JP2008241359A - センサ付車輪用軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出できるセンサ付車輪用軸受を提供する。
【解決手段】複列の転走面3が内周に形成された外方部材1と、この転走面3と対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、両転走面3,4間に介在した複列の転動体5とを備えた車輪用軸受で、外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に取付ける車体取付用のフランジ1aは、各ボルト孔14が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片1aaとされる。各突片1aaの基端における円周方向の両側の端面部分は、前記フランジ1aの突片1aaの非成形部1abの外径面に対して円弧状の正面形状となって続く円弧面部1aa1とされている。この円弧面部1aa1に、1つ以上の歪みゲージ16を貼り付け、この歪みゲージ16の出力信号により、前記車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段17を設ける。
【選択図】図2
【解決手段】複列の転走面3が内周に形成された外方部材1と、この転走面3と対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、両転走面3,4間に介在した複列の転動体5とを備えた車輪用軸受で、外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に取付ける車体取付用のフランジ1aは、各ボルト孔14が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片1aaとされる。各突片1aaの基端における円周方向の両側の端面部分は、前記フランジ1aの突片1aaの非成形部1abの外径面に対して円弧状の正面形状となって続く円弧面部1aa1とされている。この円弧面部1aa1に、1つ以上の歪みゲージ16を貼り付け、この歪みゲージ16の出力信号により、前記車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段17を設ける。
【選択図】図2
Description
この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
従来、自動車の安全走行のために、各車輪の回転速度を検出するセンサを車輪用軸受に設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセンサ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がなく、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車軸とステアリングが機械的に結合しないシステムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝達することが求められる。
このような要請に応えるものとして、車輪用軸受の固定輪や回転輪に歪みゲージを貼り付け、歪みゲージの検出する歪みから車輪にかかる荷重を推定するようにしたものが提案されている(例えば特許文献1,2)。
特許文献1に開示の車輪用軸受では、固定輪である外輪の外周に歪みゲージを貼り付け、転動体が通過するときの外輪の歪みを歪みゲージで検出する。また、特許文献2に開示の車輪用軸受では、回転輪であるハブ輪の車輪取付用フランジに周方向に隣り合う複数の透孔を設け、隣り合う透孔同士の間の柱部に歪みゲージを貼り付け、柱部の歪みを歪みゲージで検出する。
また、車輪用軸受の固定輪と固定構造物である車体との間に介在させるインターフェースとして、回転部材であるハブ輪に力を作用する装置であるブレーキ装置のキャリパを固定できる例えばナックルを設け、このナックルにおける弾性変形領域に歪みゲージなどのセンサを設けて車両に作用する力を推定するようにしたものも提案されている(例えば特許文献3)。
特表2003−530565号公報
特開2004−053331号公報
特開2002−098600号公報
特許文献1に開示の車輪用軸受では、固定輪である外輪の外周に歪みゲージを貼り付け、転動体が通過するときの外輪の歪みを歪みゲージで検出する。また、特許文献2に開示の車輪用軸受では、回転輪であるハブ輪の車輪取付用フランジに周方向に隣り合う複数の透孔を設け、隣り合う透孔同士の間の柱部に歪みゲージを貼り付け、柱部の歪みを歪みゲージで検出する。
また、車輪用軸受の固定輪と固定構造物である車体との間に介在させるインターフェースとして、回転部材であるハブ輪に力を作用する装置であるブレーキ装置のキャリパを固定できる例えばナックルを設け、このナックルにおける弾性変形領域に歪みゲージなどのセンサを設けて車両に作用する力を推定するようにしたものも提案されている(例えば特許文献3)。
しかし、特許文献1に開示の車輪用軸受では、転動体の通過時の歪みを検出するため、転走面と外輪外周との間の肉厚を薄くしないと歪みを検出できず、軸受剛性が低くなる可能性がある。また、転動体通過時の歪みを検出するため、静止時や低速時の荷重を推定するのが困難である。
特許文献2に開示の車輪用軸受では、ハブ輪の車輪取付用フランジに透孔を設けて歪みゲージを貼り付けているため、やはり軸受剛性が低くなるという問題がある。
特許文献3に開示の車輪用軸受では、ハブ輪とは別部材のインターフェースを設置し、その部分の歪みから車両に作用する荷重を推定するので、部品点数や組立工数が増加し、コストが高くなり、ばね下荷重が大きくなるという問題がある。
