JP5225738B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りラジアルタイヤに関するものである。
一般に、空気入りラジアルタイヤは、図5に示すように、ラジアル方向のコード配列層よりなる少なくとも1層のカーカスプライ1を有し、このカーカスプライ1は、左右一方のビート部2から他方のビード部に架け渡されて、両端部がそれぞれビード部2において、円環状のビードコア3とその径方向外側に配されたビードフィラー4の回りに内側から外側に巻き上げられて係止されている。
また、タイヤクラウン部におけるカーカスプライの外側には1層もしくは複数層のベルト層6を備え、これらカーカスプライ1及びベルト層6の外側に、サイドウォール、トレッドゴム等のゴム層が積層されて一体化され、タイヤが構成される。図中の7はタイヤのサイド部、8はトレッド部、9はショルダー部を示し、10はベルト層の端部を覆うベルトエッジカバーを示す。
近年、車の大型化による重量増加やハイパワー化に伴う走行性能の向上により、タイヤのビード部からサイド部の高剛性化を図るために、有機繊維やスチールのコード配列層よりなるビード補強層をビード部からサイド部7にわたって配置する例が多く見られる。この場合のビード補強層の配置の形態や位置は様々であり、ビードフィラーの外側に前記補強層を配置するもののほか、ビードフィラーの軸方向内側にビード補強層を配置するものもある(例えば特許文献1〜4)。
従来は、前記のようにビードフィラーの内側もしくは外側に配したビード補強層により、ビード部からサイド部の補強を図っているが、いずれも速度アップに伴う遠心力が大きくなったときのサイド部の内側への倒れ込み変形の抑制は十分なものではない。
すなわち、タイヤが高速回転すると、その遠心力によって、図6において鎖線で示すようにショルダー部9がせり上がるように径方向に成長変形し、これに伴ってサイド部7においてタイヤ内方に倒れ込むような変形が生じるが、前記のようにビード補強層を配しただけでは、サイド部の内方への変形を抑制する効果が小さく、そのため、前記変形のために、タイヤ外周の接地形状や接地圧の分布が変化することになって、コーナーリングパワーが低下し、高速走行時における操縦安定性が通常走行時に比して悪化することになる。
また、ビード部の耐久性や操縦安定性を図る目的で、前記カーカスプライの巻き上げ部分の端部を折り返して、ビード補強層やビードフィラーに係止することも提案されているが(例えば特許文献5〜7)、いずれも、ビードフィラーに係止するか、あるいはビードフィラーの軸方向外側の位置で補強層に係止するものであり、サイド部の内方への倒れ込み変形の抑制効果は殆ど得られないものである。
特開平6−143949号公報 特開平9−24711号公報 特開平9−66713号公報 特開平10−44725号公報 特開平5−330320号公報 特開2005−255047号公報 実開昭61−98602号公報
本発明は、上記の課題を解決するために種々の研究を重ねた結果、タイヤの高速回転時の遠心力でタイヤが径方向外方へ成長変形するとき、タイヤサイド部が内方へ倒れ込むように変形すること、またこのとき、カーカスプライに張力がかかり、特にカーカスプライの巻き上げ部分にタイヤ内周に沿う本体部側とは反対方向の引っ張り力が作用することに着目してなしたもので、前記巻き上げ部分の端部でビードフィラーの軸方向内側に配したビード補強層のタイヤ径方向外端部を保持することにより、高速走行時におけるサイド部の内方への変形を抑制して、ショルダー部のせり上がり等の径方向成長変形を抑えることで、コーナリングパワーの大幅な低下を防ぐことができ、操縦安定性が良好な空気入りラジアルタイヤを提供するものである。
上記の課題を解決する本発明は、円環状のビードコアとその径方向外側に配されたビードフィラーとを有する左右のビード部と、左右のビード部に架け渡されて両端部が前記ビードコア及びビードフィラーの回りに内側から外側に巻き上げられた少なくとも1層のカーカスプライと、該カーカスプライのクラウン部の外側に配置されたベルト層を有する空気入りラジアルタイヤであって、前記ビード部における前記ビードフィラーと前記カーカスプライとの間にビード補強層が配され、前記カーカスプライの巻き上げ部分の端部が前記ビードフィラーより径方向外方で前記ビード補強層の径方向外端部の内側に折り込まれ、該折り込み端部により前記ビード補強層の前記径方向外端部が保持されてなることを特徴とする。
