JP4889548B2 - センサ付車輪用軸受 - Google Patents

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Description

この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
従来、自動車の安全走行のために、各車輪の回転速度を検出するセンサを車輪用軸受に設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセンサ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がなく、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車軸とステアリングが機械的に結合しないシステムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝達することが求められる。
このような要請に応えるものとして、車輪用軸受の外輪に歪みゲージを貼り付け、歪みを検出するようにした車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
特表2003−530565号公報
車輪用軸受の外輪は、転走面を有し、強度が求められる部品であって、塑性加工や、旋削加工、熱処理、研削加工などの複雑な工程を経て生産される軸受部品であるため、特許文献1のように外輪に歪みゲージを貼り付けるのでは、生産性が悪く、量産時のコストが高くなるという問題点がある。また、外輪の歪みを感度良く検出することが難しく、その検出結果を車両走行時の姿勢制御に利用した場合、制御の精度が問題となる。
そこで、荷重センサを、歪み発生用部材と、この歪み発生用部材に取付けられた歪み測定用のセンサ素子とからなるものとし、この荷重センサの歪み発生用部材を外輪の周面に固定することを試みた。その場合、実験等から、外輪の歪みが歪み発生用部材に大きく現れるようにするには、図8に示すように、荷重センサ(歪みセンサ)21の歪み発生用部材22は、外輪(外方部材)1に対して2箇所の接触固定部22a,22bを有し、そのうちの第1の接触固定部21aは外輪1に設けられたナックル結合用フランジ1aの側面に固定し、かつ第2の接触固定部22bは外輪1の外周面に固定すると良いことが分かった。
ところで、車体の懸架装置を構成するナックル16は、上記ナックル結合用フランジ1aに対して次のように結合される。すなわち、ナックル16の端面がフランジ1aの側面に接する状態で、ナックル16の締結ボルト挿通孔17に挿通した締結ボルト18を、フランジ1aの車体取付孔14に螺着させてある。この結合構造であると、車輪用軸受にフランジ1aをナックル16から引き離す方向の荷重が作用する場合に、フランジ1aとナックル16の接触面が離れることがある。接触面が離れると、車体取付孔14のねじ面に荷重が集中するため、荷重とセンサ素子23に検出される歪みとの直線特性が損なわれ、センサ素子23の出力信号から車輪用軸受に加わる荷重を正確に検出することが難しい。
なお、車輪用軸受にフランジ1aをナックル16に押し付ける方向の荷重が作用する場合は、この荷重をフランジ1aがナックル16との接触面全体で受けるため、荷重とセンサ素子23に検出される歪みとの直線特性が保たれ、センサ素子23の出力信号から車輪用軸受に加わる荷重を検出することができる。
この発明の目的は、車両に荷重検出用のセンサをコンパクトに設置できて、車輪にかかる荷重を、軸受に作用する力の方向に関係なく、感度良く検出でき、量産時のコストが安価となるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持するものであり、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の周面に形成されたフランジと車体の懸架装置を構成するナックルとが、前記フランジに設けられた車体取付孔に挿通された締結ボルトにより結合される車輪用軸受において、前記フランジの車体取付孔の周辺部を前記ナックルに押し付けるナット状部材を前記フランジに取付け、前記固定側部材に固定された歪み発生用部材と、この歪み発生用部材に取付けられた歪み測定用のセンサ素子とからなる歪みセンサを設け、この歪みセンサの前記歪み発生用部材は、前記固定側部材に対して2箇所の接触固定部を有し、前記接触固定部のうち第1の接触固定部の固定対象は前記ナット状部材であり、かつ第2の接触固定部の固定対象は前記固定側部材の周面であることを特徴とする。
車両走行に伴い回転側部材に荷重が加わると、転動体を介して固定側部材が変形し、その変形は歪み発生用部材に歪みをもたらす。歪み発生用部材に取付けたセンサ素子は、歪み発生用部材の歪みに応じて出力する。この出力から固定側部材の歪みを検出することができる。歪みと荷重の関係を予め実験やシミュレーションで求めておけば、センサ素子の出力から車輪にかかる荷重を検出することができる。また、この検出した荷重を自動車の車両制御に使用することができる。
