JP2007057258A - センサ付車輪用軸受 - Google Patents

センサ付車輪用軸受 Download PDF

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孝美 尾崎
Tomoumi Ishikawa
智海 石河
Kentaro Nishikawa
健太郎 西川
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Abstract

【課題】 車両にコンパクトに荷重検出用のセンサを設置できて、車輪にかかる荷重を感度良く検出でき、量産時のコストが安価となるセンサ付車輪用軸受を提供する。
【解決手段】 外方部材1と内方部材2の間に複列の転動体3を介在させた車輪用軸受において、センサユニット21を取付ける。センサユニット21は、固定側部材である外方部材1の内周面に取付けられるリング部材22と、このリング部材22の歪みを測定する複数の歪みセンサ23とでなる。リング部材22の横断面形状は、外方部材1の内周面に対してそれぞれ接触、非接触となる接触リング部分および非接触リング部分を有する溝形の形状とされる。両側の接触リング部分は、非接触リング部分よりも肉厚が厚くされている。前記非接触リング部分に、前記歪センサ23が貼り付けられる。なお、内方部材が固定側部材である場合は、内方部材に前記リングを取付ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
従来、自動車の安全走行のために、各車輪の回転速度を検出するセンサを車輪用軸受に設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセンサ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がなく、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車軸とステアリングが機械的に結合しないシステムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝達することが求められる。
このような要請に応えるものとして、車輪用軸受の外輪に歪ゲージを貼り付け、歪を検出するようにした車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
特表2003−530565号公報
車輪用軸受の外輪は、転走面を有し、強度が求められる部品であって、塑性加工や、旋削加工、熱処理、研削加工などの複雑な工程を経て生産される軸受部品である。そのため特許文献1のように外輪に歪ゲージを貼り付けるのでは、生産性が悪く、量産時のコストが高くなるという問題点がある。また、外輪の歪みを感度良く検出することが難しい。
そこで、リング部材を外輪の周面に取付け、このリング部材に歪みゲージを取付けて生産性の向上を図ることを試みた。しかし、外輪の歪みを感度良く検出するについては、まだ未解決であった。
この発明の目的は、車両にコンパクトに荷重検出用のセンサを設置できて、車輪にかかる荷重を感度良く検出でき、量産時のコストが安価となるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明における第1の発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体と、前記外方部材と内方部材間の端部を密封する密封手段とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、リング部材を、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の周面に取付け、このリング部材の横断面形状は、互いに軸方向に離れて固定側部材に接触する一対の接触リング部分と、これら接触リング部分間に繋がり固定側部材と接触しない非接触リング部分とを有する形状とし、前記非接触リング部分を接触リング部分よりも肉厚が薄いものとし、前記非接触リング部分に、リング部材の軸方向歪みを測定するセンサを設けたことを特徴とする。
この発明における第2の発明のセンサ付車輪用軸受は、上記と同様の車輪用軸受において、リング部材を、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の周面に取付け、このリング部材の横断面形状は、互いに軸方向に離れて固定側部材に接触する一対の接触リング部分と、これら接触リング部分間に繋がり固定側部材と接触しない非接触リング部分とを有する形状とし、いずれか片方の接触リング部分をもう片方の接触リング部分および非接触リング部分よりも肉厚が薄いものとし、この肉厚を薄くした接触リング部分に、リング部材の曲げ歪みを測定するセンサを設けたことを特徴とする。
第1および第2の発明において、例えば、外方部材が固定側部材、内方部材が回転側部材の場合、外方部材に前記リング部材を取付ける。
第1および第2の発明において、車両走行に伴い回転側部材に荷重が加わると、転動体を介して固定側部材が変形し、その変形はリング部材に歪みをもたらす。リング部材に設けられたセンサは、リング部材の歪みを検出する。歪みと荷重の関係を予め実験やシミュレーションで求めておけば、センサの出力から車輪にかかる荷重等を検出することができる。すなわち、前記センサの出力によって、車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定することができる。また、この検出した荷重等を自動車の車両制御に使用することが出来る。
このセンサ付車輪用軸受は、固定側部材の周面に取付けられるリング部材にセンサを取付けるので、車両にコンパクトに荷重センサを設置できる。リング部材は、固定側部材に取付けられる簡易な部品であるため、これにセンサを取付けることで、量産性に優れたものとでき、コスト低下が図れる。