この空気入りラジアルタイヤによれば、タイヤが高速回転し、その遠心力によって、ショルダー部がせり上がるように変形しようとする時、カーカスプライにタイヤ径方向外方への張力がかかり、これに伴って、ビードコアで折り返されたカーカスプライの巻き上げ部分においては、タイヤ内周に沿う本体部側とは反対方向(径方向内方向)の引っ張り力が作用する。この巻き上げ部分の端部がビード補強層の径方向外端部の内側に折り込まれることにより、該折り込み端部により前記ビード補強層の径方向外端部を係止状態で保持しているため、前記巻き上げ部分に作用する引っ張り力が前記ビード補強層の内方への変形を抑制するように作用し、該ビード補強層がビードフィラーの軸方向内側に配されて、かつビードフィラーより上方にまで延びてサイド部の曲げ剛性が高められていること等とも相俟って、サイド部の内方への変形を抑制する効果が大きくなり、ショルダー部のせり上がり変形すなわち径方向成長変形を抑えることができる。これにより、タイヤ外周の接地形状や接地圧の分布の変化が小さくなり、コーナーリングパワーの低下を抑制でき、超高速時における操縦安定性も良好になる。
本発明は、前記巻き上げ部分の折り込み端部によるフォールド部の径方向内端がビードフィラーの径方向外端より外方にあるものが好ましく、これにより、サイド部の変形抑制が効果的になされる。
また本発明は、前記ビード補強層がコード配列層よりなり、コード方向がタイヤ周方向に対し0〜15°又は70〜90°の角度をなすものが、コーナリングパワーの低下を抑制する上で特に好適である。
また、本発明は、前記ベルト層の外側に、該ベルト層の端部領域を覆うコード配列層よりなるベルトエッジカバーが配置されてなるものが好ましい。これにより、ベルトエッジカバーの拘束によるショルダー部のせり上がり防止の効果と、前記巻き上げ部分の内側への折り込み端部によるビード補強層の保持効果とが相俟って、サイド部の内方への変形抑制の効果、さらにはショルダー部のせり上がり等の径方向の成長変形抑制の効果が大きくなり、コーナリングパワーの低下をさらに効果的に防ぐことができる。
上記したように、本発明の空気入りラジアルタイヤによれば、高速回転時にカーカスプライに作用する張力を利用して、ビード補強層の内方への変形を抑制することで、高速回転時のサイド部の内方への変形、ひいてはショルダー部のせり上がり等の径方向の成長変形を効果的に防止でき、以て、高速走行時のコーナリングパワーの低下を抑制でき、操縦安定性を良好に保持できる。
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基いて説明する。
図1は、本発明の実施例にかかる空気入りタイヤの断面構造を示す半部断面図、図2は同一部の拡大断面図である。
タイヤTの基本構成は従来と同様であり、図1及び図2において、符号1はスチールコードあるいは高張力を有する繊維コードをタイヤラジアル方向に配列した少なくとも1層(通常、1層もしくは2層)のコード配列層よりなるカーカスプライであり、2はビード部、3は前記ビード部2の中心に位置するビードワイヤの集合体よりなる円環状のビードコア、4は前記ビードコア3の径方向外側(上側)に接設されて径方向外方に延びる断面変形三角形状のビードフィラーである。通常、ビード部2は、チェーファーと称する補強層(図示省略)により補強され、リムストリップと称するゴム層が配される。20はリムフランジを示している。
符号6はタイヤクラウン部における前記カーカスプライ1の外側に積層した1層もしくは複数層(図は複数層)のベルト層であり、主としてスチールコードを配列してゴムをトッピングして層状にしたコード配列層からなる。図示する実施例の場合、前記ベルト層6の上には、該ベルト層6の端部領域を覆うコード配列層よりなるベルトエッジカバー10が、コード方向をタイヤ周方向に対して実質的に角度が0°になる方向にスパイラル巻されて配置されており、該ベルトエッジカバー10の拘束によりベルト層6の端部のせり上がり変形を抑制できるようになっている。そして、前記ベルト層6及び前記ベルトエッジカバー10の上にトレッド部8を構成するトレッドゴムが積層され、さらにサイド部7のカーカスプライ1の外側にサイドウォールゴムが積層されており、これらによりタイヤが構成されている。
前記カーカスプライ1は、図のように、一方のビード部2から他方のビード部に架渡されて、両端部が前記ビード部2においてビードフィラー4のタイヤ内周に沿い、かつビードコア3に対し内側から外側に巻き上げられて係止されており、1aはカーカスプライ1のタイヤ内周に沿う本体部、1bは前記本体部1aから連続する巻き上げ部分を示している。前記巻き上げ部分1bは、前記ビードフィラー4より径方向外方(上方)にまで延びており、その端部11bが後述するように内側に折り込まれて、ビード補強層を保持している。
