JP5235306B2 - センサ付車輪用軸受 - Google Patents

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    • G01L5/0019Force sensors associated with a bearing by using strain gages, piezoelectric, piezo-resistive or other ohmic-resistance based sensors

Description

この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
従来、自動車の安全走行のために、各車輪の回転速度を検出するセンサを車輪用軸受に設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセンサ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がなく、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車軸とステアリングが機械的に結合しないシステムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝達することが求められる。
このような要請に応えるものとして、車輪用軸受の外輪に歪みゲージを貼り付け、歪みを検出するようにした車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
特表2003−530565号公報
車輪用軸受の外輪は、転走面を有し、強度が求められる部品であって、塑性加工や、旋削加工、熱処理、研削加工などの複雑な工程を経て生産される軸受部品であるため、特許文献1のように外輪に歪みゲージを貼り付けるのでは、生産性が悪く、量産時のコストが高くなるという問題点がある。また、外輪の歪みを感度良く検出することが難しく、その検出結果を車両走行時の姿勢制御に利用した場合、制御の精度が問題となる。
そこで、外輪に歪み発生用部材を固定して設け、この歪み発生用部材に歪み測定用のセンサ素子を取付けることを考えついた。この構成とすれば、センサ素子が取付けられた歪み発生用部材を外輪に固定すればよく、生産性が向上する。しかし、外輪の歪みを感度良く検出することが、いま一つ不十分であった。
この発明の目的は、車両にコンパクトに荷重検出用のセンサを設置できて、車輪にかかる荷重を感度良く検出でき、量産時のコストが安価となるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に固定された歪み発生用部材と、この歪み発生用部材に取付けられた歪み測定用のセンサ素子とからなる歪みセンサを設け、この歪みセンサの前記歪み発生用部材は、前記固定側部材に設けられたフランジ面に、第1の取付用部材を介して固定される第1の接触固定部と、前記固定側部材の周面に、第2の取付用部材を介して固定される第2の接触固定部とを有し、これら両接触固定部を連接する連接部は、折れ曲がり部が前記固定側部材に近づく向きに中途部で折れ曲がっているものであり、前記センサ素子の前記歪み発生用部材への取付箇所を、前記連接部における折れ曲がり部よりも前記第1の接触固定部側で、かつ折れ曲がり部の近傍とし、前記歪み発生用部材は、前記第1,第2の取付用部材のみに接しており、前記歪みセンサは、前記連接部における、これら取付用部材のない箇所に設けられていることを特徴とする。
車両走行に伴い回転側部材に荷重が加わると、転動体を介して固定側部材が変形し、その変形は歪み発生用部材に歪みをもたらす。歪み発生用部材に取付けたセンサ素子は、歪み発生用部材の歪みに応じて出力する。この出力から固定用部材の歪みを検出することができる。歪みと荷重の関係を予め実験やシミュレーションで求めておけば、センサ素子の出力から車輪にかかる荷重を検出することができる。また、この検出した荷重を自動車の車両制御に使用することが出来る。
この車輪用軸受は、歪み発生用部材およびこの歪み発生用部材に取付けたセンサ素子からなる歪みセンサを固定側部材に取付ける構成としたため、荷重検出用のセンサを車両にコンパクトに設置できる。歪み発生用部材は固定側部材に取付けられる簡易な部品であるため、これにセンサ素子を取付けることで、量産性に優れたものとでき、コスト低下が図れる。