第1の発明において、リング部材は、互いに軸方向に離れて固定側部材に接触する一対の接触リング部分と、これら接触リング部分間に繋がり固定側部材と接触しない非接触リング部分とを有する形状とされていて、接触リング部分は非接触リング部分よりも肉厚が厚く剛性が高くて変形し難いが、非接触リング部分は剛性が低くて変形し易い。したがって、非接触リング部分には軸方向の歪みが発生するが、この歪みは固定側部材の軸方向歪みを転写しかつ拡大したものとなる。そのため、非接触リング部分に設けられたセンサにより、固定側部材の変形を感度良く検出でき、検出精度を高めることができる。
第2の発明においても、リング部材は、互いに軸方向に離れて固定側部材に接触する一対の接触リング部分と、これら接触リング部分間に繋がり固定側部材と接触しない非接触リング部分とを有する形状とされているが、いずれか片方の接触リング部分をもう片方の接触リング部分および非接触リング部分よりも肉厚が薄いものとしている。この場合、肉厚を薄くした接触リング部分は固定側部材の変形に従って変形するが、他方の接触リング部分および非接触リング部分は剛性が高くて変形し難い。したがって、肉厚を薄くした接触リング部分に曲げ歪みが発生するが、この歪みは固定側部材の周面の軸方向歪みを転写し拡大したものになる。そのため、肉厚を薄くした接触リング部分に設けられたセンサにより、固定側部材の変形を感度良く検出でき、検出精度を高めることができる。
前記リング部材は、固定側部材への圧入時に塑性変形しないものであることが好ましい。特に、車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力の予想される最大値においても、前記リング部材は塑性変形せず、または前記固定側部材との間にすき間ができないものであることが好ましい。
リング部材が圧入時等に塑性変形せず、また車輪用軸受に作用する外力等の予想される各作用力の最大値においても塑性変形せず、固定側部材との間にすき間ができないものであると、固定側部材の変形がリング部材に正確に伝わり、固定側部材の歪みを精度良く検出することができる。
前記リング部材はプレス加工品としても良い。プレス加工品とすることにより、低コスト化を図ることができる。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体と、前記外方部材と内方部材間の端部を密封する密封手段とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、リング部材を、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の周面に取付け、このリング部材の歪みを測定する複数のセンサを前記リング部材に取付けたものであるため、車両にコンパクトに荷重センサを設置できる。また、リング部材は固定側部材に取付けられる簡易な部品であるため、これに歪みを測定するセンサを取付けることで、量産性に優れたものとでき、コスト低下が図れる。
また、第1の発明のセンサ付車輪用軸受では、リング部材を、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の周面に取付け、このリング部材の横断面形状は、互いに軸方向に離れて固定側部材に接触する一対の接触リング部分と、これら接触リング部分間に繋がり固定側部材と接触しない非接触リング部分とを有する形状とし、前記非接触リング部分を接触リング部分よりも肉厚が薄いものとし、前記非接触リング部分に、リング部材の軸方向歪みを測定するセンサを設けたため、車輪にかかる荷重を感度良く検出することができる。
第2の発明のセンサ付車輪用軸受では、リング部材を、外方部材および内方部材のうちの固定側部材の周面に取付け、このリング部材の横断面形状は、互いに軸方向に離れて固定側部材に接触する一対の接触リング部分と、これら接触リング部分間に繋がり固定側部材と接触しない非接触リング部分とを有する形状とし、いずれか片方の接触リング部分をもう片方の接触リング部分および非接触リング部分よりも肉厚が薄いものとし、この肉厚を薄くした接触リング部分に、リング部材の曲げ歪みを測定するセンサを設けたため、車輪にかかる荷重を感度良く検出することができる。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受は、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ型玉軸受とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、各転走面3,4は接触角が外向きとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、密封手段7,8によりそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックルに取付けるフランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには、周方向の複数箇所に車体取付孔14が設けられている。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、ホイールおよび制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
外方部材1のアウトボード側端の内周に、センサユニット21が設けられている。センサユニット21の軸方向位置は、密封手段7と転走面3との間とされる。このセンサユニット21は、リング部材22と、このリング部材22に貼り付けられてリング部材22の歪みを測定する複数の歪センサ23とでなる。歪センサ23は、リング部材22の円周方向の複数箇所に等配され、この例では、車輪用軸受の上下と左右に対応する4箇所に設けられている。
