JP5223394B2 - 電圧−電流コンバータ及びこれを備えたオーディオアンプ - Google Patents

電圧−電流コンバータ及びこれを備えたオーディオアンプ Download PDF

Info

Publication number
JP5223394B2
JP5223394B2 JP2008067059A JP2008067059A JP5223394B2 JP 5223394 B2 JP5223394 B2 JP 5223394B2 JP 2008067059 A JP2008067059 A JP 2008067059A JP 2008067059 A JP2008067059 A JP 2008067059A JP 5223394 B2 JP5223394 B2 JP 5223394B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
input terminal
output
output terminal
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008067059A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009225086A (ja
Inventor
譲治 笠井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Onkyo Corp
Original Assignee
Onkyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Onkyo Corp filed Critical Onkyo Corp
Priority to JP2008067059A priority Critical patent/JP5223394B2/ja
Publication of JP2009225086A publication Critical patent/JP2009225086A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5223394B2 publication Critical patent/JP5223394B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)

Description

本願発明は、電圧信号を電流信号に変換するための電圧−電流コンバータ、及びこれを備えたオーディオアンプに関するものである。
従来、オーディオアンプにおける信号伝送においては、例えば電圧信号としてのオーディオ信号を電流の形で伝送するいわゆる電流伝送が用いられている。電流伝送は、一般に、信号経路に直列に存在する例えば接触抵抗等の非線形要素の影響、あるいは電磁誘導や静電誘導による外部ノイズの影響等を受け難いとされている。
そのため、オーディオアンプにおいては、信号の伝送や音量の調整等に電流伝送を用いた場合、出力電圧が負荷抵抗に比例することから、実用レベルでの高S/Nが実現できるとされている。電流伝送を行うためには、電圧信号を電流信号に変換するための電圧−電流コンバータ(以下、「VIコンバータ」という。)が用いられる(例えば特許文献1参照)。
特開平11−186859号公報
図8は、オーディオアンプに用いられるVIコンバータの一例を示す回路図である。同図に示すVIコンバータ100は、OPアンプを用いた反転入力型のVIコンバータで、入出力信号のタイプを不平衡型としたものである。具体的には、OPアンプ32の負の入力端子(−)は、抵抗R12を介して出力端子に接続されるとともに、抵抗R11を介してVIコンバータ100の一方の入力端子Nに接続され、OPアンプ32の出力端子は抵抗R14を介して出力端子Oに接続されている。
また、OPアンプ32の正の入力端子(+)は、VIコンバータ100の一方の出力端子Oに接続されるとともに、抵抗R13を介してVIコンバータ100の他方の入力端子N’に接続されている。VIコンバータ100の他方の入力端子N’と他方の出力端子O’とはグランドに接地され、入力端子N−N’間にオーディオ信号を出力するオーディオ信号源31が接続され、出力端子O−O’間に負荷Lが接続されている。
このVIコンバータにおいては、下記に示す式1及び式2が成立する。
Figure 0005223394
Figure 0005223394
なお、eはオーディオ信号源31から出力されるオーディオ信号の電圧、Zは負荷Lの負荷インピーダンス、VaはOPアンプ32の出力端子における電圧、V0は出力端子O−O’間の電圧を示す。
式1及び式2より、出力電圧V0は式3で表すことができる。
Figure 0005223394