歪み発生用部材は、固定側部材に対して2箇所の接触固定部を有し、前記接触固定部のうち第1の接触固定部は前記固定側部材に設けられたフランジ面であり、第2の接触固定部は前記固定側部材の周面であるため、第1および第2の接触固定部の径方向位置が異なり、固定側部材の歪みが歪み発生用部材に転写かつ拡大して現れやすくなる。この転写かつ拡大された歪みに応じてセンサ素子が出力するため、固定側部材の歪みを感度良く検出でき、荷重の測定精度が高くなる。
また、歪み発生用部材の連接部は、折れ曲がり部が固定側部材に近づく向きに中途部で折れ曲がっているため、折れ曲がり部よりも第1の接触固定部側で、かつ折れ曲がり部の近傍に特に歪みが大きく現れる。その特に歪みが大きく現れる箇所にセンサ素子が取付けられているため、より一層固定側部材の歪みを感度良く検出することができる。
記固定側部材を外方部材とすることができる。その場合、歪みセンサを外方部材の外周面に取付ける。また、その場合、前記歪み発生用部材の連接部を、径方向に沿った部分と軸方向に沿った部分とでなるL字の形状に構成することができる。
歪み発生用部材の連接部の径方向に沿った部分は、外方部材のフランジの変形に従って変形する。連接部がL字形をしているため、連接部の径方向に沿った部分における折れ曲がり部の近傍に歪みが集中し、外方部材よりも大きな歪みが現れる。すなわち、連接部の径方向に沿った部分における折れ曲がり部の近傍で発生する歪みは、フランジの基端の歪みを転写かつ拡大したものとなる。この外方部材の歪みが転写かつ拡大して現れる箇所にセンサ素子が取付けられているため、拡大された外方部材の歪みに応じたセンサ素子の出力が得られ、その出力から外方部材の歪みを感度良く検出できる。
歪み発生用部材の連接部が上記のようなL字形である場合、前記センサ素子の歪み発生用部材への取付箇所を、前記連接部の折れ曲がり部から第1の接触固定部側へ連接部の肉厚の3倍以内の位置とするのが良い。
その理由は、図6のグラフに示すように、歪み発生用部材の連接部に生じる歪みの大きさxは、連接部の肉厚をtとしたとき、折れ曲がり部からtの位置で最も大きく、3t以上離れると歪みの測定に適さない小さな値となるからである。
この発明において、前記歪み発生用部材に対して前記センサ素子を周方向に複数個並べて配置してもよい。
センサ素子が周方向に複数個並べて配置されていると、各センサ素子の出力の平均値を用いて固定側部材の歪みを検出することができるため、固定側部材の歪みの検出精度を高めることができる。
また、この発明において、前記歪み発生用部材における前記第1の接触固定部、または前記歪み発生用部材における前記第1の接触固定部から前記第2の接触固定部と反対側へ延長した延長部に、前記連接部のセンサ素子と同様のセンサ素子を同数個に取付け、これら連接部および延長部のセンサ素子の出力信号から連接部のセンサ素子の出力を増幅した新たな信号を出力する増幅回路を設けてもよい。
歪み発生用部材における第1の接触固定部や、歪み発生用部材における第1の接触固定部から第2の接触固定部と反対側へ延長して設けた延長部は、固定側部材の歪みの影響をほとんど受けない箇所である。この固定側部材の歪みの影響をほとんど受けない箇所である第1の接触固定部や延長部の素子と、固定側部材の歪みが大きく現れる箇所である連接部のセンサ素子とをブリッジ接続して増幅回路を構成することにより、連接部のセンサ素子の出力を増幅した新たな信号を出力することができる。その増幅された信号を固定側部材の歪み検出に用いることで、固定側部材の歪みを感度良く検出することができる。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に固定された歪み発生用部材と、この歪み発生用部材に取付けられた歪み測定用のセンサ素子とからなる歪みセンサを設け、この歪みセンサの前記歪み発生用部材は、前記固定側部材に設けられたフランジ面に、第1の取付用部材を介して固定される第1の接触固定部と、前記固定側部材の周面に、第2の取付用部材を介して固定される第2の接触固定部とを有し、これら両接触固定部を連接する連接部は、折れ曲がり部が前記固定側部材に近づく向きに中途部で折れ曲がっているものであり、前記センサ素子の前記歪み発生用部材への取付箇所を、前記連接部における折れ曲がり部よりも前記第1の接触固定部側で、かつ折れ曲がり部の近傍とし、前記歪み発生用部材は、前記第1,第2の取付用部材のみに接しており、前記歪みセンサは、前記連接部における、これら取付用部材のない箇所に設けられているため、車両にコンパクトに荷重検出用のセンサを設置でき、かつ車輪にかかる荷重を感度良く検出できる。歪み発生用部材は固定側部材に取付けられる簡易な部品であるため、これにセンサ素子を取付けることで、量産性に優れたものとでき、コスト低下が図れる。
