JP5223552B2 - 窒化物半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents
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Description
また、素子分離溝を形成した後、共振器端面をエッチングする場合においても、共振器端面用のマスクあわせが必要となり、そのマージン分のテラス状水平面が形成される。
さらに、ダイシング等で素子分離用の溝を形成する場合、窒化物半導体層にダメージが入りやすいという問題がある。
また、この素子分離溝を、溝面と基板面のなす角が鋭角となるように形成する場合、精度よく斜めにダイシングすることが困難である上に、その溝を等間隔に形成することも困難であり、非効率的であると考えられる。さらに、完成した素子においても、レーザ素子内において最も熱が溜まりやすい出射側共振器端面の下部の基板を除去しているので、放熱性が悪化するという課題もある。
前記基板上に前記窒化物半導体層を形成する工程と、
少なくとも前記窒化物半導体層をエッチングして第1の溝部を形成する第1のエッチング工程と、
前記共振器端面を形成する第2のエッチング工程とを含み、
該第2のエッチング工程において、前記第1の溝部の内壁と、該第1の溝部に隣接する窒化物半導体層表面の一部をエッチングすることで第2の溝部を形成し、前記突出部の上面を形成することを特徴とする。
このような窒化物半導体レーザ素子の製造方法では、前記第1の溝部を、溝底部が溝上部より幅狭に形成することが好ましい。
また、前記第2の溝部の幅を、前記第1の溝部の幅よりも大きく形成することが好ましい。
さらに、前記突出部の上面と基板の水平面とのなす角度を、75°以下にすることが好ましい。
また、前記共振器端面を形成した後、さらに、該共振器端面と溝との全面に、端面保護膜を形成することが好ましい。
さらに、前記第2の溝部を分割補助溝として利用して、前記基板を分割することが好ましい。
このような窒化物半導体レーザ素子には、通常、第2窒化物半導体層13の表面にリッジ14が形成され、共振器端面21の全面に共振器端面21に接触する端面保護膜20が形成されている。また、リッジ側面にも第3保護膜15、窒化物半導体層側面にも側面保護膜17が形成されており、さらに、p電極16、pパッド電極18、n電極19等が適宜形成されている。
なお、本発明の製造方法で製造する窒化物半導体レーザ素子は、例えば、図3に示すように、n電極19が窒化物半導体基板10に対して同じ側に配置されているものであってもよい。
ここで用いる基板は、サファイア、スピネル(MgA12O4)のような絶縁性基板であってもよいし、炭化珪素、シリコン、ZnS、ZnO、GaAs、ダイヤモンド及び窒化物半導体と格子接合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジウム等の酸化物基板でもよいが、窒化物半導体基板(GaN、AlN等)であることが好ましい。また、第1主面及び/又は第2主面に0°以上10°以下のオフ角を有する基板であることが好ましい。その厚みは、例えば、50μmから10mm程度が挙げられる。なお、基板として、例えば、特開2006−24703号公報に例示されている種々の公知の基板、市販の基板等を用いてもよい。
窒化物半導体基板は、MOCVD法、HVPE法、MBE法等の気相成長法、超臨界流体中で結晶育成させる水熱合成法、高圧法、フラックス法、溶融法等により形成することができる。
窒化物半導体層を構成する第1及び第2窒化物半導体層としては、一般式InxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)のものを用いることができる。これに加えて、III族元素としてBが一部に置換されたものを用いてもよいし、V族元素としてNの一部をP、Asで置換されたものを用いてもよい。n側半導体層は、n型不純物として、Si、Ge、Sn、S、O、Ti、Zr、CdなどのIV族元素又はVI族元素等のいずれか1つ以上を含有していてもよい。p側半導体層は、p型不純物として、Mg、Zn、Be、Mn、Ca、Sr等を含有していてもよい。不純物は、例えば、5×1016/cm3〜1×1021/cm3程度の濃度範囲で含有されていることが好ましい。