ここで、R11・R14=R12・R13、すなわちR11/R12=R13/R14が成立するように各抵抗R11〜R14の定数を設定すれば、式3は式4で表すことができる。
Figure 0005223394
負荷Lに流れる電流をI0(=V0/Z)とすれば、負荷電流I0は式4より式5で表すことができる。
Figure 0005223394
すなわち、図8に示すVIコンバータ100では、R11・R14=R12・R13を満足するような回路定数を選択することで、式4に示すように、出力電圧V0は入力電圧e及び負荷インピーダンスZに比例するようになる。換言すれば、式5に示すように、負荷Lに流れる負荷電流I0は、負荷インピーダンスZには依存しないことになり、負荷Lには、入力電圧eに比例した負荷電流I0が流れることになる。
一方、オーディオアンプといったオーディオ機器における信号伝送では、伝送経路での電磁誘導や静電誘導によるノイズを低減する目的で、平衡伝送が用いられることがある。この平衡伝送では、例えば機器間を接続する信号の往復線路にツイストペアが用いられる。この場合、電磁誘導や静電誘導による外部ノイズは、結合されてコモンモードノイズとなるのであるが、コモンモード成分は、平衡増幅器又は差動増幅器等によって除去することができる。
特に、伝送経路が長くなるような業務用オーディオ機器においては、平衡伝送が標準的に用いられている。家庭用オーディオ機器においても、ハイエンド機器の中には平衡伝送機能を備えるものも少なくない。
また、従来、業務オーディオ機器においては、トランスを用いた平衡伝送も用いられている。この平衡伝送によると、例えば平衡増幅器又は差動増幅器等はトランスの1次巻線−2次巻線間で絶縁されており、伝送形態が平衡(グランドに対してフロートな状態)であっても、不平衡(信号経路の一方がグランドに接地された状態)であっても使用できるといった特長を有している。
したがって、上記VIコンバータ100が、平衡あるいは不平衡の何れの負荷Lに対しても信号電流を正確に供給することができれば、当該VIコンバータ100を業務用オーディオや家庭用ハイエンドオーディオ機器に採用することができる。また、この場合、VIコンバータ100において電流伝送の利点も生かすことができる。
しかしながら、図8に示したVIコンバータ100は、入力及び出力とも信号基準点がグランドとなっている不平衡入出力タイプのものである。そのため、このVIコンバータでは、平衡伝送を用いた業務用オーディオ機器や家庭用ハイエンドオーディオ機器等には用いることができないといった問題点があった。
図9は、図8に示したVIコンバータ100の一対の入力端子対N,N’にそれぞれ不平衡型のオーディオ信号源31a,31bをそれぞれ接続したものである。図9の回路構成では、VIコンバータ100の入力端子対Nにはオーディオ信号e1が入力され、入力端子対N’にはオーディオ信号e2が入力されるので、VIコンバータ100はオーディオ信号e1,e2の差分を電流に変換する差動型VIコンバータとして動作する。
このVIコンバータ100は差動型動作となっているが、VIコンバータ100の他方の出力端子O’は接地されているため、出力電圧V0はグランドを基準とした不平衡出力となっている。そのため、図8に示した回路構成と同様に、業務用オーディオ機器や家庭用ハイエンドオーディオ機器等には用いることができないといった問題点があった。
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、負荷が平衡又は不平衡にかかわらず安定した電流を負荷に供給することのできる電圧−電流コンバータ及びそれを備えるオーディオアンプを提供することを、その課題とする。
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
本願発明の第1の側面によって提供される電圧−電流コンバータは、第1の電圧が入力される第1の入力端子と、第2の電圧が入力される第2の入力端子と、負荷の一方端が接続される第1の出力端子と、前記負荷の他方端が接続される第2の出力端子と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子にそれぞれ接続される一対の入力端子と前記第1の出力端子に接続される出力端子を有し、前記一対の入力端子に入力される前記第1,第2の電圧を前記第1の電圧から前記第2の電圧を差し引いた差電圧に比例した電流に変換して前記第1の出力端子に出力する第1の電−電変換手段と、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子にそれぞれ接続される一対の入力端子と前記第2の出力端子に接続される出力端子を有し、前記一対の入力端子に入力される前記第1,第2の電圧を前記第2の電圧から前記第1の電圧を差し引いた差電圧に比例した電流に変換して前記第2の出力端子に出力する第2の電−電変換手段と、を備えた電圧−電流コンバータであって、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間の電圧に含まれるコモンモード成分を検出し、その検出値を前記第1の電圧−電流変換手段の一方の入力端子と前記第2の電圧−電流変換手段の一方の入力端子にそれぞれ帰還するコモンモード成分帰還手段を備えることを特徴としている(請求項1)。
