JP5225316B2 - 炊飯器 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の従来の炊飯器においては、補強板はヒンジ部から係止装置まで1枚の平板の金属材料を折り曲げ・プレス抜き加工することで形成されている。また、補強板の中央部に部品を載置するために、材料の中央部を切り捨てている。このため製作時に使用される材料の使用量に対して強度へ有効な活用ができていない。
図1は本発明の実施の形態1に係る炊飯器の外観斜視図、図2は図1の炊飯器の縦断面図であり、図3は図1の中蓋の全体斜視図である。なお、図2において、図2(a)は補強部材を取り除いた状態の炊飯器の縦断面図であり、図2(b)は補強部材を取り付けた場合の補強部材の配置を示す炊飯器の縦断面図であり、同図中斜線で示したものが補強部材70である。
また、図2(a)に示すように蓋体10は、上部が開口した炊飯器本体1の後部側上部に設けたヒンジ部2に一端が枢支され、一部に金属板を有する合成樹脂で構成されており、炊飯器本体1の上部開口部を開閉自在に覆うように設けられている。
このスライド部材40は、フランジ47及びロック部43a,43bの下面が、中蓋12の上面に設けたガイド部35上に、前後方向にスライド自在に配設されている。なお、図示してないが、ガイド部35の側部には、スライド部材40が横方向に移動するのを防止するために、複数のガイドが設けられている。
次に、この補強部材70の加工工程について説明する。図9(a)〜(d)は、補強部材70の加工工程概略図である。まず、図9(a)に示すように、帯状の金属板100に、ヒンジ軸挿通穴73を穿設する場所となる内側垂直部121やねじ挿通穴74を穿設する場所となる水平部122やヒンジ軸挿通穴73とフック55の支持軸63の挿通穴78を穿設する場所となる外側垂直部123を決めるために折曲げ部103を決めておく。そして、ヒンジ軸挿通穴73を内側垂直部121と外側垂直部123に、ねじ挿通穴74を水平部122に、挿通穴78を外側垂直部123に穿設し、さらに後述する垂直片102を切り起こすための切り込み線を外側垂直部123に切り込んでおく(図9(b))。
次に、図9(a)にて決めておいた折曲げ部103の部分で折り曲げ加工して内側垂直部121と水平部122と外側垂直部123を形成する(図9(c))。この時の折り曲げ方向は、内側垂直部121と外側垂直部123が平行且つ対向する断面略コの字状となるように同一方向にほぼ垂直に2回折り曲げる。また、ヒンジ軸挿通穴73と両端のねじ挿通穴74との間の水平部122に後端曲げ部101を決めておく。そして、図9(d)に示すように水平部122を上向き、内側垂直部121を内側にした状態でベンド加工を施し、図示するような略円周状の形状(以下、略円周部71と呼ぶ場合がある)を形成する。このとき、後端曲げ部101の部分で折り曲げ加工も行われ、ヒンジ取付垂直部125とヒンジ取付水平部126とで構成されるヒンジ取付部124を形成して、補強部材70が完成する。このヒンジ取付部124は略直線部を構成する。
なお、このとき、垂直片102は、前方へ突出した状態になる。
また、略円周部71の大きさは、中蓋12の幅方向に近い大きさまたは内釜6の大きさと略同等にしても良い。
まず、補強部材70の前方の挿通穴78にフック55に設けた支持軸63の両端部を挿入し、補強部材70の後端部を中蓋12の後端付近から外方に突出させて中蓋12に載置し、ねじ挿通穴74に挿通したねじ80により中蓋12に固定する。
中蓋12に設けたソレノイド50が非通電状態の場合は、図10(a)に示すように、ソレノイド50の可動鉄心52は後退しており、可動鉄心52と一体化されたスライド部材40も後方へスライドし、その突部46が弁室30の開口部31に設けた弾性体33を押圧して弾性変形させ、調圧ボール91を弁座90の後部側に移動させて弁孔89を開放している。
そして、ユーザーが蓋開閉ボタン23を圧下すると、押圧部27が受け片60を圧下してフック55を回動させ、係止爪62が係止部9から離脱するので、蓋体10をヒンジ部2を軸に上方に回動することにより開放することができる。