特に、第1窒化物半導体層と第2窒化物半導体層、つまり、n側半導体層とp側半導体層とに光の光導波路を構成する光ガイド層を有することで、活性層を挟んだ分離光閉じ込め型構造であるSCH(Separate Confinement Heterostructure)構造とすることが好ましい。
井戸層と障壁層は、一般式InxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)のものを用いることができる。少なくとも井戸層にInを含むものが例示され、井戸層、障壁層の両方にInを含むものが適している。
このような活性層は、特に発振波長が220nm〜580nmとなる組成で形成されていることが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体レーザ素子の幅、すなわち共振器方向と直交する方向の長さは、50〜2000μm程度に設定される。
なお、この溝の断面形状は、特に限定されるものではなく、半円、半楕円、四角、V字形状等の種々の形状が例示される。これらの中でも、縦長形状の半楕円、台形、V字形状等で形成されることが好ましい。なかでも、後述するようにエッチングによって溝幅を広げることが容易なV字形状であることが好ましい。この際のVの角度(図4(a)中、α)は特に限定されず、例えば、基板の水平面から40〜85°程度、好ましくは、50〜75°程度が挙げられる。また、溝の深さ(図4(a)中、h)は、特に限定されないが、例えば、少なくとも窒化物半導体層の一部、好ましくは、第1窒化物半導体層の一部まで、言い換えると、窒化物半導体層表面から1.5〜2.8μm程度、好ましくは1.8〜2.5μm程度が例示される。溝の幅(図4(a)中、w)は、特に限定されないが、例えば、窒化物半導体層表面において、1〜5μm程度、好ましくは1〜3μm程度が例示される。溝同士の間隔は、得ようとするレーザ素子の大きさ、共振器の長さ等によって適宜調整することができ、例えば、100〜5000μm程度が例示される。
また、溝は、必ずしもチップ幅方向全体に渡って形成されていなくてもよい。少なくとも光導波路に対応するように素子の幅方向の一部に形成されていればよい。言い換えると、出射されたレーザ光の光路の直下の領域の半導体層及び/又は基板に溝が形成されていればよい。
このとき、RFパワーを上げる、圧力を低くする(高真空にする)、塩素系ガスを用いてエッチングする場合にSiCl4割合を高くする、等の方法を用いることによって、溝の側壁を傾斜させることができる。特に、塩素系ガスを用いてエッチングする場合にSiCl4割合を高くすることによって、断面形状がV字形状の溝を形成しやすい傾向にある。また、エッチャントの流量を少なくすることによって、半楕円や台形状の溝を形成しやすい。
通常、窒化物半導体レーザ素子の共振器端面は、窒化物半導体層上にマスクパターンを形成し、このマスクパターンをマスクとして、少なくとも第2窒化物半導体層、活性層、第1窒化物半導体層を又は基板に達する深さ(図4(b)中、D)まで、あるいは、共振器端面に、光導波領域と後述する境界領域とを含むことのできる深さでエッチングすることにより形成することができる。この際、先に形成した溝の近傍、例えば、溝から5μm程度以下、好ましくは3μm以下、さらに2μm以下の距離(図4(a)中、d)離れて、溝に対して平行に形成することが好ましい。マスクパターン及びその形成方法は、上記に例示したものと同様のもの、さらに特開平8−17803号公報等に記載された公知の方法が挙げられる。なかでも、ドライエッチングを用いることが好ましく、エッチング条件は、上記と同様に適宜調整して決定することができる。
これにより、結果的に、溝の傾斜角度が緩やかになるとともに、マスクパターンの端部と溝の端部との距離がエッチング除去によって縮まり、さらには一致し、両者を連続させることができる。ここで、連続するとは、溝の傾斜面と共振器端面との間に、水平面、つまり、基板及び/又は窒化物半導体層表面に対して平行な面が存在しないことを意味する。また、両者の連続は、鈍角を形成するように行われる。これによって、後述する端面保護膜を形成する場合に、例えば、図5(b)に示すようなテラス状の水平面10aに端面保護膜を形成するのと比較して、端面保護膜の応力を緩和することができ、密着性を向上させることができる。その結果、端面保護膜の剥離を防止することができ、CODレベルの向上を図ることができる。
