JP5233509B2 - 転がり軸受ユニット用荷重測定装置 - Google Patents

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Description

この発明に係る転がり軸受ユニット用荷重測定装置は、自動車の車輪を懸架装置に回転自在に支持すると共に、この車輪に加わる各方向の力を精度良く求める為に利用する。
自動車の車輪は懸架装置に対し、複列アンギュラ型の転がり軸受ユニットにより回転自在に支持する。一方、自動車の走行安定性を確保する為に、アンチロックブレーキシステム(ABS)、トラクションコントロールシステム(TCS)、電子制御式ビークルスタビリティコントロールシステム(ESC)等の各種車両用走行安定化装置が使用されている。この様な各種車両用走行安定化装置を制御する為には、車輪の回転速度、車体に加わる各方向の加速度等を表す信号が必要になる。そして、より高度の制御を行う為には、車輪を介して上記転がり軸受ユニットに加わる各方向の荷重(例えばラジアル荷重とアキシアル荷重との一方又は双方)の大きさを知る事が好ましい場合がある。
この様な事情に鑑みて考えられた転がり軸受ユニット用荷重測定装置として、例えば特許文献1〜3に記載されたものが知られている。このうちの特許文献1には、転がり軸受ユニットを構成するハブ(内輪)と等速ジョイントとの間に配置した磁歪材の圧力変化に基づいて、上記転がり軸受ユニットに加わるモーメント等を求める構造が記載されている。この様な特許文献1に記載された従来構造の場合には、等速ジョイントと組み合わされた転がり軸受ユニットの剛性を確保しつつ、上記モーメント等を精度良く求められる構造を低コストで実現する事は難しいものと考えられる。又、特許文献2には、転がり軸受ユニットを構成する回転側軌道輪と静止側軌道輪との間に、インダクタンス型等の非接触型の変位センサを設け、これら両軌道輪同士の間の変位に基づいて、上記転がり軸受ユニットに加わるモーメント等を求める構造が記載されている。この様な特許文献2に記載された従来構造の場合も、低コストで、上記モーメント等を精度良く求められる構造を実現する事は難しいものと考えられる。
これに対して特許文献3には、図4〜7に示す様な構造により、静止側軌道輪である外輪1と、回転側軌道輪であって内輪でもあるハブ2との間に加わる荷重及びモーメントを測定可能とした、転がり軸受ユニット用荷重測定装置に関する発明が記載されている。この従来構造では、上記外輪1の内周面に形成した複列の外輪軌道3、3と、上記ハブ2の外周面に設けた複列の内輪軌道4、4との間に転動体5、5を、各列毎に複数個ずつ転動自在に設けている。そして、上記外輪1の内径側に上記ハブ2を、回転自在に支持している。尚、図示の例では、上記各転動体5、5として玉を使用しているが、重量の嵩む自動車の車輪を支持する為の転がり軸受ユニットの場合には、各転動体として円すいころを使用する場合もある。
この様な転がり軸受ユニット6と組み合わされる荷重測定装置は、上記ハブ2の内端部に外嵌固定された、磁性金属板製である1個のエンコーダ7と、上記外輪1の内端開口部に被着されたカバー8に支持固定された6個のセンサ9a1 、9a2 、9b1 、9b2 、9c1 、9c2 と、図示しない演算器とを備える。上記エンコーダ7の被検出部10は円筒状であって、この被検出部10に、それぞれが「く」字形である透孔11、11と柱部12、12とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔に形成している。従って上記被検出部10の磁気特性は、円周方向に関して交互に且つ等間隔に変化するが、変化する位相は、この被検出部10の軸方向に関して漸次変化する。又、上記6個のセンサ9a1 、9a2 、9b1 、9b2 、9c1 、9c2 はそれぞれ、永久磁石と、検出部を構成するホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子等の磁気検知素子とから成る。この様な6個のセンサ9a1 、9a2 、9b1 、9b2 、9c1 、9c2 は、上記被検出部10の外周面の円周方向等間隔の3個所と対向する位置に、それぞれ2個ずつ配置している。具体的には、図7に示す様に円周方向位置(角度)θを設定した場合に、θ=0度の位置に、第一のセンサ組を構成する2個のセンサ9a1 、9a2 を、θ=120度の位置に、第二のセンサ組を構成する2個のセンサ9b1 、9b2 を、θ=240度の位置に、第三のセンサ組を構成する2個のセンサ9c1 、9c2 を、それぞれ配置している。
