JP5227497B2 - 光電変換素子の作製方法 - Google Patents

光電変換素子の作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5227497B2
JP5227497B2 JP2005350201A JP2005350201A JP5227497B2 JP 5227497 B2 JP5227497 B2 JP 5227497B2 JP 2005350201 A JP2005350201 A JP 2005350201A JP 2005350201 A JP2005350201 A JP 2005350201A JP 5227497 B2 JP5227497 B2 JP 5227497B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
oxide
organic compound
electrode
photoelectric conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005350201A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006190994A5 (ja
JP2006190994A (ja
Inventor
裕司 岩城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP2005350201A priority Critical patent/JP5227497B2/ja
Publication of JP2006190994A publication Critical patent/JP2006190994A/ja
Publication of JP2006190994A5 publication Critical patent/JP2006190994A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5227497B2 publication Critical patent/JP5227497B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

本発明は、光電変換素子、太陽電池、及び光センサに関する。
光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子およびそれを有する太陽電池は、第一世代として単結晶シリコン太陽電池、第二世代として多数の結晶からなる多結晶シリコン太陽電池、第三世代としてガリウム砒素などを用いた化合物半導体太陽電池があるが、コスト面など、多くの課題を残している。そこで有機物半導体の太陽電池が考案されている。
有機物半導体太陽電池は、代表的には、色素薄膜型太陽電池と色素増感型太陽電池が挙げられる。色素薄膜型太陽電池は、n型の色素であるペリレン誘導体とp型の色素である銅フタロシアニンを用いたp−nヘテロ接合構造を有するものがある。
一方、色素増感型太陽電池は第四世代の電池と呼ばれ、安価で高い変換効率を得られる光電変換素子として現在精力的に研究がなされている。多孔質の二酸化チタン薄膜に光増感色素を担持させた半導体電極を作用電極とし、正孔輸送性の電解質溶液に浸漬、対極を付加させた湿式太陽電池である(例えば、特許文献1参照)。
光増感色素は可視領域に吸収を有するルテニウム錯体が用いられ、電解質溶液はアセトニトリルとエチレンカーボネートの混合液にヨウ素を加えたものである。光励起すると光増感色素から前記作用電極であるチタニア半導体電極に電子が注入される。一方、正孔は正孔輸送性の電解質溶液を酸化し、酸化された正孔輸送性の電解質溶液は対極から電子を受け取る仕組みで、これらの過程が連続的に起こることにより太陽電池として動作する。
色素増感型太陽電池は、p−nヘテロ接合型太陽電池と異なり、電子のみが電極に注入されるため、電子と正孔の再結合が起こりにくく、電荷分離が効率よく起こる利点がある。このため、光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率は10%を超えている。
特開平1−220380号公報
しかしながら、色素薄膜型太陽電池は、光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率は1%を超えるにすぎず、変換効率が低いという問題がある。
また、色素増感型太陽電池は、光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率が10%を超えるものが開発されているが、増感色素に好ましいとされるルテニウム錯体の中心金属であるルテニウム原子は資源的に希少であり、この結果コストが増大するという問題がある。
さらには、有機半導体太陽電池では、光誘起電子移動を効率良く行うため、p型有機半導体及びn型有機半導体のHOMO準位やLUMO準位を制御することや、またキャリア生成サイトを広くするためにヘテロ接合界面の混合状態を工夫することなどの多くの開発がなされているが、キャリア生成率は十分高いものとはいえない。
そこで、本発明は、キャリア生成率の高い構造を有し、かつ、エネルギー変換効率の高い光電変換素子およびそれを有する太陽電池を提供することを課題とする。
本発明の光電変換素子の一は、少なくとも一方が透光性を有する一対の電極間に、第1の有機化合物及び無機化合物からなる層と、第2の有機化合物からなる層と、を有し、第1の有機化合物は、正孔輸送性を有する有機化合物であり、第2の有機化合物は、電子輸送性を有する有機化合物であることを特徴とする。
上記構成において、正孔輸送性を有する有機化合物は、芳香族アミン骨格を有する有機化合物である。
上記構成において、無機化合物は、金属酸化物である。
上記構成において、金属酸化物は、周期表第4族乃至第10族のいずれかの遷移金属の酸化物が好ましく、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物からなる群より選ばれるいずれかの金属酸化物が好適である。
上記構成において、電子輸送性を有する有機化合物は、芳香環を含むキレート配位子を有するキレート金属錯体、フェナントロリン骨格を有する有機化合物、オキサジアゾール骨格を有する有機化合物、ペリレン誘導体、ナフタレン誘導体、キノン類、メチルビオロゲン、又はフラーレンであることを特徴とする。
