JP5223734B2 - ヒータ付センサのヒータ制御装置 - Google Patents

ヒータ付センサのヒータ制御装置 Download PDF

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Description

この発明は、排気通路に設けられるヒータ付きのセンサについて、そのヒータの通電状態を制御する制御装置に関する。
ディーゼル機関の排気系には、NOx等を吸蔵・還元する触媒などといった各種の排気浄化用の触媒が設けられることがある。こうした触媒を備える場合には、その排気浄化性能の回復を図るために、排気通路に設けられた添加弁から燃料を供給して排気中の酸素濃度を調整するとともに触媒の昇温を図るようにしている。なお、触媒の下流側には酸素濃度センサが設けられており、この酸素濃度センサの検出値に基づいて排気中の酸素濃度の調整が行われる。
ここで、排気通路に設けられる添加弁の先端部は排気に曝されるため、排気中の粒子状物質や内燃機関の摺動部から生じる微粒子等といった異物が先端部の開閉部分に付着するおそれがあり、場合によっては添加弁が開弁したまま固着した状態になる開固着異常が生じ、燃料漏れ等が発生する可能性がある。
そこで、こうした添加弁の開固着異常を検出するために、例えば特許文献1に記載の装置においては、添加弁による燃料添加が行われていないときに空燃比センサにて検出された空燃比が、理論空燃比よりも小さいとき、すなわち検出された空燃比が理論空燃比よりもリッチとなっているときには、添加弁に開固着異常が生じていると判断するようにしている。
特開2005‐232991号公報
ところで、内燃機関が冷間状態にあるときには、排気温度が低いために触媒の温度も低くなっている。こうした冷間状態において上述したような添加弁の開固着異常が生じると、添加弁よりも下流側にある触媒には大量の燃料が付着し、同触媒は不活性状態になりやすい。このように触媒が不活性状態になると、触媒を通過した排気の昇温が進みにくくなるため、触媒の下流側に配設される空燃比センサの昇温も進みにくく、同空燃比センサの不活性状態が比較的長く続く状態になる。このように空燃比センサが不活性状態になっている間は空燃比の検出ができないため、上述のような添加弁の開固着異常が生じているか否かの判断も不可能になる。
ここで、周知のように、空燃比センサには、機関冷間時等において素子部を早期に活性化温度にまで昇温させるべくヒータが設けられている。従って、機関冷間時においてヒータへの通電が開始されれば、空燃比センサの活性化が早期に行われ、これにより添加弁の開固着異常の判断も可能になる。しかし、実際には、以下のような理由により、空燃比センサの活性化が滞るおそれがある。
すなわち、空燃比センサに水滴などが付着している状態でヒータへの通電が行われると、急激な温度変化によって被水割れが生じ、空燃比センサが破損してしまうおそれがある。そこで、ヒータの通電を制御する制御装置では、排気温度が既定の判定温度(例えば200℃程度)を超えており、センサが十分に乾燥していると判断されるときに、ヒータへの通電を開始するようにしている。ここで、上述したように、添加弁の開固着異常が生じている状態では、触媒を通過した排気の昇温が進みにくくなるため、上記判定温度にまで排気温度が上昇しにくくなり、これによりヒータへの通電も行われにくくなるおそれがある。従って、上記従来の装置では、添加弁の開固着異常を早期に判断することができないおそれがある。
なお、機関冷間時においてヒータ付センサでのヒータ通電が滞ることによる不具合は、上述したような添加弁の開固着異常の診断にのみ適用されるものではない。すなわち、ヒータへの通電によるセンサの早期活性化は、そのセンサの検出値を利用した各種制御の実行にも影響を与えるため、ヒータへの通電が滞るとそうした各種制御の実行にも悪影響を及ぼす。また、ヒータ付センサとしては、上記空燃比センサのみならず、酸素センサや、HCセンサ、NOxセンサ等もある。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関冷間時においてヒータ付センサをより早期に活性化させることのできるヒータ制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の排気通路に設けられたヒータ付きのセンサについて、そのヒータの通電状態を制御するヒータ制御装置において、前記機関の排気温度を検出する検出手段を備え、前記検出手段により検出される排気温度が第1判定温度以上であるときには前記ヒータの通電を許可するとともに、排気温度が前記第1判定温度よりも低い値に設定された第2判定温度以上であって前記第1判定温度未満であるときには、前記センサの乾燥進行度を算出し、その算出される乾燥進行度が所定の判定値以上となったときにも前記ヒータの通電を許可することをその要旨とする。
ヒータ付きのセンサが確実に乾燥していると判断可能な高い排気温度を第1判定温度として設定しておく。そして実際の排気温度が同第1判定温度以上であるときには、直ちにヒータの通電を行っても被水割れの心配はない。他方、実際の排気温度が第1判定温度未満であっても、ある程度の高温になっていれば、時間経過とともにセンサの乾燥は進行していくため、センサの乾燥進行度を求めてこれが所定値に達した時点でそうした時間の経過によってもヒータの通電を行うことも可能である。
そこで、上記構成では、排気温度が上述したような第1判定温度以上であり、センサが確実に乾燥していると判断可能なときにはヒータの通電を許可するようにしている。また、第1判定温度よりも低い第2判定温度を設定するようにしており、排気温度が第2判定温度以上であって第1判定温度未満になっているときには、上述したようなセンサの乾燥進行度を算出するようにしている。そして、その乾燥進行度が所定の判定値以上になり、センサが乾燥していると判断可能なときにもヒータの通電を許可するようにしている。従って、排気温度が第1判定温度に満たないときであっても、乾燥進行度が所定の判定値以上になればヒータの通電が行われるようになるため、機関冷間時においてヒータ付センサをより早期に活性化させることができる。
なお、センサが充分に乾燥されるまでの時間は排気温度によって異なるが、上記構成では、排気温度に応じてセンサの乾燥進行度を算出するようにしているため、同乾燥進行度をより正確に算出することも可能である。