そして、上記各センサ組を構成する2個ずつのセンサのうちの一方のセンサ9a1 、9b1 、9c1 の検出部を、上記被検出面の軸方向外半部である第一特性変化部13に、他方のセンサ9a2 、9b2 、9c2 の検出部を、上記被検出面の軸方向内半部である第二の特性変化部14に、それぞれ対向させている。外力が作用せず、上記外輪1とハブ2とが中立状態(互いの中心軸が一致し、アキシアル方向の変位も生じていない状態)にある場合に、上記各センサ9a1 、9a2 、9b1 、9b2 、9c1 、9c2 の検出部は、それぞれ上記第一特性変化部13或は上記第二の特性変化部14の幅方向中央部に対向する。又、外力が作用しない状態で、同じセンサ組を構成する1対のセンサ9a1 (9b1 、9c1 )、9a2 (9b2 、9c2 )の検出部が上記両特性変化部13、14に対向する円周方向位置(角度)θは、互いに一致する。従って、同じセンサ組を構成する1対のセンサ9a1 (9b1 、9c1 )、9a2 (9b2 、9c2 )の出力信号同士の間に存在する初期位相差(外力が作用しない状態での位相差)は、それぞれ0となる。更に、異なるセンサ組を構成する(異なる円周方向位置θに存在する)センサ間の初期位相差も、それぞれ0となる様に、上記両特性変化部13、14の特性変化のピッチ(1周期の円周方向長さ)Pを規制している。
上述の様に構成する、特許文献3に記載された転がり軸受ユニット用荷重測定装置の場合、車輪を介して転がり軸受ユニット6に外力が作用する事に伴い、上記外輪1(上記各センサ9a1 、9a2 、9b1 、9b2 、9c1 、9c2 の検出部)と上記ハブ2(上記エンコーダ7の被検出面)との間の位置関係がずれると、これに応じて、上記各センサ9a1 、9a2 、9b1 、9b2 、9c1 、9c2 の出力信号の位相が変化する(ずれる)。そして、これら各センサ9a1 、9a2 、9b1 、9b2 、9c1 、9c2 の出力信号の位相がずれる方向及びずれる量は、上記外輪1と上記ハブ2との間に作用する外力の方向及び大きさに対応したものとなる。そこで、上記各センサ9a1 、9a2 、9b1 、9b2 、9c1 、9c2 の出力信号に上記特許文献3に記載された様な処理を施す事により、互いに直交する3方向の変位、並びに互いに直交する2方向の傾斜を求められる。例えば、上記転がり軸受ユニット6の軸方向をy軸方向、この転がり軸受ユニット6を組み付けた自動車の前後方向をx軸方向、鉛直方向をz軸方向とすれば、これらx、y、z軸方向の変位量(及び正負の方向)である、変位x、y、zを求められる。同様に、x軸或はz軸を中心とする傾斜量(角度及び正負の方向)である、傾きφx 、φz を求められる。
又、上記5方向変位(変位x、y、z及び傾きφx 、φz )と、これらに対応する、上記外輪1とハブ2との間に作用する5方向の荷重或はモーメント(x軸方向の荷重Fx、y軸方向の荷重Fy、z軸方向の荷重Fz、x軸回りのモーメントMx、z軸回りのモーメントMz)との間には、対象となる転がり軸受ユニット6の剛性等により定まる、所定の関係がある。そこで特許文献3に記載された従来装置の場合には、前記演算器のメモリ中に記憶させた、上記所定の関係を表した式或はマップに基づいて、上記5方向の変位(変位x、y、z及び傾きφx 、φz )から上記5方向の荷重及びモーメント(荷重Fx、Fy、Fz及びモーメントMx、Mz)を求める。
上述の様な特許文献3に記載された転がり軸受ユニット用荷重測定装置の構造は、磁歪材や非接触型の変位センサの如く、高精度の場合にコストが嵩む素子を使用する必要がないので、低コストで、転がり軸受ユニットに加わる荷重やモーメントを精度良く求められる構造を実現できる。但し、自動車の走行安定性の為の制御をより高度に行うべく、上記荷重やモーメントの測定精度をより一層向上させる面からは、改良の余地がある。この理由は、上記特許文献3に記載された従来装置の場合、各方向の変位x、y、z或は傾きφx 、φz から各方向の荷重Fx、Fy、Fz或はモーメントMx、Mzを求めるのに、転がり軸受ユニット自体の剛性を基準としている為である。
即ち、上記従来装置の場合には、転がり軸受ユニット自体の剛性を基に、各方向の変位x、y、z或は傾きφx 、φz から各方向の荷重Fx、Fy、Fz或はモーメントMx、Mzを求める事を考慮している。例えば、荷重Fxを求める場合には、変位x(測定値)と転がり軸受ユニットのx軸方向の剛性とを積算して(所定の係数を介して掛け合せて)、この荷重Fxを求める様にしている。ところが、転がり軸受ユニットの剛性は、測定対象である荷重或はモーメントにより変化するだけでなく、測定対象外である荷重或はモーメントによっても変化する。例えば、荷重Fxを求める場合に使用するx軸方向の剛性に関しても、例えば荷重Fyや荷重Fzにより、その値が変化する。この為、上記荷重Fxを求める場合に、単純に変位xと転がり軸受ユニット自体の(他方向の荷重やモーメントが加わっていない状態での)x軸方向の剛性とを積算しただけでは、上記荷重Fxを精度良く求める事ができない。即ち、各方向の荷重Fx、Fy、Fz或はモーメントMx、Mz同士の間でクロストークが発生し、上記荷重Fxの測定精度を確保する面からは不利である。この事は、他方向の荷重Fy、Fz或はモーメントMx、Mzを求める場合も同様である。
