JP3975436B2 - 排出ガスセンサの異常診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気通路に設置された排出ガスセンサの出力に基づいて該排出ガスセンサの異常の有無を診断する排出ガスセンサの異常診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の車両の排出ガス浄化システムでは、排出ガス浄化用の触媒の上流側と下流側に、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーンを検出する排出ガスセンサ(空燃比センサ又は酸素センサ)を設置し、これらの排出ガスセンサの出力に基づいて空燃比をフィードバック制御して触媒の排出ガス浄化効率を高めるようにしたものがある。このような排出ガス浄化システムにおいては、排出ガスセンサが劣化して空燃比制御精度が低下した状態(排出ガス浄化率が低下した状態)で運転が続けられるのを防ぐために、排出ガスセンサの劣化診断を行うようにしたものがある。この排出ガスセンサの劣化診断方法は、一般に、空燃比を変化させたときの排出ガスセンサの出力の挙動が空燃比の変化に応答良く追従しているか否かで排出ガスセンサの劣化の有無を判定するようにしている。
【0003】
しかし、触媒下流側に設置した排出ガスセンサの出力の挙動は、触媒の浄化能力(ストレージ効果)の影響を受けるため、触媒上流側の空燃比(目標空燃比)の変化が触媒下流側の空燃比(排出ガスセンサの出力)の変化として現れるまでに遅れ時間が生じると共に、その遅れ時間がその時点の触媒の浄化能力ひいては劣化度合によって変化する。このため、触媒下流側の排出ガスセンサの出力の挙動に基づいて該排出ガスセンサの劣化診断を行う場合、触媒下流側の排出ガスセンサの出力の挙動がその時点の触媒の浄化能力(ストレージ効果)の影響を受けて変化してしまい、触媒下流側の排出ガスセンサの劣化の有無を精度良く判定することができない。
【0004】
そこで、特開平9−170966号公報に示すように、燃料カット毎に触媒下流側の酸素センサの出力がリッチ側設定値からリーン側設定値に変化するまでの時間を応答時間として計測し、この応答時間が劣化判定値以上であるか否かで触媒下流側の酸素センサの劣化の有無を判定し(一次診断)、その結果、劣化有りと判定された場合は、燃料カットが所定時間以上連続して行われたときに、その燃料カット復帰後の経過時間が設定時間に達した時点で、それまでに計測された最小の応答時間をメモリから読み出して劣化判定値と比較し、再度、応答時間が劣化判定値以上と判定された場合に、触媒下流側の酸素センサの劣化と確定診断するようにしたものがある。
【0005】
この公報には、触媒下流側の酸素センサの劣化診断時に、燃料カットにより触媒のストレージ効果の影響を無視できる旨の記載がある。つまり、燃料カット時には、触媒に多量のリーン成分(O2 等)が流入して、触媒のリーン成分吸着量が急速に飽和状態になるため、燃料カット開始から触媒下流側の空燃比がリーンに変化するまでの応答時間が通常よりも短くなるという特性を利用して、燃料カット時に触媒下流側の酸素センサの応答時間を計測して該酸素センサの劣化診断を行うようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報には、触媒下流側の酸素センサの劣化診断時に、燃料カットにより触媒のストレージ効果の影響を無視できる旨の記載があるが、実際には、触媒のストレージ効果によって触媒下流側の酸素センサの応答時間が変化してしまう。つまり、図5に示すように、燃料カットにより触媒上流側の空燃比がリッチからリーンに切り換わったときに、触媒下流側の空燃比(酸素センサの出力)がリッチからリーンに変化する途中で、触媒のストレージ効果によって触媒下流側の空燃比が一時的にほとんど変化しない状態になるが、触媒の劣化度合が進むほど、ストレージ効果の持続時間が短くなって触媒下流側の酸素センサの応答時間が短くなるという特性がある。そのため、上記公報の診断方法でも、触媒下流側の酸素センサの劣化診断時に触媒のストレージ効果の影響を無視できず、触媒下流側の酸素の劣化の有無を精度良く判定することができない。
【0007】
また、エンジン運転中に、排出ガスセンサの異常診断のために空燃比を変化させると、排気エミッションやドライバビリティに悪影響を及ぼすことが懸念される。
【0008】
本発明はこれらの事情を考慮してなされたものであり、第1の目的は、排気エミッションやドライバビリティに悪影響を全く及ぼすことなく、排出ガスセンサの異常診断を行うことができるようにすることであり、更に、第2の目的は、触媒のストレージ効果の影響を排除した条件下で、排出ガスセンサの異常診断を実行することができ、排出ガスセンサの異常診断精度を向上できるようにすることである。
【0009】