本発明では、少なくとも出射側の共振器端面において、第1の溝部の内壁と、第1の溝部の内壁に隣接する窒化物半導体層表面との一部がエッチングされ、突出部の上面が形成されていればよい。言い換えると、共振器端面と傾斜面とが連続していればよい。従って、出射面に対する反対側の共振器端面は、同様に、共振器端面31と傾斜面32とが連続していてもよいし(図8(b)参照)、共振器端面31と傾斜面32との間にテラス状水平面10aが形成されていてもよいし(図9(b)参照)になっていてもよい。また、反射側の共振器端面が劈開で形成され、共振器面31と基板面10bが面一(図10(b)参照)になっていてもよい。この場合は、図10(a)に示すように、反射側には突出部を有さない。なかでも、後述する理由により反射側にはテラス状水平面が形成されていることが好ましい。
なお、一般に、基板分割補助溝形成後に共振器端面を形成する場合、補助溝と光出射側の共振器端面とを連続させることを目的として、フォトリソグラフィによって出射側端面の位置を補助溝の端に正確に合わせるのは非常に高度な精度が要求されるため、困難である。しかも、ウェハ全面に渡ってそれを行なうのは実質的に不可能である。
しかし、上述したように、本発明の製造方法では、基板分割用の補助溝を予め形成し、共振器端面の形成の際に、エッチングプロセスによって、端面形成と同時に補助溝の幅を広げることにより、端面と補助溝の端部とが一致し、連続させることができる。加えて、共振器端面のためのフォトリソグラフィ工程では、補助溝の端部と共振器端面との間には相当のマージン、例えば、数μm程度の距離をとることができるため、高度な精度は要求されず、容易に補助溝と共振器端面とを連続させることができる。
この端面保護膜は、例えば、Si、Mg、Al、Hf、Nb、Zr、Sc、Ta、Ga、Zn、Y、B、Ti等の酸化物(特に、Al2O3、SiO2、Nb2O5、TiO2、ZrO2等)、窒化物(特に、AlN、AlGaN、BN、SiN等)又はフッ化物及びこれらの2種以上の組み合わせ等によって形成することができる。なかでも、酸化物であることが好ましい。また、別の観点から、レーザ素子の発振波長に対して吸収のない材料により形成されることが好ましい。
端面保護膜は、窒化物半導体層に形成された共振器端面を被覆するものであるが、必ずしも共振器端面の全面を被覆する必要はなく、少なくとも、共振器端面の光導波路領域(活性層及びその上下層の一部に及ぶ)を被覆するものであればよい。また、保護膜は、共振器端面以外の面を、部分的に被覆していてもよい。例えば、共振器端面と同時に、レーザ素子の側面にも、この端面保護膜が、側面保護膜として及んでいてもよい。これにより製造工程を簡略化し、製造効率を向上させることができる。端面保護膜と側面保護膜とを同時に形成する場合、共振器端面と側面の連続した保護膜との密着性を向上させることができる。
特に、端面保護膜として酸化膜を形成する場合には、前処理は酸素又はオゾン、窒化膜を形成する場合には、前処理は窒素を用いることが好ましい。
第2保護膜は、単層構造及び積層構造のいずれでもよい。例えば、Siの酸化物の単層、Alの酸化物の単層、Siの酸化物とAlの酸化物の積層構造等が挙げられる。このような膜が形成されていることにより、端面保護膜をより強固に共振器端面に密着させることができる。その結果、安定な動作を確保することができ、CODレベルを向上させることができる。
第2保護膜の膜厚は、特に限定されることなく、保護膜として機能し得る膜厚とすることが適している。その膜厚は、100〜15000Å程度であることが好ましい。また、端面保護膜と第2保護膜との総膜厚は、2μm程度以下となるものが好ましい。
本発明では、エッチングにより共振器端面を形成するため、ウェハ単位で共振器端面に接触する保護膜を形成することが可能であるが、対向する共振器端面に一工程で端面保護膜を形成してもよいし、光出射側と光反射側との二工程に分けて端面保護膜を形成してもよく、それぞれの機能に応じてより好適な端面保護膜を形成することができる。どちらの方法を用いたとしても、バー状のウェハに各々端面保護膜を形成する方法と比較すると製造効率を大幅に向上させることができる。
p電極は、窒化物半導体層及び第3保護膜上に形成されることが好ましい。p電極が最上層の窒化物半導体層及び第3保護膜上に連続して形成されていることにより、第3保護膜の剥がれを防止することができる。特に、リッジ側面までp電極を形成することにより、リッジ側面に形成された第3保護膜について有効に剥がれを防止することができる。