これに対して、特許文献4(例えば、明細書の段落[0041]部分参照)には、上述の様なクロストークに基づく測定精度の悪化を防止する為に、測定すべき荷重の作用方向の変位だけでなく、他方向の変位や傾きを考慮して、荷重やモーメントを求める事が記載されている。但し、上記特許文献4により示唆されている様な、各方向の変位や傾きを勘案して所定方向の荷重やモーメントを求める場合、測定精度を十分に向上させる為には、式やマップとして、相当に精密且つ複雑なものを用意する必要がある。この様な式或はマップを用意する為には、各型式の転がり軸受ユニット毎に多くの実験を行わなければならず、転がり軸受ユニット用荷重測定装置のコスト低減を図る面からは好ましくない。
尚、本発明に関連する刊行物として、特許文献1〜4に加えて、非特許文献1が存在する。
特開2006−64650号公報 特開2007−127253号公報 特開2008−64731号公報 特開2007−212389号公報 J.ブレンドライン他3名編著、吉武立雄訳、「転がり軸受用ハンドブック」、株式会社工業調査会、1996年8月1日、p.96−105
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、多くの実験を行わなくても、クロストークの影響を排除して、各方向の荷重やモーメントを精度良く求められる転がり軸受ユニット用荷重測定装置を実現すべく発明したものである。
本発明の転がり軸受ユニット用荷重測定装置は、例えば特許文献3に記載されて従来から知られている従来の転がり軸受ユニット用荷重測定装置と同様に、転がり軸受ユニットと荷重測定装置とを備える。
このうちの転がり軸受ユニットは、内周面に複列の外輪軌道を設けた外輪と、外周面に複列の内輪軌道を設けた内輪と、これら両外輪軌道とこれら両内輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備える。そして、上記外輪と上記内輪とのうちの一方を使用時に回転する回転側軌道輪とし、同じく他方を使用時にも回転しない静止側軌道輪としている。
又、上記荷重測定装置は、上記外輪と上記内輪との相対変位を測定する複数個のセンサを備えたセンサ装置と、このセンサ装置の測定信号を処理する演算器とを備える。
更に、この演算器は、このセンサ装置の測定信号に基づいて、上記外輪と内輪との間に作用する、少なくとも互いに直交する3方向の荷重を求める機能を有する。
特に、本発明の転がり軸受ユニット用荷重測定装置に於いては、上記演算器は、次の(A) 〜(D) に示した機能を有する。
(A) 上記3方向の荷重及び互いに直交する2方向のモーメントに基づいて変化する、上記各転動体の接触断面に関する、これら各転動体の理論接触角及び上記外輪と上記内輪との理論合計接近量を、これら各転動体毎に求める。尚、このうちの接触断面とは、転がり軸受ユニットの中心軸を含み、当該転動体の中心(転動体が玉の場合には中心点、円すいころの場合には中心軸)を通過する仮想平面に関する、上記各転動体の断面を言う。又、上記理論合計接近量とは、上記各荷重及び上記各モーメントに基づいて外輪と内輪とが、上記各転動体の転動面と外輪軌道及び内輪軌道とを弾性変形させつつ(各転動体毎に2箇所ずつの転がり接触部の弾性変形に基づいて)近づいた場合に、この相対変位の前後で上記外輪と上記内輪とが近づいた長さ(接近量)を言う。更に、上記理論接触角とは、この様に近づいた状態での、上記各転動体の接触角の理論値を言う。
(B) このうちの理論合計接近量及びこれら各転動体に関する転がり接触部の剛性に基づいて、これら各転動体の転がり接触部に発生している接触荷重を算出する。尚、上記各転動体に関する転がり接触部の剛性とは、これら各転動体の転動面の剛性と外輪軌道及び内輪軌道の剛性との合成値である。
(C) 上記各転動体に関する上記接触荷重及び上記理論接触角と、上記外輪及び上記内輪の周方向に関するこれら各転動体の位置とに基づいて、上記各転動体の転がり接触部で発生している接触荷重の、上記3方向に関する分力を求める。
(D) これら各方向の分力を全転動体に関して、各方向毎に合計する事により、上記外輪と内輪との間に作用する上記3方向の荷重を求める。