前記フランジの車体取付孔の周辺部を前記ナックルに押し付けるナット状部材を前記フランジに取付けたため、常にフランジとナックルとが接触した状態に保持される。そのため、車輪用軸受にフランジをナックルに押し付ける方向の力が作用している場合、および車輪用軸受にフランジをナックルから引き離す方向の力が作用している場合のいずれについても、荷重に対するセンサ素子の出力信号の線形特性が維持され、センサ素子の出力信号から、補正処理することなく、または簡単な補正処理を施すだけで、車輪用軸受に加わる荷重を検出することができる。
歪み発生用部材は、固定側部材に対して2箇所の接触固定部を有し、前記接触固定部のうち第1の接触固定部は前記固定側部材に設けられたフランジ面に接触するナット状部材であり、第2の接触固定部は前記固定側部材の周面であるため、第1および第2の接触固定部の径方向位置が異なり、固定側部材の歪みが歪み発生用部材に転写かつ拡大して現れやすくなる。この転写かつ拡大された歪みに応じてセンサ素子が出力するため、固定側部材の歪みを感度良く検出でき、荷重の測定精度が高くなる。
この車輪用軸受は、歪み発生用部材およびこの歪み発生用部材に取付けたセンサ素子からなる歪みセンサを固定側部材に取付ける構成としたため、荷重検出用のセンサを車両にコンパクトに設置できる。歪み発生用部材は固定側部材に取付けられる簡易な部品であるため、これにセンサ素子を取付けることで、量産性に優れたものとでき、コスト低下が図れる。
前記固定側部材を外方部材とすることができる。その場合、歪みセンサを外方部材の外周面に取付ける。また、その場合、前記歪み発生用部材を、径方向に沿った径方向部位と軸方向に沿った軸方向部位とでL字の形状に構成し、径方向部位における軸方向部位との交差部の近傍に前記センサ素子を取付けると良い。
歪み発生用部材の径方向部位は外方部材のフランジの変形に従って変形する。歪み発生用部材はL字形をしているため、径方向部位における軸方向部位との交差部の近傍に歪みが集中し、外方部材よりも大きな歪みが現れる。すなわち、径方向部位における軸方向部位との交差部の近傍で発生する歪みは、フランジの基端の歪みを転写かつ拡大したものとなる。この外方部材の歪みが転写かつ拡大して現れる箇所にセンサ素子が取付けられているため、拡大された外方部材の歪みに応じたセンサ素子の出力が得られ、その出力から外方部材の歪みを感度良く検出できる。
この発明において、前記ナット状部材は、前記車体取付孔に圧入することで前記固定側部材に固定してもよい。あるいは、前記車体取付孔の雌ねじ部にナット状部材の雄ねじ部を螺着することで前記固定側部材に固定してもよい。あるいは、溶接により前記固定側部材に固定してもよい。
上記いずれかの方法で、予めナット状部材を固定側部材に固定しておけば、固定側部材のフランジとナックルとを締結ボルトで結合する作業が容易になる。また、フランジに対するナット状部材の位置が安定するため、歪みセンサの検出精度が向上する。さらに、ナット状部材を固定側部材に固定状態に設ければ、実質的にナット状部材はフランジの一部となり、フランジと締結ボルトとの結合部の長さが長くなるため、結合が強固なものとなる。フランジと締結ボルトとの結合部を長くするには、フランジにナット状部材と同形の凸部を設けてもよいが、鍛造により成形される軸受軌道輪の場合、凸部の加工が難しく、歩留まりが悪くなる。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持するものであり、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の周面に形成されたフランジと車体の懸架装置を構成するナックルとが、前記フランジに設けられた車体取付孔に挿通された締結ボルトにより結合される車輪用軸受において、前記フランジの車体取付孔の周辺部を前記ナックルに押し付けるナット状部材を前記フランジに取付け、前記固定側部材に固定された歪み発生用部材と、この歪み発生用部材に取付けられた歪み測定用のセンサ素子とからなる歪みセンサを設け、この歪みセンサの前記歪み発生用部材は、前記固定側部材に対して2箇所の接触固定部を有し、前記接触固定部のうち第1の接触固定部の固定対象は前記ナット状部材であり、かつ第2の接触固定部の固定対象は前記固定側部材の周面であるため、車両に荷重検出用のセンサをコンパクトに設置できて、車輪にかかる荷重を、軸受に作用する力の方向に関係なく、感度良く検出でき、量産時のコストが安価となる。
