JP5232445B2 - 粒子、および粒子の製造方法 - Google Patents

粒子、および粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、トナーの外添材としての使用にも適し、シリカが核材となっている疎水性および分散性に優れる粒子に関するものである。
シリカ粒子は、半導体封止樹脂用の充填剤や、コピー機、プリンター等の機器用トナーの外添材などとして使用されている。例えば、シリカ粒子をトナー用外添材として使用する場合、トナーの流動性、定着性、クリーニング性等を向上させることがシリカ粒子使用による作用となる。
特許文献1〜3には、トナーの外添材用シリカ粒子として、火炎法等の乾式法で製造したシリカ粒子またはアルコキシド法等の湿式法で製造したシリカ粒子をアルコキシシラン、シリコーンオイル、またはアルコキシシランとシリコーンオイルの混合物で表面処理したものが開示されている。このようなシリカ粒子の内、アルコキシシランで処理されたシリカ粒子は、疎水性が低い問題がある。他方、シリコーンオイルで処理されたシリカ粒子は、疎水性には優れる。このシリカ粒子の優れた疎水性も、トナー用外添材に求められる一特性である。
ところで、先に述べた通り、トナーの流動性向上作用がシリカ粒子に求められるところであるが、シリカ粒子には凝集性が備わっており、その特性によりシリカ粒子同士が凝集してしまうと、トナーの流動性を高めることができないことがある。そのため、凝集力が抑えられたシリカ粒子、つまり分散性の高いシリカ粒子の実現が望まれる。
特開2004−145325号公報 特開2005−15251号公報 特許第2886037号公報
本発明は、上記事情に鑑み、疎水性に優れ、かつ、凝集力が抑えられていて高い分散性を有するシリカを基材とした粒子の提供を目的とする。
本発明者は、シリカにオルガノポリシロキサンが被覆された粒子について鋭意検討した結果、そのシリカの表面に所定の有機基が一種だけ存在する場合には、有機基が存在しない粒子よりも凝集力が高まってしまう一方で、二種以上の所定の有機基がシリカ表面に存在する場合には、有機基が存在しない粒子よりも凝集力が低下する知見を得、本発明に係る疎水性および分散性の高い粒子を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る粒子は、二種以上の−OR基(Rは、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、およびアリール基から選択された基を表す。)を表面に有するシリカと、該シリカを被覆するオルガノポリシロキサンとを有することを特徴とする。
前記−OR基のR基は、炭素数4〜18の鎖状アルキル基、環状アルキル基、アラルキル基、およびヒドロキシアルキル基から選択された一種または二種以上と、炭素数1〜3の鎖状アルキル基との組み合わせが好適である。前記シリカにおける各−OR基の量は、1質量%以上、15質量%以下であると良い。
前記シリカは、更に、シリル化剤で表面処理されたものであっても良い。当該処理がなされた本発明に係る粒子は、オルガノポリシロキサン量が少ない場合であっても、疎水性に優れるものとなる。
前記シリカの平均粒子径は、0.01μm以上、2μm以下であると良く、シリカの平均粒子径の変動係数は、10%以下であると良い。ここで、「シリカの平均粒子径」は、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して約1万倍率で粒子を観察し、シリカの一次粒子の直径を無作為に測定したときの平均値である。また、「シリカの粒子径の変動係数」は、シリカの平均粒子径と、シリカの一次粒子径の標準偏差とを次式に当てはめて求められる値である。
シリカの粒子径の変動係数(%)=一次粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
本発明に係る粒子において、(高分散粒子径)/(シリカの平均粒子径)は、5.0以下であると良く、高分散粒子径の変動係数は、30%以下であると良い。ここで、「高分散粒子径」は、本発明に係る粒子2質量部とメタノール100質量部の混合液を20分間攪拌し、超音波分散機で10分間以上処理して得られた分散液を試料液として使用し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて得られた体積基準粒度分布の算術平均値である。また、「高分散粒子径の変動係数」とは、上記測定により得られた体積基準粒度分布の標準偏差(σ)と高分散粒子径(体積基準粒度分布の算術平均値(D))を使用し、σ/D×100を算出して求められる値である。
本発明に係る粒子の製造方法は、二種以上の−OR基(Rは、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、およびアリール基から選択された基を表す。)を表面に有するシリカを調製する工程と、前記シリカにオルガノポリシロキサンを被覆する工程とを有することを特徴とする。前記オルガノポリシロキサンの被覆において、シリカ100質量部に対してオルガノポリシロキサンが1質量部以上、30質量部以下であると良い。
本発明に係る粒子は、一種ではなく二種以上の所定の有機基が表面に存在するシリカがオルガノポリシロキサンで被覆されたものであるので、疎水性および分散性に優れる。
(粒子)
本発明に係る粒子は、シリカと、当該シリカを被覆するオルガノポリシロキサンとからなる粒子である。
本発明の粒子の形状は、略球形であると良い。この粒子の最短直径に対する最長直径の比は、0.90以上が良く、0.92以上が好ましく、0.95以上がより好ましく、0.98以上が更に好ましい。
本発明に係る粒子の平均粒子径は、一次粒子の平均粒子径を意味する。この平均粒子径は、特に限定されないが、その下限が0.01μmであると良く、0.02μmであると好ましく、その上限が5μmであると良く、2μmであると好ましく、1μmであるとより好ましく、0.5μmであると更に好ましい。当該粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して約1万倍率で本発明に係る粒子を観察し、この一次粒子の直径を無作為に測定したときの平均値である。
本発明の粒子の一次粒子径における変動係数は、特に限定されないが、小さな変動係数であることが望まれる場合がある。この変動係数は、30%以下であると良く、20%以下であると好ましく、15%未満であるとより好ましく、10%以下であると更に好ましい。この本発明粒子の粒子径における変動係数は、粒子の平均粒子径と、粒子の粒子径の標準偏差とを次式(1)に当てはめて求められる値である。
式(1):本発明粒子の変動係数(%)=粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
粒子の高分散粒子径は、その下限が0.01μmであると良く、0.03μmであっても良い。一方上限は、余りに大きな粒子径であることは多くの粒子が凝集していることを意味するので、10μmであると良く、4μmであることが好ましく、2μmであると更に好ましく、1μmであることが最も好ましい。本発明に係る粒子の「高分散粒子径」は、上記の通り、攪拌および超音波分散処理した粒子とメタノールとの混合液について、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて得られた体積基準粒度分布の算術平均値である。
上記高分散粒子径の変動係数は、小さな変動係数であることが望まれる場合がある。この変動係数は、30%以下であると好ましい。この高分散粒子径の変動係数は、上記高分散粒子径と、高分散粒子径の標準偏差とを次式(2)に当てはめて求められる値である。
式(2):高分散粒子径の変動係数(%)=高分散粒子径の標準偏差/高分散粒子径×100
後記シリカの平均粒子径と本発明に係る粒子の高分散粒子径との値を使用し、下記式(3)により算出される粒子径比(3)は、5.0以下であると良く、1.5以下であると好ましい。一方、粒子径比(3)の下限値は、0.8であると好ましく、1.0でも良い。
式(3):粒子径比(3)=(高分散粒子径)/(シリカの平均粒子径)
本発明に係る粒子の平均粒子径と高分散粒子径との値を使用し、下記式(4)により算出される粒子径比(4)が、5.0以下であると良く、2.0以下であると好適であり、1.5以下であるとより好適であり、1.3以下であると更に好適である。
式(4):粒子径比(4)=(高分散粒子径)/(本発明に係る粒子の平均粒子径)
粒子の低分散粒子径は、攪拌処理した粒子とメタノールとの混合液について、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて得られた体積基準粒度分布の算術平均値である。つまり、低分散粒子径の求め方は、粒子とメタノールとの混合液を超音波処理しない点においてのみ高分散粒子径の求め方と異なる。低分散粒子径は、その下限が0.01μmであると良く、上限が10μmであると良い。上記高分散粒子径と一致する低分散粒子径が最も好ましい。
