下降は、ウエハWの上面とリング上面222との間の間隔を一定範囲内に保つことができる。
したがって、ウエハWの上面とリング上面222との間の間隔を、エッチングの進行によらずに一定範囲内に保つことできる。このため、ウエハWの上面に形成されるふっ硝酸の液膜の厚みを、処理の全期間を通じて一定範囲内に保つことができる。これにより、ふっ硝酸処理の全期間を通じて均一なレートの処理をウエハWに施すことができる。その結果、エッチングレートの変動を抑制できるので、エッチング量を正確に制御することができる。
また、リンス処理(図4のステップS3に相当)に先立って、制御装置261は、リフトピン昇降用モータ248を駆動して、複数本のリフトピン240を突出位置まで上昇させる。そして、ウエハWを外周リング部材201の上方位置で、DIWノズル5からのDIWが供給されて、ウエハWにリンス処理が施される。また、DIWノズル5からのDIWが、吸着ベース205上にも供給される。これにより、吸着ベース205上や外周リング部材201の円筒面221に付着したふっ硝酸が洗い流される。
次いで、制御装置261は、リフトピン昇降用モータ248を駆動して、リフトピン240を突出位置まで上昇させる。これにより、処理済みのウエハWが、外周リング部材201から上方に離脱されて、搬送ロボットによって処理室2から搬出される(図4のステップS5に相当)。
この基板処理装置300は、隔壁(図示せず)により区画された処理室2内に、ウエハWをほぼ水平姿勢に保持しつつウエハWの中心を通る鉛直軸線まわりに回転させるための基板保持機構301を備えている。
スピンモータ302は、たとえば有底円筒状のロータ305を備えている。ロータ305は円筒状の側壁部306と、側壁部306の下端部を接続する水平な下壁部307とを備えている。このロータ305は、鉛直軸線Cまわりに回転可能に設けられている。側壁部306の外周面には磁石が貼り付けられており、側壁部207の外面を取り囲むように配置されるステータ(図示しない)の駆動によって、ロータ305が鉛直軸線Cまわりに回転される。ロータ305の上端縁にスピンベース303が固定されている。このため、ロータ305の回転に伴ってスピンベース303が鉛直軸線Cまわりに回転される。
基板支持部材304は、水平に延びる略円盤状の底壁部(基板保持部材)309と、底壁部309の径方向外方に設けられて、底壁部309に支持されたウエハWの外周を取り囲む円筒状の外周リング部(規制部材)311と、外周リング部311よりも径方向外方に設けられて、スピンベース303に固定される複数の円筒状の固定部312と、底壁部309と各固定部312とを接続する接続部313とを一体的に備えている。固定部312は、複数本のボルト314によってスピンベース303に固定されている。スピンベース303の中央部には、スピンベース303の上下面を貫通する貫通孔315が形成されている。底壁部309の上面と外周リング部311の内周面とで区画される円筒状の収容凹部316内に、ウエハWが収容保持される。外周リング部311は、収容凹部316に収容されるウエハWの外周端を取り囲む。基板支持部材304は、ふっ硝酸に対する耐薬液性を有する樹脂材料、たとえば、塩化ビニル(polyvinyl chloride)によって形成されている。
リング上面318の高さが底壁部309に保持されるウエハWの上面よりも高くなるように設定されている。これにより、円筒面317とウエハWの上面とによって構成される溝部分にふっ硝酸を溜めることができる。このとき、円筒面317は、ウエハWの上面からのふっ硝酸の流出を規制する。これにより、ウエハWの上面にふっ硝酸の液膜が形成される。そして、リング上面318とウエハWの上面との間の間隔によって、ウエハWの上面に形成されるふっ硝酸の液膜の厚みが規定される(図12(a)および図12(b)参照)。
基板保持機構301には、ウエハWを収容凹部316に収容された状態と、収容凹部316から上方に離脱された状態との間で昇降させるための複数本(たとえば、4つ)のリフトピン326が設けられている(図10では、2つのリフトピン326のみ図示)。各リフトピン326は、スピンベース303を上下に貫通して形成された貫通孔350に挿通されて、スピンベース303に対して昇降可能に設けられている。各リフトピン326は、昇降リング330の内側を通過して、その下端が収容空間308内に収容された円環状の昇降リング330の上端に固定されている。