この発明の目的は、車輪用軸受への追加工をほとんど要さず、軸受剛性を低下させることなく荷重センサを取付けることができ、静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出できるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、 前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、ナックルへ取付ける車体取付用のフランジを有し、このフランジの円周方向の複数箇所にボルト孔が設けられ、上記フランジは、各ボルト孔が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片とされ、各突片の基端における円周方向の両側の端面部分が、前記フランジの前記突片の非成形部の外径面に対して円弧状の正面形状となって続く円弧面部とされ、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、前記フランジの前記突片における前記円弧面部に、歪みゲージを1つ以上貼り付け、この歪みゲージの出力信号により、前記車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたものである。
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材にも荷重が印加されて変形が生じる。このとき、固定側部材のフランジに設けられたボルト孔と同位相の位置は、ボルトにより車体の懸架装置におけるナックルに固定されているのでほとんど変形せず、隣り合うボルト孔とボルト孔の間の位相の部位が変形する。これにより、前記円弧面部に歪みが集中し、荷重により歪み量が大きく変化するため、円弧面部の外径面に貼り付けられた歪みゲージは、荷重の印加に伴う固定側部材の歪みを感度良く検出することがきる。この歪みゲージの出力信号から、車輪のタイヤと路面間の作用力を推定手段で推定するようにしているので、静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出することができる。また、荷重センサである歪みゲージの取付けにおいては、車輪用軸受への追加工をほとんど必要とせず、軸受剛性を低下させることもない。
この発明において、前記歪みゲージは、前記固定側部材の周方向の歪みを検出する方向に貼っても良い。
固定側部材における前記円弧面部の位置では周方向に歪むため、歪みゲージを固定側部材の周方向の歪みを検出する方向に貼り付けた場合、歪みゲージによる固定側部材の歪み検出をより感度良く行うことができる。
固定側部材における前記円弧面部の位置では周方向に歪むため、歪みゲージを固定側部材の周方向の歪みを検出する方向に貼り付けた場合、歪みゲージによる固定側部材の歪み検出をより感度良く行うことができる。
この発明において、前記固定側部材のフランジとナックルとの互いの対向面を、スペーサまたは前記フランジもしくはナックルに設けられた突部からなる介在部を介して、前記各ボルト孔の周縁で接触させ、前記対向面の残りの範囲を互いに非接触としても良い。
この構成の場合、固定側部材のフランジにおけるナックルとの対向面は、各ボルト孔の周縁においてのみスペーサまたは介在部を介してナックルの対向面に接触し、周方向に並ぶボルト孔とボルト孔の間の対向面は摩擦力の働かない非接触面となるので、荷重の印加に伴う固定側部材の変形は、隣り合うボルト孔とボルト孔の間の位相の部位で特に顕著となり、円弧面部に歪みがさらに集中しやすくなる。その結果、歪みゲージによる歪みの検出感度がさらに向上する。
この構成の場合、固定側部材のフランジにおけるナックルとの対向面は、各ボルト孔の周縁においてのみスペーサまたは介在部を介してナックルの対向面に接触し、周方向に並ぶボルト孔とボルト孔の間の対向面は摩擦力の働かない非接触面となるので、荷重の印加に伴う固定側部材の変形は、隣り合うボルト孔とボルト孔の間の位相の部位で特に顕著となり、円弧面部に歪みがさらに集中しやすくなる。その結果、歪みゲージによる歪みの検出感度がさらに向上する。
この発明において、前記推定手段は、前記歪みゲージの出力信号より、車軸に対して垂直な方向となる上下方向の荷重を推定するものとしても良い。
車軸に対して垂直な方向に荷重が作用する場合、車輪用軸受に対しては純ラジアル荷重に近い荷重が印加されるため、両列の転動体に対して同じ方向の荷重が加わる。そのため、荷重方向に対して固定側部材の外径面が外方向へ変形する。この場合も、フランジのボルト孔と同位相の位置では変形量が小さく、隣り合うボルト孔とボルト孔の間の位相の部位で特に顕著となるので、フランジにおける突片の基端の円周方向の両側の端面部分である円弧面部に歪みが集中しやすくなる。このことから、このセンサ付車輪用軸受では、歪みゲージの出力信号により、車軸に対して垂直な方向となる上下方向の荷重を推定手段で推定するのに特に好適である。
