JP5227737B2 - 絶縁ゲート型サイリスタ - Google Patents

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Description

本発明は、サイリスタに関し、特に絶縁ゲートを有する絶縁ゲート型サイリスタに関する。
pnpn積層構造を有するサイリスタは、オン抵抗の低いスイッチング素子として知られている。pnpn積層構造は、pnpバイポーラ接合トランジスタとnpnバイポーラ接合トランジスタをマージした構造として理解されている。アノード・カソード間に高電圧を印加し、p型ベースまたはn型ベースに順方向バイアスを印加することで、一方のバイポーラ接合トランジスタ部がターンオンし、他方のベースを順方向にバイアスする。すると、他方のバイポーラ接合トランジスタ部もターンオンする。両バイポーラ接合トランジスタ部が正帰還を掛け合い、ラッチアップ状態となる。このようにして低いオン抵抗が実現される。アノード・カソード間電圧の極性が反転すれば、サイリスタはターンオフする。
ゲートターンオフサイリスタ(GTO)は、例えばゲート・カソード間に逆バイアス電圧を印加することにより、ベース領域内のキャリアをゲート電極から引き抜き、アノード・カソード間電圧が極性反転しなくても、ターンオフ可能としたサイリスタである。大電流が流れるため、適切なゲートドライブ回路を備えることが必要である。
絶縁ゲートトランジスタと呼ばれるサイリスタも知られている(B.J.Baliga: IEEE Trans. El. Dev. ED-31,No.6, 821, 1984)。pnpnサイリスタ構造のnpn部分をプレー
ナトランジスタ構造に形成し、n型エミッタ領域からp型ベース領域を横断しn型ベース領域に亘る領域上に絶縁ゲート電極を形成する。絶縁ゲート電極に正極性のバイアス電圧を印加して、p型ベース領域表面に反転層を形成することで、n型エミッタ領域とn型ベース領域を接続し、n型ベース領域にキャリア(電子)を注入し、ターンオンすることができる。ゲートターンオフも行える。
プレーナ型の代わりに、pnpn積層構造のn型領域表面からp型ベース領域を貫通しn型ベース領域に入り込むトレンチを形成し、トレンチ内に絶縁ゲート電極を形成した構成も提案されている(例えば特開2000−311998号公報)。
B.J. Baliga: IEEE Trans. El. Dev. ED-31,No.6,821, 1984 特開2000−311998号公報
本発明の目的は、新規な構造を有する絶縁ゲート型サイリスタを提供することである。
本発明の他の目的は、オン抵抗が低く、ゲートターンオフの可能な絶縁ゲート型サイリスタを提供することである。
本発明の1観点によれば、
第1導電型、高不純物濃度の第1電流端子半導体領域と、
前記第1電流端子半導体領域上に形成された、第1導電型と逆導電型の第2導電型、低不純物濃度の第1ベース半導体領域と、
前記第1ベース半導体領域に形成された、第1導電型、低不純物濃度の第2ベース半導体領域と、
前記第2ベース半導体領域上に形成された、第2導電型、高不純物濃度の第2電流端子半導体領域と、
前記第2電流端子半導体領域表面から前記第1ベース半導体領域に向かう方向で、前記第2電流端子半導体領域を貫通し、前記第2ベース半導体領域に入り、その厚さの一部を残すように形成されたトレンチと、
前記トレンチ内に形成された絶縁ゲート電極構造と、
を有し、
前記第1ベース半導体領域が電気的にフローティング状態であり、
前記トレンチが前記第2ベース半導体領域上部を複数の部分に分割し、分割された各部分を取り囲むように形成されている絶縁ゲート型サイリスタ
が提供される。
オン抵抗が低く、低電圧をゲートに印加するだけで容易にゲートターンオフが可能である。