また、上記乾燥進行度は、請求項2に記載の構成によるように、乾燥カウンタ値を所定周期毎に積算した値である、といった態様を採用することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のヒータ付センサのヒータ制御装置において、前記判定値は、予め設定された一定値であり、前記乾燥カウンタ値は、前記検出される排気温度が高いほど大きな値に設定されることをその要旨とする。
排気温度が高いほどセンサの温度上昇は早くなるため、ヒータを通電させた際に被水割れが生じない程度にまでセンサが乾燥する時間も短くなる。
そこで、上記構成では、検出される排気温度が高いほど乾燥カウンタ値が大きな値となるように設定するようにしているため、検出される排気温度が高いほど、その乾燥カウンタ値を積算して算出される乾燥進行度も早期に上記所定の判定値に至るようになる。したがって、センサの乾燥状態をより適切に把握することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のヒータ付センサのヒータ制御装置において、前記乾燥カウンタ値は、予め設定された一定値であり、前記判定値は、前記検出される排気温度が高いほど低い値に設定されることをその要旨とする。
上記構成では、検出される排気温度が高いほど乾燥進行度を判定する判定値が小さな値となるように設定するようにしているため、検出される排気温度が高く、センサが早期に乾燥するときほど、乾燥カウンタ値を積算して算出される乾燥進行度も早期に上記所定の判定値に至るようになる。したがって、センサの乾燥状態をより適切に把握することが可能となる。
なお、上記乾燥カウンタ値及び判定値の設定については、請求項5に記載の構成によるように、前記乾燥カウンタ値は、前記検出される排気温度が高いほど大きな値に設定されるとともに、前記判定値は、前記検出される排気温度が高いほど低い値に設定される、といった構成を採用することもできる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒータ付センサのヒータ制御装置において、前記センサは、ヒータ付の空燃比センサであり、前記排気通路にあって、前記空燃比センサよりも上流側には、同排気通路内に燃料を添加する燃料添加弁が設けられており、同燃料添加弁の開固着異常が前記空燃比センサの検出値に基づいて診断されるものであり、前記燃料添加弁に開固着異常が生じているか否かの仮判定を行う仮判定処理を実行し、前記乾燥進行度が所定の前記判定値以上であるとの条件に加え、前記仮判定処理により前記燃料添加弁に開固着異常が生じている旨の仮判定がなされていることを条件に前記ヒータの通電を許可することをその要旨とする。
上述のように、排気通路に設けられた燃料添加弁の開固着異常は、同排気通路に設けられた空燃比センサの検出値に基づいて診断することができる。すなわち、燃料添加弁による燃料添加が行われていないときに空燃比センサにて検出される空燃比が、理論空燃比よりも小さく、リッチになっているときには、燃料添加弁に開固着異常が生じていると判断可能である。ここで、空燃比センサの検出値に基づいて開固着異常の判定を行うには、同空燃比センサが活性化している必要がある。そこで、同構成では、燃料添加弁に開固着異常が生じているか否かの仮判定を行う仮判定処理を実行するようにしている。そして、上記乾燥進行度が上記判定値以上であるとの条件に加え、仮判定処理により燃料添加弁に開固着異常が生じている旨の仮判定がなされていることを条件にヒータの通電を許可するようにしている。従って、機関冷間時において、燃料添加弁に開固着異常が発生している可能性が高いときには、早期にヒータ付の空燃比センサを活性化させることができるようになり、これにより燃料添加弁の開固着異常をより早期に判定することが可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のヒータ付センサのヒータ制御装置において、前記機関には、前記排気通路から前記機関の吸気通路に排気を再循環させる排気再循環装置が設けられており、前記仮判定処理は、前記燃料添加弁に開固着異常が生じているときに排気の再循環が行われることによる前記吸気通路への燃料の回り込みによって生じる機関出力の変化が検出されたときに、前記燃料添加弁に開固着異常が生じている旨の仮判定を行うことをその要旨とする。
燃料添加弁に開固着異常が生じている場合には、排気通路に添加される燃料が上記排気再循環装置を介して吸気通路に流れ込む、いわゆる燃料の回り込みが生じる。そのため、気筒内には、排気再循環装置を介して流入した添加弁からの燃料と、燃料噴射弁から噴射された燃料とが供給されることとなる。従って、排気の再循環が行われているときの機関出力の変化により、燃料添加弁に開固着異常の可能性有りと仮判定することが可能である。そこで、上記構成では、燃料添加弁に開固着異常が生じているときに排気の再循環が行われることによる吸気通路への燃料の回り込みによって生じる機関出力の変化が検出されたときに、燃料添加弁に開固着異常が生じている旨の仮判定を行うようにしており、これにより開固着異常の仮判定を適切に行うことが可能となる。
本発明の一実施形態についてその適用対象となるディーゼル機関の構成を示す模式図。 同実施形態にかかる異常診断制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかるヒータ通電許可制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかるヒータ強制通電許可制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる乾燥判定処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる乾燥カウンタ値と排気温度との関係を示すグラフ。 同実施形態にかかる異常仮判定処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態における各値の推移の一例を示すタイミングチャート。
以下、本発明にかかるヒータ付センサのヒータ制御装置を、自動車用の内燃機関に搭載された空燃比センサのヒータ制御装置に具体化した一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