この発明の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受は、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、各転走面3,4は接触角が外向きとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、密封装置7,8によりそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、全体が一体の部品とされている。外方部材1は、車体の懸架装置(図示せず)から延びるナックル16に取付けるためのフランジ1aを外周に有し、そのフランジ1aの周方向複数箇所に、フランジ1aを軸方向に貫通し内周に雌ねじが切られた車体取付孔14が設けられている。
ナックル16には、車体取付孔14に対応する位置に、段付きの締結ボルト挿入孔17が設けられており、この締結ボルト挿入孔17にインボード側から挿入した締結ボルト18を車体取付孔14に螺着することで、ナックル16がフランジ1aのインボード側の側面に接する状態でフランジ1aと結合される。また、フランジ1aのアウトボード側の側面に接してナット状部材19を設け、このナット状部材19のねじ孔19aに、締結ボルト18の車体取付孔14よりもアウトボード側に突出した部分が螺着されている。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、ホイールおよび制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
外方部材1の外周部には、図4に示す歪みセンサ21が設けられている。歪みセンサ21は、歪み発生用部材22に、この歪み発生用部材22の歪みを測定するセンサ素子23を取付けたものである。歪み発生用部材22には、センサ素子23の出力信号を処理する各種部品(図示せず)を取付けてもよい。歪みセンサ21は、第1および第2の取付用部材40,41を介して外方部材1に取付けられる。
歪み発生用部材22は、前記ナット状部材19を固定対象とする第1の接触固定部22aと、外方部材1の外周面を固定対象とする第2の接触固定部22bとを有している。第1の接触固定部22aは、第1の取付用部材40を介して、ナット状部材19に固定される。第2の接触固定部22bは、第2の取付用部材41を介して、外方部材1の外周面に固定される。
歪み発生用部材22は、径方向に沿った径方向部位22cと、軸方向に沿った軸方向部位22dとでL字の形状に構成されており、径方向部位22cの中央部が前記第1の接触固定部22aとされ、軸方向部位22dの先端部が前記第2の接触固定部22bとされている。径方向部位22cは、軸方向部位22dに比べ、剛性が低くなるよう肉厚を薄くしてある。センサ素子23は、径方向部位22cのインボード側の面であるセンサ取付面22Aにおける第1の接触固定部22aよりも径方向内側の位置に配置されている。
この歪みセンサ21は、ボルト76を用いて、ナット状部材19および外方部材1に固定される。歪み発生用部材22の第1の接触固定部22aには軸方向のボルト挿通孔70が形成され、第2の接触固定部22bに径方向のボルト挿通孔71が形成されている。第1の取付用部材40には、前記ボルト挿通孔70に対応するボルト挿通孔72が形成され、第2の取付用部材41には、前記ボルト挿通孔71に対応するボルト挿通孔73が形成されている。ナット状部材19には、内周面に雌ねじが形成されたボルト螺着孔74が、前記ボルト挿通孔70,72に対応する位置に形成されている。また、外方部材1には、内周面に雌ねじが形成されたボルト螺着孔75が、前記ボルト挿通孔71,73に対応する位置に形成されている。両ボルト螺着孔74,75は、外方部材1の周方向に対して同位相の位置とされている。
図2に示すように、歪みセンサ21は、歪み発生用部材22のボルト挿通孔70および第1の取付用部材40のボルト挿通孔72にアウトボード側からボルト76を挿通し、そのボルト76の雄ねじ部76aをナット状部材19のボルト螺着孔74に螺着させ、また歪み発生用部材22のボルト挿通孔71および第2の取付用部材41のボルト挿通孔73に外周側からボルト76を挿通し、そのボルト76の雄ねじ部76aを外方部材1のボルト螺着孔75に螺着させることにより、外方部材1に固定される。
歪みセンサ21を固定した状態では、図1ないし図3に示すように、歪み発生用部材22の第1の接触固定部22aが第1の取付用部材40を介してナット状部材19に接触固定され、第2の接触固定部22bが第2の取付用部材41を介して外方部材1の外周面に接触固定される。また、第1および第2の接触固定部22a,22bが、外方部材1の周方向に対して同位相の位置となるよう固定される。このように第1および第2の接触固定部22a,22bを周方向において同位相とすると、歪み発生用部材22の長さを短くすることができるため、歪みセンサ21の設置が容易である。