上記第1の目的を達成するために、本発明の請求項1の排出ガスセンサの異常診断装置は、内燃機関の停止後の排出ガスセンサの出力に基づいて該排出ガスセンサの異常の有無をセンサ異常診断手段により診断することを第1の特徴とし、更に、内燃機関の停止時の排出ガスセンサの出力に応じて該排出ガスセンサの異常診断の判定条件を設定することを第2の特徴とするものである。内燃機関の停止後は、内燃機関から排気通路に排出ガスが排出されなくなって、排気通路の排気口から排気通路内に大気が逆流してくるため、内燃機関停止後の時間の経過に伴って排出ガスセンサの周辺の雰囲気が大気状態に近付いていく。従って、例えば、請求項2のように、内燃機関の停止後に排気通路内への大気の逆流によって排出ガスセンサの周辺の雰囲気が大気状態に近付いていく過程で、排出ガスセンサの出力がどの様に変化するかを監視すれば、排出ガスセンサの異常の有無を判定することができる。これにより、内燃機関の停止後に排出ガスセンサの異常診断を行うことができ、排気エミッションやドライバビリティに悪影響を全く及ぼすことない。
【0010】
この場合、請求項3のように、触媒の下流側に設置された排出ガスセンサの異常診断に本発明を適用すると、触媒のストレージ効果の影響を排除することができる。つまり、内燃機関停止後に触媒下流側の排出ガスセンサの周辺まで逆流してくる大気は、触媒を通っていないため、触媒下流側の排出ガスセンサの周辺の雰囲気は、触媒のストレージ効果の影響を全く受けることなく大気状態に近付いていく。従って、内燃機関停止後の触媒下流側の排出ガスセンサの出力の変化が大気の逆流による雰囲気の変化に応答良く追従しているか否かを監視することによって、触媒のストレージ効果の影響を排除した条件下で、触媒下流側の排出ガスセンサの異常診断を行うことができ、触媒下流側の排出ガスセンサの異常の有無を精度良く判定することができる。
【0011】
尚、本発明は、触媒上流側に設置された排出ガスセンサの異常診断にも適用することができる。内燃機関停止後に触媒上流側の排出ガスセンサの周辺に逆流してくる大気は、触媒を通ってくるため、内燃機関停止後の排出ガスセンサの出力変化が触媒のストレージ効果の影響を受けるが、触媒のストレージ効果の影響を触媒の劣化判定値等から推定して、触媒上流側の排出ガスセンサの異常診断の判定条件を設定すれば、内燃機関停止後に触媒上流側の排出ガスセンサの異常診断を行うことができ、前記第1の目的を達成することができる。或は、内燃機関停止後に触媒上流側の排出ガスセンサの周辺が大気で十分に満たされた頃に、触媒上流側の排出ガスセンサの出力が大気圧レベルである否かで、触媒上流側の排出ガスセンサの異常診断を行うようにしても良い。
【0012】
ところで、内燃機関の停止後は、排気通路内への大気の逆流によって排出ガスセンサの出力がリーン方向に徐々に変化して大気レベルに収束するという挙動を示すが、内燃機関の停止直前に排出ガスセンサの出力が既にリーン値になっていると、内燃機関の停止後に排出ガスセンサの出力が大気レベルへ変化するまでの変化幅が小さくなるため、正常な排出ガスセンサと異常な排出ガスセンサとの間でセンサ出力の挙動の差が小さくなって、排出ガスセンサの異常診断精度が低下することが懸念される。
【0013】
そこで、請求項4のように、停止時燃料噴射増量手段によって内燃機関の停止直前に燃料噴射量を増量補正するようにしても良い。このようにすれば、内燃機関の停止前に排出ガスセンサの出力が大気レベルに比較的近いリーン値になっている場合でも、内燃機関の停止直前に燃料噴射量の増量補正によって排出ガスセンサの出力をリッチ方向に変化させて、内燃機関の停止後に排出ガスセンサの出力が大気レベルへ変化するまでの変化幅を大きくすることができる。これにより、正常な排出ガスセンサと異常な排出ガスセンサとの間でセンサ出力の挙動の差を大きくすることができて、排出ガスセンサの正常/異常の判別を容易に行うことができ、排出ガスセンサの異常診断精度を向上することができる。
【0014】
また、請求項5のように、内燃機関の停止時の排出ガスセンサの出力が所定値よりもリーンの場合に、センサ異常診断手段による排出ガスセンサの異常診断を異常診断禁止手段で禁止するようにしても良い。つまり、内燃機関の停止時の排出ガスセンサの出力が所定値よりもリーンである場合には、内燃機関の停止後に排出ガスセンサの出力が大気レベルへ変化するまでの変化幅が小さくなるため、排出ガスセンサの正確な異常診断が困難であると判断して、排出ガスセンサの異常診断を禁止することができ、排出ガスセンサの異常診断精度の低下を未然に防止することができる。
【0015】
更に、内燃機関の停止時の排出ガスセンサ周辺のガス濃度に応じて内燃機関の停止後に排出ガスセンサの出力が大気レベルへ変化するまでの挙動(変化速度、変化幅等)が変化するため、請求項1に係る発明では、内燃機関の停止時の排出ガスセンサの出力(周辺のガス濃度)に応じて該排出ガスセンサの異常診断の判定条件を設定するようにしている。このようにすれば、内燃機関の停止時の排出ガスセンサの周辺のガス濃度に応じて内燃機関の停止後の排出ガスセンサの出力の挙動が変化するのに対応して、排出ガスセンサの異常診断の判定条件も適正に変化させることができ、排出ガスセンサの異常診断精度を向上することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