上述の様な本発明の転がり軸受ユニット用荷重測定装置を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に上記演算器に、上記(A) 〜(D) に示した機能に加えて、次の(E)(F)に示した機能を持たせる。
(E) 上記各転動体の転がり接触部で発生している接触荷重の3方向に関する分力及びこれら各転動体の位置から求められるモーメントアーム長に基づいて、それぞれが転がり軸受の中心軸に対し直交すると共に互いに直交する2方向のモーメント成分を、上記各転動体毎に求める。
(F) これら両方向のモーメント成分を全転動体に関してそれぞれ合計する事により、外輪と内輪との間に作用する上記2方向のモーメントを求める。
上述の様な請求項1〜2に記載した発明を実施する場合、より具体的には、請求項3に記載した発明の様に、前記荷重測定装置として、エンコーダとセンサ装置と演算器とを備えたものを使用する。
このうちのエンコーダは、前記回転側軌道輪の一部に、この回転側軌道輪と同心に設ける。又、このエンコーダは、周面に被検出面を備えると共に、この被検出面のうち互いに軸方向に外れた2個所位置に、第一、第二の特性変化部を備える。そして、これら両特性変化部の特性を円周方向に関して交互に且つ互いに同じピッチで変化させると共に、上記第一、第二の両特性変化部のうちの少なくとも一方の特性変化部の特性変化の位相を軸方向に関し、他方の特性変化部と異なる状態で漸次変化させる。
又、上記センサ装置は、それぞれの検出部を対向させた部分の特性変化に対応して出力信号を変化させる複数個のセンサを備えたもので、回転しない部分に支持固定する。又、上記センサ装置は、それぞれが1対のセンサから成るセンサ組を3組備えたもので、これら各センサ組を構成する1対のセンサのうちの一方のセンサの検出部を、それぞれ第一の特性変化部のうち円周方向位置が互いに異なる部分に対向させる。同じく他方のセンサの検出部を、それぞれ第二の特性変化部のうち円周方向位置が互いに異なる部分に対向させる。
更に、上記演算器は、互いに直交するx軸、y軸、z軸から成る三次元直交座標系のうちのy軸を静止側軌道輪の中心軸に一致させた場合に、それぞれが上記各センサから選択された、5通りの2個ずつのセンサの組み合わせに関する、これら各組み合わせ毎に2個ずつのセンサの出力信号同士の間に存在する5つの位相差に基づいて、上記静止側軌道輪に対する上記エンコーダの、x軸方向の変位xと、y軸方向の変位yと、z軸方向の変位zと、x軸回りの傾きφx と、z軸回りの傾きφz とを、それぞれ算出する。
上述の様に構成する本発明の転がり軸受ユニット用荷重測定装置によれば、特に膨大な実験を行わなくても、クロストークの影響を排除して、各方向の荷重やモーメントを精度良く求められる。この理由は、次の通りである。
本発明の転がり軸受ユニット用荷重測定装置の場合には、外輪と内輪との間に発生する全方向の変位、即ち、各方向の変位x、y、z及び傾きφx 、φz に基づいて、各転動体の接触断面での、これら各転動体と外輪軌道及び内輪軌道との幾何学的な相対変位を求める。具体的には、転がり軸受ユニットの諸元(各部の寸法及び形状)と、上記各変位x、y、z及び傾きφx 、φz とに基づいて、上記外輪軌道と内輪軌道とのうちで上記各転動体を挟持する部分の距離を求める。これら各要件に基づいてこの距離を求める事は、幾何学的処理により、容易且つ迅速に行える。そして、この距離が求まれば、この距離と、上記各転動体の自由状態での直径とから、これら各転動体及び上記各軌道に関する転がり接触部の弾性変形量を求められる。
そこで、上記弾性変形量と、何れも既知である、上記各転動体の転動面並びに上記外輪軌道及び内輪軌道の剛性とに基づいて、これら各転動体毎に発生する接触荷重、即ち、上記各転動体の転動面と上記外輪軌道及び内輪軌道との転がり接触部に存在する接触楕円部分で、この接触楕円(曲面)の法線方向に作用する荷重(接触面圧に基づく法線力)を求める。この様な、各転動体に関する接触楕円毎に発生する法線力の方向は、これら各転動体毎に異なるが、その方向は、外輪及び内輪の周方向に関する転動体の位置が分かれば、幾何学的に求められる。そして、上記各転動体毎に、それぞれの円周方向位置に基づいて、上記各方向(x、y、z軸方向)の分力及びモーメント成分を求める事ができる。尚、上記円周方向に関する上記各転動体の位置は、下述する理由により、転がり軸受ユニットの間中、常に認識しておく必要はない。但し、仮に、常に認識する必要があれば、例えば、これら各転動体を保持している保持器の位相を検出する為の位相検出センサと、この保持器に設けた各ポケットの位置とにより求められる。