p電極の膜厚は、用いる材料等により適宜調整することができ、例えば、500〜5000Å程度が適当である。
p電極及びn電極は、少なくとも第1及び第2半導体層又は基板上にそれぞれ形成していればよく、さらにこの電極上にパッド電極等、単数又は複数の導電層を形成してもよい。
例えば、第3保護膜15、p電極16及び側面保護膜17の上面に、pパッド電極18を形成することが好ましい。
これに対して、本発明の窒化物半導体レーザ素子の製造方法では、一工程のエッチングによって同時に、ウェハ単位での複数の窒化物半導体レーザ素子の共振器端面を形成することができ、製造効率を向上させることができる。また、共振器端面がエッチングによって形成された後においても、ウェハ単位でレーザ素子の共振器端面に対して、一工程で保護膜を形成することが可能であるため、さらに製造効率を向上させることができる。
具体的な分割方法としては、基板の裏面側から、分割補助溝に沿ってブレイク刃を用いて分割する方法が挙げられる。また、基板分割の直前にレーザ光の照射等によって所望のチップ形状となるように溝を形成し(光出射側の共振器端面部分はV字補助溝に沿って割る必要があるためレーザ光の照射は避ける)、ローラー式ブレイカー等を用いて、その溝とV字補助溝に沿って基板を分割する方法でもよい。この方法では、ブレイク装置の刃で一つずつ分割する必要がなく、荷重を掛けたローラーをウェハ上に回転させるのみでウェハ全面が一度に分割できるため、より効率的である。その他、当該分野で公知の方法のいずれを用いてもよい。
実施例1
この実施例の窒化物半導体レーザ素子は、図1、図2及び図8に示すように、C面を成長面とするGaN基板10上に、第1窒化物半導体層(例えば、n側)11、活性層12及び表面にリッジ14が形成された第2窒化物半導体層(例えば、p側)13をこの順に積層しており、共振器端面21を有する共振器が形成されて構成されている。
共振器端面21の下方であって、GaN基板10に、GaN基板10表面に対して、50°程度傾斜した面(図2中、ε)が形成されており、さらにその下方であって、GaN基板10の下方には、共振器端面21に略平行な面が形成された突出部32aを有している。
また、この半導体レーザ素子は、共振器端面にAl2O3からなる保護膜(図示せず)及び第2保護膜(図示せず)(膜厚:200Å及び1000Å)、さらに、第3保護膜15、p電極16、n電極19、側面保護膜17、pパッド電極18、端面保護膜20等が形成されている。
まず、窒化ガリウム基板を準備する。この窒化ガリウム基板上に、1160℃でTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG(トリメチルガリウム)、アンモニア、シランガスを用い、Siを4×1018/cm3ドープしたAl0.03Ga0.97Nよりなる層を膜厚2μmで成長させる。なお、このn側クラッド層は超格子構造とすることもできる。
続いて、シランガスを止め、1000℃でアンドープGaNよりなるn側光ガイド層を0.175μmの膜厚で成長させる。このn側光ガイド層にn型不純物をドープしてもよい。
温度を1000℃に上げ、TMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、p側光ガイド層よりもバンドギャップエネルギーが大きい、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型Al0.25Ga0.75Nよりなるp側キャップ層を100Åの膜厚で成長させる。
続いて、Cp2Mg、TMAを止め、1000℃で、バンドギャップエネルギーがp側キャップ層10よりも小さい、アンドープGaNよりなるp側光ガイド層を0.145μmの膜厚で成長させる。
次に、1000℃でアンドープAl0.10Ga0.90Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止め、Cp2Mgを用いてMgドープGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、総膜厚0.45μmの超格子層よりなるp側クラッド層を成長させる。
最後に、1000℃で、p側クラッド層の上に、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層を150Åの膜厚で成長させる。