《実施形態(1)》
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図3に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、スロットルバルブ15とスロットル開度を検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。
【0017】
更に、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク17が設けられ、このサージタンク17に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられている。また、サージタンク17には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
【0018】
一方、エンジン11の排気管22(排気通路)には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等の触媒23が設けられ、この触媒23の上流側と下流側に、それぞれ排出ガスの空燃比又はリーン/リッチ等を検出する排出ガスセンサ24,25(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられている。
【0019】
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、エンジン回転速度を検出するクランク角センサ27が取り付けられている。
【0020】
これら各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)28に入力される。このECU28は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種の制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁20の燃料噴射量や点火プラグ21の点火時期を制御する。
【0021】
また、ECU28は、図2に示す排出ガスセンサ異常診断プログラムを実行することで、エンジン停止後の触媒23の下流側の排出ガスセンサ(以下「下流側排出ガスセンサ」という)25の出力に基づいて下流側排出ガスセンサ25の異常の有無を診断することで、エンジン停止後に触媒23のストレージ効果の影響を排除した条件下で、下流側排出ガスセンサ25の異常診断を実行する。
【0022】
図2に示す排出ガスセンサ異常診断プログラムは、エンジン運転中及びエンジン停止から下流側排出ガスセンサ25の異常診断が終了するまでの期間に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうセンサ異常診断手段としての役割を果たす。本プログラムをエンジン停止中に実行するため、エンジン停止から下流側排出ガスセンサ25の異常診断が終了するまでの期間は、ECU28と下流側排出ガスセンサ25の両方に電源が供給される。
【0023】
本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、イグニッションスイッチ(図示せず)がオンからオフに切り換えられたか否かを判定する。イグニッションスイッチがオンからオフに切り換えられていなければ、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
【0024】
その後、イグニッションスイッチがオンからオフに切り換えられたと判定されたときに、ステップ102に進み、燃料噴射と点火を終了してエンジン11を停止した後、ステップ103に進み、エンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXa(図3参照)を読み込む。
【0025】
この後、ステップ104に進み、エンジン停止から所定時間T1が経過したか否かを判定する。この所定時間T1は、図3に示すように、正常な下流側排出ガスセンサ25の出力が大気レベル付近まで低下するのに要する時間よりもある程度短い時間に設定されている。そして、エンジン停止から所定時間T1が経過した時点で、ステップ105に進み、エンジン停止から所定時間T1経過後の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXb(図3参照)を読み込む。
【0026】