この発明の実施形態を図1ないし図5と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受は、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、各転走面3,4は接触角が外向きとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、密封装置7,8によりそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックルに取付けるフランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには、周方向の複数箇所に車体取付孔14が設けられている。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、ホイールおよび制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
外方部材1の外周部には、図4に示す歪みセンサ21が設けられている。歪みセンサ21は、第1の取付用部材24および第2の取付用部材25を介して外方部材1に固定される歪み発生用部材22と、この歪み発生用部材22に取付けられた歪み測定用のセンサ素子23とからなる。
歪み発生用部材22は、第1の取付用部材24を介して外方部材1のフランジ1a面に接触固定される第1の接触固定部22aと、第2の取付用部材25を介して外方部材1の周面に接触固定される第2の接触固定部22bとを有し、これら両接触固定部22a,22bを連接する連接部22cは、折れ曲がり部22eが外方部材1の側に近づく向きに中途部で折れ曲がったものとされる。
この実施形態の歪み発生用部材22は、例えば板材をプレス加工して製作されたものであり、全体が径方向に沿った径方向部位22Aと軸方向に沿った軸方向部位22BとでL字の形状に構成されている。そして、径方向部位22Aの中間部が第1の接触固定部22aとされ、軸方向部位22Bのアウトボード側部分が第2の接触固定部22bとされている。連接部22cは、径方向に沿う部分22caと軸方向に沿う部分22cbとでなり、中途部で直角に折れ曲がった形状をしている。また、径方向部位22Aの第1の接触固定部22aよりも外径側には延長部22dが設けられている。歪み発生用部材22を板材のプレス加工品とすると、歪み発生用部材22の製作が容易であり、コストダウンが可能である。
センサ素子23は、連接部22cの径方向に沿う部分22caにおける折れ曲がり部22eの近傍、および延長部22dのそれぞれに、2個ずつ周方向に並べて取付けられている。これらセンサ素子23は、例えば接着剤を用いて歪み発生用部材22に固定されている。
連接部22cのセンサ素子23(S1)の取付箇所は、連接部22cの径方向に沿う部分22caのうちでも歪みが大きく現れる箇所とするのが良い。具体的には、連接部22cの折れ曲がり部22eから第1の接触固定部22aの側へ連接部22cの肉厚tの3倍以内の位置とする。すなわち、折れ曲がり部22eからセンサ素子23の取付箇所までの距離をxとしたとき、x<3tの関係が成り立つようにする。その理由は、図6のグラフに示すように、歪み発生用部材22の連接部22cに生じる歪みの大きさは、折れ曲がり部22eからtの位置で最も大きく、3t以上離れると歪みの測定に適さない小さな値となるからである。
対して、もう一方のセンサ素子23(S2)は、外方部材1の歪みの影響をほとんど受けない箇所として延長部22dに取付けられている。
図1乃至図3に示すように、この歪みセンサ21は、ボルト76を用いて外方部材1に固定するものであり、歪み発生用部材22の第1の接触固定部22aおよび第1の取付用部材24に軸方向のボルト挿通孔70,71がそれぞれ形成され、かつ歪み発生用部材22の第2の接触固定部22bおよび第2の取付用部材25に径方向のボルト挿通孔72,73がそれぞれ形成されている。また、外方部材フランジ1aのアウトボード側の面には、前記軸方向のボルト挿通孔70,71に対応するボルト螺着孔74が形成され、外方部材1の外周面には前記径方向のボルト挿通孔72,73に対応するボルト螺着孔75が形成されている。ボルト螺着孔74の位置は、フランジ1a面における車体取付孔14の近傍である。
歪みセンサ21は、歪み発生用部材22のボルト挿通孔70および第1の取付用部材24のボルト挿通孔71にアウトボード側からボルト76を挿通し、そのボルト76の雄ねじ部76aを外方部材1のボルト螺着孔74に螺着させ、かつ歪み発生用部材22のボルト挿通孔72および第2の取付用部材25のボルト挿通孔73に外周側からボルト76を挿通し、そのボルト76の雄ねじ部76aを外方部材1のボルト螺着孔75に螺着させることにより、外方部材1に固定される。