この構成によれば、コモンモード成分帰還手段が第1の出力端子と第2の出力端子との間の電圧に含まれるコモンモード成分を検出し、そのコモンモード成分を第1の電圧−電流変換手段の一方の入力端子と第2の電圧−電流変換手段の一方の入力端にそれぞれ帰還させるので、例えば第1及び第2の電圧−電流変換手段におけるわずかな回路定数のばらつきやオフセット等による電圧変動分を互いにキャンセルすることができ、負荷が平衡状態不平衡状態のいずれであっても、安定した出力電流を負荷に供給することができる。
本願発明の電圧−電流コンバータにおいて、前記第1の電−電変換手段は、第1のオペアンプと、その第1のオペアンプの負入力端子と前記第1の入力端子とに接続された第1の入力抵抗と、前記第1のオペアンプの正入力端子と前記第2の入力端子とに接続された第2の入力抵抗と、前記第1のオペアンプの出力端子と前記負入力端子とに接続された第1の帰還抵抗と、前記第1のオペアンプの出力端子と前記正入力端子及び前記第1の出力端子とに接続された第2の帰還抵抗とによって構成され、前記第2の電圧−電流変換手段は、第2のオペアンプと、その第2のオペアンプの負入力端子と前記第2の入力端子とに接続された第3の入力抵抗と、前記第2のオペアンプの正入力端子と前記第1の入力端子とに接続された第4の入力抵抗と、前記第2のオペアンプの出力端子と前記負入力端子とに接続された第3の帰還抵抗と、前記第2のオペアンプの出力端子と前記正入力端子及び前記第2の出力端子とに接続された第4の帰還抵抗とによって構成されるとよい(請求項2)。
本願発明の電圧−電流コンバータにおいて、前記コモンモード成分帰還手段は、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間の電圧の中間値を検出する一対の抵抗と、前記電圧の中間値を積分する積分回路と、前記積分回路から出力される信号の位相を反転し、前記第1のオペアンプ及び前記第2のオペアンプの負入力端子に帰還する位相反転回路と、を含むとよい(請求項3)。
本願発明の電圧−電流コンバータにおいて、前記コモンモード成分帰還手段は、前記第1のオペアンプの出力端子と前記第2のオペアンプの出力端子との間の電圧の中間値を検出する一対の抵抗と、前記電圧の中間値を積分し、その積分値を前記第1のオペアンプ及び前記第2のオペアンプの正入力端子に帰還する積分回路と、を含むとよい(請求項4)。
本願発明の第2の側面によって提供されるオーディオアンプは、本願発明の第1の側面によって提供される電圧−電流コンバータを備えたことを特徴としている(請求項5)。
この構成によれば、このオーディオアンプは、本願発明の第1の側面によって提供される電圧−電流コンバータを備えているので、第1の側面によって提供される電圧−電流コンバータと同様の作用効果を奏する。
本願発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本願発明に係る電圧−電流コンバータ1(以下、「VIコンバータ1」という。)の回路図である。このVIコンバータ1は、いわゆる平衡型(入力信号と出力信号がともに平衡型の信号のタイプ)を基本とするが、不平衡型負荷を接続しても使用することができるようになっている。
VIコンバータ1は、大別して、第1の電圧−電流変換部3と、第2の電圧−電流変換部4と、積分帰還部5とによって概略構成されている。VIコンバータ1の一方の入力端子Nには不平衡型オーディオ信号源2aが接続され、他方の入力端子N’には不平衡型オーディオ信号源2bが接続されている。また、VIコンバータ1の一対の出力端子b,cはフローティング状態となっており、両出力端子b,cに負荷インピーダンスZを有する負荷Lが接続されている。
第1及び第2のオーディオ信号発生源2a,2bは、入力信号としてのオーディオ信号を発生させるためのものであり、その負極側同士がグランドに接地されている。この接続構成により、VIコンバータ1における入力側が平衡入力となっている。なお、図面上は、オーディオ信号発生源は、第1及び第2のオーディオ信号発生源2a,2bというように2つのオーディオ信号発生源とされているが、平衡入力できるものであれば1つのオーディオ発生源によって構成されてもよい。
