JP5227726B2 - 蒸練機 - Google Patents

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本発明は、蒸練機に関し、特に、鉛直方向に回転可能な左右の攪拌羽根を備えた蒸練機に関する。
一般に、新粉や餅粉等の原料から団子や餅等の粘性を有する食品を製造する装置として蒸練機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来のこの種の蒸練機は、内部に食品の原料が投入される容器と、該容器内で鉛直方向に回転する左右一対の攪拌羽根と、前記容器の上面又は側面に接続される蒸気供給管とを備えている。
このような構成を備えた蒸練機を使用して団子を製造する場合、先ず、容器内に新粉を水と共に投入し、攪拌羽根を回転させながら、製造者の手作業で新粉と水を7〜8分程度混ぜ合わせる。次いで、蒸気供給管を介して容器内に蒸気を供給しながら、攪拌羽根を18〜22分程度回転させた後、攪拌羽根を停止し、容器内から団子生地を取り出し、団子を製造する。
特開2006−6289号公報
しかしながら、上記した従来の蒸練機では、容器内に原料を投入してから食品の生地が完成するまでに25〜30分程度の時間が必要となるため、製造効率の向上を図ることができないといった問題があった。
また、最初に新粉と水を混ぜ合わせる作業を、製造者の手作業で行う必要があるため、手間が掛かるといった問題もあった。
さらに、容器内に蒸気を均等に供給することが難しいため、容器内に蒸練されない新粉が部分的に滞留してしまうといった不都合も生じていた。
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、製造効率の向上及び製造作業の省力化を図ると共に、容器内に蒸気を均等に供給して容器内において蒸練されない新粉が滞留するのを防ぐことのできる蒸練機を提供することを目的とするものである。
上記した目的を達成するため、本発明に係る蒸練機は、内部に食品の原料が投入される容器と、該容器の左右側面をそれぞれ水平方向に貫通する左右の回転シャフトと、前記容器の内部で互いに対向するように前記左右の回転シャフトに取り付けられ、該回転シャフトの回転に従って鉛直方向に回転可能な左右の攪拌羽根と、該左右の攪拌羽根の先端間の隙間に臨む位置で前記容器の底面に接続される蒸気供給管とを備えていることを特徴とする。
好ましくは、前記蒸気供給管は、さらに前記容器の底面の左右端部にそれぞれ接続されているのがよい。
また、前記蒸気供給管は、1本の主管と、該主管から分岐して前記容器の底面に接続される複数の分岐管とを備え、該分岐管には、任意の開度に設定可能な流量調整弁と、全開又は全閉にのみ設定可能な開閉弁とが設けられ、該開閉弁は前記容器の底面の直近位置に設けられ、前記流量調整弁は前記開閉弁の上流側に設けられているのがよい。
本発明によれば、容器内に蒸練されない食品の原料が部分的に滞留するのを確実に防止することができ、容器内に均等に蒸気を供給することができるため、質の高い食品を効率良く製造することができる。
また、分岐管の開閉弁が容器の底面の直近位置に設けられており、食品の生地が蒸気供給管内に流入して管内を閉塞させるおそれがないため、保守点検作業の簡素化が図ることができると共に、製造作業の省力化を図ることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る蒸練機について説明する。ここで、図1は本発明の実施の形態に係る蒸練機を示す正面図(容器は断面で示す)、図2は同実施の形態に係る蒸練機を示す平面図、図3は図1のA−A矢視図である。なお、以下の説明では、新粉を原料として団子を製造する場合について例示して説明する。
本実施の形態に係る蒸練機10は、装置本体11の中央に容器12が鉛直方向に回転可能に支持されて構成されている。装置本体11は、容器12の左右に配置されるモータ収容ケース13,14を容器14の下方に掛け渡された連結部材15を介して連結することにより構成され、左右のモータ収容ケース13,14にはそれぞれ三段の支持台16,17,18及び19,20,21が形成されている。