センサユニット21は、外方部材1の内周にリング部材22が圧入固定されるが、リング部材22は、この際の圧入により塑性変形を起こさない形状や材質とする。リング部材22の材質としては、鋼材の他、銅、黄銅、アルミニウム等の金属材料を用いることができる。リング部材22は、これら金属材料の板材によりプレス加工され、またはこれら金属材料から削り出し加工により得たものとされる。
図3に示すように、リング部材22の横断面形状は、外方部材1の内周面に対してそれぞれ接触、非接触となる接触リング部分22a,22bおよび非接触リング部分22cを有する溝形の形状とされていて、非接触リング部分22cはその溝形形状の底壁部分、接触リング部分22a,22bは上記溝形形状の両側の側壁部分を構成する。両側の接触リング部分22a,22bは、非接触リング部分22cより肉厚が厚くされている。ここで言う肉厚は、非接触リング部分22cについては半径方向の厚さ、接触リング部分22a,22bについては軸方向の厚さのことである。
非接触リング部分22cにおける外周面、つまりリング部材22の内底面に、このリング部材22の軸方向の歪を測定する歪センサ23が貼り付けられている。
図1において、センサユニット21の出力を処理する手段として、外力計算手段31、路面作用力計算手段32、軸受予圧量計算手段33、および異常判定手段34が設けられている。これら各手段31〜34は、この車輪用軸受の外方部材1等に取付けられた回路基板等の電子回路装置(図示せず)に設けられたものであっても、また自動車の電気制御ユニット(ECU)に設けられたものであっても良い。
なお、インボード側のシール手段8は、外方部材1の内周面に取付けられた芯金付きのゴム等の弾性体からなるシール8aと、内輪10の外周面に取付けられて前記シール8aが接触するスリンガ8bとでなり、スリンガ8bに、円周方向に交互に磁極を有する多極磁石からなる回転検出用の磁気エンコーダ16が設けられている。磁気エンコーダ16に対向して、外方部材1に磁気センサ(図示せず)が取付けられる。
上記構成のセンサ付車輪用軸受の作用を説明する。ハブ輪9に荷重が印加されると、転動体5を介して外方部材1が変形し、その変形は外方部材1の内周に取付けられたリング部材22に伝わり、リング部材22が変形する。このリング部材22の歪みを、歪センサ23により測定する。この場合、非接触リング部分22cは、外方部材1の主に軸方向の変形に従って変形する。一方、接触リング部分22a、22bは非接触リング部分22cより肉厚が厚くされているから、この部分は剛性が高く変形しにくい。従って、非接触リング部分22cには軸方向の歪みが発生するが、この歪みは外方部材1の内周の軸方向歪みを転写し且つ拡大したものとなり、これによって、センサ23による歪みの測定精度が高くなる。
荷重の方向や大きさによって歪みの変化が異なるが、予め歪みと荷重の関係を実験やシミュレーションにて求めておけば、車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力を算出することができる。外力計算手段31および路面作用力計算手段32は、それぞれ、このように実験やシミュレーションにより予め求めて設定しておいた歪みと荷重の関係から、歪センサ23の出力により、車輪用軸受に作用する外力およびタイヤと路面間の作用力をそれぞれ算出する。
異常判定手段34は、このように算出した車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力が、設定された許容値を超えたと判断される場合に、外部に異常信号を出力する。この異常信号を、自動車の車両制御に使用することが出来る。
また、外力計算手段31および路面作用力計算手段32により、リアルタイムで車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力を出力すると、よりきめ細やかな車両制御が可能となる。
また、車輪用軸受は内輪10によって予圧が付加されるが、その予圧によってもリング部材22は変形する。このため、予め歪みと予圧の関係を実験やシミュレーションにて求めておけば、車輪用軸受の予圧の状態を知ることが出来る。軸受予圧量計算手段33は、上記のように実験やシミュレーションにより予め求めて設定しておいた歪みと予圧の関係から、歪センサ23の出力により、軸受予圧量を出力する。また、軸受予圧量計算手段33から出力される予圧量を用いることで、車輪用軸受の組立時における予圧の調整が容易になる。
リング部材22は、車輪用軸受に予想される最大の荷重が印加された場合でも、塑性変形を起こさず、かつ外方部材1の内周面との結合部に隙間が生じてはならない。塑性変形や外方部材1の内周との結合部に隙間が生じると、外方部材1の変形がリング部材22に正確に伝わらず、歪みの測定に影響を及ぼすためである。
これと同様の理由で、リング部材22と外方部材1の内周面との結合部に隙間やすべりが生じてはならないため、リング部材22と外方部材1の内周面との結合部に接着剤を用いても良く、また図には示さないが、リング部材22と外方部材1の内周面との結合にボルトを用いても良い。
図4ないし図6は第2の実施形態を示し、センサユニット21を構成するリング部材22の形状およびセンサ23の取付け位置が上記第1の実施形態と異なる。この実施形態のリング部材22の横断面形状は、外方部材1の内周面に対してそれぞれ接触、非接触となる接触リング部分22d,22eおよび非接触リング部分22fを有し、溝形とされている点では、上記実施形態と同様である。しかし、この実施形態のリング部材22は、両側の接触リング部分22d,22eのうち、一方の接触リング部分22dの肉厚を他方の接触リング部分22eより厚くすると共に、非接触リング部分22fの肉厚をこれらよりも更に厚くしている。
上記の肉厚の薄い方の接触リング部分22eの内面に、つまり接触リング部分22dに対向する側の面に、このリング部材22の曲げ方向の歪みを測定する歪センサ23が貼り付けられている。