第1の電圧−電流変換部3は、オーディオ信号としての電圧信号を電流信号に変換するためのものであり、第1OPアンプ11と、複数の抵抗 1a ,R 3a 2,R4とからなる。一方、第2の電圧−電流変換部4は、第1の電圧−電流変換部3と同じく、オーディオ信号としての電圧信号を電流信号に変換するためのものである。第2の電圧−電流変換部4は、第1の電圧−電流変換部3と略同様の構成とされ、第1OPアンプ11と同様の機能を有する第2OPアンプ12と、複数の抵抗 1a ,R 3a 2,R4とからなる。なお、図面上、抵抗について符号が同一で表されているものは、同一の機能及び同一の抵抗値を有するものとする。
入力端子N,N’には、第1及び第2の電圧−電流変換部3,4がそれぞれ接続されている。より詳細には、一方の入力端子Nには、抵抗R1aを介して第1の電圧−電流変換部3の第1OPアンプ11の負極入力端子(−)接続されているとともに、抵抗R3aを介して第2の電圧−電流変換部4の第2OPアンプ12の正極入力端子(+)接続されている。
また、他方の入力端子N’には、抵抗R1aを介して第2の電圧−電流変換部4の第2OPアンプ12の負入力端子(−)接続されているとともに、抵抗R3aを介して第1の電圧−電流変換部3の第1OPアンプ11の正入力端子(+)接続されている。これら第1及び第2のオーディオ信号発生源2a,2bの接続構成により、第1及び第2のオーディオ信号発生源2a,2bの各出力電圧e1,e2の差(e1−e2)は、第1及び第2の電圧−電流変換部3,4にそれぞれ入力されることになる。
第1の電圧−電流変換部3では、上述した抵抗R1aが第1OPアンプ11の負入力端子(−)に接続されるとともに第1OPアンプ11のループ抵抗(帰還抵抗ともいう。以下同様。)である抵抗R2に接続されている。抵抗R2は、第1OPアンプ11の出力端子に接続されるとともに、第1OPアンプ11の出力抵抗である抵抗R4に接続されている。そして、抵抗R4は、第1OPアンプ11の正入力端子(+)と一方の出力端子bとにループを形成する(帰還経路を形成するともいう。以下同様。)ように接続されている
この構成により、第1の電圧−電流変換部3は、第1OPアンプ11の正入力端子(+)と負入力端子(−)間に入力された第1及び第2のオーディオ信号発生源2a,2bの出力電圧の差(e1−e2)を、負荷Lを流れる電流に変換している。
また、第2の電圧−電流変換部4では、上述した抵抗R3aが第2OPアンプ12の正入力端子(+)に接続されるとともに第2OPアンプ12の出力抵抗である抵抗R4に接続されている。抵抗R4は、他方の出力端子に接続されるとともに、第2OPアンプ12のループ抵抗である抵抗R2に接続されている。そして、抵抗R2は、第2OPアンプ12の負入力端子(−)にループを形成するように接続されている。
この構成により、第2の電圧−電流変換部4は、第2OPアンプ12の正入力端子(+)と負入力端子(−)間に入力された第1及び第2のオーディオ信号発生源2a,2bの出力電圧の差( 2 1 )を、負荷Lを流れる電流に変換している。
一対の出力端子b,cの間には、負荷Lが接続されているとともに積分帰還部5が接続されている。積分帰還部5は、第1及び第2の電圧−電流変換部3,4の出力コモンモード成分を第1OPアンプ11負入力端子(−)及び第2OPアンプ12負入力端子(−)にそれぞれ負帰還させるものである。積分帰還部5は、2つの入力抵抗R3bと、積分回路を構成する第3OPアンプ13及びコンデンサCと、位相反転回路を構成する第4OPアンプ14及び複数の抵抗r1,r2とからなる。
第1及び第2の電圧−電流変換部3,4の出力コモンモード成分は、第1及び第2の電圧−電流変換部3,4の出力端とグランドとの間に生じるコモンモード(同相)成分である。より厳密には、上記出力コモンモード成分は、負荷Lに対して並列接続された2つの入力抵抗R3bの中点(接続点a参照)とグランドとの間に生じるコモンモード成分である。
積分帰還部5の接続構成としては、第1及び第2の電圧−電流変換部3,4の各出力抵抗R4がともに入力抵抗R3bを介して接続点aで接続されている。接続点aは、第3OPアンプ13の負入力端子(−)に接続されているとともに積分用のコンデンサCに接続されている。コンデンサCは、第3OPアンプ13の出力端子に接続されているとともに抵抗r1に接続されている。第3OPアンプ13の正入力端子(+)は、第4OPアンプ14の正入力端子(+)に接続されているとともにグランドに接地されている。
抵抗r1は、第4OPアンプ14の負入力端子(−)に接続されているとともに、第4OPアンプ14のループ抵抗である抵抗r2に接続されている。抵抗r2は、第4OPアンプ14の出力端子に接続されている。第4OPアンプ14の出力端子は、第1の電圧−電流変換部3側の抵抗R1bを介して第1OPアンプ11の負入力端子(−)に接続されているとともに、第2の電圧−電流変換部4側の抵抗R1bを介して第2OPアンプ12の負入力端子(−)に接続されている。すなわち、積分帰還部5の出力は、第1の電圧−電流変換部3及び第2の電圧−電流変換部4にそれぞれ負帰還入力されている。