溝は、第2窒化物半導体層表面の略全面にSiO2膜を成膜した後、SiO2をフォトリソグラフィおよびエッチングより所望のマスクパターンに形成し、それをマスクとして、RIEを用いてCl2ガスを少量添加したSiCl4ガスにより窒化物半導体層を約2.5μmエッチングすることにより、V字形状に形成することができる。このV字形状の補助溝のエッチング面の傾斜角度(図4(a)中、α)は基板の水平面に対して約70°である。
このリッジ部の側面をZrO2からなる第3保護膜(埋込膜)で保護する。
次いで、p側コンタクト層及び第3保護膜の上の表面にNi(100Å)/Au(1000Å)/Pt(1000Å)よりなるp電極を形成する。p電極を形成した後、600℃でオーミックアニールを行う。
続いて、反射側の共振器端面以外の領域にマスクを形成し、出射側と同様の成膜条件で、Al2O3を100Å成膜し、ZrO2を670Å成膜し、その上に(SiO2/ZrO2)を(670Å/450Å)で6周期成膜する。
その後、基板厚みが80μmになるように窒化物半導体層の成長面と反対側の面から研磨を行う。
研磨した面に、Ti(150Å)/Pt(2000Å)/Au(3000Å)からなるn電極を形成する。
次いで、p電極に平行な方向で、バーをチップ化することで半導体レーザ素子とする。
なお、比較のために、共振器端面を劈開によって形成する以外は、実質的に上述した半導体レーザ素子と同様の製造方法でレーザ素子を形成し、同様の条件で、初期値として閾値電流を測定し、CODレベルを評価した。
また、CODレベルについても、本実施例の半導体レーザ素子では、566mW程度(20個のメジアン値)であったのに対し、劈開による共振器端面を有する半導体レーザ素子では、571mA程度であり、劈開による半導体レーザ素子と同等のCODレベルを示すことが確認された。
比較のために、最初の補助溝を、図4(a)に示すようなV字状ではなく、図5(a)に示すような垂直形状に形成する(図5(a)中、h、w、dは図4(a)と同じ)。共振器面の形成の際には、図4(b)に示すようなV字状の幅広の溝ではなく、図5(b)に示すように、補助溝の端部と共振器端面となる部位との間の距離dを約2μmに設定して、垂直形状に深さHaの補助溝を形成する(Ha:3.5μm、図5(b)中、d、wは図4(a)と同じ。図5(b)中、Dは図4(b)と同じ)。それ以外は、実質的に上述した半導体レーザ素子と同様の製造方法でレーザ素子を形成し、同様の条件でFFP−Yを測定した。
本実施例の測定結果を図6に、比較のための半導体レーザ素子の測定結果を図7に示す。なお、図6及び図7中の細い線は、測定したサンプルの測定結果から算出したガウシアン曲線である。
図6及び図7によれば、補助溝と共振器端面の間に距離がある場合において出射端面からの光がその補助溝と端面との間にある基板の水平面10aで反射することによってリッジ側(図7中、+側)においてYリップルを顕著に現わしていた。
一方、本実施例の半導体レーザ素子では、このような水平面10aが形成されていないため、このような反射によるYリップルがほぼ完全に解消されていることが確認された。
この実施例では、図9及び図12に示すように、出射側の共振器端面に傾斜面32及び突出部32aを形成し、出射側に対して反対側の共振器端面には、テラス状水平面10a及び突出部を有するようなレーザ素子を形成する。
具体的には、第1の溝部を形成した後、レーザ素子の構造を規定するためのマスクパターンとして、共振器長を370μmの略四角形の構造で、V字補助溝の端部と共振器端面となる部位であるマスクの端部との距離を一方は約2μm、もう一方は約26μmでマスクを形成する以外は、実施例1と同様に形成する。
これにより、図12に示すように、一方の共振器端面では、溝と端面が連続した形状になり、もう一方の共振器端面では、約26μmの長さのテラス状水平面10aが形成され、図9のようなレーザ素子が得られる。
このレーザ素子では、実施例1のレーザ素子と同様に、出射光がテラス状の水平面に反射することによって発生するYリップルをほぼ完全に除去することができる。さらに、反射側において、テラス状の水平面を有するので、実施例1と比較して基板の体積を増加させることができ、熱抵抗を低くすることができ、放熱性に優れる。
この実施例では、図14に示すように、第2の溝部44の断面形状を、V字状ではなく、U字状に近似する形状に設ける。