尚、複列の転がり軸受ユニットの各列にはそれぞれ複数個ずつの転動体が、円周方向に関して等間隔に配置されている。そして、上記外輪と上記内輪との間に加わる荷重やモーメントが一定である限り、上記各転動体の公転運動に拘らず、全転動体に加わる荷重やモーメントの総和は変化しない。変化するのは、各転動体毎の荷重やモーメントであって、何れかの転動体の荷重或はモーメントが小さくなると、その分だけ、他の転動体の荷重或はモーメントが大きくなる。従って、上記円周方向に関する各転動体の位置は、必ずしも各瞬間毎に具体的に求める必要はない。何れかの位置に設定したモデルケースで、各転動体に作用している分力及びモーメント成分を求めておけば、これら各転動体の円周方向位置が異なっても、上記外輪と内輪との間に加わる荷重やモーメントを求められる。
何れにしても、各転動体毎に求めた各方向の分力及びモーメント成分を合計すれば、上記外輪と上記内輪との間に作用している荷重Fx、Fy、Fz及びモーメントMx、Mzを求められる。この様にして各方向の荷重Fx、Fy、Fz及びモーメントMx、Mzを求める、本発明の転がり軸受ユニット用荷重測定装置の場合には、前述したクロストークの影響を受ける事がない。又、幾何学的処理によりこのクロストークの影響を排除する(クロストークが入り込む余地をなくす)為、前述した特許文献4に記載された従来構造の場合に必要であった、多くの実験が不要になり、コスト上昇を抑えつつ、各方向の荷重やモーメントの測定精度の向上を図れる。
本発明を実施する場合に好ましくは、前述の図4〜7に示した、特許文献3に記載された様な転がり軸受ユニット用荷重測定装置により、外輪1及びハブ2の中心軸方向に関する変位yと、前後方向の変位xと、鉛直方向(路面に対し直角方向)の変位zと、前後方向の軸を中心とする傾き(傾斜角度)φx と、鉛直方向の軸を中心とする傾きφz とを求める。即ち、本発明を実施する場合も、上記各変位x、y、z及び傾きφx 、φz を、上記特許文献3に記載された発明と同様にして求める。特に、本発明の転がり軸受ユニット用荷重測定装置の場合には、演算器が、各センサ9a1 、9a2 、9b1 、9b2 、9c1 、9c2 の出力信号の位相のずれに基づいて上記各変位x、y、z及び傾きφx 、φz を求めた後、本発明特有の処理により、各方向の荷重Fx、Fy、Fz及びモーメントMx、Mzを求める。
以下、上記各変位x、y、z及び傾きφx 、φz から上記各方向の荷重Fx、Fy、Fz及びモーメントMx、Mzを求める手順に就いて、図1〜3を参照しつつ説明する。尚、下述する、本発明特有の処理により、上記各変位x、y、z及び傾きφx 、φz から上記各方向の荷重Fx、Fy、Fz及びモーメントMx、Mzを求める過程では、転がり軸受ユニット6(図4参照)を構成する外輪1及びハブ2に関しては、各転動体5、5の転動面との転がり接触部で発生する弾性変形(接触撓み)以外は剛体と仮定して処理を行う事が、計算量を少なく抑えて測定値を求める為の処理を迅速に行える等の面から有利である。但し、実際に上記各変位x、y、z及び傾きφx 、φz から上記各方向の荷重Fx、Fy、Fz及びモーメントMx、Mzを求める場合で、これら荷重Fx、Fy、Fz及びモーメントMx、Mzの測定精度を高くする事を考慮した場合、上記外輪1及び上記ハブ2の(例えば複列の外輪軌道3、3同士の間部分及び複列の内輪軌道4、4同士の間部分の)弾性変形も考慮する必要がある。
即ち、これら外輪1及びハブ2の弾性変形に基づく上記各変位x、y、z及び傾きφx 、φz を考慮しつつ、これら各変位x、y、z及び傾きφx 、φz から上記各方向の荷重Fx、Fy、Fz及びモーメントMx、Mzを求める必要がある。但し、上記外輪1及び上記ハブ2の弾性変形に基づく上記各変位x、y、z及び傾きφx 、φz の変動分は、これら各変位x、y、z及び傾きφx 、φz の大きさにほぼ比例するので、これら各変位x、y、z及び傾きφx 、φz に補正係数を乗ずる(掛け合せる)事により、上記外輪1及び上記ハブ2の弾性変形の影響をほぼ排除できる。これら外輪1及び上記ハブ2の弾性変形分の影響を排除する補正係数を設定する事は、周知の弾性理論により、或は実験により、容易に行える。この補正係数に就いても説明を行うと、本発明に就いての説明が徒に複雑になるので、以下の説明は、上記外輪1及びハブ2に関しては、各転動体5、5の転動面との転がり接触部で発生する弾性変形以外は剛体と仮定して行う。
先ず、ステップ1で、上記外輪1と上記ハブ2との間に負荷された荷重及びモーメントに基づいてこれら外輪1とハブ2との間に発生する、上記各方向の変位x、y、z及び傾きφx 、φz を求める。この処理に就いては、特許文献3に詳しく記載されているので、説明を省略する。