車軸に対して垂直な方向に荷重が作用する場合、車輪用軸受に対しては純ラジアル荷重に近い荷重が印加されるため、両列の転動体に対して同じ方向の荷重が加わる。そのため、荷重方向に対して固定側部材の外径面が外方向へ変形する。この場合も、フランジのボルト孔と同位相の位置では変形量が小さく、隣り合うボルト孔とボルト孔の間の位相の部位で特に顕著となるので、フランジにおける突片の基端の円周方向の両側の端面部分である円弧面部に歪みが集中しやすくなる。このことから、このセンサ付車輪用軸受では、歪みゲージの出力信号により、車軸に対して垂直な方向となる上下方向の荷重を推定手段で推定するのに特に好適である。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、 前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、ナックルへ取付ける車体取付用のフランジを有し、このフランジの円周方向の複数箇所にボルト孔が設けられ、上記フランジは、各ボルト孔が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片とされ、各突片の基端における円周方向の両側の端面部分が、前記フランジの前記突片の非成形部の外径面に対して円弧状の正面形状となって続く円弧面部とされ、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、前記フランジの前記突片における前記円弧面部に、歪みゲージを1つ以上貼り付け、この歪みゲージの出力信号により、前記車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたため、車輪用軸受への追加工をほとんど要さず、軸受剛性を低下させることなく荷重センサを取付けることができ、静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出できる。
この発明の一実施形態を図1ないし図3と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取り付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受における軸受は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックルに取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには円周方向の複数箇所に車体取付用のボルト孔14が設けられている。 内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
図2は、この車輪用軸受のインボード側から見た正面図を示す。なお、図1は、図2におけるI−O−I矢視断面図を示す。前記車体取付用フランジ1aは、図2のように、各ボルト孔14が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片1aaとされている。これら各突片1aaの基端における円周方向の両側の端面部分1aa1は、車体取付用フランジ1aにおける突片1aaの非成形部1abの外径面に対して円弧状の正面形状となって続く円弧面部とされている。この円弧面部1aa1の外径面に、荷重センサとして1つ以上(ここでは、各円弧面部1aa1の外径面毎に各1個で合計8個)の歪みゲージ16が貼り付けられている。なお、歪みゲージ16の個数は特に特定されない。ここでは、これらの歪みゲージ16は、外方部材1の周方向の歪みを検出する方向に貼り付けられている。歪みゲージ16として、例えば抵抗線歪みゲージが用いられるが、そのほか半導体歪みゲージを用いても良い。歪みゲージ16には、保護用のカバー等を設けるのが好ましい。
これらの歪みゲージ16は推定手段17に接続される。推定手段17は、歪みゲージ16の出力信号により、車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する手段である。推定手段17は、車輪のタイヤと路面間の作用力と歪みゲージ16の出力信号との関係を演算式またはテーブル等により設定した関係設定手段(図示せず)を有し、入力された出力信号から前記関係設定手段を用いて作用力を出力する。前記関係設定手段の設定内容は、予め試験やシミュレーションで求めておいて設定する。
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材である外方部材1にも荷重が印加されて変形が生じる。このとき、外方部材1のフランジ1aに設けられたボルト孔14と同位相の位置は、ボルトにより車体の懸架装置におけるナックルに固定されているのでほとんど変形せず、車体取付用フランジ1aにおける突片1aaの非成形部1abの外径面が外方向へ変形する。これにより、前記円弧面部1aa1に歪みが集中し、荷重により歪み量が大きく変化する。このため、円弧面部1aa1の外径面に貼り付けられた歪みゲージ16は、荷重の印加に伴う外方部材1の歪みを感度良く検出することがきる。この歪みゲージ16の出力信号から、車輪のタイヤと路面間の作用力を推定手段17で推定するようにしているので、静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出することができる。
また、荷重センサである歪みゲージ16の取付けにおいては、車輪用軸受への追加工をほとんど必要としないので、軸受剛性を低下させることもない。
また、車輪のタイヤと路面間の作用力だけでなく、車輪用軸受に作用する力(例えば予圧量)を検出するものとしても良い。
このセンサ付車輪用軸受から得られた検出荷重を自動車の車両制御に使用することにより、自動車の安定走行に寄与できる。また、このセンサ付車輪用軸受を用いると、車両にコンパクトに荷重センサを設置でき、量産性に優れたものとでき、コスト低減が図れる。
また、荷重センサである歪みゲージ16の取付けにおいては、車輪用軸受への追加工をほとんど必要としないので、軸受剛性を低下させることもない。
また、車輪のタイヤと路面間の作用力だけでなく、車輪用軸受に作用する力(例えば予圧量)を検出するものとしても良い。
このセンサ付車輪用軸受から得られた検出荷重を自動車の車両制御に使用することにより、自動車の安定走行に寄与できる。また、このセンサ付車輪用軸受を用いると、車両にコンパクトに荷重センサを設置でき、量産性に優れたものとでき、コスト低減が図れる。