図1に、本発明の実施例による絶縁ゲート型サイリスタを概略的に示す。一方の電流端子領域を構成するp型エミッタをp型低抵抗シリコン基板1で形成し、その上に、n型ベース層を構成する低不純物濃度のn型エピタキシャル層2が形成されている。n型エピタキシャル層2の表面部にp型ベース層を構成する深さ5μm程度のp型ウェル3が形成される。さらにp型ベース層の表面部に他方の電流端子領域であるn型エミッタ層4が深さ1.1μm程度形成されている。p型エミッタ、n型エミッタの不純物濃度は高いほど低抵抗となり、好ましい。n型ベース、p型ベースの不純物濃度はある程度以下にする。p型ベース層とn型ベース層間の逆バイアスにより拡がる空乏層は、大部分がn型ベース層に拡がる。
型エミッタ層4表面から例えば幅0.5μm程度のトレンチ5を深さ約3μmエッチングし、n型エミッタ層4を貫通し、p型ベース層3の厚さの一部に入り込ませる。トレンチ5は、幅1μm程度のストライプ状のシリコン領域を取り囲むように形成される。ストライプの幅、p型ベース層の不純物濃度、p型ベース層内のトレンチの深さなどは、トレンチに形成する絶縁ゲート電極構造のバイアス電圧により絶縁ゲート電極で囲まれたストライプ状p型ベース層のポテンシャルが十分制御できるように選択する。
p型ベース層の不純物濃度やトレンチ内に形成されるゲート酸化膜厚は、トレンチに形成されるゲートに電圧を印加することにより、p型ベース層内に誘起される電界の大きさを基に決められる。
ゲートへの電圧印加によって誘起される電界の及ぶ範囲を基にストライプの幅が決められる。ストライプの幅は、オフ動作を確実に行なえる幅とする。p型ベース層内のトレンチの深さが浅すぎると、ゲートからの電界によってp型ベース層を流れるオン電流を十分変化させることが困難となり、オフ動作を困難にする。
例えば、上記の例ではトレンチ5は(厚さ1.1μmのn型エミッタ層4と厚さ3.9μmのp型ベース層とをあわせた)厚さ5μm程度のpウェル内で深さ3μmまで(p型ベース層3では深さ1.9μmまで)掘り込まれ、残りの厚さ約2μmを残して形成される。トレンチ5が、p型ベース層3の厚さの約1/2まで形成され,残りの厚さを約1
/2としている。トレンチの周囲にチャネルを誘起した状態が、非誘起状態と著しく異なるように、トレンチはp型ベース層の厚さの1/3以上入り込んで形成することが好まし
い。耐圧確保等の点から、トレンチの底部からn型ベース層までの距離、即ちp型ベース層の内、トレンチのある部分を外した厚さは、全p型ベース層の1/3以上あることが好ましいであろう。この場合、p型ベース層内のトレンチの深さは、p型ベース層の厚さの1/3−2/3の範囲となる。
トレンチ5表面には例えば厚さ10nm程度の酸化シリコン膜が形成され、ゲート絶縁膜6を構成する。残るトレンチ内部には導電層として、例えばポリシリコン層とWシリサイド等のシリサイド層を積層したポリサイドゲート電極7が埋め込まれる。ポリサイドゲート電極7を覆ってn型エミッタ層4上に酸化シリコン等の絶縁層8を堆積し、ポリサイドゲート電極7、n型エミッタ層4を露出するコンタクト孔を開口する。p型基板1裏面にアノード電極A、n型層4表面にカソード電極K、ポリサイドゲート電極7上にゲート引き出し電極Gが形成される。この様にして、絶縁ゲート型サイリスタが形成される。
以下、図1に示す絶縁ゲート型サイリスタの動作を説明する。
図2Aに示すように、カソードKを接地し、アノードAに正極性の電圧Vが印加されたオフ状態において、ゲートGに正極性の閾値以上の電圧V(例えば2V)を印加する。アノードAには正極性の電圧が印加されているので、p−n接合J1、p−n接合J3は順バイアスであり、p−n接合J2が逆バイアスされ、アノード・カソード間電圧のほとんどを負担する。ゲートGには閾値以上の正極性電圧Vが印加されているので、ゲート絶縁膜を介してゲート電極Gに対向するp型ベース層3表面は空乏化/反転し、n型チャネル領域10が発生する。
型層4からn型チャネル領域10に電子が供給されるので、p型ベース層3の実効厚さは反転層10下面からp−n接合J2までとなる。p型ベース層3の形成する電子に対する電位障壁も正極性バイアスにより低くなる。電位障壁が十分小さくなれば、電子がn型チャネル領域10からn型ベース領域2に注入される。