本発明の光電変換素子の一は、少なくとも一方が透光性を有する一対の電極間に、第1の有機化合物及び無機化合物からなる層と、第2の有機化合物からなる層と、を有し、第1の有機化合物は、電子輸送性を有する有機化合物であり、第2の有機化合物は、正孔輸送性を有する有機化合物であることを特徴とする。
上記構成において、第1の有機化合物は、芳香環を含むキレート配位子を有するキレート金属錯体、フェナントロリン骨格を有する有機化合物、オキサジアゾール骨格を有する有機化合物、ペリレン誘導体、ナフタレン誘導体、キノン類、メチルビオロゲン、又はフラーレンである。
上記構成において、無機化合物は、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類金属酸化物、アルカリ金属窒化物、アルカリ土類金属窒化物、または希土類金属窒化物等の金属酸化物または金属窒化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、ナトリウム酸化物、バリウム酸化物、リチウム窒化物、マグネシウム窒化物、カルシウム窒化物等が好適である。
上記構成において、第2の有機化合物は、芳香族アミン骨格を有する有機化合物であることを特徴とする。
本発明の光電変換素子の一は、少なくとも一方が透光性を有する一対の電極間に、第1の有機化合物及び第1の無機化合物からなる層と、第2の有機化合物及び第2の無機化合物からなる層と、を有し、第1の有機化合物は、正孔輸送性を有する有機化合物であり、第2の有機化合物は、電子輸送性を有する有機化合物であることを特徴とする。
上記構成において、第1の有機化合物は、芳香族アミン骨格を有する有機化合物であることを特徴とする。
上記構成において、第1の無機化合物は、金属酸化物または金属窒化物であって、周期表第4族乃至第10族のいずれかの遷移金属の酸化物であることが好ましく、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等が好適である。
上記構成において、第2の有機化合物は、芳香環を含むキレート配位子を有するキレート金属錯体、フェナントロリン骨格を有する有機化合物、オキサジアゾール骨格を有する有機化合物、ペリレン誘導体、ナフタレン誘導体、キノン類、メチルビオロゲン、又はフラーレンであることを特徴とする。
上記構成において、第2の無機化合物は、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類金属酸化物、アルカリ金属窒化物、アルカリ土類金属窒化物、または希土類金属窒化物等の金属酸化物または金属窒化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、ナトリウム酸化物、バリウム酸化物、リチウム窒化物、マグネシウム窒化物、カルシウム窒化物等が好適である。
本発明の太陽電池は、上記構成の光学変換素子を用いることを特徴とする。
本発明の光センサは、上記構成の光電変換素子を用いることを特徴とする。
本発明の光電変換素子及びそれを有する太陽電池は、電荷発生層において、無機化合物及び有機化合物それぞれは、特定の波長の自然光やレーザ光または太陽光などの光が照射されることにより、電子移動の結果、電荷分離状態となる。一方、無機化合物及び有機化合物を混合することにより形成された電荷移動錯体においても、光が照射されることにより励起し、電荷が分離して電荷分離状態となる。このため、無機化合物及び有機化合物を混合することにより、電荷分離状態電子及び正孔の生成効率を向上させることが可能である。
また、上記電荷発生層に接合するように電荷アクセプタ層を設けることにより、電荷発生層で生じた電荷分離状態の電子及び正孔を、光電流となる電子キャリア及び正孔キャリアとすることが可能である。この結果、光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率を高めることが可能である。
この結果、エネルギー変換効率の高い光電変換素子およびそれを有する太陽電池を実現することができる。また、エネルギー効率の高い光電変換素子を用いると、消費電力を抑えた光センサを実現することができる。
(実施の形態1)
本発明の光電変換素子の素子構造を図1に示す。ここでは、電荷発生層として、正孔輸送性の有機化合物と無機化合物を有する層で構成され、電荷アクセプタ層として、電子輸送性の有機化合物で構成される例を示す。なお、本実施の形態では、正孔が発生する層を電荷発生層、電荷発生層で発生した正孔を受け取る層を電荷アクセプタ層と呼ぶこととする。
光電変換素子は、第1の電極101と、電荷発生層102と、電荷アクセプタ層103と、第2の電極104とを順次設けてなる積層構造である。
第1の電極101は入射する励起光の波長領域に対して透光性が高く導電性があるものを用い、厚さは限定しない。真空蒸着法やスパッタ法などで成膜する。金属や金属酸化物、とりわけ透光性を有する程度に厚さの薄いAl、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、SnO、ZnOを含むInを用いると良い。
電荷発生層102は、正孔輸送性を有する有機化合物と、正孔輸送性を有する有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物からなる。正孔輸送性を有する有機化合物としては、芳香族アミンが上げられる。代表的には、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(α−NPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(m−TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス{N−[4−ジ(m−トリル)アミノ]フェニル−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)などが挙げられるが、これらに限定されることはない。また、上述した化合物の中でも、α−NPD、TDATA、MTDATA、m−MTDAB、TPD、NPB、DNTPD、TCTAなどに代表される芳香族アミン化合物は、正孔キャリアを発生しやすく、第1の有機化合物として好適な化合物群である。
正孔輸送性を有する有機化合物に対し電子受容性を示す無機化合物としては、金属酸化物または金属窒化物が好ましく、さらに好ましくは周期表第4族乃至第10族のいずれかの遷移金属の酸化物である。中でも、周期表第4族乃至第8族のいずれかの遷移金属の酸化物は電子受容性の高いものが多く、特にモリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等の金属酸化物を用いることが好ましい。但し、この他、チタン酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、タングステン酸化物、銀酸化物等の金属酸化物を用いても構わない。