図1に示すように、センサ素子23の出力を処理する手段として、作用力推定手段31および異常判定手段32が設けられている。これらの手段31,32は、この車輪用軸受のセンサ信号処理回路に設けられたものであっても、また自動車の電気制御ユニット(ECU)に設けられたものであっても良い。
上記構成のセンサ付車輪用軸受の作用を説明する。ハブ輪9に荷重が印加されると、転動体5を介して外方部材1が変形する。その外方部材1の変形は、第1および第2の取付用部材40,41を介して歪み発生用部材22に伝わり、歪み発生用部材22が変形する。その歪み発生用部材22の歪みをセンサ素子23により測定する。この際、歪み発生用部材22の径方向部位22cは外方部材1のフランジ1aの変形に従って変形する。この実施形態の場合、外方部材1と比べ前記径方向部位22cは剛性が低く、かつ歪み発生用部材22は剛性の低い径方向部位22cと剛性の高い軸方向部位22dとで構成されたL字形をしているため、径方向部位22cと軸方向部位22dとの間である径方向部位22c側の角部22e付近に歪みが集中し、外方部材1よりも大きな歪みとなって現れる。すなわち、径方向部位22cと軸方向部位22dとの間で発生する歪みは、フランジ1aの基端のR部1b(図1)の歪みを転写かつ拡大したものとなる。この歪みをセンサ素子23で測定するため、外方部材1の歪みを感度良く検出でき、歪み測定精度が高くなる。
荷重の方向や大きさによって歪みの変化が異なるため、予め歪みと荷重の関係を実験やシミュレーションにて求めておけば、車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力を算出することができる。ナックル16およびナット状部材19を外方部材1のフランジ1aの両側面に設け、両者16,19を締結ボルト18で締結する構成としたことで、常にフランジ1aとナックル16とが接触した状態に保持される。そのため、車輪用軸受にフランジ1aをナックル16に押し付ける方向の荷重が作用している場合、およびフランジ1aをナックル16から引き離す方向の荷重が作用している場合のいずれについても、荷重に対するセンサ素子23の出力信号の線形特性が得られ、線形特性の範囲が広くなっている。そのため、センサ素子23の出力信号から、補正処理することなく、または簡単な補正処理を施すだけで、車輪用軸受に加わる荷重を検出することができる。
前記作用力推定手段31は、このように実験やシミュレーションにより予め求めて設定しておいた歪みと荷重の関係から、センサ素子23の出力により、車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力を算出する。前記異常判定手段32は、作用力推定手段31により算出された車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力が、許容値を超えたと判断される場合に、外部に異常信号を出力する。この異常信号を、自動車の車両制御に使用することができる。また、リアルタイムで車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力を出力すると、よりきめ細かな車両制御が可能となる。
この車輪用軸受は、歪み発生用部材22およびこの歪み発生用部材22に取付けたセンサ素子23からなる歪みセンサ21を、外方部材1に取付ける構成としたため、荷重検出用のセンサを車両にコンパクトに設置できる。歪み発生用部材22は外方部材1およびナット状部材19に取付けられる簡易な部品であるため、これにセンサ素子23を取付けることで、量産性に優れたものとでき、コスト低下が図れる。
上記実施形態は、ナット状部材19でフランジ1aを押さえる構成であるが、フランジ1aとナット状部材19とを直接固定してもよい。直接固定する方法としては、例えば図5ないし図7に示す固定方法がある。図5は、ナット状部材19に軸部19bを設け、この軸部19bを内周が平滑な車体取付孔14に圧入することで、ナット状部材19をフランジ1aに固定したものである。図6は、ナット状部材19に軸部を設け、この軸部を外周にねじ溝が形成された雄ねじ部19cとし、この雄ねじ部19cを、車体取付孔14の雌ねじ部14aに螺着することで、ナット状部材19をフランジ1aに固定したものである。図例は、ナット状部材19のねじ孔19aが片塞がりとされているが、軸方向に貫通したものであってもよい。図7は、図1ないし図4の実施形態において、ナット状部材19を溶接Wによりフランジ1aに固定したものである。
上記のように、ナット状部材19を外方部材1のフランジ1aに固定しておけば、フランジ1aとナックル16とを締結ボルト18で結合する作業が容易になる。また、フランジ1aに対するナット状部材19の位置が安定するため、歪みセンサ21の検出精度を向上させることができる。さらに、ナット状部材19を外方部材1に固定状態に設ければ、実質的にナット状部材19はフランジ1aの一部となり、フランジ1aと締結ボルト18との結合部の長さが長くなるため、結合が強固なものとなる。