図1は、本実施形態のヒータ制御装置が適用される内燃機関10及びその周辺構成を示している。この内燃機関10は、コモンレール方式の燃料噴射装置を備えるディーゼル機関である。内燃機関10の各気筒11(図1にはその1つのみを図示)には、ピストン12が往復動可能に収容されている。そして、気筒11の内壁、ピストン12の頂面及びシリンダヘッド13の内壁によって燃焼室14が区画形成されている。そして、シリンダヘッド13には燃料を噴射する燃料噴射弁16が設けられている。燃料噴射弁16は、図示しないコモンレールに充填された燃料を燃焼室14内に噴射する。
また、図1に示すように、燃焼室14には、吸気通路20と排気通路30とが接続されているとともに、排気通路30には排気浄化触媒31が設けられている。排気浄化触媒31は、多孔質材料によって形成されたモノリス構造のPMフィルタからなり、このPMフィルタにはNOx吸蔵還元触媒が担持されている。
これにより本実施形態の内燃機関10にあっては、排気中の煤等を主成分とする粒子状物質(以下、PMと称する)が排気浄化触媒31のPMフィルタに捕集される。また、NOx吸蔵還元触媒は、排気中に酸素が大量に存在しているリーン状態において窒素酸化物(以下、NOxと称する)を吸蔵する一方、排気に未燃燃料成分が含まれるリッチ状態では、吸蔵したNOxと排気に含まれる一酸化炭素と未燃燃料成分の炭化水素とを反応させてNOxを還元し、これらを窒素、二酸化炭素、水に変換する。このように本実施形態の内燃機関10にあっては、排気浄化触媒31によって排気が浄化される。
内燃機関10には、排気通路30から吸気通路20に排気を再循環させる排気再循環装置35が設けられている。この排気再循環装置35は、排気通路30から吸気通路20へと接続される再循環通路36と、同再循環通路36に設けられる調整弁37とにより構成されている。そして、アクチュエータ38により調整弁37の開度が調整されることにより、排気通路30から吸気通路20に再循環される排気量が調整される。
排気通路30において排気浄化触媒31の下流側には排気温センサ32が設けられている。この排気温センサ32が本実施形態における上記検出手段に相当し、同排気温センサ32によって排気浄化触媒31を通過した排気の温度である排気温TEが検出される。また、同じく排気通路30において排気浄化触媒31の下流側には空燃比センサ33が設けられており、この空燃比センサ33によって排気浄化触媒31を通過した排気の空燃比が検出される。
ここで、空燃比センサ33は、より詳細には、燃焼室14で燃焼する混合気の空燃比を示す指標として排気の酸素濃度に応じた信号を出力するものである。また、空燃比センサ33は、ジルコニアを材料として焼結された素子、その素子部の内外周面の一部に配置された白金よりなる電極、及びヒータ34を有している。このヒータ34に通電がなされることにより素子部が加熱され、同素子部が活性化温度に達することにより、空燃比センサ33は活性した状態となり、排気の酸素濃度に応じた信号が出力される。こうした空燃比センサ33が本実施形態における上記ヒータ付センサに相当する。
また、排気通路30において排気浄化触媒31よりも上流側には、燃料添加弁39が設けられている。燃料添加弁39は、排気通路30内に燃料を添加し、排気浄化触媒31に反応物質としての未燃燃料成分を供給する。
上記排気温センサ32及び上記空燃比センサ33は、内燃機関10の各種制御を統括的に実行する電子制御装置50に接続されており、排気温センサ32及び空燃比センサ33の検出信号は電子制御装置50に取り込まれる。
電子制御装置50には、こうした排気温センサ32や空燃比センサ33の他に、内燃機関10の機関水温THWを検出する水温センサ41、機関回転速度NEを検出するクランクポジションセンサ42、車速SPを検出する車速センサ43等の各種センサが接続されている。
電子制御装置50は、これら排気温センサ32及び空燃比センサ33、上記センサ41〜43を始めとする各種センサから出力される検出信号を取り込み、これらの検出信号に基づいて各種演算を実行し、内燃機関10の各部を制御する。例えば、燃料噴射弁16からの噴射燃料に関する燃料噴射量や燃料噴射時期の制御や、内燃機関10内への吸入空気量の制御、調整弁37の開度制御等といった各種制御が電子制御装置50により実施されている。
また、電子制御装置50は、上記各種制御に加えて、排気浄化触媒31の排気浄化性能の回復を図るために、排気通路30に設けられた燃料添加弁39からの燃料の供給を制御して排気中の酸素濃度を調整するとともに排気浄化触媒31の昇温を図るようにしている。なお、電子制御装置50は、空燃比センサ33の検出値に基づいて燃料添加弁39からの燃料の供給を制御することにより、排気中の酸素濃度の調整を行う。
また、電子制御装置50は、上記空燃比センサ33に設けられたヒータ34の通電制御も実行する。
ところで、排気通路30に設けられる燃料添加弁39の先端部は排気に曝されるため、排気中の粒子状物質や内燃機関10の摺動部から生じる微粒子等といった異物が先端部の開閉部分に付着するおそれがあり、場合によっては燃料添加弁39が開弁したまま固着した状態になる開固着異常が生じ、燃料漏れ等が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態においては、こうした燃料添加弁39の開固着異常を検出するために、燃料添加弁の異常診断制御を実行するようにしている。
以下、図2を参照して、その異常診断制御について説明する。なお、図2は、この異常診断制御の一連の処理の流れを示すフローチャートである。また、この一連の処理は、燃料添加弁39からの燃料添加が実行されていないときにおいて、電子制御装置50により所定の周期で繰り返し実行される。
この一連の処理が開始されると、まず空燃比センサ33が活性化されているか否かが判定される(ステップS110)。
ここで、空燃比センサ33が活性化されているか否かは、空燃比センサ33の素子部に印加される電圧VS、及び素子部を流れる電流ISの値等に基づいて判定する。具体的には、電子制御装置50は、上記電圧VS及び上記電流ISに基づいて算出された素子部の抵抗値が、空燃比センサ33が活性化されていると判断される基準抵抗値以下である旨を判定することを条件に、空燃比センサ33が活性化されている旨を判定する。
そして、空燃比センサ33が不活性であると判定されると(ステップS110:NO)、空燃比の検出ができないため燃料添加弁39の異常診断が不可能であるとして、本処理は一旦終了される。一方、空燃比センサ33が活性化されていると判定されると(ステップS110:YES)、つづいて空燃比センサ33の出力が理論空燃比よりもリッチか否かが判断される(ステップS120)。