上記の構成によると、式6〜式10が成立する。
Figure 0005223394
Figure 0005223394
Figure 0005223394
Figure 0005223394
Figure 0005223394
ここで、V1は負荷Lの一方端bにおける電圧、V2は負荷Lの他方端cにおける電圧、V3は第1OPアンプ11の出力端子dにおける電圧、V4は第2OPアンプ12の出力端子eにおける電圧、V5は積分帰還部5の出力端gにおける電圧、Zは負荷Lの負荷インピーダンスをそれぞれ示す。
式6〜式10より、出力電圧V0は式11で表すことができる。
Figure 0005223394
ここで、R1a1b4(R3a+R3b)=R3a3b2(R1a+R1b)、すなわち(R1a//R1b)/R2=(R3a//R3b)/R4が成立するように抵抗定数を選択すると、式12が成立する。
Figure 0005223394
すなわち、出力電圧V0は、負荷Lの負荷インピーダンスZに比例する。この場合、負荷Lに流れる電流をI0(=V0/Z)とすれば、負荷電流I0は式12より式13で表すことができる。
Figure 0005223394
ここで、R2=pR1a,R4=pR3aとなるような定数pを設定すると、式12に基づいて式14が成立する。
Figure 0005223394
式14により、負荷Lに流れる電流I0を再び導くと、負荷電流I0は式15で表すことができる。
Figure 0005223394
式15により、図1に示すVIコンバータ1の変換コンダクタンスは、−1/R3aであることがわかる。すなわち、負荷電流I0は、第1及び第2のオーディオ信号発生源2a,2bの出力電圧の差(e1−e2)に比例するとともに、負荷Lの負荷インピーダンスZには依存しないことがわかる。そして、負荷Lには、第1及び第2のオーディオ信号発生源2a,2bの出力電圧の差(e1−e2)に比例した負荷電流I0が流れることになる。
このように、上記構成によれば、積分帰還部5の積分回路が第1及び第2の電圧−電流変換部3,4の出力コモンモード成分を検出し、位相反転回路によって位相を反転して第1OPアンプ11負入力端子(−)及び第2OPアンプ12負入力端子(−)にそれぞれ負帰還(直流サーボ帰還)させている。そのため、第1及び第2の電圧−電流変換部3,4におけるわずかな回路定数のばらつきや第1又は第2OPアンプ11,12のオフセット等による電圧変動分を互いにキャンセルすることができ、負荷Lが平衡(フローティング)の状態であっても、安定した出力電流(負荷電流)I0を負荷Lに供給することができる。
図2は、図1に示すVIコンバータ1における出力波形を示す図である。このVIコンバータ1では、負荷Lは、グランドに対してフローティング状態である平衡負荷であるため、出力電圧V1,V2がほぼ0Vを基準に対称に変化するように動作していることがわかる。そして、出力電圧V0(=V1−V2)は、正確な正弦波が見られる。
ここで、図1に示すVIコンバータ1の出力コモンモード成分を算出すると、式6,10等により、式16が成立する。
Figure 0005223394
抵抗R 1a ,R 3a ,R 2 ,R 4 がR 2 =pR 1a ,R 4 =pR 3a を満たすように正確に設定されていれば、R 1a 4 −R 2 3a =0となるから、出力コモンモード成分は、「0」になることが分かる。また、R 1a 4 −R 2 3a が「0」とならない場合は、ω=0で「0」となり、ωに比例して増加する特性を有することが分かる。
一方、図3は、図1に示すVIコンバータ1の比較例を示す回路図である。このVIコンバータ1Aでは、第1及び第2のオーディオ信号発生源2a,2bの出力電圧e1,e2の差(e1−e2)が第1及び第2の電圧−電流変換部3,4に対して入力され、第1及び第2の電圧−電流変換部3,4のそれぞれの出力抵抗R4に負荷Lが接続されている。すなわち、図3に示すVIコンバータ1Aは、図1に示すVIコンバータ1に比べ、積分帰還部5を備えていない構成とされている。
この図3に示すVIコンバータ1Aにおいても、負荷Lは、グランドに対してフローティング状態である平衡負荷であり、第1及び第2のオーディオ信号発生源2a,2bの出力電圧e1,e2の差(e1−e2)に比例した出力電圧V0及び負荷電流I0を得ることができる。
しかしながら、このVIコンバータ1Aでは、第1及び第2の電圧−電流変換部3,4の出力コモンモード(同相)成分に対して負帰還量と正帰還量とが同じになっているため、出力コモンモード電圧が不定となる。そのため、わずかな回路定数のばらつきや第1又は第2OPアンプ11,12のオフセット等によって、無信号時には、出力電圧V0が第1及び第2OPアンプ11,12に供給される正負の電源電圧のいずれかに張り付いた状態となる。