前記ビード部2において、前記カーカスプライ1の本体部1aと前記ビードフィラー4との間、つまり前記ビードフィラー4の軸方向内側には、コード配列層よりなるビード補強層12が配されている。前記ビード補強層12は、図1及び図2に示すように、ビードコア3の径方向外側端の付近から前記ビードフィラー4より径方向外方(上方)に延び、好ましくは径方向外端部(上端部)12aがタイヤ最大幅位置の近くまで延びて終端している。このビード補強層12を、前記のようにビードフィラー4の軸方向内側に配したことにより、該ビード補強層12が外側に大きく屈曲して傾斜した状態になるため、ビードフィラー4の軸方向外側にビード補強層を配した場合に比べて、上部がタイヤ内方に変形し難く、それだけサイド部7の内側への変形抑制の効果が大きくなっている。
前記ビード補強層12のビードコア3の径方向外側端からの高さhは、高いほうがコーナリングパワーの低下抑制の効果が大きくなるが、実施上は、前記ビードコア3のタイヤ径方向外側面からベルトエッジ(ベルト層6の端部)までの高さHの30〜50%の範囲に設定するのが好ましい。すなわち、前記ビード補強層12の高さhが高いほど、サイド部7の曲げ剛性が増しコーナリングパワーの低下抑制の効果が高くなるが、高くなりすぎると乗り心地等に影響することになり、また前記高さhが前記範囲より低くなるとサイド部7の曲げ剛性を高める効果が小さくなるので、前記範囲とするのが好ましい。
前記ビード補強層12のコードとしてはスチールコードを好適に用いることができる。このほか、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、ポリアミド等の各種繊維のコードを用いることができるが、実施上は炭素繊維やアラミド繊維等のスチールコードと殆ど同等若しくはスチールコードに近い高モジュラスの材質の繊維コードを使用するのが好ましい。
前記ビード補強層12を構成するコード方向の角度については、従来一般にビード補強層に使用されているもの等、任意の角度で実施できるが、実施上は、サイド部7の倒れ込み変形抑制及びコーナリングパワーの低下抑制の効果の点から、タイヤ周方向に対し0〜15°、70〜90°の範囲とするのが好ましい。
すなわち、前記ビード補強層のコード方向がタイヤ周方向に対し0〜15°の角度をなす場合は周長が変化し難く、またタイヤ周方向に対し70〜90°の角度をなす場合はコード自体が倒れ難くなるため、ビード部2からやや外方へ膨らんだ形状のサイド部7の内方への変形を抑制する効果が大きくなり、コーナリングパワーの低下を効果的に抑制できることになる。
図3は、本発明のタイヤ構造において、ビード補強層12のコード方向の角度を変化させた場合のコーナリングパワーCPの変化率を示している。同図から明らかなように、前記コード角度がタイヤ周方向に対し0〜15°、70〜90°の場合、コーナリングパワーCPが低下しないか、或いは低下が小さくなっている。
本発明の場合は、前記のビード補強層12の構成に加えて、前記カーカスプライ1の巻き上げ部分1bの端部11bが、前記ビードフィラー4より径方向外方において、前記ビード補強層12の外端部12aの内側に折り込まれて該外端部12aに係止されており、該折り込み端部11bにより前記ビード補強層12の外端部12aが保持されている。13は前記折り込み端部11bによるフォールド部を示している。
前記折り込み端部11bの折り込み幅、つまりフォールド部13の幅aは、前記ビード補強層12の径方向外端部12aを保持する効果を考慮して任意に設定できるが、余り大きくなると乗り心地等の性能に影響する虞があるので、実施上は、10〜30mm程度とし、該フォールド部13のタイヤ径方向内端(下端)が前記ビードフィラー4の径方向外端4aより外方にあるように設定するのがよい。
上記の構成による空気入りラジアルタイヤによれば、カーカスプライ1の巻き上げ部分1bの折り込み端部11bを内側に折り込んで、ビード補強層12の径方向外端部12aを折り込み端部11bで係止し保持しているため、高速回転時の遠心力でタイヤTのショルダー部9がせり上がるように変形しようとしたとき、前記カーカスプライ1に作用する張力を利用してサイド部7のタイヤ内方への倒れ込み変形を抑制でき、ひいてはショルダー部9のせり上がり等の径方向成長変形を抑制できる。