この後、ステップ106に進み、エンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXaが所定値(例えば理論空燃比よりもリーン側に設定された値)以上であるか否かを判定する。もし、エンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXaが所定値よりも小さければ、エンジン停止後に下流側排出ガスセンサ25の出力が大気レベルへ変化するまでの変化幅が小さくなるため、正常な排出ガスセンサと異常な排出ガスセンサとの間でセンサ出力の挙動に差が小さくなって、下流側排出ガスセンサ25の異常診断精度が低下する可能性があると判断して、ステップ107〜109の異常診断処理を実行することなく、本プログラムを終了する。このステップ106の処理が特許請求の範囲でいう異常診断禁止手段に相当する役割を果たす。
【0027】
一方、エンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXaが所定値以上と判定された場合には、ステップ107に進み、エンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXaとエンジン停止から所定時間T1経過後の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXbとの差、つまり、エンジン停止から所定時間T1が経過するまでの下流側排出ガスセンサ25の出力変化幅(SOXa−SOXb)を算出して、この出力変化幅(SOXa−SOXb)が異常判定値よりも小さいか否かを判定する。この異常判定値は、予め実験、シミュレーション等により推定したエンジン停止後の排気管22内への大気の流入特性に基づいて設定される。この場合、エンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の周辺のガス濃度に応じて、エンジン停止後に下流側排出ガスセンサ25の出力が大気レベルへ変化するまでの挙動(変化速度、変化幅等)が変化するため、異常判定値は、エンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXaに応じてマップ又は数式等により算出される。
【0028】
上述したステップ107で、エンジン停止から所定時間T1が経過するまでの下流側排出ガスセンサ25の出力変化幅(SOXa−SOXb)が異常判定値よりも小さいと判定された場合には、ステップ108に進み、下流側排出ガスセンサ25の応答性が異常(劣化有り)と判定する。
【0029】
これに対して、ステップ107で、エンジン停止から所定時間T1が経過するまでの下流側排出ガスセンサ25の出力変化幅(SOXa−SOXb)が異常判定値以上と判定された場合には、ステップ109に進み、下流側排出ガスセンサ25の応答性が正常(劣化無し)と判定して、本プログラムを終了する。
【0030】
エンジン停止後は、エンジン11から排気管22に排出ガスが排出されなくなって、排気管22の排気口(図示せず)から排気管22内に大気が逆流してくるため、エンジン停止後の時間の経過に伴って下流側排出ガスセンサ25の周辺の雰囲気が大気状態に近付いていく。しかも、異常診断の対象となる下流側排出ガスセンサ25の周辺まで逆流してくる大気は、触媒23を通っていないため、下流側排出ガスセンサ25の周辺の雰囲気は、触媒23のストレージ効果の影響を全く受けることなく大気状態に近付いていく。
【0031】
この点に着目して、本実施形態(1)では、図3に示すように、イグニッションスイッチがオフされてエンジン11が停止した時点t1 で、下流側排出ガスセンサ25の出力SOXaを読み込み、その後、エンジン停止から所定時間T1が経過した時点t2 で、排気管22内への大気の逆流によって変化した下流側排出ガスセンサ25の出力SOXbを読み込む。そして、エンジン停止から所定時間T1が経過するまでの下流側排出ガスセンサ25の出力変化幅(SOXa−SOXb)を算出して、この出力変化幅(SOXa−SOXb)を異常判定値と比較することで、下流側排出ガスセンサ25の応答性の異常の有無を診断する。
【0032】
下流側排出ガスセンサ25の応答性が劣化すると、下流側排出ガスセンサ25の周辺の雰囲気のリーン方向への変化が下流側排出ガスセンサ25の出力変化として現れるまでの応答遅れが大きくなるため、エンジン停止から所定時間T1が経過するまでの下流側排出ガスセンサ25の出力変化幅(SOXa−SOXb)は、下流側排出ガスセンサ25の応答性が劣化するほど、小さくなる。従って、この下流側排出ガスセンサ25の出力変化幅(SOXa−SOXb)が異常判定値よりも小さいか否かで、下流側排出ガスセンサ25の応答性の異常の有無を診断することができる。これにより、エンジン停止後に、触媒23のストレージ効果の影響を排除した条件下で、下流側排出ガスセンサ25の異常診断を行うことができ、下流側排出ガスセンサ25の異常診断精度を向上することができる。しかも、エンジン停止後に下流側排出ガスセンサ25の異常診断を行うので、排気エミッションやドライバビリティに悪影響を全く及ぼすことがない。
【0033】