ユーザーは、所定の米と水が入れられた内釜6を炊飯器本体1内にセットし、蓋体10を閉じる。圧力をかけて炊飯する場合、ユーザーは、操作部8を操作する。これにより、ソレノイド50に通電し、図1,図10(b)に示すように、調圧ボール91により内筒86の弁孔89を閉鎖する。また、図12(b)に示すように、スライド部材40により、蓋開閉ボタン23をロックする。そして、ユーザーが操作部8を操作すると、電磁誘導コイル4等に通電し、炊飯を開始する。
また、補強部材70を金属板100から曲げ加工により上記の形状の断面を有するように構成しているが、元々上記断面が形成されているL字材やチャンネル材を補強部材70として使用してもよい。
また、図18に示すように補強部材70の略円周部71の直径は内釜6の直径と同等にするのが望ましい。これは、内釜6のシール65の変形を防ぐことが蒸気モレを抑制するのに一番ふさわしいためである。即ち、図2(b)に示すよう内釜6の上部開口部の外周にはほぼ水平の外向きにフランジ6aが設けられている。この内釜6の開口部の上方は内蓋13と中蓋12によって覆われており、さらに弾性変形する合成樹脂製のシール65が補強部材70とフランジ6aとの間に介在すると共にこのシール65の一部がさらに内釜6の上部内壁にまで延在している。そして、調理者が蓋体10を閉じると、ロック機構により蓋体10が炊飯器本体1に係止するので、上蓋11から補強部材70を介して下方向の圧力が作用し、この圧力によりシール65が少しだけ変形する。これにより、シール65は、フランジ6aを上から下に押す圧力だけでなく、変形によって内釜6の上部内壁を外周方向へ押す力が作用する。これにより、内釜6は内蓋13と中蓋12およびシール65によって密閉された状態となる。
また、調理中に内釜6内の蒸気圧が作用することで蓋体10が多少変形した場合、この変形により補強部材70は多少前後左右に移動するが、蓋体10のロック機構が機能しているため、上下方向の変形は殆どない。また、補強部材70の前後左右の移動範囲も蓋体10の変形により、補強部材70とフランジ6aとの間に摩擦力が作用するので、フランジ6aの領域内に収まる。従って、補強部材70はフランジ6aの上に常時位置することになり、内釜6との密閉性を維持することができるため、蒸気漏れの問題は発生しない。
また、温度センサー5は底部中央部付近に設けられていると説明したが、内釜の底部外周付近とすれば炊飯器を更にコンパクトに構成できる。操作部8も本構成によりスペースが有効になった蓋体10内(例えば上面)に設置できれば更にコンパクトとなるし、カートリッジ17においても外側から挿入せずに、スペースが有効となった蓋体10内に内側から挿入する形とすれば蓋体10の天面の凹凸もなくすっきりとコンパクトな形に構成できる。蓋開閉ボタン23も位置を炊飯器本体1の前面側に配置してもよいし、ボタン形状も楕円状に限らず、略四角形状や円状でも良い。弁室30の位置も蓋体10の中央部に限らず、内釜6の外径内であれば良く、弁室30の開口部85も前面側に固執することはない。
図13、図14は本発明の実施の形態2に係る炊飯器の補強部材の斜視図である。なお、実施の形態1の補強部材と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態2では、補強部材70は、図13の補強部材70の外観斜視図に示すように、中蓋12の上面に設けられ、蓋体10の変形などを抑制するようにしている。
次に、この補強部材70の加工工程について説明する。図14(a)〜(d)は、補強部材70の加工工程概略図である。まず、図14(a)に示すように、帯状の金属板100に、ヒンジ軸挿通穴73とフック55の支持軸63の挿通穴78を穿設する場所となる内側垂直部121やねじ挿通穴74を穿設する場所となる水平部122を決めるために折曲げ部103を決めておく。そして、ヒンジ軸挿通穴73と挿通穴78を内側垂直部121に、ねじ挿通穴74を水平部122に穿設しておく(図14(b))。
次に、図14(a)にて決めておいた折曲げ部103部分で折り曲げ加工して内側垂直部121と水平部122を形成する(図14(c))。この時の折り曲げ方向は、内側垂直部121と水平部122がほぼ垂直になるような断面略L字状とする。また、ヒンジ軸挿通穴73と両端のねじ挿通穴74との間の水平部122に後端曲げ部101を決めておく。そして、図14(d)に示すように水平部122を上向き、内側垂直部121を内側にした状態でベンド加工を施し、図示するような略円周部71を形成する。このとき、後端曲げ部101の部分で折り曲げ加工も行われ、ヒンジ取付垂直部125とヒンジ取付水平部126とで構成されるヒンジ取付部124を形成して、補強部材70が完成する。