正面視で左側のモータ収容ケース13には、下段の支持台16に第1のモータ22が固定され、中段の支持台17に第2のモータ23が固定されており、第1のモータ22及び第2のモータ23はそれぞれ正逆回転可能に設けられている。また、左側のモータ収容ケース13の上段の支持台18には、第1の回転シャフト24及び第2の回転シャフト25がそれぞれ水平姿勢で回転可能に支持されており、第2の回転シャフト25は第1の回転シャフト24の周囲に同心筒状に形成されている。そして、第1のモータ22の回転は駆動ベルト車26、ベルト27及び従動ベルト車28を介して第1の回転シャフト24に伝達され、第2のモータ23の回転は駆動ベルト車29、ベルト30及び従動ベルト車31を介して第2の回転シャフト25に伝達されるようになっている。
一方、正面視で右側のモータ収容ケース14には、下段の支持台19に正逆回転可能な第3のモータ32が固定されている。また、右側のモータ収容ケース14の上段の支持台21には、第3の回転シャフト33及び第4の回転シャフト34がそれぞれ上記した第1の回転シャフト24及び第2の回転シャフト25と同様に水平姿勢で回転可能に支持されており、第3のモータ32の回転は駆動ベルト車35、ベルト36及び従動ベルト車37を介して第3の回転シャフト33に伝達されるようになっている。
容器12は、側面視でU字状の外形を成して上面が開口された容器本体38と、容器本体38の上面を閉塞可能な蓋体39とにより構成されている。
容器本体38の左側面38aは第1の回転シャフト24により水平方向に貫通され、容器12の内部で第1の回転シャフト24の先端に第1の攪拌羽根40が取り付けられている。第1の攪拌羽根40は、第1の回転シャフト24に直交するように固定される基部41と、基部41の一端から容器12の内方に向かって水平直線状に延出する第1攪拌部42と、基部41の他端から容器12の内方に向かって僅かに湾曲して延出する第2攪拌部43とにより構成されており、第1の回転シャフト24の回転に従って鉛直方向に正逆回転可能となっている。そして、容器本体38の左側面38aと基部41との間には、第1の攪拌羽根40の回転を許容するように僅かな隙間44が形成されている。また、容器本体38の左側面38aの外面には第2の回転シャフト25が固定されており、第2の回転シャフト25の回転に従って容器12は鉛直方向に正逆回転可能となっている。
一方、容器本体38の右側面38bは第3の回転シャフト33により水平方向に貫通され、容器12の内部の第3の回転シャフト33の先端には、第2の攪拌羽根45が第1の攪拌羽根40に対して点対称を成す姿勢で対向して取り付けられている。第2の攪拌羽根45には、第1の攪拌羽根40と同様に、それぞれ、基部46、第1攪拌部47、第2攪拌部48が設けられており、第2の攪拌羽根45は第3の回転シャフト33の回転に従って鉛直方向に正逆回転可能となっている。そして、第1の攪拌羽根40と第2の攪拌羽根45の先端間には相互に干渉しないように隙間49が形成されていると共に、容器本体38の右側面38bと基部46との間には、第2の攪拌羽根45の回転を許容するように僅かな隙間60が形成されている。また、容器本体38の右側面38bの外面には第4の回転シャフト34が固定されており、この第4の回転シャフト34は第2の回転シャフト25と容器12の回転に従って鉛直方向に正逆回転可能となっている。
容器本体38の底面50には、蒸気供給管51が接続されている。蒸気供給管51は、図示しない蒸気源から延設される1本の主管52と、容器12の下方において主管52から分岐して容器本体38の底面50に接続される3本の分岐管53a,53b,53cとを備えており、主管52には主開閉バルブ57及び可撓性を有する部分54が設けられている。
中央の分岐管53bは、各攪拌羽根40,45の先端間の隙間49に臨む位置において底面50に接続され、左右の分岐管53a,53cは底面50の左右端部にそれぞれ接続されている。また、各分岐管53a,53b,53cには、それぞれ、任意の開度に設定可能な流量調整弁55a,55b,55cと、全開又は全閉にのみ設定可能な開閉弁56a,56b,56cとが設けられており、開閉弁56a,56b,56cは底面50の下方直近位置に設けられ、流量調整弁55a,55b,55cは開閉弁56a,56b,56cの上流側にそれぞれ設けられている。
次に、本発明の実施の形態に係る蒸練機10の動作について説明する。
先ず、蓋体39を取り外した状態で容器本体38の上部開口から原料となる新粉を水と共に容器本体38内に投入した後、蓋体39を取り付け、第1のモータ22及び第3のモータ32を駆動させる。第1のモータ22の駆動力は、駆動ベルト車26、ベルト27、従動ベルト車28を介して第1の回転シャフト24に伝達され、第1の攪拌羽根40を回転させると共に、第3のモータ32の駆動力は、駆動ベルト車35、ベルト36、従動ベルト車37を介して第3の回転シャフト33に伝達され、第2の攪拌羽根45を回転させる。この時、第1のモータ22及び第3のモータ22の回転方向は周期的に正逆反対となるように制御され、これに伴って第1の攪拌羽根40及び第2の攪拌羽根45は鉛直方向に回転する。