歪み発生用部材22と第1、第2取付用部材24,25の固定、および第1、第2取付用部材24,25と外方部材1の固定は、接着剤による接着固定としてもよい。また、接着剤およびボルトを併用してもよい。さらには、接着剤やボルトを用いず、溶接で上記固定を行ってもよい。
これらの固定構造のいずれを採用した場合でも、歪み発生用部材22と第1、第2取付用部材24,25、および第1、第2取付用部材24,25と外方部材1を強固に固定することができる。そのため、歪み発生用部材22が外方部材1に対して位置ずれすることがなく、外方部材1の変形を歪み発生用部材22に正確に伝えることが可能である。
図3に示すように、歪みセンサ21は、歪み発生用部材22の第1、第2の接触固定部22a,22bにより、両接触固定部22a,22bが外方部材1の周方向に対して同位相の位置となるように、第1、第2の取付用部材24,25を介して外方部材1の外周部に固定される。第1、第2の接触固定部22a,22bを周方向において同位相とすると、歪み発生用部材22の長さを短くすることができるため、歪みセンサ21の設置が容易である。
歪み発生用部材22は、外方部材1への固定により塑性変形を起こさない形状や材質とされている。また、歪み発生用部材22は、車輪用軸受に予想される最大の荷重が印加された場合でも、塑性変形を起こさない形状とする必要がある。上記の想定される最大の力は、車両故障につながらない走行において想定される最大の力である。歪み発生用部材22に塑性変形が生じると、外方部材1の変形が歪み発生用部材22に正確に伝わらず、歪みの測定に影響を及ぼすためである。
センサ素子23としては、種々のものを使用することができる。例えば、センサ素子23が金属箔ストレインゲージで構成されている場合、この金属箔ストレインゲージの耐久性を考慮すると、車輪用軸受に予想される最大の荷重が印加された場合でも、歪み発生用部材22におけるセンサ素子23取付部分の歪み量が1500マイクロストレイン以下であることが好ましい。同様の理由から、センサ素子23が半導体ストレインゲージで構成されている場合は、同歪み量が1000マイクロストレイン以下であることが好ましい。また、センサ素子23が厚膜式センサで構成されている場合は、同歪み量が1500マイクロストレイン以下であることが好ましい。
図1に示すように、歪みセンサ21の各センサ素子23の出力を処理する手段として、増幅回路30、作用力推定手段31、および異常判定手段32が設けられている。増幅回路30は、図5に示すように、外方部材1の歪みが大きく現れる連接部22cに取付けた2個のセンサ素子23(S1)と外方部材1の歪みの影響がほとんど無い延長部23dに取付けた2個のセンサ素子23(S2)とをブリッジ接続し、片方のセンサ素子S1,S2の直列回路の中間端子、およびもう片方のセンサ素子S2,S1の直列回路の中間端子を差動増幅器31aの反転入力端子および非反転入力端子にそれぞれ接続した回路であって、センサ素子23(S1)の出力を2倍に増幅するよう作用する。作用力推定手段31および異常判定手段32の作用については後で説明する。これらの回路および手段30,31,32は、この車輪用軸受の外方部材1等に取付けられた回路基板等に電子回路装置(図示せず)に設けられたものであっても、また自動車の電気制御ユニット(ECU)に設けられたものであっても良い。
上記構成のセンサ付車輪用軸受の作用を説明する。ハブ輪9に荷重が印加されると、転動体5を介して外方部材1が変形し、その変形は外方部材1に取付けられた歪み発生用部材22に伝わり、歪み発生用部材22が変形する。その歪み発生用部材22の歪みに応じて、各センサ素子23が出力する。これら各センサ素子23の出力より、増幅回路30から、センサ素子23(S1)の出力が2倍に増幅されて出力される。この増幅された出力から外方部材1の歪みを検出することができる。
歪み発生用部材22の径方向部位22Aは外方部材1のフランジ1aの変形に従って変形する。歪み発生用部材22はL字形をしているため、径方向部位22Aと軸方向部位22Bとの間である径方向部位22A側の角部付近、すなわち連接部22cの径方向に沿う部分22caにおける折れ曲がり部22eの近傍に歪みが集中し、そこに外方部材1よりも大きな歪みが現れる。すなわち、連接部22cの径方向に沿う部分22caにおける折れ曲がり部22eの近傍に発生する歪みは、フランジ1aの基端のR部1bの歪みを転写かつ拡大したものとなる。第1の接触固定部22aの固定箇所をフランジ1a面の車体取付孔14の近傍としているため、第1および第2の接触固定部22a,22bの径方向位置の異なりを可能な限り大きくすることができ、外方部材1の歪みが歪み発生用部材22に転写かつ拡大して現れやすい。