後記シリカの平均粒子径と本発明に係る粒子の低分散粒子径との値を使用し、下記式(5)により算出される粒子径比(5)は、15.0以下であると良く、10.0以下であると好ましく、2.0以下であるとより好ましく、1.5以下であると更に好ましい。一方、粒子径比(5)の下限値は、0.8であると好ましく、1.0でも良い。
式(5):粒子径比(5)=(低分散粒子径)/(シリカの平均粒子径)
粒子の疎水化度が低すぎると、粒子同士が凝集しやすくなる。そのため、この疎水化度は、60以上であると良く、65以上であると好ましく、68以上であるとより好ましく、70以上が更に好ましい。この疎水化度は、粒子の疎水性の尺度となる。疎水化度の値には、50ccの水の表面に粒子を浮かせた後、この粒子が沈むまで水中にメタノールを徐々に導入することで求められる。すなわち、水の容量とメタノールの導入容量の総量中におけるメタノール導入量の百分率が、疎水化度である。
粒子の帯電量は、その絶対値の下限として、10μC/gであると良く、20μC/gであると好ましく、50μC/gであるとより好ましく、100μC/gであると更に好ましい。つまり、正帯電の場合の帯電量の下限は、+10μC/gであると良く、+20μC/gであると好ましく、+50μC/gであるとより好ましく、+100μC/gであると更に好ましく、負帯電の場合の帯電量の上限は、−10μC/gであると良く、−20μC/gであると好ましく、−50μC/gであるとより好ましく、−100μC/gであると更に好ましい。帯電量は、ブローオフ帯電量測定装置により本発明の粒子とキャリア粒子の混合物を測定して求めた値である。
本発明の粒子においては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、クロム等の金属元素;および、塩素、フッ素等のハロゲン元素;が不純物となる。この不純物は、トナーの外添材として本発明の粒子を使用した場合、トナーの帯電量を不安定にさせる原因になるものである。そのため、上記各元素の含有量は、5ppm以下であることが好ましい。JISに規定されている方法により、前記元素の含有量が求められる。例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムの含有量については、JIS K 0121に従った原子吸光分析により求められ、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、クロムの含有量については、JIS K 0116に従ったICP発光分光分析により求められ、塩素、フッ素については、JIS K 0127に従ったイオンクロマトグラフによる分析で求められる。
シリカ:
シリカは、シロキサン結合の三次元ネットワーク体を主要構成とし、この表面には二種以上の−OR基が存在する。シリカに存在する−OR基が一種である場合、分散性が悪くなってしまうが、本発明の粒子では、この粒子の核材となっているシリカの表面に二種以上の−OR基が存在するので、分散性が向上するのである。シリカの表面に「−OR基が存在する」とは、−OR基がシリカのSi元素に結合していること、および/または、−OR基を有する化合物(例えば、アルコール)がシリカ表面に吸着していること、を意味する。−OR基がシリカのSi元素に結合していることが、特に好適である。
上記−OR基のR基は、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、およびアリール基から選択された基である。
−OR基がシリカのSi元素に結合しており、当該R基が置換基を有していても良いアルキル基である場合、このR基の構造は、直鎖状、分岐状、環状等、特に限定されない。このR基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、オレイル基等の鎖状アルキル基;シクロヘキシル基等の環状アルキル基;2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、7−ヒドロキシヘプチル基、8−ヒドロキシオクチル基、9−ヒドロキシノニル基、10−ヒドロキシデシル基、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシシクロペンチル基、2−ヒドロキシシクロヘキシル基、4−ヒドロキシシクロヘキシル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、ペンタヒドロキシヘキシル基等のヒドロキシアルキル基;ベンジル基、フェネチル基、α−メチルフェネチル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、1,2−ジフェニル−2−ヒドロキシエチル基等のフェニルアルキル基またはアラルキル基;等が挙げられる。
−OR基がシリカのSi元素に結合しており、当該R基が置換基を有していても良いアルケニル基である場合も、このR基の構造は、直鎖状、分岐状、環状等、特に限定されない。このR基の具体例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチルアリル基、2−ブテニル基、リノリル基等の鎖状アルケニル基;スチリル基、シンナミル基等の芳香環で置換された鎖状アルケニル基;等が挙げられる。
−OR基がシリカのSi元素に結合しており、当該R基がアリール基である場合、このR基の具体例としては、フェニル基が挙げられる。
−OR基がシリカのSi元素に結合している場合には、炭素数4〜18の鎖状アルキル基、環状アルキル基、アラルキル基、およびヒドロキシアルキル基から選択された一種または二種以上と、炭素数1〜3の鎖状アルキル基とが、上記−OR基におけるR基となっていると特に好ましい。
−OR基を有する化合物がシリカ表面に吸着しており、当該R基が置換基を有していても良いアルキル基である場合、その化合物の構造は、直鎖状、分岐状、環状等、特に限定されない。当該化合物としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−メチル−1−プロピルアルコール、2−メチル−2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール等の1価の飽和脂肪族アルコール;シクロヘキサノール等の1価の飽和脂環式アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール等の飽和脂肪族グリコール;シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の飽和脂環式グリコール;グリセリン;イノシトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール等の糖アルコール;ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、1−フェニル−2−プロパノール、ジフェニルメタノール、トリフェニルメタノール等のアラルキルアルコール;ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール等の芳香環で置換された飽和脂肪族グリコール;が挙げられる。
−OR基を有する化合物がシリカ表面に吸着しており、当該R基が置換基を有していても良いアルケニル基である場合も、その化合物の構造は、直鎖状、分岐状、環状等、特に限定されない。アルケニル基をR基として有する化合物としては、ビニルアルコール、アリルアルコール、イソプロペニルアルコール、2−メチル−1−プロペニルアルコール、2−メチルアリルアルコール、2−ブテニルアルコール、オレイルアルコール、リノリルアルコール等の不飽和脂肪族アルコール;スチリルアルコール、シンナミルアルコール等の芳香環で置換された不飽和脂肪族アルコール;等が挙げられる。
−OR基を有する化合物がシリカ表面に吸着しており、当該R基がアリール基である場合、その化合物としては、例えば、フェノールが挙げられる。
−OR基を有する化合物がシリカ表面に吸着している場合には、炭素数4〜18の鎖状アルキル基をR基として有する化合物、環状アルキル基をR基として有する化合物、アラルキル基をR基として有する化合物、およびヒドロキシアルキル基をR基として有する化合物から選択された一種または二種以上の化合物と、炭素数1〜3の鎖状アルキル基をR基として有する化合物との組み合わせが好ましい。
−OR基を有する化合物がシリカ表面に吸着している場合に好ましい化合物の組み合わせは、H−ORで表される二種以上のアルコールの組み合わせである。
シリカにおける−OR基の存在は、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダーおよび赤外分光分析装置により確認することができる。−OR基の存在は、シリカに炭素が含まれていることになり、この炭素含有量は、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダーにより定量することができるものである。また、赤外分光分析装置により−OR基の種類を同定することができる。