図4は、図3に示すVIコンバータ1Aにおける出力波形を示す図である。同図によると、出力電圧V0(=V1−V2)としては正確な出力波形が得られるが、出力電圧V1,V2の出力波形はかなり歪んでいる。すなわち、図3に示すVIコンバータ1Aでは、音質の劣化が生じていることがわかる。
図5は、図1に示すVIコンバータ1の使用形態の変形例を示す回路図である。この変形例に示すVIコンバータ1では、負荷Lの他方端子(出力電圧V2側)がグランドに接地され、V2=0となることから、出力電圧V0は出力電圧V1と同電位になる。すなわち、負荷Lが不平衡の状態である。
同図によると、式17〜式19が成立する。
Figure 0005223394
Figure 0005223394
Figure 0005223394
式17〜19により、出力電圧V0は式20で表すことができる。
Figure 0005223394
ここで、図1に示すVIコンバータ1における説明と同様に、R2=pR1a,R4=pR3aとなるような定数pを設定すると、式21が成立する。
Figure 0005223394
式21によると、負荷Lが通常の抵抗負荷の場合には、図5に示すVIコンバータ1がハイパスフィルタ(HPF)の特性を有することを示している。すなわち、直流域では出力電圧V0=0であるため、負荷電流I0=0である。
一方、周波数が比較的高い交流域においては、式22,式23に示すように、負荷Lが平衡状態の場合(図1のVIコンバータ1参照)と同じ出力特性を有する。
Figure 0005223394
Figure 0005223394
すなわち、図5に示す負荷Lが不平衡状態のVIコンバータ1では、ハイパスフィルタ(HPF)の特性を有し、その減衰域では電流出力されないが、通過帯域においては負荷Lが平衡状態のときと同じように、安定した出力電流(負荷電流)I0を負荷Lに供給することができる。
したがって、積分帰還部5の積分用のコンデンサCの値を適当に選ぶことにより、対象となるオーディオ帯域においては、負荷Lが平衡状態又は不平衡状態に関係なく、VIコンバータ1が有する電流伝送の機能を発揮することができる。
図6は、図5に示すVIコンバータ1における出力波形を示す図である。同図によると、出力電位V2がグランドに接地されているため0Vであるが、出力電位V1の波形が出力電圧V0として出力される。
図7は、図1に示すVIコンバータ1の他の変形例を示す回路図である。図1に示すVIコンバータ1では、積分帰還部5の第3OPアンプ13によって出力コモンモード成分を検出し、検出された出力コモンモード成分を第4OPアンプ14によって位相反転して第1及び第2の電圧−電流変換部3,4の第1及び第2OPアンプ11,12の入力端子()に負帰還している。
これに対し、図7に示すVIコンバータ1Bでは、積分帰還部5’の第3OPアンプ13によって検出されたコモンモード電圧を位相反転せずに、第1及び第2の電圧−電流変換部3,4の第1及び第2OPアンプ11,12の正入力端子(+)に負帰還している。すなわち、図7に示すVIコンバータ1Bでは、図1に示すVIコンバータ1に比べ、位相反転用の第4OPアンプ14及びその周辺部品を省略することができ、回路構成を簡素化できるといった利点がある。なお、その他の構成については、図1に示すVIコンバータ1と略同様である。
もちろん、この発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、上記実施形態に示した回路構成は一例であり、同等の機能を有するものであれば、種々の回路を適用することができる。例えば図1に、本願発明に係るVIコンバータの回路図を示したが、本願発明はこの回路に限るものではない。
本願発明に係る電圧−電流コンバータの回路図である。 図1に示す電圧−電流コンバータにおける平衡負荷時の出力波形を示す図である。 図1に示す電圧−電流コンバータの比較例を示す回路図である。 図3に示す電圧−電流コンバータにおける平衡負荷時の出力波形を示す図である。 図1に示す電圧−電流コンバータの使用形態の変形例を示す回路図である。 図5に示す電圧−電流コンバータにおける不平衡負荷時の出力波形を示す図である。 図1に示す電圧−電流コンバータの他の変形例を示す回路図である。 従来の電圧−電流コンバータの一例を示す回路図である。 従来の電圧−電流コンバータの変形例を示す回路図である。
符号の説明
1 電圧−電流コンバータ
2a 第1のオーディオ信号源
2b 第2のオーディオ信号源
3 第1の電圧−電流変換部
4 第2の電圧−電流変換部
5 積分帰還部
11 第1OPアンプ
12 第2OPアンプ
13 第3OPアンプ
14 第4OPアンプ
S オーディオ信号
L 負荷

Claims (5)

  1. 第1の電圧が入力される第1の入力端子と、
    第2の電圧が入力される第2の入力端子と、
    負荷の一方端が接続される第1の出力端子と、