こうして、空燃比センサ33の出力がリッチであると判断される場合には(ステップS120:YES)、燃料添加弁39に開固着異常が生じていると診断されて(ステップS130)、本処理は一旦終了される。なお、ディーゼル機関においては通常、空燃比が理論空燃比よりもリーンになっている。そのため、燃料添加弁39からの燃料添加が実行されていないときにおいて、空燃比センサ33の出力がリッチを示す場合には、燃料添加弁39に開固着異常が生じていると診断することが可能である。
一方、空燃比センサ33の出力がリッチでないと判断されると(ステップS120:NO)、燃料添加弁39に開固着異常は生じていないと判断することができ、この場合には本処理は一旦終了される。
上記ステップS110の処理にて空燃比センサ33が不活性であると判定される場合には、上述のとおり空燃比センサ33の出力に基づいて燃料添加弁39の異常診断を行うことが不可能である。そこで、電子制御装置50によって上記ヒータ通電制御が実行される。
ここで、空燃比センサ33に水滴などが付着している状態でヒータ34への通電が行われると、急激な温度変化によって被水割れが生じ、空燃比センサ33が破損してしまうおそれがある。そこで、ヒータ34の通電を制御する電子制御装置50では、排気温度が既定の判定温度(例えば200℃程度)を超えており、空燃比センサ33が十分に乾燥していると判断されるときに、ヒータ34への通電を許可するヒータ通電許可制御を実行するようにしている。
以下、図3を参照してヒータ通電許可制御について説明する。なお、図3は、このヒータ通電許可制御の一連の処理の流れを示すフローチャートである。また、この一連の処理も、電子制御装置50によって所定の周期で繰り返し実行される。
この一連の処理が開始されると、まず排気温TEが第1判定温度Tp1以上か否かが判断される(ステップS210)。ここで、排気温TEとしては、上述のとおり、排気温センサ32から検出される排気通路30内の温度が用いられる。また、上記第1判定温度Tp1としては、例えば200℃等、空燃比センサ33が確実に乾燥していると判断可能な高い温度に設定されており、その値は実験等によって予め設定されている。
そして、排気温TEが上記第1判定温度Tp1以上である場合は(ステップS210:YES)、直ちにヒータ34を通電させても空燃比センサ33の被水割れの心配はないと想定される程度にまで空燃比センサ33が確実に乾燥しているとして、ヒータ34の通電が許可され(ステップS220)、本処理は一旦終了される。
一方、排気温TEが上記第1判定温度Tp1未満である場合は(ステップS210:NO)、直ちにヒータ34を通電させると空燃比センサ33の被水割れが生じるおそれがあるとして、本処理は一旦終了され、これによりヒータ34の通電実行は禁止された状態にされる。
ところで、内燃機関10が冷間状態にあるときには、排気温度が低いために排気浄化触媒31の温度も低くなっている。こうした冷間状態において上述したような燃料添加弁39の開固着異常が生じると、燃料添加弁39よりも下流側にある排気浄化触媒31には大量の燃料が付着し、同排気浄化触媒31は不活性状態になりやすい。このように排気浄化触媒31が不活性状態になると、排気浄化触媒31を通過した排気の昇温が進みにくくなるため、排気浄化触媒31の下流側に配設される空燃比センサ33の昇温も進みにくく、同空燃比センサ33の不活性状態が比較的長く続く状態になる。このように空燃比センサ33の昇温が進みにくい場合、先の図3にて示したヒータ通電許可制御においては、ステップS210の処理にて排気温TEが第1判定温度Tp1未満であると判定されやすく、ヒータ34の通電許可が行われない。そのため、空燃比センサ33を早期に活性化することができず、燃料添加弁39の開固着異常を早期に判断することができないおそれがある。
そこで、電子制御装置50では、さらに、排気温度が上記第1判定温度Tp1未満であっても空燃比センサ33が充分に乾燥しているとされる乾燥判定条件が成立し、かつ燃料添加弁39の開固着異常が生じていると仮判定がなされる異常仮判定条件が成立するときにも、ヒータ34への強制通電を許可するヒータ強制通電許可制御を実行するようにしている。
以下、図4〜図7を参照してヒータ強制通電許可制御に関する説明をする。なお、図4は、このヒータ強制通電許可制御の一連の処理の流れを示すフローチャートである。また、この一連の処理も、電子制御装置50によって所定の周期で繰り返し実行される。
この一連の処理が開始されると、まず上述した乾燥判定条件が成立しているか否かが判断される(ステップS310)。ここでは、後述する乾燥フラグがオンに設定されているときに肯定判定される。また、この乾燥フラグを設定する乾燥判定処理については後述する。
そして、乾燥判定条件が成立している場合には(S310:YES)、空燃比センサ33が乾燥しており、ヒータ34に通電を行うことが可能であると判断されて、次に燃料添加弁39に開固着異常が生じていると仮判定される異常仮判定条件が成立しているか否かが判定される(ステップS320)。ここでは、後述する異常仮判定処理によって燃料添加弁39に開固着異常ありと仮判定されているときに肯定判定される。また、この異常仮判定処理については後述する。
そして、異常仮判定条件が成立している場合には(S320:YES)、燃料添加弁39の開固着異常を正式に判定するために上記異常診断処理を行うのであるが、その異常診断処理を行うための前処理として、ヒータ34の強制通電が許可される(ステップS330)。詳しくは、ステップS330においてヒータ34の強制通電許可フラグがオン操作される。そして、本処理は一旦終了される。こうして、ステップS310及びステップS320にて、乾燥判定条件に加え異常仮判定条件が成立することでヒータ34の強制通電が許可され、空燃比センサ33の早期活性化が図られることにより、上記異常診断処理による燃料添加弁39の開固着異常判定が可能になる。
一方、乾燥判定条件及び異常仮判定条件のうち、どちらか1つの条件でも成立しない場合は(ステップS310:NO、ステップS320:NO)、ヒータ34の強制通電が許可されることなく、本処理は一旦終了される。
次に、上記乾燥判定処理について説明する。図5に、乾燥判定処理についてその一連の処理の流れを示す。また、この一連の処理も、電子制御装置50によって所定の周期で繰り返し実行される。