また、シリカにおける−OR基の含有量は、次の方法により定量できる。先ず、シリカ1gと0.05N−NaOH水溶液50mlとを混合後、常温で10時間撹拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を遠心分離して、当該液の上澄み液を分取する。次に、上澄み液をJIS K 0114に従ったガスクロマトグラフにより分析し、アルコール含有量が−OR基含有量として求められる。
シリカにおける各−OR基の下限量は、あまりに少量であると良好な粒子分散性が実現されない場合があるので、−OR基が表面に存在するシリカ100質量%において1.0質量%であると良く、2.0質量%であると好ましく、3.0質量%であるとより好ましく、4.0質量%であると更に好ましい。一方、各−OR基の上限量は、特に限定されないが、15.0質量%であると良く、12.5質量%であると好ましく、10.0質量%であるとより好ましく、8.0質量%であると更に好ましい。
シリカにおける−OR基の総量の上限量は、−OR基が表面に存在するシリカ100質量%において30.0質量%であると良く、25.0質量%であると好ましく、20.0質量%であるとより好ましく、16.0質量%であると更に好ましい。一方、−OR基の総量の下限量は、2.0質量%であると良く、4.0質量%であると好ましく、6.0質量%であるとより好ましく、8.0質量%であると更に好ましい。
シリカの形状は、真球形ないし略球形であると良い。
シリカの平均粒径は、特に限定されないが、その下限が0.01μmであると良く、0.02μmであると好ましく、その上限が5μmであると良く、2μmであると好ましく、1μmであるとより好ましく、0.5μmであると更に好ましい。この平均粒子径は、上記の通り、SEMで観察したシリカの一次粒子径の直径を無作為に測定した値の平均値である。
シリカ粒子径の変動係数も、特に限定されないが、30%以下であると良く、20%以下であると好ましく、15%未満であるとより好ましく、10%以下であると更に好ましい。当該変動係数は、上記の通り、シリカの一次粒子の平均粒子径に対するシリカ粒子径の標準偏差の100分率である。
シリカの吸湿率については、特に限定されないが、10質量%以下であると良く、5質量%以下であると好ましく、2質量%以下であるとより好ましい。ここでの吸湿率は、次の通り算出される。先ず、吸湿テスト前のシリカの質量(約5g)を正確に測定し、この質量をW1とする。次に、シリカを、直径10cmの時計皿上に薄く広げ、時計皿を、30℃、90%RH(相対湿度)の環境下に1日放置する。放置後のシリカ粒子の質量W2を測定する。そして、次式(6)により吸湿率を算出する。
式(6):シリカの吸湿率(質量%)=(W2−W1)/W1×100
オルガノポリシロキサンで被覆される前のシリカの表面が、シリル化剤で処理されていても良い。シリカを被覆するオルガノポリシロキサン量が少ない場合、立体的な表面修飾基を有するシリル化剤の処理がなければ、粒子の疎水化度を高く維持することができないが、シリル化剤の処理があれば、シリカ表面のある程度のシラノール基がキャップされることになるから、粒子の高い疎水化度を維持できる。
水酸基等における水素をシリル化できる一種または二種以上の公知のシリル化剤を、シリカを処理するためのシリル化剤として使用できる。
本発明におけるシリル化剤は、次の一般式(a)で表されるケイ素化合物(a)が好ましい。また、シラザン化合物も本発明におけるシリル化剤として好ましい。
1 mSiR2 (4-m) (a)
上記一般式(a)において、R1は、置換基を有していても良いアルキル基(例えば、アラルキル基)、アリール基、およびアルケニル基から選択された一種または二種以上の基を表し、アルキル基であることが好ましく、メチル基が特に好ましい。R2は、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲン原子、および水素原子から選択された一種または二種以上の基を表し、アルコキシ基または水素原子が特に好ましい。mは1〜3の整数を表し、m=3であると好ましい。
一般式(a)で表されるケイ素化合物(a)の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン等のクロロケイ素化合物;ジメチルシランジオール、ジフェニルシランジオール、トリメチルシラノール等のシラノール化合物;等が挙げられる。これらのケイ素化合物(a)の中では、モノアルコキシシランが好ましく、トリメチルメトキシシランが特に好ましい。
上記シラザン化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、へキサプロピルジシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサペンチルジシラザン、ヘキサヘキシルジシラザン、ヘキサシクロヘキシルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザンが挙げられる。
シリル化剤で処理されたシリカにおけるシリル化剤の量は、目標とする分散性や疎水化度に応じて適宜設定されるべきものであるが、シリカとシリル化剤の総量を100質量%としたときに、通常1〜30質量%であると良く、5〜25質量%であると好ましく、7〜22質量%であると更に好ましい。
オルガノポリシロキサン:
オルガノポリシロキサンとは、ポリシロキサンを骨格とする分子であって、その骨格のSi原子に炭化水素基等の有機基が結合しているポリマーである。このオルガノポリシロキサンの分子構造は、特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状、格子状、籠状などがある。オルガノポリシロキサンの分子構造が非環状構造である場合、この分子の末端Si原子には、通常、置換基を有していても良い炭化水素基、アルコキシ基、水酸基、水素原子、およびハロゲンから選択される一種または二種以上の基が結合している。本発明に係る粒子におけるオルガノポリシロキサンは、シリカ表面の二種以上の−OR基との組合せにより、その粒子の疎水化度と分散性を高める。
本発明において好ましいオルガノポリシロキサンの平均組成式は、次の一般式(b)で表される。
3 4 5 SiOd/2 (b)
一般式(b)において、R3、R4およびR5は、夫々がポリシロキサン骨格のSi原子に結合している基であり、その炭素数は特に限定されない。R3は、炭化水素基から選択された一種または二種以上の基であり、アルキル基、アリール基、アラルキル基、およびアルケニル基から選択された一種または二種以上の基であると好ましい。R4は、アルコキシ基、水酸基、水素原子、およびハロゲン原子から選択された一種または二種以上の基であり、水素原子が選択されていることが好ましい。R5は、炭化水素基における水素原子の一部または全部が水素以外に置換された基であり、前記水素と置換されている基は、一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基、四級アンモニオ基、エポキシ基、グリシジル基、メルカプト基、カルボキシル基、水酸基、アルコキシ基、および−SR6基(R6は水素原子または有機基を表す)から選択された一種または二種以上の基である。そして、0<a≦3、0≦b<3、0≦c<3、0<d<4、a+b+c+d=4であり、好適には、0.5≦a+b+c<3.5、更に好適には、0.8≦a+b+c<3.2である。
オルガノポリシロキサンの粘度が高すぎると、取り扱い難く、希釈のための溶剤使用量が多くなるので、オルガノポリシロキサンの粘度は、25℃における動粘度が1000cSt以下であると好ましい。
本発明の粒子の使用目的に応じて、オルガノポリシロキサンの種別が選択される。例えば、上記式(b)の組成で表されるオルガノポリシロキサンから選択する場合、本発明の粒子を負帯電しているものとするには、R3がアルキル基(特にメチル基)、R4が水素原子、かつ、R5がアミノ基以外を置換基とするものまたはc=0であるオルガノポリシロキサンが選択されていると良い。また、本発明の粒子を正帯電しているものとするには、R5がアミノ基を置換基とするものであるオルガノポリシロキサンが選択されていると良い。
オルガノポリシロキサンは、シリコーンオイルとして市販されているものを使用することができる。例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、フロロアルキル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸アミド変性シリコーンオイル、ポリエーテル・長鎖アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、ポリエーテル・メトキシ変性シリコーンオイルが挙げられる。
本発明の粒子において、シリカ100質量部に対するオルガノポリシロキサンの下限量は、シリカを被覆できる1質量部が良く、5質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、12.5質量部が更に好ましい。一方で、同上限量は、あまりに過剰であっても分散性および疎水化度に影響がでないので、30質量部が良く、25質量部が好ましく、20質量部がより好ましい。