なお、略円周部71の大きさは、中蓋12の幅方向に近い大きさまたは内釜6の大きさと略同等にしても良い。
図15は本発明の実施の形態3に係る炊飯器の補強部材の斜視図である。なお、実施の形態1の補強部材70と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態では、補強部材70後方の左右に分かれた部分の強度を補強するために、水平部104aと垂直部104bとからなる断面形状が略L字状で長手方向を補強部材70の略円周部71とほぼ同心の円弧になるように曲げ加工した金属製の後部補強体104を設け、この後部補強体104の両端部の水平部104aに前記補強部材70の水平部122に設けたねじ挿通穴74と共締めできるねじ挿通穴105を設け、互いを共締めしたものである。これにより、補強部材70の左右に分かれた部分が塞がり、補強部材70の形状は完全に閉じた略円周状の環となる。
図16は本発明の実施の形態4に係る炊飯器の補強部材の上面図である。なお、実施の形態1の補強部材と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
実施の形態1では、補強部材70は帯状の金属板100を折り曲げ加工してコの字状の均一な断面形状を構成し,ベンド加工にて略円周状に形成したものである。
これに対して、本実施の形態に係る補強部材70は、帯状の金属板100の長手方向の一側面を波形106に切断し、その後折り曲げ加工によって構成したL字状の断面の水平部122を連続的に変化させたものである。
次に、図16(a)にて決めておいた折曲げ部103部分で折り曲げ加工して内側垂直部121と水平部122を形成する(図16(c))。この時の折り曲げ方向は、内側垂直部121と水平部122がほぼ垂直になるような断面略L字状とする。
また、ヒンジ軸挿通穴73と隣りのねじ挿通穴74との間の水平部122に後端曲げ部101を決めておく。そして、図16(d)に示すように水平部122を上向き、内側垂直部121を内側にした状態でベンド加工を施し、図示するような略円周部71を形成する。このとき、後端曲げ部101部分で折り曲げ加工も行われ、ヒンジ取付垂直部125とヒンジ取付水平部126とで構成されるヒンジ取付部124を形成して、補強部材70が完成する。この時、水平部の幅は図16(d)に示すように略円周部71の前部及び後部から前後方向に連続的に増加していき、図16(d)のB−B断面図に示すように前部が狭いWbであり、図16(d)のA−A断面図に示すように左右の部分が最大のWaとなる。後部も狭い。
なお、略円周部71の大きさは、中蓋12の幅方向に近い大きさまたは内釜6の大きさと略同等にしても良い。
Claims (15)
- 内部に内釜を収容し、後部側上部にヒンジ部を有する炊飯器本体と、
後端部が前記ヒンジ部を介して前記炊飯器本体に枢支され、この炊飯器本体の上部を開閉自在に覆う蓋体と、
この蓋体に配設された補強部材と、を備え、
この補強部材は、
略円弧状に構成され、断面形状として少なくとも垂直部とこの垂直部の一端から略垂直に延設された水平部とを有する略円弧部と、
この略円弧部の両端から外方へほぼ平行に延設され、断面形状として少なくとも垂直部とこの垂直部の一端から略垂直に延設された水平部とを有する一対の略直線部と、を備え、
前記一対の略直線部の垂直部は対向する位置に前記ヒンジ部と嵌合する穴を有し、
前記略円弧部は、帯状の金属板を折り曲げ加工して形成された前記垂直部及び前記水平部を曲げ加工することで形成され、
前記略直線部は、前記略円弧部の後端曲げ部を折り曲げ加工することで形成される
ことを特徴とする炊飯器。 - 内部に内釜を収容し、後部側上部にヒンジ部を有する炊飯器本体と、
後端部が前記ヒンジ部を介して前記炊飯器本体に枢支され、この炊飯器本体の上部を開閉自在に覆う蓋体と、
この蓋体に配設された補強部材と、を備え、
この補強部材は、
略円弧状に構成され、断面形状として少なくとも垂直部とこの垂直部の一端から略垂直に延設された水平部とを有する略円弧部と、