    前記負荷の他方端が接続される第2の出力端子と、
    前記第1の入力端子と前記第2の入力端子にそれぞれ接続される一対の入力端子と前記第1の出力端子に接続される出力端子を有し、前記一対の入力端子に入力される前記第1,第2の電圧を前記第1の電圧から前記第2の電圧を差し引いた差電圧に比例した電流に変換して前記第1の出力端子に出力する第1の電−電変換手段と、
    前記第1の入力端子と前記第2の入力端子にそれぞれ接続される一対の入力端子と前記第2の出力端子に接続される出力端子を有し、前記一対の入力端子に入力される前記第1,第2の電圧を前記第2の電圧から前記第1の電圧を差し引いた差電圧に比例した電流に変換して前記第2の出力端子に出力する第2の電−電変換手段と、
    を備えた電圧−電流コンバータであって、
    前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間の電圧に含まれるコモンモード成分を検出し、その検出値を前記第1の電圧−電流変換手段の一方の入力端子と前記第2の電圧−電流変換手段の一方の入力端子にそれぞれ帰還するコモンモード成分帰還手段を備えることを特徴とする、電圧−電流コンバータ。
  2. 前記第1の電−電変換手段は、第1のオペアンプと、その第1のオペアンプの負入力端子と前記第1の入力端子とに接続された第1の入力抵抗と、前記第1のオペアンプの正入力端子と前記第2の入力端子とに接続された第2の入力抵抗と、前記第1のオペアンプの出力端子と前記負入力端子とに接続された第1の帰還抵抗と、前記第1のオペアンプの出力端子と前記正入力端子及び前記第1の出力端子とに接続された第2の帰還抵抗とによって構成され、
    前記第2の電圧−電流変換手段は、第2のオペアンプと、その第2のオペアンプの負入力端子と前記第2の入力端子とに接続された第3の入力抵抗と、前記第2のオペアンプの正入力端子と前記第1の入力端子とに接続された第4の入力抵抗と、前記第2のオペアンプの出力端子と前記負入力端子とに接続された第3の帰還抵抗と、前記第2のオペアンプの出力端子と前記正入力端子及び前記第2の出力端子とに接続された第4の帰還抵抗とによって構成される、請求項1に記載の電圧−電流コンバータ。
  3. 前記コモンモード成分帰還手段は、
    前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間の電圧の中間値を検出する一対の抵抗と、
    前記電圧の中間値を積分する積分回路と、
    前記積分回路から出力される信号の位相を反転し、前記第1のオペアンプ及び前記第2のオペアンプの負入力端子に帰還する位相反転回路と、
    を含む、請求項2に記載の電圧−電流コンバータ。
  4. 前記コモンモード成分帰還手段は、
    前記第1のオペアンプの出力端子と前記第2のオペアンプの出力端子との間の電圧の中間値を検出する一対の抵抗と、
    前記電圧の中間値を積分し、その積分値を前記第1のオペアンプ及び前記第2のオペアンプの正入力端子に帰還する積分回路と、
    を含む、請求項2に記載の電圧−電流コンバータ。
  5. 請求項1ないし4に記載の電圧−電流コンバータを備えたことを特徴とする、オーディオアンプ。
JP2008067059A 2008-03-17 2008-03-17 電圧−電流コンバータ及びこれを備えたオーディオアンプ Expired - Fee Related JP5223394B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008067059A JP5223394B2 (ja) 2008-03-17 2008-03-17 電圧−電流コンバータ及びこれを備えたオーディオアンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008067059A JP5223394B2 (ja) 2008-03-17 2008-03-17 電圧−電流コンバータ及びこれを備えたオーディオアンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009225086A JP2009225086A (ja) 2009-10-01
JP5223394B2 true JP5223394B2 (ja) 2013-06-26

Family

ID=41241422

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008067059A Expired - Fee Related JP5223394B2 (ja) 2008-03-17 2008-03-17 電圧−電流コンバータ及びこれを備えたオーディオアンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5223394B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7393091B2 (ja) * 2014-10-21 2023-12-06 邦男 中山 電流駆動装置