すなわち、高速走行時に前記ショルダー部9がせり上がり変形しようとして前記カーカスプライ1に張力が作用すると、前記ビードコア3を回って巻き上げられた巻き上げ部分1bには、タイヤ内周に沿う前記カーカスプライ1の本体部1a側とは反対方向、つまりタイヤ径方向内方向きの引っ張り力(図2中の矢印14)が作用するため、該巻き上げ部分1bの折り込み端部11bで係止し保持している前記ビード補強層12の径方向外端部12aのタイヤ内方への変位を抑制するように働き、これが、前記ビード補強層12がビードフィラー4の軸方向内側に設けられてビードフィラー4より径方向外方にまで延びてサイド部7の曲げ剛性が高められている構成と相俟って、さらには、前記ベルト層6の端部領域を覆うように配置したベルトエッジカバー10の拘束力でショルダー部9のせり上がり変形を抑制する構成とも相俟って、高速走行時のサイド部7の内方への変形を抑制でき、ひいてはショルダー部9のせり上がり等の径方向成長変形を抑制できる。そのため、低速走行から高速走行に変化した場合にも、接地形状や接地圧の分布状態が大きく変化することがなく、コーナリングパワーの低下を抑制でき、また 操縦安定性も良好に保持できることになる。
例えば、従来のタイヤは、高速回転すると、その遠心力によりトレッド部8、特にはショルダー部9がせり上がるように径方向に成長変形し、それに伴って外側に膨らんだ形状のサイド部7が内側に倒れ込むように変形する(図6)。その結果、低速走行時に比して接地圧の分布が大きく変化し、コーナーリングパワーが低下するが、本発明のタイヤの場合は、前記のように、サイド部7の内方への変形が抑制されることで、ショルダー部9のせり上がり等の径方向成長変形が抑えられ、接地圧の分布が大きく変化せず、コーナーリングパワーの低下を効果的に抑制できることになる。
また、ベルトエッジカバー10の拘束力によりショルダー部9の径方向成長変形を抑制する構造と組み合わせた場合は、ショルダー部9の接地圧が上がらないため、接地面内の摩擦係数をロスすることが少なく、コーナリングパワーが低下し難いものになる。すなわち、摩擦係数=水平圧(接地面に平行な方向の力)/接地圧であるため、接地圧が上がると、その部分の摩擦係数が低下して、コーナリングパワーが低下する虞があるが、本発明の場合、ショルダー部9の接地圧の上昇が少ないために、摩擦係数のロスが少なく、コーナリングパワーが低下し難いものになる。
図4は、本発明の実施例タイヤ(下記の実施例1のタイヤ)と従来のタイヤ(下記の比較例1のタイヤ)について、速度10km/hの走行時と、速度200km/hでの走行時の接地圧の分布状態を示している。図4の(A)は両タイヤの速度10km/hでの接地圧の分布状態を示し、図4の(B)は従来タイヤの速度200km/hでの接地圧の分布状態を示し、図4の(C)は実施例タイヤの速度200km/hでの接地圧の分布状態を示している。それぞれ接地面の周縁部を除く内方部ではグレーの濃い部分ほど接地圧が高くなっている。この分布図によれば、速度10km/hでは、両タイヤの接地圧の分布状態に殆ど差はないが、速度200km/hでは、従来タイヤの場合、ショルダー部9の径方向成長変化が大きいために、ショルダー部9の接地面内の中央部で接地圧の上昇が大きくなっているのに対し、実施例タイヤの場合、ショルダー部9の径方向成長変形が小さいために、ショルダー部9の接地面内の中央部での接地圧の上昇が抑えられており、コーナリングパワーCPの変化率も小さくなっている。
上記した効果を確認するため、下記の実施例のタイヤ(実施例1及び2)と従来構造のタイヤ(比較例1及び2)について、台上コーナリングパワーの変化率、車の応答性を示すヨー共振周波数、操縦安定性の官能評価について比較試験を行った。
(実施例1)
図1及び図2に示す構造のタイヤで、ベルト層6の端部領域の上にベルトエッジカバー10を有し、ビードフィラー4の軸方向内側に、エンド数19のスチールコード製のコード配列層よりなるビード補強層12を配し、カーカスプライ1の巻き上げ部分1bの端部11bを内側に折り込んでビード補強層12の径方向外端部12aをホールドした構造をなす、タイヤサイズ245/45R18のタイヤを用いた。前記ビード補強層12は、コード方向がタイヤ周方向に対し角度90°とし、ビードコア3の径方向外側端からの高さhを77mmとし、巻き上げ部分の折り込み端部によるフォールド部の幅は13mmとした。
(実施例2)
ビード補強層のコード角度を23°とした以外は、実施例1と同構成、同サイズのタイヤを用いた。
(比較例1)
実施例1と同サイズのタイヤで、カーカスプライ、ベルト層、ベルトエッジカバーを有する点等の基本構成は実施例1と共通するが、ビード補強層を備えていない図5に示す構造のタイヤである。
(比較例2)
実施例1と同サイズのタイヤで、カーカスプライ、ベルト層、ベルトエッジカバーを有する点、ビードフィラーの軸方向内側にビード補強層を備える点等の基本構成は実施例1と共通するが、カーカスプライの巻き上げ部分の端部が内側に折り込まれておらず、ビード補強層の外端部が保持されていないタイヤである。