図2Bに示すように、n型ベース領域2はフローティング状態であるので、注入された電子はn型ベース領域2を順バイアスする。順バイアスされたn型ベース領域2が、p型基板1の正孔に対する電位障壁を低下させる。電位障壁が十分低くなれば、p型基板1からn型ベース層2を越えてp型ベース層3に正孔が注入され、p型ベース層3を順バイアスする。このようにして正帰還がかかり、サイリスタがターンオンする。
図3Aに示すように、ゲート電極Gのバイアス電圧をオン電圧(例えば2V)から負極性のオフ電圧(例えば−2V)とする。絶縁ゲート電極に対向する領域に生じていた空乏化/反転層10は消滅し、n型層4の電子に対するp型ベース層3の電位障壁が増大する。n型層4からp型ベース層3を越えてn型ベース層2への電子の注入を停止できる。電子の供給が止まると、n型層2の順バイアスが減少し、p型基板1からn型ベース層2を越えてp型ベース層3への正孔の注入も減少する。
図3Bに示すように、p型ベース層3、n型ベース層2の順バイアスが消滅し、サイリスタはターンオフする。
なお、ストライプ幅が広すぎたり、p型ベース層3の不純物濃度が高すぎたり、トレンチ5のp型ベース層3内の深さが足りなかったりすると、ゲート電極による制御が不十分となり、ターンオフが困難になることもある。
ストライプ幅を選択する1つの考え方を以下に説明する。図1に示すように、トレンチゲートの法線方向をx軸にとり、半導体基板の法線方向をz軸にとり、紙面垂直方向をy軸にとる。p型ベース領域内のデバイ長Lは、以下のように定義され、不純物濃度N(x、y、z)に依存する。
(x、y、z)=[εskT/{qNB(x、y、z)}]1/2 ・・・(1)ここで、εs:Siの誘電率、
k:ボルツマン定数
T:絶対温度
q:電荷素量
(x、y、z):p型ベース領域の位置(x、y、z)における不純物濃度
である。なお、不純物濃度は場所によって異なる。
トレンチゲート(ゲート絶縁膜)からの距離xにおける電界は
E=E0*exp(−x/L) ・・・(2)
となる。E0は、初期電界としてゲートに印加する電圧をVg,ゲート絶縁膜厚をtとすると、
E0 = Vg/t ・・・(3)
となる。ゲート絶縁膜から距離x1の電界をE1とすると、式(2)から、
ln(E0/E1) = x1/LD ・・・(4)
となる。たとえば、Vg=2V,t=10nm=1E−6cmとすると、式(3)よりE0=2E6V/cmとなる。E1=1V/cmとすると、式(4)よりx1=14.5*Lとなる。x1の位置がチャネル幅Lの中央にL/2を残す位置、x1=L/4とすると、14.5L=L/4、L=58Lとなる。
50L ≧ L ・・・(5)
であれば、オン時の電流をオフできるであろう。
以下、図1に示すサイリスタの製造方法を説明する。
図4Aに示すように、例えばボロン(B)を2×1019(以下、2E19のように表記する)cm−3ドープした比抵抗0.003Ωcmのp型低抵抗シリコン基板1の上
に、燐(P)を例えば5E14cm−3ドープしたn型エピタキシャルシリコン層2を厚さ約80μm成長したエピタキシャル基板を準備する。p型基板1はp型エミッタ領域を構成し、n型エピタキシャル層2は、n型ベース領域を構成する。なお、エピタキシャル層の不純物濃度、厚さは目的とするデバイスの耐圧などの仕様により変化する。オフ時の耐圧を上げるためには、n型ベース領域を構成するエピタキシャル層の不純物濃度を下げ、エピタキシャル層(n型ベース層)厚を厚くするのが好ましい。
エピタキシャル層2表面に厚い酸化シリコン膜を形成し、その上にホトレジスト膜を塗布し、活性領域を囲む周縁部を開口する露光を行なう。ホトレジストパターンを酸化シリコン膜に転写し、酸化シリコン膜のハードマスク12を形成する。
図4Bはハードマスク12のパターンを示す平面図である。領域AP1が開口パターンである。
図4Cに示すように、ハードマスクパターン12をマスクとしてp型不純物であるBを例えば加速エネルギ150eV,ドーズ量4E13cm−2でイオン注入し、例えば1050℃、N雰囲気中アニールで活性化処理する。さらに、たとえばBFイオンを加速エネルギ100keV、ドーズ量1E13cm−2でイオン注入し、高濃度のp型層を表面付近に形成する。これらのp型領域は、アクティブエリアを囲むガードリング13を形成する。ガードリングは2重以上に形成してもよい。