ところで、エンジン停止後は、排気管22内への大気の逆流によって下流側排出ガスセンサ25の出力がリーン方向に徐々に変化して大気レベルに収束するという挙動を示すが、エンジン停止直前に下流側排出ガスセンサ25の出力が既にリーン値になっていると、エンジン停止後に下流側排出ガスセンサ25の出力が大気レベルへ変化するまでの変化幅が小さくなるため、正常な排出ガスセンサと異常な排出ガスセンサとの間でセンサ出力の挙動に差が小さくなって、下流側排出ガスセンサ25の異常診断精度が低下することが懸念される。
【0034】
その点、本実施形態(1)では、エンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXaが所定値よりもリーンである場合には、エンジン停止後の下流側排出ガスセンサ25の出力の変化幅が小さい(正確な異常診断が困難である)と判断して、下流側排出ガスセンサ25の異常診断を禁止するようにしたので、下流側排出ガスセンサ25の異常診断精度の低下を未然に防止することができる。
【0035】
更に、本実施形態(1)では、エンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の周辺のガス濃度に応じて、エンジン停止後に下流側排出ガスセンサ25の出力が大気レベルへ変化するまでの挙動(変化速度、変化幅等)が変化することを考慮に入れて、エンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXa(その周辺のガス濃度)に応じて下流側排出ガスセンサ25の異常診断に用いる異常判定値を設定するようにしたので、エンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXa(その周辺のガス濃度)に応じてエンジン停止後の下流側排出ガスセンサ25の出力の挙動が変化するのに対応して、下流側排出ガスセンサ25の異常診断に用いる異常判定値を適正に変化させることができ、下流側排出ガスセンサ25の異常診断精度を向上することができる。
【0036】
しかしながら、下流側排出ガスセンサ25の異常診断に用いる異常判定値は、必ずしもエンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXaに応じて設定する必要はなく、異常診断の際の演算処理を簡略化するために、異常判定値を予め設定した固定値としても良い。
【0037】
《実施形態(2)》
前記実施形態(1)では、エンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXaが所定値よりもリーンの場合に、下流側排出ガスセンサ25の異常診断を禁止することで、下流側排出ガスセンサ25の異常診断精度の低下を防止するようにしたが、図4に示す本発明の実施形態(2)では、エンジン停止直前に燃料噴射量を増量補正することで、下流側排出ガスセンサ25の異常診断精度の低下を防止するようにしている。
【0038】
本実施形態(2)で実行する図4の排出ガスセンサ異常診断プログラムは、前記実施形態(1)で説明した図2の排出ガスセンサ異常診断プログラムのステップ101と102の間に、ステップ101aの処理を追加すると共に、図2のステップ106の処理を省略したものであり、これ以外の各ステップの処理は図2と同じである。
【0039】
図4の排出ガスセンサ異常診断プログラムでは、ステップ101で、イグニッションスイッチがオンからオフに切り換えられたと判定されたときに、ステップ101aに進み、エンジン11を停止する前に、燃料噴射量を増量補正して、エンジン停止直前に排気管22内に排出するガス中のリッチ成分を増加させることで、下流側排出ガスセンサ25の出力をリッチ方向に変化させる。この場合、燃料噴射量の増量補正量は、演算処理の簡略化のために予め設定した固定値としても良いが、現在の燃料噴射量(目標空燃比)や下流側排出ガスセンサ25の出力に応じてマップ又は数式により算出するようにしても良い。このステップ101aの処理が特許請求の範囲でいう停止時燃料噴射増量手段に相当する役割を果たす。
【0040】
この後、エンジン11を停止して、エンジン停止時の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXa及びエンジン停止から所定時間T1経過後の下流側排出ガスセンサ25の出力SOXbを読み込んだ後(ステップ102〜105)、エンジン停止から所定時間T1が経過するまでの下流側排出ガスセンサ25の出力変化幅(SOXa−SOXb)を算出して、この出力変化幅(SOXa−SOXb)が異常判定値よりも小さいか否かによって、下流側排出ガスセンサ25の応答性の異常の有無を判定する(ステップ107〜109)。
【0041】