この乾燥判定処理では、まず排気温TEが第2判定温度Tp2以上であるか否かが判断される(ステップS410)。ここでも、排気温TEとして、排気温センサ32からの検出値を用いる。また、第2判定温度Tp2は、例えば100℃等、先の図3に示したヒータ通電許可制御にて設定されていた第1判定温度Tp1よりも低い値に設定されており、排気温TEが第2判定温度Tp2以上である状態がある程度の時間継続すると、ヒータ34を通電させても空燃比センサ33の被水割れが生じない程度にまで空燃比センサ33が乾燥すると想定される値に設定されている。
そして、排気温TEが第2判定温度Tp2以上であると判断されると(ステップS410:YES)、その状態がある程度の時間継続すると、ヒータ34を通電させても空燃比センサ33の被水割れが生じない程度にまで空燃比センサ33が乾燥すると想定されるとして、乾燥判定要求フラグがオン操作される(ステップS420)。
一方、排気温TEが第2判定温度Tp2未満であると判断されると(ステップS410:NO)、その状態が継続しても、ヒータ34の通電に伴って空燃比センサ33の被水割れが生じない程度にまでは空燃比センサ33は乾燥しないと想定されるとして、乾燥判定要求フラグがオフ操作される(ステップS430)。
こうしたステップS420又はステップS430の処理にて乾燥判定要求フラグの操作が行われると、次に乾燥判定値βの設定が行われる(ステップS440)。この乾燥判定値βは、後述する乾燥進行度KDの比較対象値であり、空燃比センサ33が充分に乾燥したか否か判定するための判定値に相当し、排気温TEが高いほど低い値に設定される。なお、本実施形態では、このステップS440の処理が行われるたびに、そのときの排気温TEに基づいた乾燥判定値βの設定が行われる。
こうして乾燥判定値βが算出されると、次に、乾燥判定要求フラグがオン操作されているか否かが判断される(ステップS450)。そして乾燥判定要求フラグがオン操作されている場合には(ステップS450:YES)、図6に示す一次元マップに基づいて乾燥カウンタ値Kが算出される(ステップS460)。より詳細には、図6に示すように、この乾燥カウンタ値Kは、排気温TEが高いときほど大きな値に設定される。なお、本実施形態では、このステップS460の処理が行われるたびに、そのときの排気温TEに基づいた乾燥カウンタ値Kの設定が行われる。
こうして乾燥カウンタ値Kが算出されると、次に、次式(1)に基づいて乾燥進行度KDが算出される(ステップS480)。

今回処理時の乾燥進行度KD=前回処理時の乾燥進行度KD+乾燥カウンタ値K…(1)
乾燥進行度KDの初期値は「0」に設定されており、ステップS480の処理が行われるたびに、乾燥カウンタ値Kの積算値が乾燥進行度KDとして更新される。すなわち乾燥カウンタ値Kは、ステップS480の処理が行われるときの乾燥進行度KDの増分値となっている。
次に、乾燥進行度KDが上記乾燥判定値β以上であるか否かが判断される(ステップS490)。
ここで、排気温度が高いほど空燃比センサ33の温度上昇は早くなるため、ヒータ34を通電させた際に被水割れが生じない程度にまで空燃比センサ33が乾燥する時間も短くなる。そのため、本実施形態においては、上述したように排気温TEが高いときほど乾燥カウンタ値Kは大きい値に設定されるようにしており、これにより乾燥進行度KDが乾燥判定値β以上になるまでの時間も短くなる。なお、同乾燥判定値βは、排気温TEが高いほど小さい値に設定されるため、排気温TEが高く、空燃比センサ33が乾燥するまでに要する時間が短くなるときほど、乾燥進行度KDが乾燥判定値β以上になるまでの時間は短くなる。
ステップS490にて、乾燥進行度KDが乾燥判定値β未満であると判定される場合には(ステップS490:NO)、空燃比センサ33がまだ充分に乾燥していないとして、本処理は一旦終了される。こうして本処理が一旦終了されても、排気温TEが第2判定温度Tp2以上であり(ステップS410:YES)、乾燥判定要求フラグがオン操作される限りは(ステップS420)、本処理が実行される度に乾燥進行度KDの更新(カウントアップ)が継続して行われることとなる。一方、ステップS490にて、乾燥進行度KDが乾燥判定値β以上であると判断されると(ステップS490:YES)、空燃比センサ33が充分に乾燥したとして、乾燥フラグがオン操作され(ステップS500)、本処理は一旦終了される。このように乾燥フラグがオンにされると、上述した乾燥判定条件が成立していると判断される。
上記ステップS450にて、乾燥判定要求フラグがオン操作されていないと判定される場合(ステップS450:NO)、すなわち乾燥判定要求フラグがオフになっている場合には、排気温TEが低く、空燃比センサ33の乾燥が進行しにくい状況にある。そのため、乾燥進行度KDの値がクリアされるとともに乾燥フラグがオフ操作される(ステップS470)。この乾燥フラグのオフ操作では、乾燥フラグがオンになっていた場合には同乾燥フラグがオフに変更され、現在乾燥フラグがオフに設定されている場合には、そのオフの状態が維持される。
こうして、ステップS470にて乾燥進行度KDの値がクリアされた後、ステップS490にて乾燥進行度KDが乾燥判定値β以上か否かが判断される。このときには、乾燥進行度KDが既にクリアされているため、ステップS490では否定判定され、本処理は一旦終了される。
次に、上記異常仮判定処理について説明する。図7に、異常仮判定処理についてその一連の処理の流れを示す。この一連の処理も、電子制御装置50によって所定の周期で繰り返し実行される。また、この処理は、燃料添加弁39からの燃料添加が行われていないこと、及び機関回転速度を目標アイドル回転速度に制御する、いわゆるアイドル回転速度制御が実行されていることを条件に実行される。
この異常仮判定処理が開始されると、まず、機関水温THWが所定温度THWp以上であるか否かが判断される(ステップS510)。ここで、機関水温THWとしては、上述した水温センサ41からの検出値が用いられ、ここでの処理により、暖機が完了しているか否かが判断される。なお、所定温度THWpとしては、機関水温THWが所定温度THWp以上である場合に暖機が完了していると想定できる値に設定されており、実験等によって予め設定されている。