具体的には、補助溝(第1の溝部)形成のエッチング際に、エッチングガスの流量を半分にしてエッチングする以外は、実施例1と同様にして形成する。これにより、溝の下部を丸く形成することができ、U字状に近似する形状の溝を形成できる。
このレーザ素子では、実施例1のレーザ素子と同様に、出射光がテラス状の水平面に反射することによって発生するYリップルをほぼ完全に除去することができる。
この実施例では、図10に示すように、反射側の共振器端面と基板面が、面一(図10(b)参照)になるように形成する。
具体的には、第1の溝部の溝同士の間隔を800μm程度で形成し、レーザ素子の構造を規定するための溝(共振器方向に平行な側面)及び共振器端面を形成する際に、反射側の共振器端面付近は、マスクで被覆した状態で、出射側の共振器端面のみをエッチングにより形成し、V字補助溝も同時にエッチングして、第2の溝部を形成する。
その後、窒化物半導体基板をバー状に分割する際に、第2の溝部の間隔を等分するように基板を劈開することにより反射側の共振器端面を形成する。それ以外は、実施例1と同様にして形成する。これにより、素子の長さが約400μmのレーザ素子が2個得られ、これらの素子は、共振器面31と基板面10bが面一(図10(b)参照)となり、図10(a)に示すように、反射側には突出部を有さない。
このレーザ素子では、実施例1のレーザ素子と同様に、出射光がテラス状の水平面に反射することによって発生するYリップルをほぼ完全に除去することができる。
10a テラス状水平面
11 第1窒化物半導体層
12 活性層
13 第2窒化物半導体層
14 リッジ
15 第3保護膜
16 p電極
17 第2保護膜
18 p側パッド電極
19 n電極
20 端面保護膜
21、31 共振器端面
23 マスクパターン
32 傾斜面
32a 突出部
33 第1の溝部
34、44 第2の溝部
35 溝
36 素子領域
Claims (7)
- 基板上に設けられた少なくとも活性層を含む窒化物半導体層と、該窒化物半導体層に形成された一対の共振器端面と、前記基板の一部が該共振器端面から突出した突出部とを有する窒化物半導体レーザ素子の製造方法であって、
前記基板上に前記窒化物半導体層を形成する工程と、
該窒化物半導体層上に形成された第1の開口を有するマスクを用いて、少なくとも前記窒化物半導体層をエッチングして第1の溝部を形成する第1のエッチング工程と、
該第1の溝部と離間した位置に前記共振器端面を規定する開口縁を有し、かつ前記第1の溝部を含む第2の開口を有するマスクを用いて、前記共振器端面を形成する第2のエッチング工程とを含み、
該第2のエッチング工程において、前記第1の溝部と離間した窒化物半導体層表面から該窒化物半導体層の一部をエッチングして規定される共振器端面と、前記第1の溝部の内壁をエッチングして前記共振器端面におよぶ傾斜面とを有する第2の溝部を形成することによって前記突出部の上面を形成することを特徴とする窒化物半導体レーザ素子の製造方法。 - 前記第1の溝部を、溝底部が溝上部より幅狭に形成する半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記第2の溝部の幅を、前記第1の溝部の幅よりも大きく形成する請求項1又は2に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記突出部の上面と基板の水平面とのなす角度を、75°以下にする請求項1から3のいずれか1つに記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記共振器端面の反射側に、テラス状水平面が形成される請求項1から4のいずれか1つに記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記共振器端面を形成した後、さらに、該共振器端面と溝との全面に、端面保護膜を形成する請求項1から5のいずれか1つに記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- さらに、前記第2の溝部を分割補助溝として利用して、前記基板を分割する請求項1から6のいずれか1つに記載の半導体レーザ素子の製造方法。
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