この実施形態によると、上記実施形態と同様に、ハブ輪9に荷重が印加されると、転動体5を介して外方部材1が変形し、その変形は外方部材1の内周に取付けられたリング部材22に伝わり、リング部材22が変形する。この実施形態のセンサユニット21においては、歪センサ23が貼り付けられた接触リング部分22eは、外方部材1の主に軸方向の変形に従って変形するが、片方の接触リング部分22dおよび非接触リング部分22fはその肉厚を厚くしているから、剛性が高く変形しにくく、薄い方の接触リング部分22eに曲げ歪が発生する。この歪みは外方部材1の内周の軸方向歪みを転写しかつ拡大したものとなる。これにより、上記実施形態と同様に、高精度の歪測定が期待される。
なお、図4には図示を省略するが、歪センサ23に図1の例と同様な外力計算手段31、路面作用力計算手段32、軸受予圧量計算手段33、および異常判定手段34を設け、これら各手段31〜34をセンサユニット21の出力を処理する手段とすることが可能である。ただし、この実施形態と第1の実施形態とでは、荷重の方向や大きさによる歪みの変化が異なるため、予め、この実施形態の場合の歪みと荷重の関係を実験やシミュレーションで求めておき、上記各計算手段31〜33や判定手段34の計算式や定数等を設定しておく。その他の構成は上記と同様であるので、共通部分に同一の符号を付してその説明を省略する。
なお、前記各実施形態では、リング部材22を外方部材1の内周に取付けたが、リング部材22は外方部材1の外周に取付けても良い。
また、前記各実施形態では、外方部材1が固定側部材である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定側部材であるセンサ付車輪用軸受にも適用することができ、その場合、前記リング部材は内方部材の外周または内周となる周面に取付けられる。
また、前記各実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第1または第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。
この発明の第1の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図とその検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す説明図である。 同センサ付車輪用軸受の外方部材とセンサユニットとを示す部分断面正面図である。 (a)は同センサユニットの縦断面図であり、(b)はその要部の拡大図である。 この発明の第2の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図である。 同センサ付車輪用軸受の外方部材とセンサユニットとを示す部分断面正面図である。 (a)は同センサユニットの縦断面図であり、(b)はその要部の拡大図である。
符号の説明
1…外方部材(固定側部材)
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
7,8…密封手段
21…センサユニット
22…リング部材
22a…接触リング部分
22b…接触リング部分
22c…非接触リング部分
22d…接触リング部分
22e…接触リング部分
22f…非接触リング部分
23…センサ

Claims (6)

  1. 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体と、前記外方部材と内方部材間の端部を密封する密封手段とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
    リング部材を、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の周面に取付け、このリング部材の横断面形状は、互いに軸方向に離れて固定側部材に接触する一対の接触リング部分と、これら接触リング部分間に繋がり固定側部材と接触しない非接触リング部分とを有する形状とし、前記非接触リング部分を接触リング部分よりも肉厚が薄いものとし、前記非接触リング部分に、リング部材の軸方向歪みを測定するセンサを設けたことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
  2. 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体と、前記外方部材と内方部材間の端部を密封する密封手段とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
    リング部材を、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の周面に取付け、このリング部材の横断面形状は、互いに軸方向に離れて固定側部材に接触する一対の接触リング部分と、これら接触リング部分間に繋がり固定側部材と接触しない非接触リング部分とを有する形状とし、いずれか片方の接触リング部分をもう片方の接触リング部分および非接触リング部分よりも肉厚が薄いものとし、この肉厚を薄くした接触リング部分に、リング部材の曲げ歪みを測定するセンサを設けたことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記固定側部材が外方部材であるセンサ付車輪用軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記リング部材は、前記固定側部材への圧入時に塑性変形しないものであるセンサ付車輪用軸受。
  5. 請求項4において、車輪用軸受に作用する外力、またはタイヤと路面間の作用力の予想される最大値において、前記リング部材は塑性変形せず、または前記固定側部材との間にすき間ができないものであるセンサ付車輪用軸受。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記リング部材はプレス加工品であるセンサ付車輪用軸受。
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