また、電荷発生層102は、共蒸着、塗布法、ゾルゲル法などを適宜用いて形成する。有機化合物に対する無機化合物のモル比を大きくすると、電荷移動帯の吸光度が増大する、即ちより多くの分子が励起状態になる傾向にあるが、電荷輸送性は有機化合物と無機化合物の組み合わせにも依存するので、モル比は適宜決めるのが最良である。厚さは、30nm〜50nmが好ましい。
電荷アクセプタ層103の厚さは30nm〜50nmが好ましく、共蒸着、塗布法、ゾルゲル法などを適宜用いて形成する。電荷アクセプタ層は、電子輸送性を有する有機化合物で形成する。代表的には、電子輸送性の有機化合物であることが好ましく、さらに好ましくは芳香環を含むキレート配位子を有するキレート金属錯体、またはフェナントロリン骨格を有する有機化合物、またはオキサジアゾール骨格を有する有機化合物や、ペリレン誘導体、ナフタレン誘導体、キノン類、メチルビオロゲン、フラーレン等が挙げられる。具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール)(略称:TPBI)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−ビフェニリル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)などが挙げられるが、これらに限定されることはない。また、上述した化合物の中でも、ペリレン誘導体、ナフタレン誘導体、キノン類、メチルビオロゲン、フラーレン等は、電子キャリアを発生しやすく、電荷アクセプタ層として好適な化合物群である。
有機化合物と無機化合物で形成される電荷発生層は、光が照射されることにより、電荷分離状態となる。電荷分離状態である電荷発生層に、電荷アクセプタ層を設けることにより、電荷発生層で分離した電荷をキャリアとすることが可能となる。以下、詳細について、図4を用いて説明する。
有機化合物と無機化合物で形成される電荷発生層は、ここでは酸化モリブデンとα−NPDが混合された複合層を考えると、酸化モリブデンとα−NPDは基底状態で電荷移動錯体を形成すると考えられる。これは、酸化モリブデンとα−NPDが混合された複合層の吸収スペクトルが、酸化モリブデンの局在励起状態に基づく第1の吸収帯とα−NPDの局在励起状態への遷移に基づく第2の吸収帯とは異なる第3の吸収帯を有していることからわかる。
局在励起状態とは、一つの分子において、励起電子と正孔とが分子内で対をなし励起子を形成している状態である。局在励起状態の分子において、電子供与体または電子受容体が隣接しなければ、分子内で輻射失活や熱失活が起こり基底状態に戻ってしまう。一方、酸化モリブデンとα−NPDが隣接している領域において、例えば励起状態にあるα−NPDと基底状態にある酸化モリブデンの間で電子の授受が起こる。このような光励起による電荷移動の結果、電子と正孔が分離する第1の電荷分離状態となる。
一方、酸化モリブデンとα−NPDとで形成される電荷移動錯体は、光励起することで第2の電荷分離状態になると考えられる。
このように酸化モリブデンとα−NPDが混合された複合層において、電荷分離状態となる過程には上記2つの過程があると考えられる。電荷分離により、酸化モリブデンとα−NPDの複合層611は、正孔輸送性のため、電子が複合層内に停滞した状態になると考えられる(図4(A))。
そこで、酸化モリブデンとα−NPDの複合層611に接合するように電荷アクセプタ層612、ここでは電子アクセプタ層を設けることで、酸化モリブデンとα−NPDの複合層中の電子が引き抜かれ電流が流れる(図4(B))。即ち、酸化モリブデンとα−NPDの複合層では、光励起による電荷分離状態の形成サイトが多く存在し、電子アクセプタ層を設けることで、分離された電荷から多くのキャリアを発生させることを促進することができる。この結果、光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率を高めることが可能である。
第2の電極104は、蒸着法、スパッタリング法等の公知の手法により、アルミニウム、銀、チタン、ニッケル等を成膜する。厚さは10〜100nmあれば十分である。
(実施の形態2)
本発明の光電変換素子の素子構造を、図2に示す。ここでは、電荷発生層として、電子輸送性の有機化合物と無機化合物を有する層で構成され、電荷アクセプタ層として、正孔輸送性の有機化合物で構成される例を示す。なお、本実施の形態では、電子が発生する層を電荷発生層、電荷発生層で発生した電子を受け取る層を電荷アクセプタ層と呼ぶこととする。
第1の電極101上に、電荷アクセプタ層202を形成し、電荷アクセプタ層202上に電荷発生層203を形成する。
電荷発生層203としては、電子輸送性を有する有機化合物と無機化合物からなる。電子輸送性を有する有機化合物としては、実施の形態1で示される電子輸送性を有する物質の具体例についての記載を準用する。また無機化合物としては、第1の有機化合物に対して電子供与性を示す金属酸化物または金属窒化物が好ましく、さらにはアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類金属酸化物、アルカリ金属窒化物、アルカリ土類金属窒化物、希土類金属窒化物であることが好ましい。これらの金属酸化物、金属窒化物の代表例としては、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、ナトリウム酸化物、バリウム酸化物、リチウム窒化物、マグネシウム窒化物、カルシウム窒化物等が好適である。
電荷アクセプタ層202としては、正孔輸送性を有する有機化合物からなる。正孔輸送性を有する有機化合物としては、実施の形態1で示される正孔輸送性を有する物質の具体例についての記載を準用する。
(実施の形態3)
本発明の光電変換素子の素子構造を、図3に示す。ここでは、正孔輸送性の有機化合物と第1の無機化合物を有する層及び電子輸送性の有機化合物と第2の無機化合物を有する層で構成される例を示す。
第1の電極101上に、第1の層302を形成し、第1の層302上に第2303を形成する。