この略円弧部の両端から外方へほぼ平行に延設され、断面形状として少なくとも垂直部とこの垂直部の一端から略垂直に延設された水平部とを有する一対の略直線部と、を備え、
前記一対の略直線部の垂直部は対向する位置に前記ヒンジ部と嵌合する穴を有し、
前記補強部材の略円弧部の両端を別体の補強部材で結合した
ことを特徴とする炊飯器。 - 内部に内釜を収容し、後部側上部にヒンジ部を有する炊飯器本体と、
後端部が前記ヒンジ部を介して前記炊飯器本体に枢支され、この炊飯器本体の上部を開閉自在に覆う蓋体と、
この蓋体に配設された補強部材と、を備え、
この補強部材は、
略円弧状に構成され、断面形状として少なくとも垂直部とこの垂直部の一端から略垂直に延設された水平部とを有する略円弧部と、
この略円弧部の両端から外方へほぼ平行に延設され、断面形状として少なくとも垂直部とこの垂直部の一端から略垂直に延設された水平部とを有する一対の略直線部と、を備え、
前記一対の略直線部の垂直部は対向する位置に前記ヒンジ部と嵌合する穴を有し、
前記補強部材の略円弧部において、この略円弧部が形成する略円弧部の円の中心と前記略円弧部の両端間の中心を結ぶ線とほぼ垂直を成す部分の水平部の幅または断面二次モーメントが他の部分の水平部のそれよりも大きくなるように形成される
ことを特徴とする炊飯器。 - 前記補強部材の断面形状を略コの字状としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の炊飯器。
- 前記補強部材の断面形状を略Lの字状としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の炊飯器。
- 前記補強部材の断面は、コの字状の平行する片の一片がもう一片よりも短いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の炊飯器。
- 前記補強部材の外径が内釜の外径と略同等としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の炊飯器。
- 前記蓋体と前記炊飯器本体とを係止するロック機構が前記内釜の前後方向長さの中間よりも前方に位置したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の炊飯器。
- 前記補強部材の内部に圧力調整弁、圧力安全弁、カートリッジを位置したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の炊飯器。
- 前記補強部材の断面曲げ部の外側Rを板厚よりも大きくしたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の炊飯器。
- 前記補強部材の円周半径Rを断面幅Wに対してR≧4Wとしたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の炊飯器。
- 内部に内釜を収容し、後部側上部にヒンジ部を有する炊飯器本体と、
後端部が前記ヒンジ部を介して前記炊飯器本体に枢支され、この炊飯器本体の上部を開閉自在に覆う蓋体と、
この蓋体に配設された補強部材と、を備え、
この補強部材は、
略円弧状に構成され、断面形状として少なくとも垂直部とこの垂直部の一端から略垂直に延設された水平部とを有する略円弧部と、
この略円弧部の両端から外方へほぼ平行に延設され、断面形状として少なくとも垂直部とこの垂直部の一端から略垂直に延設された水平部とを有する一対の略直線部と、を備え、
前記一対の略直線部の垂直部は対向する位置に前記ヒンジ部と嵌合する穴を有し、
前記補強部材に沿って中蓋に周方向のリブを形成した
ことを特徴とする炊飯器。 - 前記補強部材の内周に沿って中蓋に周方向のリブを形成したことを特徴とする請求項12に記載の炊飯器。
- 前記補強部材の外周に沿って中蓋に周方向のリブを形成したことを特徴とする請求項12に記載の炊飯器。
- 前記補強部材の下部の中蓋に周方向のリブを形成し、リブ上に補強部材と、この補強部材を前記リブにとめるねじ取り付け部を設けたことを特徴とする請求項12に記載の炊飯器。
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