次いで、ステップ2で、上記各変位x、y、z及び上記各傾きφx 、φz に基づいて、各転動体5の接触断面に関する、外輪軌道3と内輪軌道4との相対変位の状況を、これら各転動体5毎に求める。例えば、上記荷重及びモーメントに基づいて、外輪1が固定のまま、上記ハブ2が変位した場合に就いて考える。この場合には、図2に破線(無負荷時の状態)及び実線(負荷時の状態)で示す様に、上記外輪1の内周面に設けた外輪軌道3が移動しないまま、上記ハブ2の外周面に設けた内輪軌道4が、この外輪軌道3に近づく。上記ステップ2の処理では、上記各変位x、y、z及び上記各傾きφx 、φz に基づいて、上記内輪軌道4の位置を上記各転動体5の接触断面に設定する。言い換えれば、この内輪軌道4と上記外輪軌道3との相対変位を求める。
尚、転がり軸受ユニット6の実用的使用範囲内での、上記外輪1と上記ハブ2との相対変位量は限られている(1mm以下の微小量である)。この為、上記内輪軌道4と上記外輪軌道3との相対変位を求める処理は、三次元的な5方向の相対変位(上記各変位x、y、z及び上記各傾きφx 、φz )を、上記各転動体5の接触断面に投影し、この接触断面(平面)内での相対変位として取り扱える。又、上記5方向の相対変位を上記接触断面に投影する事は、上記外輪1及びハブ2の円周方向に関する上記各転動体5の位置を基に、幾何学的処理により容易に行える。例えば、鉛直方向上方から各転動体5の中心点迄の中心角を方位角α(図3参照)とすれば、この方位角αを利用して、比較的簡単な三角関数に基づく演算処理により、上記5方向の相対変位を上記接触断面に投影できる。又、上記各転動体5に定位置予圧が付与されている場合は、予め上記内輪軌道4を転がり軸受ユニット6の軸方向に関してオフセットし、当該位置を、初期(無負荷)状態での内輪軌道4の位置とする。
前記ステップ2で、上記各転動体5の接触断面に関して上記外輪軌道3及び上記内輪軌道4の位置を設定したならば、次のステップ3で、この(荷重及びモーメントに基づいて変位した)内輪軌道4と上記固定のままの外輪軌道3との内接円(図2に実線で示した、これら両軌道4、3の母線同士の間に描き得る最大の円)を設定し、この内接円の直径dを求める。
上記ステップ3で上記内接円を設定したならば、次いでステップ4で上記外輪1と上記ハブ2との理論合計接近量δを求める。この理論合計接近量δは、図2に破線で示した、上記各転動体5の自由状態の直径Dと、上記両軌道4、3に関する内接円の直径dとの差(D−d)として求める。尚、上記各転動体5に予圧を付与している場合には、上記自由状態での直径Dとして、この予圧に基づいて縮んだ寸法を使用する。
上記ステップ4で上記理論合計接近量δを求めたならば、次のステップ5で、上記各転動体の転がり接触部に発生している接触荷重Qを算出する。この接触荷重Qは、上記理論合計接近量δ及び上記各転動体5に関する転がり接触部の剛性に基づいて算出する。この様に、理論合計接近量δ及び剛性に基づいて上記接触荷重Qを求めるのは、非特許文献1の第99頁に記載された(48)(49)式、第102頁に記載された(58)式、第103頁に記載された(62)式等から導かれる、下記の式による。尚、この式中のCは、この(62)式により求められる接触変形係数である。
Q=C・δ3/2
尚、この式により上記接触荷重Qを求める場合に於いて、外輪1に関する接触荷重とハブ2に関する接触荷重とは、荷重作用線(接触角の方向と同じ)上で釣り合っているものと考える。又、上記各転動体5の転動面と上記両軌道4、3との転がり接触部の剛性に関しては、互いに異なるのが一般的である。従って、上記各転動体5と上記外輪1との接近量と、これら各転動体5と上記ハブ2との接近量とは、互いに異なるのが一般的である。但し、これら両接近量を合計した合計接近量と上記接触荷重Qとは比例するから、上記理論合計接近量δに基づいてこの接触荷重Qを求める事ができる。
一方、上記ステップ3で上記内接円を設定したならば、ステップ6で、それぞれが図2に実線で表された、上記内接円と上記両軌道4、3との幾何学的な位置関係により、荷重を負荷された状態での、理論接触角θ1 を求める。尚、図2に示した例では、上記外輪1と上記ハブ2との間にスラスト荷重が加わる事に伴って、上記各転動体5の接触角が、初期(無負荷時)のθ0 から上記θ1 まで、大きくなっている。上記理論接触角θ1 は、上記各転動体に作用する荷重の方向を知り、この荷重の分力を求める為に必要である。