第1の層302としては、実施の形態1に記載の電荷発生層102に用いられる材料を用いることができる。また、第2の層303としては、実施の形態2に記載の電荷発生層203に用いられる材料を用いることができる。なお、第1の層302は、正孔が発生する層でもあるが、電子を受け取る役割も果たし、また、第2の層303は、電子が発生する層でもあるが、正孔を受け取る役割も果たすため、図3に示す構成であっても光電変換素子として機能する。
ここでは、実施の形態1で示すような光電変換素子の作製方法を示す。
透光性を有する基板上に第1の電極としてITOをスパッタ法により成膜し、金属酸化物である酸化モリブデン(MoO)と芳香族アミンであるα−NPDを、モル比1:1、気圧1×10−4〜4×10−4Paで共蒸着し、電荷発生層を形成する。蒸着速度0.4nm/secで石英基板を回転しながら厚さが50nmになるように蒸着する。
なお、透光性を有する基板としては、透光性を有するガラス基板、石英基板、プラスチック基板等を用いることができる。プラスチック基板の代表例としては、ポリカーボネイト(PC)、極性基のついたノルボルネン樹脂からなるARTON:JSR製、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、直径数nmの無機粒子が分散された有機材料で形成される基板などが挙げられる。ここでは、透光性を有する基板として石英基板を用いる。
続いて、フラーレン(C60)を同様の条件で真空蒸着により成膜して電荷アクセプタ層を形成する。
最後にAlを厚さが200nmになるよう蒸着し、ガラス基板で封止をする。作製した素子の電極間に微小電圧を印加しながら、MoOとα−NPDの電荷移動吸収が見られる500nmの波長でITOから照射すると、光電流が観測される。
ここでは、増幅回路を有する光電変換素子について図6を用いて説明する。なお、ここでは、増幅回路を構成する素子としてTFTを用いたものを示すが、これに限定されるものではなく、演算増幅器(オペアンプ)等を用いることができる。
図6に、光電変換素子の断面図を示す。透光性を有する基板210上には、第1の絶縁層211が形成され、その上にTFT212が形成されている。TFTは、チャネル形成領域、ソース領域、ドレイン領域を有する半導体領域213、ゲート電極214、ソース領域に接続する導電層215、ドレイン領域に接続する導電層216で形成されている。また、TFTにおいて、チャネル形成領域、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極は、複数の第1の層間絶縁層217で絶縁されている。本実施形態では、TFT212としてnチャネル型TFTを用いる。また、図6においては、一つのTFTしか示していないが、複数のTFTを設けることが可能である。
TFT212の半導体領域は、非晶質半導体層、結晶性半導体層、又は微結晶半導体層で形成することができる。非晶質半導体層は、プラズマCVD法や減圧CVD法、或いはスパッタリング法を用いて形成することができる。また、結晶性半導体層は、上記の方法で形成した後、レーザ結晶化法、熱結晶化法、特開平8−78329号公報に記載の結晶化方法によって形成することができる。同公報記載の技術は、非晶質シリコン層に対して結晶化を助長する金属元素を選択的に添加し、加熱処理を行うことで添加領域を起点として広がる結晶構造を有する半導体層を形成するものである。なお、この処理においては、結晶化後金属元素を除去することが好ましい。
微結晶半導体層とは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいる。少なくとも層中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶粒を含んでいる。
微結晶半導体層は、SiH、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、SiFのうち一種または複数種をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。
第1の層間絶縁層217上に、TFTのソース領域又はドレイン領域に接続する導電層216に接続する第1の電極221が形成され、第1の電極221上に絶縁層222が形成されている。なお、第1の電極221及び第2の電極225の少なくとも一方は透光性を有する電極である。
第1の電極221及び絶縁層222上には、電荷発生層223、電荷アクセプタ層224、及び第2の電極225が順次積層されている。第1の電極221、電荷発生層223、電荷アクセプタ層224、及び第2の電極225で光電変換素子226が形成される。これらの構造及び物質は、実施の形態1乃至実施の形態3に記載のものを適宜採用することができる。ここでは、第1の電極221として、ITOを形成し電荷発生層223として、α−NPDと酸化モリブデンが混合された層を形成し、電荷アクセプタ層224をフラーレンで形成し、第2の電極225をチタン膜で形成する。また、透光性を有する基板210側から透過する光227を、光電変換素子で受光する。
以上の工程により、光電変換素子を形成することが可能である。
なお、本実施形態では、TFTとしてトップゲート型TFTを用いて示したが、これに限られるものではなく、ボトムゲート型TFT、逆スタガ型TFT等を用いることもできる。
本発明により、絶縁性を有する基板上に光電変換素子を形成することができる。本実施例の光電変換素子は、増幅回路を有する。このため、光電変換素子は微弱な光をも検出することが可能である。このため、高性能な光電変換素子を形成することが可能である。
図7及び図8を用いて本発明の光電変換素子を有する太陽電池の作製工程を説明する。
図7(A)において、基板100には実施例1に記載の透光性を有する基板を用いることができる。ここでは、ガラス基板を用いる。
本実施形態で作製する太陽電池は、基板上の光電変換層が形成される面とは反対側の面で光を受光する構造であり、まず、基板100上に第1の電極層101を作製する。第1の電極層101は酸化インジウム・スズ合金(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、ZnOを含むITO合金などで40〜200nm(好適には50〜100nm)の厚さで形成する。しかし、前述の有機樹脂材料は連続使用可能な最高温度が200℃以下であるので、第1の電極層101の作製はスパッタ法や真空蒸着法等を用い、成膜時の基板温度も室温から150℃程度にとどめて被膜の形成を行う。詳細な作製条件は実施者が適宜決定すればよい。