荷重の方向や大きさによって歪みの変化が異なるため、予め歪みと荷重の関係を実験やシミュレーションにて求めておけば、車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力を算出することができる。前記作用力推定手段31は、このように実験やシミュレーションにより予め求めて設定しておいた歪みと荷重の関係から、センサ素子23の出力により、車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力を算出する。前記異常判定手段32は、作用力推定手段31により算出された車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力が、許容値を超えたと判断される場合に、外部に異常信号を出力する。この異常信号を、自動車の車両制御に使用することができる。また、リアルタイムで車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力を出力すると、よりきめ細かな車両制御が可能となる。
この実施形態は、歪みセンサ21を外方部材1の1箇所にだけ設けた構成としているが、例えば図7に示すように、歪みセンサ21を2箇所以上に設けた構成としても良い。歪みセンサ21を2箇所以上に設けると、より一層精度の高い荷重の検出が可能となる。
図8および図9は異なる実施形態を示す。この実施形態の歪みセンサ21は、削り出し加工品からなる歪み発生用部材22に、この歪み発生用部材22の歪みを測定するセンサ素子23を取付けたものである。歪み発生用部材22は、外方部材1の車体取付孔14の近傍に接触固定される第1の接触固定部22aと、外方部材1の外周面に接触固定される第2の接触固定部22bとを有し、これらの接触固定部22a,22bにより外方部材1に直接取付けられる。この実施形態では、接着剤により接着固定するものとしている。
歪み発生用部材22は、前記第1の接触固定部22aと第2の接触固定部22bとを連接する連接部22cが、径方向に沿った部分22caと軸方向に沿った部分22cbとでなり、L字の形状に構成されている。径方向に沿った部分22caは、軸方向に沿った部分22cbに比べ、剛性が低くなるよう肉厚を薄くしてある。そして、連接部22cの径方向に沿った部分22caにおける折れ曲がり部22eの近傍に、センサ素子23が1個取付けられている。このセンサ素子23の取付箇所も、前記同様に、連接部22cの折れ曲がり部22eから連接部22cの軸方向に沿った部分22cbの肉厚tの3倍以内の位置と(x<3t)とされている。
他は前記実施形態と同じ構成である。同一構成箇所については同一符号を付してある。
この実施形態の場合も、外方部材1の歪みが歪み発生用部材22に伝わり、その歪み発生用部材22の歪みに応じてセンサ素子23が出力する。その際、連接部22cの径方向に沿った部分22caは外方部材1のフランジ1aの変形に従って変形する。歪み発生用部材22の連接部22cは、径方向に沿った部分22caの剛性が低く、かつこの剛性の低い径方向に沿った部分22caと剛性の高い軸方向に沿った部分22cbとで構成されたL字形をしているため、径方向に沿った部分22caにおける折れ曲がり部22eの近傍、すなわちセンサ素子23が取付けられている箇所に歪みが集中し、そこに外方部材1よりも大きな歪みが現れる。つまり、センサ素子23が取付けられている箇所で発生する歪みは、フランジ1aの基端のR部1bの歪みを転写かつ拡大したものとなる。この歪みに応じてセンサ素子23が出力するため、外方部材1の歪みを感度良く検出でき、歪み測定精度が高くなる。
この実施形態に用いられている削り出し加工品からなる歪み発生用部材22についても、前記実施形態と同様に、連接部22cの周方向複数箇所にセンサ素子23を取付けてもよい。また、連接部22cのセンサ素子23とは別に、外方部材1の歪みの影響がほとんど無い箇所、例えば第1接触固定部22aにセンサ素子23を取付け、両センサ素子23の出力から、連接部22cのセンサ素子23の出力を増幅させるようにしてもよい。
前記各実施形態は、歪み発生部材22の連接部22cが径方向に沿った部分22caと軸方向に沿った部分22cbとでなるL字の形状であるが、歪み発生部材の連接部は、必ずしもL字の形状である必要はなく、折れ曲がり部が外方部材1の側に近づく向きに中途部で折れ曲がっているものであればよい。その場合も、連接部に取付けられる素子センサの取付箇所は、連接部における折れ曲がり部よりも第1の接触固定部側で、かつ折れ曲がり部の近傍とする。