このように第1の攪拌羽根40及び第2の攪拌羽根45を約1分間回転させたところで、蒸気供給管51から容器12内に所定圧力の蒸気を供給する。そして、上記したのと同様に、第1の攪拌羽根40及び第2の攪拌羽根45をさらに12分間程度、鉛直方向に回転させる。
この時、製造者は、主管52の主開閉バルブ57及び各分岐管53a,53b,53cの開閉弁56a,56b,56cをそれぞれ全開にすると共に、流量調整弁55a,55b,55cの開度を所望な角度に調整する。容器12内には、中央の分岐管53bから各攪拌羽根40,45の先端間の隙間49に蒸気が供給されると共に、左右の分岐管53a,53cから容器本体38の左側面38aと基部41との間の隙間44及び容器本体38の右側面38bと基部46との間の隙間60にそれぞれ蒸気が供給される。これにより、容器12内に蒸練されない新粉が部分的に滞留するのを確実に防止することができる。
次いで、第1のモータ22及び第3のモータ32を停止させ、各攪拌羽根40,45の回転を停止させると共に、主管52の主開閉バルブ57及び各分岐管53a,53b,53cの開閉弁56a,56b,56cをそれぞれ全閉にし、容器12内への蒸気の供給を停止する。この時、各分岐管53a,53b,53cの開閉弁56a,56b,56cが容器12の底面50の下方直近位置に設けられているため、団子生地が蒸気供給管51内に流入して管内を閉塞させるおそれはない。
その後、容器12から蓋体39を取り外し、第2のモータ23を駆動させると、この第2のモータ23の駆動力は、駆動ベルト車29、ベルト30及び従動ベルト車31を介して第2の回転シャフト25に伝達され、第2の回転シャフト25は回転する。この第2の回転シャフト25の回転に従って容器12は鉛直方向に回転し、容器12内から団子生地が取り出され、団子が製造される。
このように上記した実施の形態に係る蒸練機10によれば、容器12内に原料を投入してから団子生地が完成するまでに従来の半分程度の時間(13分程度)しか掛からないため、製造効率の向上を図ることができる。
また、容器12内に原料を投入してから団子生地が完成するまでの一連の作業をすべて機械で行うことができ、製造者が手作業で新粉と水を混ぜ合わせる必要がないため、製造作業の省力化を図ることができる。
なお、上記した実施の形態では、団子を製造する場合について説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明に係る食品製造装置は、餅等の団子以外の食品にも適用可能である。
本発明の実施の形態に係る蒸練機を示す正面図であり、容器は断面で示している。 本発明の実施の形態に係る蒸練機を示す平面図である。 図1のA−A矢視図である。
符号の説明
10 蒸練機
12 容器
24 第1の回転シャフト
25 第2の回転シャフト
38a 左側面
38b 右側面
40 第1の攪拌羽根
45 第2の攪拌羽根
49 隙間
50 底面
51 蒸気供給管
52 主管
53a 分岐管(左側)
53b 分岐管(中央)
53c 分岐管(右側)
55a 流量調整弁(左側)
55b 流量調整弁(中央)
55c 流量調整弁(右側)
56a 開閉弁(左側)
56b 開閉弁(中央)
56c 開閉弁(右側)

Claims (3)

  1. 内部に食品の原料が投入される容器と、
    該容器の左右側面をそれぞれ水平方向に貫通する左右の回転シャフトと、
    前記容器の内部で互いに対向するように前記左右の回転シャフトに取り付けられ、該回転シャフトの回転に従って鉛直方向に回転可能な左右の攪拌羽根と、
    該左右の攪拌羽根の先端間の隙間に臨む位置で前記容器の底面に接続される蒸気供給管と、
    を備えていることを特徴とする蒸練機。
  2. 前記蒸気供給管は、さらに前記容器の底面の左右端部にそれぞれ接続されている請求項1に記載の蒸練機。
  3. 前記蒸気供給管は、1本の主管と、該主管から分岐して前記容器の底面に接続される複数の分岐管とを備え、該分岐管には、任意の開度に設定可能な流量調整弁と、全開又は全閉にのみ設定可能な開閉弁とが設けられ、該開閉弁は前記容器の底面の直近位置に設けられ、前記流量調整弁は前記開閉弁の上流側に設けられている請求項2に記載の蒸練機。
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