台上コーナリングパワーの変化率
車速10km/hの低速から200km/hに速度アップした時のコーナリングパワーCPの変化率(%)を測定した。このコーナリングパワーCPの変化率を、表1において比較例1を100として指数で表示した。数値が大きいほど変化率が小さいことを示している。なお、コーナリングパワーCPの変化率は、下記式による変化率である。
CP変化率(%)=(10km/h時のCP−200km/h時のCP)/10km/h時のCP
ヨー共振周波数
車速100km/h時のヨー共振周波数に対する180km/h時のヨー共振周波数の比率で算出し、その比率を表1において比較例1を100として指数で表示した。数値が大きいほど変化が小さいことを示している。
操縦安定性の官能評価
速度160km/h以上での実車走行により、運転者が官能評価し、表1において比較例1を100として指数で表示した。数値が大きいほど評価が良いことを示している。
Figure 0005225738
上記の表1及び図4から明らかなように、本発明の実施例1及び2の場合、低速から高速に変化した場合のコーナリングパワーCPの変化率が、従来構造のタイヤ(比較例1及び2)に比して小さく、またヨー共振周波数、操縦安定性も改善されている。特に、実施例1の場合はコーナリングパワーCPの変化率が小さく、高速走行時の操縦安定性に優れている。
本発明のタイヤは、ベルト層の上にベルト層の端部領域を覆うベルトエッジカバーが存し、かつビード部のビードフィラーの軸方向内側にカーカスプライの本体部に沿って上方に延びるビード補強層を有するラジアルタイヤに好適に利用できる。
本発明の実施例にかかる空気入りラジアルタイヤの断面構造を示す半部断面図である。 同上のタイヤの一部の拡大断面図である。 ビード補強層のコード方向の角度を変化させた場合のコーナリングパワーの変化率を示すグラフである。 実施例タイヤと従来タイヤについての速度10km/h時(A)と、速度200km/h時(B)(C)の接地圧の分布図である。 従来のタイヤの断面構造を示す半部の断面図である。 低速から高速時に変化したときの断面の変形状態を示す説明図である。
符号の説明
T…タイヤ、1…カーカスプライ、1a… 本体部、1b…巻き上げ部、2…ビード部、3…ビードコア、4…ビードフィラー、4a…径方向外端部、A5ゴム層、6…ベルト層、7…サイド部、8…トレッド部、9…ショルダー部、10…ベルトエッジカバー、11b…折り込み端部、12…ビード補強層、12a…径方向外端部、13…フォールド部、20…リムフランジ。

Claims (6)

  1. 円環状のビードコアとその径方向外側に配されたビードフィラーとを有する左右のビード部と、左右のビード部に架け渡されて両端部が前記ビードコア及びビードフィラーの回りに内側から外側に巻き上げられた少なくとも1層のカーカスプライと、該カーカスプライのクラウン部の外側に配置されたベルト層を有する空気入りラジアルタイヤであって、
    前記ビード部における前記ビードフィラーと前記カーカスプライとの間にビード補強層が配され、前記カーカスプライの巻き上げ部分の端部が前記ビードフィラーより径方向外方で前記ビード補強層の径方向外端部の内側に折り込まれ、該折り込み端部により前記ビード補強層の前記径方向外端部が保持されてなることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記巻き上げ部分の折り込み端部によるフォールド部の径方向内端がビードフィラーより径方向外方にあることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記ビード補強層が、コード配列層よりなり、コード方向がタイヤ周方向に対して0〜15°又は70〜90°の角度をなしている請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記ベルト層の外側に、該ベルト層の端部領域を覆うコード配列層よりなるベルトエッジカバーが配置されてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記ビード補強層が、前記ビードフィラーよりもタイヤ軸方向内側に配されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記ビード補強層が、前記ビードフィラーよりもタイヤ径方向外方まで延長されてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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