前記各実施形態は、歪み発生用部材22と、第1および第2の取付用部材40,41と、外方部材1とをボルト76を用いて固定しているが、接着剤を用いて固定しても良い。また、両者を併用してもよい。さらには、接着剤やボルトを用いず、溶接で歪み発生用部材22と取付用部材40,41と外方部材1とを固定しても良い。これらの固定構造のいずれを採用した場合でも、歪み発生用部材22と取付用部材40,41と外方部材1とを強固に固定することができる。そのため、歪み発生用部材22が外方部材1に対して位置ずれすることがなく、外方部材1の変形を歪み発生用部材22に正確に伝えることが可能である。
なお、前記各実施形態では、外方部材1が固定側部材である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定側部材である車輪用軸受にも適用することができ、その場合、歪みセンサ21は内方部材の内周となる周面に設ける。
また、前記各実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第1または第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。
この発明の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図とその検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す図である。 同センサ付車輪用軸受の部分拡大断面図である。 同センサ付車輪用軸受の外方部材と歪みセンサとを示す正面図である。 (A)は同歪みセンサおよび第1、第2の取付用部材を互いに分離して表示した背面図、(B)はその破断側面図である。 異なるセンサ付車輪用軸受の部分断面図である。 さらに異なるセンサ付車輪用軸受の部分断面図である。 さらに異なるセンサ付車輪用軸受の部分断面図である。 提案例にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図である。
符号の説明
1…外方部材(固定側部材)
2…内方部材(回転側部材)
3,4…転走面
5…転動体
7,8…密封装置
14…車体取付孔
14a…雌ねじ部
16…ナックル
19…ナット状部材
19c…雄ねじ部
21…歪みセンサ
22…歪み発生用部材
22a…第1の接触固定部
22b…第2の接触固定部
23…センサ素子
40…第1の取付用部材
41…第2の取付用部材

Claims (6)

  1. 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持するものであり、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の周面に形成されたフランジと車体の懸架装置を構成するナックルとが、前記フランジに設けられた車体取付孔に挿通された締結ボルトにより結合される車輪用軸受において、
    前記フランジの車体取付孔の周辺部を前記ナックルに押し付けるナット状部材を前記フランジに取付け、前記固定側部材に固定された歪み発生用部材と、この歪み発生用部材に取付けられた歪み測定用のセンサ素子とからなる歪みセンサを設け、この歪みセンサの前記歪み発生用部材は、前記固定側部材に対して2箇所の接触固定部を有し、前記接触固定部のうち第1の接触固定部の固定対象は前記ナット状部材であり、かつ第2の接触固定部の固定対象は前記固定側部材の周面であることを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
  2. 請求項1において、前記固定側部材が外方部材であるセンサ付車輪用軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記歪み発生用部材を、径方向に沿った径方向部位と軸方向に沿った軸方向部位とでL字の形状に構成し、径方向部位における軸方向部位との交差部の近傍に前記センサ素子を取付けたセンサ付車輪用軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ナット状部材は、前記車体取付孔に圧入することで前記固定側部材に固定されているセンサ付車輪用軸受。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ナット状部材は、前記車体取付孔の雌ねじ部にナット状部材の雄ねじ部を螺着することで前記固定側部材に固定されているセンサ付車輪用軸受。
  6. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ナット状部材は、溶接により前記固定側部材に固定されているセンサ付車輪用軸受。
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