第1の電極層の低抵抗化という観点からはITO膜が適しているが、ITOが後の工程で水素化されることによって還元され、不透明になってしまう。これを防ぐために、ITO膜上にSnO膜やZnO膜を形成すると良い。ガリウム(Ga)を1〜10wt%含むZnO(ZnO:Ga)膜は透過率が高くITO膜上に積層させるには好適な材料である。その組み合わせの一例として、ITO膜を50〜60nmの厚さに形成し、その上にZnO:Ga膜を25nm形成すると、良好な光透過特性を得ることができる。
次に、電荷発生層として金属酸化物である酸化モリブデンMoOと芳香族アミンであるα−NPDを、モル比1:1、気圧1×10−4〜4×10−4Paで共蒸着して形成する。
次に、電荷アクセプタ層として、フラーレン(C60)を同様の条件で真空蒸着により成膜して形成する。
なお、本実施例では、実施の形態1に記載したように、電荷発生層に正孔輸送性の有機化合物と金属酸化物からなる層を用い、電荷アクセプタ層に電子輸送性の有機化合物を用いたが、実施の形態2に記載したように、電子輸送性の有機化合物と金属酸化物とを含む層及び正孔輸送性の有機化合物を用いる構成や、実施の形態3に記載したように、正孔輸送性の有機化合物と金属酸化物とを含む層及び電子輸送性の有機化合物と金属酸化物とを含む層を用いる構成としてもよい。
そして図7(B)で示すように、同一基板上に複数のユニットセルを形成するために、レーザ加工法により電荷アクセプタ層103から第1の電極層101に達する開孔M〜MとC〜Cを形成する。開孔M〜Mは絶縁分離用の開孔でありユニットセルを形成するために設け、開孔C〜Cは第1の電極と第2の電極との接続を形成するための開孔である。レーザ加工法で用いるレーザの種類は限定されるものではないが、Nd−YAGレーザやエキシマレーザなどを用いる。いずれにしても、第1の電極層101と電荷アクセプタ層103が積層された状態でレーザ加工を行うことにより、加工時における第1の電極層の基板からの剥離を防ぐことができる。
このようにして、第1の電極層101をT〜Tに、光電変換層をK〜Kに分割する。そして、図7(C)に示すように開孔M〜Mを充填し、さらにその上端部を覆う絶縁樹脂層Z〜Zを形成する。
絶縁樹脂層Z〜Zをスクリーン印刷法により形成し、加熱して、絶縁樹脂層Z〜Zを得た。
次に、図8で示すように、導電性カーボンペーストをスクリーン印刷法により所定のパターンに印刷し、レベリング、乾燥後150℃30分で強固に硬化して第2の電極層E〜Eを形成した。
それぞれの第2の電極E〜En−1は開孔C〜Cにおいて第1の電極層T〜Tと接続するように形成する。開孔C〜Cには第2の電極と同一材料を充填し、このようにして第2の電極En−1は第1の電極Tとそれぞれ電気的な接続状態が形成される。
最後に、エポキシ樹脂を印刷法及び加熱処理して、封止樹脂層701を形成する。封止樹脂層701は第2の電極EとE上に開孔部105、106を形成し、この部分で外部の回路基板と接続した。
以上のようにして、基板100上に第1の電極Tと光電変換層Kと第2の電極層Eから成る単位セルが形成され、隣接する第2の電極En−1は第1の電極Tとを開孔Cで接続することによりn個の直列接続する太陽電池を作製することができる。第2の電極Eは、単位セルUにおける第1の電極Tの取り出し電極となる。
本発明の他の太陽電池の作製工程を、図9〜10を用いて説明する。図9(A)において、基板100、第1の電極101、電荷発生層102、電荷アクセプタ層103を、実施例3と同様にして作製する。そして、電荷アクセプタ層103上にスクリーン印刷法により実施例3と同様に第2の電極XEM〜XEMを形成する。
次に、図9(B)に示すようにレーザ加工法により電荷アクセプタ層103から第1の電極層101に達する開孔XM〜XMとXC〜XCを形成する。開孔XM〜XMはユニットセルを形成するための絶縁分離用の開孔であり、開孔XC〜XCは第1の電極と第2の電極との接続を形成するためのものである。
レーザ加工時においては開孔の周辺に残渣が残る場合がある。この残渣は被加工物の飛沫であり、レーザ光により高温に加熱された飛沫は、電荷アクセプタ層103の表面に付着することにより膜にダメージを与えるので本来好ましくない。これを防ぐため、開孔のパターンに合わせて第2の電極を形成し、その後レーザ加工することにより、少なくとも電荷アクセプタ層103へのダメージを防ぐことができる。
第1の電極層101をXT〜XTに、電荷発生層102、電荷アクセプタ層103をXK〜XKに分割した後、図9(C)に示すように開孔XM〜XMを充填し、さらにその上端部を覆う絶縁樹脂層XZ〜XZをスクリーン印刷法により形成する。
次に、図10に示すように開孔XC〜XCを充填して、第1の電極XT〜XTに接続する配線XB〜XBn−1をスクリーン印刷法で形成する。配線XB〜XBn−1は第2の電極と同じ材料で形成するものであり熱硬化型のカーボンペーストを用いる。こうして、第2の電極XEMn−1は第1の電極XTとそれぞれ電気的に接続される。
最後に封止樹脂層901を印刷法で形成する。封止樹脂層901は配線XBとXB上に開孔部902、903がそれぞれ形成され、この部分で外部回路と接続をする。このようにして、基板100上に第1の電極XTと光電変換層XKと第2の電極層XEから成る単位セルが形成され、隣接する第2の電極XEMn−1は第1の電極XTとを開孔XCで接続することによりn個の直列接続する太陽電池を作製することができる。配線XBは単位セルXUの第1の電極XTの取り出し電極である。
本発明を実施して得た光電変換素子又はそれを有する太陽電池を組み込むことによって、様々な電子機器を作製することができる。電子機器としては、図5(A)に示す携帯電話、図5(B)に示すパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、フィルムカメラ、及びインスタントカメラ等の図5(C)に示すカメラ、図5(D)に示す腕時計、図5(E)に示す電卓などがある。また、図示しないが、ゲーム機、ナビゲーション、携帯オーディオ機器、ハンディAV機器、室内用エアコン、カーエアコン、換気・空調設備、電気ポット、CRT式プロジェクションTV、照明機器、照明設備などにも適用することができる。
図5(A)(B)(E)に示すように、本発明の光電変換素子を、ディスプレイ輝度、バックライト照度の最適調整やON/OFF制御及びバッテリーセーブ用のセンサ3501、3601、3901として、携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機、ナビゲーション、携帯オーディオ機器、パーソナルコンピュータ、電卓などに用いることができる。また、光電変換素子を有する太陽電池をバッテリーとしてこれらの電子機器に設けることができる。本発明の光電変換素子又はそれを有する太陽電池は、エネルギーの変換効率を向上させることが可能であるため、電子機器の小型化を図ることが可能である。