図4Dに示すように、アクティブエリアに開口AP2を有する新たなハードマスク14を厚い酸化シリコン膜等で形成する。先に形成したガードリング13はハードマスク14に覆われる。
図4Eに示すように、ハードマスク14をマスクとして、p型不純物Bを、例えば加速エネルギ150keV、ドーズ量1E14cm−2でイオン注入し、1175℃、N雰囲気中でアニールし、深さ約5μmのp型層3を形成する。p型層3は、p型ベース領域を構成する。さらに、同一ハードマスクを介してn型不純物Pを、例えば加速エネルギ60keV、ドーズ量2E16cm−2でイオン注入し、1000℃、N雰囲気中でアニールし、深さ約1.1μmのn型層4を形成する。n型層4は、n型エミッタ領域を構成する。
図4Fに示すように、基板上にレジストパターンRP1を形成する。レジストパターンRP1は、n型層4に対応する開口AP3を有し、開口AP3内に幅約1μmのストライプ状パターンSTを有する。ストライプ状パターンSTは幅約0.5μmのストライプ状開口で囲まれ、図中上部には広いコンタクト部開口CTが接続されている。なお、図示の簡略化のため、4つのストライプ状パターンを示したが、実際には、より多数のストライプ状パターンを配置する。また、このような構成を基本ユニットとして、複数の基本ユニットを接続してもよい。
図4Gに示すように、レジストパターンRP1をエッチングマスクとし、リアクティブイオンエッチング等の異方性エッチングによりシリコンを深さ約3μmエッチングして、トレンチ5を形成する。トレンチ5に囲まれたストライプ領域がサイリスタのアクティブ領域である。
図4Hに示すように、レジストパターンRP1を除去し、トレンチ内を洗浄し、熱酸化によりシリコン露出表面に例えば厚さ10nmの酸化シリコン膜を形成し、ゲート絶縁膜6を形成する。
図4Iに示すように、例えばPをドープしたポリシリコン膜を化学気相成長(CVD)により堆積し、ストライプ状トレンチを一部埋め戻し、次にWシリサイド等のシリサイド層をCVDまたはスパッタリングで堆積し、少なくともストライプ状トレンチは埋め戻す。図4F上部に示す広いコンタクト部CTは完全に埋め戻さなくても、埋め戻してもよい。以下の説明ではシリサイドを厚く堆積し、完全に埋め戻した場合で説明する。
図4Jに示すように、エッチバックまたは化学機械研磨(CMP)により、不要のシリサイド層およびポリシリコン層を除去し、トレンチ内にのみ、シリサイド層7b、ポリシリコン層7aを残す。マスクとして用いた酸化シリコン膜14も除去する。以下、ポリサイド構造をまとめてゲート電極7と呼ぶ。
図4Kに示すように、新たに酸化シリコン膜をCVDなどで堆積し、層間絶縁膜8を形成する。
図4Lに示すように、層間絶縁膜8上にレジストパターンRP2を形成する。レジストパターンRP2は、n型エミッタ領域4に対するコンタクト開口AP4とコンタクト部CTに対するコンタクト開口AP5を有する。
図4Mに示すように、レジストパターンRP2をエッチングマスクとし、層間絶縁膜8をエッチングし、n型エミッタ領域4およびコンタクト部のゲート電極7を露出するコンタクト孔CHを形成する。その後、TiN層などのバリアメタル層18aとアルミニウム合金等の主電極層18bを堆積し、パターニングして、各引き出し電極を形成する。
図4N、4O、4Pはゲート電極7部分の断面図、n型エミッタ領域4部分の断面図、およびサイリスタ領域全体の平面図を示す。図4N,4Pに示すようにゲート引き出し電極Gはコンタクト孔を介してコンタクト部のゲート電極7に接続され、図4O,4Pに示すようにカソード電極Kはコンタクト孔を介してn型エミッタ領域4に接続される。なお、基板裏面上にはアノード電極を形成する。
図4Q,4Rに示すように、ゲート引き出し電極G,カソード電極Kを覆って窒化シリコン等のパッシベーション膜19をCVDなどで堆積し、接続部を除去して各電極表面を露出する。