(粒子の製造方法)
本発明に係る粒子は、二種以上の−OR基を表面に有するシリカにオルガノポリシロキサンを被覆することにより製造される。
シリカの製造方法:
様々な製法により本発明の粒子におけるシリカを製造できる。本明細書では、好適なシリカの製造形態として、後記の通り縮合工程、濃縮工程、および乾燥工程を有する第一乃至第三のシリカの製造形態を挙げる。第一製造形態は、縮合工程で二種以上の−OR基を有するシリカを製造する形態であり、第二製造形態は、濃縮工程においてシリカが有する−OR基(アルコキシ基)の種類を増加させる形態であり、第三製造形態は、乾燥工程においてシリカが有する−OR基(アルコキシ基)の種類を増加させる形態である。なお、第一乃至第三のシリカの製造形態は、何れも、ケイ素化合物の加水分解縮合によりシロキサン結合の三次元ネットワーク体を形成させるものである。
第一製造形態においては、後記の通り、ケイ素化合物(c)の種類、溶媒の種類、これらの組み合わせにより、シリカ表面に存在させる−OR基を制御することができる。二種以上の−OR基を有するシリカを縮合工程で得たい場合には、例えば、アルコキシ基を有するケイ素化合物(c)を二種以上使用する形態;アルコキシ基を有するケイ素化合物(c)を、当該ケイ素化合物(c)のアルコキシ基とは異なるアルコキシ基を有するアルコール中で縮合させる形態;アルコキシ基を有する又は有さないケイ素化合物(c)を、二種以上のアルコールを含む溶媒中で縮合させる形態;およびこれらの形態を組み合わせた形態;などが好ましい。
第二製造形態および第三製造形態では、これら製造形態における縮合工程で調製されるシリカが二種未満の−OR基を有する場合があるが、濃縮工程または乾燥工程においてシリカが有する−OR基の種類を増やすことができる。つまり、第二製造形態および第三製造形態では、これらの縮合工程でケイ素化合物(c)を一種のみ使用しても良い。
第二製造形態では、縮合工程で得られたシリカが−OR基を有している場合には、その−OR基とは異なる−OR基を有する一種以上のアルコールとシリカとを濃縮工程で共存させて、シリカが有する−OR基を二種以上にすることができる。一方、縮合工程で得られたシリカが−OR基を有していない場合には、二種以上のアルコールとシリカとを濃縮工程で共存させて、シリカが有する−OR基を二種以上にすることができる。第二製造形態におけるシリカと共存させたアルコールの−OR基は、後述する通り、シリカ表面のシラノール基または同表面の−OR基の一部または全部とエステル交換される。この交換を効率的に行うためには、アルコールを共存させた濃縮工程での条件を加熱条件にすることが好ましい。
第三製造形態では、濃縮工程後のシリカが−OR基を有している場合には、その−OR基とは異なる−OR基を有する一種以上のアルコールとシリカとを乾燥工程で共存させて、シリカが有する−OR基を二種以上にすることができる。一方、濃縮工程で得られたシリカが−OR基を有していない場合には、二種以上のアルコールとシリカとを乾燥工程で共存させて、シリカが有する−OR基を二種以上にすることができる。第三製造形態におけるシリカと共存させたアルコールの−OR基は、後述する通り、シリカ表面のシラノール基または同表面の−OR基の一部または全部とエステル交換される。この交換を効率的に行うためには、アルコールを共存させた乾燥工程での条件を加熱条件にすることが好ましい。
以下に、第一乃至第三のシリカの製造形態を詳述する。なお、例えば、ケイ素化合物(c)の縮合以外の方法で得られた−OR基を有するシリカまたは−OR基を有さないシリカを、アルコールに分散させて加熱する方法;ケイ素化合物(c)の縮合以外の方法で得られた−OR基を有するシリカまたは−OR基を有さないシリカを、アルコールの共存下で乾燥する方法;等の方法によっても二種以上の−OR基を有するシリカを製造できるが、以下に詳述する第一乃至第三のシリカの製造形態に係る方法は、シリカが有する−OR基量が多く、オルガノポリシロキサンの被覆および/またはシリル化剤による処理を均一に行うために望まれるシリカの優れた分散性を実現できるので好ましい。
第一のシリカの製造形態は、下記ケイ素化合物(c)を加水分解縮合させる縮合工程、当該縮合工程で得られた加水分解縮合物(シリカ)と溶媒との分散液を濃縮する濃縮工程、及びその濃縮後の加水分解縮合物を乾燥させる乾燥工程を備える。乾燥工程を経て得られたシリカに対しては、必要に応じて、シリル化工程でシリル化処理される。
入手容易かつ安価である観点から、下記一般式(c)で表される一種または二種以上のケイ素化合物(c)を、縮合工程で使用する。
7 nSiR8 (4-n) (c)
一般式(c)において、R7は、置換基を有していても良いアルキル基(例えば、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アラルキル基)、アリール基、および置換基を有していても良いアルケニル基から選択された一種または二種以上の基を表し、炭素数が1〜10のアルキル基が選択されていることが好ましい。R8は、水酸基、アルコキシ基、およびアシロキシ基から選択された一種または二種以上の基を表す。nは、0〜3の整数を表す。
シリカの粒子径の制御を容易に行なうためには、n数が0及び/又は1であるケイ素化合物(c)を使用すると良い。このとき、他のケイ素化合物(c)を併用しても良いが、全ケイ素化合物(c)中におけるn数が0のケイ素化合物(c)とn数が1のケイ素化合物(c)の量が80質量%以上であることが好適である。また、n数が0のケイ素化合物(c)とn数が1のケイ素化合物(c)とを併用する場合、n数が0のケイ素化合物(c)が、n数が1のケイ素化合物(c)よりも量が多いことが好適である。
前記ケイ素化合物(c)としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、等の四官能性ケイ素化合物(上記一般式(c)のnが0である化合物);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等の三官能性ケイ素化合物(上記一般式(c)のnが1である化合物);ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジフェニルシランジオール等の二官能性ケイ素化合物(上記一般式(c)のnが2である化合物);トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルシラノール等の一官能性ケイ素化合物(上記一般式(c)のnが3である化合物);が挙げられる。テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびテトラプロポキシシランの少なくとも一種を選択することが好適である。なお、ケイ素化合物(c)の二種以上を適宜に選択(例えば、テトラメトキシシランと、テトラエトキシシランの選択)すれば、二種以上の−OR基が存在するシリカを調製できる。
縮合工程では、溶媒中でケイ素化合物(c)の加水分解縮合を行なう。この溶媒に含ませるケイ素化合物(c)の濃度は、0.05モル/L以上が好ましく、1.2モル/L以下が好ましい。
上記加水分解縮合のために使用する溶媒には、水と一種または二種以上の有機溶媒との混合溶媒を使用する。ここでは、ケイ素化合物(c)および水を溶解し、必要に応じて後記触媒を溶解する有機溶媒;または、水と触媒とのミセルを均一に分散させることができる有機溶媒;を使用すると良い。そのような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸エチル等のエステル;イソオクタン、シクロヘキサン等のパラフィン;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;が挙げられる。例を挙げた有機溶媒の中では、アルコールを選択することが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、またはプロポキシ基を−OR基としてシリカ表面に多く存在させることができるメタノール、エタノール、またはプロパノールを選択することがより好ましい。なお、(1)アルコキシ基を有するケイ素化合物(c)が選定されていない場合には、シリカの表面に二種以上のアルコキシ基を存在させるために、二種以上のアルコールを本工程の有機溶媒として選択することが好適であり、(2)水や触媒と相溶しない有機溶媒を用いることもできるが、この場合には、水および触媒を均一に分散させるために界面活性剤を溶媒に添加すると良い。
溶媒中の水濃度を調整すると、調製されるシリカの形状や粒子径、溶媒中におけるケイ素化合物(c)の溶解状態に影響を及ぼすことがある。溶媒における水の濃度は、通常、0.1モル/L以上、50モル/L以下であると良く、2モル/L以上、25モル/L以下であると好ましい。