制御装置361には、スピンモータ302、ノズルアーム揺動駆動機構56、真空発生装置323、ふっ硝酸バルブ58、DIWバルブ60、吸引バルブ321、開度調節機構322およびリフトピン用昇降モータ336が制御対象として接続されている。
制御装置361は、メモリに保持されたレシピに従って処理の各工程が実行されるように、制御対象の各部の動作を制御する。
ウエハWの処理に際して、ガラス基板Sに接合された未処理のウエハWが、搬送ロボットによって処理室2内に搬入され、突出位置にある複数本のリフトピン336上にウエハWが載置される。その後、制御装置361は、リフトピン昇降用モータ326を駆動して、リフトピン336を退避位置まで下降させる。これにより、底壁部309にウエハWが受け渡される(図4のステップS1に相当)。
図12は、基板処理装置300におけるふっ硝酸処理を説明するための断面図である。このふっ硝酸処理(図4のステップS2に相当)では、制御装置361は、ウエハWの上面とリング上面318との間の間隔が一定範囲内に保たれるように、開度調節機構322を制御して、底壁部309とガラス基板Sとの間の空間SPの真空度を小さく(圧を高く)する。具体的には、制御装置361のメモリに保持されているレシピには、ふっ硝酸処理の処理時間と、底壁部309とガラス基板Sとの間の空間SPの真空度との関係が規定されている。
制御装置361は、タイマによる計時時間とメモリに保持されているレシピとに基づいて、吸着ベース310を上昇させる。図12(a)は、ふっ硝酸処理の開始直後の状態を表し、図12(b)はふっ硝酸処理の終了直前の状態を表している。図12(a)および図12(b)に示すように、ふっ硝酸処理の結果ウエハWは薄くなるが、シール部材325の厚み方向の大きさを拡大するために、ウエハWの上面に形成されるふっ硝酸の液膜の厚みをほぼ一定に保つことができる。
スピンドライ処理後は、基板支持部材304の回転が停止された後、ウエハWと底壁部309との空間の減圧状態が解除されて、ウエハWの吸着保持が解除される。
図13は、この発明の他の実施形態(第4実施形態)に係る基板処理装置400の構成を示す図解的な断面図である。図14は、基板処理装置400の電気的構成を示すブロック図である。この第4実施形態において、前述の図1〜図6の実施形態(第1実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
図15は、ふっ硝酸処理時に実行される上面高さ調節処理のフローチャートである。
ふっ硝酸処理中(図4のステップS2に相当)では、制御装置61は、上面高さセンサ401から入力される検出信号を常に監視している(ステップS10でYES)。ウエハWの上面高さ(すなわち、ふっ硝酸の液膜の厚み)が、予め定める設定上限値を超えると(ステップS11でYES)、制御装置61は、吸着ベース10を所定高さ△H(たとえば100μm)だけ上昇させる(ステップS12)。その後、ふっ硝酸処理が終了するまで(ステップS13でYES)、ウエハWの上面高さの監視が続行される。
以上、本発明の4つの実施形態について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、第4実施形態で採用した上面高さセンサ400を、第3実施形態の基板処理装置300に採用することもできる。この場合、上面高さセンサ400から入力される検出信号に基づいて開度調節機構322が制御される。
また、スリットノズル4に代えて、連続流の状態でフッ硝酸を吐出する一本または複数本のストレートノズルが用いられてもよい。また、回転せずに停止状態にあるウエハWに対して、ふっ硝酸を供給しつつノズル(好ましくはスリットノズル4)を移動(スキャン)させることにより、エッチング処理を施す構成であってもよい。
むろん、ふっ硝酸処理中にウエハWの上面とリング上面28,222,318との間のとの間の間隔を1回だけ短縮させるものであってもよい。この場合であっても、ふっ硝酸処理のエッチングレートの低下を抑制することができる。