また、図5(C)に示すように、本発明の光電変換素子を、フラッシュ調光、絞り制御用のセンサ3701としてデジタルカメラ、フィルムカメラ、インスタントカメラなどのカメラに搭載することが可能である。また、光電変換素子を有する太陽電池をバッテリーとしてこれらの電子機器に設けることができる。これらの光電変換素子又はそれを有する太陽電池は、エネルギーの変換効率を向上させることが可能であるため、電子機器の小型化を図ることが可能である。
また、図5(D)に示すように、本発明の光電変換素子を含む太陽電池を、バッテリー3801として腕時計、壁掛け時計などの時計に設けることができる。なお、図5(D)において、バッテリー3801は文字盤3802の下に設けられている。本発明のそれを有する光電変換素子又は太陽電池は、エネルギーの変換効率を向上させることが可能であるため、電子機器の小型化を図ることが可能である。
また、本発明の光電変換素子を、風量、温度制御用のセンサとして、室内用、車載用に代表されるエアーコンディショナー、換気・空調設備に搭載することが可能である(図示せず)。本発明の光電変換素子又はそれを有する太陽電池は、エネルギーの変換効率を向上させることが可能であるため、電子機器の小型化を図ることが可能である。省電力化を図ることが可能である。
また、本発明の光電変換素子を、保温温度制御用のセンサとして電気ポットに搭載することが可能である(図示せず)。本発明の光センサにより、室内消灯後は、保温温度を低く設定することが可能である。また、エネルギーの変換効率を向上させることが可能であるため、小型かつ薄型化が可能であり、任意の場所に搭載できる。この結果省電力化をはかることが可能である。
また、本発明の光電変換素子を、走査線位置調整用(RGB走査線の位置あわせ(Digital Auto Convergence)センサとして、CRT式プロジェクションTVのディスプレイに搭載することが可能である(図示せず)。本発明の光電変換素子又はそれを有する太陽電池は、エネルギーの変換効率を向上させることが可能であるため、電子機器の小型化を図ることが可能であり、かつ任意の領域にセンサを搭載することが可能である。また、CRT式プロジェクションTVの高速自動制御が可能となる。
また、本発明の光電変換素子を、各種照明機器、照明設備のON/OFF制御用センサとして、家庭用各種照明器具、屋外灯、街路灯、無人公共設備、競技場、自動車等に用いることができる(図示せず)。本発明のセンサにより、省電力化が可能である。また、本発明を適応した太陽電池をバッテリーとしてこれらの電子機器に設けることで、エネルギーの変換効率を向上させることが可能であり、バッテリーの大きさを薄型化することができる。この結果、電子機器の小型化を図ることが可能である。
ガラス基板上に共蒸着法によって芳香族アミン骨格を有する有機化合物と金属酸化物とを含む混合層が形成された試料(1)及び試料(4)と、ガラス基板上に蒸着法によって芳香族アミン骨格を有する有機化合物のみからなる層が形成された試料(2)及び試料(5)と、ガラス基板上に蒸着法によって金属酸化物の層が形成された試料(3)について、吸収スペクトルを測定した。
本実施例では、芳香族アミン骨格を有する有機化合物としてNPB又はDNTPDを、金属酸化物としてモリブデン酸化物を用いた。試料(1)は、NPB:モリブデン酸化物=1:0.25(重量比)、試料(2)はNPBのみ、試料(3)はモリブデン酸化物のみ、試料(4)は、DNTPD:モリブデン酸化物=1:0.5(重量比)、試料(5)はDNTPDのみである。またそれぞれの層の厚さが100nmとなるように層を形成した。各試料についての吸収スペクトルの測定結果を図11に示す。図11において、横軸は波長(nm)、縦軸は吸光度(単位なし)を表す。
図11(A)(B)に示したように、試料(1)は1000nm〜1900nmの波長帯域に電荷移動に由来した吸収を示し、試料(4)は900nm〜1200nmの波長帯域に電荷移動に由来した吸収を示した。すなわち、有機化合物及び金属酸化物の単膜では発生しない電荷が、有機化合物と金属酸化物を積層することで発生したことが明らかとなった。従って、有機化合物と金属酸化物の積層構造を光電変換素子に適用できることが証明された。
石英基板上に共蒸着法によって芳香族アミン骨格を有する有機化合物と金属酸化物とを含む混合層が形成された試料(6)及び試料(9)と、石英基板上に蒸着法によって芳香族アミン骨格を有する有機化合物のみからなる層が形成された試料(7)及び試料(10)と、石英基板上に蒸着法によって金属酸化物の層が形成された試料(8)について、電子スピン共鳴法(ESR)による測定を室温で行った。
本実施例では、芳香族アミン骨格を有する有機化合物としてNPB又はDNTPDを、金属酸化物としてモリブデン酸化物を用いた。試料(6)は、NPB:モリブデン酸化物=1:0.25(重量比)、試料(7)はNPBのみ、試料(8)はモリブデン酸化物のみ、試料(9)は、DNTPD:モリブデン酸化物=1:0.5(重量比)、試料(10)はDNTPDのみである。また、それぞれの層の厚さが200nmとなるように層を形成した。図12(A)は試料(6)、図12(B)は試料(7)、図12(C)は試料(8)、図13(A)は試料(9)、図13(B)は試料(10)のESRスペクトルである。
図12及び図13に示したように、試料(7)、試料(8)、及び試料(10)ではESRシグナルが検出されなかったが、試料(6)及び試料(9)ではESRシグナルが検出された。このことから、NPBとモリブデン酸化物とを含む層及びDNTPDと酸化モリブデンとを含む層は不対電子を有することがわかった。
また、試料(6)におけるg値は2.0024、試料(9)におけるg値は2.0025であった。g値とは、不対電子を持つフリーラジカルが一定の強さの磁場(H)のもとで作り出すエネルギー場(E)とマイクロ波を吸収(共鳴ともいう)する時に見かけの指標で、E=hν=gβHを満たす時に決定される数値である。比較の指標となるのは、拘束を受けていない自由電子で、g=2.0023である。この値からの開きが大きいほど、不対電子に対する拘束力が大きいことを示す。試料(6)及び試料(9)のg値は自由電子の値と近いことから、不対電子が発生していることが明らかとなった。