必要に応じて、ケイ素化合物(c)の加水分解のための触媒を使用する。このとき使用する触媒には、アンモニア;加熱によりアンモニアを発生し得る尿素等のアンモニア発生剤;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジメチルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン;シクロヘキシルアミン等の脂環式アミン;ベンジルアミン等の芳香族アミン;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の4級アンモニウムハイドロオキサイド;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;等の塩基性触媒を使用すると良く、これらの中でも、シリカの粒子径制御が容易なアンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン、アルカノールアミンが好ましい。また、得られるシリカにおける触媒残存量を少なくし易い観点からは、沸点が低いアンモニア、炭素数1〜4の脂肪族アミンが好ましく、加水分解縮合の促進に優れたアンモニアが特に好ましい。
溶媒中の水濃度と同様、触媒濃度を調整すると、調製されるシリカの形状や粒子径、溶媒中におけるケイ素化合物(c)の溶解状態に影響を及ぼすことがある。溶媒における触媒濃度は、通常、0モル/Lを超え、10モル/L以下であると良く、0.8モル/L以上、9.4モル/L以下であると好ましい。
上記ケイ素化合物(c)の縮合を行なう場合、溶媒にケイ素化合物(c)を添加する。このときの添加態様は、特に限定されず、様々な方法を採用できる。例えば、(1)溶媒にケイ素化合物(c)を一括して添加し、攪拌する方法、(2)溶媒を攪拌しながら、ケイ素化合物(c)を数回に分けてその溶媒に添加する方法、(3)溶媒を攪拌しながら、ケイ素化合物(c)を連続的に添加する方法、(4)ケイ素化合物(c)を含有する有機溶媒を予め調製し、この有機溶媒を前記(1)〜(3)のいずれかの方法で添加する方法、である。
また、使用する水および触媒も有機溶媒または溶媒(水と有機溶媒とからなるもの)に添加する。このときの添加態様も、特に限定されず、様々な方法を採用できる。例えば、初めに一括して添加する方法、数回に分けて添加する方法、連続的に添加する方法である。
ケイ素化合物(c)の加水分解縮合反応を生じさせる際の温度は、0℃以上であると良く、10℃以上であると好ましく、20℃以上であるとより好ましい。また、この温度は、100℃以下であると良く、70℃以下であると好ましく、50℃以下であるとより好ましい。温度が0℃以上であれば、ケイ素化合物(c)の加水分解縮合が速やかに進行し、100℃以下であれば、その縮合の制御が容易になる。
また、上記加水分解縮合の反応時間は、30分以上が良く、1時間以上が好ましく、2時間以上がより好ましい。また、この時間は、100時間以下が良く、20時間以下が好ましく、10時間以下がより好ましい。反応時間が30分以上であれば、ケイ素化合物(c)の加水分解縮合が十分進行し、100時間以下であれば、加熱処理に要するエネルギーを低く抑えることができる。
縮合工程におけるケイ素化合物(c)の加水分解縮合を生じさせるには、上述の濃度、反応温度、反応時間であると良い。ケイ素化合物(c)の濃度が0.05モル/L以上、1.2モル/L以下、水の濃度が2モル/L以上、25モル/L以下、触媒の濃度が0.8モル/L以上、9.4モル/L以下、反応温度が20℃以上、50℃以下、かつ、反応時間が2時間以上、10時間以下であれば、粒子径が揃っているシリカが溶媒に分散した分散液を調製できる。
なお、得られた分散液中の粗大なシリカや当該シリカの凝集物を除去する必要があれば、フィルターでその除去が可能である。シリカの平均粒子径よりも1μm以上大きな目開きのフィルターを使用すれば、粗大なシリカ等を除去できる。上記フィルターは、空隙を持つメッシュであってもよい。
縮合工程に続く濃縮工程では、縮合工程でえられたシリカが分散する分散液の溶媒を蒸発させて、分散液を濃縮する。
上記溶媒蒸発をするためには、公知の蒸発手段を採用することができ、特に限定されない。例えば、蒸発釜に分散液を仕込み、当該釜を加熱して分散液の溶媒を蒸発させると良い。溶媒を蒸発させることができれば、当該蒸発の際の圧力、温度については、適宜に設定されるべきものである。圧力は、常圧であっても良く、温度は、溶媒の沸点に応じて定められることになる。
乾燥工程では、濃縮工程で完全に蒸発させることができなかった溶媒を蒸発させる。ここでは、シリカ単体が得られるまで溶媒を蒸発させる。
溶媒を蒸発させるための乾燥方式には、シリカ同士の凝集、融着、または固着を抑制できる方式を選択することが好ましい。この凝集等を抑制できる方式としては、例えば、気流乾燥方式、噴霧乾燥方式が挙げられる。
乾燥方式として気流乾燥方式を採用した場合、気流および/または乾燥装置の内壁との衝突により、シリカの凝集体の解砕が促進される。そのため、乾燥されたシリカの凝集体量を低減することができる。この気流乾燥方式で分散液を加熱する方式には、直接加熱方式および間接加熱方式の何れを選択しても構わない。直接加熱方式であれば、熱風発生炉等により発生させた熱風を濃縮された分散液と接触させることにより、分散液の溶媒を蒸発させることができ、かつ、熱風の気流により、シリカの凝集体の解砕を促進させることができる。間接加熱方式であれば、熱伝導材料を介して濃縮された分散液を加熱することにより、分散液の溶媒を蒸発させることができ、かつ、外部から導入された気流または内部で循環している気流により、分散液の分散およびシリカの凝集体の解砕を促進させることができる。
乾燥方式として、噴霧乾燥方式を採用した場合、濃縮された分散液が噴霧されることで、分散液の分散およびシリカの凝集体の解砕を促進させることができる。分散液の溶媒の蒸発に伴うシリカの凝集を抑制するためには、噴霧乾燥方式が、分散液の溶媒を瞬時に高温に加熱し、且つ、乾燥系内の圧力を低圧に維持するための真空排気を行って溶媒を蒸発させる真空瞬間乾燥法であると好適である。更に、シリカ凝集体の十分な解砕を行うためには、溶媒の蒸発が行われる直線部と屈曲部とで構成された管を備え、管の出口側(屈曲部側)から真空排気しつつ、管の入口側(直線部側)から分散液を供給できる装置を使用する。このような装置を使用すれば、溶媒蒸発に伴うシリカ凝集が生じても、屈曲部の壁にシリカ凝集体が衝突することで、凝集体が解砕される。
なお、選択した上記乾燥方式によっては、溶媒を蒸発させた後に得られたシリカ同士が、凝集している場合がある。この場合、当該凝集体の解砕処理を別途行っても良い。
以上の工程により、シリカを得ることができる。上記の通り、必要に応じてシリカをシリル化工程で処理する。このシリル化工程では、先に述べたシリル化剤でシリカの表面を処理する。
シリル化工程では、ヘンシェルミキサー等の公知の混合機内でシリカを攪拌しつつ、このシリカにシリル化剤を噴霧すると良い。この噴霧の際には、シリカを窒素等の雰囲気中に置く。シリル化剤の噴霧の後、シリカを加熱する。加熱温度は、100℃以上、250℃以下が良く、120℃以上、230℃以下が好ましく、150℃以上、200℃以下がより好ましい。また、加熱時間は、1時間以上、10時間以下が良く、2時間以上、8時間以下が好ましく、3時間以上、6時間以下がより好ましい。
次に、第二のシリカの製造形態について説明する。第二のシリカの製造形態は、濃縮工程のみシリカの第一製造形態と異なる。その濃縮工程は、次の通りである。なお、本濃縮工程では、後記エステル交換反応と共に、反応釜に仕込まれたアルコールおよび分散液の溶媒を蒸発させて、分散液の濃縮を行なう。
本第二製造形態における濃縮工程では、分散液の濃縮を行なう蒸発釜に、−OR基を有する化合物の一種であるアルコールを仕込む。仕込まれたアルコールは、シリカ粒子表面の水酸基および/または−OR基とのエステル交換反応に関与する。つまり、(1)アルコールのR基と、シリカ表面の水酸基における水素原子および/または同表面の−OR基におけるR基の一部とが置換されるか、(2)アルコールの−OR基と、シリカ表面の水酸基および/または同表面の−OR基の一部とが置換される。また、前記の交換が無い場合であっても、蒸発釜に仕込まれたアルコールがシリカ表面に吸着する場合もある。従って、本第二製造形態による一つの技術的特徴は、選択するアルコールにより、−OR基が一種のみ存在するシリカの表面に、別の−OR基をも存在させることができることにある。
1価の脂肪族アルコール、1価の飽和脂環式アルコール、飽和脂肪族グリコール、飽和脂環式グリコール、グリセリン、糖アルコール、アラルキルアルコール、芳香環で置換された飽和脂肪族グリコール、不飽和脂肪族アルコール、芳香環で置換された不飽和脂肪族アルコール、アリールアルコール等から選択された一種または二種以上のアルコールを、特に限定することなく、本濃縮工程でのアルコールとして使用できる。但し、縮合工程で使用した有機溶剤にアルコールを使用した場合には、シリカ表面に二種以上の−OR基を存在させるために、その有機溶剤に係るアルコールと異なるアルコールを使用することが好適である。例えば、縮合工程における有機溶媒にメタノールを使用した場合には、1−ブタノールやベンジルアルコールを使用する。