そして、機関水温THWが所定温度THWp以上であると判断されると(ステップS510:YES)、次に機関回転速度NEに対する目標回転速度NEaの差が所定値α以上か否かが判断される(ステップS520)。ここで、機関回転速度NEとしては、上述したクランクポジションセンサ42からの検出値に基づいて算出された値が用いられる。なお、ここでの目標回転速度NEaとは、アイドル運転時の目標アイドル回転速度であり、現在、アイドル回転速度制御が行われることにより目標とされる機関回転速度である。
ここで、燃料添加弁39に開固着異常が生じている場合には、排気通路30に添加される燃料が上記排気再循環装置35を介して吸気通路20に流れ込む、いわゆる燃料の回り込みが生じる。そのため、気筒11内には、排気再循環装置35を介して流入した燃料添加弁39からの燃料と、燃料噴射弁16から噴射された燃料とが供給されることとなる。従って、排気の再循環が行われているときの機関出力の変化により、燃料添加弁39に開固着異常の可能性有りと仮判定することが可能である。
そこで、本実施形態においては、上記ステップS520の処理にて、機関回転速度NEが上昇している状態にあるか否かを判断することにより、上述の燃料の回り込みが生じることに伴う機関出力の変化が生じているか否かを判断するようにしている。上記所定値αは、機関回転速度NEに対する目標回転速度NEaの差が所定値α以上であるときに、上述の燃料の回り込みが生じることに伴う機関出力の変化が生じていると想定される値に設定されており、実験によって予め設定された実験値である。なお、そうした燃料の回り込みによる機関出力の変化があっても、アイドル回転速度制御の実行中であれば、最終的に機関回転速度NEは目標回転速度NEaに収束する。しかし、機関出力の変化直後にあっては、少なくとも機関回転速度NEが一時的に変化する。また、そうした機関出力の変化による機関回転速度NEの変化が、アイドル回転速度制御の制御可能範囲を超えるものであれば、機関回転速度NEが目標回転速度NEaからずれた状態が続くようになる。
そして、機関回転速度NEに対する目標回転速度NEaの差が所定値α以上であると判断されると(ステップS520:YES)、さらに車速SPが「0」であるか否かが判断される(ステップS530)。ここで、車速SPとしては、上述した車速センサ43からの検出値が用いられ、ここでの処理により、車両が停止している状態であるか否かが判断される。
車速SPが「0」であると判断されると(ステップS530:YES)、車両停止状態でのアイドル運転中において、機関回転速度NEに対する目標回転速度NEaの差が所定値α以上であることから、燃料添加弁39に開固着異常が生じている旨の仮判定がなされ(ステップS540)、本処理は一旦終了される。こうして、ステップS510、ステップS520、そしてステップS530にて判断される条件が全て満たされるときには、燃料添加弁39の開固着異常が仮判定される。
一方、ステップS510、ステップS520、そしてステップS530にて判断される条件のうち1つでも条件が満たされない場合は(ステップS510:NO、ステップS520:NO、ステップS530:NO)、燃料添加弁39に開固着異常が生じている旨の仮判定がなされないまま、本処理は一旦終了される。
次に、図8を参照して上記ヒータ強制通電許可制御、上記乾燥判定処理、及び上記異常仮判定処理が行われる場合における各値の推移について説明する。
この図8に示すように、乾燥判定処理にて排気温TEが第2判定温度Tp2以上であると判定されることにより(時刻t1)、乾燥判定要求フラグがオン操作される。さらに、排気温TEに応じて乾燥判定値β(図8に一点鎖線にて図示)が排気温TEに基づいて設定されるとともに、先の図6に示した排気温TEによる一次元マップに基づいて乾燥判定処理の実行周期毎における乾燥カウンタ値Kが算出される。そして、乾燥判定処理の実行周期毎に算出された乾燥カウンタ値Kが徐々に積算されることにより乾燥進行度KDが更新されていく。こうして更新された乾燥進行度KDが乾燥判定値β未満である間は、乾燥フラグがオフ状態のまま上述の乾燥判定値β及び乾燥カウンタ値Kの算出、乾燥進行度KDの更新が継続される(時刻t1〜時刻t2)。
ここで時刻t2において、排気温TEが第2判定温度Tp2未満となると、乾燥判定要求フラグがオフ操作される。そして、乾燥進行度KDがクリアされる(「0」にされる)。
そして、時刻t3において、排気温TEが再び第2判定温度Tp2以上となると、再度乾燥判定要求フラグがオン操作されて、乾燥判定値β及び乾燥カウンタ値Kの算出や、乾燥進行度KDの更新が開始される。ここで、乾燥判定値βは排気温TEが高いほど小さい値に設定されるため、排気温TEが上昇していく過程では、乾燥判定値βは徐々に小さくされていく。また、乾燥カウンタ値Kは排気温TEが高いほど大きい値に設定されるため、排気温TEが上昇していく過程では、乾燥カウンタ値Kは徐々に大きくされていく。
こうして乾燥進行度KDの更新が継続されて、同乾燥進行度KDが乾燥判定値β以上となると(時刻t4)、乾燥フラグがオン操作され、上記乾燥判定条件が成立する。このときに、機関水温THWが所定温度THWp以上であり、かつ機関回転速度NEに対する目標回転速度NEaの差が所定値α以上であり、かつ車速SPが「0」であるといった条件が全て成立している場合には、上記異常仮判定条件が成立する。こうして上記乾燥判定条件及び上記異常仮判定条件が成立すると、ヒータ34の強制通電許可フラグがオン操作されて、ヒータ34の強制通電が許可される(時刻t4)。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)ヒータ34を備える空燃比センサ33が確実に乾燥していると判断可能な高い排気温度を第1判定温度Tp1として設定しておく。そして実際の排気温度が同第1判定温度Tp1以上であるときには、直ちにヒータ34の通電を行っても被水割れの心配はない。他方、実際の排気温度が第1判定温度Tp1未満であっても、ある程度の高温になっていれば、時間経過とともに空燃比センサ33の乾燥は進行していくため、空燃比センサ33の乾燥カウンタ値Kを更新してこれが乾燥判定値βに達した時点でそうした時間の経過によってもヒータ34の通電を行うことも可能である。
そこで、本実施形態では、排気温TEが上述したような第1判定温度Tp1以上であり、空燃比センサ33が確実に乾燥していると判断可能なときにはヒータ34の通電を許可するようにした。また、第1判定温度Tp1よりも低い第2判定温度Tp2を設定するようにし、排気温TEが第1判定温度Tp1と第2判定温度Tp2との間の温度になっているときには、上述したような空燃比センサ33の乾燥進行度KDを更新するようにした。そして、乾燥進行度KDが乾燥判定値β以上であり、空燃比センサ33が乾燥していると判断可能なときにもヒータ34の通電を許可するようにした。従って、排気温度が第1判定温度Tp1に満たないときであっても、乾燥カウンタ値Kが乾燥判定値β以上になればヒータ34の通電が行われるようになるため、機関冷間時においてヒータ34を備える空燃比センサ33をより早期に活性化させることができる。