このようにして図1に示す絶縁ゲート型サイリスタが形成される。
上記の条件で作成したサイリスタの性能をシルバコ(Silvaco)社の2次元プロセス・デバイスシミュレータを用い、シミュレーションした。トレンチ幅は0.5μm,トレンチ深さは3.0μm、ストライプ幅は1.0μmとした。
図5Aは、トレンチ表面から0.2μmの位置における深さ方向のドーピングプロファイルを示す。表面から深さ約1.1μmまでn型層4が形成され、その下には深さ約5μmまでp型層3が形成されている。その下方は一定濃度のn型エピタキシャル層2である。
n型エピタキシャル層2の不純物濃度は5E14cm−3であるが、1E15cm−3以下とするのが好ましいであろう。p型ベース層3の不純物濃度は表面に向かって高くなり、ピーク濃度は1E17cm−3を越え、n型エピタキシャル層の不純物濃度より2桁以上高濃度であるが、少なくとも1桁以上の不純物濃度比とすることが好ましいであろう。p型ベース層3の不純物濃度は概略5E14〜1E17cm−3に分布しており、トレンチ底面の深さ3μmでは、約3E16cm−3程度であり、n型エピタキシャル層の不純物濃度に対し1桁以上高濃度である。
図5Bは、ゲートに−2Vを印加したオフ状態の逆方向特性を示す。ゲート、カソードを接地し、アノードに逆方向電圧VRを印加する。逆方向電圧VRが−300V程度まで逆方向電流IRはきわめて低い。約−400Vの逆方向電圧VRでサイリスタは逆方向降伏している。
図5Cは、オン動作時のI−V特性を示す。図5Dはその一部拡大図である。カソードを接地し、ゲートに順方向バイアス+2Vを印加し、アノードに徐々に増大する順方向電圧VFを印加する。約260Vの順方向電圧VFを越えるとアノード・カソード間電圧は一気に2V以下まで減少する。順方向電流IFの増加と共に順方向電圧VFは徐々に増大する。順方向電流IFが350A/cm程度で、順方向電圧VFは約2Vまで増大している。なお、ゲートバイアス電圧を負極性の−2Vにスイッチするとターンオフすることが示された。
300Vの電圧、2000A/cm以上の電流を、+2V,−2Vのゲート電圧でオン/オフできることが判った。低いゲート電圧で大電流をオン/オフできるサイリスタが実現できたことになる。
ゲート配線とカソード配線を別の配線層で形成することもできる。複数の単位サイリスタを単一基板上に形成する場合や他の半導体装置と集積化する場合などに、配線を交差させることが可能となる。
図6は、多層配線構造の例を示す。第1絶縁膜8を形成し、ゲートコンタクト孔等を開口し、図4N,4Q,4Pに示したゲート引き出し電極Gと配線Wとを第1配線層で形成する。第1配線層を覆って第2絶縁膜20を形成する。第2絶縁膜20にn型エミッタ用コンタクト孔などを開口する。コンタクト孔を埋め込んで第2配線層でカソード電極Kを作成する。第1配線層の配線Wと第2配線層の配線K等とは交差させることができる。その後、窒化シリコン等のパッシベーション膜をCVDなどで堆積する。
以上説明した実施例において種々の変更を行うことができる。例えばn型エミッタおよびそれに連続するp型ベース領域をストライプ状に分割する場合を示したが円形など他の平面形状を採用することもできる。
各部分の材料、寸法、不純物濃度などは条件により種々変化させることができる。導電型を全て反転しても良い。その他種々の変形、改良、置換、組合わせなどが可能なことは当業者に自明であろう。
図1は本発明の実施例による絶縁ゲート型サイリスタの断面図である。 図2A,2Bは、図1に示すサイリスタのオン動作を概略的に示す断面図である。 図3A,3Bは、図1に示すサイリスタのオフ動作を概略的に示す断面図である。 から 図1に示す絶縁ゲート型サイリスタの製造方法の主要工程を示す断面図、平面図である。 実施例によるサイリスタのシミュレーションによる特性を示すグラフである。 変形例による半導体装置の断面図である。
符号の説明
1 p型シリコン基板
2 n型エピタキシャル層(n型ベース領域)
3 p型層(p型ベース領域)