光電変換素子の部分断面図である。 光電変換素子の部分断面図である。 光電変換素子の部分断面図である。 電荷分離過程のスキーム図である。 本発明を適応可能な電子機器の斜視図である。 光電変換素子の断面図である。 太陽電池の作製工程を示す断面図である。 太陽電池の作製工程を示す断面図である。 太陽電池の作製工程を示す断面図である。 太陽電池の作製工程を示す断面図である。 電荷分離していることを示す吸収スペクトルである。 電荷分離していることを示す電子スピン共鳴スペクトルである。 電荷分離していることを示す電子スピン共鳴スペクトルである。
符号の説明
100 基板
101 第1の電極
102 電荷発生層
103 電荷アクセプタ層
104 第2の電極
202 電荷アクセプタ層
203 電荷発生層
210 基板
211 第1の絶縁層
212 TFT
213 半導体領域
214 ゲート電極
215 導電層
216 導電層
217 第1の層間絶縁層
221 第1の電極
222 絶縁層
223 電荷発生層
224 電荷アクセプタ層
225 第2の電極
226 光電変換素子
227 光
302 第1の電荷発生層
303 第2の電荷発生層
611 複合層
612 電荷アクセプタ層
701 封止樹脂層
702 開孔部
703 開孔部
901 封止樹脂層
902 開孔部
903 開孔部
3501 センサ
3601 センサ
3701 センサ
3801 バッテリー
3802 文字盤
3901 センサ

Claims (5)

  1. 基板上に第1の電極層を形成し、
    前記第1の電極層上に第1の層を形成し、
    前記第1の層上に接して第2の層を形成し、
    前記第2の層を形成後、前記第1の電極層、前記第1の層、及び前記第2の層に少なくとも第1乃至第3の開孔を形成し、
    前記第1の開孔内に第1の絶縁層を形成し、かつ、前記第3の開孔内に第2の絶縁層を形成し、
    前記第2の層上及び前記第2の開孔内に、第2の電極層を形成し、
    前記第2の開孔において、前記第2の電極層は前記第1の電極層に電気的に接続され、
    前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層の間に、前記第1の電極層、前記第1の層、前記第2の層、及び前記第2の電極を有するユニットセルが形成され
    前記第1の層は正孔輸送性を有する第1の有機化合物及び第1の無機化合物を含み、
    前記第2の層は電子輸送性を有する第2の有機化合物及び第2の無機化合物を含み、
    前記第1の無機化合物は、周期表第4族乃至第10族のいずれかの遷移金属の酸化物であり、
    前記第2の無機化合物は、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類金属酸化物、アルカリ金属窒化物、アルカリ土類金属窒化物、または希土類金属窒化物であることを特徴とする光電変換素子の作製方法。
  2. 請求項において、
    前記第1の無機化合物は、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、又はレニウム酸化物であることを特徴とする光電変換素子の作製方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第2の無機化合物は、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、ナトリウム酸化物、バリウム酸化物、リチウム窒化物、マグネシウム窒化物、又はカルシウム窒化物であることを特徴とする光電変換素子の作製方法。
  4. 請求項乃至のいずれか一において、
    前記第1の有機化合物は、芳香族アミン骨格を有する有機化合物であることを特徴とする光電変換素子の作製方法。
  5. 請求項乃至のいずれか一において、
    前記第2の有機化合物は、芳香環を含むキレート配位子を有するキレート金属錯体、フェナントロリン骨格を有する有機化合物、オキサジアゾール骨格を有する有機化合物、ペリレン誘導体、ナフタレン誘導体、キノン類、メチルビオロゲン、又はフラーレンであることを特徴とする光電変換素子の作製方法。
JP2005350201A 2004-12-06 2005-12-05 光電変換素子の作製方法 Expired - Fee Related JP5227497B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005350201A JP5227497B2 (ja) 2004-12-06 2005-12-05 光電変換素子の作製方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004353437 2004-12-06
JP2004353437 2004-12-06
JP2005350201A JP5227497B2 (ja) 2004-12-06 2005-12-05 光電変換素子の作製方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006190994A JP2006190994A (ja) 2006-07-20
JP2006190994A5 JP2006190994A5 (ja) 2008-12-18
JP5227497B2 true JP5227497B2 (ja) 2013-07-03

Family

ID=36797846

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005350201A Expired - Fee Related JP5227497B2 (ja) 2004-12-06 2005-12-05 光電変換素子の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5227497B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4991706B2 (ja) * 2005-06-06 2012-08-01 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー リチウム再充電可能電気化学セル
JP4977358B2 (ja) * 2005-12-05 2012-07-18 ユーテック株式会社 光起電力素子およびその製造方法
JP5616887B2 (ja) * 2008-07-16 2014-10-29 メルク パテント ゲーエムベーハー 光電池モジュールの作成方法
JP2011233692A (ja) * 2010-04-27 2011-11-17 Idemitsu Kosan Co Ltd 光電変換素子、有機太陽電池及びそれらを用いた光電変換装置