前記ステップ5で上記各転動体5毎の接触荷重Qを求め、上記ステップ6でこれら各転動体5毎の理論接触角θ1 を求めたならば、ステップ7で、これら接触荷重Q及び理論接触角θ1 と、上記外輪1及び上記ハブ2の円周方向位置である前記方位角αとに基づいて、各転動体5毎に、前記各方向の分力を求める(ステップ8〜10)。これら各方向とは、上記外輪1の軸方向であるy軸方向と、前後方向であるx軸方向と、鉛直方向であるz軸方向との3方向である。上記各転動体5毎の接触荷重Qから上記各方向毎の分力を求める事は、これら各方向毎に、上記理論接触角θ1 及び方位角αに基づく三角関数を使用した演算により、比較的簡単に行える。尚、上記各転動体5のうち、非負荷圏(例えば、図4に示した転がり軸受ユニット6の場合には、下部)に存在する転動体5に関しては、前記理論合計接近量δが負の値に(外輪1とハブ2との距離が無負荷時よりも大きく)なる。この様に、理論合計接近量δが負の値になる転動体5に関しては、接触荷重Qを0とする。又、各方向の分力はそれぞれの方向も考慮し、逆方向の分力は互いに相殺する。例えば、図4に示す様に複列に配置された転動体5、5の接触角の方向は両列同士の間で互いに逆である。従って、上記y軸方向の分力に関しては、両列同士の間で互いに逆になる。そこで、所定の方向の分力を正(+)の値とし、これと反対方向の分力を負(−)の値とする。
上述の様にして、上記各転動体5毎に、上記各方向毎の分力を求めたならば、これら各方向の分力を全転動体5に関して、各方向毎に合計する事により、上記外輪1と上記ハブ2との間に作用する上記3方向の荷重を求める。
例えば、前後方向であるx軸方向に関しては、ステップ8→ステップ11→ステップ12の順番に、各転動体5のx軸方向の分力を合計する処理を行う事で、上記外輪1と上記ハブ2との間に加わる、x軸方向の荷重Fxを求める。
又、上記外輪1の軸方向であるy軸方向に関しては、ステップ9→ステップ13→ステップ14の処理を行う事で、上記外輪1と上記ハブ2との間に加わる、y軸方向の荷重Fyを求める。
又、鉛直方向であるz軸方向に関しては、ステップ10→ステップ15→ステップ16の処理を行う事で、上記外輪1と上記ハブ2との間に加わる、z軸方向の荷重Fzを求める。
更に本例の場合には、上記各方向の分力に基づいて、z軸回りのモーメントMzと、x軸回りのモーメントMxとを求める。
このうち、z軸回りのモーメントMzを求めるには、ステップ7、8で求めたx軸方向の分力とステップ7、9で求めたy軸方向の分力とにステップ17で示す処理を行い、上記各転動体5毎のモーメント成分を求める。即ち、このステップ17では、上記y軸方向の分力に、x軸方向に関するモーメントアーム長a(転がり軸受ユニット6の揺動変位中心から各転動体5の中心迄の、x軸方向の距離)を掛け合せて、第一のモーメント成分を求める。又、上記x軸方向の分力に、y軸方向に関するモーメントアーム長p(転がり軸受ユニット6の揺動変位中心から各転動体5の中心迄の、y軸方向の距離)を掛け合せて、第二のモーメント成分を求める。そして、これら第一、第二のモーメント成分を合計して、上記各転動体5毎の、上記z軸回りのモーメント成分を求める。そして、ステップ18で全部の(両列総ての)転動体5のモーメント成分を合計して、ステップ19に示した、z軸回りのモーメントMzを求める。
上記x軸回りのモーメントMxに関しても、ステップ9、10→ステップ20→ステップ21→ステップ22の順番で、上記z軸回りのモーメントMzを求める場合と同様の処理を行い、x軸回りのモーメントMxを求める。
以上に述べた様に本発明の転がり軸受ユニット用荷重測定装置の場合には、全方向の変位に基づいて全転動体の転がり接触部の接触荷重を求め、この接触荷重に基づいて、各方向の荷重及びモーメントを求める。この為、これら各方向の荷重及びモーメントを求める過程で、前述した様なクロストークが入り込む余地がなくなる。この為、特にコストを高くする事なく、高精度の荷重及びモーメントの検出が可能になる。
本発明の対象となる転がり軸受ユニット用荷重測定装置は、互いに直交する3方向(図3、4、6のx、y、z方向)の変位、及び、互いに直交する2方向(図6のφx 、φz 方向)の傾斜を求める機能を有する事が前提となる。これら各方向の変位及び傾斜を、低コストで精度良く求められる構造として、前述の特許文献3に記載された、図4〜7に示す様な構造が好適である。但し、本発明は、上記各方向の変位及び傾斜を求められる構造であれば、上記特許文献3に記載された構造に限らずに実施できる。
本発明の実施の形態の作用を示すフローチャート。 接触断面に関する転動体の挙動を説明する為の模式図。 複列に配置された転動体に作用する接触荷重に基づいて発生するモーメントを説明する為の模式図。 従来構造の1例を示す断面図。 エンコーダの一部を径方向から見た拡大図。 従来構造の1例の全体構成を示す模式図。 同じくセンサの配置状態を示す模式図。