4 n型エミッタ領域
5 トレンチ
6 ゲート絶縁膜
7 ゲート電極
8 絶縁膜
12 酸化シリコン膜
13 ガードリング
14 酸化シリコン膜
A アノード
K カソード
G ゲート
J 接合
RP レジストパターン

Claims (11)

  1. 第1導電型、高不純物濃度の第1電流端子半導体領域と、
    前記第1電流端子半導体領域上に形成された、第1導電型と逆導電型の第2導電型、低不純物濃度の第1ベース半導体領域と、
    前記第1ベース半導体領域に形成された、第1導電型、低不純物濃度の第2ベース半導体領域と、
    前記第2ベース半導体領域上に形成された、第2導電型、高不純物濃度の第2電流端子半導体領域と、
    前記第2電流端子半導体領域表面から前記第1ベース半導体領域に向かう方向で、前記第2電流端子半導体領域を貫通し、前記第2ベース半導体領域に入り、その厚さの一部を残すように形成されたトレンチと、
    前記トレンチ内に形成された絶縁ゲート電極構造と、
    を有し、
    前記第1ベース半導体領域が電気的にフローティング状態であり、
    前記トレンチが前記第2ベース半導体領域上部を複数の部分に分割し、分割された各部分を取り囲むように形成されている絶縁ゲート型サイリスタ。
  2. 前記分割された第2ベース半導体領域上部がストライプ状の平面視形状を有する請求項1記載の絶縁ゲート型サイリスタ。
  3. 前記ストライプ状の部分を取り囲む前記トレンチがストライプ長手方向の一方の端部で共通コンタクト用凹部を画定し、前記絶縁ゲート電極構造が前記第2ベース半導体領域上部の各ストライプ部分を取り囲むゲート電極部と、前記共通コンタクト用凹部に形成されたコンタクト部とを有する請求項2記載の絶縁ゲート型サイリスタ。
  4. 前記絶縁ゲート電極構造、前記第2電流端子半導体領域を覆って形成された絶縁層と、
    前記絶縁層を貫通し、前記各ストライプ部分に複数箇所でコンタクトする電流端子電極と、
    前記絶縁層を貫通し、前記ゲート電極のコンタクト部にコンタクトするゲート引き出し電極と、
    をさらに有する請求項3記載の絶縁ゲート型サイリスタ。
  5. 前記トレンチに挟まれた第2ベース半導体領域上部がストライプ幅Lとデバイ長LDを有し、
    50・L ≧ L
    の関係を満たす請求項2−4のいずれか1項記載の絶縁ゲート型サイリスタ。
  6. 前記絶縁ゲート電極構造が、前記トレンチ表面に形成された酸化シリコン膜と、酸化シリコン膜上に堆積されたポリシリコン膜と、ポリシリコン膜上に堆積されたシリサイド膜とを含む請求項1−5のいずれか1項記載の絶縁ゲート型サイリスタ。
  7. 前記トレンチが、前記第2ベース半導体領域の厚さの1/3以上を掘り込んで形成されている請求項1−6のいずれか1項記載の絶縁ゲート型サイリスタ。
  8. 前記半導体がシリコンであり、前記第1導電型がp型であり、前記第2導電型がn型である請求項1−7のいずれか1項記載の絶縁ゲート型サイリスタ。
  9. 前記第1電流端子半導体領域が、高濃度p型シリコン基板であり、前記第1ベース半導体領域が低濃度n型シリコンのエピタキシャル層であり、前記第2ベース半導体領域が前記エピタキシャル層表面部にイオン注入で形成されたp型領域であり、前記第2電流端子半導体領域が前記p型領域上部にイオン注入で形成された高濃度n型領域である請求項8記載の絶縁ゲート型サイリスタ。
  10. 前記第2ベース半導体領域が、前記第1ベース半導体領域中に形成されたウェル領域であり、
    さらに、前記ウェル領域を取り囲むように前記第1ベース半導体領域中に形成された、前記第1導電型のガードリングを有する、請求項1−9のいずれか1項記載の絶縁ゲート型サイリスタ。
  11. 前記トレンチが複数形成され、前記絶縁ゲート電極構造が各トレンチ内にそれぞれ形成された請求項1−10のいずれか1項記載の絶縁ゲート型サイリスタ。
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