濃縮工程において蒸発釜に仕込むアルコールを例示すれば、次の通りである。1価の飽和脂肪族アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−メチル−1−プロピルアルコール、2−メチル−2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール;1価の飽和脂環式アルコールとしては、シクロヘキサノール;飽和脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール;飽和脂環式グリコールとしては、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール;糖アルコールとしては、イノシトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール;アラルキルアルコールとしては、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、1−フェニル−2−プロパノール、ジフェニルメタノール、トリフェニルメタノール;芳香環で置換された飽和脂肪族グリコールとしては、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール;不飽和脂肪族アルコールとしては、ビニルアルコール、アリルアルコール、イソプロペニルアルコール、2−メチル−1−プロペニルアルコール、2−メチルアリルアルコール、2−ブテニルアルコール、オレイルアルコール、リノリルアルコール;芳香環で置換された不飽和脂肪族アルコールとしては、スチリルアルコール、シンナミルアルコール;アリールアルコールとしては、フェノール;である。
蒸発釜への分散液およびアルコールの仕込む方法は、特に限定されず、任意の方法で分散液を仕込むと良い。例えば、(1)アルコールと分散液の全てを反応釜に仕込む方法、(2)アルコールを予め蒸発釜に仕込んだ後、分散液を徐々に反応釜に導入する方法、(3)分散液を予め蒸発釜に仕込んだ後、アルコールを徐々に反応釜に導入する方法、が挙げられる。
反応温度および時間は、エステル交換率およびアルコール蒸発の程度に応じて適宜に設定される。一般的な傾向としては、反応温度が高い程、エステル交換反応が進行する。また、反応時間が長い程、エステル交換反応が進行する。加熱により反応温度が調整され、この温度は、概ね50℃以上、250℃以下が良く、70℃以上、230℃以下が好ましく、100℃以上、200℃以下がより好ましい。他方、反応時間は、概ね1時間以上、10時間以下が良く、2時間以上、8時間以下が好ましく、3時間以上、6時間以下がより好ましい。
次に、第三のシリカの製造形態について説明する。第三の製造形態は、濃縮工程と乾燥工程の間に、濃縮された分散液にアルコールを添加(添加量は、適宜定められる)することにおいて第一製造形態と異なる。乾燥工程において、(1)分散液に添加されたアルコールにおける−OR基(アルコキシ基)のR基と、シリカ表面の水酸基における水素原子および/または同表面の−OR基におけるR基の一部とが置換されるか、(2)分散液に添加されたアルコールの−OR基と、シリカ表面の水酸基および/または同表面の−OR基の一部とが置換される。また、前記の交換が無い場合であっても、分散液に添加されたアルコールがシリカ表面に吸着する場合もある。従って、本第三製造形態による一つの技術的特徴は、上記第二製造形態のシリカの製法と同じく、選択するアルコールにより、−OR基が一種のみ存在するシリカの表面に、別の−OR基をも存在させることができることにある。
本第三の製造形態において使用するアルコールは、特に限定されない。つまり、1価の飽和脂環式アルコール、飽和脂肪族グリコール、飽和脂環式グリコール、グリセリン、糖アルコール、アラルキルアルコール、芳香環で置換された飽和脂肪族グリコール、不飽和脂肪族アルコール、芳香環で置換された不飽和脂肪族アルコール、アリールアルコール等から選択された一種または二種以上のアルコールを特に限定することなく使用できる。但し、縮合工程で使用した有機溶剤にアルコールを使用した場合には、シリカ表面に二種以上の−OR基を存在させるために、その有機溶剤に係るアルコールと異なるアルコールを使用することが好適である。例えば、縮合工程における有機溶媒にメタノールを使用した場合には、1−ブタノールやベンジルアルコールを使用する。
本第三製造形態で使用できるアルコールを例示すれば、次の通りである。1価の飽和脂肪族アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−メチル−1−プロピルアルコール、2−メチル−2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール;1価の飽和脂環式アルコールとしては、シクロヘキサノール;飽和脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール;飽和脂環式グリコールとしては、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール;糖アルコールとしては、イノシトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール;アラルキルアルコールとしては、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、1−フェニル−2−プロパノール、ジフェニルメタノール、トリフェニルメタノール;芳香環で置換された飽和脂肪族グリコールとしては、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール;不飽和脂肪族アルコールとしては、ビニルアルコール、アリルアルコール、イソプロペニルアルコール、2−メチル−1−プロペニルアルコール、2−メチルアリルアルコール、2−ブテニルアルコール、オレイルアルコール、リノリルアルコール;芳香環で置換された不飽和脂肪族アルコールとしては、スチリルアルコール、シンナミルアルコール;アリールアルコールとしては、フェノール;である。
オルガノポリシロキサンの被覆:
調製したシリカの表面にオルガノポリシロキサンを被覆させることにより、本発明の粒子が得られる。
公知の混合装置を使用して、シリカへのオルガノポリシロキサンの被覆を行なうことが好適である。すなわち、装置内でシリカを攪拌しつつ、オルガノポリシロキサンをシリカに向けて噴霧した後、そのシリカを加熱することが好適である。噴霧に際しては、シリカを攪拌する装置内部を窒素等の不活性ガス雰囲気にすると良い。
シリカを攪拌するための装置としては、本発明の粒子同士の凝集、融着、固着を抑えるため、噴霧後の加熱をも実行可能な装置が好ましい。このような装置としては、例えば、加熱ジャケットを備えたヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製「FM/J型」)がある。
オルガノポリシロキサン噴霧する際には、このオルガノポリシロキサンをそのままシリカ粒子に噴霧しても良いが、オルガノポリシロキサンには粘度が高いものが多いため、イソプロピルアルコール等の溶媒をオルガノポリシロキサンと混合して粘度を低下させたものを噴霧することが、効率が良い。
上記噴霧後、シリカへのオルガノポリシロキサンの密着力を高めるため、オルガノポリシロキサンが噴霧された後のシリカを加熱する。この際の加熱温度は、100℃以上、300℃以下が良く、150℃以上、200℃以下が好ましい。加熱時間については、10分以上が良く、30分以上が好ましく、1時間以上がより好ましい。なお、加熱をしている間には、粒子の均一な加熱を行なうため、通常、連続して上記攪拌を行なう。オルガノポリシロキサンと混合した溶媒の蒸散が迅速化すると共に、各シリカ温度の均一化を図れるからである。
オルガノポリシロキサンの被覆により本発明の粒子が得られる。当該粒子は、凝集体となっている場合がある。その場合、必要であれば、ジェットミル、ボールミル等の解砕機(粉砕機)を使用して、その凝集体の解砕を行なう。本発明に係る粒子の凝集体における凝集力は弱いので、凝集体の十分な解砕を容易に行なうことができる。解砕と共に本発明に係る粒子の分級をも行なう必要があれば、例えばジェット粉砕分級機(日本ニューマ製「IDS−2型」)を使用すれば良い。
(粒子の用途)
シリカ粒子を必要とする広範な用途に本発明の粒子を適用できる。トナーの流動性を高める外添材として使用した場合、この粒子の分散性が良好なことから、トナーの流動性を優れたものにすることができる。
本発明の粒子をトナーの外添材として使用するとき、このトナーは、着色剤と結着樹脂とを有することが通常である。この着色剤には、カーボンブラック、シアンカラー、マゼンタカラー、イエローカラー、体質顔料等の染料及び顔料を使用できる。また、結着樹脂には、スチレン、クロルスチレン、ビニルスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体;等を使用できる。
また、トナーには添加剤として、フェライト等の磁性体、電化制御剤、導電性調節剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、離型剤などを含有させても良い。