図3は、車輪のタイヤと路面間に垂直方向荷重Fzが作用した場合の外方部材1の変形の説明図である。この場合、車輪用軸受に対しては純ラジアル荷重に近い荷重が印加されるため、両列の転動体5に対して同じ方向の荷重が加わる。そのため、荷重方向に対して外方部材1の外径面が同図に矢印で示すように外方向へ変形する。なお、同図中の矢印の長さは、変形量の大きさを示す。この場合も、フランジ1aのボルト孔14と同位相の位置では変形量が小さく、転動体5への荷重が上部方向に集中するため、車体取付用フランジ1aにおける突片1aaの非成形部1abの外径面が外方向へ変形する。その結果、歪みゲージ16が貼り付けられた前記円弧面部1aa1に歪みが集中しやすくなる。このことから、このセンサ付車輪用軸受では、歪みゲージ16の出力信号により、車軸に対して垂直な方向となる上下方向の荷重Fzを推定手段17で推定するのに特に好適である。
また、上記したように、外方部材1における前記円弧面部1aa1の位置では周方向に歪むため、この実施形態のように、歪みゲージ16を外方部材1の周方向の歪みを検出する方向に貼り付けた場合、歪みゲージ16による外方部材1の歪み検出をより感度良く行うことができる。
図4は、この発明の他の実施形態を示す。このセンサ付車輪用軸受では、図1の実施形態において、外方部材1のフランジ1aと車体の懸架装置のナックル18との互いの対向面を、フランジ1aの各ボルト孔14の周縁においてスペーサ19を介在させることで接触させ、前記対向面の残りの範囲を互いに非接触としたものである。スペーサ19を介在させるのに代えて、フランジ1aまたはスペーサ19の前記対向面に突部からなる介在部を設け、この介在部を相手側の対向面に接触させるようにしても良い。その他の構成は図1の実施形態の場合と同様である。
この実施形態の場合、外方部材1のフランジ1aにおけるナックル18との対向面は、各ボルト孔14の周縁においてのみスペーサ(または介在部)19を介してナックル18の対向面に接触し、周方向に並ぶボルト孔14とボルト孔14の間の対向面は摩擦力の働かない非接触面となるので、荷重の印加に伴う外方部材1の変形は、隣り合うボルト孔14とボルト孔14の間の位相の部位で特に顕著となり、フランジ1aにおける突片1aaの基端の円周方向の両側の端面部分である円弧面部1aa1に歪みがさらに集中しやすくなる。その結果、歪みゲージ16による歪みの検出感度がさらに向上する。
1…外方部材
1a…車体取付用フランジ
1aa…突片
1aa1…円弧面部
1ab…突片非成形部
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
14…ボルト孔
15…圧入孔
16…歪みゲージ
17…推定手段
18…ナックル
19…スペーサ
1a…車体取付用フランジ
1aa…突片
1aa1…円弧面部
1ab…突片非成形部
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
14…ボルト孔
15…圧入孔
16…歪みゲージ
17…推定手段
18…ナックル
19…スペーサ
Claims (4)
- 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、 前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、ナックルへ取付ける車体取付用のフランジを有し、このフランジの円周方向の複数箇所にボルト孔が設けられ、上記フランジは、各ボルト孔が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片とされ、各突片の基端における円周方向の両側の端面部分が、前記フランジの前記突片の非成形部の外径面に対して円弧状の正面形状となって続く円弧面部とされ、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
前記フランジの前記突片における前記円弧面部に、歪みゲージを1つ以上貼り付け、この歪みゲージの出力信号により、前記車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたセンサ付車輪用軸受。 - 請求項1において、前記歪みゲージは、前記固定側部材の周方向の歪みを検出する方向に貼ったセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1または請求項2において、前記固定側部材のフランジとナックルの互いの対向面を、スペーサまたは前記フランジもしくはナックルに設けられた突部からなる介在部を介して、前記各ボルト孔の周縁で接触させ、前記対向面の残りの範囲を互いに非接触としたセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記推定手段は、前記歪みゲージの出力信号により、車軸に対して垂直な方向となる上下方向の荷重を推定するものとしたセンサ付車輪用軸受。
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Cited By (2)
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CN107643139A (zh) * | 2017-09-09 | 2018-01-30 | 韩少鹏 | 勘探工程软岩地应力测试装置 |
US10174786B2 (en) * | 2014-12-10 | 2019-01-08 | Ntn Corporation | Wheel bearing apparatus and its mounting structure |
-
2007
- 2007-03-26 JP JP2007079973A patent/JP2008241359A/ja active Pending
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