なお、空燃比センサ33が充分に乾燥されるまでの時間は排気温度によって異なるが、本実施形態では、所定周期毎に更新される乾燥進行度KDの増分値である乾燥カウンタ値Kを排気温TEに応じて可変設定するようにしているため、乾燥進行度KDを空燃比センサ33の乾燥度合いに合わせてより正確に算出することも可能である。
(2)排気温度が高いほど空燃比センサ33の温度上昇は早くなるため、ヒータ34を通電させた際に被水割れが生じない程度にまで空燃比センサ33が乾燥する時間も短くなる。
そこで、本実施形態では、検出される排気温TEが高いほど乾燥カウンタ値Kが大きな値となるように設定するようにしているため、検出される排気温TEが高いほど、その乾燥カウンタ値Kを積算して算出される乾燥進行度KDも早期に乾燥判定値βに至るようになる。したがって、空燃比センサ33の乾燥状態をより適切に把握することが可能となる。
(3)検出される排気温TEが高いほど乾燥進行度KDを判定する乾燥判定値βが小さな値となるように設定するようにしているため、検出される排気温TEが高く、空燃比センサ33が早期に乾燥するときほど、乾燥進行度KDは早期に乾燥判定値βに至るようになる。したがって、空燃比センサ33の乾燥状態をより適切に把握することが可能となる。
(4)燃料添加弁39に開固着異常が生じているか否かの仮判定を行う仮判定処理を実行するようにしている。そして、乾燥進行度KDが乾燥判定値β以上であるとの条件に加え、仮判定処理により燃料添加弁39に開固着異常が生じている旨の仮判定がなされていることを条件にヒータ34の強制通電を許可するようにした。従って、機関冷間時において、燃料添加弁39に開固着異常が発生している可能性が高いときには、早期にヒータ34を備える空燃比センサ33を活性化させることができるようになり、これにより燃料添加弁39の開固着異常をより早期に判定することが可能となる。
(5)燃料添加弁39に開固着異常が生じているときに、排気再循環装置35にて排気の再循環が行われることによる吸気通路20への燃料の回り込みによって生じる機関出力の変化が検出されたときに、燃料添加弁39に開固着異常が生じている旨の仮判定を行うようにしており、これにより開固着異常の仮判定を適切に行うことが可能となる。
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態においては、乾燥判定処理においてステップS440の処理が実行される度に、排気温TEに応じて乾燥判定値βを設定するようにしていた。この他、乾燥判定処理において初めてステップS440の処理が実行されたときに設定された乾燥判定値βを、その後は保持するようにしてもよい。この場合には、乾燥判定値βの設定にかかる演算負荷を低減させることができる。
・同様に、乾燥判定処理においてステップS460の処理が実行される度に、排気温TEに応じて乾燥カウンタ値Kを設定するようにしていた。この他、乾燥判定処理において初めてステップS460の処理が実行されたときに設定された乾燥カウンタ値Kを、その後は保持するようにしてもよい。この場合には、乾燥カウンタ値Kの設定にかかる演算負荷を低減させることができる。
・上記乾燥判定処理では、乾燥判定値β及び乾燥カウンタ値Kの両方を排気温TEに基づいて可変設定するようにしていたが、乾燥判定値βを予め設定された一定値とし、乾燥カウンタ値Kのみを排気温TEに基づいて可変設定するようにしてもよい。こうした形態においては、上記実施形態における(1)及び(2)、(4)、(5)の効果に準じた効果が得られる。また、乾燥カウンタ値Kを予め設定された一定値とし、乾燥判定値βのみを排気温TEに基づいて可変設定するようにしてもよい。こうした形態においては、上記実施形態における(1)及び(3)〜(5)の効果に準じた効果が得られる。
・上記乾燥判定処理では、排気温TEに基づいて乾燥判定値βを設定するようにしていた。この他、例えば、外気温等、排気温TE以外に車両の走行する環境の温度状態を示す値に基づいて乾燥判定値βを設定するようにしてもよい。
・上記乾燥判定処理では、先の図6に示した一次元マップを用いて乾燥カウンタ値Kを算出するようにしていた。この他、例えば、吸気量等、排気の流量に関する値と排気温との2次元マップに基づいて乾燥カウンタ値Kを算出してもよい。こうした形態においては、より精度よく細かく乾燥カウンタ値Kを算出することができる。
・上記乾燥判定処理では、排気温TEに基づいて乾燥カウンタ値Kを設定するようにした。この他、例えば、外気温等、排気温TE以外に車両の走行する環境の温度状態を示す値に基づいて乾燥カウンタ値Kを設定してもよい。
・上記異常仮判定処理では、排気再循環装置35にて吸気通路20への排気の再循環による燃料の回り込みが生じていると想定する条件として、機関回転速度NEに対する目標回転速度NEaの差が所定値α以上であるといった条件を採用していた。この他、排気の再循環が行われていないときの機関出力に比して、排気の再循環が行われているときの機関出力が大きいといった条件を、上記燃料の回り込みが生じていると想定する条件として採用してもよい。
・上記異常仮判定処理では、機関水温THWが所定温度THWp以上であり、かつ機関回転速度NEに対する目標回転速度NEaの差が所定値α以上であり、かつ車速SPが「0」であるといった3つの条件が満たされる場合に、燃料添加弁39の開固着異常を仮判定するようにしていた。この他、機関水温THWに関する条件や、車速SPに関する条件を省略したり、それらの条件に代えて、他の条件を設定するようにしてもよい。
・上記ヒータ強制通電許可制御では、乾燥判定条件及び異常仮判定条件のどちらも成立していることをもって、ヒータ34の強制通電を許可するようにしていた。この他、乾燥判定条件のみが成立していることをもってヒータの強制通電を許可するようにしてもよい。