以上説明した本実施形態(2)では、エンジン停止直前に燃料噴射量を増量補正するようにしたので、エンジン停止前に下流側排出ガスセンサ25の出力が大気レベルに比較的近いリーン値になっている場合でも、エンジン停止直前に燃料噴射量の増量補正により下流側排出ガスセンサ25の出力をリッチ方向に変化させて、エンジン停止後に下流側排出ガスセンサ25の出力が大気レベルへ変化するまでの変化幅を大きくすることができ、下流側排出ガスセンサ25の異常診断精度の低下を未然に防止することができる。その他、本実施形態(2)でも前記実施形態(1)と同様の効果を得ることができる。
【0042】
尚、上記各実施形態(1),(2)では、エンジン停止から所定時間T1が経過するまでの下流側排出ガスセンサ25の出力変化幅(SOXa−SOXb)を異常判定値と比較して、下流側排出ガスセンサ25の応答性の異常の有無を診断するようにしたが、下流側排出ガスセンサ25の異常診断方法は、適宜変更しても良い。
【0043】
例えば、エンジン11を停止した時点から下流側排出ガスセンサ25の出力が所定値以下に変化するまでに要した時間を応答時間として計測し、その応答時間を異常判定値と比較して、下流側排出ガスセンサ25の応答性の異常の有無を診断するようにしても良い。
【0044】
また、エンジン停止後に下流側排出ガスセンサ25の出力が所定区間を通過するのに要した時間を応答時間として計測し、その応答時間を異常判定値と比較して、下流側排出ガスセンサ25の応答性の異常の有無を診断するようにしても良い。
【0045】
また、本発明の適用範囲は、触媒23の下流側の排出ガスセンサ25の異常診断に限定されるものではなく、触媒23の上流側の排出ガスセンサ24の異常診断を前記各実施形態と同様の方法で行うようにしても良い。但し、触媒23の上流側の排出ガスセンサ24の周辺に逆流してくる大気は、触媒23を通ってくるため、エンジン停止後の排出ガスセンサ24の出力変化が触媒23のストレージ効果の影響を受けるが、触媒23のストレージ効果の影響を触媒23の劣化判定値等から推定して、触媒23の上流側の排出ガスセンサ24の異常診断の判定条件を設定すれば、エンジン停止後に触媒23の上流側の排出ガスセンサ24の異常診断を行うことができる。或は、エンジン停止後に触媒23の上流側の排出ガスセンサ24の周辺が大気で十分に満たされた頃に、触媒23の上流側の排出ガスセンサ24の出力が大気圧レベルである否かで、触媒23の上流側の排出ガスセンサ24の異常診断を行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)におけるエンジン制御システム全体の概略構成図
【図2】実施形態(1)の排出ガスセンサ異常診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図3】実施形態(1)の実行例を示すタイムチャート
【図4】実施形態(2)の排出ガスセンサ異常診断プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図5】触媒のストレージ効果と触媒劣化の有無が触媒下流側の空燃比の変化に与える影響を説明するタイムチャート
【符号の説明】
11…内燃機関(エンジン)、12…吸気管、15…スロットルバルブ、20…燃料噴射弁、21…点火プラグ、22…排気管(排気通路)、23…触媒、24,25…排出ガスセンサ、28…ECU(センサ異常診断手段,異常診断禁止手段,停止時燃料噴射増量手段)。

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に設置された排出ガスセンサと、
    内燃機関の停止後の前記排出ガスセンサの出力に基づいて該排出ガスセンサの異常の有無を診断するセンサ異常診断手段と
    を備え
    前記センサ異常診断手段は、内燃機関の停止時の前記排出ガスセンサの出力に応じて該排出ガスセンサの異常診断の判定条件を設定することを特徴とする排出ガスセンサの異常診断装置。
  2. 前記センサ異常診断手段は、内燃機関の停止後に前記排気通路内への大気の逆流によって生じる前記排出ガスセンサの出力変化に基づいて該排出ガスセンサの異常診断を実行することを特徴とする請求項1に記載の排出ガスセンサの異常診断装置。
  3. 前記センサ異常診断手段により異常診断する前記排出ガスセンサは、排出ガス浄化用の触媒の下流側に設置された排出ガスセンサであることを特徴とする請求項1又は2に記載の排出ガスセンサの異常診断装置。
  4. 内燃機関の停止直前に燃料噴射量を増量補正する停止時燃料噴射増量手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の排出ガスセンサの異常診断装置。
  5. 内燃機関の停止時の前記排出ガスセンサの出力が所定値よりもリーンの場合に、前記センサ異常診断手段による前記排出ガスセンサの異常診断を禁止する異常診断禁止手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の排出ガスセンサの異常診断装置。
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