トナーの外添材として本発明の粒子を使用する場合、この粒子の使用量は、トナーの種類により適宜設定される。トナーが非磁性であるとき、本発明粒子の使用量は、トナー100質量部に対して0.1質量部未満であるとトナーの帯電性を制御できない場合があるので、0.1質量部以上であると良く、0.1〜10質量部であると好ましく、0.5〜5質量部であると更に好ましい。また、トナーが磁性体を含む磁性トナーであるとき、磁性体を除いたトナー100質量部に対して、上記本発明の使用量を設定すると良い。
トナーと本発明粒子を混合するには、公知の混合手段を適用できる。その手段に使用する装置としては、例えば、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、ボールミル、V型混合機、ターブラミキサー、ペイントシェイカーが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
各実施例および比較例における−OR基量、平均粒子径、粒子径の変動係数、疎水化度、帯電量、低分散粒子径、高分散粒子径、不純物元素の含有量は、次の通りにして算出した。
(シリカ表面の−OR基量)
試料シリカ1gと、0.05N−NaOH水溶液50mlとを混合後、室温で10時間攪拌し、懸濁液を得た。この懸濁液を、1×105G以上、60分間の条件で遠心分離し、この液の上澄み液を分取した。この上澄み液中のアルコキシ基を、水素炎イオン化検出器を備えるガスクロマトグラフを使用して定量分析し、その結果から試料シリカ1gの表面に存在する−OR基量(アルコキシ基量)を算出した。
(一次粒子の平均粒子径、変動係数)
SEM(日立製作所社製走査型電子顕微鏡「S−3500N」)を使用し、50〜100個程度の試料シリカを確認できる1万倍率程度でこの試料観察像を無作為に5枚撮影し、全撮影像から確認できる試料の一次粒子の直径を無作為に測定した。この測定値から、平均粒子径を算出した。また、平均粒子径と、粒子径の標準偏差とを次式に当てはめ、粒子径の変動係数を求めた。
粒子径の変動係数(%)=一次粒子の粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
(疎水化度)
底部に攪拌子を置いた200ccのガラスビーカーに水50ccを投入し、その水面に試料粒子0.2gを置いた後、攪拌子を緩やかに回転させた。その後、ビーカー内の水中にビュレットの先端部を挿入し、このビュレットから水中にメタノールを徐々に導入した。この導入を、水面の粒子が完全に沈んだことを目視確認できるまで行なった。そして、疎水化度を次式に基づき求めた。
Figure 0005232445
(帯電量)
試料粒子1質量部と、キャリア粒子である平均粒子径100μmの鉄粉100質量部の混合物を、メノウ鉢内で5分間粉砕した。この粉砕物2mgのブローオフ帯電量を、帯電量測定装置(京セラケミカル社製「TB200」)を使用して測定した。ここでの測定条件は、金網の目数を500メッシュ、ブロー圧を0.06kg、ブロー時間を30秒、とした。
(低分散粒子径)
試料粒子2質量部とメタノール100質量部の混合液を20分間攪拌した。この攪拌により得られた分散液について、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製LA−920)を用いて計測した。得られた体積基準の粒度分布の算術平均値をもって低分散粒子径とした。
(高分散粒子径)
低分散粒子径の算出と同様にして調製した分散液を超音波分散機で10分間以上処理することにより、分散液において試料粒子を高分散させた。その後、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製LA−920)を用いて得られた体積基準の粒度分布の算術平均値をもって高分散粒子径とした。
(不純物の含有量)
試料粒子におけるNa、K、Li、F、Clの各含有量を測定した。Na、K、Liの各元素の含有量は、JIS K 0121の原子吸光分析により分析を行った。F、Clの各元素の含有量は、JIS K 0127のイオンクロマトグラフにより分析を行った。
(実施例1)
以下の縮合工程、濃縮工程、乾燥工程、被覆工程、解砕・分級工程に従って、実施例1の粒子を調製した。
縮合工程:
撹拌機、滴下装置および温度計を備えた容量50Lの反応器に、メタノール17.6kgと25質量%アンモニア水3.55kgとを仕込み、反応器内の液温を40±0.5℃に調整しながら5時間攪拌した。このとき、テトラメトキシシラン11.2kgおよび水2.65kgの夫々を、攪拌開始から3時間掛けて反応器内に滴下した。以上の操作により、テトラメトキシシランの加水分解縮合で粒子状シリカが生じ、メタノールにシリカが分散する液を調製した。この分散液から少量のシリカを採取し、これを乾燥後、SEM観察に基づき、シリカの平均粒子径およびこの粒子径の変動係数を算出した(算出値は、後記表1参照)。
濃縮工程:
攪拌機、滴下口、温度計、および熱媒加熱機能を備えた容量30Lの蒸発釜と、この蒸発釜からの蒸気を凝縮する凝縮器とを有する蒸発装置を使用し、次の手順で、上記縮合工程で得られた分散液の濃縮を行った。先ず、内部圧が常圧の蒸発釜にn−ブタノール18kgを仕込み、このブタノールを攪拌しながら熱媒温度を120℃に保持させつつ、蒸発釜の滴下口から上記分散液の全量を4時間掛けて蒸発釜内に送り込んだ。次に、蒸発釜内のメタノールと水とアンモニアを留出させた後、熱媒温度を160℃に設定し、蒸発釜からの全留出量が35.3kg、分散液中の固形分濃度が25質量%となった時点で、熱媒の冷却を開始した。
乾燥工程:
上記濃縮した分散液を、噴霧乾燥装置(ホソカワミクロン社製「CRUXシステム8B型」)を使用して気流乾燥させることにより、乾燥シリカ粒子を得た。使用した乾燥装置は、加熱水蒸気が供給されるジャケットで覆われた内径8mm,長さ8mのステンレス鋼管と、当該鋼管の一端部に濃縮された上記分散液を供給する供給ポンプと、鋼管の他端部に接続され、かつ、シリカおよび分散液の分散媒蒸気を分離するバグフィルタが設けられた内部減圧化可能な粉体捕集室と、を備えている。この乾燥装置の鋼管内では分散液が間接的に加熱されて分散媒が蒸発するとともに、その鋼管内の粉体捕集室側が減圧化して生じる気流により、鋼管内における分散液の拡散と凝縮したシリカの解砕が促進される。鋼管を通過したシリカは、バグフィルタにより捕集され、他方の分散媒蒸気は、バグフィルタ通過後凝縮され、そして乾燥装置外に排出される。この乾燥装置を使用した本実施例では、分散液の乾燥条件を、操作圧50torr、加熱管ジャケット温度170℃、粉体捕集室内温度150℃として、上記濃縮した分散液の全量17.7kgを乾燥した。得られたシリカについては、その表面の−OR基を定量した(当該定量値は、後記表1参照)。
被覆工程:
加熱ジャケットを備えた容量20Lのヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製FM20J型)内で、乾燥したシリカの表面にオルガノポリシロキサンであるメチルハイドロジェンシリコーンオイル(以下、「MHSC」と称することがある)を被覆した。ここで使用したヘンシェルミキサーは、シリカ等が仕込まれる容器と、当該容器内を攪拌するための回転攪拌羽と、前記容器内壁に沿って周回して該内壁の付着物を掻き落とすための付着物除去板と、を備える装置である。シリカ表面へのMHSCの被覆手順は、次の通り行なった。先ず、シリカ4kgをヘンシェルミキサーの常温の容器内に投入し、窒素ガスを1L/minで連続して吹き込みつつ、MHSC(信越シリコーン社製「KF−99」)0.6kgとイソプロピルアルコール0.2kgとの混合物を15分掛けてシリカに向けて噴霧した。なお、ヘンシェルミキサーの回転攪拌羽の回転方向と、付着物除去板の周回方向とは逆方向とした。次に、1時間後に140℃になるようにシリカの温度を徐々に昇温させた後、当該温度を1時間保持した。その後、MHSCが被覆されたシリカを常温にまで自然冷却させた後、このシリカをヘンシェルミキサーから取り出した。
解砕・分級工程:
MHSCが被覆された上記シリカを、カウンタージェット粉砕分級機(ホソカワミクロン社製「Type:100型」、解砕圧:6g/cm)を使用して解砕・分級し、本実施例の粒子を得た。
(実施例2)
実施例1における被覆工程のみ相違する方法により、本実施例の粒子を得た。本実施例の被覆工程の詳細は、次の通りである。先ず、窒素ガスが1L/minで連続して吹き込まれているヘンシェルミキサーの常温容器内にシリカ4kgを仕込み、このシリカにシリル化剤である信越シリコーン社製ヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」と称することがある)0.2kgを15分間掛けて噴霧した。その後、シリカの温度を1時間掛けて150℃にし、当該温度を3時間保持し後、シリカ中の温度を40℃にまで冷却した。次に、MHSC0.2kgとイソプロピルアルコール0.1kgとの混合物を15分掛けてシリカに向けて噴霧した後、1時間後に140℃になるようにシリカの温度を徐々に昇温させ、当該温度を1時間保持した。その後、MHSCが被覆されたシリカを常温にまで自然冷却させた後、この粒子をヘンシェルミキサーから取り出した。
(実施例3)
縮合工程が異なる以外は、実施例1と同様にして本実施例の粒子を得た。反応器に、メタノール11.75kgと28質量%アンモニア水3.40kgとを仕込み、反応器内の液温を25±0.5℃に調整すると共に攪拌を行ないながら、テトラメトキシシラン2.7kgを60分掛けて滴下した。次に、攪拌を1時間継続した後、反応器内に28質量%アンモニア水1.25kgを一括して添加した後、更に1時間攪拌した。その後、テトラメトキシシラン11.4kgとメチルトリメトキシシラン(以下、「MTMS」と称することがある)0.6kgとの混合液を240分掛けて反応器内に滴下した。なお、MTMSには、信越シリコーン社製「KBM−13」を使用した。前記テトラメトキシシラン等の混合液の滴下と同時に、28質量%アンモニア水溶液1.1kgと水0.5kgとの混合液の滴下も行なった。これら滴下後、攪拌を2時間行うことで、シリカ粒子の分散液を得た。
(実施例4)
濃縮工程を以下の通り行い、当該濃縮工程後の分散液にアルコールを添加・攪拌したものを、乾燥工程における処理対象とした以外は、実施例1と同様にして、本実施例の粒子を得た。
本実施例における濃縮工程では、先ず、蒸発釜に分散液の一部(20kg)を仕込み、この分散液を攪拌しながら熱媒温度を120℃に設定し、メタノールと水とアンモニアを蒸発させた。次に、3時間掛けて分散液の残りを蒸発釜内に送り込んだ後、蒸発釜からの全留出量が17.3kg、分散液中の固形分濃度が25質量%となった時点で、熱媒の冷却を開始した。
濃縮工程と乾燥工程との間のアルコールの添加では、n−ブタノール3.5kgを添加し攪拌した。
(実施例5)
濃縮工程後の分散液へのアルコールの添加・攪拌において、n−ブタノールに替えてベンジルアルコールを使用した以外は、実施例4と同様にして本実施例の粒子を得た。
(実施例6)
縮合工程〜被覆工程までを次の通りとした以外は、実施例1と同様にして、実施例6の粒子を得た。
先ず、縮合工程では、反応器に、エタノール24.75kgと28質量%アンモニア水9.62kgとを仕込み、反応器内の液温を40±0.5℃に調整しながら5時間攪拌した。このとき、テトラエトキシシラン4.69kgを、攪拌開始から1時間掛けて反応器内に滴下した。以上の操作により、テトラエトキシシランの加水分解縮合で粒子状シリカが生じ、エタノールにシリカが分散する液を調製した。
続く、濃縮工程では、蒸発釜に分散液の一部(20kg)を仕込み、この分散液を攪拌しながら熱媒温度を120℃に設定し、エタノールと水とアンモニアを蒸発させた。次に、3時間掛けて分散液の残りを蒸発釜内に送り込んだ後、蒸発釜からの全留出量が33.6kg、分散液中の固形分濃度が25質量%となった時点で、熱媒の冷却を開始した。
上記濃縮工程で得られた分散液にオクタノール1.08kgを添加し、これを攪拌した。この液を実施例1と同様の乾燥工程で、乾燥させた。そして、被覆工程において、乾燥工程で得られたシリカにオルガノポリシロキサンを被覆させた。この被覆工程では、MHSCの使用量を0.15kg、イソプロピルアルコールの使用量を0.5kgとした以外は、実施例1の被覆工程と同様とした。
(比較例1)
被覆工程を省き、かつ、濃縮工程を以下の通りとした以外は、実施例1と同様にして本比較例の粒子を得た。
本比較例の濃縮工程では、先ず、蒸発釜に分散液の一部(20kg)を仕込み、この分散液を攪拌しながら熱媒温度を120℃に設定し、メタノールと水とアンモニアを蒸発させた。次に、3時間掛けて分散液の残りを蒸発釜内に送り込んだ後、蒸発釜からの全留出量が17.3kg、分散液中の固形分濃度が25質量%となった時点で、熱媒の冷却を開始した。
(比較例2)
実施例1の縮合工程と同様にして分散液を調製し、この分散液を比較例1における濃縮工程と同様にして処理し、当該濃縮された分散液を実施例1における乾燥工程と同様にして乾燥した。乾燥後の粒子状シリカを坩堝に投入し、900℃で焼成した。この焼成処理後のシリカに対して、実施例1における被覆工程および解砕・分級工程と同様の処理を行い、本比較例の粒子を得た。
(比較例3)
濃縮工程を以下の通りとした以外は、実施例1と同様にして本比較例の粒子を得た。本比較例における濃縮工程では、先ず、蒸発釜に分散液の一部(20kg)を仕込み、この分散液を攪拌しながら熱媒温度を120℃に設定し、メタノールと水とアンモニアを蒸発させた。次に、3時間掛けて分散液の残りを蒸発釜内に送り込んだ後、蒸発釜からの全留出量が17.3kg、分散液中の固形分濃度が25質量%となった時点で、熱媒の冷却を開始した。
(比較例4)
市販の溶融シリカ粒子に対して、実施例1における被覆工程および解砕・分級工程と同様の処理を行って本比較例の粒子を得た。
次表1に、MHSCを被覆する前のシリカの−OR基量、平均粒子径、および粒子径の変動係数と、実施例および比較例に係る粒子の疎水化度、帯電量、低分散粒子径、高分散粒子径、および不純物含量とを示す。
Figure 0005232445
表1から次のことを確認することができる。
(1)MHSCが被覆されていない比較例1の粒子は、疎水化度がゼロであったが、MHSCが被覆された実施例の粒子は、全て高い疎水化度であった。
(2)−OR基の有無のみ異なる実施例1および3〜6と比較例2の低・高分散粒子径の対比から、実施例1および3〜6の粒子は、比較例2の粒子よりも分散性が優れていた(実施例3および6の高分散粒子径が比較例よりも大きいのは、MHSCが被覆される前のシリカ自体の平均粒子径が大きいからである。)。
(3)上記(2)の実施例1〜6の粒子の分散性が優れたことは、シリカ表面の−OR基が二種存在していたからである。このことは、−OR基が一種である比較例3の粒子の低・高分散粒子径は、実施例1〜6と異なり、比較例2よりも大きくなっていたことから確認できる。

Claims (9)

  1. 二種以上の−OR基(Rは、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、およびアリール基から選択された基を表す。)を表面に有し、更にシリル化剤で表面処理されたシリカと、
    該シリカを被覆するオルガノポリシロキサンと
    を有し、
    かつ前記シリル化剤が下記一般式(a)で表されるケイ素化合物(a)およびシラザン化合物の少なくとも一方である
    1 m SiR 2 (4-m) (a)
    (一般式(a)において、R 1 は、置換基を有していても良いアルキル基、アリール基、およびアルケニル基から選択された一種または二種以上の基を表し、R 2 は、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲン原子、および水素原子から選択された一種または二種以上の基を表し、mは3である。)
    ことを特徴とする粒子。
  2. 前記−OR基のR基が、炭素数4〜18の鎖状アルキル基、環状アルキル基、アラルキル基、およびヒドロキシアルキル基から選択された一種または二種以上と、炭素数1〜3の鎖状アルキル基とである請求項1に記載の粒子。
  3. 前記シリカにおける各−OR基の量が、1.0質量%以上、15.0質量%以下である請求項1または2に記載の粒子。
  4. 前記シリカの平均粒子径が、0.01μm以上、2μm以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の粒子。
  5. 前記シリカの粒子径の変動係数が、10%以下である請求項に記載の粒子。
  6. (高分散粒子径)/(シリカの平均粒子径)が、5.0以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の粒子。
  7. 高分散粒子径の変動係数が、30%以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の粒子。
  8. 二種以上の−OR基(Rは、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、およびアリール基から選択された基を表す。)を表面に有し、更にシリル化剤で表面処理されたシリカを調製する工程と、
    前記シリカにオルガノポリシロキサンを被覆する工程と
    を有し、
    前記シリル化剤として下記一般式(a)で表されるケイ素化合物(a)およびシラザン化合物の少なくとも一方を用いる
    1 m SiR 2 (4-m) (a)
    (一般式(a)において、R 1 は、置換基を有していても良いアルキル基、アリール基、およびアルケニル基から選択された一種または二種以上の基を表し、R 2 は、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲン原子、および水素原子から選択された一種または二種以上の基を表し、mは3である。)
    ことを特徴とする粒子の製造方法。
  9. 前記オルガノポリシロキサンの被覆において、シリカ100質量部に対してオルガノポリシロキサンが1質量部以上、30質量部以下である請求項に記載の粒子の製造方法。
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