・上記実施形態においては、ヒータ通電許可制御(図3)とヒータ強制通電許可制御(図4)とが別々に行われていたが、1つの制御としてまとめて行ってもよい。例えば、ヒータ通電許可制御として図4に示す制御のみを実行するようにし、図5に示すステップS410の前に、さらに排気温TEが第1判定温度Tp1以上か否かを判断するための処理を加えるようにしてもよい。そして、この追加した処理での条件が満たされるとき、図4に示す制御と同様にヒータの通電を許可し(S220)、条件が満たされないときには図5に示すステップS410以降の処理を行う。
また、ヒータ通電許可制御として図4に示す制御のみを実行するようにし、図5に示すステップS460にて、排気温TEが第1判定温度Tp1以上である場合には、図4に示す制御と同様にヒータの通電を許可する(S220)ようにしてもよい。この場合には、より早期に乾燥進行度KDが乾燥判定値β以上となり、早期にヒータの強制通電が許可されることとなる。
・図5に示すステップS460にて、排気温TEが第1判定温度Tp1以上である場合には、乾燥カウンタ値Kとしてかなり大きな値が設定されるようにしてもよい。この場合には、より早期に乾燥進行度KDが乾燥判定値β以上となり、早期にヒータの強制通電が許可されることとなる。
・空燃比センサ33の配設位置は、排気通路であれば排気浄化触媒の下流側でなくともよい。こうした形態においては、内燃機関が冷間状態にあるときに添加弁の開固着異常により排気浄化触媒に燃料が付着し同排気浄化触媒が不活性状態になること以外に起因して、センサの昇温が進みにくい状態にある場合でも、上記実施形態における効果に準じた効果を得ることができる。
・吸気通路20に排気を再循環させる排気再循環装置35を備える内燃機関10に本発明を採用したが、排気再循環装置を備えない内燃機関に本発明を採用してもよい。ただし、こうした形態では、排気再循環装置により燃料の回り込みが生じているか否かを判断するための異常仮判定処理は実行しないこととする。こうした形態においては、上記実施形態における(1)〜(4)の効果に準じた効果を得ることができる。
・排気通路30にあって排気浄化触媒31よりも下流側に空燃比センサ33を有する内燃機関10に本発明を採用したが、空燃比センサに代わり、O2センサや、HCセンサ、NOxセンサ等、センサを加熱するヒータを備えるとともに排気管にあって触媒よりも下流側に配設される排気センサを有する内燃機関に本発明を採用してもよい。尚、この変形例においては、上述した異常仮判定処理や、ヒータ強制通電許可制御におけるステップS320の処理は省略される。この変形例であっても、機関冷間時において、それら各センサの早期活性化を図ることができる。
・ディーセル機関に本発明を適用したが、ガソリンやアルコールを機関燃料とする内燃機関に適用してもよい。
10…内燃機関、11…気筒、12…ピストン、13…シリンダヘッド、14…燃焼室、16…燃料噴射弁、20…吸気通路、30…排気通路、31…排気浄化触媒、32…排気温センサ、33…空燃比センサ、34…ヒータ、35…排気再循環装置、36…再循環通路、37…調整弁、38…アクチュエータ、39…燃料添加弁、41…水温センサ、42…クランクポジションセンサ、43…車速センサ、50…電子制御装置。

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられたヒータ付きのセンサについて、そのヒータの通電状態を制御するヒータ制御装置において、
    前記機関の排気温度を検出する検出手段を備え、
    前記検出手段により検出される排気温度が第1判定温度以上であるときには前記ヒータの通電を許可するとともに、排気温度が前記第1判定温度よりも低い値に設定された第2判定温度以上であって前記第1判定温度未満であるときには、前記センサの乾燥進行度を算出し、その算出される乾燥進行度が所定の判定値以上となったときにも前記ヒータの通電を許可する
    ことを特徴とするヒータ付センサのヒータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のヒータ付センサのヒータ制御装置において、
    前記乾燥進行度は、乾燥カウンタ値を所定周期毎に積算した値である
    ことを特徴とするヒータ付センサのヒータ制御装置。
  3. 請求項2に記載のヒータ付センサのヒータ制御装置において、
    前記判定値は、予め設定された一定値であり、
    前記乾燥カウンタ値は、前記検出される排気温度が高いほど大きな値に設定される
    ことを特徴とするヒータ付センサのヒータ制御装置。
  4. 請求項2に記載のヒータ付センサのヒータ制御装置において、
    前記乾燥カウンタ値は、予め設定された一定値であり、
    前記判定値は、前記検出される排気温度が高いほど低い値に設定される
    ことを特徴とするヒータ付センサのヒータ制御装置。
  5. 請求項2に記載のヒータ付センサのヒータ制御装置において、
    前記乾燥カウンタ値は、前記検出される排気温度が高いほど大きな値に設定されるとともに、前記判定値は、前記検出される排気温度が高いほど低い値に設定される
    ことを特徴とするヒータ付センサのヒータ制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒータ付センサのヒータ制御装置において、
    前記センサは、ヒータ付の空燃比センサであり、
    前記排気通路にあって、前記空燃比センサよりも上流側には、同排気通路内に燃料を添加する燃料添加弁が設けられており、同燃料添加弁の開固着異常が前記空燃比センサの検出値に基づいて診断されるものであり、
    前記燃料添加弁に開固着異常が生じているか否かの仮判定を行う仮判定処理を実行し、
    前記乾燥進行度が所定の前記判定値以上であるとの条件に加え、前記仮判定処理により前記燃料添加弁に開固着異常が生じている旨の仮判定がなされていることを条件に前記ヒータの通電を許可する
    ことを特徴とするヒータ付センサのヒータ制御装置。
  7. 請求項6に記載のヒータ付センサのヒータ制御装置において、
    前記機関には、前記排気通路から前記機関の吸気通路に排気を再循環させる排気再循環装置が設けられており、
    前記仮判定処理は、前記燃料添加弁に開固着異常が生じているときに排気の再循環が行われることによる前記吸気通路への燃料の回り込みによって生じる機関出力の変化が検出されたときに、前記燃料添加弁に開固着異常が生じている旨の仮判定を行う
    ことを特徴とするヒータ付センサのヒータ制御装置。
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