なお、前記各実施形態では、外方部材1が固定側部材である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定側部材である車輪用軸受にも適用することができ、その場合、歪みセンサ21は内方部材の内周となる周面に設ける。
また、前記各実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第1または第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。
この発明の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図とその検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す図である。 図1の部分拡大図である。 同センサ付車輪用軸受の外方部材と歪みセンサとを示す正面図である。 (A)は同歪みセンサの破断側面図、(B)はその背面図、(C)はその斜視図である。 増幅回路の回路図である。 歪み発生用部材の連接部の折れ曲がり部からの距離と歪みの大きさとの関係を示すグラフである。 異なるセンサ付車輪用軸受の外方部材と歪みセンサとを示す正面図である。 この発明の異なる実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図である。 (A)は同センサ付車輪用軸受の歪みセンサの平面図、(B)はその側面図、(C)はその背面図である。
符号の説明
1…外方部材(固定側部材)
1a…フランジ
2…内方部材(回転側部材)
3,4…転走面
5…転動体
7,8…密封装置
14…車体取付孔
21…歪みセンサ
22…歪み発生用部材
22a…第1の接触固定部
22b…第2の接触固定部
22c…連接部
22ca…連接部の径方向に沿った部分
22cb…連接部の軸方向に沿った部分
22e…折れ曲がり部
23…センサ素子
30…増幅回路

Claims (6)

  1. 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
    前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に固定された歪み発生用部材と、この歪み発生用部材に取付けられた歪み測定用のセンサ素子とからなる歪みセンサを設け、この歪みセンサの前記歪み発生用部材は、前記固定側部材に設けられたフランジ面に、第1の取付用部材を介して固定される第1の接触固定部と、前記固定側部材の周面に、第2の取付用部材を介して固定される第2の接触固定部とを有し、これら両接触固定部を連接する連接部は、折れ曲がり部が前記固定側部材に近づく向きに中途部で折れ曲がっているものであり、前記センサ素子の前記歪み発生用部材への取付箇所を、前記連接部における折れ曲がり部よりも前記第1の接触固定部側で、かつ折れ曲がり部の近傍とし、前記歪み発生用部材は、前記第1,第2の取付用部材のみに接しており、前記歪みセンサは、前記連接部における、これら取付用部材のない箇所に設けられていることを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
  2. 請求項1において、前記固定側部材が外方部材であるセンサ付車輪用軸受。
  3. 請求項2において、前記歪み発生用部材の連接部を、径方向に沿った部分と軸方向に沿った部分とでなるL字の形状に構成したセンサ付車輪用軸受。
  4. 請求項3において、前記センサ素子の歪み発生用部材への取付箇所が、前記連接部の折れ曲がり部から第1の接触固定部側へ連接部の肉厚の3倍以内の位置であるセンサ付車輪用軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記歪み発生用部材に対して前記センサ素子を周方向に複数個並べて配置したセンサ付車輪用軸受。
  6. 請求項5において、前記歪み発生用部材における前記第1の接触固定部、または前記歪み発生用部材における前記第1の接触固定部から前記第2の接触固定部と反対側へ延長した延長部に、前記連接部のセンサ素子と同様のセンサ素子を同数個取付け、これら連接部および延長部のセンサ素子の出力信号から連接部のセンサ素子の出力を増幅した新たな信号を出力する増幅回路を設けたセンサ付車輪用軸受。
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