符号の説明
1 外輪
2 ハブ
3 外輪軌道
4 内輪軌道
5 転動体
6 転がり軸受ユニット
7 エンコーダ
8 カバー
9a1 、9a2 、9b1 、9b2 、9c1 、9c2 センサ
10 被検出部
11 透孔
12 柱部
13 第一特性変化部
14 第二特性変化部

Claims (3)

  1. 転がり軸受ユニットと荷重測定装置とを備え、
    このうちの転がり軸受ユニットは、内周面に複列の外輪軌道を設けた外輪と、外周面に複列の内輪軌道を設けた内輪と、これら両外輪軌道とこれら両内輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備え、上記外輪と上記内輪とのうちの一方を使用時に回転する回転側軌道輪とし、同じく他方を使用時にも回転しない静止側軌道輪としたものであり、
    上記荷重測定装置は、上記外輪と上記内輪との相対変位を測定する複数個のセンサを備えたセンサ装置とこのセンサ装置の測定信号を処理する演算器とを備えたものであり、この演算器は、このセンサ装置の測定信号に基づいて、上記外輪と内輪との間に作用する、少なくとも互いに直交する3方向の荷重を求める機能を有するものである転がり軸受ユニット用荷重測定装置に於いて、
    上記演算器は、上記3方向の荷重及び互いに直交する2方向のモーメントに基づいて変化する、上記各転動体の接触断面に関する、これら各転動体の理論接触角及び上記外輪と上記内輪との理論合計接近量を、これら各転動体毎に求め、このうちの理論合計接近量及びこれら各転動体に関する転がり接触部の剛性に基づいて、これら各転動体の転がり接触部に発生している接触荷重を算出し、これら各転動体に関するこの接触荷重及び上記理論接触角と上記外輪及び上記内輪の周方向に関するこれら各転動体の位置とに基づいて、上記各転動体の転がり接触部で発生している接触荷重の上記3方向に関する分力を求め、これら各方向の分力を全転動体に関して、各方向毎に合計する事により、上記外輪と内輪との間に作用する上記3方向の荷重を求める機能を有する事を特徴とする転がり軸受ユニット用荷重測定装置。
  2. 演算器が、各転動体の転がり接触部で発生している接触荷重の3方向に関する分力及びこれら各転動体の位置から求められるモーメントアーム長に基づいて、それぞれが転がり軸受の中心軸に対し直交すると共に互いに直交する2方向のモーメント成分を、上記各転動体毎に求め、これら両方向のモーメント成分を全転動体に関してそれぞれ合計する事により、外輪と内輪との間に作用する上記2方向のモーメントを求める機能を有する、請求項1に記載した転がり軸受ユニット用荷重測定装置。
  3. 荷重測定装置は、回転側軌道輪の一部にこの回転側軌道輪と同心に設けられたエンコーダと、それぞれの検出部を対向させた部分の特性変化に対応して出力信号を変化させる複数個のセンサを備え、回転しない部分に支持固定されたセンサ装置と、演算器とを備えたものであり、
    このうちのエンコーダは、周面に被検出面を備えると共に、この被検出面のうち互いに軸方向に外れた2個所位置に第一、第二の特性変化部を備えたもので、これら両特性変化部の特性が円周方向に関して交互に且つ互いに同じピッチで変化すると共に、上記第一、第二の両特性変化部のうちの少なくとも一方の特性変化部の特性変化の位相が軸方向に関し、他方の特性変化部と異なる状態で漸次変化しており、
    上記センサ装置は、それぞれが1対のセンサから成るセンサ組を3組備えたもので、これら各センサ組を構成する1対のセンサのうちの一方のセンサの検出部が、それぞれ第一の特性変化部のうち円周方向位置が互いに異なる部分に対向しており、同じく他方のセンサの検出部が、それぞれ第二の特性変化部のうち円周方向位置が互いに異なる部分に対向しており、
    互いに直交するx軸、y軸、z軸から成る三次元直交座標系のうちのy軸を静止側軌道輪の中心軸に一致させた場合に、演算器は、それぞれが上記各センサから選択された、5通りの2個ずつのセンサの組み合わせに関する、これら各組み合わせ毎に2個ずつのセンサの出力信号同士の間に存在する5つの位相差に基づいて、上記静止側軌道輪に対する上記エンコーダの、x軸方向の変位xと、y軸方向の変位yと、z軸方向の変位zと、x軸回りの傾きφx と、z軸回りの傾きφz とを、それぞれ算出する機能を有するものである、
    請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニット用荷重測定装置。
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