また、薄化のためのエッチング処理を施す基板処理装置1,200,300,400を例にとって説明したが、たとえば酸化膜シリコンウエハからなる円板状のウエハWにおけるデバイス形成面(上面または下面)に対して、酸化膜の除去のためのエッチング処理を施す構成であってもよい。かかる場合、エッチング液としてたとえばフッ酸が用いられることが望ましい。また、ウエハWの窒化膜の除去のためのエッチング処理を施す場合には、エッチング液として燐酸を用いることもできる。
6 外周リング部材(規制部材)
10 吸着ベース(基板保持部材)
20 ベース昇降用モータ(基板保持部材昇降機構)
27 円筒面(規制面)
28 リング上面(規制面の上端)
61 制御装置
201 外周リング部材(規制部材)
205 吸着ベース(基板保持部材)
221 円筒面(規制面)
222 リング上面(規制面の上端)
230 リングピン昇降用モータ(規制部材昇降機構)
261 制御装置
300 基板処理装置
303 スピンベース(ベース)
309 底壁部(基板保持部材)
311 外周リング部(規制部材)
317 円筒面(規制面)
318 リング上面(規制面の上端)
320 吸引管(減圧手段)
322 開度開閉機構(減圧調節手段)
323 真空発生装置(減圧手段)
325 シール部材(支持部材)
361 制御装置
400 基板処理装置
401 上面高さセンサ(基板上面高さ検出手段)
S ガラス基板(基板)
W ウエハ(シリコン基板)
Claims (7)
- 基板の下面を支持して基板を水平姿勢に保持する基板保持部材と、
前記基板保持部材に保持された基板の上面にエッチング液を供給するエッチング液供給手段と、
前記基板保持部材に保持された基板の周端面と対向し、基板の上面からのエッチング液の流出を規制するための筒状の規制面を有する規制部材と、
前記基板保持部材に保持された基板の下面と前記規制部材とを相対的に昇降させる昇降機構と、
前記規制部材の前記規制面の上端に対して前記基板保持部材が相対的に上昇するように前記昇降機構を制御する昇降制御手段とを含み、前記昇降制御手段が、前記基板保持部材に保持される基板の上面からのエッチングの進行に伴って、前記規制部材の前記規制面の上端に対して前記基板保持部材が相対的に上昇するように、前記昇降機構を制御する制御手段を含む、基板処理装置。 - 前記昇降機構が、前記基板保持部材を昇降させる基板保持部材昇降機構を備える、請求項1記載の基板処理装置。
- 前記昇降機構が、前記規制部材を昇降させる規制部材昇降機構を備える、請求項1または2記載の基板処理装置。
- 前記基板保持部材が、
ベースと、
前記ベース上に設けられ、基板の下面を支持する収縮可能な支持部材と、
前記ベースと基板の下面との間の空間を減圧する減圧手段とを含み、
前記昇降機構が、前記減圧手段による減圧量を調節する減圧調節手段を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 前記基板の上面に形成されるエッチング液の液膜の厚みを計測するための液膜厚検出手段をさらに含み、
前記昇降制御手段が、前記液膜厚検出手段によって検出された液膜の厚みに基づいて、前記昇降機構を制御する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 前記基板保持部材に保持される基板が、シリコン基板を含み、
前記エッチング液供給手段が、ふっ酸硝酸混合液を供給するふっ酸硝酸混合液供給手段を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 基板の下面を支持する基板保持部材で基板を保持する工程と、
基板の上面からの液の流出を規制するための筒状の規制面を有する規制部材を、前記規制面が前記基板保持部材に保持された基板の周端面に対向するように配置する工程と、
前記基板保持部材に保持された基板の上面にエッチング液を供給するエッチング液供給工程と、
前記エッチング液供給工程と並行して、前記規制面の上端に対して前記基板保持部材を相対的に上昇させる工程とを含む、基板処理方法。
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