US20120211065A1 (en) * 2011-02-21 2012-08-23 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Photoelectric conversion device
KR20120095790A (ko) * 2011-02-21 2012-08-29 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 광전 변환 장치
US9159939B2 (en) * 2011-07-21 2015-10-13 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Photoelectric conversion device
JP2013058562A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 光電変換装置
JP2016106437A (ja) * 2016-03-17 2016-06-16 株式会社半導体エネルギー研究所 光電変換装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62171172A (ja) * 1986-01-23 1987-07-28 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 光電変換素子
JP3035565B2 (ja) * 1991-12-27 2000-04-24 株式会社半導体エネルギー研究所 薄膜太陽電池の作製方法
JP4776748B2 (ja) * 1999-12-22 2011-09-21 株式会社半導体エネルギー研究所 太陽電池
JP2004165516A (ja) * 2002-11-14 2004-06-10 Matsushita Electric Works Ltd 有機太陽電池
JP4925569B2 (ja) * 2004-07-08 2012-04-25 ローム株式会社 有機エレクトロルミネッセント素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006190994A (ja) 2006-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7989694B2 (en) Photoelectric conversion element, solar battery, and photo sensor
JP5227497B2 (ja) 光電変換素子の作製方法
KR100861434B1 (ko) 신규 화합물 및 그 화합물을 사용한 유기 엘렉트로닉스소자
CN102317406B (zh) 杂环化合物及其在电子和光电子结构元件中的应用
EP2749625B1 (en) Organic light emitting diode
US8586968B2 (en) Organic light emitting diode having high efficiency and process for fabricating the same
JP5851268B2 (ja) 有機薄膜太陽電池素子用材料、及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
KR101172052B1 (ko) 화합물 및 이를 이용한 유기전기소자, 그 단말
CN106467523B (zh) 一种有机芳香化合物及其应用
US10978654B2 (en) Exciton management in organic photovoltaic multi-donor energy cascades
WO2013035303A1 (ja) 有機薄膜太陽電池材料
US9224971B2 (en) Organic electroluminescence device and display unit
KR102500206B1 (ko) 유기 발광 소자 및 이를 포함하는 유기 발광 표시 장치
KR20160007984A (ko) 유기 발광 소자 및 이를 포함하는 유기 발광 표시 장치
US20120048377A1 (en) Photosensitive optoelectronic devices comprising polycyclic aromatic compounds
CN109503466A (zh) 有机化合物、显示面板及显示装置
KR20160029187A (ko) 유기 발광 소자 및 이를 포함하는 유기 발광 표시 장치
KR101197218B1 (ko) 퀴녹살린 유도체 및 이를 이용한 유기전기소자, 그 단말
KR101468087B1 (ko) 신규한 화합물, 이를 포함하는 발광 소자 및 전자 장치
JP2014120590A (ja) 有機光電変換素子、および、有機薄膜太陽電池
KR20140131906A (ko) 유기 감광 장치용 금속 기판의 표면의 제조 방법
KR20110044587A (ko) 다이벤조카바졸을 포함하는 화합물 및 이를 이용한 유기전자소자, 그 단말
CN115394932A (zh) 发光器件、显示面板及其制备方法
WO2012014460A1 (ja) インデノペリレン化合物、インデノペリレン誘導体を含有してなる有機薄膜太陽電池用材料、及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
JP5525895B2 (ja) 有機薄膜太陽電池材料及びそれを用いた有機薄膜太陽電池

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081031

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081031

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120409

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121031

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20121107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees