JP5232188B2 - エレベータ用かご内操作盤及びそれを備えたエレベータ - Google Patents

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本発明は、エレベータの乗りかご内に設置され、乗りかごの操作を行うかご内操作盤に係り、特に車いす利用者や背の低い利用者への操作性を配慮した横型操作盤に関する。
エレベータの乗りかごには、エレベータの行先階登録や出入り口戸を開閉させる操作ボタンや非常時に外部と連絡を取るための連絡装置を内蔵しているかご内操作盤が設置されている。
図6は、かご内操作盤が設置された乗りかご内の構成を示す正面図である。図6に示すように、乗りかごの出入り口戸61側の側板である前側板62には縦型操作盤64が設置され、乗りかごの側面側板63には横型操作盤65が設置されている。横型操作盤65は、縦型操作盤64に附随し、操作ボタンを低位置で横方向に配列させることで車いす利用者や背の低い利用者への操作性を高めている。また、かご内操作盤の構造として、エレベータ昇降路の省スペース化の観点から薄型化が求められている。
図7は、側面側板63に配設される従来の横型操作盤65の内部構成を示す断面図である。図7に示すように、横型操作盤65は、ボックス80内に、エレベータの行先階登録や出入り口戸を開閉させる操作ボタン60と、非常時に外部と連絡を取るための連絡装置70と、エレベータの制御盤と通信の授受を行うプリント板100と、操作ボタン60及び連絡装置70とプリント板100とを接続するボタンハーネス90と、制御盤とプリント板100とを接続する制御盤ハーネス220とを収容する。
具体的には、プリント板100は、操作ボタン群60,70と重ならないように操作ボタン60や連絡装置70の下方、かつ、側面側板63の裏側へ配置され、横型操作盤65の薄型化を図っている。また、レール160、ストッパ170、保持体180、回転用ガイド190、回転プレート200及び連結棒210でスライド機構を構成し、プリント板100と操作ボタン群60,70の接続作業性を向上させている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−113938号公報
しかしながら、従来のエレベータ用かご内操作盤65は、操作盤の奥行き寸法の低減を図りつつ、操作ボタン配列の自由度向上及び操作ボタン60の交換作業性の向上を図っているが、制御盤と通信の授受を行うプリント板100の交換作業においては、上記のスライド機構を解体しなければならない。そして、スライド機構を解体するためにはボックス80を側面側板63から取り外さなければならないため、プリント板100の交換が困難であった。
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、操作盤の奥行き寸法及びプリント板と操作ボタンの接続作業性を維持し、かつ、プリント板の交換作業性に優れたエレベータ用かご内操作盤を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係るエレベータ用かご内操作盤は、乗りかごの操作やエレベータ外部との連絡を行う操作ボタン群と、前記操作ボタン群が取り付けられ操作盤の意匠面となる表面パネルと、エレベータの制御盤と通信の授受を行うプリント板と、前記操作ボタン群と前記プリント板を接続するボタンハーネスと、前記表面パネルに覆われる開口部を有し、前記操作ボタン群、前記プリント板及び前記ボタンハーネスを収納するボックスとを備え、乗りかご内に設置されるエレベータ用かご内操作盤において、前記プリント板は、スライド用プレートに取り付けられ、前記ボックスには、前記スライド用プレートが着脱可能で、しかもストッパ機能を兼ねるガイドが設けられ、前記スライド用プレートを前記ガイドに沿ってスライドさせることで前記プリント板を位置決め配置すると共に、前記ボタンハーネスが接続されるプリント板の上部、及び、前記スライド用プレートを前記ボックスに締結固定する箇所は、前記開口部の下端付近で前記開口部から見える位置にしたことを特徴とするものである。
また、本発明のエレベータは、昇降路内を昇降移動する乗りかごを有し、該乗りかご内に、乗りかごの操作やエレベータ外部との連絡を行うかご内操作盤が設けられたエレベータにおいて、上記のかご内操作盤を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、かご内操作盤の奥行き寸法及びプリント板と押ボタンの接続作業性を維持し、かつ、プリント板の交換作業性を向上させることにより、保守作業性の優れたエレベータ用かご内操作盤を実現することができる。
本発明に係るエレベータ用かご内操作盤の第一の実施形態を示す正面図である。 図1のエレベータ用かご内操作盤の縦断面図である。 図2のエレベータ用かご内操作盤において、プリント板を取り外した状態を示す縦断面図である。 本発明のエレベータ用かご内操作盤の第二の実施形態を示す要部断面図である。 図1のかご内操作盤が設けられるエレベータの全体構成を示す概略図である。 乗りかご内部の構成を示す正面図である。 従来のエレベータ用かご内操作盤を示す縦断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
まず、第一の実施形態のエレベータ用かご内操作盤(以下、単に「操作盤」と称する)が設けられるエレベータについて説明する。図5は、エレベータの構成を示す概略図である。図5に示すように、エレベータは、昇降路21内を昇降移動する乗りかご22とつり合いおもり23とを備える。乗りかご22とつり合いおもり23は、機械室(図示せず)或いは昇降路21内に配置されたシーブ(巻上機)24及びプーリ25と主ロープ26によりつるべ式に懸垂され、シーブ24が発生させるトルクを主ロープ26に摩擦伝達させることにより昇降する。
乗りかご22内には、乗りかごの行先階登録、出入り口戸27の開閉、非常時に外部と連絡とをるための操作盤が設けられている。乗りかご22内に設けられる操作盤の設置位置等の説明は、図6と同様であるためその説明を省略するが、本実施形態の操作盤は、側面側板63に設置される横型操作盤として適用される。
図1は、第一の実施形態のエレベータ用かご内操作盤を示す正面図、図2は図1のかご内操作盤の縦断面図である。図3は、図2においてプリント板10を取り外した状態を示す断面図である。
図1乃至図3に示すように、乗りかご22の側面側板63に設置される操作盤1は、乗りかご22の操作やエレベータ外部との連絡を行う操作ボタン群5と、操作ボタン群5が取り付けられ、操作盤1の意匠面となる表面パネル9と、乗りかご22外部のエレベータの制御盤(図示せず)と通信の授受を行うプリント板10と、操作ボタン群5とプリント板10を接続するボタンハーネス12と、プリント基板10と制御盤と接続する制御盤ハーネス14と、プリント板10が取り付けられたスライド用プレート11と、表面パネル9に覆われる開口部を有し、上記の操作ボタン群5、プリント基板10等の機器及びボタンハーネス12、制御盤ハーネス14等の配線を収納するボックス13とを備える。
本実施形態では、操作ボタン群5として、乗りかご22の行先階を登録する階床ボタン6と、出入口戸51を開閉させる開閉ボタン7と、非常時に外部と連絡をとるための連絡装置8とが配置されている。なお、ボタンの種類は、押しボタンやエレクトロボタン等いずれのものでもよい。
ボックス13の上半分側には、操作ボタン群5及びボタンハーネス12が収容され、上半分側の開口部は、操作ボタン群5が取り付けられた表面パネル9が覆う。ボックス13の下半分側には、スライド用プレート11を案内及び支持するためのガイド13aが設けられる。プリント板10等を収容したボックス13の下半分側は、乗りかご22に取り付けた際、側面側板63の裏側に位置する。
プリント板10の上部にはボタンハーネス12と接続するための上部コネクタ10aが設けられ、プリント板10の下部には、制御盤ハーネス14と接続するための下部コネクタ10bが設けられる。
ガイド13aは、スライド用プレート11を下方へ案内し、最下端でスライド用プレート11を支持するストッパ機能を有する。ガイド13aの上方には、スライド用プレート11をボックス13に固定ネジ15で締結固定するためのスペーサ13bが設けられている。スペーサ13bは、表示パネル9を取り外してなる開口部17から締結作業がしやすいように、その開口部17の下端付近に配置される。
スライド用プレート11は、ガイド13に沿ってスライドさせる際に、プリント板10とガイド13aとが接触しないように、プリント板10よりも大きく形成されている。スライド用プレート11のサイズをプリント板10より大きくすることで、プリント板10とガイド13aとの接触を回避し、プリント板10に形成された回路の地絡等を防止することができる。
スライド用プレート11の上端及び下端は、折り曲げ加工が施され、その折り曲げ部は、作業者がスライド用プレート11をスライドさせる際に持つための取っ手部18として機能する。その取っ手部18が設けられたスライド用プレート11の上端は、表示パネル9を取り外してなる開口部17の下端付近に位置する。
乗りかご22の側面側板53に設置されたボックス13において、プリント板を固定する固定作業について説明する。
まず、ボックス13の外で、プリント板10をスライド用プレート11に固定し、プリント板10の下部に実装されている下部コネクタ10bと制御盤ハーネス14を接続する。接続後、ボックス13内のガイド13aに沿ってスライド用プレート11を下方へスライドさせる。スライド用プレート11は、ガイドの最下端(ストッパ)で停止し、その停止位置がプリント板10の固定位置となる。プリント板10の位置決め後、スペーサ13bにスライド用プレート11を固定ネジ15でネジ止めしプリント板10の固定が完了となる。操作ボタン群5とプリント板10との接続は、上部コネクタ10aが目視できる位置にあるため、夫々所定のコネクタ10aに接続することで完了となる。
プリント板10をボックス13から取り外す作業は、前述した固定作業の逆手順で行えばよく、作業者の手元でプリント板10の交換作業が可能となる。
本実施形態の操作盤によれば、プリント板10をスライド用プレート11に取り付け、スライド用プレート11をガイド13aに沿ってスライドさせてプリント板10を位置決めすることで、プリント板10をボックス13内に取り付けた構成であるので、ボックス13を側面側板63から取り外すことなく容易にプリント板10の交換作業を行うことができる。
すなわち、本操作盤1は、従来の操作盤65のように操作盤の奥行き寸法の薄型化及びプリント板10と操作ボタン群5の接続作業性の向上に加え、プリント板10自体の交換作業性を向上させることができ、メンテナンスの更なる容易化を図ることができる。
また、本実施形態では、プリント板10とスライド用プレート11の締結箇所の位置を、操作ボタン群5との接続作業を考慮してプリント板10に実装している上部コネクタ10aの上部が僅かに見える位置(開口部17の下端付近)とし、スライド用プレート11とスペーサ13bの締結箇所を側面側板63の開口部17から見える位置としているため、作業性の更なる向上を図っている。
[第二の実施形態]
図4は、本実施形態の操作盤を示す断面図である。図4に示すように、本実施形態の操作盤2は、基本的には図1〜図3の操作盤と同様の構成及び作用効果を有する。ただし、本操作盤2は、図2のスペーサ13aの代わりに、スライド用プレート11の固定用穴に固定ネジ15を挿通させ、ダブルナット15aにて一定の距離を保持し、スライド用プレート11を固定する構造を有する。この一定の距離とは、スライド用プレート11をボックス13に固定した際にスライド用プレート11がボックス13と平行となるための高さである。
本実施形態では、プリント板10を取り外す際にダブルナット15aにより固定用ネジ15がスライド用プレート11から離れることがないため、固定用ネジ15の落下を防止することができる。これにより、例えば最上階などの高階床においてもプリント板10の交換作業が安心して実施でき、更なる作業性の向上が図れる。
1:エレベータ用かご内操作盤
5:操作ボタン群
6:階床ボタン
7:開閉ボタン
8:連絡装置
9:表面パネル
10:プリント板
11:スライド用プレート
12:ボタンハーネス
13:ボックス
13a:ガイド
15a:ダブルナット

Claims (5)

  1. 乗りかごの操作やエレベータ外部との連絡を行う操作ボタン群と、前記操作ボタン群が取り付けられ操作盤の意匠面となる表面パネルと、エレベータの制御盤と通信の授受を行うプリント板と、前記操作ボタン群と前記プリント板を接続するボタンハーネスと、前記表面パネルに覆われる開口部を有し、前記操作ボタン群、前記プリント板及び前記ボタンハーネスを収納するボックスとを備え、乗りかご内に設置されるエレベータ用かご内操作盤において、
    前記プリント板は、スライド用プレートに取り付けられ、前記ボックスには、前記スライド用プレートが着脱可能で、しかもストッパ機能を兼ねるガイドが設けられ、前記スライド用プレートを前記ガイドに沿ってスライドさせることで前記プリント板を位置決め配置すると共に、前記ボタンハーネスが接続されるプリント板の上部、及び、前記スライド用プレートを前記ボックスに締結固定する箇所は、前記開口部の下端付近で前記開口部から見える位置にしたことを特徴とするエレベータ用かご内操作盤。
  2. 請求項1に記載のエレベータ用かご内操作盤において、前記スライド用プレートは、前記ガイドに沿ってスライドさせる際に、プリント板とガイドとが接触しない程度に大きく形成されていることを特徴とするエレベータ用かご内操作盤
  3. 請求項1及び請求項2のいずれかに記載のエレベータ用かご内操作盤において、前記スライド用プレートの上部に取っ手部を設けたことを特徴とするエレベータ用かご内操作盤
  4. 請求項1に記載のエレベータ用かご内操作盤において、前記スライド用プレートの締結部として、前記スライド用プレートに固定用ネジを挿通させ、ダブルナットにて前記固定用ネジの落下防止機構を構成したことを特徴とするエレベータ用かご内操作盤
  5. 昇降路内を昇降移動する乗りかごを有し、該乗りかご内に、乗りかごの操作やエレベータ外部との連絡を行うかご内操作盤が設けられたエレベータにおいて、前記かご内操作盤は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のかご内操作盤であることを特徴とするエレベータ
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