JP2016082520A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 邦男 中山 電流駆動回路

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56166613A (en) * 1980-05-26 1981-12-21 Sony Corp Voltage to current converting circuit
JPS5980027A (ja) * 1982-10-30 1984-05-09 Sony Corp オ−デイオ信号伝送方式
JP3173524B2 (ja) * 1992-05-15 2001-06-04 ソニー株式会社 アンバランス・バランス変換回路
JPH08148950A (ja) * 1994-11-24 1996-06-07 Nippon Columbia Co Ltd 平衡増幅回路
JPH1032439A (ja) * 1996-07-17 1998-02-03 Nippon Columbia Co Ltd 平衡増幅回路
JP2000031758A (ja) * 1997-11-19 2000-01-28 Nippon Columbia Co Ltd 平衡増幅回路
JP3671899B2 (ja) * 2000-12-05 2005-07-13 日本電信電話株式会社 トランスコンダクタンスアンプ回路
JP3854218B2 (ja) * 2001-10-30 2006-12-06 株式会社東芝 平衡型増幅器及びこれを用いたフィルタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009225086A (ja) 2009-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20120062319A1 (en) Single-Differential Converting Circuit
JP2006174122A (ja) 出力増幅回路及びそれを用いたセンサ装置
JP5223394B2 (ja) 電圧−電流コンバータ及びこれを備えたオーディオアンプ
JP2009072022A (ja) 電流測定装置
JP2005216984A (ja) フォトダイオード受光回路
CN105334378A (zh) 前置差分测量电路及具有该电路的测量装置
US9806703B2 (en) Single-ended to differential conversion circuit and signal processing module
JP6646380B2 (ja) 電流検出回路
EP3139502B1 (en) Single-ended to differential conversion circuit and signal processing module
CN212723057U (zh) 电流感测电路
US8766715B2 (en) Amplifier circuit
TWI721814B (zh) 差分至單端轉換器
JP4275642B2 (ja) 誤差補償型変流器装置
CN112424618A (zh) 电流传感器
JPWO2006025417A1 (ja) 平衡出力回路及びそれを用いた電子機器
JPH11186859A (ja) 電圧−電流変換回路
JP2014155142A (ja) 振幅検出回路
JP4296058B2 (ja) 四端子抵抗測定装置
JP3460932B2 (ja) 絶対値回路
WO2024090239A1 (ja) 差動入力差動出力型の反転増幅回路および測定装置
JP2008005104A (ja) シングル差動変換回路
JP2012112873A (ja) 周波数計測回路
JP3452833B2 (ja) コンパレータ回路
WO2018180111A1 (ja) ノイズ除去回路
JP2010187264A (ja) コンデンサマイク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101116

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20101227

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5223394

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees